2010年11月後半の出来事


*11月30日

@タイ・サニー航空が年末年始にチャーター便初運航
 タイの新興航空会社である「サニー航空」は年末年始に成田空港とタイを結ぶチャーター便を運航します。これが同航空としても初運航となります。12月29日と来年1月2日には成田=プーケット=バンコク線チャーター便を、来年2月2日から4月3日までの間の毎水曜日には成田=シェムリアップ=バンコク線チャーター便を運航します。サービスはフルサービスになります。また、2011年下期には定期便を就航させたい、としています。

@東京地裁が日本航空の再生計画を認可
 日本航空は今日午後、東京地裁から再生計画の認可を受けた、と発表しました。これにより、企業再生支援機構は明日にも3500億円の出資を実行し、主力銀行団の融資も受けて、来年3月末までに全ての債務を返済し、更生手続きを終わらせることになります。その上で、2012年末の再上場を目指します。

@国際操縦士団体が「整理解雇」で日本政府に要請文
 国際定期航空操縦士協会連合会(約100ヵ国・10万人以上)は昨日までに、日本航空の「整理解雇」について、安全性への危惧を表明し、日本政府に仲裁を要請しました。要請文では「正当かつ社内規程に準じて病欠したにもかかわらず、当該乗員たちの病欠記録を、JAL管財人が整理解雇基準に用いることは、航空の安全を脅かすものである。この悪しき前例が出来あがれば、乗員は体調不良にも関わらず、職を守るために乗務に就かざるを得ない危険な状況が発生しかねない。」としています。

@ティエフケーを「SATS」に正式譲渡発表
 日本航空と企業再生支援機構は昨日、機内食子会社「ティエフケー」の株式をシンガポールの「SATS」社に譲渡することを発表しました。売却額は約78億円になります。これにより、約2100人がグループから離脱することになり、人員削減目標が達成されることになります。

@ドバイ政府がエミレーツ航空株の売却を検討
 米国の金融危機の影響で経済危機に陥っているドバイ政府は国有のエミレーツ航空株式の一部を売却する検討を行っている、とのことです。同政府は同じアラブ首長国連邦のアブダビ政府から1100億ドル(約9兆2000億円)の援助を受けていますが、これ以上の援助は難しいために、キャッシュの確保に苦労しています。


*11月29日

@LCCターミナル建設の判断を延期・成田空港会社
 26日に記者会見した成田国際空港株式会社の平山専務は格安航空会社専用ターミナルについて「航空会社の意向を確認するなど、 社内で検討しているが、今月中に決定することが難 しい。なるべく早く、検討したい。」と述べました。具体的には格安航空会社が着陸から出発まで30分〜1時間程度と短く設定していることや入管などについて国との調整が必要になる事などを上げています。

@首都圏9都県市が「航空施策に関する提言」を政府に提出
 首都圏9都県市は25日、「航空政策に関する提言」をまとめ、国土交通大臣などの政府関係機関に提出しました。この提言の中で、成田空港については「30万回は2014年に実施できるように、必要な施設整備と共生策を推進する」とし、「羽田・成田の着陸料は国際競争力を確保できるように引き下げる」としています。

@「日航キャビンクルーユニオン」がストライキを通告
 「日本航空キャビンクルーユニオン」は今日の経営者側との交渉で、来月24・25日にストライキを実施することを伝える、と発表しました。ストライキ権確立の時には「行使しない」としていましたが、その後の交渉で「整理解雇」に対する経営者側の態度に変化がないことを理由に挙げています。「経営者側は客室乗務員については、人数的に目標を達成しているのに、新たに『稼働日数』という概念を持ちだして、『整理解雇』を強行しようとしている」と批判しています。
 これに対して企業再生支援機構は「(同労組がストに入っても)運航に支障をきたすとは思えないので(出資に)影響はない」との立場をとっているとのことです。

@日本エアコミューター機が出発前点検で速度計にトラブル
 今日午前7時10分頃、大阪発出雲行きの日本エアコミューター2341便・DHC8-402型機の出発前点検で、速度計と高度計の表示にトラブルが見つかりました。この修理のために、この便と折り返し便が欠航となりました。

