2024年1月前半の出来事


*1月15日

@今日未明、「カーフュー弾力的運用」が2件発生
 上段の「昨夜午後11時00分以降の離着陸」にあるとおり、今日未明、「カーフュー弾力的運用」で2機が午前0時過ぎに着陸しました。
 1機目は新千歳発成田行きの「Spring Japan」840便が、新千歳空港の大雪のため、出発が遅れ、午前0時03分にA滑走路に北側から着陸したものです。
 2機目は新千歳発成田行きの、ジェットスター・ジャパン120便が、
新千歳空港の大雪のため、出発が遅れ、午前0時07分にA滑走路に北側から着陸したものです。

@世界で常識の装置が海保機にはなかった
 今日の「乗りものニュース(YAHOO!ニュース)」に航空アナリストの中島二郎氏による解説が載っています。
 これによりますと、衝突炎上事故の海上保安庁機には、空中衝突防止警報装置(TCAS)がありましたが、もう一つの「ADS-B」と言われる装置がなかったようです
 この装置は、周囲にいる他の航空機に自機の位置を発信する装置です。ヨーロッパでは2020年より重量が5.7トン以上の航空機に、「ADS-B」の搭載が義務づけられ、また、「TCAS」を搭載していない航空機は、混雑空域で飛ぶことが出来ません。
 米国でも、2020年に米国の管制空域に入るには、「ADS-B」の搭載が義務づけられています。
 しかし、日本では「TCAS」やこれに反応する「モードS」の導入は進んでいますが、「ADS-B」は義務化されていない、との事です。
 海外のメディアが伝えているところでは、海保機では「モードS」こそ搭載していたものの、「ADS-B」は未搭載であったとのことです。
 筆者は「海保機にADS-Bが搭載されていれば、JAL機はコックピットから視認できなくても、(海保機の存在に)気が付いた可能性は高いでしょう」としています。
【コメント】もし、事実とすれば、海上保安庁や国土交通省の怠慢が、事故を生んだとも言える事になりますね。
 「ADS-B」と言われる装置はそれほど金額の張る装置ではないようです。


*1月14日

【私見】羽田空港の発着枠を縮小し、管制官の増員を
 今回の羽田空港で起こった日本航空機と海保機の衝突炎上事故について運輸安全委員会は調査を進めているところです。
 この事故の本質についての検証も進めなければならないと思います。
 羽田空港の機能強化でD滑走路の建設が進められている頃に,羽田空港の管制や旅客機の運航についての安全性に疑問が呈されていました。
 羽田空港D滑走路建設中の、2009年1月22日に開かれた「成田空港年間発着回数30万回化に関する四者協議会」で当時の前田航空局長は「成田に余裕がなければ羽田でまかなうしかない」と述べ、千葉県や周辺市町首長に30万回を飲むように迫りました。(2009年1月25日の出来事参照)
 また、羽田空港D滑走路供用開始日に、当時の馬淵国土交通大臣は、記念式典後に、記者団の囲み取材に答え、航空管制が複雑になる問題について「管制の習熟度を上げることや、パイロットとの連携を強化する必要がある」と述ベていました。(2010年10月17日出来事参照)
 これは、要するに管制官の習熟度を上げて対応するという事になります。言い換えれば、管制官の"神業"的な力に頼る、と言う事になります。
 当時、国土交通省幹部は安全性について、「管制官やパイロットが慣れるまでには2年半かかる」として「慣れれば大丈夫」としていました。
 このような人間の“神業”に依存する姿勢が、今回の重大事故を起こす根本的な原因の一つではないかと思うのです。
 その上、管制官を十分に増員せずにいたことが「滑走路に他機がいることを知らせる管制レーダーは補助的で見なくても良い」との方針を生んだのではないでしょうか。
 羽田空港のような超過密な管制を担当するには、素早く的確な判断やそれにもとづく、パイロットへの指示が必要です。
 そのためには、管制官の増員で十分な休息や、休暇も必要と考えられます。
 管制官の増員には、多分、3年から5年という時間がかかると思います。直ちに取りかかってもそれだけの時間が必要となります。
 また、内外の航空会社や羽田空港を頻繁に利用する人たちは、必ず反対するでしょうが、羽田空港の発着枠の縮小を考えるべきではないでしょうか。
 このためにも、成田空港の活用を考えるべきと思います。
 成田空港周辺の住民にとっては騒音の増大につながりますが。
 このような根本的な原因調査を国土交通省内の一委員会が指摘できるのでしょうか。国土交通省内の一組織では上の意向も忖度しなければなりません。
 この点からも、運輸安全委員会は国土交通省から完全に独立させ、独自の権限を持った組織とすべきではないでしょうか。

