第45回騒音対策委員会本会の質問事項

(2019年3月26日 開催予定)


第45回騒音対策委員会質問事項

成田空港から郷土とくらしを守る会

1,夜間飛行時間延長について

 成田空港の運用時間については開港当時、周辺自治体や住民の間で、「夜間飛行時間制限については、出来るだけ多くしてほしい」とする多数の要望があった。

 本会事務局長とNAAの前身である「成田国際空港公団 総裁」の間で、航空局長立ち会いの下で締結された「航空公害に関する交渉覚書」で、本会は内陸大型国際空港である大阪空港と同じ「午前7時〜午後9時」までを主張した。

 これに対して、総裁は「羽田空港並みにしたい」と答えている。

 これが、現在の運用時間、「午前6時〜午後11時」の元になっている。

 この「覚書」については、去る、3月12日に行われた衆議院総務委員会で共産党の畑野議員が質問し、航空局のネットワーク部長は「覚書については承知している」と答え、空港運用時間の部分について、覚書を読み上げている。ところが、部長は畑野議員の「約束したのだから、守る会に説明をしたのか」と質したのに対し、部長は「今後も誠意を持って説明する」と答えるにとどめた。一般的に、約束を違える場合は、当事者同士が話し合いを行うのが常識である。すぐに、本会に説明し、話し合うことを要求する。

 また、空港公団は、空港運用規定で「成田空港は24時間空港」としている、という。

 これは、信義にもとる行為である。

 初めから約束を破ることを前提に、「覚書」を締結したのか、明確な回答を求める。

 覚書は総裁が署名捺印したものであるから、現在はNAA社長にあたるが、それ相応の責任ある社長か、それに準ずる人からいただきたい。

 以上のような経緯を考えれば、今回の機能強化計画で想定している全ての「運用時間延長」を撤回氏、再考するように求める。

 運用時間延長の中でも、特に、深夜飛行による住民の健康影響は深刻である。

 成田市は環境省に対し、夜間飛行の評価基準を定めるように要望している。

 本会も2007年に同様の要望を環境省に行っている。

 また、前回とは違う、公正な健康調査を早急に実施すべきだ。子どもや高齢者をも含めた睡眠中の、血圧や心拍数を測定し、通過した飛行機騒音との関係を調べるべきである。

 その調査にはNAAは企画段階から関与せず、この分野で十分な経験と学識を持った権威に調査を依頼すべきである。そのためにも、調査費用は周辺自治体が分担すべき、と考える。

2,機能強化計画は過大な需要予測で作られている

 今回の機能強化計画はどう考えても、過大な需要予測を元に作られている。

 年間発着回数もNAAが示した需要予測を下回っている。ここに来て、景気減速の兆候が顕著になってきている。

 また、2020年に計画されている「羽田空港の国際線発着枠拡大」が実施されれば、成田空港の発着回数は一時的にせよ、大きく減少する。

 そのまま減少が続くとは思わないが、伸びはさらに、鈍化する。 

 国土交通省は羽田空港新陸上飛行コース下住民への影響を考えて、新陸上飛行コース新設を撤回すべきである。

 また、成田空港の地盤沈下をこれ以上助長する機能強化計画は行うべきではない。

 雇用が拡大すると言うが、空港で働く人の数はNAAの調査でも2008年11月時点で約4万8500人あったが、3年後の2011年11月には約3万8500人と約1万人も減っている。

 この間には、2009年10月22日にB滑走路が2500mに延伸され供用開始があった。にもかかわらず、雇用は大きく減っている。

 今後、日本人の高齢化などが進み、これを補うために、自動化、ロボットの採用など省エネルギー化が進むと予測され、計画が予測するような、雇用の大幅な伸びは期待できない。

 機能強化計画は国土交通省が企画したものであるが、国土交通省は計画の撤回か見直しを行う事を要求する。

3,四者協議会とはどんな経緯で作られ、どんな決定権を持っているのか

 今回の機能強化計画について、千葉県関係者のみが参加し、茨城県関係者の入らない四者協議会で、幾たびも「合意」が行われ、ここで、重要事項が「決定」とされているが、このような権限を四者協議会が持っている、との認識の根拠はどこにあるのか。

 その規定と、そこに至る経緯を明らかにして欲しい。10年程前までは「四者協議」で合意、との文言を使っていた。

4,落下物の調査が届け出制になったが、1月からの届出数は何件か

 航空機機体からの落下物は周辺住民にとって、常に、不安の種である。 NAAの2018年11月の「その役割と現状」によると、2017年度の落下物件数は2件となっている。

 しかし、私たちが新聞報道などで確認したことろでは、成田空港到着機の部品紛失などの件数は17件となっている。

 2018年度もNAA「その役割と現状」では0件としているが、2018年9月までとしても7件ある。2018年12月いっぱいでは11件である。

 これが、全て成田空港周辺で紛失したとは限らないが、一般的に言うと、脚下げなどの時に脱落する可能性が高い、とのことである。

 成田空港周辺では脱落しても、人体や建造物に当たらない限り、発見は難しい。

 住民の不安を解消するためには落下の確率が高い地域は移転対象とすべきである。

5,地域振興策は各地区まんべんなく策定すべきではないか

 騒音地域の振興策については、かなり、ばらつきがあるのが現状である。

  NAAは各地区に足を運び、十分な相談の上で、具体化すべきである。

6,機能強化フィーバーで、住民対策や安全対策が不十分になっている

 騒音対策委員会は開港前から作られ、開催されている。その議事録は、私は1980年の第8回から参加しているが、35年程前は3月に開かれれば、議事録は6月には委員の手元に届いていた。それが、だんだんと遅れ、最近では年末から翌年になっている。

 住民は騒音対策委員会でどのような質疑応答が行われたか、早く知りたい、と思っている。

 第5項で述べた、地域振興策の遅れなども、これに起因していると考えられる。

 これは、 一例である。騒音下住民は「最近のNAAは住民の所に来てくれない。振興策の助言もしてくれない」と言っている。

 これは、現在のNAAの周辺対策の姿勢を示している。

 機能強化計画に力を入れるあまり、住民の具体的要望や対策に係る、予算も人員も減らされているのではないか。利益優先は安全軽視につながるのではないか。

 最近のわずか0.5cmの降雪による大量遅延や、2月1日の誘導路の凍結を「大丈夫」と判断したための日本航空機の脱輪で2度に渡る滑走路の閉鎖や、さらに、今月21日に起こった貨物機同士の接触事故での航空機誘導ミスなど、空港の安全にかかわるトラブルが発生している。

  NAAは幹部を先頭に末端まで、機能強化フィーバーでトランス状態に陥っているのではないか。

 人員を増やすなどの対策を至急行い、一度立ち止まって冷静に状況を判断することが必要と考える。

以上


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