第46回騒音対策委員会本会質問事項と文書による回答
及び、再質問回答と質疑
(2020年7月17日 追加 7月23日  再質問 NAA 回答の一部訂正)


第46回騒音対策委員会質問に関する再質問

2020年6月29日

1,コロナウイルスによる影響について

 航空業界は新型コロナウイルの流行による深刻な影響を被っています。成田空港においても、この影響は深刻です。

 企業の格付けをする「スタンダードプアーズ(S&P)」は 12日付で、成田空港の格付を1ランク引き下げました。

 この際の分析の中で、成田空港の旅客数は2020年3月期に比べて、2021年 3 月期が50〜55%減、2022 年 3月期が約 25〜30%減となり、2023 年 3 月期は15〜20%減となると予想しており、元に戻るのは2024年以降となるとしています。

 このような予測がある中で、貴社は「成田空港の更なる機能極化計画」を遮二無二強行しようとしています。

 このような状況下で、成田空港の機能強化計画の取扱はどうなっているのでしょうか。

 具体的に、発着回数50万回になる年は何年にずれ込むと予測しているのでしょうか。

 計画の見直しや撤回は考えていないのでしょうか。

 去る、6月28日には成田空港到着者の感染検査が初めて1000人を越え、この検体を採取するのに時間がかかり、春秋航空便の出発が翌日午前0時3分になってしまった、とのことです。
 需要が回復し、到着旅客が増えれば、成田空港内で大混乱が生じ、大幅なダイヤの乱れが予測されます。
 大阪府知事は25日、「関西空港の検査体制を1日2万件が検査出来る態勢にするよう国に要望する」と記者団に話した、との事ですが、貴社としては予想されるこの事態への対応をどうするつもりでしょうか。
 もちろん、厚生労働省の責任になりますが、成田空港内に、隔離された大規模な「検体採取場」や検査機器などを備えた「検査室」などの準備はどうなっているのでしょうか。
 また、これらの隔離地区から空港内への感染拡大防止策をどのように建てているのでしょうか。


2,A滑走路の運用時間を開港時の約束に戻して下さい

 現在の発着回数激減で、運航に相当の影響が出ていますが、「機能強化計画」説明の当初から、住民が強く反対していた「空港運用時間」の延長を見直し、「開港時の運用時間」に戻すべきです。
 特に、A滑走路の現状を見ますと、午後11時以降の発着回数は平均5〜6便で、これを、午後10時59分よりも前の時間に移行させることは、十分に可能です。
 10月末の冬季ダイヤ開始を待たなくても、航空会社の工夫と努力で、実現可能と考えられます。

 10月末の冬季ダイヤでは、スケジュールとして、午後11時以降の発着はなくすべきです。
 これこそが、騒音下住民への最大の環境対策になります。

3,周辺対策交付金について

 周辺対策交付金は本来は各市町の騒音指定区域の広さや、その年度の騒音被害の大きさや、そこに住んでいる住民の人口によって、配分することになっています。 
 ところが、今回の機能強化計画に伴う、周辺対策交付金は発着回数50万回時を想定して、配分するとのことです。

 これは、今までの配分方式と違うようですが、周辺対策交付金の配布規定が変わったのでしょうか。変わったとすれば、その新配布規定を教えて下さい。

 また、この「50万回時」の分配金額が今年度から永続的に変わらないのでしょうか。
 とすれば、この規定は国との話し合いの元に決定された、と理解して良いのでしょうか。
 後日、国の監査で指摘されて、減額されるようなことはないのでしょうか。

以上


再質問回答と質疑

 9日に行われた、成田国際空港株式会社(NAA)との第46回騒音対策委員会の再質問に対する回答についての報告です。
 NAA側からは共生・用地部門地域共生部次長の 榎本達也氏 他4名、本会側は木内会長ほか5名が参加しました。
  NAA 本社の会議室で正味約50分間でした。
 全体的には、相変わらず、「機能強化計画」推進と、騒音直下で日夜苦しむ住民の願いに答える姿勢が見られませんでした。

再質問に対する回答

榎本次長

1,「コロナウイルスによる影響について」ですが、この影響は非常に大きい。IATAでも長期にわたると予測している。
 しかし、中長期的な航空需要に対応するための機能強化の要になる、C滑走路新設とB滑走路の延伸については、国から支援をしてもらっていることから、2028年度末の完成を目指して、一刻も早く完成させたい。
 新型コロナウイルに対する対応だが、感染拡大防止と経済の回復を図る必要があるため、検査体制の充実が必要。このため、国土交通省と強調して検討している。

