第32回騒音対策委員会の報告
(2005年3月23日・ヒルトンホテル成田)
(内容はメモと録音で起こしているのですが、録音の状態が悪く、答弁をする方によっては聞き取りづらい所もあり、正確でない所もあるかもしれません。)
☆玉造委員長挨拶
成田空港はこの間大きな事故もなく順調に推移している。今回から稲敷市が誕生し、成東町を正式会員として迎えた。平成16年度の実績では発着回数は約10%増、旅客が約17%増、貨物が約11%増となり経営実績は順調に推移している。第1ターミナルの改修も順調で、2006年には航空会社の再配置もすることになっている。周辺対策も民営化前と変わりなく実施している。今後の課題は第1に平行滑走路の2500m化で、国土交通大臣から今年度中に話し合いの状況を再報告するようにとの指示を受けている。現在,用地問題について話し合いを進めている。第2は着陸料の引き下げで決算後に検討することにしている。
☆成田国際空港株式会社からの報告
委員長挨拶と重複するため、省略。
各部会からの意見と答弁
☆成田地区部会(小林成田市長)
6点について伺いたい。第1点は騒音区域の線引きが集落を分断していること。この分断をなくすように、線引きの見直しをお願いしたい。第2点は平行滑走路の2500m化は本来計画でお願いしたい。北伸では北側の騒音が本来計画より激しくなるし、誘導路などで問題が残る。厳しい状況はわかるが、話し合いで解決して欲しい。第3点は騒音評価方式の見直しであるが、逆転現象の解消では見直す方向で県庁中とのことであるが、この地域は元々農村地帯で暗騒音の低い地域であり、きめ細かな見直しをお願いしたい。見直しにあたっては、検討する委員の方々に早朝6時〜7時と午後10時〜11時の騒音を現地で実体験していただき、地元との話し合いの機会を設けて欲しい。また、各国で採用されている評価方式での試算を行い、その結果を示して住民に不利にならないように考えて欲しい。第4に空調機器の機能回復事業であるが、現在は対象になる機器が10年以上経ったものとなっているが、家電メーカーなどは耐用年数を7年ほどにしている。そこで、8年以上のものを対象にして欲しい。第5点は共生大綱の約束では22時〜23時の運航便数を10便までとしているが、現況では毎日12〜13便になっている。約束通りに10便までにして欲しい。第6点は周辺対策交付金は現在は発着回数などで変動しているが、これを、便数などにより大きく変動しない安定的なものにして欲しい。
☆石指航空局成田国際空港課長
騒防法や騒特法にも続いて決められているが、見直しが必要になった場合には集落の分断も考慮したい。
☆玉井千葉県成田空港共生室長
騒特法の区域はコンターに基づき地元と十分相談の上、平成13年5月に決定したものである。現状の騒音ではコンター内に十分収まっているとのことであるが、騒音が影響を与える場合には見直しを考えたい。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
固定局の値が長期にわたり基準値を超えたり、滑走路の運用状況が変わるなどの場合は5年毎の見直しに基づいてやっていきたい。分断の問題は把握しているので、実情に基づいて相談していきたい。
☆石指航空局成田国際空港課長
平行滑走路については本来計画の平行滑走路建設のために成田国際空港株式会社の方で、一生懸命交渉をしてもらっている。全力で努力していただけるものと考えている。
☆台木航空局保安部長
騒音評価方式については現在環境省の方で検討を行っている。現在のWECPNLについては30年渡って使われてきている。国土交通省としては逆転現象の解消も含めてより良い評価値になるよう環境省に働きかけていきたい。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
耐用年数であるが、通産省などの調査で10年と決められているので、これに沿って決めたものである。
☆石指航空局成田国際空港課長
深夜便については申し訳ないと思っている。スケジュールでは1日7.5便程度ですむようにくんでいるのだが、実態は遅れがあったりしてご指摘の通りになっている。航空会社の方には出来るだけ21時台のダイヤにするようにお願いし、遅れてこないように要望している。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
周辺対策交付金は国内線の燃料贈与税に準じていたが、成田空港独自の実情に応じたものに改正したが、さらに実情に沿ったものにしていきたい。
☆成田部会(小林成田市長)
平行滑走路については地元の地権者も成田市民で我々も努力するが、理解を得たいとの姿勢でやって欲しい。新たな火種を作らぬよう本来計画でやって欲しい。
☆芝山地区部会(相川芝山町長)
