1999年5月の出来事
*5月31日
@横田騒音訴訟団が軍民供用か反対を申し入れ
横田基地の騒音に反対している訴訟団は石原都知事の軍民供用かを推進する政策に対して「供用かで騒音が一層深刻になる。墜落や落下物の危険も増大し、供用かは非現実的。」とする供用か反対を石原都知事宛に申し入れ、直接の話し合いを求めました。
@GEが石川島播磨にエンジンの共同開発を打診
アメリカのゼネラル・エレクトリック社は石川島播磨重工に対して、ボーイング社のB−777型機用の新しいエンジンの共同開発を打診してきました。現在も両社はB−777用のエンジン[GE90]を共同生産していますが、このクラスのエンジンは競争が激しく、苦戦しています。GEは今回、ボーイング社がB−777の航続距離を伸ばした機体を開発するのに伴い、この機体用の推力をGE90の9万ポンドから11万ポンドに増やす[GE104B]の共同開発を打診してきたものです。
*5月30日
@キャセイ航空が賃下げ交渉でパイロット『病欠』
キャセイ航空では労使で賃下げ交渉が行われていますが、これを不満としたパイロットで『病欠』を申請する者が急増しています。このため、パイロットのやりくりがつかずに運休する便が出ている模様です。キャセイ航空では6月11日までの新規予約の受付を停止しています。会社側は「パイロットの給与は世界最高水準で、賃下げしてもその位置は変わらない。」としていますが、この『病欠』騒動は長期化する模様です。
*5月29日
@航空機事故の賠償額の上限を撤廃
カナダのモントリオールで開かれている国際民間航空機関(ICAO)の外交会議で航空機事故の対する賠償額の上限を250万円に定めた協定が撤廃されることになりました。前々から、現状に合わないとして批判されていたものです。これは、なんと、70年前に決められた上限です。
@全日空が2000人削減の中期計画
全日空は従業員を2000人減らして、13000人体制にする2002年までの中期計画を発表ししました。とりあえず、2000年度に700人を希望退職などで削減する予定です。
@日本エアシステムとノースウエスト航空が共同運航で合意
日本エアシステムとノースウエスト航空は共同運航で合意しました。とりあえず、7月から日本エアシステムの関西空港と福岡・那覇を結ぶ日本エアシステムの国内線を両者の便名をつけて運航します。これにより、ノースウエスト航空はアメリカから福岡や那覇までの航空券が発行でき、日本エアシステムは関西空港のノースウエスト航空の乗客を独占的につかめる事になります。日本エアシステムが日米路線に乗り入れる事になれば、この日米路線も共同運航する予定です。
@都が都内米軍8施設の共同利用を国に申し入れ
東京都は都内にある米軍の8施設を米軍と東京都が共同利用できるように国に働きかけていくことになりました。これは石原知事が選挙戦の中で横田基地の返還を公約に掲げた事を受けたものです。前青島知事も都内全施設の返還要請を国に申し入れています。
*5月28日
@アクセス数が昨日、3万回を突破しました。ご愛読感謝いたします。
@運輸省と空港公団が暫定滑走路で協力要請
運輸省と空港公団は25日に空港周辺の1市7町でつくる『成田空港圏自治体連絡協議会』にたいし、暫定滑走路についての内容の説明を行いました。これに基づき、6月には正式な協力要請を行うつもりとのことです。また、昨日は茨城県の市町村の首長に対して同様の説明と協力要請を行いました。
@来月29日に成田で「空港問題フォーラム」を開催
成田空港周辺の住民らでつくる「騒音対策地域連絡協議会」など14団体は、空港と地域の共生などについて住民サイドで話し合う「空港問題フォーラム」を来月29日に成田国際文化会館で開くことを明らかにしました。講師には円卓会議の学者グループの代表であった隅谷氏を予定しているとのことです。出席は1200人を予定しているとのことです。この「空港問題フォーラム」は暫定滑走路推進派の事実上の決起集会になるものと思われます。運輸省の強引な計画推進を側面から援助し、強権的な姿勢を「住民も支持している。」と言うことで、薄めようと言う意図があるものと思われます。
@暫定滑走路案は今年の初めには打診されていた?