2,の運用時間であるが、四者協議会において合意を得ている。この際には200回以上の住民説明会をやっている。2019年11月からのA滑走路運用時間延長の合意を得ている。訪日外国人の利便性を向上させるために必要だ。このために、寝室窓の二重化などの対策を実施している。

3、周辺対策交付金のことであるが、これは騒音値や指定区域の世帯数などで国が決めているもの。
 これを、機能強化による影響を考慮して
今後1.5倍程度に増額することになる。
 これらについては国が今後官報に掲載することになっている。

以上です。

質疑応答

守る会

 本会が今日用意した資料の中の、NAAが発表した需要予測表の中で、大方の予測では2019年度段階の発着回数に戻るのは、2023年〜2024年になる、とされている。
 しかも、2024年頃に発着回数が戻ったとしても、その後は、今までのような需要の伸びは無理だろう。コロナパニックで受けた人々の心理的、経済的ダメージがある、とされている。
 だから、このNAAの資料通りにはならない、と考えられる。
 どだい、この国の予測が今回のようなイベントリスクを考慮に入れていない。
 本会はこの予測は実情にそぐわない過大なものである、と2年も3年も前から指摘してきた。
 所が、今日も「計画は2028年完成」と言っている。
 むしろ、この情勢から見れば、この“機能強化計画”は必要ないのではないか。
 世界の空港でも航空会社でも、コロナショックを受けて色々な今後の計画の見直しを打ち出している。
 国土交通省に申請して許可を受けたとしても、「この情勢下で、計画を見直したい」と申請を再提出すれば、良いだけの話しではないか。
 一般の会社でこのような見直しを行わずに、「今まで通り突っ走ります」と言っていたら、会社は潰れるのではないのか。
 「NAAは国が助けてくれるよ」と考えているのかも知れないが。

榎本次長

 今回のように世界的に蔓延するのは初めてだ。だから、今後の予測も難しい。

守る会

 計画を住民に負担をかけない方向で見直す事は出来るのではないか。
 この一つが2項目の「運用時間」の問題だ。この所、午後11時以降の出発機は2〜3機だ。とすれば、利便性を優先させるのではなく、航空会社に「住民のことを考えて、午後11時前に出発出来るようにして下さい」とどうして言ってもらえないのか。

榎本次長

 たまたま2便程度だった、と言うことではないのか。

守る会

 B滑走路は現在使われていないが、「当面の間閉鎖」と言っている.当面の間、とは具体的には何時までなのか。

榎本次長

 今の所、具体的には再開時期は決まっていない。(その後、14日に「7月22日再開」と発表)

守る会

 政府はコロナ対策で補正予算をくり返し成立させている。このような時期に、何時必要になるかも分からない“機能強化計画”に1兆3000億とも、1兆5000億円もの資金を投入すべきではない。
 その資金をコロナ対策に投入すべきだ。
 将来、仮に、「発着回数は50万回も必要なかった」となったときに、誰がこの責任を取るのか。
 発着回数50万回の、見通しが全くない中で、運用時間1時間延長を開港時の約束に戻すべきである。C滑走路とB滑走路延長が完成したときの「静穏時間が4時間しかない」スライド制計画は白紙に戻すべきである。

榎本次長

 C滑走路とB滑走路延長が完成したときは、スライド制で静穏時間7時間を確保する。

守る会

 スライド制に住民は何と言っているのですか。「良い計画だ」とお褒めの言葉を言った住民はいるのですか.
 騒音下の住民はこんなことは言わない。この際に、A滑走路運用時間を開港時に戻し、スライド制は撤回するべきだ。

守る会

 先ほど「住民説明会を数百回やった」と言いますが、その中で、この「機能強化計画」について「良い計画だ」「多いに賛成だ」「運用時間はこれで良い」と言う意見はほとんどでなかった。
 それなのにNAAは「説明した」と繰り返す。運用時間についてもNAAの言っていることは「航空会社の利便性、乗客の利便性のために」と言うことだけで、騒音下住民の事について話してくれないではないか。
 スライド制にしても、現在の夜の離発着方向はくるくる変わっている。結局、 NAAの言っていることは「飛行機は安全上風向きによって飛ばします。ですから、住民の皆さんは、これに沿って体を慣らして下さい」と言うことですね。
 所が、人間の睡眠リズムは簡単には作れない、これでは、体のリズムはズタズタになってしまう。

榎本次長 

 我々も一生懸命考えた結果だ・・・・。(声が小さく、録音も良く入っていないので不明)