@フジドリームエアラインズ機がドア開いているとの警告で花巻空港に臨時着陸
 昨日の信濃毎日新聞によりますと、昨日午前10時頃、松本発新千歳行きのフジドリームエアラインズ211便・E-175型機が、秋田県沖の日本海上空を飛行中に,ドアが開いているとの警告が出ました。
 このため、同機は目的地を花巻空港に変更し、着陸しました。

@日本エアコミューター機が奄美空港で一時立ち往生、油圧系統トラブル
 今日の南日本新聞によりますと、昨日、喜界発奄美行きの日本エアコミューター3830便・ATR42-600型機が,奄美空港到着後に、油圧系統のトラブルを示す警告灯が点灯しました。
 同機は駐機場手前で停止し、その後、牽引車で駐機場に移動しました。このトラブルの影響で、奄美発鹿児島行きの1便が欠航となりました。


*1月13日

@昨日午後、ジェットスター・ジャパンのシステムにトラブル、午後4時前から7時過ぎまで出発機が離陸できず
 昨日午後3時50分頃、ジェットスター・ジャパンの全国の空港で使う,機内預け荷物の重量や、天候の情報を入力するシステムにトラブルが発生しました。
 このため、全国で出発便が離陸できない障害が発生しました。
 これにより成田空港第3ターミナルのジェットスター・ジャパンカウンターでは、払い戻しを受ける乗客や説明を求める乗客で一時、大混乱となりました。
 システムは午後7時すぎに復旧し,運航が再開されましたが、この影響で17便が欠航となりました。
 国際線に影響はありませんでした。

@成田空港の年末年始期間出入国者数はコロナ禍前の78%に回復も、日本人は46%と低調
 昨日の毎日新聞によりますと、東京出入国在留管理局成田空港支局が昨日発表した「年末年始(昨年12月22日から1月3日)の出入国者数」は速報値で101万4670人と2019年同期比22%減となっています。内訳は日本人が同54%減,外国人が8%増となっており、日本人の出入国数の回復が遅れています。

@バティックエアマレーシアが成田=クアラルンプール線を期間減便
 今日の 「sky-budget」によりますと、マレーシアのバティックエアマレーシアは,1日1往復運航していた成田=クアラルンプール線を、1月10日から2月7日までと、3月10日から4月8日の期間、週4往復(成田発着 月・水・金・日曜日)に減便します。

@全日空機が操縦室窓の不具合で、新千歳空港に引き返す
 今日の「HTB北海道ニュース(YAHOO!ニュース)」によりますと、今日午前11時半頃、新千歳発富山行きの全日空1182便・B737-800型機が、青森県上空を飛行中に、操縦室の窓に不具合が発生しました。
 このため、同機は新千歳空港に引き返し、正午過ぎに無事着陸しました。乗客・乗員60人にケガはありませんでした。
 下図は「Flightradar24」による同便の航跡です。

 

@ FAA 長官がボーイング社の製造過程を第三者委員会で検討する方針を表明
 今日の「NHKニュース」によりますと、米国連邦航空局(FAA)のウィテカー長官は現地時間12日、アラスカ航空で起こった非常口ドアが吹き飛んだトラブル以外にも、同社の製造過程で問題の可能性がある、と述べました。
 その上で、「ボーイング社の製造過程や監視上の問題を洗い出すために、独立した第三者機関の活用を検討している」と述べた、との事です。
【コメント】やっとB737MAX型機の問題が解決し、生産も軌道に乗った所ですが、再び、難題が出現しましたね。「身から出た錆」とも言えますが。

@デルタ航空がA350-1000型機20機を発注
 昨日の「Aviation Wire」によりますと、デルタ航空は現地時間12日、エアバスのA350-1000型機20機を発注した、と発表しました。
 受領は2026年から始まります。


*1月12日

@海上保安庁が羽田航空基地の航空機乗務を停止する事に
 昨日の「NHKニュース」によりますと、海上保安庁は日本航空機との衝突炎上事故で、海上保安官5人が死亡したことを受けて、安全の再確認と精神面のケアのため、当面、羽田航空基地に所属する海上保安官の航空機乗務を停止すること明らかにしました。
 乗務を停止する間、周辺にある基地の航空機や無人航空機などを使って管轄エリアをカバーするということです。