未確認の情報ですが、今回“突然”出されてきたこの暫定滑走路案ですが、実は、今年の初めには成田市や芝山町の幹部には打診があった、との情報もあります。確認できませんが、突然の発表からの“手際の良さ”を見ていますと、嘘、とも言い切れないように考えられます。さらに、「『暫定滑走路から平行滑走路をつなげて、3200m級の滑走路にする。』と言うシナリオも出来上がっており、配役も出来ている。」と言う話しもささやかれているそうです。
@昨日の強風で午前中に3便が他空港へ向かう
昨日の関東地方を吹き荒れた強風はA滑走路にとっては、ほぼ真横からの横風でした。この横風のため、午前中に成田空港に着陸するはずの3便が着陸できず、羽田空港などに着陸を変更しました。
@MD−11の自動操縦装置の改修を勧告
アメリカの運輸安全委員会は1997年6月4日に名古屋空港に向かっていたMD−11型機が自動操縦が解除されたことにより、激しく揺れ、重軽傷者が出た事故で、自動操縦装置が簡単に解除しないように改修することを勧告しました。
*5月27日
@暫定滑走路計画についての見解を空港公団に申し入れました
今日の午後、成田空港を本会の会員7人で訪れ、空港公団の職員に下記の文書を提出し、善処してくれるように要望してきました。
《成田空港問題の真の解決のために》 「暫定滑走路」計画は直ちに撤回し 真の住民合意に向け 関係者がこぞって参加できる話し合いの場を 1999年5月26日 成田空港から郷土とくらしを守る会 運輸省と新東京国際空港公団は平行滑走路の『2000年度完成断念』を発表しました。そして、この表明の直後に『平行滑走路用地の北半分を使って、2180mの暫定滑走路を2002年6月のワールドカップまでに建設する。』と言う案を千葉県や周辺市町村に提案し、21日の閣議で、「反対派の説得は続ける。」と言う条件付ながら、はやばやと決定しました。 昭和41年の閣議決定以来、成田空港建設がここまでもつれたのは、あげて歴代政府の住民無視の姿勢にその責任があることも指摘せざるをえません。 国もこのことを反省し、話し合いの必要性を認め昨年12月に『共生大綱』を発表し、話し合いによる成田空港建設を表明したはずです。 ところが、それから半年もたっていない今月に示された『暫定滑走路』案はこれらの教訓を無視して、再び、『住民無視の強行路線』を目指すものと言わざるを得ません。 暫定滑走路は現在平行滑走路用地内で生活と農業を営んでいる島村さんの北側からアプローチエリアを設け、滑走路を建設しようとするものですが、これは、島村さんの生活権を脅かし、強引に立退を迫るものとなります。運輸省は「暫定滑走路を建設しながら、用地内地権者との話し合いを続ける。」と言っていますが、常識で考えてもこの考えが『虫の良い、手前勝手な考え』であることは明らかです。運輸大臣は「反対派は話し合いの呼び掛けに応じようとしないので、暫定滑走路しか選択の道がなかった。」と述べましたが、円卓会議の際にも、国と熱田派が作った“土俵に乗れ”と強要しただけのものでしたし、その後の話し合いの呼び掛けも“平行滑走路建設を前提”にしたもので、真摯に相手の意見を聞こうとするものではありませんでした。 また、運輸省は「暫定滑走路によって、騒音区域が広がることはない。」と言っていますが、北側に1Km弱滑走路が伸びることにより、北側の下総町や神崎町や茨城県各市町村の騒音コンターや飛行コースの変更を余儀なくされる事も予想されます。滑走路を延ばす地域に新たに買収すべき土地が「ある。」「ない。」だけの問題ではすまないはずです。 ましてや、将来、暫定滑走路完成後、平行滑走路の南半分が完成することになれば、暫定滑走路と合わせて3200m級の滑走路として使用され、現在運用されている4000m滑走路と同様のひどい騒音がばらまかれることも予想されるのです。 さらに、なぜ「ワールドカップまでに」なのか、と言う疑問もあります。ワールドカップは一時的なものです。その1ヶ月間増える外国人観光客を捌くためだけならば、羽田空港の一時的な使用や他の近隣の空港との連携を考えるべきではないでしょうか。 私たち、「成田空港から郷土とくらしを守る会」は成田空港の現状が現在のような膠着状態のままで良いとは考えていません。 成田空港が、まがりなりにも日本の表玄関として機能していることは事実ですし、周辺住民の生活に多大な影響を持つようになってきていることも否定できません。このことから、平行滑走路を早期に完成させる必要があると考えています。 しかし、今回の『暫定滑走路』案は成田空港問題の解決にとって逆効果になると考えます。これを強行することは今まで国が犯してきた『住民の意向を無視する』と言う過ちを再び繰り返し、暫定滑走路は出来ても、完全な平行滑走路の完成と、成田空港問題の本当の解決に禍根を残すことになりかねません。 そこで、本会は、『暫定滑走路計画をいったん白紙撤回し、円卓会議の教訓をふまえ、地元・周辺の住民、自治体関係者、航空関係者、成田空港で働く人達などの代表に加え運輸省・空港公団が一同に会し、自由に発言できる「場」を設け、成田空港の役割、環境基準達成などの騒音対策、地域振興策の具体化、地域づくりの構想などを精力的に議論し、お互いの理解を深めることが必要』と提案します。