守る会

 最近のマスコミにも、子どもの成長期と睡眠との関連が出ていましたが、子どもの成長にとって睡眠の時間(質も含めて)が非常に大きな影響を与える、との事だった。
 B滑走路の閉鎖も、 NAAの経費節減のためにやっと思うのだが、これにより、第2ターミナルや第3ターミナルを使う航空会社は、嫌でも、A滑走路に行かなければならず、利便性や燃料費を犠牲にしなければならない。このように、利便性を犠牲にしてやっていることもあるではないか。
 今まで開港以来、50年近くも騒音に耐えて成田空港に協力して来た住民の願いに応えて、航空会社に「午後11時以降の飛行はやめて下さい」と言えないのか。

榎本次長

 法律上の制度に基づいてやっていくしかない。

守る会

 ならば、その法律を変えてやって欲しい、 

守る会

  NAAの方で、この情勢を踏まえた新たな予測を早く出して欲しい。
 横芝光町では第1種区域が拡大するが、それでも、騒音直下で第1種区域から外れるところもある。夜11時以降に飛ばれたらたまらない。特に、夏になれば。
 この様な所については共生財団にもきちんと考えてもらいたい。「機能強化」に賛成する人もいるが、そのような人でも「防音対策はきちんとやってくれ。夜間の飛行制限は開港時の約束でやってくれ」と言っている。
 今後、大型機が少なくなり、成田空港がハブ空港として使われるのかも疑問。このような事も踏まえて計画の見直しをやってもらいたい。

守る会

 例えば、今でも3つのターミナルでも手狭になっているようだ。とすれば、新しいターミナルを作ったり、新たな貨物エリアを整備するなどを先行させればどうか。
 これならば、住民に新たな負担は生じない。
 その後に、発着回数30万回を突破することが予想される場合に、新たな滑走路の建設を考えたらどうか。

榎本次長

 今後どうなるかは、誰にも分からないのではないか。

守る会

 では、どういう状況になったら、見直すのか。ワクチンが出来たら、とか。

守る会

 寝室の窓2重化の申し込みは今現在どのくらいになるのか。

榎本次長

 6月25日現在の申請件数は472件になっている。騒防法の防音工事申請申し込みとセットで申請する方が多くなった。率で言うと半分にも行っていない。

守る会

 空港で働いている人から「人員削減をすると、発着回数が半分になったら、とても仕事が回らなくなるので、やめさせることも出来ない」と聞いたが、どうなのか。

榎本次長

  NAAとしても、業者の支払いを遅らせるとかの対応は取っている。

守る会

 一般会社なら、この様な状況下では、「こう言うことになったら、こうしなければ行けない」との想定をしていると思う。
  NAAはどこまで耐えられるか。100%の国の会社だから、そういうことも考えていないのだろうか。

守る会

 住民の中に「やっぱり空港反対だ」とか「共生なんてまやかしだ」などの考えが、広まってくるとまずいのではないか。
 谷間対策などでも区域を相当に拡げるとか、移転も認めるなどの対策を相当柔軟にする必要があるのではないか。
 将来展望も示す必要があるのではないか。

榎本次長

 我々の方も、これで終わり、と言う事は考えていない。

守る会

 成田空港の検疫体制が心配だ。9月までに検疫センターを作る、との事だが、9月では遅いのではないか。
 成田空港内に場所を確保出来るのか心配だ。成田空港から全国に拡大する事も考えられるが。

榎本次長

  NAAの方でも、場所なども含め、現在検討している。

守る会

 榎本さん1人では答えられないことだとは思うが、見直しや今後のスケジュールなどを出来るだけ早く教えて欲しい。
 田村社長が「自分の航空局長時に建てた計画だから、何が何でもやるんだ」という決意だけが伝わってくる。これは成田空港にとって、まずいと思う。

以上


第46回騒音対策委員会質問要旨

成田空港から郷土とくらしを守る会

1,機能強化計画は白紙撤回すべき

(1) 計画の需要予測が、希望的観測に過ぎない。
 当初は下位ケースでも50万回に達するのは2048年としていたが、1月には2055年としている。実に35年後である。
 このような先の目標のために、今、急いでやる必要はない。白紙撤回し、再検討すべきである。
 航空評論家の杉江氏は2日の共同通信の記事で「現在成田空港の発着枠は26万回で、最大可能枠30万回に対しまだ4万回も余裕がある。」と述べている。