@エバグリーン機がエンジントラブルで中部に引き返す
 昨日午前6時5分頃、中部発アンカレジ行き、エバグリーンのB747-200貨物機が離陸したところ、エンジンにトラブルが発生しました。このため、同機は燃料を投棄した後、7時14分に中部空港に緊急着陸しました。点検したところ、エンジンと主翼の一部に損傷が見つかりました。

@B-787型機火災の原因はアルミ製のワッシャーによるショート
 ボーイング社は24日、飛行試験2号機の火災の原因は「配電盤の中に紛れ込んだアルミ製の小さなワッシャーがショートを引き起こして発生したものと、ほぼ特定できた」と発表しました。これに基づき、配電盤の中に異物が入り込まないように設計を変更する、としています。「数週間以内に今後の日程を明らかにする」としています。


*11月28日

@日本エアコミューターが来年3月末に奄美=福岡線を運航へ
 鹿児島県の奄美市長は昨日、日本エアコミューターが来年3月から奄美=福岡線を1日1往復で運航することを明らかにしました。機材はDHC8-400型機を使うそうです。奄美=福岡線は当時の東亜国内航空が撤退してから34年ぶりの復活になります。

@パキスタンのカラチで貨物機が墜落

成田を離陸するイリューシン76型機(1995年12月31日)
 28日午前1時45分頃、パキスタン南部のカラチの空港を離陸したイリューシン76貨物機が離陸直後に、空軍や海軍の施設や住宅のある地区に墜落炎上しました。同機はカラチからスーダンの首都ハルツームに向かうところでした。乗員は8人で、全員絶望と見られています。現場からは6人の遺体が収容されたとのことですが、地上の住民が巻き込まれている可能性も高く、死傷者が増えると見られています。離陸後、「エンジンから炎を吹き出していた」との目撃情報もあります。

*11月27日

@貨物量は1%増も、伸び率は鈍化
 成田空港の10月運用状況の内、税関の発表待ちになっていた貨物量は総量で前年同月比1%増となりました。輸出が同3%増、輸入が同6%増ですが、輸出が9月の同14%増から伸び率が大きく鈍化しています。輸入は9月の増加率と同じとなっています。

@10月の全国航空貨物輸出が1年ぶりに前年を下回る
 全国の空港から輸出される貨物が1年ぶりに前年同月を下回り、1.6%減となりました。アジア向けの電子部品などが円高などの影響で減少したことや、コスト削減のために海上輸送に移っていることが響いている、とのことです。

@東京高裁が日航OBの退職金全額支給の訴えを取り消す
 東京高裁は昨日までに、日本航空OBが「退職金を3分の1しか支給されていないのは不当」として全額支給を訴えていた裁判で、東京地裁がOBの訴えを認めて、日本航空口座の差し押さえを命じた決定を、取り消したことが分かりました。原告は「退職金は最優先されるべき債務で、ただちに支給すべき」と訴えていましたが、東京高裁は「最優先すべき債務とは言えない」として口座差し押さえ解除を命じたものです。企業再生支援機構は「更生計画が決定されるまでは支給できない」としていました。原告はこの決定を不服として最高裁に許可抗告を申し立てる、とのことです。

@日本航空が2月から国内線「乗継割引」を拡大
 日本航空は昨日、国内線を乗り継ぐ場合の「乗継割引」を2月から拡大すると発表しました。最大割引率を現行の25路線・35%から180路線・46%に引き上げます。国内線を縮小することによって地方を結ぶ直行便が少なくなり、顧客が他社に移ることを防ぐ狙いがあります。

@政策投資銀行副社長「日本航空への出資は考えていない」
 政策投資銀行の副社長は昨日の中間決算説明会で、日本航空が主要銀行団に新たな出資を要請していることについて「将来像が見えないと、なかなか難しい」と述べ、当面、応じる考えのないことを明らかにしました。

@ウラジオストック航空の新潟路線が来月29日に再開へ
 新潟県は昨日、20日の出来事で書いた、10月末から来年3月26日までの運休にはいている、ウラジオストック航空の新潟=ウラジオストック線・新潟=ハバロフスク線(各週1往復)が新潟県と新潟市が運航支援金1億円を出すことにより、来月29日から再開されることを明らかにしました。