スカイマークエアラインの昨年12月搭乗実績は0.1%増
 スカイマークエアラインが昨日発表した「昨年12月の搭乗実績」によりますと、旅客数は前年同月比(以下同じ).01%増の82万6590人、利用率は0.3ポイント増の78.2%となっています。


*1月11日

@「 MRO Japan」と日本貨物航空が業務提携、1ヶ月に1回のペースで成田空港にてA 整備
 今日の琉球新報によりますと、航空機整備を専門とする「 MRO Japan(MJP)」と日本貨物航空は昨日、日本貨物航空機の整備について業務提携契約を結びました。
 今後、月に1回程度、成田空港に整備士を送り、約千時間の飛行ごとに行う「A整備」と呼ばれる作業を請け負う事になります。

@全日空の昨年11月の旅客数は国際線で58.5%増も19年11月比では30.2%減
 全日空が今日発表した「2023年11月ANAグループ旅客輸送実績」によりますと、
 国際線旅客数は前年同月比・【】は2019年11月比(以下同じ)58.5%増【30.2%減】,利用率は78.0%の59万7074人となりました。
 一方、国内線旅客数は7.7%増【8.0%減】の317万646人、利用率は74.8%となっています。
 この内、成田路線の利用率は成田=札幌線が56.5%、成田=大阪線が82.5%,成田=中部線が53.7%となっています。

@日本航空が衝突炎上したA350型機の一部を残す方針を検討
 昨日の共同通信によりますと、日本航空は運輸安全委員会の調査が終わり,事故原因が明らかになった段階で、事故機の機体の一部でも保存したい考えを持っている、との事です。
 大事故の記憶を風化させず、空の安全に対する社内の意識を醸成する狙い,との事です。

@C滑走路を担当していた管制官が「なぜ燃えているのかわからなかった」
 昨日の「TBS NEWS DIG」によりますと、事故が起こったC滑走路を担当した管制官は事情聴取に対し「なぜ燃えているのかわからなかった」と述べていた、との事です。
 また、国土交通省の関係者は取材に対して、「管制官が常に全ての航空機を見るなんて不可能だ」「航空機と管制官の間では『お互いの信頼』でやっている部分がある」とも話していた、との事です。

@事故機のパイロットが「アンコントローラブル=操縦不能だと認識した」と語る
 今日の「NHKニュース」によりますと、日本航空の聞き取りに対して、衝突炎上事故機のパイロットの一人は「通常どおりに着陸した直後に一瞬何かが見え、強い衝撃があった。その後、機体は滑っているという感覚だった」「機長が、ブレーキ、尾翼の方向舵、車輪の向きを変えるハンドルなどを操作したが機能せず、アンコントローラブル=操縦不能だと認識した」と述べました。
 また、「エンジンへの消火剤の散布が完了したことを示すライトも点灯しなかった。操縦室から客室乗務員に緊急脱出を指示する装置も機能しなかった」と述べた、との事です。


*1月10日

@昨年12月の航空機登録で、ANA HD のB787-9型機が成田空港を定置場として新規登録
 国土交通省が発表した「昨年12月の航空機登録状況」によりますと、成田空港を定置場とする新規登録でANA HD のB787-9型機(JA924A)が登録されています。

@航空科学博物館で「ライト兄弟初飛行120周年展」が開催中
 昨日のチバテレ(YAHOO!ニュース)によりますと、成田空港南に隣接する航空科学博物館では、現在、「ライト兄弟初飛行120周年展」を開催しています。
 開催期間は2月25日まで、となっています。

@タイ・ベトジェットエア機が福岡空港で誘導路を走行中にルートを間違え一時立ち往生
 今日の「NHKニュース」によりますと、今日午前8時40分頃、福岡空港に着陸したタイの格安航空会社「タイ・ベトジェットエア」A321型機が、駐機場に向かって誘導路を走行中に、誤ってエンジンの試運転などを行うエリアに入りました。
 このため同機は一時立ち往生し,その後、牽引車で駐機スポットに移動するトラブルがありました。
 乗客・乗員にケガはなく、他機の運航への支障はありませんでした。

@国内航空会社11社の年末年始期間利用実績は国内線では「Spring Japan」を除いてマイナスに
 昨日の「Aviation Wire」によりますと、国内航空会社11社が昨日発表した、「年末年始期間(12月28日から1月3日)」の旅客数は、国際線では旅客数が44.0%増,利用率が1.7ポイント増の36万7641人となりました。
 一方、国内線では旅客数が3.8%減、利用率が3.8ポイント増の220万339人となりました。
 国内線では2日に羽田空港で起きた衝突炎上事故の影響で、欠航が多く出たこともあり、「Spring Japan」を除く各社がマイナスになっています。

