2002年3月の出来事


*3月28日

@暫定平行滑走路後の不安を色濃く反映・騒音対策委員会
 昨日の午後、成田空港近くのホテルで第29回騒音対策委員会が開かれました。今回の騒音対策委員会は例年とはちょっと違って、暫定平行滑走路供用開始を控えて、住民の不安を色濃く反映したものになりました。委員長挨拶をはじめ空港公団側は「やっと、供用開始にこぎ着けました。これも、みなさんのご協力のたまものです。」と祝賀ムードを盛り上げようとしていましたが、住民からの要求は暫定平行滑走路供用開始後の不安をにじませる厳しいものとなり、祝賀ムードはありませんでした。成田市長は「『騒特法の防止特別地区内の土地は規制により資産価値がゼロになった。』と住民は言っている。山林も含めてすべて買い上げて欲しい。」と要求しました。また、芝山町長は「民家の防音対策は騒防法による対策と共生財団による対策と自治体が先行して行っている谷間対策と3つに分かれているが、煩雑で仕方がない。すべて国の責任で一元化して欲しい。」と要求しました。そのほか、複数の地区部会から出された問題は「民家防音家屋の老朽化に伴う遮音効果の回復措置を制度化して欲しい。我々は騒音下に住み続けるのだから。」、「両側からの騒音にさらされる谷間地域はWECPNLでは表せない被害がある。この谷間の騒音の調査と民家防音工事助成などの対策をとって欲しい。」、「空港周辺の交通渋滞が激しくなっている。道路の整備に力を入れて欲しい。」、「飛行コースの遵守と落下物対策に一層の力を入れて欲しい。」、「周辺対策交付金の増額を図るために制度の見直しをして欲しい。」などが出されていました。さらに、茨城県の地区部会からは、「周辺対策に千葉県・茨城県の垣根があるがこれをなくして欲しい。」と言う意見が出されました。最後に本会(成田空港から郷土とくらしを守る会)を代表して私の方から質問を行いました。まず、暫定平行滑走路の供用開始により4000m滑走路の便数を360便に戻すように求めたのに対し、国土交通省の成田空港長は「この約束はあくまでも2500m平行滑走路ができた時のことを言っているのであり、需要が逼迫することから360便に戻すことは出来ない。地域の方々にも理解をして欲しい。」と拒否をしました。これでは、4000m滑走路直下の地域は長距離便が増えることにより、ますます騒音が激しくなります。この質問で印象的だったのは私が「10便増えただけで環境基準の達成率が44.8%から36.2%に下がってしまった。」と指摘したのに対して、答弁では環境基準については一言も触れませんでした。今までも、同じでした。国土交通省内では環境基準に触れてものを言うことはタブーのようです。次に「米同時多発テロによる便数減が周辺対策交付金の減額につながる。これを補填する措置をとって欲しい。」と質問したの対し、空港公団の地域共生部長は「確かに少なくなるが、暫定平行滑走路の供用開始で便数が増えるので、総額は増えることになる。」と答えました。これについては、私の方から、「暫定平行滑走路の分で増えるのは当たり前だ。なぜなら、騒音地域が広がるのでそれだけ対策にお金がかかるのだ。それと、米同時多発テロによる減少は別の問題だ。」と指摘しました。さらに、空港公団の民営化について質したところ、「上下に分離して、周辺対策は下もの法人がいままでと同じようにやっていく。」との答えでした。以上がごく簡単な報告です。詳しいものは後で載せるつもりです。

@成田空港2月分の輸送実績8%減に
 空港公団が今日発表した成田空港の旅客輸送実績によると、国際線で前年同月比8%減となりました。1月が同11%減でしたから、回復基調が鮮明になっています。発着回数は国際線で同6%減、国内線で同18%減、貨物は同8%減でした。

@暫定供用開始で米航空会社のシェアが初めて30%切る
 空港公団が今日発表した暫定平行滑走路供用開始後の運航計画によりますと、アメリカの航空会社のシェアが開港以来初めて30%を切り、29%になるそうです。これには、デルタ航空からフェデラルエックスプレスに譲渡された14便は含まれていませんが、これを入れると29.6%になるそうです。他のアジア諸国の空港ではアメリカの航空会社のシェアは5〜8%台が多いようです。なお、日本の航空会社の成田空港におけるシェアは38%になります。

@反対同盟北原派が敗訴
 1989年9月に「新東京国際空港の安全確保に関する緊急措置法」(成田新法)に基づいて、旧運輸省が「三里塚闘争会館」など5カ所に対し、使用禁止命令を出したのは憲法違反で命令の取り消しと損害賠償を求めた反対同盟北原派の訴えに対する判決が26日千葉地裁でありました。判決では、命令には合理性がある、として訴えを棄却しました。

@「成田高速鉄道アクセス株式会社」会長に堂本知事
 成田新高速鉄道を建設する第3セクターである成田高速鉄道アクセス株式会社の設立発起人会が25日に成田空港内のホテルで開かれました。そこで、会長に堂本千葉県知事がなることが決定されました。しかし、建設費の沿線自治体の負担をめぐって難航しているようです。

@成田ーチューリッヒ線が31日から再開へ
 経営破綻したスイス航空から国際線の譲渡を受けたクロスエアーに対して国土交通省は26日付で乗り入れを許可しました。これにより、31日からMD11型機を使って成田ーチューリッヒ線を週5便運航することになります。なお、クロスエアーは5月13日の株主総会で「スイスエアラインズ」に名称を変更することにしていますので、31日からの運航はスイスエアラインズで行うことになります。

@航空機事故の損害保険の補填を3ヶ月延長へ
 国土交通省の小幡事務次官が明らかにしたところでは、明日の閣議で航空機事故に対する損害保険の政府による補填措置を3ヶ月延長することが決まるそうです。なお、今後は財務大臣と国土交通大臣の話し合いによって延長できるようにするとのことです。

@石原都知事が首相に「羽田の国際化を5年でやろう。」
 今日、小泉首相と会見した石原都知事は「羽田空港の国際化を5年でやろう。」と持ちかけたそうです。これに対して小泉首相も「出来るだけ早くやろう。」と応じたとのことです。