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*5月26日
@昨日は役員会で遅くなってしまったため、更新できませんでした。昨日の役員会で暫定滑走路問題に対する本会の見解をまとめました。明日、このページに載せたいと思います。
@千葉県知事が「成田空港の軍事利用はあり得ないと思う。」
一昨日、新ガイドライン法案が成立しましたが、これに対して沼田千葉県知事は「成田空港の軍事利用は運輸大臣が『軍事利用はない。』とくり返し国会で答弁しているし、住民との間でも約束をしていることから考えて、要請があるとは考えていない。」とコメントしていました。
@定期航空協会が新ガイドラインで万全な安全確保を要望
国内の航空会社11社で作る『定期航空協会』は新ガイドライン法案成立で「民間航空企業として、周辺有事への協力の内容が航空法に抵触せず、武力行使もあり得ないなどの確認をする必要がある。国に対して、民間航空の安全の確認と万全を期するよう強く要望する。」とのコメントを発表しました。
@今日から国内航空13社に立ち入り検査
運輸省は今日から国内航空13社全てに対して安全対策を怠っていないかなどを調査する立ち入り検査に入りました。これは自由化により、激しくなる競争で安全に対する配慮がおろそかにならないように引き締める目的を持っています。
@那覇空港の新国内線ターミナルが供用開始
那覇空港の新しい国内線ターミナルが今日から供用を開始しました。面積で2.7倍の広さになり、駐機スポットも25機から38機に増えました。
*5月24日
@新ガイドライン関連法案が参議院で可決成立
今日の午後、参議院で審議されていた新ガイドライン関連法案が可決され、成立してしまいました。残念です。しかし、法案は成立しても、実際の運用はこれからです。本会としては、『交渉覚書』の約束のとおりに「一切の軍事利用をしないように」とねばり強く国と空港公団に要求していきます。しかし、これでアメリカはいつでも朝鮮半島で武力行使ができる体制を確保したことになります。心配です。
@第一ターミナルで21周年記念の写真展
暫定滑走路問題で忘れられてしまった形ですが、成田空港は20日で開港21周年を迎えたのですね。第一ターミナルではこれを記念して、成田空港に来た人や飛行機の写真展を行っています。これは共同通信カメラマンが撮影したタイガーウッズや、世界一胴体の太い貨物機のヴェルーガなどの写真を展示しているものです。6月2日までは第一ターミナルで開催しており、6月3日から16日までは第2ターミナルで開催されます。
*5月23日
@暫定滑走路の対応に苦慮する航空会社
運輸省は「暫定滑走路の完成で新たに国際線の長距離便が年間3万回増やすことが出来る。」といっています。しかし、航空会社にとっては単純な問題ではありません。と言うのは、現滑走路を利用している航空機の9割はジャンボ機なのです。すなわち、近距離国際線でもジャンボ機を使う例が多いのです。ところが、暫定滑走路ではジャンボ機は使えません。そうなると、現在利用している近距離国際線を暫定滑走路に回すためにはジャンボ機の代わりに2200mでも離着陸できる別の航空機を用意しなければいけないことになります。しかし、経営の苦しい航空会社がこのような措置をおいそれと取るわけにはいきません。従って、運輸省の計算通りに便数を増やす訳にはいかないのが現状です。また、計算上は2200mでも離着陸できる機種でも、滑走路が短いために、非常事態に対応できない可能性も大きく、パイロットに与える心理的なストレスは飛行の安全を脅かすことになりかねません。
*5月22日
@暫定滑走路に対する周辺各団体の反応です
[用地内に住み営農する島村氏]「政府は成田空港ができない失敗の責任を私たち農家に押しつけようとしている。絶対に立ち退かない。しかし、騒音は心配だ。」
[北原派の北原事務局長]「国は『暫定案を飲むのか飲まないのか』と我々に屈服を迫っている。実力闘争で建設を阻止する。」
[成田空港早期完成促進協議会の宮崎広朗会長]「促進署名は26万人を越えた。早期完成は世論だ。完成すれば、3万人の新たな雇用が期待できる。暫定滑走路でもいいから早く工事を始めてもらいたい。」
[早期完成を求める成田空港対策協議会の鬼沢伸夫会長(円卓会議の主力メンバー)]「暫定滑走路で用地内地権者は態度を硬化させて、立ち退かないだろう。そうすると、平行滑走路が出来なくなるのではないかと心配している。」
[共生委員会委員長代理の河宮信郎氏]「地元の了解もなく、運輸省だけで決めて、滑走路を造ることはあり得ない。」
[熱田派代表世話人の柳川秀夫氏(円卓会議参加〕]「結局、国は空港を造ることしか考えていなかったのだ。」
[芝山町長の相川勝重氏(円卓会議参加)]「空港問題が前進したのは間違いない。2002年には不退転の決意で臨む必要がある。」