@エバー航空がA350-1000型機18機とA321neo型機15機を確定発注
 昨日の「Aviation Wire」によりますと、台湾のエバー航空は現地時間9日、エアバスに対してA350-1000型機18機とA321neo型機15機を確定発注しました。
 A350-1000型機の受領は2026年から2030年を予定しています。
 写真はエバー航空の「 HELLO KITTY 」塗装機です。

 


*1月9日

@今朝、アトラス航空機が乗務員の急病で、「緊急事態(従来取り決め)カーフュー」で着陸
 上段の「昨夜午後11時00分以降の離着陸」にもあるように、今朝、「緊急事態(従来取り決め)カーフュー内運航」が発生しました。
 ミラノ発成田行きのアトラス航空8062便・B777F型機で,運航乗務員に急病が発生したため、午前5時59分に、A滑走路南側から着陸したものです。
 写真は古いものですが、北貨物エリアに駐機するアトラス航空のB747-400型機です。旅客機をそのまま貨物機として、使用していたようです。

 

@ジェットスター・ジャパンが今日から、成田=台北線を増便
 今日の 「sky-budget」によりますと、ジェットスター・ジャパンは今日から,成田=台北線を1日2往復に増便しました。
 昨日までは深夜に成田空港を出発し、早朝に成田空港に戻るスケジュールでしたが、増便分は成田空港を午前8時30分に出発し、午後4時55分に戻る便となります。

@成田空港の国内線累計乗客が明日で1億人を突破へ
 成田国際空港株式会社(NAA)は今日、成田空港国内線累計旅客が,明日で1億人を突破することを明らかにしました。

@国土交通省が「ナンバーワン」呼称などをなくす緊急対策発表
 今日の「NHKニュース」によりますと、羽田空港での衝突炎上事故を受けて、国土交通省は緊急の安全対策をとりまとめました。
 これによりますと、管制官が航空機とのやりとりの中で伝える離陸順番の「ナンバーワン」などの文言を今後は使わずに、離陸の際に直に離陸許可をだす事、となっています。
 これは、今回の事故の際に海保機が「ナンバーワン」の文言を「離陸許可」と間違えた可能性がある事からの変更としています。
 この措置は全国の空港や基地で実施されます。
 また、対策では羽田空港、成田空港、大阪空港、関西空港などでは、滑走路に入る手前の停止線の色を目立つ色に変える、としています。

@全国の主要6空港で、航空機の汚水検査を定期的に行い、ウイルスの侵入を防ぐ検査実施へ
 今日の千葉日報(有料電子版)によりますと、日本医療研究開発機構(AMED)の研究班が、成田空港など国内主要6空港の汚水に含まれるウイルスの調査を検討していることが8日、関係者への取材で分かりました。
 北海道大などが開発した新型コロナ検出法を活用し。航空機やターミナルから出た汚水を、空港施設やマンホールなどから採取し、まとめて週1回から月1回程度の頻度で分析する、とのことす。
 検出対象は新型コロナウイルスに加え、デング熱やエムポックス(サル痘)など約30種類の感染症を検出対象とします。
 この検査は那覇空港ですでに行われています。

@脱落したB737-9 MAX型機の非常ドア点検でボルトの緩みなどを確認
 今日の「CABLE NEWS NETWORK」などによりますと、ユナイテッド航空は現地時間8日、所有しているB737-9型機79機の点検で、アラスカ航空機で脱落した非常ドアを点検したところ、窓などを固定するボルトが緩んでいるなどの事例が複数見つかった事を明らかにしました。
 また、アラスカ航空も点検で「複数機で部品が緩んでいるのが確認された」こと明らかにしました。
 なお、脱落したドアはポートランドの民家の裏庭で発見されました。


*1月8日

@エルアル航空が成田=アブダビ線を3月7日から再開へ
 エルアル・イスラエル航空は成田=テルアビブ線を、3月7日から、週3往復(成田発着 火・木・日曜日)で再開する、との事です。

