2001年12月の出来事

*12月31日

@今年1年のご愛読を感謝いたします。良いお年をお迎え下さい。

@全日空が国際線の赤字圧縮でてこ入れ
 全日空は赤字が続く国際線のてこ入れを行うことになりました。来年から採算性の良い欧米の主要ビジネス路線とアジアの近距離路線に特化することになります。具体的には来年4月をめどに成田ーウイーン線の自社運航から撤退する予定です。また、現在、運休している成田ーシカゴ線の運休を3月以降も継続します。一方、ハワイ路線は成田空港の暫定平行滑走路が供用開始される4月以降は現在の週4便から週7便に増便されます。また、国際線子会社のエアージャパンについては客室乗務員などの本拠地を関西国際空港から海外に移し、アジア系の客室乗務員を積極採用するなどして、コストの削減を図ります。

@ヨーロッパに先駆けユーロへの交換始まる・成田空港など
 元旦からヨーロッパの通貨がユーロに切り替えられますが、成田空港では明日の午前0時からユーロへの交換が出来ることになります。ヨーロッパに先立つこと約7時間早くなります。日本全国同じ条件ですが、市中の金融機関は休みですので、空港が一番早いことになります。

@羽田空港での初日の出は拝めません
 都内の初日の出のスポットとして有名な羽田空港の展望デッキは米同時多発テロの影響による警備体制の強化により、今年は拝めないことになりました。現在続いている午後8時から翌朝午前8時までの展望デッキの閉鎖が今日も継続されることになりました。予定していた方は残念でした。

@新千歳空港が大雪で閉鎖・1500人が1夜をあかす
 低気圧の影響で大荒れの天気になった北海道東部は大雪に見舞われ、新千歳空港は昨日から閉鎖になりました。搭乗を予定していた1500人の乗客がロビーなどで夜をあかしました。今日は遅れていますが、運航が再開されました。


*12月30日

@羽田空港に少年が不法侵入・旅客機に乗り込む
 今日午前9時40分頃、羽田空港の駐機場に18才の少年がフェンスの金網をペンチで切り開いて侵入しました。少年は途中で職員に声をかけられましたが、無言でそのまま、停めてあった日本エアシステム機に乗務員用タラップから乗り込みました。通報を受けた警察が、客室の座席に座っていた少年を逮捕しました。少年は取り調べに対してもほとんど無言で動機などは分かっていません。

@宇宙開発事業団が宇宙観光旅行を計画
 航空機には関係ありませんが、ちょっと夢のある話。宇宙開発事業団は2008年以降に独自の宇宙船を使った宇宙観光旅行を立ち上げる計画です。計画によると、H2Aロケットで円盤形の5人乗りの宇宙船を打ち上げ、丸1日地球を周回した後、パラシュートで帰還するとのことです。費用は当初は1人7億円程度ですが、軌道に乗って打ち上げ回数が増えれば数千万円程度になるみこみだそうです。技術的には十分可能で、2008年以降の打ち上げを目指すとのことです。打ち上げ回数が増えれば、ロケットの量産によるコストの削減につながり、外国との衛星打ち上げビジネスに貢献するとのことです。しかし、7億円出して乗る人がいるでしょうか。世界にはお金持ちはたくさんいますが。


*12月29日

空港公団のページに「成田空港運用状況(2001年11月分)」が載りました。

@成田空港で今日、出国ラッシュピーク
 成田空港では今日、年末年始の休暇を海外で過ごす人たちの出国ラッシュがピークを迎えました。今日1日で37700人が出国する見込みです。ラッシュの出国者はだいぶ回復しましたが、12月21日から1月7日までの成田空港利用客は約93万人と昨年比で20%程減る見込みです。

@世界最大の貨物機・ムリヤが1月1日から商業運航開始
 ロシアの世界最大貨物積載量を誇るアントノフ225・ムリヤが1月1日から商業運航を始めます。この貨物機はロシアの宇宙船などを運ぶために作られました。3ヶ月前の試験飛行では253トンの貨物を輸送したそうです。