@日本コミューター乗員組合がストに突入
 日本コミューター(JAC)の操縦士で作る乗員組合は賃上げと就業規則の見直しを求めて会社側と交渉していましたが、まとまらず、今日の午前0時から48時間のストライキに入りました。今日は120便のうち59便が欠航しました。

@爆破メールで中学生を補導
 昨年12月26日に「全日空機を爆破する。」と言うメールが届いた問題で警視庁は当時13才の中学生を犯人として補導しました。中学生は「飛行機を爆破すると予告し軍隊が出動して処理した映画を見て、おもしろ半分にやった。」と言っているそうです。


*3月26日

@明日は騒音対策委員会と役員会がありますので、更新が出来ません。よろしく。

@成田空港南側貨物地区建設で住民説明会・不満続出
 昨日の夜、芝山町菱田共同利用施設で空港公団が建設を予定している空港南端の新貨物地区についての菱田地区住民説明会が開かれました。会には菱田地区の役員や住民約30人が参加しました。また、相川芝山町長も出席しました。この説明会は建設予定地が空港公団所有地であり、付け替えられる道路も公道ではなく空港公団の私道になっていますから、本来なら開く必要はないものです。しかし、区長会で質問が出て、町長が説明させると答えたことで開かれることになったものです。説明会では住民から、「現在でも渋滞が非常に激しいのに、何で作るのだ。渋滞がさらに激しくなる。」と言う意見や、「住民が要求しなければ、このような説明会もなく、一方的に建設するつもりなのは、空港建設の場合と同じで、共生の考えに反する。」い言う意見や、「私道とは言え、『この道は将来にわたって、存続させる。』と言う約束を文書で取り交わしたではないか。」などの批判が次々に出ました。また、相川町長に対しても、「『意見を聞く。』と言っていたのに、早々と同意をしたのはどういう訳だ。」と言う批判も出ました。空港公団側は「この貨物地区から空港外に出てくる車両はそんなには多くない。また、12月には南側ゲートが出来て、渋滞も少しは緩和される。付け替え道路はそれほど大回りにはならず、不便にはならない。」と説明しました。これに対して、住民からは、「渋滞による空気の汚れも激しく、窓を拭くと真っ黒になる。大気汚染の調査を実施して欲しい。」、「南ゲートが出来て渋滞がどのくらい解消するか、様子を見てから工事開始を考えればよいではないか。」と言う提案がありました。

@平行滑走路南部分の塗装工事始まる
 2月13日の出来事で書いた本来の平行滑走路の南側部分を緑色に塗装し、暫定平行滑走路と間違えないようにする塗装工事が昨日から始まりました。塗装工事は今週中に完了する見込みとのことです。

@北海道知事がエアドゥへの支援見送りを表明
 北海道の堀知事は議会の特別委員会で、エアドゥが求めている17億円の追加資金援助の要請について、「今はエアドゥの自助努力の結果を見守りたい。」と表明し、今回の17億円の資金援助を見送る方針を明らかにしました。しかし、将来の援助については含みを残した答弁になっています。エアドゥはこれにより、資金が苦しくなりますが、国土交通省が滞納している9億円あまりを次年度に繰り越すことを認めるなどの支援策で、直ちに倒産などの事態にはならない見込みです。エアドゥは航空機のリース料の引き下げ交渉や、羽田空港の発着枠の新たな配分の見通しなど明るい面も見えてきています。

@ICAOが操縦席ドアの強化を義務つけへ
 国際民間航空機関は25日までに、客席数が60席以上と離陸最大重量が45.5トンを越える旅客機に対して、操縦席のドアを銃弾が貫通しないように強化することを義務づけるなどのテロ対策を採択しました。


*3月25日

@日航とJASが羽田発着枠の内10便返上を検討
 10月の経営統合について公正取引委員会から「独占禁止法に違反する恐れがある。」と指摘された日本航空と日本エアシステムは両社の羽田空港発着枠の内10便(往復1便)を返上する修正計画をまとめた模様です。羽田空港便は1便で年間数十億円の利益があり、この措置により両社は数百億円の減収になると説明しています。

@米旅行予約大手がユナイテッド航空に報復措置
 アメリカの旅行予約大手が航空券販売手数料の廃止をしたユナイテッド航空に対して、報復措置を発動しました。大手のトラベロシティ・ドット・コムは同社の予約サイトでユナイテッド航空の運賃に10ドルを上乗せしました。また、エクスペディアはサイトにユナイテッド航空の料金を掲載せず、空路情報も最下部に移動しました。ユナイテッド航空以外の大手航空会社も手数料の廃止を打ち出していますが、一定の販売額を達成したときの報奨金制度など代替策を打ち出し、旅行予約大手と合意しており、ユナイテッド航空だけが標的になりました。

@米同時多発テロの影響で1300機がスクラップに
 23日付のイギリス各紙はボーイング社などの調査を引用して米同時多発テロで需要が落ち込んだ結果、2000機以上の旅客機が地上に駐機したままになっており、この内、1300機はそのままスクラップになる可能性が高いと報じました。


*3月24日

@短い暫定平行滑走路に苦労する航空会社
 すでに指摘されているように、暫定平行滑走路は地方空港にもあまりない短い滑走路です。そこで、各航空会社は色々な工夫をして路線を確保しています。ベトナム航空ではふつうに運航すると、航続距離が短くなるためにホーチミンやハノイへの直行便が運航できません。関西国際空港を経由して燃料を補給するのでは着陸料が高く採算に合わなくなります。そこで、貨物を減らして、機体を軽くし、航続距離を伸ばし直行便を運航することにしています。ノースウエスト航空では短・中距離機を成田空港に常駐させアジア便を増便することにしています。また、B−747型機を着陸だけ暫定平行滑走路を使い、離陸は4000m滑走路を使う会社もあります。
【コメント】「滑走路が短いんだ。」と言うことがパイロットに心理的な圧迫感を与え、アクシデントがあったときの対応のミスにつながらなければ良いと思うのは取り越し苦労なのでしょうか。祝賀ムードに水を差すつもりはありませんが、安全が気になります。