[航空会社など関係者]「建設計画は空港容量の制約を少しでも緩和するもので、関係者の努力に敬意を表する。暫定とはいえ、運航する航空会社にとって使いやすい滑走路になることを期待する。当初計画にある平行滑走路が、関係者の努力で早期に完成することを願う。」(日本航空)、「ジャンボ機が発着できない滑走路では仕方がない。」(ある航空会社社員)
[野田毅国家公安委員長]「今後、過激派のゲリラ行動が激しくなると思うので、警備に万全を期すように関係閣僚にもお願いしたい。」(閣議で)
*5月21日
@[暫定滑走路問題資料のページ]を作りました。
今のところ、「予測図」と「千葉県知事の運輸省への回答」しかありませんが、追々、充実させていきます。
@閣議が暫定滑走路案を了承・年内にも着工へ
今日の閣議で川崎運輸大臣は成田空港の暫定滑走路案について報告し、閣議もこれを了承しました。閣議後の記者会見で運輸大臣は早ければ、9月にも計画変更を申請し、今年中にも着工したいとの意向を明らかにしました。
@暫定滑走路案で年間6万回の発着と試算
運輸省の試算によると、暫定滑走路によって、近距離国際線(B−767などの離発着)と国内線で年間6万回の離発着が可能になるそうです。そして、現滑走路を使っている近距離国際線と国内線を暫定滑走路に回すことによって、長距離国際線を年間3万回増やせる、とのことです。
@千葉県が関係1市7町を集めて暫定滑走路への回答を説明
今日の午後、千葉県が空港周辺の1市7町の首長を集めて、昨日、運輸省へ出した回答について説明をし、理解を求めました。これに対して、出席した首長は概ね「やむ終えない」と理解を示したそうです。なお、運輸省と空港公団は今後、関係市町に説明し、理解を要請するそうです。
【コメント】しかし、千葉県は昨日の運輸省への回答を出すに当たって、一昨日、成田市長と芝山町長だけを夕方呼んで、『暫定滑走路問題資料のページ』にあるような回答文を示し、了解を取っていたようです。2市町のみを呼んだのは「用地にかかる。」と言う理由のようですが、深刻な騒音被害を受けるのは、滑走路が伸びる北側の下総町や神崎町なのですが、どうして、一昨日意見を聞かなかったのでしょうか。
@武器輸送をしない決議・・・日本航空機長組合
日本航空機長組合は昨日開いた臨時大会で、現在審議されている新ガイドライン法案に関して、「私たちはガイドライン関連法案に基づく、武器や兵員などの輸送は行わない。」と言う決議を採択しました。
*5月20日
@千葉県知事が暫定滑走路案を基本的に了承
今日、運輸省で運輸大臣と千葉県知事との会談が行われました。会談で沼田知事は運輸省の暫定滑走路案に対して、基本的了承を表明しました。条件として、建設への手続き開始までに一定の期間(数ヶ月)を置き、その間に地権者との話し合いに努力して、本来の平行滑走路建設に努力すること、また、暫定滑走路による新たな騒音問題などへの対処を要望しました。運輸省としては明日の閣議に報告して、計画変更の手続きは今秋にも始めたい意向です。
【コメント】「数ヶ月かけて地権者との話し合いを」と言いますが、暫定滑走路で脅かしをかけて置いて、「話し合い」が進むはずがありません。千葉県知事も「すんなり了承したわけではない。」と言うポーズづくりをしただけの話で、真剣に平行滑走路の完成を考えているわけではない、と見られても仕方ないでしょう。
@成田空港で過去最高の覚醒剤(21Kg)を押収
空港警察署は今日までに、成田空港としては過去最高の覚醒剤21Kg、末端価格で12億円を押収し、密輸しようとしたシンガポール人の男性を逮捕しました。この男性は自分で花瓶などの間に覚醒剤を隠して、航空貨物として発送し、自分で受け取るために来日していました。
@福岡空港の新国際線ターミナルが供用開始
建設されていた福岡空港の新国際線ターミナルが今日から使えるようになりました。
*5月19日
@運輸大臣と千葉県知事が明日会談
運輸省と千葉県はそれぞれ平行滑走路問題で明日会談することを明らかにしました。千葉県は運輸省から「このまま用地交渉が進展しなければ、北側に暫定滑走路を建設せざるを得ない。これについて意見を聞きたい。」と正式な打診があったことを明らかにしました。一方、川崎運輸大臣は明日の会談を経て、明後日の閣議で暫定滑走路建設の方針を提案する予定であることを明らかにしました。
【コメント】またもや、『閣議決定』のごり押しです。川崎運輸大臣は一昨日の記者会見で「千葉県が了承しなければ、押しつけるつもりはない。」と言ったそうですが、これは建前にすぎません。3つの案を公表したときも「1案・2案は難しいだろう。」と暫定滑走路案が適当と誘導し、千葉県には「暫定滑走路でどうか。」と打診しているのです。昭和41年の『三里塚空港閣議決定』を思い出します。こんな大事なことを1週間や10日で検討できるはずがないではありませんか。時間をかければ、反対意見が出そうだ、と思うと時間を与えずに一気呵成に強行すると言う姿勢は33年前とちっとも変わっていません。どこが『共生』なのでしょうか。これで、また、事態をこじらして平行滑走路の完成を遅らすことになるとなると思います。