@羽田空港が今日の午前0時から、C滑走路を再開、千葉県への騒音増大はない
 羽田空港は今日午前0時から,C滑走路の運用を再開しました。
 ただし、滑走路の一部灯火が破損し、修復に1ヶ月ほどかかる、との事です。この間、都心部上空を低い高度で飛行する航空機が多くなる見込み、との事です。
 これについて、国土交通省は「飛行ルート周辺の住民の方にはご迷惑をおかけします。できるだけ早く本来の運用に戻せるよう取り組んで参ります」としています。
 なお、南風時に都心を通る着陸飛行コースについては、利用する航空機が使用する機器が損傷している可能性があり,千葉県上空を通る飛行コースの飛行回数が増える、とされていました。
 しかし、検証の結果、計器に問題がない事が確認され、千葉県上空を低空で飛行する回数が増えることはない、との事です。


*1月7日

@海保機の停止位置を示す「停止線灯」はメンテナンス中で消えていた
 今日の朝日新聞によりますと、羽田空港の誘導路から滑走路に出る前に設置されている「ストップバーライト(停止線灯)」の運用が衝突事故が起こったときにはメンテナンス中で,休止していたことを明らかにしました。
 メンテナンスが始まったのは昨年の4月からだった、との事です。
 この停止線灯は管制官が操作し、誘導路から滑走路に入る際には、誤進入を防ぐために横一線に赤色が点灯します。
 そして、安全に進入出来るようになった場合には,停止線灯を消し、誘導路の中心線にブルーライトが点灯し,安全に進入できることを示します。
 ただ、この停止線灯を点灯するかどうかは管制官の判断に任され、使用しなければならない条件「視程がが600m未満」と決められています。
 国土交通省では事故当時の視程が約5000mあったために、今回はこの条件には「当てはまらない」としています。
 しかし、国際民間航空条約の付属書では、いかなる視程や気象状況でも誤進入が起こる可能性を指摘し「夜間及び550メートルを超える視程であっても、停止線灯を使用することが、効果的な誤進入予防策の一つとなり得る」と記載している、とのことです。
【コメント】この「ストップバーライト(停止線灯)」があれば、海保機パイロットも明確な判断が出来たはずです。
 何で、9ヶ月前に始まったメンテナンスに時間がかかったのでしょうか。24時間空港ですから、飛行機の飛ばない作業時間が少ししかないのか、作業員の人手不足か、予算がないのか分かりません。
 誤進入監視レーダーの問題もそうですが、いずれにしても、羽田空港の監督責任は国にあるのですから、何らかの説明が必要でしょうね。

@日本航空機のボイスレコーダーが回収される
 運輸安全委員会は昨日、日本航空機のボイスレコーダーを回収したことを明らかにしました。

@ FAA がB737-9 MAX型機の緊急点検と飛行停止を指示
 昨日のブルームバーグジャパンによりますと、米国で発生したアラスカ航空・B737-9型機の非常口脱落事故で、同航空は点検が終わるまで、使っている65機の同型機の飛行を停止する措置を講じました。
 なお、米国連邦航空局(FAA)は現地時間6日、同じ仕様のB737-9型機を運航している航空会社に対して、緊急の一斉点検と運航の一時停止を命じました。


*1月6日

@年末年始の成田エクスプレス利用者は23%増、2018年同期比21%増
 今日の千葉日報(有料電子版)によりますと、JR東日本千葉支社が昨日発表した、年末年始期間(12月28日から1月4日)の成田エクスプレスの利用者は前年同期比23%増、2018年同期比21%増になりました。

@国土交通省が今日から羽田空港管制塔の滑走路上の航空機監視システムに担当者を配置
 今日の「NHKニュース」によりますと、国土交通省は今回の事故を受けて、羽田空港の管制業務で機体の位置を確認できるモニターを、常時監視する担当を今日から、新たに設けることにしました。
 管制官は増員せず、現在の人数で対応するということです。
 今までは、モニターを常時監視する決まりはなく、補助的な位置づけでした。事故の際にもシステムは作動していたとみられるということです。
【コメント】このシステムは「昨日の出来事」に載せた山陽新聞の記事にある装置のようです。
 しかし、管制官を増員せずに,新たな業務を設ける事になれば、現在でもぎりぎりの管制業務を強いられている羽田空港管制官を、さらなるストレスに追い込むことになります。これで、良いのでしょうか。

@管制官が海保機に伝えた「ナンバーワン」の意味は
 昨日の「NHKニュース」によりますと、C滑走路を担当していた管制官は、海上保安庁機に「ナンバーワン」と伝えていました。
 これは,着陸機が着陸した後、C滑走路を使う離陸の順番を伝えたもので、離陸のため待機している3機の内、海保機が最初に離陸できる順番を伝えたもので、管制上通常使われている用語、との事です。
 しかし、海保機のパイロットがこれを離陸許可と取り違えた可能性もある、との事です。
【コメント】私に寄せられたメールでも、この文言は普通に使われている管制用語、との指摘がありました。
 しかし、海保機は滑走路に出てから,その場で約40秒間停止していた、との事です。この「40秒間の停止」は何のためだったのでしょうか?
 離陸前の最終確認をやっていたのでしょうか。

