11月27日の四者協議会における、成田空港騒音対策地域連絡協議会会長 成尾政美氏の意見
ご紹介を頂きました、成田空港騒音対策地域連絡協議会会長の成尾政美です。宜しくお願い致します。
本日は、この四者協議会の席に出席させて頂き、意見を述べる機会をお与え頂きましたこと大変ありがたくお礼を申し上げます。
「騒対協」を代表して、強い使命感と責任を持って意見を述べさせて頂きますので重く受け止めて頂きたい。
まず、私ども成田空港騒音対策地域連絡協議会について、ご承知とは思うが、あらためて紹介すると、本協議会は、空港周辺の航空機等公害対策の円滑な促進を図ることを目的に、昭和53年に設立された民間組織であり ・成田市内の騒音地区、6地区の部会から構成され、これまでも騒音下の住民の意見を集約し、関係機関に申し上げている。
本日は、騒音下佳民団体の意見をという求めなので、まずは議論の前提を申し上げる。
成田空港の機能強化、とりわけ第3滑走路の建設について、新聞やテレビなどで、すでにさまざまな報道が行われている。一方、騒音地域の住民には、まったく説明はなく、将来に対する漠然とした不安の念が高まっている。
ご承知のとおり、成田空港は内陸空港であり、空港が運用される限り、飛行下の住民は、永遠に航空機の騒音に悩まされ、落下物に怯え続ける運命にある。こうした中、地域の住民は、これまで、さまざまな環境悪化等を甘受し、空港の発展に脇力してきた。
私達騒対協は、成田空港の機能強化そのものに反対しているわけではない。しかし、皆さんが議論を行う際には、成田市内だけでも騒音下に約6,700世帯、1万8千人の住民が生活していることを忘れないで欲しい。
そこで、私からは、具体的に以下の3点について述べたい。
1点目として、今まで国、空港会社が地域に約束してぎた事、あるいは地域からの要望事項のうち、先送りされ、実現されていない事項について、例えば、落下物からの危険回避のための抜本的な移転対策、区域指定に係る集落分断の解消、防音工事の施工内容の改善、周辺対策交付金制度の充実など実現に向けたしっかりとした議論をして欲しい。今後の機能強化についてはこれまでの約束事項等の履行の協議が前提である。
2点目として、騒音下の環境対策、騒音地域の振興策をしっかりと示してほしい。
空港の機能強化に関する議論が行われていく中で、機能強化に伴い、空港周辺地域にどのような影響が生じるのか、それに対してどのような対策を行うのかを示していただきたい。
とりわけ、カーフュー時間の緩和については、わずか2年半前に、4者でなし崩しにならないよう厳守する、と取り決めたぱかりではないか。そのような約束がありながら、早くも前言を翻し、4者協議会で議論すること自体、不謹慎極まりないと考えている。私どもは、先日、空港会社に出向き、この旨杜長にも直接伝えたところであり、改めてこの場で申しあげたい。
また、騒音下は、騒音が増え、住みにくくなる一方で、寂れていくばかりである。先日の4者協議会の結果についての報道では、「別の場」で地域振興について議論することになっている。今後、騒音地域が、子供達も住みたいと思える活力ある地域となるよう、国、空港会社をはじめ、県、市町も含めて地域振興策、地域の将来像を示していただきたい。
また、いわゆる騒防法、騒特法により、成田空港周辺においても騒音の値に応じた騒音対策 ・移転対策が行われている。騒防法は全国の空港で適用されるため成田だけの特例扱いや、法の改正が困難であるならば、地域の実情をしっかりと把握し、地域の分断の解消など血の通った対応を行うよう要望したい。
3点目として、成田空港の機能強化に関する議論は、これまで結論ありきで進められ、地域住民に多大の不信感を与えてきた。今回も、先ほど申し上げたカーフュー時聞の緩和が、あたかも決まったかのような新聞報道も同様で、なんの説明もなく発言されたこと自体、空港と地域の信頼関係を著しく損なうものである。くれぐれも関係者の皆さんには、地域としっかり向き合って議論を進めていただきたい。
以上、縷々申し上げたが、これまでの経緯も踏まえ、私どもの意見にも真撃に耳を傾けていただき、空港の機能強化が騒音地域の発展にもつながるように又、騒音下住民が安全で安心して生活出来るような生活環境作り等しっかりとした道筋を示した上で、丁寧に検討するようお願いしたい。