(2) 計画費用も当初は「滑走路関係の建設費で1500億円」と説明していた。
 これについて本会は第44回の騒音対策委員会で「福岡空港の滑走路増設計画に比べても、このような費用ではないはず」と批判した。
 所が、これがだんだん膨らみ、1月段階では「滑走路関係の建設費とターミナルなどの付帯施設も含め総建設費は約1兆5000億円となる」としている。
 この点でも、この計画がいかにずさんなものであったかが証明されている。

(3) この計画は周辺住民の環境を破壊し、生活できなくする計画となっている。
 特に、「スライド制で静穏時間7時間確保」は出来るはずがない。
 スライド制であっても、谷間地域は何時でも両側からの騒音を受けることになる。また、風向きが変われば、飛ばないはずの時間帯に飛ぶことは、安全を理由とすれば、何時でもありうる。
 安全を無視してでも必ず、一定の静穏時間を確保するのか。
 また、南の横芝光町横芝地区や栗山地区が激しい騒音に晒されることになり、過疎化が進み、地域社会が崩壊する事は目に見えている。

(4) 住民説明会では、反対意見が圧倒的だった。
 にもかかわらず、法的決定権のない「四者協議会で合意した」として、強行しようとしている。法に基づいた民主国家とはとても、言えない。
 住民説明会は住民の意見を聞くのではなく、国土交通省と成田国際空港株式会社(NAA)のアリバイ作りの場なのか。

【回答】

国交省
 
今後、本格的な少子高齢化社会を迎える我が国において、更なる経済成長を遂げていくためには、経済発展著しいアジア諸国の成長を取り込んでいくこと必要です。
 こうした中、政府としては・観光立国の実現を図るため訪日外国人旅行者数2030年に6000万人とする目標を掲げており、この達成のためには、首都圏最大の玄関口である成田空港が重要な役割を果たすものと考えています。
 他方、アジアの主要空港においては、増大する航空需要を取り込むための施設整備が急速に進行しており、空港間競争はさらに激化していくこととなります。
 こうした状況を踏まえ、今後とも増大し続ける首都圏航空需要に適切に対応していくとともに、激化する空港間競争を勝ち抜き、アジアの経済成長を取り込むことによって、我が国の経済成長や地域の振興に繋げていくためには、成田空港の更なる機能強化が必要不可欠であると考えております。

NAA
 
政府においては、観光立国の実現を図るため訪日外国人旅行者数を2030年に6000万人とする目標を掲げており、この達成のためにも成田空港は首都圏空港としての機能強化は必要と考え、地域に対してご説明して参りました。
 また政府目標だけでなく、アジアの主要空港においては、増大する航空需を取り込むための施設整備が急速に進行しており、空港間競争はさらに激化していくこととなる状況を鑑みても、増大し続ける首都圏航空需要に適切に対応していくとともに、激化する空港間競争を勝ち抜き、アジアの経済成長を取り込むことによって、日本の経済成長や地域振興につなげていくためには、成田空港の更なる機能強化は必要不可欠と考えております。
 一方で、地域の生活環境保全の観点から、防音工事などの環境対策についてもその充実策についてご提案し、飛行経路下の静穏時間を7時間確保したライド運用」を導入することとしております。しかしながら、地域の皆様から頂いたご意見では、滑走路に挟まれた、いわゆる谷間地区では、そのスライド運用の効果が見込まれない、というご意見もあり、深夜早朝の騒音影響を少なくするための対策となる寝室への内窓設置を谷間地区も含めて実施して参ります。
 このような実施計画や環境対策等については、2016年度から約200回、述べ1万人近い住民の皆様へ説明をして参りました。四者協議会での合意事項は、説明会の状況も踏まえた上で、関係自治体が決断した大変重い決断だと認識しております。これからも地域の皆様からのご意見に対しては真摯に受け止め、丁寧に進めて参ります。

2,当面の問題

(1) 現在行われているA滑走路の運用時間延長を開港時の約束に戻す事
 現在実施されているA滑走路の運用時間午前6時〜翌朝午前0時により、A滑走路直下と谷間地区の住民は静穏時間が6時間しかなく、心身に大きなダメージを受けている。
 学者らの調査によれば、「睡眠時間が6時間未満の場合、ストレスにより、心疾患安やストレス障害などにかかる確率が静穏な地域に比べ、大きく上昇する」とされている。
 今回の「2019新型肺炎」についても、これらの疾患を持つ人が死亡する確率が高い事が明らかである。
 これらの地域に生活する住民を守るために、直ちに、運用時間を開港時の約束である午前6時〜午後11時に戻すべきである。