@タイヤのパンクで滑走路が一時閉鎖
今日の午後3時40分頃、離陸した航空機の機長から「滑走路にタイヤの破片が落ちていた。」との連絡が入りました。成田空港事務所では同41分から13分間滑走路を閉鎖して、タイヤの破片を回収しました。3時13分に離陸したノースウエスト航空2便のタイヤの1本が離陸の際にパンクしたようです。
*5月18日
@運輸大臣が明日か明後日に千葉県知事と会談
川崎運輸大臣は閣議後の記者会見で、「明日か明後日に沼田千葉県知事に会って、運輸省としての新しい方針を伝える。」と述べました。新しい方針とは暫定滑走路を建設する、と言うことのようです。
@共生委員会で暫定滑走路について疑問が出る
昨日開かれた共生委員会では平行滑走路建設問題について話し合われた、とのことです。委員の一人からは「暫定滑走路を建設するというのは話し合い解決という屋台骨を揺るがしかねない。」と言う疑問が出されました。運輸省側からは「円卓で培われてきた結論は最大限尊重することに変わりはない。」と答えました。委員会としては『共生大綱にのっとって事態が推移するかどうか見守る。』と言うことになったようです。
@反対同盟熱田派が運輸省などに公開質問状
反対同盟熱田派は昨日、暫定滑走路問題について川崎運輸大臣と中村空港公団総裁などに公開質問状を出しました。質問状では『(1)暫定滑走路は用地を話し合いではなく、力で確保するもので、円卓会議の合意を踏みにじる。(2)暫定滑走路が半永久化すれば、周辺地域との共生は不可能になる。』などとして、『問題解決に向けた努力が水泡に帰し、再び対立構造を作り出しかねない。』としています。
【コメント】これらの事実は住民の一部勢力(反対同盟熱田派)を対象にしたシンポジュウム・円卓会議とそこで『合意』した「共生路線」の破綻を意味していると思います。平行滑走路についての“合意”にしても、運輸省や円卓会議に参加した反対同盟熱田派の石毛氏・相川氏などは『横風用滑走路を凍結した代わりに平行滑走路の建設には同意した。』ととらえていますし、一方、今回公開質問状を出した反対同盟熱田派の実験村グループの柳川氏などは『合意したのは平行滑走路の用地取得を話し合いで行う、と言うことである。』としています。だから、石毛氏などは今回の事態について、「運輸省をここまで追い込んだのは用地内地権者だ。」とまで言っているようです。しかし、平行滑走路についてどのような“合意”が円卓会議でできていたとしても、それに参加していない地元・周辺住民にとっては“預かり知らぬこと”で、その“合意”に拘束されるいわれはないのです。しかし、今回の運輸省の“暫定滑走路案”は住民を無視した従来通りのごり押しであることは誰が見ても明らかです。
@航空科学博物館の入場者が200万人突破
成田空港の南にある航空科学博物館の入場者が16日に200万人を突破しました。200万人目になったのは東京都江東区の小学5年生で、記念として国内線のペアチッケトを送られました。航空科学博物館は今年の8月1日で開館満10年を迎えます。
*5月17日
@運輸大臣らが3ヶ月減棒・・平行滑走路断念で
運輸省は今日、川崎運輸大臣、林政務次官、黒野事務次官の3幹部が成田空港の平行滑走路2000年度完成断念で責任をとり、3ヶ月給与の1割をカットすると発表しました。空港公団の総裁と副総裁も同様の措置を取る予定です。
@コンチネンタル航空機がオイル漏れで引き返す
今日の午前11時40分頃、太平洋を飛行中の新千歳発グアム行きのコンチネンタル航空938便、B−727型機がエンジンに接続するギアボックスからのオイル漏れを感知しました。同機は新千歳空港に引き返し、午後0時15分に無事着陸しました。
@日本とロシアが航空協定の改定で合意
日本とロシアの政府はソ連邦当時に締結された航空協定の改定に着手することで合意しました。使われている名前がソ連邦のままになっていたり、常識になっているお互いの領空を通過することや、燃料や飲料水の補給で寄港する権利などの条文がありません。これらを見直すことになる模様です。
@関西空港の2期工事準備の調査が開始される
関西空港の2期工事を着工するためのGPSシステムなどの調査が今日から始まりました。6月上旬まで続けられる予定です。
*5月16日
@暫定滑走路の予想図を作り替えました
暫定滑走路の予想図を新しく分かった長さ2180mにあわせて書き換えました。ただ、島村さんの敷地の正確な場所が分かりませんので、100m程度の誤差はあると思います。従って、滑走路の北端が東関東自動車道を跨ぐ形になるかどうかは微妙なところです。また、滑走路の西側には誘導路が造られると思いますので、南側の赤い点線はあくまでも参考です。なお、本会としてはこの暫定滑走路に対しては反対の立場です。近く、声明の形で正式な態度を表明する予定です。
*5月15日
@沼田知事が市町村の同意を条件に暫定滑走路を受け入れへ