第1点はテレビのデジタル化対策であるが中継局からの電波状態が悪く、共同受信をしている地域もある。デジタル化されるとこの地域では各戸でUHFアンテナを設置することになる。これに配慮をお願いしたい。第2点はドクターヘリのヘリポート設置が特別管制区域内と言うことで許可されない。町としては一早い対応を考えているのでよろしく配慮して欲しい。第3点は完全民営化によって利益優先になる可能性がある。地元の意向は無視されかねない。そこで、成田国際空港株式会社の株を周辺自治体が優先的に確保でき、出資できるようにして欲しい。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
2011年までは両方が受信できる。デジタル化は全国的なものなので、デジタルアンテナについては理解して欲しい。
☆馬上航空局成田国際空港長
ヘリポート設置は航空法上9Km以内は認められていないが、管制官が支障なしと判断すれば出来る。従って、特別管制区の境界線付近なら十分調整できると考える。
☆石指航空局成田国際空港課長
周辺対策については会社の事業として位置づけられている。十分でなければ、国も指導できる。株については現在国で所有しているが、優先的に、というのは難しい。市場で自治体が買うことに支障はない。
☆芝山部会(相川芝山町長)
デジタル化が全国統一というのは理解できるが、共同受信アンテナをデジタル放送でも活用できるようにして欲しい。成田国際空港株式会社の株を市場でと言うが、本当に自治体が確保できるか心配だ。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
デジタル化によって電波障害はなくなると聞いている。活用できるものは活用していきたい。
☆松尾・横芝・蓮沼・光地区部会(古谷松尾町長)
第1点であるが、現在民家防音工事は世帯の人数によって補助額が決まるが、これでは、農家の広い家屋では全部を防音できない。基準を改めて家屋全体を防音できるようにして欲しい。また、工事の仕様に住民の意向を反映させて欲しい。第2点は本地域の騒音はWECPNL値ではその被害を表せない。平成11年度から防音工事助成になっていない家屋にせめて空調機器だけでもと補助事業を実施している。これらの対策を国や会社の事業として組み込んで欲しい。第3点はテレビのデジタル化で共同アンテナで受信できるようにして欲しい。第4点は早く2500m滑走路にして完全空港化を達成して欲しい。第5点は最近も横芝町に氷塊が落下した。落下物対策を徹底して欲しい。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
農家は開口部が広いので、その分、補助額が初めから高くなっている。防音効果があれば要望に添えるようにしていく。厚いガラスのサッシも出てきているので。第2点については測定結果を踏まえて考えていきたい。デジタル化については先ほどの芝山町への答えと同じになる。
☆石指航空局成田国際空港課長
第4点は本来計画の2500m滑走路の早期完成が課題である。
☆馬上航空局成田国際空港長
落下物事故については最大限努力している。航空会社にもお願いしているが、年に1〜3件発生している。航空機の機体に氷が付着していないかどうかの調査も毎年行っている。今年度も1月11日〜28日まで実施した。車輪を下げるショックで氷塊が落下すると思われるので、太平洋上での車輪下げをお願いし、これも毎年調査しているが、98〜99%は守ってくれている。
☆大栄・多古・下総地区部会(可瀬下総町長)
第1点は平行滑走路であるが、本来計画で作ってい欲しい。四者協議の覚書でも共生大綱でも話し合いで本来計画で作ることになっている。第2点は成田空港の東側から空港内に入れるような道路整備をお願いしたい。朝夕のラッシュ時は渋滞がすごい。2500m平行滑走路が完成すると更なる混雑になると思われる。第3点は谷間対策であるが、現在は町が対策を実施している。しかし、第1種区域の対策に比べても、隣接区域の対策に比べても貧弱である。これを、国や会社で第1種区域並みの対策にして欲しい。
☆石指航空局成田国際空港課長
成田空港については地域との共生が第1である。話し合いによる本来計画の実施がベスト。今、精一杯やっている。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
東側からの進入路とのことであるが、現状では難しい。どのようにして地域の方々の役に立てるか考えていきたい。谷間対策については関係自治体と相談したい。
☆富里・山武・成東地区部会(相川富里市長)
本部会には今年から成東町が入った。第1点は道路整備であるが、空港を廻る環状道路と空港から放射状に伸びる道路の整備をお願いしたい。各市町村でもやってはいるが限度がある。千葉県で建てた振興計画の中にもあるが、推進を考えて欲しい。振興計画も10年経ったが、見直しが必要ではないか。第2点は羽田空港の国際化であるが、これを進めると成田空港の将来に不安を感じる。成田空港の発展と周辺への影響はどうか。
