成田空港から郷土とくらしを守る会の今後の活動(2004年10月16日)
(*茶色の部分は昨年の方針から追加・変更したものです。)
1,成田空港のいかなる軍事的利用にも反対する。
周辺住民との約束であり、国会で確認された、「成田空港を軍事的に利用することはない。」との約束を守らせる。自衛隊の成田空港からの派遣に反対する。このために、軍事的利用と思われる行為があった場合にはすぐに抗議する。
また、日本の軍事強化に反対する諸団体との共同行動に参加していく。
2,騒音被害の軽減を目指す。
(1)環境基準(70WECPNLまで)の早期達成を目指す。達成されてない地域については、移転を希望する人には移転補償を、防音工事を希望するものについては防音工事を行うよう航空機騒音防止法を改正させる。当面、集落を分断する線引きを是正させ、集落全体を対策地域に指定させる。
(2)発生源対策として、ジャンボ機などの高騒音機の乗り入れ制限と、夜10時発着機数を削減させる。
(3)騒音の評価基準を住民の被害実感を反映させる単位に改めさせる。
(4)移転補償地域の拡大と田畑・山林を含め関係する家屋・土地のすべてを補償対象とさせる。
(5)民家防音工事の実施基準の改善と、住民の意向が反映される弾力的なものとさせる。
(6)谷間対策を国の責任で行わせる。
(7)民家防音家屋に対する再助成制度の早期制定を要求する。
(8)増便や飛行コースについて住民と協議する機関を設けさせる。
(9)騒音や健康の科学的で正確な調査などの第3者機関による公正な実施と情報のすばやい公開を実現させる。
3,騒音以外の公害を防ぐ。
(1)航空機による大気汚染や有害物質の実態をはっきりさせる。
(2)落下物事故をなくすための対策をとらせる。
(3)低周波音の実態を科学的に明らかにさせ、影響があるときは対策を実施させる。
(4)航空機の安全運航と空港の安全のために調査研究を行うとともに、航空関係者や空港勤務者との連帯拡大に努力する。
4,地域振興策を国と成田国際空港株式会社の責任で行わせる。
(1)成田財特法に新規事業採択を要求する。
(2)周辺対策交付金を増額させるために、制度の再改正を行わせる。
(3)周辺対策の不公平をなくすために、1)国による空調機器の電気代補助
2)騒音地域の固定資産税の減免措置
3)テレビ視聴料の減免措置の見直し、テレビアンテナの空港公団による更新、 地上デジタル化への変更措置
4)共同利用施設の維持管理費
5)都市計画に関する補助などを国の責任で行わせる。
(4)共生財団の事業内容を見直し、運営の透明性を高める。
(5)空港周辺に航空貨物関連の施設が進出した事により、大型貨物自動車の交通量が増え、住民への危険が増している。国や県の責任で万全な交通安全対策を実施させる。
(6)騒特法の見直しをさせる。
(7)周辺地域の秩序ある開発と周辺住民の雇用対策を充実させる。
(8)航空・空港関連の職業訓練所を誘致させる。
(9)周辺地域の自然をこれ以上破壊させない。
(10)地域の文化遺産を守らせる。
(11)騒音対策委員会を年2回開催させる。
(12)過激派のテロを徹底的に取り締まり、住民と空港関係者が安心して生活で
きるようにさせる。
5,住民の側に立った空港整備を行わせる。
(1)暫定平行滑走路のさらなる北側への延伸には反対する。
(2)芝山鉄道の延伸については周辺自治体に過度の負担がかからないようにし、早期に完成させる。
(3)成田新高速鉄道は沿線自治体の負担が大きくならないように配慮させる。
6,成田空港から郷土とくらしを守る会の活動を充実させる。
(1) 他空港周辺住民との連携を強め、航空機騒音に関する環境基準の改悪を阻止し、住民感覚に合致した騒音評価方式による基準に改めさせる。
(2)騒音と飛行コースの測定を行い、基礎的データの蓄積を行う。
(3) 国・県・成田国際空港株式会社との交渉を頻繁に持って要求の実現に努める。
(4)地域の住民の要望を汲み上げるなど情報収集に努める。
(5)「調査資料」、「研究資料集」、「成田空港サーバー」などを使って周辺住民への資料の提供と啓蒙活動を強める。
(6)会員を増やし、運動のすそ野を広げると共に、財政基盤の確立に努める。
【以上】
当面の重点的活動
1;軍事的利用を阻止する
成田空港の軍事的利用は周辺住民・成田空港利用者・成田空港従業員の安全を脅かすものです。有事関連7法案が成立しても「成田空港を軍事的に利用しない。」との約束は変わりありません。
私たちは国と成田国際空港株式会社に対しこの約束を守るように恒常的に確認し、自衛隊の利用など軍事利用にはその都度、機敏に抗議します。
2;環境基準の改悪阻止のために全国交流会を
国は道路騒音の環境基準改悪に続いて、航空機騒音を含めた他の騒音の環境基準の改訂を行う意向です。この改訂においても道路騒音と同じような基準の緩和が行われる心配があります。
これを阻止し、住民の感覚に合致した環境基準を採用させるためには、航空機騒音に悩む全国の住民が連帯して行動しなければなりません。
このために、来年の秋を目標に航空機騒音に悩む全国住民の交流会を成田空港周辺で開催する事を目指します。
3;周辺対策を充実させるために
(1)住民を騒音の被害から守るため
1) 移転補償区域の拡大を要求していく。
2)周辺対策交付金の規定を改正させ、増額を求める。
3)高騒音機の乗り入れ制限と午後10時以降の便数を削減させる。
(2)地域の生活環境の整備のため
1) 移転跡地の利用を促進するために、地域や自治体が自主的に作成する計画に沿った整備体制をとらせる。
2)テレビの地上デジタル化の対応を住民負担なしに、速やかに行わせる。
(3)自治体アンケートで民営化後の周辺対策を検証する
民営化後の周辺対策がどのようになったかを検証するために、民営化1年後の来年4月以降に周辺自治体へのアンケートを実施する。
また、新たに合併した市町村については空港対策への取り組みについても聞く。
【以上】