千葉県の沼田知事は運輸省が打診してきた、暫定滑走路を北側にずらして建設する案を周辺市町村の同意を得ることを条件に受け入れることにしたようです。週明けにも川崎運輸大臣と会い、この意向を伝えるものと見られます。運輸省としては暫定滑走路の工事を今年度中に始めたい意向ですが、知事は用地内地権者を抱える市町の同意を得るとともに、話し合いの路線を続けるように要望する模様です。市町村の同意を得るにも時間がかかり、騒音区域の見直しも必要になると思われるので、今年度中の着工は微妙です。
@IATAが2000年度完成断念で遺憾の意を表明
国際航空運送協会(IATA)のウイリアム・ガイアー理事は一昨日、都内でインタビューに応じ成田空港の平行滑走路2000年度完成断念について「完成が遅れることで、世界の景気に悪影響が大きい。」と遺憾の意を表明しました。また、暫定滑走路について「ワールドカップに間に合うのであれば、評価できる。」と語りました。
@早坂茂三氏が国内線を40分遅らす
政治評論家で故田中角栄首相の秘書だった早坂茂三氏が昨日、羽田発富山行きの全日空883便を42分遅らせました。同機が出発する際、座席を倒していた早坂氏は客室乗務員から起こすように注意を受けました。早坂氏は「この位大丈夫。」なおしませんでした。離陸のため、駐機場を離れていた同機は機内アナウンスで「座席を倒したまま指示に従わない乗客がいるので引き返します。」と駐機場に引き返しました。結局、早坂氏が折れて、座席を起こし、同機は42分遅れて出発しました。早坂氏は「太っていると座席が起きていると苦しい。あまりにも杓子定規だ。」と語り、全日空は「非常の場合後ろのお客様の避難の邪魔になるので、力士でも起こしてもらっています。」とコメントしています。
@デルタ航空機が新千歳空港に初めて臨時寄港
デルタ航空の成田発ポートランド行きが6月11日に初めて新千歳空港に臨時寄港します。これは札幌とポートランドの姉妹都市40周年を記念する訪問団が新千歳から約200人乗り込むためです。新千歳空港をハブ空港にしようとしている北海道はこれをハブ空港化の足がかりにしたい意向です。
*5月14日
@昨日は本会の役員会で遅くなったために更新できませんでした。
@『'99成田空港ハンドブック』が発行されました
左の写真のような『'99成田空港ハンドブック』が発行されました。発行は財団法人新東京国際空港振興協会で空港公団の監修です。発行日は3月になっていますが、実際には5月にできあがったようです。定価は950円です。一般の書店ではなかんかみかけないのですが、航空博物館や成田空港内の書店には置いてあるようです。内容は成田空港関係の各種統計や開港後の動きやアクセスなど充実しています。ただし、空港建設の経緯は載っていません。
@大手3社が夏休みの特別割引を廃止
国内航空大手3社は7月16日から8月末までの夏休み期間中の羽田-福岡線と羽田-札幌線の新規参入に対抗する特別割引をしない方針を明らかにしました。理由として、かきいれどきのこの時期に特別割引を実施すると経営を圧迫しかねない、としています。スカイマークとエアドゥは従来の低料金を維持します。
@アメリカン航空を独禁法違反で提訴
アメリカ司法省はアメリカン航空を独禁法違反で提訴しました。これは、同社のハブ空港であるダラス空港から中小の航空会社を追い出すために、不当に安い運賃の便を増便し、結果的にバンカード航空など4社が撤退に追い込まれたものです。アメリカン航空は撤退後に運賃を値上げしていました。
@ボーイング社が7千人を削減へ
ボーイング社はギリシャへの戦闘機の売り込みに破れたため、軍用機生産のセントルイス工場で2万人の内6500人から7000人を2001年半ばまでに削減すると発表しました。
*5月12日
@運輸大臣が暫定滑走路の来年着工を示唆
川崎運輸大臣は昨日の記者会見で3つの選択肢の内、暫定滑走路を建設する案が有力との見方を示しましたが、そのときには2002年のワールドカップの開催に間に合わせるため、来年早々の着工になることを示唆しました。
@3月の旅行取扱額が17ヶ月ぶりに前年同月比で増加
運輸省は今日、国内の主要旅行業者の3月取扱額が17ヶ月ぶりに前年同月比で増加したことを発表しました。増加は0.2%増の4979億2283万円でした。内訳は外国人旅行客と国内旅行は減少しましたが、国外旅行が伸びてわずかながら前年同月比を上回ったものです。
*5月11日
@運輸大臣が千葉県や成田市に平行滑走路断念を説明
今日、川崎運輸大臣は千葉県と成田市に対して、平行滑走路2000年度完成断念について説明しました。その中で、今後の方針として、(1)現行計画の2500m滑走路を建設しながら、さらに話し合いを続ける、(2)完成目標をさらに3〜4年延長して話し合いを続ける、(3)北側に2000mの暫定滑走路を建設する、の3案を提示し、検討を依頼しました。しかし、大臣は「(1)と(2)案は難しいだろう。」と述べたそうです。
@暫定滑走路は2200mで北側に900m伸びる
今日のマスコミ報道によると、暫定滑走路は長さが2200mから2180mで、北端が900mから1Km伸びるものになるとのことです。
@平行滑走路完成促進署名を急遽提出