(2) 騒音下住民一人一人に、迷惑料を支払うべきである
 全国で行われている騒音裁判では「第1種地域以上の煩いところに住んでいる住民一人一人に一定額の損害賠償金を支払う」との判決が確定している。
 この判決は国も認め、賠償金を支払っている。これらの判決に即せば、成田空港周辺住民一人一人に賠償金が支払われるべきである。
 各市町村には「周辺対策交付金」が支払われている。しかし、一部が補助金などとして周辺住民に間接的に支払われているが、個人個人に支払われているものではない。
 国やNAAは良く「法の範囲以内」でと言うが、裁判所の確定判決にも従う義務があるはずであり、判決に従うことこそが,法治国家の基本である。

(3) 以上の各種問題を解決するためには
 
国とNAAは騒防法や騒特法を改正して、谷間地域と第1種区域の全域を移転補償対象とすべきである。

(4) 昨年も指摘したが、
 国土交通省も成田国際空港株式会社(NAA)も「機能強化計画」に力を入れるあまり、一番大事な日常の乗客へのサービスや、日常の空港業務安全確保がおろそかになっている。
 今回の新型コロナウイルスによる肺炎についても,対応が遅れている。本会の「成田空港サーバー」では、1月4日の出来事でこの肺炎の流行について取り上げた。
 この時点で,危機管理がきちんと出来ていれば、1月23日から30日の春節期間の防疫態勢ができ、このような国内での蔓延はいくらかでも防げたはずである。
 中国からの訪日客の落とすお金に目がくらみ、防疫態勢をおろそかにした結果である。
 リスク管理はどうなっているのか。

【回答】

国土交通省
 
国土交通省としては、近隣のアジア諸国で空港間競争が激化する中で、訪日外国人6000万人時代に対応し、また、我が国の国際競争力を強化するために、成田空港の夜間飛行制限を緩和し、運用時間の拡大を図ることが必要不可と考えております。夜間飛行変更の実施に当たりましては、少しでも騒音地域の影響緩和を図る観点から、内窓等の防音工事の充実や低騒音機への限定などの深夜早朝対策を講じることとしております。

NAA
 A滑走路の夜間飛行制限の変更については、開港当初からの運用時間である6時から23時を変更するという地域にとって大変重い決断であったと認識しておます。
 NAAとしても、地域の皆様に与える航空機騒音による影響を把握することは大変重要であり、昨年5月には学識経験者や行政担当者から構成される「成田国際空港航空機騒音健康影響調査委員会」を設立いたしました。これまでに3回委員会を開催するとともに、前回調査からの経年変化を把握するための事前調査を実施してきたところです。来年度以降に予定されている本調査については、事前調査結果を踏まえ、今後、委員会で具体的な実施時期、調査項目及び調査方法等を審議のうえ実施することとなります。
 また、成田空港では、直接、住民一人一人に対する賠償金のような制度はあませんが、周辺市町においては、周辺対策交付金を活用し、民家防音家屋の空調施設維持管琿費や家屋等に係る固定資産税に対する補助金等が交付されております。また、周辺対策交付金については、騒防法の新たな対策区域の告示より、交付総額を約60億円に引き上げるとともに、新たに「地域振興枠」を創設し、教育・医療・福祉等の地域振興に資する事業にも充てられるように使途についても拡大しましたので、各市町おける施策に応じて柔軟に使って頂ける制度となったと思っております。
 成田空港における新型コロナウイルスの対策については、NAAとしては成田空港検疫所をはじめ出入国在留管理庁と連携し水際対策を実施しております。また、1月23日からNAA社内に対策本部を立ち上げ、案内カウンター・清掃員及警備員等に対してマスク着用指示、ターミナル館内の清掃強化(ドアノブ、手すり、カートハンドル等を念入りに拭き清掃)、アルコール消毒液の配置及び成田空港のホームページや館内デジタルサイネージ等による注意喚起等感染防策を講じているところです。また、2019年10月に自然災害を想定し策定した成田国際空港BCPに基づく総合対策本部(本部長:成田国際空港?社長)を準用し、1月31日から新型コロナウイルス対応に係る対策本部を設置し、構成メンバーである成田空港検疫所をはじめ国土交通省東京航空局成田空港事務所、空港クリニック、航空会社、テナント事業者等空港内関連47事業者の皆様に加え印旛健康福祉センター(印旛保健所)と連携し、体調不良のお客様へのご案内をはじめ、空港内従業員が新型コロナウイルスを発症したときの消毒等対応フローや各社の対策等を共有し、対応しているところです。

以上


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