@アラスカ航空機の非常ドアが飛行中に脱落、乗客・乗員は全員無事
 今日の「Traicy」によりますと、現地時間5日午後5時頃、ポートランド発オンタリオ行きのアラスカ航空1282便・B737-9型機が離陸後に、機体左側の非常口ドアが外れるトラブルが発生しました。
 同機はポートランド空港に引き返し,無事着陸しました。乗客・乗員177名にケガはありませんでした。
 この機体はB737MAX型機で、つい最近受領したばかりの新造機、との事です。
 米国連邦航空局(FAA)と運輸安全委員会(NTSB)が調査を行います。


*1月5日

@今後は「憶測や想像を排除し、正確な情報のみを」とのことですので、この指摘に沿って載せます
 成田空港サーバー」読者の方から、複数の有益な情報が寄せられています。
 中には専門家や元パイロットや管制官からと思われる情報もいただいているのですが、上記のような指摘に基づいて、書きたいと思います。

@全日空が成田空港からの臨時便を今日11便、明日は13便運航
 今日の「Aviation Wire」によりますと、全日空は今日、2日に羽田空港で起こった日本航空機と海保機の衝突炎上事故に伴う、羽田空港便の欠航便を補うため、成田発着の臨時便を成田=札幌、成田=伊丹、成田=福岡線の合計11便運航しました。
 明日は合計13便を運航します。

@日本航空が羽田=ロンドン便と羽田=パリ便を成田空港経由で運航
 日本航空の欧米便の内、羽田=パリ便と羽田=ロンドン便は羽田空港C滑走路が使えないため、燃料が満タンに出来ず、羽田空港から成田空港に立ち寄り、燃料を補給して目的地に向かう対応をとっています。
 この影響で、飛行時間が数時間延びる、との事です。

@管制官は海保機に停止位置までの移動を指示後、海保機の把握をしていなかった
 今日の「NHKニュース」によりますと、日本航空機と海保機の衝突炎上事故時に,管制を担当していた管制管は,国土交通省の聞き取りに対して、海保機に誘導路の停止位置まで進むように指示した後、他機の調整に忙殺され、海保機の状況について意識していなかった、と話している、との事です。

@羽田空港の管制画面には、滑走路に航空機が進入した場合の警報が出るはず
 今日の山陽新聞によりますと、羽田空港の管制画面では、着陸機が接近する滑走路に、別の航空機が進入した場合、注意喚起をする機能が備えられていたことが国土交通省への取材で分かった,との事です。
 この場合には管制官の画面上で該当滑走路全体が黄色で点滅し、進入した該当機が赤色で表示されます。
 この機能は羽田空港では2011年3月に運用が開始されており 国土交通省では「事故当時、実際に海保機の位置が特定され、注意喚起表示が出ていたかどうかは事故調査で明らかにされることになる」と説明している,との事です。

@日本航空が今日から事故機の撤去を始める、C滑走路再開は8日から
 日本航空は今日から事故機の撤去作業を始めました。機体は分離して格納庫に運ばれます。
 7日には撤去作業を完了したい、としています。なお、海上保安庁機の撤去作業は昨日の夜から始まっています。
 なお、国土交通省は今日、C滑走路の再開を8日からと表明しました。

@世界最大の航空安全推進会議が「憶測と想像での発信はしないで」「警察の捜査優先は違反する」
 今日の 「sky-budget」によりますと、航空界最大の団体となる航空安全推進連絡会議(JFAS)は、2024年1月2日に発生した日本航空機と海保機が衝突した事故について緊急声明を発表しました。
 声明では、事故調査においては「運輸安全委員会による慎重かつ正確な事故調査が実施されるべきである」とし、「報道関係者、SNSで情報発信する人は、今回の事故について憶測や想像を排除し、正確な情報のみを取り扱うことを望む」としています。
 さらに「日本国内で航空機事故が発生した場合、警察が事故原因を特定することを目的として捜査することが通例になっていますが、これは国際民間航空条約(ICAO)が求める事故調査ではありません」とクギをさしています。