成田空港早期完成促進協議会は進めていた「平行滑走路の早期完成を求める署名」を急遽運輸省に提出しました。署名数は約13万7千人分だったそうです。署名は本来、15日まで続けられてから提出する予定でしたが、情勢の急展開で今日の提出となったものです。なお、この署名への協力を訴えるホームページがインターネットに出ていました。
@空港公団の赤字が拡大傾向
総務庁は今日、新東京国際空港公団の経営が1992年以降赤字経営に転落しており、平行滑走路の2000年度完成断念により累積赤字が大幅に拡大することは避けられない、とする報告書を発表しました。
*5月10日
@2000年度末完成断念を正式に表明
今日午前、川崎運輸大臣と中村空港公団総裁は運輸省内で記者会見し、平行滑走路の2000年度末完成を断念することを表明しました。
@沼田千葉県知事が運輸大臣との会談を示唆
平行滑走路完成の正式断念の表明を受けて、沼田知事は「国・空港公団との連絡を密にして、地域の方々の力を借りたい。」と述べ、近く運輸大臣との会談を持ちたいとの意向を表明しました。
@イスラエルに羽田空港乗り入れを打診
日本政府は4月に妥結したイスラエルとの航空交渉の中で、羽田空港の使用を非公式に打診したことが明らかになりました。結局、イスラエルの反対で立ち消えに成田空港、イスラエルは関西空港に乗り入れることになりました。
@米軍の落とした砂袋が町田市の民家の屋根で見つかる
米軍の輸送機が誤って落とした砂袋が町田市小山町の民家の屋根に落下しているのが発見されました。幸い、屋根瓦を数枚壊しただけですみました。
@GWの利用者が大幅に増加・航空10社
今年のゴールデンウイークの国内航空会社の利用状況が発表になりました。それによりますと、昨年に比べて国内線で13.6%増の289万1042人、国際線で22.8%増の24万9611人でした。伸び率が20%を上待ったのは6年ぶりのことです。
*5月9日
@反対同盟熱田派が2000m平行滑走路建設に反対
反対同盟熱田派(と言ってもいくつかのグループがあるので、その内のどのグループかわかりませんが。)は今日、平行滑走路を北側にずらして建設する計画に反対の声明を発表しました。それによると、「騒音直下の住民を力で追い出して、滑走路を建設するというものであり、話し合いの道を閉ざす暴挙である。このような建設を強行するのであれば、我々も重大な決意をせざるを得ない。」としています。
@成田空港反対集会参加者が公務執行妨害で逮捕
今日、成田空港に反対するデモに参加しようとしていた『共産同蜂起派』(あまり聞かない名前です。)のメンバーが成田署に公務執行妨害で現行犯逮捕されました。検問中の巡査部長の顎を肘で殴打して軽傷を負わせたものです。逮捕は1997年3月以来のことです。
@ボーイング社が700人乗りのジャンボを計画
ボーイング社は8日、B−747−400型機を拡張して700人乗りのジャンボ機を開発すると発表しました。この機体はBー747−400の2階部分を延長するか、1階部分の幅を拡張して700人乗りにするものです。全日空などの日本の国内線の需要を見込んでいます。2004年に引き渡しを開始する予定です。これはエアバス社の650人乗り超大型機に対抗するものになります。
@スカイマークが伊丹ー新千歳線で苦戦
先月24日に就航したスカイマークの伊丹ー新千歳線が苦戦しています。今月6日までの搭乗率が目標を大きく下回る31.2%で、他の大手3社の60%に比べても格段に低くなっています。運賃は他の3社に比べて安いのですが、他の3社はパックツアーで乗客を集めています。スカイマークでは「北海道では知名度がない分苦しい。しかし、だんだん上向いてくるだろう。3ヶ月は我慢しなければ。」と話しています。
*5月8日
@新ノイズサプレッサーの試験始まる
成田空港に新しく建設された格納庫型の新のノイズサプレッサーの試験が昨日から開始されました。昨日と今日はノイズサプレッサーの中に実際に航空機を入れてエンジンを回し、それによって装置の中の空気の流れを調べることになっています。今後試験を重ねて、来月上旬には運用を開始する予定です。
@日本航空とアメリカン航空が10日から共同運航
日本航空とアメリカン航空が10日から共同運航を開始します。日本航空は第2ターミナル・アメリカン航空は第1ターミナルですが、共同運航される便は使用される機材によって、日本航空の航空機の場合は第2ターミナル、アメリカン航空の航空機の場合は第1ターミナルになります。従って、どちらのターミナルになるかはその日によって違いますので必ず確認することが必要になります。これは、ターミナルが異なる航空会社の共同運航に共通の注意事項です。
@昨年の異常運航は183件
