堀川 洌 氏の公述
私、堀川洌と申します。職業は農業です。賛成の立場から公述いたしますが、私の場合は、賛成と言っても騒音下の住民の一人として公述させていただきます。その辺御容赦願います、初めに、先ほど永井副総裁がおっしゃいましたように、平行滑走路整備についての中で、今後の国際航空需要を勘案して、早急に平行滑走路はつくるべきだというふうにおっしゃいました。そして、それとは裏腹に、平行滑走路が当面無理な場合は暫定滑走路として2200mの滑走路を2002年5月、ワールドカップに向け供用を開始するというふうにおっしゃいました。私たちは、その暫定滑走路が供用されますと、下総町ですから、800m我々の方へ近づいたわけです。先ほど副総裁は767、小さな飛行機である、騒音は当初計画されました平行滑走路よりも小さくなるというふうにおっしゃっております。また、暫定滑走路の場合は、供用されても十分な機能を満たせない滑走路であるということです。また、この暫定滑走路は「暫定」でございますので、いつまで供用されるのかというような不安も我々地域住民の中にあるわけです。それを踏まえまして、先日、下総町騒音地区地域振興協議会を主催しまして、航空機の騒音実体験を行いました。380戸が対象の戸数です。その中で180名が参加しました。その中で、終わってからアンケートをとりまして、1、成田空港を離発着する航空機について、今まで見たことや感じたことで聞きました。@航空機の騒音でうるさいというふうに感じましたかという質問に対しまして90%以上の方が「うるさい」と。下総町は現在のところ、平行滑走路では騒音区域になります。75W、騒防法第1種区域となっております。が、しかし、現在の4000m滑走路におきましては一切関係ないという地域になっております。その中で、住民がうるさいというふうに感じておるわけです。また、航空機が家の近くを飛んだことがあるか、「飛んだことがある」というふうに答えた方が93%。Bとして、「現在の滑走路を離発着する航空機が下総町の上空を通るということに疑問か」ということについて質問しましたところ、85%が「疑問だ」というふうに答えております。それは、北側の方で積乱雲とか、そういうふうな状況もあります。ですけれども、夜は非常に厳しいというふうな調査結果が出ております。また、次に、「航空機の騒音実体験に参加しましてどういうふうに感じましたか」ということで、@「有意義であり、大変参考になった、再度お願いしたい」というふうに質問しましたところ、80%の方が「もう一度やりたい」と。「やる場合にはどうしたらいいか」ということで、私どもで「再度の場合は、騒音下の民家を借りて、家の中で、また、夜とか、生活に密着した形でやったらいかがですか」というふうな質問をしました。そうしましたら、80%の方が、やはりそういう「生活に密着した形で騒音体験をしたい」というふうに希望しております。また、ある人は、あるところでは、「現在の自分の家の状況の方がうるさかった」ということも言っております。次に、「平行滑走路(暫定滑走路含む)ということで整備計画がされています。その中で下総町にも騒音の影響があるので、今後の推移には注意したい」、もう1OO%です、98%の方がそういうふうにおっしゃっております。また、「国策であるのでやむを得ないのではないか」という考えもあります。これは「国にも協力していきたい」というふうな、自分たちは騒音区域でありながら、そういう気持ちを持っているということも運輸省・公団の方でも認識していただきたい。また、「本来、騒音対策というものは地域住民の意向を基本に考えるべである」という質問に対して、「当然である」というふうに95%の方が答えております。また、意見としましては、「現在のところコースずれが非常に多い。今後空港公団は地域住民と話し合い、ひざを交じえ、地域に万全な対策を講じていただきたい」というふうに言っております。また、先般、落下物が落ちました。それについても命に直結している、生命財産、これも屋根に落ちまして、屋根に穴があきました。そういうことで非常に危惧しておるところでございます。騒音体験の中で、2500mの現計画の中で、75W、これはWECPNL、うるささ指数となっております。その形で、Wで聞こえたわけではございません。80は80dB,85dBは85dBで聞こえました。が、しかし、Wにしますと、その辺で非常に大きな誤差があるというふうになっております。そしてまた、平行滑走路は247回、暫定滑走路は176回と70回減ります。ですから、うるさくないですよという数の世界ですから、その辺のところを我々はデシベルで感じたと、80は80dBであるというふうに皆さん感じております。また、地域住民が納得のいく対応を運輸省・空港公団がしてこそ共生ということが住民に認識され、理解されることを真撃に受けとめるべきであると思います。この民主主義の現代社会に苦渋と忍耐だけを強いる国際空港をつくってはならないと考えます。また、昨年12月、地域と共生する空港づくり、その中で後追いにならないように、皆さんのところに迷惑をかけます、万全を期してまいりますというふうに言っております。「万全を期す」とは地域住民と話し合い、解決していってこそ、それが万全な対策ではないか。空港公団、運輸省そのものが提示された説明会では決して解決できないというふうに感じております。我々地域住民は話し合いをしたいと思っております。また、成田空港はいつまでもあるわけです。その騒音下に我々もずっと住むわけです、今までも住んできたわけです。そして、現在の社会に憂いをを残すような状況にしてはまずい。我々地域住民は、運輸省・空港公団に、我々の地域を騒音地区、騒音を被る住民の生活を、現在の生活に順じたような形の対策、対応をしてもらいたい。我々地域の住民が現在住んでいる状況、それ以上のことは望んでいません。現在の生活を維持したい考えております。例えば道路、上下水道、福祉、施設等、我々の地域を障害地域、ハンディキャップエリアにした原因者は空港公団・運輸省です。空港があるからこそ、騒音をもらっているわけです、もらうことになります。ですから、そのことに対して何をやるべきか。答えは一つです。積極的に地域に入り地域住民が望んでいる地域づくり、これを主体的にやるべきです。
○司会;堀川さん、すみません、お時間が超過しておりますので、短時間に終わってくださるよいたします。
○堀川公述人;ええ、あと1分かからないで終わります。これからは運輸省・空港公団、そして地域と三位一体になり地域づくりをしていくということを認識されまして、我々も一緒に努力する所存でございますので、これからずっとつき合っていくわけですから、ひとつ地域住民の声を御理解の上対応していただきたいと思います。以上、終わります。