@事故機に搭乗していた「STVニュース」記者の手記
 今日の「STVニュース北海道(gooニュース)」に、事故機に搭乗していた「STVニュース北海道」の記者の手記が載っていました。


*1月4日

@エアプレミアが今日から、成田=仁川線を増便
 韓国のエアプレミアは今日から、成田=仁川線を、週5往復から週6往復に増便しました。

@斉藤国土交通大臣が管制官と両機との交信記録を公開
 昨日の日本経済新聞(電子版)によりますと、斉藤国土交通大臣は、昨日、管制官と衝突した両機の交信記録を公表しました。
 これによりますと、日本航空機には「着陸を継続するよう」に指示し、海保機には「誘導路上の停止位置まで進むよう」に指示しています。
【コメント】ただ、海保機には「1番目」という言葉を使っています。これは何の意味でしょうか。

@日本航空機のパイロット3人は海保機の機影を確認できなかった
 今日の「NHKニュース」によりますと、衝突炎上した日本航空機の機長ら3人のパイロットが、会社の聞き取りに対して、滑走路への進入中、海上保安庁の航空機を「視認できなかった」と話している、との事です。
【コメント】これについて、海上保安庁機は航空機が飛行中につけるライトを、点灯していなかったのでしょうか。
 もう少し時間が早く、周囲が見える状態ならば、日本航空機から滑走路上に他機がいることを確認出来,ゴーアラウンドを行えた可能性もあったような気がします。
 昨日の私の【コメント】について、読者の方から下記のようなメールをいただきました。

 「成田空港サーバー2024/01/03でのJal機と海上保安庁機が衝突炎上の機影について,『海上保安庁機の機影が見つからないことです』との事ですが,海上保安庁などの飛行情報は当局(?)の要請により,FlightRadar24の方で削除していようです.」

 確かにこんな事もあるのでしょうね。香港に行く貨物便が「OMITAMA 」すなわち「百里基地」によって、何らかの軍事物資を積み降ろしたことを、隠そうとして、「Flightradar24」による航跡を改竄したこともありましたね。

@避難誘導時のようすが明らかに
 日本航空の説明によりますと、2日の日本航空機の衝突炎上事故で、379人が全員避難できたのは9人の客室乗務員の独自判断と訓練通りの行動によるところが大きいようです。
 衝突が起きたときにはパイロットは機体からの発火に気づかなかったようで、客室乗務員がコックピットのパイロットに連絡して、初めて事態を把握できたようです。
 しかし、その時には9個ある非常口で安全なのは3個しかなかった、との事で、客室乗務員は機長にその旨申告し、機体の前部の非常ドア2個を開け避難を開始しました。
 しかし、後部は火災により、機長と連絡が取れなくなっていた、との事です。そこで、後部にいた客室乗務員の責任者が独自の判断で、比較的安全な非常口を開けて、脱出スライドを展開し、乗客の避難を始めました。
 この結果、事故発生から、最後に機長が避難するまでの18分間に、全員無事に避難が出来たようです。
 乗客の中には頭上のバッグなどを持ち出そうとした人もいたようですが、客室乗務員はこれを制し、敏速に避難誘導を行った、との事です。
 なお、今日の航空新聞社に避難までの,パイロットと客室乗務員の行動が詳しく載っています。

@事故による日本航空の損失は150億円と発表
 日本航空は今日、2日に羽田空港で発生した日本航空A350型機の全損事故による損失が約150億円に上る、との見通しを発表しました。


