第3ターミナルの見学
(2015年4月2日)
第3ターミナルの供用開始が2日後の4月8日に迫りました。
2日に成田国際空港株式会社(NAA)のご厚意で、開業前の第3ターミナルを見て回りましたので、その様子を載せます。開業前の最後の仕上げで工事の方々は大忙しでした。第3ターミナル内でも、航空会社やショップの方々がディスプレイや訓練に専念していました。
すでに各種マスコミで第3ターミナルについては紹介されていますが、写真を中心に第3ターミナルを紹介します。
第3ターミナルに向かうには専用の通路を利用します。通路の材質は陸上競技場で使われているゴムチップとのことでした。適度な弾力性があり、足にも易しく、滑ることもないと思います。
通路は青レーンと赤レーンに別れています。青レーンが第2ターミナルから第3ターミナルに向かうレーンです。写真では見えにくいのですが、レーンの天井には第3ターミナルまでの距離が「Terminarl 3」の先に示されています。
実は、赤レーンの天井にも同様な表示があるのですが、第3ターミナルに向かっていると、見えにくくなっています。赤レーンを第2ターミナルに向かって歩いている場合は逆に青い文字が見えにくくなっています。
かなり、長い通路ですので、途中に右のような休憩所が設けられています。喫煙所はありません。
通路の終わりに階段とエスカレーター・エレベーターがあります。これを上ると右に本館、左にバスターミナルに向かう通路があります。
バスとタクシーのターミナルです。左の内側が降車レーン、右の外側が乗車レーンとなります。右にバスターミナルの案内図を載せておきます。
いよいよ、本館入り口です。入口を入って左に曲がったところの、右側に各社のチェックインカウンターが左の写真のように並びます。手前から春秋航空 ・日本、ジェットスター、バニラ・エアとなりますが、春秋航空 ・日本の右半分にチェジュ航空のカウンターがあります。ジェットスターとバニラ・エアは左が国内線・右が国際線と別れているようです。
天井は配管がむき出しになっています。時計もデジタルではなく、どこにでもある丸いシンプルな電気時計で、コストの削減ぶりがうかがわれます。
チェックインカウンターの向かい側に、右写真のようにショップが並んでいます。その奧に、保険や両替の窓口があります。
この通路の奧にフードコートが拡がっています。広いフードコートの左側にレストランカウンターがあります。
テーブルは無印がデザインしたシンプルな天然木のテーブルと椅子が並んでいます。右側の奥にあるソファーも無印のオリジナルです。ここで、横になることも出来ます。この部分は24時間使えますが、レストランは午後9時、カフェは午後10時で閉まります。その後、開店の翌日午前4時まではコンビニのローソンしか開いていません。
フードコートの先、左側が国内線保安検査場でした。国際線の保安検査場は右側でしたが、この日は、シャッターが降りていました。
国内線の本館搭乗待合室は左写真のようでした。前面には第2ターミナルの駐機場が拡がります。
所々にあるガラスと金網の枠は、バスゲートへの降り口です。この階段は右写真のように金網で囲われ、案内が始まると解錠され乗客は階段を降りて、バス乗り場に向かいます。
なお、駐機場に停められ航空機に搭乗する場合、バスはこの下につけられます。この写真はブリッジから撮ったものですが、2階が国内線の本館搭乗待合室で、バスはこの1階の右奧につけられます。
なお、その先の、左にちょっと突き出たものは国際線の搭乗口で、目の前に旅客機が停まります。右写真のようなエプロンルーフを使って、歩いて搭乗します。国際線の搭乗ゲートは4基あります。
国内線でサテライトから搭乗する場合はブリッジを通り、サテライトに行きます。将来、サテライトの北側に駐機場が増設された時には、このブリッジの下を航空機が通過することになります。
このブリッジは搭乗ルートと到着ルートが金網で仕切られて、お互いに行ったり来たり出来ない構造になっています。
外側は鉄骨もありますが、ほぼ、吹き抜けで、数カ所でガラスがはめられ、青ルート、すなわち搭乗ルート側は第2ターミナル側の展望が開けて、天気が良ければ、下の写真のように、すばらしい景観が拡がります。逆に赤ルート、すなわち到着ルートは北側で空港の展望はありません。
このブリッジには空調がありません。従って、冬の寒い時期はコートでも羽織っていかないと震えることになると思います。
このサテライトに駐機スポットは4基しかありません。従って、運良くサテライトからの搭乗にならないと、ブリッジからの眺めを楽しむことは出来ません。
現在は、サテライト前のスポットをジェットスター・ ジャパンが使っていますが、「ここはジェットスター・ ジャパン専用になるのですか」と聞いたところ、「とは限りません」とのことでした。
このスポットにはエプロンルーフが備えられていますので、バスでの移動ではなく、搭乗待合室から1階に降りて徒歩での搭乗になります。航空機は現在の停止位置より、約5mサテライトに近づいて停まることになるそうで、雨の時にもほとんど濡れないそうです。
サテライトは長さ200mもあるそうです。ここに、ジェットスター・ ジャパンとバニラ・エアのショップがあります。
国際線の搭乗は右の保安検査場を通って、入ります。入るとすぐに広い免税ショップが並んでいます。国際線のエリアは少し高級感があり、天井も張られていて、配管などがむき出し、と言う事はありません。免税ショップも広さでは第1・第2ターミナルの免税店街に劣らない、とのことでした。
この先に、搭乗待合室があります。その下に、国際線搭乗ゲートがあり、さらに、一階に降りて搭乗する事になります。搭乗ゲートは4基あり、時間によって、4基のゲートだけでは、足りなくなった場合にはバスでの移動になるようです。
到着時ですが、国際線は入国審査を受けた後、国内線はそのまま赤ルートに沿って荷物受取場に移動します。荷物のカートレーンは3基ありました。
そこを出ると、フードコートの一角に出てきます。ここに、鉄道のチケットを買える自動販売機がありました。自動販売機の左手にはバスチケットが買えるカウンターがあります。
フードコートに出て、後は、赤ルートに沿って第2ターミナルやバスターミナルに向かうことになります。
この日、初めて知ったのですが、第3ターミナルに、空港外から徒歩で行くことが出来るそうです。写真の緑レーンがそれです。このルートは検問が廃止になった第2ゲートから続いています。今は、空港に勤める人が利用しているそうです。
しかし、第2ゲート近くの2つのホテルからは徒歩で10〜15分で第3ターミナルに到着できそうです。重い荷物を持っている時は大変ですが、元気な方は利用できそうですね。ただ、早朝や夜遅くの時間帯は危険かも知れませんので、自己責任で。
以上が今回の見学のようすでした。気がついたのはターミナルの階段のあるところには、どこにもエスカレーターやエレベーターがあって、お年寄りや体の弱い人にも優しいターミナルになっている事でした。また、ピクトグラム(絵文字)が多用されていて、外国の人にも分かり易いターミナルではないか、と言う事です。
また、LCC専用とは言え、「粗末でも良い」と言うことではなく、一定の水準を保った、日本的なLCC専用ターミナルになっているのではないか、と言う事です。