平成15年2月5日 新東京国際空港公団
1、.調査日時 現地調査は平成14年9月2日(月)〜5日(木)の4日にわたり実施した。測定時間帯は9時〜17時を原則としたが、pt.1,pt.2については、地元の皆様の要望により夜間(20時一23時)に測定を実施した。
2、.調査場所 調査場所は空港周辺10地点( 別添1)で、家屋内外に各1点測定点を設けた。
3、.調査結果 (1)建具の観察状況 各調査場所における建具めがたつきの有無を 添2に示した。 (2)低周波音レベル 各調査場所における低周波音の測定結果は
添3のとおりである。 (3)調査結果の検討 各調査地点で測定された低周波音の周波数特性結果について、環境庁発表の研究データ等と比較し、心理的・生理的・物的影響について検討した。
A、心理的影響
(イ)超低周波音の感覚及び睡眠への影響 超低周波音の評価特性による音圧レベルは、いずれの観測点の平均値も90dB以下となっており、超低周波音の閾値とされる,100dBを下回ることから超低周波音の存在を感知すること並びに、睡眠影響(睡眠深度の浅度化や覚醒反応)が表れる可能性は極めて低い。
(ロ) 低周波音の圧迫感・振動感 低周波音の圧迫感・振動感は、観測点のうち屋外の数例について圧拍感・振動感の実験値を上回るものもあるが、観測された音圧レベルは一般の市街地や乗物の車内でも観測されているのと同程度あるいはそれ以下である。屋外、屋内ともに多くの観測点では、圧迫感・振動感の実験値を下回る結果を得ている。特に屋内では、実験値から10dB以上低下する傾向であり、屋内に存在する
周波音により、居住者が圧迫感・振動感を感じることはないと考えられる。
B、超低周波音に対する生理的影響
超低周波音に対する生理的影響は、Johnsonの提案基準に照らして、いずれの観測点においても超低周波音の音圧レベルが基準を下回り、生理的影響がないものと判断できる。
C、 周波音による物的影響
Pt.3,4,6,7,9,10では、いずれかの低周波数で「建物のがたつき閾値」を上回る場合が見られたが、このうちがたつきが観測されたのは、pt.7の家屋だけで、他の調査点では「建物のがたつき閾値」を上回ったものの、がたつきは観測されなかった。これは、取り付けられている建具が揺れにくい建具であったか、建具の共振周波数と観測された
低周波音の主要成分が一致しなかったため、がたつきが発生しなかったと考えられる。
以上、総合的に検討した結果、低周波音による人体影響(心理的・生理的影響)が出現する可能性は、極めて低いと考えられる。
4、今後の対応
今回の調査においても室内の建具でがたつきが観測されている。室内の建具については、建具の上権・下権や召合せなどにゴムパッキングを取付けることにより、がたつきを防止できる。
また、今回、航空機の通過によらず風により室内ガラス戸で「びびり音」が観測されたpt.2では、ガラスをパテなどで桟に固定することにより防止できると、思われるので、成田空港周辺地域共生財団等と対応策について、調整していきたいと考える。
測定年月日 | 測定点 |
観測された回数 |
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H14.9.2 | pt.1 |
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嵐あり |
H14.9.2 | pt.2 |
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風によるがたつきあり. |
H14.9.3 | pt.3 |
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風あり |
H14.9.3 | pt.4 |
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風あり |
H14.9.4 | pt.5 |
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風あり |
H14.9.4 | pt.6 |
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風あり |
H14.9.4 | pt.7 |
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内訳;わずかに50、あり5風あり |
H14.9.5 | pt.8 |
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風あり、東側道路を通る大型車の影響あり |
H14.9.5 | pt.9 |
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風あり |
H14.9.5 | pt.10 |
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風あり |