*3月23日

@「くうこうだより」春号が届きました
 今日、空港公団から「くうこうだより」春号が送られてきました。1面から3面までは暫定平行滑走路オープン特集です。2面には国内線の時刻表と新規乗り入れをする航空会社が一覧表で載っています。国内外で10社が新たに成田空港にお目見えすることになります。6面には「音の体験ルーム」が4月1日から空港情報センター地域相談連絡室と航空科学博物館にオープンする事が書かれていました。

@反対同盟熱田派が「供用開始反対集会」開く
 反対同盟熱田派は21日、平行滑走路予定地で集会を開き、「暫定平行滑走路オープンは住民の追い出しを狙ったもの。」と供用中止を訴えました。参加者は約120人で集会後デモ行進を行いました。

@中華航空が成田空港ー東京・横浜駅に無料バス運行
 暫定平行滑走路供用開始で羽田空港から成田空港に移転する台湾の中華航空は4月18日から、中華航空の乗客に対し成田空港と東京駅・横浜駅を結ぶ無料バスを運行すると発表しました。競争の激しい中で他社との差別化を図る目的です。

@全日空成田メンテナンスセンターがISO14001を取得
 全日空は航空機体全体の整備を行う部門では国内初めてとなる環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001を成田メンテナンスセンターが取得したと発表しました。

@フィンランドの国内線で爆発物持ち込みで男性を逮捕
 21日、フィンランドの国内線に爆発物を持ち込もうとした、19才のフィンランド人男性が逮捕されました。男性は手荷物の中に約200gの爆発物と起爆装置を持っていましたが、保安検査で発見されました。

@ユナイテッド航空が一時帰休の解除と新規採用
 ユナイテッド航空は夏期の増便に備えて、一時帰休させていた従業員1300人を復職させ、900人を新規に採用すると発表しました。


*3月22日

@強風で19便が目的地を変更・昨日成田空港で
 昨日の午後、成田空港では強風(最大瞬間風速22.6m)と、巻き上げられた砂やチリによる視界低下(一時2Km)によって、日本航空機11便、ノースウエスト航空機2便など19便が目的地を羽田空港・関西国際空港・新千歳空港などに変更しました。

@羽田空港再拡張で工法選定会議を設置へ
 扇国土交通大臣は今日、羽田空港の再拡張について工法を検討する「羽田空港再拡張事業工法評価選定会議」を設置し、今月28日に初会合を持つことを明らかにしました。5月中には結論を出すことにしています。

@国土交通省、次の8次整備計画に地方空港の新設・延長は凍結
 国土交通省は2003年から始まる第8次空港整備計画には地方空港の新設と既設空港の滑走路延長は盛り込まず、凍結する方針を固めました。新設で見送られるのは「びわこ」・「播磨」・「小笠原」・「新石垣」の4空港、延長が見送られるのは「新千歳空港」・「秋田」・「山形」・「福島」・「新潟」・「佐渡」・「福井」の7空港です。

@フェデラルエックスプレスへの譲渡認める
 昨日書いた、アメリカのデルタ航空の成田空港発着枠をフェデラルエックスプレスに譲渡する問題で、国土交通省は今日、譲渡を認めると発表しました。フェデラルエックスプレスが発着枠を維持するために荷物を積まない小型機を離発着させるなどの不正行為を辞めることを条件としています。これで、アメリカの報復措置の発動も見送られます。


*3月21日

@成田空港の滑走路変更を原則認めず制裁も
 国土交通省は12日付で、乗り入れている各航空会社に対して、「暫定平行滑走路に着陸予定の航空機は原則として、4000m滑走路への着陸は出来ない。」とする通達を出していたことが明らかになりました。これは、暫定平行滑走路が2180mと短いことから、天候などで長い4000m滑走路への着陸を要求するパイロットが増え、4000m滑走路の運航に支障が出ることを恐れたものと考えられます。4000m滑走路へ変更した場合には航空会社にレポートを提出させ、正当な理由だったかどうか検討します。変更が相次ぐ航空会社には、一定期間の運航停止も含めた制裁を課すこともある、としています。

@米運輸省が成田空港の発着枠問題で強硬姿勢
 アメリカ運輸省は20日声明を発表し、成田空港におけるアメリカ航空会社間の発着枠の譲渡について直ちに認めるよう日本政府に強く求めました。これは、デルタ航空がフェデラルエックスプレスに成田空港の発着枠を譲渡しようとしているの対し、国土交通省が「フェデラルエックスプレスは成田空港ですでに多くの発着枠を確保しており、これ以上の枠は競争を阻害する恐れがある。」として難色を示していることにいらだったものです。アメリカ運輸省は対抗措置も辞さずとしており、日本の航空会社に貨物の運航計画を提出するよう命令しています。

@政府が航空機事故の損害保険補償を延長へ
 政府は米同時多発テロ以後、損害保険会社が航空事故に対する補償額を10億ドルに引き下げたことを受けて、米同時多発テロ以前の20億ドルまでの差額について政府が補償する措置を半年を限度にとってきましたが、半年経った現在でも補償額が10億ドルのままになっていることを受けて、この措置を4月以降も継続する方針を固めました。


*3月20日

@公取委事務総長が「羽田発着枠だけが問題ではない」
 公正取引委員会の山田事務総長は今日の記者会見で、日本航空と日本エアシステムの経営統合を独占禁止法に違反する恐れがあるとした問題について、「羽田空港の発着枠は混雑空港の問題であり、問題はそれだけではない。当事者が相談に来れば、相談には乗る。国土交通省とも相談ししていく。」と語りました。

@「除細動器の搭載で乗務員の不安が解消される」
 アメリカン航空は航空機の乗務員が自動体外式除細動器(AED)の使用訓練を受けると不安が解消すると言う調査結果を明らかにしました。同社は除細動器の搭載でリーダー的な存在で、自社の客室乗務員に聞き取り調査をしたものです。また、この調査によると、客室乗務員の7.6%が「乗務中に乗客に対して除細動器を使用したことがある。」と答えたそうです。


