平成14年6月24日
萩原弘幸殿
新東京空港事務所 地域調整課長
芝山町菱田で発生した田圃表面の浮遊物について調査を行った結果、別添のとおり「採取した検体は鉱油由来の物質ではないことから、ジェット燃料或いは潤滑油ではない」ことが判明しました。
なお、航空機からの落下物を根絶することは空港と地域との共生の観点からも極めて重要な課題ですので、新東京空港事務所としては、今後とも成田空港に乗り入れている航空会社に対して、あらゆる機会を通じて航空機からの落下物の防止について注意を喚起していくこととします。
平成14年5月9日に干葉県芝山町菱田で調査した田圃の浮遊物について、採取した物質の化学分析を行った結果は下記のとおりです。
1,物質
@河内 浩氏;田圃表面に淳いた、外見上油状の物質 (検体@・検体A)
A萩原弘幸氏;稲の茎が水面と接する部分に付着した黒い物質(検体B)
2,分析依頼先
出光興産株式会社中央研究所出光テクノリサーチセンター
3,測定方法
氈@検体
検体@
ア)田圃の浮遊物をペットボトルに掬い取ったもの
イ)当該物質をマスク(使い捨てにできるもの)に付着させたもの
検体A
マスク(使い捨てにできるもの)に付着させたもの
検体B
稲の茎が水面と接する部分に付着した黒い物質
II 測定
1)採取した試料をそれぞれフラスコに入れ、試料の3倍量のジクロロメタンを加えました。
2)フラスコを約30分間振とうし、抽出しました。
3)抽出した後、1時間静置しました。
4)ろ紙でろ過後、濃縮しました。
5)濃縮した試料を蒸留ガスクロマトグラフ法(高温法)にて測定しました。
4,測定結果
1)鉱油由来の、灯油・A重油には一連の連続した組成成分と連続した炭素数分布を伴うノルマルパラフィンのピークが認められます。
2)検体@・検体Aには、一連の連続した組成成分は認められるものの、連続した炭素数分布を伴うノルマルパラフィンのビークが認められませんので、鉱油由来の成分とは考えられません。
3)検体Bには、一連の連続した組成成分と連続したノルマルパラフィンのピークが認められませんので、鉱油由来の成分とは考えられません。
5,まとめ
採取した検体は鉱油由来の物質ではないことから、ジェット燃料或いは潤滑油ではないことが判明しました。