☆玉井千葉県成田空港共生室長
道路整備は平成11年の基本計画で進めている。国道109号線などの整備を進めている。今後も緊急性の高いものから行っていきたい。2010年計画の理念は変わっていないので、見直しはやっていない。
☆石指航空局成田国際空港課長
羽田空港の国際化がどうなるかは具体的に検討しているが予測は難しい。しかし、需要は確実に伸びていくと思うので、成田・羽田両空港で対処していくことになる。しかし、今の成田空港のままでは不十分なことは確か。平行滑走路の2500m化はどうしても必要だ。
☆富里・山武・成東地区部会(相川富里市長)
私たちは今まで、ことあるごとに「成田は国際線・羽田は国内線」と聞かされてきた。この原則を必ず守って欲しい。
☆石指航空局成田国際空港課長
この原則を変更することは考えていない。羽田空港をどの程度国際線で使えるか、と言うことだ。
☆佐原・神崎・栗源地区部会(石橋神崎町長)
第1点は飛行コースの遵守と落下物事故防止の件ですが、暫定平行滑走路が供用開始されてより、夜間の騒音が増している。コースずれもあるようだが、これらの防止策をお願いしたい。平行滑走路が2500m化されるとさらにひどくなると思う。第2点は中期経営計画の中にある環境対策を確実に実施して欲しいと言うことである。第3点は3つあるが、第1は交通安全対策の充実をお願いしたい。国道51号線の4車線化などをお願いしたい。第2は空港による経済波及効果の分散化についてである。物流施設の進出や観光客などが偏っており、平均化されていない。これが平均化するような方策を。第3に周辺対策交付金の増額であり、対象となる地域を拡大して欲しい。第4点は過激派の排除をお願いしたい。栗源町には成田新法で追われた過激派の拠点があり、企業の進出などに障害になっている。これをなんとかして欲しい。
☆馬上航空局成田国際空港長
飛行コースについては毎日監視しており、ずれたものについては航空会社に理由をただしている。正当な理由がないものについては指導を行っている。今後も強化したい。落下物事故については先ほどの答弁の通りである。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
成田空港は内陸空港であるから、環境対策は欠かせない。今後も今まで通り着実に実施していきたい。
☆玉井千葉県成田空港共生室長
国道51号線の4車線化については国土交通省で検討しており、一部では工事を進めている。ご要望の区間については順次検討していきたい。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
経済効果の平均化についてはそうなることを願っている。どのようにしたら良いか皆さんと共に検討していきたい。成田空港周辺地域の観光にも協力をしている。周辺対策交付金については周辺の環境の変化に影響されないよう改正した。対象地域については交付規定で決められているので、理解して欲しい。栗源町の過激派については申し訳なく思っている。関係機関と協力して対処していきたい。
☆河内・新利根・江戸崎・東地区部会(野高河内町長)
第1点は飛行コースを遵守して欲しい。外回りや低空飛行が見られる。また、夜間については便数の削減や飛行時間の厳守をお願いしたい。第2点は周辺対策交付金の増額をお願いしたい。第3点は騒音の指定区域外での臨時測定をお願いしたい。また、電波障害の再調査とその結果に基づく対策をお願いしたい。さらに、集会所などの防音の指定区域の拡大をお願いしたい。
☆馬上航空局成田国際空港長
飛行コースは安全上の理由がない限りは守るように求めている。正当な理由がない場合は公表したりしている。夜間の運航であるが、成田空港は本来は24時間空港となっているが、環境に配慮して時間制限を行っている。22時台については出来得る限り減らすように対策を検討している。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
周辺対策交付金は発着回数や騒音で決められている。騒音測定は茨城県内は14の固定局と区域境界部での季節ごとの1週間に渡る測定を行っている。臨時の測定も要望があれば行う。電波障害調査は終わって、対策も終わっている。
☆成田空港から郷土とくらしを守る会(岩田事務局長)