*3月19日

@騒音テスト飛行は1回ずつ、計2回だけ
 今日、空港公団から騒音テスト飛行についての連絡が郵送されてきました。それによりますと、4月2日の午前10時半から12時までの間に、日本航空のB−767と全日空のA320がそれぞれ1回ずつ計2回暫定平行滑走路の飛行コースに沿って飛ぶだけとのことです。暫定平行滑走路上は高度150mで通過するそうです。空港公団の担当者に電話で、「どうして、もっと飛ばないのか。」と質問したところ、「正式に運用されているわけではなく、4000m滑走路が使われている状況では、管制の面でその合間を縫って1回やるのが限度だ。」とのことでした。しかし、4000m滑走路に離着陸する航空機の邪魔をしないように飛ぶことは可能だと思うのですが、素人の私には「管制の安全上」と言われてしまうと反論できません。

@古い民家防音家屋の調査始まる
 古くなった民家防音家屋の遮音効果が有効かどうか調べる調査が昨日から始まりました。(昨年10月16日の出来事参照)昨日の調査した家屋の内、防音工事を実施てから約22年経つ家屋では、防音サッシのずれやゆがみが発見され、家屋の中と外の航空機の音を測定したところ、基準では25db音が遮音されなければならないにも関わらず、19dbと21.5dbの遮音効果しかありませんでした。防音サッシはサッシそのものは丈夫ですが、重さが普通のものよりかなり重く、既存の家屋に着けると家そのものが重さでゆがんでしまう事が多いようです。

@社名は「成田高速鉄道アクセス」に
 昨日千葉市内で「成田新高速鉄道建設主体設立準備委員会」の第2回会合が開かれました。ここで、会社名を「成田高速鉄道アクセス株式会社」とする事が決まりました。また、来月下旬に新会社が設立されますが、この段階で空港公団・千葉県・京成電鉄・航空大手3社の6者で約10億円を出資することが決まりましたが、沿線自治体の負担金の分担調整は難航しているようで千葉県が調整に当たり了解が得られた段階で出資者に加わるとしています。5月には鉄道事業許可を申請し、2005年に着工、2010年完成を目指します。

@小松基地騒音訴訟で国も控訴する
 国は小松基地3・4次騒音訴訟の判決を不服として、今日、名古屋高裁に控訴しました。控訴理由について防衛庁は(1)救済範囲が80WECPNLでなく、75WECPNL以上と拡大されている、(2)防音工事を実施しているのに、判決ではこれをあまり評価していない、としています。住民側は飛行禁止が認められなかった、として昨日控訴しています。

@エアニッポンが能登空港ー羽田空港線を申請
 エアニッポンは昨日、来年7月に開港する能登空港の羽田路線特別枠に対して、国土交通省に運航許可の申請を行いました。申請期限は昨日で、他に申請した会社はなく、エアニッポンの乗り入れが事実上決まりました。


*3月18日

@ニューヨークからのNW航空機が2日遅れで到着
 ニューヨークを14日出発したノースウエスト航空17便はエンジントラブルのためにシアトルに臨時着陸し、翌15日に出発しようとしたが、代替機のやりくりが出来ずに断念、16日にシアトルを出発し昨日の午後、約2日遅れで成田空港に到着しました。約200人の乗客は「やっと着いた。」「とても疲れた。」と口々に話していました。

@日本エアシステムの1月分実績で国際線がプラスに
 日本エアシステムが発表した1月の旅客輸送実績によると、国内線は2ヶ月連続で前年同月比0.5%減、国際線は同0.5%増になりました。国際線が前年比で増加になったのは米同時多発テロ以来初めてのことです。日本エアシステムの国際線はアジアが中心と言う事情もあると思われます。

@「2社から発着枠の返還があれば新たな配分を検討」
 国土交通省の小幡事務次官は今日の記者会見で、日本航空と日本エアシステムの統合に対して公正取引委員会が独占禁止法に違反する恐れがあるとの判断を示したことについて、「問題は羽田空港の両社の発着枠が多いと言うことだろう、両社から発着枠の返還があれば、新たな配分を考えるなりの対応をとりたい。」と述べ、返還された発着枠を後発航空会社に割り当てる可能性を示唆しました。


*3月17日

@新規乗り入れ航空会社が活発にPR
 パプアニューギニア航空やモンゴル航空など暫定平行滑走路供用開始で新たに成田空港に乗り入れる航空会社が活発なPR活動を展開しています。パプアニューギニア航空はパンフレット1万枚を作り、ウインドサーフィンなどのマリンスポーツの適地と売り込んでいます。モンゴル航空は営業担当者が来日し、旅行代理店を回ってツアーの設定などを訴えています。暫定平行滑走路供用開始で成田空港に乗り入れるのは37カ国・2地域の62社になることになります。

@国土交通省が羽田再拡張費用を自治体にも負担させる方針
 国土交通省は東京都など地方自治体に羽田空港再拡張費用を負担させる法整備に着手しました。現在は「空港整備法」で羽田空港を整備する費用はすべて国がまかなうことになっています。しかし、再拡張費用は1兆円にのぼるものと見られ、国だけでは負担できないとして、4分の1を自治体に負担させるように改正する検討を始めました。

@福岡空港は2008年に限界に・福岡県
 福岡県当局は福岡空港の処理能力が2008年に年間16万回に達し限界になる、と言う見通しを明らかにしました。そして、新福岡空港が完成するまでは空港の機能を整備することと、2005年に完成が予定されている新北九州空港を積極的に活用することでしのげるとしています。


*3月16日

@騒音テスト飛行が来月2日に実施へ
 
国土交通省は昨日、成田空港周辺の住民から要望の強かった、実際に使われる飛行機による騒音テスト飛行を来月2日に実施することを明らかにしました。使われるのは日本航空のB−767型機と全日空のA320型機です。当日、4000m滑走路を離陸して、暫定平行滑走路の飛行コース通りに飛行しますが、実施の着陸・離陸はせず、暫定平行滑走路を低空で通過する事になるそうです。詳しいことは空港公団から本会にも連絡があるはずです。
【コメント】本会でも騒音計3台を使って騒音の測定を行う予定です。しかし、着陸の騒音は実際の騒音とほぼ同じになると思われますが、離陸の騒音は実際の飛行よりもかなり低い騒音になると思われます。実際の飛行では客と貨物と燃料を積んで離陸しますが、今回のような場合、客や貨物を積まず、燃料も安全性を考えてあまり積まないで飛びますので、それだけ、騒音は低くなります。

