「国家戦略特区」に関する規制改革に対する申入書



 「国家戦略特区」について、現在、貴ワーキンググループで検討を進められている旨の報道よると、具体的な規制改革事項(9項目)の1つとして、「羽田空港国際化のための羽田・成田離着陸割り当ての柔軟化」として、羽田空港の国際線の増便が検討されているとのことであるが、本件の内容や議論の進め方について、成田国際空港の周辺市町においては、強い懸念が広がっている。

 成田空港は、発着回数30万回やカーフューの弾力的運用など、日本の空の表玄関にふさわしい空港づくりに関係機関が一体となって取り組むとともに、成田国際空港株式会杜においても、アジア有数のハブ空港としての地位の確立を目指し、空港機能の強化に努めている成田空港の果たす役剖の重要性を、ワーキンググループの委員の方々には十分認識していただきたい。

 日本を代表する国際拠点空港としての成田空港を抱える地元自治体としては、成田空港の建設に当たって多大な犠牲を伴った経緯があり、また、空港圏自治体では内陸空港として騒音負荷を長年にわたって引き受けてまいりましたが、一方で、我が国の国際競争力強化のためには首都圏空港として成田・羽田の機能強化が不可欠であることについては理解するところであり、羽田空港の再国際化や成田空港の容量拡大にも出来る限りの協力をしてきた。

 しかしながら、今般、国家戦略特区ワーキンググルーブにおいて、今までの経緯を顧みず、また、地元への大きな影響に配慮せず、唐突に羽田空港の国際線増便だけを取り上げて検討されているということであるならぱ、極めて遺憾であると言わざるを得ない。

 また、今般の特区が、国・地方・民間が目的を共有し、三者一体となって取り組むことを基本的な考え方としているにもかかわらず、羽田空港の国際線増便という地元自治体にも大いに関わりのあることについて、地元自治体の意向を踏まえずに、一方的に方針を打ち出す進め方は誠に遺憾であり、到底容認できるものではなく、強く申し入れるものである。

 空港圏自治体としては、今後も、成田空港が、国際ハブ機能を発揮するとともに地方活性化も促進するため、国際線・国内線双方のネットワークの更なる強化や内・際乗継機能の改善、LCCやピジネスジェットヘの対応など、多様な航空二一ズに応えられる機能の強化を進め、国際空港間競争の激化する中、東アジアの国際拠点空港として、さらなる発展を期待するものである。

平成25年6月10日

国家戦略特区ワーキンググループ
      八田達夫 座長様

成田空港圏自治体連絡協議会
会長 成田市長 小泉一成

(以下 8市町の首長が名前を連ねている)


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