成田市の運用時間緩和説明会の住民発言概要
成田市で実施された「成田空港運用時間制限緩和案」説明会での住民発言概要が手に入りましたので、載せます。この資料は3月定例市議会で配布されたものです。
意見を読んでみますと、ほとんど全部が切実な「容認できない」との意見です。この意見から、どうして今回の「条件付容認」が出てくるのでしょうか?
意見を出しても、無視されて、「容認」とされてしまいます。下総地区が「説明会拒否」を打ち出しているのも頷けます。
国と成田国際空港株式会社は今回の提案をただちに白紙撤回すべきです。
地域住民の主な発言 ・意見等(要旨)
【2月7日(木)還山地区/還山公民館(参加者23名)】
●カーフユーの弾力的運用は、7時間の睡眠時間から5時間の睡眠時間になってしまうため、騒音下住民の健康間題を考えるならば、内陸空港では無理な提案ではないか。
●23時台、5時台も安心して睡眠できるような防音構造化してから、今回の弾力的運用を握案していただきたい。
●ペナルティ料を6市町で均等に配分し、騒音対策又は地域振興対策に充てると説明しているが、被害を被っている地域差があるので、割合に差を設けるべきではないか。
●もっと飛ぷかと思ったら緊急だけのようだ。飛ばないとわからないが、静かな飛行機にして欲しい。
●1時間延ばすのではなく、最初は30分にしてみてはどうか。
●まずは30万回時の要望、騒音対策等を確実に実施してからのことではないか。
●カーフユーの弾力的運用により、騒音コンターの見直しはあるのか。
【2月8日(金)中郷地区/中郷公民館(参加者21名)】
●カーフユーの弾力的運用の提案等は、「寝る時間がなくなる」、「まずLCCが精一杯の努力をすぺき」、「深夜早朝にこれ以上うるさくなるのは我慢できない」等の意見があり、結論としては反対である。
●LCCについて、機材の酷使利用により将来大きな事故の原因にならないか心配である。
●騒音時間が長くなれぱ将来子供たちが住まなくなる可能性が大きくなり、離着陸が増えるなら移転区域にしていただきたい。
●騒音により住環境がますます悪化し、健康被害が懸念される。
●成田市は空港で恩恵をうける地域と騒音のマイナスの影響を受ける地域の格差がますます広がっているのが現状である。
●今回のカーフューの弾力的運用の件を認めると色々な理由をつけて恒常化するので反対である。弾力的運用を認めれぱ22時台の10機の約束は守れなくなるのではないか。
●今までも騒音下住民にカーフユーの惰報提供がない。回覧板でもいいので住民に報告していただきたい。割増分を地域に遣元するとのことだが、騒音下の人にどのように還元するのか。
●今までもカーフュー内での運用はやむを得ない理由で認めてきているので、今回のカーフューの弾力的運用は、なし崩し的な運用の拡大に繋がるのではないかという不安がある。従来の規程で解決できるのではないか。
●今のLCCの問題はそう簡単に改善できるものではなく、そういう努力は歳月が必要で、限界だというところまでやって初めて時間外の運用を認めてやってくれないかという話になる。
●LCCの問題が出る前に経済団体が夜間の発着制限を緩めるよう要望してきているが、この人たちは実際に騒音を体験していない。要望があった時に、経済団体やLCCに対して、騒音地区の人たちが苦しみながらも空港の運用に好意的に協力しているのだということを説得したのか。
●やむを得ないという判断は、最終的に誰がするのか。
●本日は、今回の提案について、あくまでも説明を聞いただけである。
【2月9日(土)豊住地区/豊住公民館(参加者45名)】
●子供は騒音の影響で勉強に集中できない、高齢の両親在介護している者は疲労やストレスが蓄積するなど、一番問題視しているのは、一時の騒音ではなく睡眠時間が削られることである。
●現在のカーフユーの運用については、緊急的、人道的措置としてやむを得ないと理解しているが、緊急時は24時間化している羽田が受け入れればよい。
●増える便数は月に20回-30回、平均すると1日当たり1回か2回だが、その程度なのか。もつと大きな数を想定しているのかと思った。この1回か2回のために説明会を開催しているのか。
●カーフユーの弾力的運用はLCCのためにと認識しているが、ペナルティを払ってまで運用を希望するのか。
