成田空港圏自治体連絡協議会の県知事宛「成田空港の更なる機能強化に関する要望書」


成田空港の更なる機能強化に関する要望書

平成29年5月8日
成田空港圏自治体連絡協議会

 成田空港は、この地にあって約40年にわたり、我が国の空を支えてきた。羽田空港の国際化によりその位置づけは大きく変わったが、世界の航空需要が益々増加し、国際空港間の競争が激化する中、観光立国を目指す我が国の未来の空を支えるためには、成田空港の更なる機能強化は必要不可欠であると認識する。
 空港周辺地域にとって、成田空港は、道路や鉄道等の公共インフラと関連産業をもたらし、地域経済の核として機能する一方、航空機騒音、住宅移転に伴う集落分断、航空機からの落下物等により、騒音地域住民の生活環境に多大な影響を与えている。
 今回の機能強化は、空港を新たに建設するに匹敵する規模であり、我々成田空港圏自治体がこれからも成田空港とともに共生共栄する
道を歩むためには、空港の負の影響を最小限にとどめるために最善の努力を尽くさなければならない。
 昨年9月27日の四者協議会において、成田国際空港株式会社から、成田空港の更なる機能強化案及び環境対策'地域共生策の基本的な考え方等が提案された。これを受け、空港周辺市町では、国、千葉県、空港会社とともに、騒音地域を中心に、これまでに100回以上の住民説明会を開催し、丁寧な説明に努めつつ、延べ約5000人の住民の方々と意見交換を積み重ねてきた。
 住民の多くは、空港周辺地域、千葉県さらには我が国にとっての成田空港の更なる機能強化の必要性について理解したうえで、特に、「夜間飛行制限の緩和」、「集落分断の解消」、「航空機からの落下物対策」、「空港周辺地域の均衡ある発展」について切実な危機感を有しており、これらの課題を四者で解決しなけれぱ、今回の機能強化について騒音地域住民の理解と協力を得ることは困難であると考える。
 四者協議会の事務局である千葉県におかれては、住民の声に寄り添った最善なる機能強化策及び環境対策・地域共生策の検討の深化に向け、下記項目の推進について、成田空港圏自治体と共に早急かつ強力に国及び空港会社に働きかけるとともに、森田知事をはじめ千葉県の強いリーダーシップにより、成田空港の更なる機能強化に伴う諸課題の解決に向けて、格別のご尽力をお願い申し上げる。

一 夜間飛行制限の、緩和について、その意義は理解するが、騒音地域住民の理解が得られるものとなるよう、提案の内容を一部見直すとともに、これに伴う騒音対策を一層強化すること

一 騒特法、騒防法、隣接区域等の区域設定について、地域社会の紳や集落の分断を生ぜしめないよう、関係市町の意見を最大限尊重し、従来の運用にとらわれない柔軟な対応を行うこと

一 航空機からの落下物対策について、関係機関が緊密に連携し、発生防止対策のより一層の徹底を図るとともに、特に飛行コース直下の落下物多発地域に関し、関係市町と共に抜本的な対策を検討すること

一 空港周辺地域の均衡ある発展に向けて、関係市町と共にインフラ整備及び地域振興策の検討を速やかに進め、この地域にその将来像を提示するとともに、周辺対策交付金の充実等所要の財源確保を図ること

平成29年5月8日

  千葉県知事 森田健作 様

成田空港圏自治体連絡協議会
会長 成田市長 小泉一成

成田空港圏自治体連絡協議会

会 長 成田市長 小泉 一成

副会長 芝山町長 相川 勝重

監 事 多古町長 菅澤 英毅

委 員 冨里市長 相川 堅治

〃  香取市長 宇井 成一

〃  山武市長 椎名 千収

〃  栄 町長 岡田 正市

〃  神崎町長 石橋 輝一

〃  横芝光町長 佐藤 晴彦


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