第1点は平行滑走路問題だが、北延ばし案には1)北側の住民に当初計画にない騒音を振りまく、2)出入り口の一方通行などの問題が解決されず運用に制限がある、3)工事期間が長くなり完成が遅れる、などの問題点がある。関係者が集まる話し合いの場を設け本来計画の平行滑走路を作るべきと考える。第2点は軍事利用の問題であるが、「軍事利用をしない。」というのは当時の中曽根大臣も答弁しており、周辺住民の共通理解だ。そこで、現在までの自衛隊の利用について情報を住民に示して欲しい。また、米軍の軍事郵便の取り扱いはどうなっているのか。さらに、自衛隊の武器弾薬の輸送が成田空港から行われたことはないのか、あるとすれば、どう言うことだったのか。第3点は騒音評価方式の見直しはどうなっているのか。私たちの会も検討している。WECPNLの問題点は1)エネルギーの平均化によってひどい被害が薄められてしまうことだ。季節的に被害がひどい時の数値を使うのが当然だ。2)WECPNLでは同じ騒音の飛行機が倍の機数飛んでも3ポイントしか上がらない。住民の感覚は当然倍と感じるのに。見直しは環境基準の精神「生活環境を保全し、健康を保護するための基準」に基づいて検討されなければならない。また、評価基準の改定で道路騒音基準改定の時のような「実質的な基準の緩和」が行われてはならない。第4点は民家防音工事の助成は環境基準(昨年度の成田空港周辺の達成率は50.6%とのことだが)の70WECPNL以上の地域で未達成地域すべてで行うべきである。第5点は周辺対策交付金が周辺自治体で行っている周辺対策費を下回っている実態を成田国際空港株式会社は調査して、それに見合う周辺対策交付金に増額すべきである。第6点は成田空港から入ってくる麻薬類の密輸はうなぎ上りである。この取り締まりを強化すべきだ。また、色々な病原菌の侵入が心配になる。蚊などの昆虫などを通して空港周辺に広がらないよう万全の対策をお願いしたい。第7点は着陸料の引き下げが取りざたされているが、まずは、利用者に還元すべきで空港施設利用料などを値下げすべきではないか。それから、着陸料の値下げを考えても良いのではないか。第8点は共生財団の今後はどうなるのか。初めの基金を食いつぶしていると思うが収支はどうなっているか。今後どうするつもりか。第9点は離発着回数を22万回にしたいと言っているが、その根拠となる需要予測などが周辺住民にきちんと科学的に示されたことはない。1枚の紙切れではなくどのような根拠から出たものか住民に示して理解を得るようにすべきだ。第10点は民営化の際の四者協議の覚書に積み残した重要な諸課題があるが、完全民営化までに協議するとなっていた。完全民営化は何時になるかわからない。それまで棚上げなのか。何時協議を再開するのか。見通しを示して欲しい。
☆石指航空局成田国際空港課長
国土交通省としては地元の皆様のご協力を得ながら、話し合いで本来計画の平行滑走路建設に努力したい。軍事利用問題は建設の流れや地元の皆様との経緯そして大臣の答弁などから慎重に対応するべきものと考えている。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
自衛隊の成田空港使用については乗客として利用しているものについてはわからない。米軍の軍事郵便物の取り扱いについては関知していない。自衛隊の武器弾薬の輸送が成田空港を通して行われたことはない。
☆台木航空局保安部長
騒音評価値については、成田市長の質問への答えと同じである。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
環境基準未達成地域への民家防音工事については、屋内で環境基準を達成していると同等の効果があるものとして、第1種区域外でも成田空港共生財団を通して隣接地区の防音工事助成や谷間対策を実施しており、充実するように取り組んでいる。自治体が周辺対策に使っている金額について調査することはしない。麻薬類や病原菌については関係機関と連携を取りながら防止策を講じていく。成田空港の着陸料は高いと言われている。国土交通大臣からも引き下げるように言われている。また、成田空港の施設使用料は周辺空港に比べて高くはないので、引き下げるつもりはない。共生財団は周辺対策事業も行っているので、安定的に運営が出来るように今後も配慮していきたい。
☆石指航空局成田国際空港課長
22万回について地元の皆さんと協議をする際には分かりやすい資料を需要予測も含めて提示していきたい。
☆伊藤成田国際空港株式会社共生部長
株式上場の時期は株主の問題もあるが成田国際空港株式会社としては少しでも早い時期に完全民営化をしたいと考えている。
☆玉井千葉県成田空港共生室長
今年の2月27日に四者協議の下部組織である実務者会議を開いたところである。まずは、この実務者協議で積み残し事項について協議をしていきたい。完全民営化が先に延びる場合はある時点で改めて覚書を結ぶことになっているので、心配はない。
(以上ですべての議事は終了し、このあと、立食パーティー式のレセプションが行われましたが、本会の会員は傍聴者5名も含めて参加しませんでした。レセプションを行う時間があるのなら、もっと討議の時間を増やし、委員が自由に発言できるようにした方が有意義と思います。)