2017年6月18日放映NHKスペシャル

「睡眠負債が危ない ちょっと寝不足が命を縮める」要旨


・ 睡眠負債とは「ちょっとした寝不足が、たまっていくと、健康に大きな影響がある」事を言う。

・ 睡眠負債があるかどうかを調べた。30人に2泊3日で、別の場所に泊まってもらう。1日目は普通の生活をして、寝てもらう。2日目はいつもの時間に寝てもらうが、窓からは光が入らないようにして、時計も隠す。事前に本人にいつもの睡眠時間を申告してもらい、2日目の睡眠時間との差で、睡眠負債があるかどうか調べる。

・ 結果は2時間未満増えた人が40%、2〜3時間が33%、3時間以上が27%となった。

・ この結果、60%の人に睡眠負債があると。考えられる。

・ 動物実験ではマウスにがん細胞を移植し、普通に睡眠をさせたものと、睡眠を妨害する行動を4週間とったものにわけて調べた。結果は睡眠を妨害したマウスは睡眠を妨害しなかったマウスに較べ、がん細胞が2倍に成長した。

・ 理由は、がん細胞を攻撃する免疫細胞の増殖が抑えられた結果と考えられる。

・ 認知症にも影響がある。フインランドの2000人を対象とした研究では、7〜8時間の睡眠をとる人に較べ、睡眠が7時間未満の人は認知症の発症率が1.59倍になっていた。

・ これは、認知症の原因とされるアミロイドβが、睡眠不足では多く出来ることが原因と考えられている。

・ また、東北大学が男女それぞれ2万人以上を、7年間にわたって観察した研究では、睡眠時間が6時間未満の男性は7時間以上寝る人に較べ、前立腺癌の発症率が1.38倍になり、睡眠時間が6時間未満の女性の乳がんの発症率が1.67倍になった、との研究結果が最近発表された。

・ その他、糖尿病・メタボリック症候群・脳血管障害・脳梗塞にかかる率も、睡眠不足の人では2〜3倍高くなっている。

・ 男女48人に2晩徹夜してもらった場合と、6時間の睡眠をとった場合の自動車運転の集中力を調べたところ、2晩徹夜した人はすぐに集中力が極端に低下するが、6時間の睡眠をとった人は2週間も経った頃に、2晩徹夜した人の集中力と同じ水準まで落ち込んでしまった。しかし、本人はこれを自覚出来ないので、余計危ない。

・ では、睡眠負債はどの程度の睡眠で起こるのか。個人差はあるが、睡眠が7〜8時間では通常は大丈夫と考えられる。6時間を切ると危険と言える。

・ 「寝だめ」は睡眠負債の解消には役に立たない。

・短い昼寝は、その時はすっきりはするけれども、睡眠負債の解消には役立たない。

・寝際のアルコール摂取は、眠りが浅くなり、短時間で目が覚めてしまうので、やってはいけない。

・寝際に携帯電話やスマホを見ることは、神経がさえて寝付けなくなるので、やめた方が良い。

(ここで、睡眠負債のテストを全国的の視聴者に実施。回答者が25万6395人)

・ 平均睡眠時間は5時間58分。10時間以上寝る人が21%、9〜6時間が39%、5時間未満が25%となった。

・ 日本人は世界でも睡眠時間が短い方で、各種調査でもワースト3に入っている。この経済的損失は、病欠や生産性の低下などで年間約15兆円と言われている。

・ 睡眠時間を増やすと、集中力や運動能力が向上する。

(最後まで、視聴できなかったので、最後の5分間分は書けませんでした。なお、この番組は「NHKオンデマンド」で有料視聴できます。)


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