*11月26日

@「LCCターミナルはシンプルに」と森中社長
 今日の「SankeiBiz」によりますと、成田国際空港株式会社の森中社長は昨日の記者会見で、格安航空会社ターミナルについて「シンプルな設備にしていく」と述べ、搭乗橋のないターミナルにする事を明らかにしました。搭乗橋を使わないことで搭乗橋使用料がなくなり、従来の航空会社(フルサービスキャリア)との公平性を図る、との考え方です。また、当面は既存のターミナルを使いますが、公平性の面から格安航空会社に対する施設利用料の引き下げは行わない考えです。格安航空会社の就航時期については「来年冬ダイヤからのスケジュールが常識的ではないか」との考えを示しました。ただ、SankeiBizの記事では、格安航空会社の専用ターミナルを建設することを決断したのか、決断したのであれば、何時頃造るのか、については書かれていません。

@大阪空港滑走路誤進入は全日空機の便名聞き違いなどが原因
 運輸安全委員会は今日、昨年3月に大阪空港で起こった全日空機の滑走路誤進入トラブルについての報告書をまとめました。それによりますと、誤進入した全日空「18便」が、別の滑走路で離陸待機中だった全日空「181便」への離陸許可を、自分への許可と聞き間違えて滑走路に侵入したもの、とのことです。両機の応答が同時だったために、管制官には混信で「181便」からの応答しか聞こえず、着陸機から「滑走路上に他機がいる」との問い合わせまで「18便」の侵入に気づきませんでした。

@「自由法曹団」が「整理解雇不当」の決議書
 弁護士1950人で組織する「自由法曹団」は24日、日本航空と企業再生支援機構が行おうとしている「整理解雇」は不当、とする決議書を発表しました。決議書では「会社更生手続きに至ったのは日航経営陣の放漫経営が原因で労働者に責任はない」と指摘し、(1)整理解雇の必要性を労働組合と十分に協議していない、(2)整理解雇を回避するための努力を尽くしていない、として「違法」としています。

@スカイマークが2月に茨城=新千歳線と茨城=中部線を開設へ
 スカイマークは昨日、茨城=新千歳線と茨城=中部線を来年2月1日から運航することを明らかにしました。両路線とも1日1往復になります。

@B-787型機の配電盤の設計を変更へ・ボーイング社
 ボーイング社は24日、B-787型機の配電盤の再設計とソフトウエアの変更が必要になった、と発表しましたが、納入の延期についてはコメントしませんでした。しかし、アナリストの間では「納入の延期は株価に織り込み済み」としており、半年程度遅れて、2012年にずれ込む可能性もあると見ています。

@カタール航空CEO「B-787型機は失敗」
 カタール航空のCEOは25日、ボーイング社のB-787型機とボンバルディア社のCシリーズについて「B-787型機がこれほど遅れるとは思いもしなかった。彼らは明らかに失敗した。ボンバルディア社も『Cシリーズ』の問題に見舞われている」と語り、エアバスへの発注を増やすことを検討していることを明らかにしました。


*11月25日

@国際線旅客が前年並み・貨物便が急減(10月運用状況)
 成田国際空港株式会社が今日発表した10月の運用状況によりますと、発着回数は全体で前年同月比(以下同じ)3%増となりましたが、8月の7%増・9月の8%増に比べて伸び率が鈍りました。特に、貨物便が4%減となり、前月に続いてマイナスとなっています。旅客数は全体では2%増となっていますが、国際線は±0となりました。この内、外国人客数は±0でしたが、日本人客数は4%増となり、通過客数が9%減となっています。給油量は2%減となり4月以来のマイナスになりました。なお、貨物量は税関発表待ちとなっています。航空貨物の荷動きが鈍化していることと、日本航空の貨物専用便撤退が貨物便減少に響いていると思われます。

@ビジネスジェット用スポットを5か所増設
 成田国際空港株式会社は今日、ビジネスジェット用スポットを現在の10か所から15か所に増設し、12月16日から供用を開始することを明らかにしました。場所は整備地区の屋内型ノイズサプレッサーの周辺になります。また、同時に最大駐機期間を現在の7日間から14日間に延長します。

@旭川空港での管制ミス・回避操作なければ20〜30秒で激突
 運輸安全委員会は昨日、10月26日に起こった旭川空港付近でのエアニッポン機の地上接近トラブルについて、回避操作が20〜30秒遅れていたら、比布岳の山腹に激突していた可能性を明らかにしました。回避操作後に比布岳の山頂から最接近時約220mの高度を通過していた、とのことです。

