WECPNLとは?

 現在、航空機騒音の単位として“WECPNL”が使われています。本来、音の大きさを表す単位は“ホン”や“db”が使われます。昔は航空機の音を測る単位は騒音計のA特性で測った1機毎の最高音が使われました。これは今でも基本的には変わらないのですがこの“WECPNL”は「音を積み重ねとして考えよう」と考えられた単位です。すなわち、航空機の音がだんだん大きくなって、最高音になり、やがて小さくなって聞こえなくなります。大きな音でもすぐ聞こえなくなれば、影響は小さいし、それ程でもない音でも長く続けば影響は大きいと考えるのです。

 また、まわりがうるさい昼間の航空機の音は影響が少なく、寝静まった夜中の音は影響が大きいと考えるのです。

 正式な計算は複雑でコンピュータで計算しますが、日本の環境基準測定方法は、次の略式計算方法を使っています。

WECPNL=ホン(A)+10・logN−27

ホン(A)=10・log1/n・Σ10ホン(A)/10

1日の機数;n=N1+N2+N3

1日の加重機数;N=N1+3・N2+10・N3

時間帯別機数;N1は7〜19時、

       N2は19時〜22時、

       N3は0〜7時および22〜24時

 WECPNLの正式名称は

“ Weighted Equivalent Continuous Percived Noise Level”

です。日本語では“加重等価平均騒音レベル”と訳されています。

 世界的にもこの単位は使われているのですが、本会としてはこの単位を騒音の基準として使うことには疑問を持っています。何故かというと、この単位が騒音の被害を受ける住民の被害感覚を正確に表しているとは言い難いのではないか、と言う理由からです。

 1例を挙げますと、この単位では概算で、1日に100機の航空機が飛び、その1機1機の騒音が70ホン(A)としたとき、60WECPNLになります。所が、機数が倍の200機になって、1機1機が70ホン(A)の音を出しても、WECPNLは3ポイントしか上昇せず、63WECPNLなのです。この3ポイントの上昇は住民の被害感覚からいうと少なすぎると考えます。

 私たちはWECPNLと被害感覚の相関関係が正しいかどうかを明らかにする調査を要求します。