@嘉手納町長が嘉手納基地司令官に騒音軽減などを要望
 宮城嘉手納町長は14日、嘉手納基地第18支援軍の司令官を訪ね、米同時多発テロ以降特に激しくなっている騒音の軽減や洗機場の移転や排ガス調査の実施などを要望しました。司令官は「多くの問題が生じ、責任を感じている。解決の方法を検討し、必要な努力をしたい。」と答えました。

@パイロットの身体検査で基準に達していない者を合格に
 パイロットの航空身体検査を行う羽田空港にある東京国際空港診療所の指定検査医が検査の基準をよく知らず、基準に満たないパイロット20人を「合格」にしていたことが明らかになりました。国土交通省はこの医師に立ち入り検査を実施しました。この医師は主にアマチュアパイロットやプロの小型機・ヘリコプターのパイロットの検査をしており、受診率は全国でもダントツだったそうです。この医師はアメリカの資格も持っているベテランで、「基準を知らなかった。」と言うのは解せません。パイロットの身体検査は定期運送用パイロットは半年毎、他のパイロットは1年ごとの受診が義務着けられています。

@ジャカルタの日航機エンジントラブルは金属疲労が原因
 インドネシアの航空当局は2000年9月にジャカルタ空港で起こった、離陸直後の日本航空機がエンジントラブルで部品を落下させた事故の原因について、修理の際についた微細な傷が元で低圧タービン部品が金属疲労を起こして破壊を起こした、とする見解を国土交通省に通知しました。

@エジプト航空機墜落事故は副操縦士の意図的な行為が原因
 アメリカ国家安全委員会は1999年10月、マサチューセッツ州沖で墜落したエジプト航空機事故について、副操縦士の意図的な行動が原因とする調査結果を公表しました。墜落の直前、操縦士が機体を立て直そうと「一緒に操縦桿を引け。」と繰り返し叫んでいたにもかかわらず、副操縦士は冷静な声で、「神のおぼしめしだ。」と繰り返し、操縦桿を押し続けたとのことです。報告書では触れていませんが、関係者は同乗していた査察操縦士にとがめられたはらいせだ、と語っているそうです。


*3月15日

@反対派農家2戸が空港公団に用地を売却し移転へ
 平行滑走路南端の航空保安施設用地に土地を所有する反対同盟熱田派の三ノ宮廣さんら2人は約1haの用地を空港公団に売却し、移転することに合意しました。この2戸は芝山町菱田地区にありますが、暫定平行滑走路が供用開始になると、激しい騒音の直下になり、生活環境が悪化することに不安を持ったために売却し移転することを決意したとのことです。

@暫定平行滑走路空港面レーダーの精度テストを実施
 国土交通省は昨日、暫定平行滑走路に実際に航空機を走行させ、滑走路や誘導路上の航空機の位置を確認する「空港面探知レーダー(ASDE)」の精度テストを実施しました。なお、暫定平行滑走路が800m北にずれたため、レーダーに映らない死角が3カ所生じますが、赤外線カメラを設置して補うそうです。この検査は18日にも実施されます。

@公取委が日航とJASの統合を独禁法違反と結論
 
公正取引委員会は今日、10月に経営統合を予定している日本航空と日本エアシステムにたいし、羽田の発着枠が53%になるなど、新規参入や競争を事実上制限する恐れがあり、独占禁止法に違反すると問題点を指摘しました。これに対し、両社は「早期に対応策をまとめ提出する。」としています。


*3月14日

@どこに行く・成田空港周辺のオオタカ
 芝山町の会員からの報告によると、暫定平行滑走路南部の飛行コース直下にある移転して無人化した集落付近にオオタカが生息しているようで、上空を飛んでいるのが何回も目撃されているそうです。空港公団が実施した環境調査でもオオタカの生息は確認されています。しかし、暫定平行滑走路が供用開始になって、激しい騒音にさらされるようになると、オオタカもすみかを移さざるを得なくなると思われます。また、移らない場合は航空機のエンジンに吸い込まれるなどの「バードストライク」の危険もあり、安全に支障が出ることになります。これらのオオタカはどこに行くのでしょうか。

@コンチネンタル航空がビジネス席をフルフラットに
 コンチネンタル航空は成田ーニューヨーク線などのビジネスクラスの座席をフルフラットタイプに4月から変更することを明らかにしました。これは、日本の航空会社などが座席を変更したことに対抗するため、としています。

@昨年の全国航空旅客は国内が1.3%増、国際が9.1%減
 国土交通省は昨日、昨年1年間の全国の航空輸送実績を発表しました。それによりますと、国内線は前年比で1.3%増、国際線は同9.1%減となりました。国内線は8年連続の増加になり、国際線は8年ぶりの前年割れとなりました。国際線では米同時多発テロの影響で、グアム・ハワイなどの太平洋路線が33.1%減、北米路線が15.5%減、欧州路線が15.3%減となっています。貨物は国内線で7.6%減、国際線が12.9%減でした。

@小松市長が「飛行方式の研究を国に求める」
 西村小松市長は一昨日の議会一般質問への答弁の中で、先の騒音訴訟に関して、「騒音を減らすために、ジェット戦闘機の飛行方法の研究を国に求めていく。」と述べました。

@国土交通省と警察庁がエアマーシャルの実施を検討
 国土交通省と警察庁は航空機内に武装した警察官を搭乗させる「エアマーシャル」を早期に実施する方向で検討に入りました。早ければ、ワールドカップの開始と同時に実施したい意向です。

@富山空港の増加発着枠は羽田線に2便、沖縄線に1便
 4便の発着枠が増加される富山空港で、県は日本航空の富山ー羽田線に2便、富山ー沖縄線に1便を割り当てる方針を固めました。残りの1便は国際線の枠として確保する方針です。日本航空は富山ー羽田線を3便にしたいと県に申し入れています。

@エールフランスが中部国際空港に定期便を検討
 エールフランスの日本支社が明らかにしたところによりますと、2005年3月に開港予定の中部国際空港に定期便の乗り入れを検討しています。エールフランスは1999年3月から名古屋ーパリ線を運休にしています。これの復活として検討しているものです。