*1月3日

@昨日夕方、羽田空港で日本航空機と海上保安庁機が衝突炎上
 昨日午後5時47分(「Flightradar24」の記録による)、羽田空港C滑走路に、南側から着陸しようとした新千歳発羽田行きの日本航空516便・A350-900型機(JA13XJ)と、能登半島地震の救援に新潟空港に向かおうとしていた海上保安庁の「MA722みずなぎ1号」DHC8-300型機(JA722A)が衝突し、両機とも炎上しました。
 この事故で犠牲となられた5人の海上保安庁職員のご冥福お祈りいたします。
 事故のこれまでに分かっている事を、順不同で記します。
 日本航空機は着陸し、C滑走路を減速中に、C滑走路に侵入した海保機に追突し両機共に炎上した、との事です。
 日本航空機の乗客・乗員379人は、脱出の安全が確認された3箇所の緊急脱出用シューターから、全員脱出し約15人の負傷者が出ましたが、その全員が脱出し、犠牲者は出ませんでした。
 なお、この脱出については海外のメディアも「奇跡」と賞賛しています。「どうしたらこのような誘導が出来るのか。どのくらいの訓練をしているのか」「乗客も、バッグなどを持っていないが、これがスムースな退避が出来た原因だ」と、取り上げています。
 一方、海保機には6人が搭乗しており、この内5人が死亡し、1人が重傷を負いました。
 日本航空機は午後8時半頃鎮火しましたが、昨日午後8時現在、消火作業は続いており、C滑走路は使用出来なくなっています。
 羽田空港は昨日午後9時半からC滑走路を除く3本の滑走路で再開しました。
 今日も、C滑走路を除く3本の滑走路で運用しますが、国土交通省では「運航への影響がないとは言い切れない」としています。
 この事故による影響は昨日段階で、全日空の国内線110便、国際線で7便が欠航となり、また、日本航空でも国内線116便、国際線3便が欠航しました。
 国土交通省はこのトラブルを航空機事故と認定し、調査官6人を派遣しました。
 国土交通省によりますと、日本航空機には着陸の許可が出ており、海保機にはC滑走路の手前で待機するように、との指示が出ていた、としていますが、大けがをした海保機の機長は事故直後、海上保安庁の聞き取りに対し、「離陸の許可が出ていた」とは話しており、両者の認識に大きな食い違いがあります。
 この事故の影響で、今日の欠航は日本航空が44便、全日空が55便になります。
 また、昨日の事故時に羽田空港が閉鎖された事に伴い、成田空港に目的地を変更して着陸した便は23便に上りました。茨城空港に目的地を変更した便は2便でした。
 日本航空は今日、搭乗日が3月31日までの便を1月2日までに予約した人に対し、手数料なしで予約変更や払い戻しをする、と発表しました。手続きは1月31日までになります。
【コメント】これからの運輸安全委員会の調査で、原因は比較的早く明らかになると思いますが、羽田空港の超過密な運用がどのように影響しているかも、検証することを望みたいですね。狭い空域で、4本の滑走路を運用する事の無理がパイロットや管制官のストレスを誘発していることも考えられます。
 下図は「Flightradar24」による追突直前の日本航空516便の航跡です。
 不思議なのはこの飛行機の中に海上保安庁機の機影が見つからないことです。

 

@日本航空グループの「Spring Japan」が予約の変更などについての案内
 「Spring Japan」は今日、「日本航空516便と海上保安庁機の衝突事故に伴う航空券の特別対応について」を発表しました。


*1月2日

@グレーターベイ航空が今日から成田=香港線を増便
 グレーターベイ航空は今日から、成田=香港線を、週10往復から1日2往復に増便しました。
 写真は第2ターミナルから離陸に向け移動するグレーターベイ航空機です。

 

@タイガーエア台湾が今日から成田=高雄線を増便
 タイガーエア台湾は今日から、成田=高雄線を、週5往復から週9往復に増便しました。

@ジェットスター・ジャパン労組の「 JCA 」が能登半島大地震で今日からのストを中止に
 ジェットスター・ジャパンは昨日、「ジェットスター・クルー・アソシエーション(JCA)」が、先月22日から行っていたストライキを「能登半島大地震発生に鑑み全面的に中止する」と連絡してきた事を明らかにしました。予定では8日まで行われることになっていました。
 これにより、今日からの運航を平常に戻す、との事です。
 ただ、今日は運航準備が間に合わなかった成田=札幌線の1往復2便を欠航する、との事です。

@能登空港の滑走路に複数のヒビが見つかる、4日まで閉鎖
 昨日午後発生した能登半島を震源とする大地震で、能登空港では滑走路に、深さ10cm、長さ10m以上のヒビが複数見つかり、能登空港は閉鎖されました。
 国土交通省は能登空港を、4日まで閉鎖する、としています。


*1月1日
 

@昨年12月のアクセス数は、22,935回でした。

@今日からエアソウルの成田=仁川線が増便
 韓国のエアソウルは今日から、成田=仁川線を1日3往復から週23往復に増便しました。

@ジェットスター・ジャパンのストによる今日の欠航は10便
 今日のジェットスター・ジャパンのストによる欠航は、成田=新千歳線の2往復4便、成田=那覇線の1往復2便、成田=福岡線の1往復2便、成田=熊本線の1往復2便で合計10便と見込まれています。

@ストによる会社側の損失は1便あたり100〜150万円に
 昨日の 「sky-budget」 によりますと、ジェットスター・ジャパンは今回のストによる会社側の損失は1便当たり100〜150万円になるとの事です。


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