防音工事へのアスベスト使用有無の質問書と回答
防音工事へのアスベスト使用有無の質問書
成田国際空港株式会社社長 黒野 匡彦 様
2005年10月12日
成田空港から郷土とくらしを守る会
会長 木内 昭博
日頃から成田空港の円滑な運営と航空機の安全運航、および周辺地域への環境対策のために努力しておられることに敬意を表します。
昨今、発がん性のあるアスベストの使用が各所で問題になっております。
貴社でもターミナルビルなど空港施設におけるアスベストの使用については調査結果を明らかにしている所です。
しかし、成田空港周辺地域で貴社や旧空港公団によってなされた民家・学校・共同利用施設などの防音工事において、アスベストを含む建材が使用されているかどうかの調査報告はまだないと認識しております。
周辺住民は「大丈夫」と思いながらも不安な気持ちでおります。
民家防音などこれらの工事も最初の別棟による一室防音から既に30年近くの年数が経っており、使われた建材も時代とともに変化していると考えられ、調査も大変とは思いますが、至急調査をして結果を文書でいただき、合わせて公表していただくようお願いいたします。
以上
成田国際空港株式会社の回答
12月2日に成田国際空港株式会社に伺い、共生企画部の担当者から約1時間半に渡り、上記質問書の回答を口頭で聞きましたので、その要旨を問答形式で載せます。
会社;「基本的には個人の住宅でアスベストの吹き付けなどは考えられない。旧空港公団や当社で助成した民家防音工事については審査のための書類があり、これで確認したが、助成対象の部分についてのアスベストの使用はなかった。千葉県が先行して行った1室・2室防音家屋(コンクリートプレハブ)については資料がなかったので、実際の家屋3軒について実地に調べたが(写真を見せてもらう)、天井裏などの断熱材はグラスウールだった。従ってこちらもアスベストの使用はない。」
本会;「他の建材についてはどうだったのか。」
会社;「会社としては助成した部分については調べる事が出来るが、その他の部分については書類もないし、越権行為になってしまうので調べる事は出来ない。」
本会;「助成対象と言うのはどういう部分か。」
会社;「空調機器や配管、防音サッシ、天井や壁の断熱材などである。」
本会;「1室・2室防音家屋は何戸ぐらいあるのか。」
会社;「434戸になる。」
本会;「民家防音を行った住民から問い合わせなどがあったか。」
会社;「現在までに10件程度あった。」
本会;「学校や共同利用施設などはどうか。」
会社;「こちらはアスベストが使われている所もある。主に、空調機械室の内部の吹き付けや配管ダクトの断熱材として使われている。こちらは昭和62年頃から問い合わせがあり、施設管理者(自治体など)が封じ込めなどの対策を行う場合は私どもで、防音工事で助成した部分について、その費用の75%を助成している。アスベストが使われているかどうかも施設管理者が調べる事になる。問い合わせがあれば私どもで分かる範囲でお答えするが、対策費の75%助成は申請が施設管理者からあった場合だ。壁や天井などでアスベストが使われている場合、その対策については私どもは関知しない事になる。」
以上