運輸省の集計によると、昨年1年間に日本の空港を出発して機体のトラブルのために出発空港に引き返したり、途中の空港に臨時着陸した異常運航は183件になったそうです。内訳は国内線が101件で全日空が一番多かったそうです。しかし、便数から割り出した発生率が一番多かったのは日本トランスオーシャン航空でした。また、国際線は82件で一番多かったのは日本航空でしたが、これも便数から割り出した発生率ではノースウエスト航空・ユナイテッド航空・フエデラルエクスプレスの米国勢の方が上位になります。一昨年に比べると、14件少なくなっていますが、特筆されるべきはコンチネンタル・ミクロネシア航空で12件から2件に激減しています。この背景には4月12日の出来事で書いたものが影響していると思います。
*5月7日
@運輸大臣が「物理的に難しくなった。」と表明
川崎運輸大臣は今日の記者会見で「成田空港の平行滑走路の2000年度完成は物理的に難しくなった。週明けにも空港公団総裁とも協議したい。」と語りました。一方、小渕首相は2000m滑走路を北側に建設することについて、記者団の質問に、「ワールドカップまでに努力しようと言うことだ。」と答えました。
@横田基地の米軍機が7Kgの砂袋を誤って落とす
米軍横田基地から防衛施設庁に入った連絡によると、訓練中の米軍C130型輸送機が5日の午後5時52分頃、横田基地の滑走路の南14.5Km地点で誤ってパラシュート付きの重さ約7Kgの砂袋を投下したそうです。もちろん、投下地点は横田基地外です。今のところ、被害の報告はありません。
@日本エアシステム機が羽田空港に引き返す
今日、午前8時20分頃、小松空港に向けて離陸した日本エアシステムのA-300-600型機が離陸直後に油圧系統の異常を起こしました。同機はすぐに羽田空港に引き返し無事着陸しました。同機は6日にも油圧系統に故障を起こして引き返していました。
@航空管制の2000年問題で対応遅れの国のリストを作成
国際航空機関(どこだかわかりませんが)は6日、航空管制の2000年問題に対する対応が遅れている国のブラックリストを作成することを明らかにしました。
*5月6日
@「平行滑走路は北に数百メートル伸びる」・読売
今日の読売新聞は「平行滑走路の2000年度完成断念と、北に2000m滑走路を建設するために、アプローチエリアが数百メートル伸びる。」と報道していました。また、「しかし、新たな用地はほとんどがすでに空港公団が周辺対策で買い上げているために用地の取得は必要ない。」と書いていました。下に、今はアプローチエリアとして整備している国道51号線のトンネル部分の写真を載せておきます。2000m滑走路を造るとすると、ここも、アプローチエリアでなく滑走路になるのではないでしょうか。一昨日の地図を参考にして下さい。
*5月5日
@成田周辺の空域は複雑空域
芝山町にある航空博物館の展望ラウンジに成田空港周辺の空域を示す模型がありました。下の写真がそれですが、これを見ても如何に複雑で危険な空域かよく分かります。黄色が成田空域・赤が百里空域・青が羽田空域になります。黄色の奥の赤と青に挟まれた所に成田空港があります。これに首都圏第3空港ができたら、さらに複雑な空域になることになります。羽田空域の西側には米軍の空域が壁のように立ちはだかっているはずです。
*5月4日
@運輸省「平行滑走路2000年度完成は断念・W杯前に完成」
今日の朝日新聞によると、運輸省は来週初めにも平行滑走路2000年度完成を断念することを発表するとのことです。運輸省内には次の完成目標として『2002年のサッカーのワールドカップまでに完成させる。』か『2001年度末に完成させる。』と言う案が浮上しているそうです。ワールドカップは2002年の6月1日から30日まで日本と韓国で開催されます。この時期に外国からの観戦も含めた観光客が増えることも考え、平行滑走路の設計変更もしてでも完成させるべき、との考えも出ているそうです。設計変更としては反対派の土地が少ない北側に平行滑走路をずらし、2500mは無理でも2000mの滑走路を完成させようと言う案が浮上しているとのことです。2000mは短いのですが、近距離国際線や国内線の着陸には使え、それだけ現滑走路に余裕ができると言うものです。
【コメント】平行滑走路2000年度完成が絶望的なのは前にも書いたとおりですが、ワールドカップまでの完成は2000年度完成と比べて、たったの1年2ヶ月延ばしたにすぎません。本当にこれで解決するのでしょうか。また、「平行滑走路を2000mにする。」と言う案も苦肉の策と言わざるを得ません。2000mでは短距離国際線の離陸にも使えません。今までにも航空会社などからは「2500mでは短い。3000m以上にして欲しい。」と言う要望が出ていました。ただ、2000mを作って置いて、将来、反対派の土地が手に入れば、連結して、3500m級の滑走路ができると考えるのは勘ぐり過ぎでしょうか。しかし、私の計算ですと、北側に2000mの滑走路を造るには、誘導灯などを設置するアプローチエリアも含めて現在の空港用地を約1Km北側へ延ばさなければなりません。そうなれば、新たな用地の取得や騒音が予測と違ってくるなどの問題点があると思います。下に北側に2000mの滑走路を造った場合の地図を載せておきます。ただし、これはあくまでも私の予測ですのでこの通りになるかどうかは分かりません。ピンクの帯が滑走路で、赤い点線は新たな空港用地とアプローチエリアです。