@「ティエフケー」をシンガポール企業に売却へ
 日本航空と企業再生支援機構は昨日、機内食の子会社「ティエフケー」の売却先をシンガポールの「SATS」にすることを明らかにしました。売却先を巡っては入札で「ティエフケー創業者」と「SATS」が残りましたが、優先交渉権を「SATS」に与えることになったものです。「SATS」はティエフケーをテコに日本への進出を図ります。

@10月中国人訪日客数が前年を下回る・1000万人達成は困難
 独立行政法人の国際観光振興機構が昨日発表した10月の訪日外国人数によりますと、前年同月比11%増となりましたが、特に、中国人訪日客数が前年同月をわずかに下回り、9月の同34%増から大幅に落ちました。また、1〜10月の訪日外国人客数は約733万人となり、今年の政府目標の「1000万人」達成は困難となりました。

@全日空への初号機納入遅れを認める
 今日の読売新聞によりますと、ボーイング社の担当者は24日、同新聞の取材に答え、B-787型機の全日空への初号機納入が火災事故で遅れることを認めました。どの程度遅れるかは明らかにしなかった、とのことです。


*11月24日

@09年度の低騒音機割合が76.2%に・成田空港
 成田国際空港株式会社がこのほどまとめた「2010環境報告」によりますと、2009年度の国際民間航空機関の騒音基準・「チャプター4」を満たす低騒音機の割合が76.2%になりました。2008年度の69.6%から6.6ポイントの上昇になります。また、成田国際空港株式会社が騒音の低い段階に応じて低くなる着陸料を2005年に導入しましたが、導入前の2004年度の低騒音機の割合は51.4%でしたので、それに比べると約25ポイント上昇したことになります。

@韓国路線は平常運航
 昨日の北朝鮮による韓国砲撃事件の影響ですが、成田空港発着の韓国路線は通常通りの運航を行っているようです。しかし、年末年始の韓国旅行は影響を受け減るものと見られています。

@国土が泉佐野市に二期島工事年内完成見送りを伝える
 国土交通省が関西空港対岸の泉佐野市に対して、「年内完成」を約束していた「二期空港島工事」について、「年内の完成は困難になった」と伝えていたことが分かりました。この約束は関西空港連絡橋を国営化した際に、固定資産税が減少してしまう泉佐野市が「連絡橋通行税」を条例化したのに対して、「二期空港島を2010年に完成させることにより、二期空港島の固定資産税が入るようにする」と説得して、条例を撤回させたものです。泉佐野市は関西空港関連への過剰投資で市財政が悪化し「早期健全化団体」に転落しています。今回の年内完成がなくなったことにより、連絡橋通行税を復活させることを検討するものと見られます。


*11月23日

「日本航空キャビンクルーユニオン」がスト権確立も行使せず
 「日本航空キャビンクルーユニオン」(870人)は昨日、実施していたスト権確立投票でスト権を確立したと発表しました。投票率97%、賛成票が89%だった、との事です。しかしストライキについては実施しないことを明らかにしました。「組合員の意思は示せた」としています。企業再生支援機構は「スト権を確立した場合には、出資を延期する」としていましたが、今日の日本経済新聞によりますと「予定通り出資する公算が大きい」と報じています。

@国土交通省が関西空港と大阪空港統合案を示す
 国土交通省は昨日、関西空港と大阪空港の統合について、国が100%を出資する新会社を設立し、関西空港会社の空港運営部門と大阪空港を一体的に運営すること、傘下に子会社を設立し、関西空港の土地保有部門をこの会社に移管し切り離す、とする案を固めました。これにより、関西空港会社の1兆円に及ぶ有利子負債を運営会社から切り離して、将来、運営会社を有利に民間に売却し、有利子負債の圧縮を行います。有利子負債については、運営会社が土地などの賃借料を土地保有会社に支払い、それで返済していく、としています。

@中国人訪日が10月に激減・尖閣問題が影響
 2〜9月まで単月で過去最高を更新し続けていた中国人の訪日者数が10月は一転して激減し、前年同月を下回った模様です。尖閣問題が大きく影響している模様で、年末にかけても予約数は回復していないとのことです。