●オープンスカイのための弾力的運用と感じられ、今回のカーフユーは、例外的なものではないと思える。
●今回の弾力的運用の提案で、ペナルティは6市町で均等に配分し、地域振興対策に充てるとしているが、豊住地区の地域振興策についてはどのように考えているのか。
【2月11日(月〉久住地区/久住公民館(参加者60名)】
●成田空港の運用時聞は、多くの議論がなされた上で合意形成されたものであり、今回の提案は容認できない。
●地元への十分な説明と丁寧な協議を経ることなしに、離着陸制限時間の見直しをなし崩し的に進めることがないよう申し入れる。
●なぜこんなに結論を急ぐのか。3月末からオープンスカイが始まるとのことだが、私達には関係のないことである。
●なし崩し的にはならないという説明だが、LCCや経済関係からの要望がなされてからすぐに今回の提案が出てきた。この提案の裏側に何かあるのではないかということを危惧している。
●騒音下の住民は寝る時間がなくなってしまう。騒音下に住む人間の事をどのように考えているのか。
●今回の弾力化運用によって80dBに近い音、あるいは超える音で更に飛ばれると思うと恐怖である。今回の提案は絶対に認められない。
●弾力的運用を行うということは、これまでの国と地元が交わした合意を基本的に破ることになる。これを破ること自体が反対である。
●空港の恩恵を受ける地域と騒音の被害を受ける地域との格差がますます広がっていくのではないか。
●ペナルティを払えば良いという問題ではない。
●直下における落下物の問題を全く考えずに今回の提案を進めることに、非常に怒りを持っている。まずはこういう問題を解決してからのことではないか。
●深夜における運用は30万回の比ではない。これは健康的な問題に繋がる。
●久住地区は直下なので、一番騒音問題が発生する可能性がある。今回の提案は今の住環境において検証は済んでいるのか。深夜に飛ぶことは現行の騒音対策の制度と比較して問題ないのか等、私達が安心して生活できる環境をまず考えていただきたい。
●飛行機が飛んで来るというのは目覚まし時計をかけられるということである。月に2-3回程度だったら我慢できるが、月20回となれば毎日、目覚まし時計をかけられるということである。
●今日の説明を聞いて、納得している人はいない。この問題は相当な時間を掛けないと無理である。3月までになんとかしようというのは撤回していただいて、山ほど間題があるので、2年でも3年でも掛けて意見交換をすべきである。
●個別に地区説明会を開催して欲しい。
【2月11日(月)大栄地区/新田共同利用施設(参加者33名)】
●弾力的運用についてなぜそんなに急ぐのか。今回の説明会は急な設定で出席できない人もいるため、2回目の説明会を開催して欲しい。
●下総地区が説明会を受けていないが、最後まで説明会を受けなかったらどうなるのか。また、説明会を受けたら同意を受けたと見倣されるのか。
●地区を分断しないで欲しい。騒音区域と区域外とでは、立場が遣い、当提案についての反応も全く違う。
●LCCが運航するから、弾力的運用を認めるのか。それならば、LCCに対して、保有する航空機を増やすよう伝えて欲しい。
●緊急事態ならわかるが、航空会社およぴ他空港が原因による弾力的運用は認められない。
●成田が羽田に負けたって構わない。ただ、成田市ではそうでない意見が多数派で、騒音区域が少数派である。懸念しているのは、一部の例外を認めたら、全てがなし崩しで認められることである。
●弾力的運用よりも、24時間空港化した方がよい。ただし、前提条件として、騒音下住民の移転が必要である。
●熟睡するまで1時間位かかる。弾力的運用の開始となれば、睡眠時間が5時間どころか4時間である。
●住民の健康が一番大事である。空港関連会社で働いている人も多く、空港の発展は必要であろうが、その裏では騒音の犠牲が生じている。泣いている人に対して意見を聞き、対応することが必要であるのに、お願いしますというだけの提案には応えられない。
●安眠が確保されるのであれば、24時間運用でも構わない。
●成田市は、騒音で苦しんでいる人と産業で発展したい人で二分されていて、大多数が産業で発展したい側である。騒音で苦しんでいる少数派の声は届かない。