*3月13日

@北側第2ゲート入口道路を2車線に拡張
 成田方面から成田空港に入る第2ゲートは国道295号線(通称空港道路)から左に入りますが、この入り口付近が神社と陸橋の支柱によって、狭くなっており、ゲートへの進入路が1車線になっていました。このため、通勤時間帯には数百mの渋滞が恒常的に起こっていました。空港公団では神社側と交渉し、神社の所有地の一部と近くの空港公団所有地を交換することで話し合いがつき、入り口付近の進入路を拡幅して2車線とする工事に着手しました。空港公団では暫定平行滑走路供用開始の4月18日までに工事を完成させたいとしています。これにより、少しは渋滞の緩和に役立つことになります。

@小松基地騒音訴訟原告団が控訴を決定
 第3・4次小松基地騒音訴訟原告団は昨日、6日に下された判決について、飛行差し止めが棄却されたことを不満として控訴することを決定しました。

@全日空がW杯期間中に保安要員を搭乗させる事に
 全日空はワールドカップの期間中、同社の国内・国際線に訓練を積んだ保安要員を搭乗させる方針を明らかにしました。フーリガンなどが機内で騒いだりするのを説得したり、機長の指示により拘束したりする事になります。ただし、全便に乗るわけではなく、可能性のある便を選んで搭乗するとのことです。

@石播がA380エンジンシャフトの生産を申し入れ
 石川島播磨重工がエアバス社の開発している超大型旅客機A380型機に搭載を予定されているエンジン「GP7000」のシャフトの下請け生産をゼネラル・エレクトリック社に申し入れていることが明らかになりました。このエンジンはゼネラル・エレクトリック社とプラット&ホイットニー社が初めて共同開発するエンジンです。


*3月12日

@「(羽田空港再拡張で)空の平等化は当然」・堂本知事
 千葉県の堂本知事は県議会の一般質問への答弁の中で、「国土交通省が羽田空港再拡張で4番目の滑走路の位置を決めたときに、千葉県への説明は何もなく、大変不満だ。」、「これにより、千葉県の騒音被害が大きくなることが心配されるが、東京の上空にも飛行コースを設けて“空の平等化”を図ることは当然のことと考えている。」と述べました。

@「成田新高速鉄道の新駅は一つと考えている」・堂本知事
 同じく県議会の一般質問で、「成田新高速鉄道の駅が一つと言われるが、成田市はこれを不満として出資金の分担に難色を示していると聞くがどうか。」と質問されたのに対して、堂本知事は「今の資金スキームには成田市土屋駅は入っていない。成田市ともとことん話し合って理解してもらうよう努力する。」と答えました。

@JASも値下げへ・羽田ー鹿児島線
 日本エアシステムはスカイマークが参入する羽田ー鹿児島線の運賃を5月18日から31日まで、6500円引き下げ、19500円にすると発表しました。これで、大手3社がそろって値下げしたことになり、スカイマークも含めた4社の値下げ競争が激化しています。

@ユナイテッド航空がマイレージで宇宙旅行招待
 ユナイテッド航空は11日、同社のマイレージサービスで1千万マイルを貯めた顧客に対して、宇宙旅行に招待するサービスをはじめると発表しました。


*3月11日

第29回騒音対策委員会での本会の発言予定事項を載せました。

@成田空港南部6町村が航空機災害合同訓練
 昨日、成田空港南部の山武郡6市町村が合同で、「成田空港を離陸したジャンボ機がエンジントラブルを起こし墜落・炎上した」と想定した訓練を成東町の役場広場で実施しました。訓練には各町村の消防団や医療機関が参加しました。空港公団も参加しました。参加者は約160人、車両は約20台が結集しました。

@アメリカン航空とユナイテッド航空が電子チケットで提携
 アメリカのアメリカン航空とユナイテッド航空は両社の搭乗手続きをするコンピューターをつなげて、両社間での予約の変更や両社間での乗り継ぎをどちらの会社の搭乗手続き機でも行えるようにしました。これにより、両社の搭乗手続きに係る人員の削減や利用者の便宜が改善されることになります。両社はこの電子チケットの提携を他の航空会社にも広げることにしています。

@韓国W杯期間中競技場をミサイルと戦闘機で守る
 韓国国防省は今日、ワールドカップ期間中航空機を使ったテロに備え、試合開始2時間前から終了後1時間まで戦闘機を警戒飛行させ、携帯用の対空ミサイル2基を配備すると発表しました。


*3月10日

@大阪府知事が「関西国際空港の2期工事必要。」と答弁
 大阪府の太田知事は8日の議会の質問に答え、「関西国際空港の発着回数の限度が年間16万回というのは国が出しているものだ。従って、2期工事は必要なものだ。」と答えました。これは、旧運輸省の「空港処理容量検討委員会」が「関西国際空港の処理能力は現在の滑走路で22万回まで可能。」と報告し、石原行革大臣などもこの数字を使い、2期工事の中止を行革の1つにあげていることに反発したものです。
【コメント】22万回はとても無理ですが、24時間運用の海上空港である関西国際空港の発着回数が16万回というのは少ないような気がします。成田空港は年間13万回ですが、これは、運用時間が午前6時から午後11時までと言う条件と、内陸で騒音の影響が避けられないこと、狭い複雑空域で安全上の制約が多いことなどの条件があります。

@嘉手納ラブコンの故障で那覇空港の遅れが3時間
 昨日の午前10時半頃、沖縄本土の航空管制を行うアメリカ軍の嘉手納ラブコン(管制レーダーシステム)が故障しました。このために、沖縄上空の航空管制が混乱し、那覇空港では出発機に最大3時間の遅れが出ました。着陸機も一時的に他空港への着陸を余儀なくされた便が出ました。故障は午後10時半頃復旧しました。

@鳥と衝突し、引き返す
 昨日の午前10時半頃、宮崎発岡山行きの日本エアコミュータ(JAC)218便・サーブ340型機が離陸直後に操縦席の窓へ鳥が衝突しました。同機は宮崎空港に引き返し、点検を行いました。点検の結果、ワイパーが損失していましたが、運航には支障がなく1時間遅れで再出発しました。


