成田空港の容量拡大(30万回)実現のための提案書


平成22年7月13日

成田市長    小泉一成
芝山町長    相川勝重
成田市議会議長 小池正昭
芝山町議会議長 勝又 勇
千葉県議会議員 成尾政美
千葉県議会議員 伊藤 丈

成田空港の容量拡大(30万回)実現のための提案書

 成田国際空港は、本年3月からの22万回への発着枠の拡大により、首都圏における国際線の基幹空港としての役割が今まで以上に大きくなり、羽田空港の第4滑走路が供用される10月までに更なる空港機能の拡充と空港容量の拡大が急務であることは、私たちとしても認識しているところであります。

 しかしながら、成田市及ぴ芝山町で航空機の飛行直下で騒音を被っている住民にとって、両滑走路からの大型機材の運航や離着陸方法の変更などによる体感騒音の変化は、30数年の騒音下生活の経験をもってしても新たな体感となり、生活環境の悪化が懸念されます。

 その上、国際航空需要の増大から、成田と羽田の2空港で首都圏の需要をまかなう政策を進めるための成田空港の年間発着回数30万回への拡大は、騒音地域住民にとっては、大変大きな生活環境の変化となり、空港会社の民営化時の覚書、平行滑走路の北側延伸や年間発着回数22万回時の要望事項の未解決項目もある中で、昨年12月に四者協議会で協議された空港容量拡大でのマイナスの解消や、空港会社から提案された『環境対策・地域共生策』では、具体的な施策を見出すことが出来ません。

 このような状況下において、私たちは、民営化時の覚書や過去の要望事項の積み残しの課題の実現に努力するとともに、今後も騒音地域に住み続ける方々に対して、生涯にわたる十分な対策を実施しなけれぱ、地域住民の理解を得ることはできないと考えております。

 以上のことから、空港容量拡大(30万回)を実現するた めには、今後も騒音地域に住み続ける方々から、理解と協力 を得ることが不可欠と考え、そのための施策として、下記の 具体的施策の実施を検討しております。

 つきましては、成田国際空港会社には、これらの施策を実現するための財源確保等の協力をお願いするとともに、空港容量拡大(30万回)に向けて残された課題について、空港と地域が一体となって解決していくことを提案いたします。

1.騒防法第1種区域及び谷間地域の住家の防音工事内容の大幅な拡充(今後、関係機関において成田空港独自の制度設計を行なう。)

2.住宅防音工事の助成を受けた家屋及ぴ空調施設の維持 管理費に係る補助制度の充実(市町の既存事業の拡充)

3.騒音地域における固定資産に係る補助制度の充実(市 町の既存事業の拡充)

4.上記の具体的施策を実施するにあたっての十分な財源 の確保


要望についての森中社長のコメント

平成22年7月13日
成田国際空港株式会社

成田空港の容量拡大(30万回)実現のための提案書について

 本日、成田市長芝山町長成田市議会議長芝山町議会議長成尾県議会議員及び伊藤県議会議員の6者から「成田空港30万回実現のための提言(別添)」をいただきました。
 成田空港の容量拡大が急がれる中、30万回を実現するためには、騒音直下の方々に対する住宅防音工事の拡充などの対策が不可欠なものであります。この度、成田市・芝山町が行う施策の財源を確保し、残された課題について、空港と地域が一体となって解決していこうという、提案をいただきました。

 6者の皆さんから、空港と地域は既に運命共同体となっており、騒音下を抱える自治体として空港と共に活きていくために、30万回を実現することを確認し、推進することを決めたとお聞きし、地域合意の前の画期的な決断であると、感謝しております。

 私どもは、この提言を真摯に受けとめ、成田市・芝山町が進める騒音直下対策の財源の確保について協力すると共に、残された課題の解決に一緒に取り組むことを約束しました。

 成田空港の責務は、将来にわたり首都圏及び東アジアの国際拠点空港として航空需要に対応していくことと、地域とともに発展し共生共栄を実現して地域に貢献することです。
 そしてこれまで以上に成田空港を地域に・国民に・世界に愛される空港として育てて行きたいと思います。


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