運用時間制限緩和案に対する金澤会員の質問と回答


1.山武市へ

【質問】航空機騒音等の対策の充実へ、山武市としてどのような取組を準備・検討されていらっしゃいますか?

【主旨】
(1)山武市の後期基本計画(案)の中で、政策2[暮らしやすい環境の整備]において、「航空機を騒音不快に感じる市民の割合」の指標については、前期基本計画の目標を達成している、との記述があります。
(2)しかし、不快に感じる市民の割合は、平成23年度88.9%とあるように、多数の市民にとって、航空機騒音の不快さは現実的に継続している問題ともいえます。
(3)貴市の後期基本計画の課題と方向性の中では、「成田国際空港株式会社への要請により、更なる航空機騒音等の対策の充実」が課題とされていますが、どのような準備・検討されていらっしゃるのでしょうか。

【回答】
 ご質問いただきありがとうます。
 最初に山武市における騒音エリアから説明させていただきます。
 成田国際空港は、4,000mのA滑走路と2,500mのB滑走路の2本の滑走路が設置されており、山武市は、A滑走路から離着陸する航空機による影響を受けております。
 市内の騒音エリアは航空機騒音の程度により3つに区分されます。
 一つは、『公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等 に関する法律』、いわゆる騒防法により指定された騒音レベルが75W以上の「第1種区域」です。旧松尾町の北部に位置する山室、谷津、蕪木、松尾、猿尾及び八田の6地区の中の約420世帯のエリアです。
 二つ目が、法律では補えないよりきめ細やかな騒音対策を実施するため成田空港周辺地域共生財団が指定した「隣接区域」です。「第1種区域」を包むように旧松尾町の山室、古和、五反田、木刀など11地区の中の、約770世帯が対象になっているエリアです。
 三つ目に「70W騒音区域」があります。この区域は、旧松尾町の「第1種区域」及び「隣接区域」を除いたエリアと旧蓮沼村全区域及びと旧成東町の木戸岡、木戸浜、原横地の3地区の一部を加えたエリアです。このエリア内には約3,800世帯の方々が生活をされております。
 各エリアごとの航空機騒音等の対策について説明させていただきます。
 最も航空機騒音による影響が大きい「第1種区域」においては、いわゆるエアコン等の更新にあたります家屋空調機器更新補助事業を始め、防音家屋の建て替え時における支援である住宅改築併行防音工事補助事業、エアコン等の電気代補助にあたる防音家屋冷暖房設備維持管理補助事業や家屋の固定資産税補助である航空機騒音地域支援事業などを実施しており、後期基本計画では対策の充実として、防音サッシと空調機器による防音工事済みの住宅を対象に、更に「壁」と「天井」を防音化する事業や地域住民の皆さんが活用する共同利用施設の屋根にソーラーパネルを設置し、施設における電気代の軽減や余剰電力の売電により将来の修繕等に備える共同利用施設ソーラー発電化システム事業などを計画しております。
 つづいて「隣接区域」においては、「第1種区域」とは補助額は異なりますが平成23年度からエアコン等の電気代補助にあたる防音家屋冷暖房設備維持管理補助事業や昨年12月3日からは、山武市を含む周辺自治体からの強い要請により、空調機の更新や防音家屋の建て替え時における支援が成田空港周辺地域共生財団事業として実施されるようになりました。
 後期基本計画においては、計画の達成度を測定する航空機騒音等の対策についての満足度アンケートの対象を「隣接区域」にお住まいの皆さまで拡大し、その際には新たなニーズ等をいただき対策に反映していく所存です。
  次に「70W騒音区域」への対策として、地域住民の皆さまが活用する共同利用施設やコミュニティ施設の整備改修事業を展開しております。本年度は、木戸岡共同利用施設、川面区民館、南八区及び南浜区の区民館等9施設に工事を施しました。例年3月下旬から各地区の区長さんに施設の状況等を伺い新たなニーズ等により安全で活用しやすい施設であるよう対応を今後も図ってまいります。
 最後に山武市後期基本計画(案)における施策2ー1「生活環境の充実」の達成度を測る成果指標について説明させていただきます。
 ご指摘のとおり、不快に感じる市民の割合は、前期基本計画の基準年度である平成19年度の96.1%から平成23年度88.9%に下がったとは言え、多数の市民にとって、航空機騒音の不快さは現実的に継続している問題ととらえています。
 近年、航空機の離陸上昇機能の向上や航空機の小型化により騒音データ上の数値は下がっておりますが、空港対策の担当部署としてその重要性をしっかり認識しているところです。
 航空機騒音を不快に感じる市民の割合を下げるために、横芝光町とで構成する成田国際空港騒音対策委員会山武・横芝光地区部会で着陸機の進入角度の引き上げることを国土交通省及び成田国際空港(株)に要望する検討をしております。具体的には、現行3度での着陸機進入角度を許容基準最大の3.5%まで引き上げることにより若干であっても航空機騒音が縮小されるよう要望してまいります。
 また、日々の航空機騒音については、市内8か所に設置された騒音測定局で監視を続け、その変化を注視してまいります。
 そして、今後における航空機騒音等の対策の充実については、平成26年度の離着陸容量30万の実現に向けて成田国際空港会社が様々な取り組みを進める中、カーフューの弾力的な運用(案)などによる環境の変化を見逃すことのないよう動向を注視し、騒音直下で粛々と生活する住民の皆さまがしあわせを実感されるよう対策を講じ、成田国際空港会社に財政支援を要請してまいります。

2.会社、国交省へ

【質問】
1.運用時間制限緩和による、コース直下住民の心身に対する影響、特に睡眠との関係での影響をどのように考えていらっしゃいますか? 
 現状で把握されている影響評価、及び今後の健康調査の予定、心身影響への回避策について、どのような予定を考えていらっしゃいますか?


(NAA 行方執行役員)
・過去2回ほど健康調査を行っているが、今回、弾力的運用が行われた後、住民の皆様からのご希望があれば、希望者の方に健康調査を実施することを考えている。具体的にどういうやり方が良いのか、市町の皆様と相談していきたいと考えている。

3、国土交通省へ

【質問】
(1)空港としての競争力向上を図るため「やむを得ない」場合に限った運用時間制限緩和が今回の内容ですが、この「緩和」とは、あくまで空港経営上の立場からの制限緩和であり、地域住民、とりわけ騒音直下の地域の立場では、運用時間制限が延長される「強化」です。
(2)あくまで住民には「強化」されることを、運営会社や行政機関は、基本認識にたつ必要があると思います。
(3)社会的弱者の、幼児・児童、高齢者、不眠など精神障害者を含めて、運用時間制限緩和によって安眠時間は「たったの5時間」となることは、地域共生とは逆行と言っては言い過ぎでしょうか?


(国交省 佐々木専門官)
・3月31日からのオープンスカイにより、成田空港も航空会社に「選ばれる空港」になる必要がある。それに伴い競争力を高めるために、より柔軟な対応ができる>ようになる必要があると考える。


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