@スターフライヤー機が前輪不具合で引き返す
 昨日午後3時15分頃、北九州発羽田行きのスターフライヤー82便・A320型機が愛知県上空を飛行中に、前輪のステアリングの不具合を示す警告灯が点灯しました。このため、同機は北九州空港に引き返し、5時頃に無事着陸しましたが、牽引車で駐機場まで移動しました。修理のため、この便と折り返し便が欠航しました。

@カンタス航空がA380型機の運航を27日から順次再開
 カンタス航空のCEOは23日、停止しているA380型機の運航を27日から順次再開することを明らかにしました。27日のロンドン行きにはCEO自らも搭乗し、安全性をアピールするそうです。


*11月22日

@欧州のチャーター航空会社が来夏に日本各地からチャーター便
 スイスのチャーター航空会社エーデルワイス航空は来年夏にも日本の空港から欧州へのチャーター便を運航することを明らかにしました。同航空はこのところ、毎年夏に日本と欧州を結ぶチャーター便を運航しています。座席は全て旅行会社が買い取り個人への販売はないようです。成田空港関係ではイベリア半島へ6月9日・9月22日、ベニスとローマ方面に8月4日・18日、ミラノへ6月25日となっているようです。
 また、ポルトガルのチャーター航空会社「ハイフライ航空」は来年の6月2日から9月22日の間の毎週木曜日と土曜日に成田を初めとする日本国内の11空港からポルトガル・スペイン・ハンガリーなどを結ぶチャーター便を運航します。同航空が日本に乗り入れるのは初めてになります。機材はA340型機を使います。こちらも、座席は旅行会社の買い取りとなり、ツアーを企画することになります。

@「成田=ロンドン線を考えている」スカイマークの社長
 今日のブルームバーグニュースによりますと、スカイマークの西久保社長は19日、同社のインタビューに答えて、A380型機を使った国際線の初就航には「成田=ロンドン線を考えている。ビジネスクラスの往復で運賃は30万円程度を考えている。」と語りました。また、A380型機を導入する資金計画について「最大のリスクは為替だ。1ドル95円までは想定しているが、それ以上のドル高・円安になったときには、資金計画を見直さざるを得ない。」と述べました。

@日本航空乗員組合がスト権投票中止に
 整理解雇に反対してスト権の確立を図っていた「日本航空乗員組合」は今日までに、スト権確立のための投票を中止することを決めました。「機構の意見は法律的に認められないものだが、再生に向けて社員の気持ちが二分されてしまう恐れがある」としています。なお、同じくスト権確立の投票を行っている「日本航空キャビンクルーユニオン」は今のところ投票を継続しているようです。

@日本航空の更生計画案が可決
 日本航空と同社管財人である企業再生支援機構は今日、債権者による投票で更生計画案が可決されたと発表しました。これにより、東京地裁は月末にも更生計画案を認可する見通しとなりました。

@ルフトハンザ航空がA380型機4号機を「東京」と命名

成田空港を離陸するルフトハンザ航空のA380型機(11月21日撮影)
 ルフトハンザ航空は18日より運航を開始したA380型機の4号機を「東京」と命名したことを明らかにしました。これは、来年1月に東京=フランクフルト線が就航してから50周年を迎えることを記念したもの、とのことです。
 右の写真は昨日、成田空港で撮影したものですが、これが「東京」号かどうかは分かりません。

@米国でB767型機のエンジンにトラブル2件
 21日夕方、ニューヨーク発モスクワ行きのデルタ航空30便・B767型機が離陸直後に左エンジンにトラブルが発生し、エンジンは停止しました。同機は右エンジンだけで、燃料投棄後、無事に緊急着陸しました。管制官は「エンジンから炎と黒煙が吹き出るのを目撃した」との事で、着陸時には消防車が出動しました。
 また、同じ21日にアトランタでデルタ航空のB767型機でエンジンのトラブルが発生し、ハーツフィールド・ジャクソン空港に引き返し、緊急着陸するトラブルがありました。緊急着陸の際に機体後部を損傷した、とのことです。