*3月9日

@ノースウエスト航空機が「機内に煙り」と緊急着陸
 昨日の午後7時前、サイパン発成田行きのノースウエスト航空75便・B−747型機から「機内で煙が発生した。」と成田空港管制塔に緊急着陸の要請がありました。同機は午後7時3分に無事着陸しました。火災の発生はありませんでした。この緊急着陸のため、滑走路が6分間閉鎖されました。

@沖縄の観光客が前年並に回復
 沖縄県が発表した1月の沖縄観光客は前年同月比2.8%減とほぼ前年並に回復しました。これは、「何はともあれ、沖縄に来てもらって、安全を実感してもらい、リピーターを期待する。」と言う格安ツアーが功を奏したためです。日本航空が発表した2月の沖縄線の輸送実績では前年同月比5.3%増となっています。しかし、格安ツアーのため、収益的にはまだまだ厳しいとのことです。

@アメリカ航空業界も回復基調に
 アメリカン航空、ユナイテッド航空、ノースウエスト航空などのアメリカ大手航空会社が発表した2月の輸送実績によりますと、搭乗率が70%前後まで上昇し、予想以上の回復ぶりとなっています。このまま行けば、5月には前年並の搭乗率になるのではないかと予想するアナリストもいますが、各社とも10%以上の減便を実施している中での搭乗率の上昇ですから、ビジネス客も観光客も動きが大きくなる3月の実績が回復の程度を見極める判断になるとする慎重な見方もあります。また、各社は相変わらず赤字を出し続けています。


*3月8日

@成田空港での各社の増便相次ぐ・需要回復見込み
 このところ、成田空港乗り入れ航空会社の増便が相次いでいます。暫定平行滑走路供用開始関係の増便だけでなく、欧州線や太平洋路線も需要回復を見込んだ増便が出ています。既報もあるかもしれませんが、書いてみます。・ユナイテッド航空では4月18日から成田ー台北線を新設し、成田ーシカゴ線を1日1便から2便にし、成田ーソウル線も1日2便から3便に増便します。・カンタス航空は4月18日から成田ーケアンズ線を増便します。・エアカナダは今日から成田ートロント線を再開しました。・コンチネンタル航空は4月18日から、現在週5便に減便している成田ーニューヨーク線を週7便に戻します。

@エアバス社がA380に東レなどの炭素繊維を採用
 エアバス社は次世代超大型旅客機A380型機の内装材として東レ・東邦テナックスの炭素繊維を採用することを明らかにしました。この採用により軽量化と低燃焼化が図られます。1機あたり30トンが使われる見込みです。

@スカイマークが部品を外国調達へ・日本初
 スカイマークは現在全日空に依託している部品の供給をイギリスのELS社に部品管理から供給まで全面的に依託すると発表しました。コストの削減が目的です。スカイマーク社長は5年でコストを半分に出来るとしています。日本の航空会社で部品調達を外国の会社に任せるのは初めてです。


*3月7日

@松山空港で欠航相次ぐ・昨日の視界不良で
 昨日の松山空港は雲が低くたれ込め、雨やもやのために視界が悪くなり、1日70便のうち20便が欠航しました。視界不良と計器着陸装置(ILS)が更新のために工事中だったことも影響しました。視界は一時2.2Kmまで下がり、ILSなら1.2Kmまで大丈夫ですが、代わりに使われていたVORDMEは2.4Km以上ないと着陸できません。このILSの工事は29日まで続く予定でその間、気がもめることになりそうです。

@北海道知事がエアドゥ支援の判断時期を示さず
 堀北海道知事は道議会の一般質問で、エアドゥが要請している17億円の追加援助の是非を判断する時期を問われたのに対し、「今後の経営見通しなどについて、より詳細な説明を求め、経営改善に向けての取り組みや収支計画などを精査したい。」と答弁し、判断時期につては明言を避けました。

@エアニッポンネットワークが7月1日から運航開始
 エアニッポンの子会社で北海道内を中心に運航するエアニッポンネットワークが7月1日から運航を開始することが正式に決まりました。札幌・丘珠空港と函館・釧路・紋別を結ぶ3路線と羽田ー大島線を運航します。機材はボンバルディアDHC−8型機になります。


*3月6日

@小松基地騒音訴訟判決・救済範囲広げる
 今日、第3・4次小松基地騒音訴訟の判決がありました。この判決で裁判長は国に過去の騒音に対する損害賠償として8億円の支払いを命じました。しかし、原告が求めた12時〜14時・18時〜翌朝7時の飛行差し止めと、将来の騒音被害に対する補償・月5万円は認めず、棄却しました。判決の中で「WECPNL75以上の地域に住む原告達の騒音の被害は受忍限度を超えている。」と述べ、1次・2次訴訟で認めた『80WECPNL以上』を拡大して損害賠償を認めました。原告は控訴する方針を明らかにしています。

@米軍機がエンジントラブルで那覇空港に緊急着陸
 今日午前11時10分頃、嘉手納基地に向かっていたアメリカ軍のC13お輸送機がエンジントラブルで那覇空港に緊急着陸を行いました。けが人などはありませんでした。

@新石垣空港建設で全戸調査・6割が早期建設に賛成
 沖縄県は新石垣空港建設についての全戸を対象としたアンケート調査を行いました。調査は石垣市の19446戸に調査用紙を配布し、郵送で回答してもらいました。その結果、約26%・2412戸が回答を寄せ、その内、1525戸が早期建設・早期着工を求めました。また、約20%が赤土の海への流失による珊瑚の死滅などの環境破壊を心配する回答を寄せました。

@日航がW杯期間中に日本ーソウル間3往復10万円
 日本航空は昨日、ワールドカップ期間中の5月26日〜7月11日まで日本ーソウル間を日本航空機で3往復10万円の格安運賃を設定すると発表しました。この運賃はエコノミークラスだけで、この期間に日本を出国する個人を対象とし、最初の搭乗日の28日前までに予約をし、1往復の期間は2日以内(到着日は含まない)で日本航空機しか使えないものとなっています。

@全日空が関西国際空港ーウイーン線の共同運航を復活
 全日空は昨年11月末で休止していた、関西国際空港ーウイーン線のオーストリア航空との共同運航を明日から復活させると発表しました。この路線の需要回復が見込めるとの見通しから、オーストリア航空が運航を再開するためです。当面、週3便になります。