*11月21日

@成田空港会社が着陸料を半減へ・運用時間延長も検討
 今日の日経新聞によりますと、成田国際空港株式会社は来年3月末から、新規就航や増便する航空会社に対して着陸料を3〜5割割り引く方針を検討している、とのことです。期間は当面1年間としますが、3年間とする案も検討中とのことです。これは、格安航空会社だけではなく全航空会社に適用されるようです。年明けにも国際航空運送協会(IATA)に提示する、とのことです。また、運用時間を前後1時間延長し、午前5時から翌日午前0時までとすることも検討している、としています。
【コメント】この記事の「運用時間延長」部分では成田国際空港株式会社の談話もなければ、関係者の話もありません。どの部署で何時頃から検討してるものかもはっきりしません。「14日の出来事」でも書きましたが、「30万回説明会」の中でも国土交通省や成田国際空港株式会社は「やらない」と明確に説明していました。この記事は航空会社や貨物輸送会社などの意向を受けた「提灯記事」なのでしょうか。

@「用地は絶対に売らない」と福井空港拡張予定地地権者
 福井空港のジェット化計画に反対する坂井町空港拡張反対同盟の代表(拡張予定地地権者7人)は昨日、国土交通省を訪れ福井空港の拡張について「安全性や騒音、環境破壊など県の計画は問題が多く、飛行機が飛べる場所ではない。妥協の余地はなく、土地は絶対に手放すつもりはない。地元では16年にわたってこの計画に苦しんでおり、あくまで無条件絶対反対を貫く。」と訴えました。


*11月20日

@銀行団が日航への再融資正式に伝える
 日本航空の主要5銀行は昨日、日本航空への再融資に応じることを正式に回答しました。融資額は2849億円。これにより日本航空は自己資金343億円と合わせて来年3月末までに資金調達して再生債権を一括弁済します。

@新潟県・市がウラジオストック航空に1億円援助で運航再開要請
 新潟県と新潟市は10月末から来年3月26日までの運休にはいている、ウラジオストック航空の新潟=ウラジオストック線・新潟=ハバロフスク線(各週1往復)の早期再開に向けて交渉しています。県が7000万円、市が3000万円を出資して、ウラジオストック航空に財政支援するとのことです。同航空側も再開に前向きで、早ければ12月末からの再開になりますが、便数については今後の交渉による、とのことです。

@スカイネット機でエンジン発電機トラブル
 昨日午後1時50分頃、宮崎発羽田行きのスカイネットアジア航空56便・B737-400型機が飛行中に、右エンジンの発電機の不具合を示す警告灯が点灯しました。同機は飛行を続け、2時2分に羽田空港に無事着陸しました。

@カンタスのA380型機飛行再開に数週間
 カンタス航空は19日、運航を停止しているA380型機の運航再開までに数週間かかるとの見通しを明らかにしました。「ロールスロイス社と今後の計画と文書を作成するのに数週間かかる」としています。


*11月19日

@需要急増で太平洋路線の運賃が1年で3倍に
 今日のSankeiBizによりますと、アジアと米国を結ぶ太平洋路線の需要が急増し、運賃が1年前に比べて3倍に跳ね上がっている、とのことです。太平洋路線の利用者は1〜9月で前年に比べて10.4%増となっています。このために、「予約を取るのも苦労」とのことで、運賃が高騰している、とのことです。また、この路線は格安航空会社との競合もなく、もっとも利益の出るドル箱路線となっている、とのことです。

@日航の厚生計画が債権者から承認される見込み
 日本航空の更生計画案が債権者による投票で可決される見通し、とのことです。可決には金額ベースで2分の1以上、債務権者の4分の3以上の同意が必要となりますが、今日を期限とする意向確認で、昨日までにこの条件をクリア出来る見通しとなった、とのことです。

@エアーニッポン機がエンジントラブルで緊急着陸
 昨日午後3時30分頃、函館発中部行きのエアーニッポン394便・B737-800型機が長野市付近を飛行中に右エンジンのトラブルを示す警告灯が点灯しました。このため、同機はこのエンジンを止めて飛行を続け、中部空港に無事緊急着陸しました。

@スカイネット機で衝突防止警報装置不具合・昨日4便欠航
 17日午前、大分発羽田行きのスカイネットアジア航空92便・B737-400型機が飛行中に空中衝突防止警報装置(TCAS)の不具合を示す警告灯が点灯しました。同機は羽田空港に無事着陸しましたが、修理が長引いたため、昨日の4便が欠航となりました。

@B-787型機が7度目の納入延期か?
 航空機リース会社ILFCの元CEO・アドバーヘイジー氏は18日、ブルームバーグのインタビューに答えて「B-787型機の7回目の納入延期は確実だ」と述べました。ILFCはボーイング社の最大顧客の一つでした。また、同氏は「ボーイング社にとって、大きな後退だ」とも述べています。現在、B-787型機の試験飛行は中断したままで、火災の原因究明が行われており、試験飛行再開の見通しも明らかにされていません。

@エアバスがR&R社に賠償を請求の意向
 AFP通信は18日、「エアバスはA380型機のエンジン爆発について、製造メーカであるロールスロイス社に対して損害賠償を請求する意向である」と報じました。

@中国国際航空がA350XWB型機10機などの購入を決める
 中国国際航空の取締役会はこのほど、エアバスのA330型機10機とA350XWB型機10機の購入計画を承認しました。


*11月18日

@デルタ航空が成田=広州線を4月6日に再開
 デルタ航空は昨日、運休していた成田=広州線を来年4月6日から再開することを明らかにしました。1日1往復でB767型機を使います。また、4月5日〜7月14日に成田=マニラ線を増便し、1日2往復にすることも明らかにしました。

@クリスマスフェスティバルで12月11日に広瀬香美ライブ
 成田国際空港株式会社が12月11日に第2ターミナルビル前中央広場で「ナリタエアポート クリスマス・フェスティバル 2010 With you forever ~これまでもこれからも~」を開催します。シンガーソングライターの広瀬香美さんのライブなどを行います。詳しくはここで。

@周辺9市町首長らが羽田空港視察
 成田空港の周辺9市町の首長らは昨日、成田空港のライバルである羽田空港の国際線ターミナルや管制塔などを視察しました。駅を下りて検問もなくすぐにチェックインカウンターに行けることなどの利便性を確認し、「成田空港に比べて行きたくなる魅力を出している」などの感想がありました。

@日本航空機が急病人で中部空港に臨時着陸
 昨日午後、羽田発高松行きの日本航空1415便・MD90型機で急病人が出て中部空港に臨時着陸する出来事がありました。

@全日空機がエンジントラブルで遅れる
 昨日午前11時35分発予定の高松発那覇行きの全日空457便・B767型機でエンジンにトラブルがあり、出発が1時間40分遅れました。

@インドでの着陸失敗は機長の居眠りが原因
 17日付のインド紙ヒンドゥスタン・タイムズによりますと、乗客乗員158人が死亡した5月22日にインド南部カルナタカ州マンガロールで起こったエア・インディア機の墜落事故(5月22日の出来事を参照)を調査していた委員会は同日までに、機長の居眠りが原因とする報告書をまとめました。これによりますと、3時間の飛行中に機長は1時間40分にわたり寝ており、そのいびきがボイスレコーダーに記録されていたそうです。着陸時も正常な状態でなく、副操縦士は3度に渡り着陸の取りやめを呼びかけていました。


*11月17日

@「LCC専用施設が出来ると、LCCが成田にどっと進出」早稲田教授
 昨日開かれた早稲田大学主催の「早稲田大学アカデミッ ク・サロン」で早稲田大学アジア研究機構・客員教授の戸崎氏は「海外格安航空会社の羽田空港進出は一種のネームバリューを上げるための戦略で、一時的な進出だろう。格安航空会社が目指している本命は専用施設を整備してコスト低減がなった成田空港だ。専用施設が整備されれば、どっと進出するだろう。」と述べました。また、成田空港と羽田空港の役割について「羽田空港はビジネス需要の大きい路線。成田空港はアジアを中心とする観光路線と乗り継ぎが集中する事になるだろう。」と述べました。

@ロス発のデルタ航空機でエンジン1基がトラブル、成田に緊急着陸
 昨日午後0時30分頃、北太平洋を飛行中のロサンゼルス発成田行きのデルタ航空283便・B747-400型機でエンジン1機の温度が上昇している、との警告灯が点灯しました。このため、同機はこのエンジンを止めて飛行を続け、午後4時52分にA滑走路に緊急着陸しました。乗客・乗員にケガはありませんでした。この間、A滑走路が6分間閉鎖され8便の離発着に遅れが出ました。

@浦安市長が羽田空港離発着機の騒音軽減を要望
 昨日開かれた、千葉県知事と首長が協議する「意見交換会」で浦安市長は4本目となるD滑走路が先月21日から運用を開始したことによる騒音問題を取り上げて「午前6〜7時の騒音により、市民の睡眠障害も懸念され、看過できない状況。千葉だけが騒音を受けるのはいかがなものか」と訴えました。