*3月5日

@堂本知事が初めて成田空港を視察
 
千葉県の堂本知事は昨日、就任以来初めて成田空港を視察しました。知事は旅客ターミナルビルを視察し、ターミナルに千葉県農産物・水産物販売所の設置に意欲を表明しました。

@羽田空港再拡張に漁業者が反対の海上デモ
 今日の午前、羽田空港の再拡張に反対する、遊漁船や漁業者の団体「都漁連内湾釣漁協議会」が50隻の漁船を連ねて海上デモを行いました。拡張される周辺にはアサリやハゼなどの漁場があるそうです。

@神戸商工会議所会頭が空港建設の継続に意欲
 神戸商工会議所の大庭会頭は昨日の記者会見で、不要論が出ている神戸空港について「都市基盤の整備や、一極集中によるリスクの分散と言う観点から非常に重要。経済環境を考えて後世代に負担をかけないために、建設費は抑えるべきだ。」と述べて建設推進に意欲を示しました。

@全日空も羽田ー鹿児島線運賃を値下げへ
 全日空はスカイマークが参入する羽田ー鹿児島線の運賃を5月18日〜31日まで19500円に値下げすると発表しました。インターネットや電話で予約するチケットレス割引運賃は19100円になるそうです。


*3月4日

@当選した石垣市長が空港建設推進を表明
 沖縄県石垣市長選は3日投票が行われ、現職の大浜長照氏が3選を果たしました。大浜氏は当選後の決意表明で「新石垣空港の着工を是非やって欲しい、と言う市民の強い願いが支援につながった。県と連携を密にし、建設を進めたい。」と述べました。なお、大浜市長は革新系無所属です。

@全日空が50便に1便の客全員に1万円キャッシュバック
 全日空は5月12日から6月末まで、グループの国内線の50便に1便の割合で、その便の乗客全員に1万円をキャッシュバックするサービスを行うと発表しました。全日空グループの国内線は1日に770便あり、毎日、15便が対象になります。前日に抽選を行ってどの便にするか決めます。

@航空株が連日上昇
 このところ、航空会社株が連続して上昇しています。今日も寄りつきで、日本航空が2.67%高、全日空が0.28%高、日本エアシステムが1.54%高となっていました。これは、国内線の航空需要回復が鮮明になり、国際線も回復基調に入ったと見られていることによるそうです。


*3月3日

@千葉県が策定した「今後の県政運営に係る重点施策(成田空港関係部分抜粋)〜ちば2002年アクションプラン〜」を使用のページに載せました。

@名古屋で成田空港国内線充実キャンペーン
 昨日、名古屋市の繁華街で空港公団・千葉県・成田市などが成田空港国内線充実を目指すキャンペーンを実施しました。参加したのは千葉県観光協会・成田市観光協会・日本航空・全日空・中日本エアラインサービスなどで、房総の観光パンフレットなどを街行く人たちに配りました。今後、札幌など他の4都市でもキャンペーンを行います。

@横河電機がエアバスに液晶ディスプレイを納入はじめる
 横河電機はエアバス社の航空機用に、操縦席の液晶ディスプレイの納入をはじめたそうです。防衛庁関係の需要が減少し、民間用に販路の拡大を図っていました。


*3月2日

@日航グループの1月輸送実績は国際線で18%減に
 日本航空が発表したグループの1月輸送実績によると、国際線が前年同月比17.7%の減になり、回復基調がはっきりしてきました。国際線は太平洋路線が低迷していますが、オセアニアとアジア路線が好調です。国内線は同4.3%増と2ヶ月連続の増加になりました。貨物は国際線が同3.3%増、国内線が同14.6%減になりました。

@地方空港の中国路線で明暗
 地方空港から中国への路線開設で明暗が分かれています。明では大分ー上海線が4月下旬から週2便で開設されます。暗では仙台ー長春線が3月下旬からの定期便化を見送り、10月下旬まで週2便のチャーター便で様子を見ることになりました。また、庄内ーハルピン線は中国当局から、「乗り入れ空港には入らない。」と連絡があり、断念せざるをえなくなりました。背景には中国の航空当局が採算性を重視していることがあるようです。大分ー上海線はチャーター便の運航当初は搭乗率が28%と低迷していましたが、米同時多発テロ以降は95%に跳ね上がりました。仙台ー長春線はチャーター便で採算性がどうなるかを見るようです。

@航技研が豪州で次世代SST無人実験機をテストへ
 オーストラリアの砂漠で次世代超音速旅客機(SST)を開発している航空宇宙技術研究所は6月から無人実験機による試験飛行を行うことを明らかにしました。この機体はアルミ合金製で、長さ11.5m、ロケットで成層圏18000mまで打ち上げ、マッハ2で滑空させて機体に対する影響などのデータを取得するものです。コンコルドよりも多くの乗客を乗せて、航続距離も長くなります。2015年の実用化を目指しています。下の写真は一昨年の航空宇宙展に展示されていたものです。


*3月1日

@2月のアクセス数は9913回でした。ご愛読、ありがとうございます。

@帯広で小型練習機が墜落・1人死亡
 今日の午後2時48分、帯広市美栄町の防風林に、航空大学校帯広分校の小型練習機・T67M−MK2型機が墜落しました。この事故で教官が死亡、訓練生が重傷を負いました。同機は1時30分に離陸し、機体を回転させる曲技飛行の訓練をしていました。

@全日空が世界で安全な航空会社の一つに・ドイツの航空誌
 ドイツの航空誌「アエロ」の最新号は、世界の主要航空会社61社の安全度調査を掲載し、世界でもっとも安全な5社として、全日空・カンタス航空・フインランド航空・キャセイ航空・オーストリア航空をあげました。これらの航空会社は1973年以降機体損傷による死者を出していません。乱気流などの外的要因は省かれています。日本エアシステムも11位にランクされました。

@富山空港の発着枠3便増で地元と合意
 富山県は富山空港の発着枠を1日3便増やすことで地元と合意したことを明らかにしました。騒音測定点を増やすことなどを条件に地元が受け入れました。これで、1日の発着枠が15便になりますが、4便はまだ埋まっていません。