@「スト権確立した場合、出資を延期する」と企業再生支援機構
 今日記者会見した「日本航空キャビンクルーユニオン」の委員長らは、労使交渉の席上で企業再生支援機構が「スト権を確立した場合は、3500億円の出資を延期する」と述べたことを明らかにしました。企業再生支援機構側は理由として「ストに突入すれば、事業価値を損なうリスクが極めて高い」と述べたそうです。記者会見した委員長らは「労組への重大な干渉だ。撤回を求めて交渉を続ける」と述べました。
【コメント】これは憲法違反ではないでしょうか。明らかなおどしです。ストライキは今の日本では「弱い」労働者の唯一の権利です。「何が何でも、労働者の不満を押しつぶそう」と言うのでしょうか。経営側の好き勝手を押し通そうというのでしょうか。かっての日本航空のめちゃくちゃな労務政策を思い出してしまいます。

@日本航空が企業再生支援機構から役員派遣を受け入れる
 日本航空は12月から新しい経営陣で再建を図ることになりました。会長の稲盛氏と社長の大西氏は留任し、企業再生支援機構から会長補佐と副社長の派遣を受けます。破綻前の役員の相当数を退任させる、とのことです。

@政府税調が航空燃料税半減を認めず
 政府税制調査会は昨日、総会を開き、各省庁からの11年度税制改正要望に対する「事前査定」(ゼロ次査定)の結果を公表しました。その中で、国土交通省から出されていたジェット燃料に課税する航空機燃料税の半減などについて「認められない」とました。しかし、これには抵抗が強く、見通しは不透明、とのことです。

@日航機の操縦席窓にひび・2便欠航
 昨日午後3時20分頃、新千歳発花巻行きの日本航空2837便・CRJ200型機の出発前点検で、操縦室のガラス窓に長さ30cmのひび割れが見つかりました。修理のためにこの便と折り返し便が欠航となりました。


*11月16日

@エアジャパン機がB滑走路で立ち往生・50分閉鎖
 昨日午後4時頃、シンガポール発成田行きのエアジャパン112便・B767型機が成田空港のB滑走路に着陸したところ、ステアリングが動かなくなり、滑走路上で立ち往生しました。牽引車で移動するまで約50分間、B滑走路が閉鎖されました。この間に、A滑走路の上空に雷雲が発生したため、到着2便が羽田空港に臨時着陸しました。

@日本航空が最大250人の整理解雇実施を発表
 日本航空は昨日、12月以降に「整理解雇」を実施すると発表しました。パイロットで110人、客室乗務員で90人と両職種の休職者50人の約250人となるそうです。これに対して日本航空乗員組合や日本航空キャビンクルーユニオンなどの労働組合は「初めから特定の組合員を標的にしているように見える」と反発を強めています。

@再融資額を2849億円に減額し合意へ
 日本航空・企業再生支援機構と主力5銀行との融資再開交渉が今週中にも合意する見通しとなりました。日本航空・企業再生支援機構側が業績の回復などから銀行団の再融資額を当初の3192億円から2849億円に減額する案を示しました。これで、銀行団の新規融資は事実上なくなります(11月2日の出来事参照)。銀行団はこの案を受け入れる意向です。

@チリ政府機が接近し、全日空機が着陸復航
 昨日午後1時10分頃、福岡発羽田行きの全日空250便・B777型機が着陸態勢に入ったところ、後続のチリ政府機・B747型機が接近しました。このため、管制官は全日空機に着陸のやり直しを指示しました。全日空機は約20分遅れて着陸しました。チリ政府機はAPECに参加した大統領などを乗せるために、駐機していた関西空港から羽田空港に来たところでした。

@日航国際線9月実績で路線縮小の中、前年並み収入を確保
 日本航空が発表した9月の旅客輸送実績によりますと、国際線旅客数は路線縮小で前年同月比18.7%減となりましたが、利用率は77.2%と高水準でした。旅客数が約20%減少した中、客単価が約20%上昇したため、収入はシルバーウイークの日並びが良く好調だった昨年並みの収入となりました。国内線旅客数は同8.2%減、利用率は68.5%でした。


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