*12月28日

@使いずらそうな暫定平行滑走路・上空から見ると

 23日に東南アジアに行きましたが、そのとき、横田空域の上を越して西に向かうために北側離陸で成田空港の上空に戻ってきました。そのときの写真です。中央に伸びているのが暫定平行滑走路です。供用開始前ですので、滑走路上に数カ所のXマークがペイントされています。その上側にある誘導路は白い部分が本来の誘導路ですが、中央左にある反対派の土地を迂回するために「く」の字型に曲がっています。窓枠に隠れた左端が第2ターミナルですが、そこに通じる誘導路も1本しかなく、離陸機・着陸機が交互通行にならざるを得ません。使いづらい滑走路であることは否定できません。左上の隅に見えているのが現在の4000m滑走路の北端です。

@動く歩道で火災が発生・成田空港
 26日午後0時20分頃、第1ターミナルの第4サテライトにある動く歩道から出火し、第1ターミナルは一時大混乱に陥りました。火事は1時間半後に鎮火しましたが、第4サテライトは煙が立ちこめて1日中使用禁止になりました。幸い、暮れ正月のラッシュの少し前で、けが人などは出ませんでした。成田空港では今までに7件の火災が発生していますが、乗客を避難させるような火事は初めてになります。この動く歩道は半月に1度の安全点検を行っており、21日の点検では異常はなかったとのことです。

@国内線需要創出推進組織を1月上旬にも設立へ
 26日に幕張メッセで成田空港の「国内線需要創出検討会」の最後の会合が開かれました。この席で、「国内線需要創出推進組織」の設立が提案され、千葉県が主体となって、来年1月上旬をめどに設立することになりました。この日は「交通アクセス充実検討会」も開かれました。

@公団の「国内線発着拡大検討会」が国内線の着陸料引き下げを提言
 同じく26日に、空港公団の「国内線発着拡大検討会」が開かれ、国内線の着陸料を羽田空港並に引き下げることを提言することになりました。こうすると、着陸料が現在と比べて国内線の幹線で3分の2に、ローカル線で2分の1になることになります。しかし、国際航空運送協会(IATA)は国際線と国内線の着陸料の一律化を求めており、これが、認められるかどうかわかりません。

@新石垣空港予定地の地権者が共有地主千人を募る
 新石垣空港建設予定地の地主の一部で作る「白保の海と大地を未来にのこす合同ネットワーク」が25日に、石垣市・那覇市・東京で記者会見し、建設予定地の共有問題(10月20日の出来事を参照)で1000人を目標に共有者を募ることを明らかにしました。ネットワークは「空港そのものに反対するものではないが、建設後に海や大地にどんなことが起こるのか検証する必要がある。」としています。

@全日空機が機内減圧で大阪空港に緊急着陸
 昨日の午前11時50分頃、富山市上空10500mを飛行中だった新潟発那覇行き全日空465便・A320型機で機内急減圧が起こり酸素マスクが飛び出しました。同機は3500mまで緊急降下し、午後0時25分に大阪空港に緊急着陸しました。乗客・乗員にけがはありませんでした。

@全日空機の爆破メールが届く
 26日午前7時30分頃、東京に本社のある全日空関連会社に「羽田空港発那覇行き、全日空991便に爆発物を仕掛けた。」と言うメールが送られてきました。このとき、同機はすでに離陸した後で、異常がなかったことからそのまま飛行を続け、9時31分に無事那覇空港に着陸しました。那覇警察が乗客を危害に避難させて、手荷物などの検査を行いました。

@「爆破する」と言った日本人男性が逮捕される
 現地時間26日にマイアミ国際空港でシアトルに向かうアメリカン航空27便に乗り込んだ日本人男性が乗務員とトラブルになり、「テロリストだったらこの飛行機を爆破するところだ。」と繰り返し叫び、現地の警察に逮捕されました。場合によっては懲役15年の刑になる可能性があります。

@靴に爆発物を隠した英国人男性が格闘のすえ逮捕
 現地時間22日にパリ発マイアミ行きのアメリカン航空63便の機内で、靴に仕込んだ爆発物に火をつけようとしたイギリス人の男性が乗務員と格闘の末、取り押さえられました。同機は戦闘機に護衛されてボストン空港に緊急着陸し、現地警察がこの男性を逮捕しました。その後の報道では、アフガニスタンで捕虜になっているアルカイダのメンバーがこの男を「基地で訓練していたのを見かけた。」と証言したとのことです。

@レキオス航空が参入を2003年3月に延期
 那覇ー羽田線に新規参入を目指すレキオス航空は昨日、2002年9月の参入予定を航空需要の低迷から2003年3月に延期すると発表し、同時に沖縄企業に増資を呼びかけていくことを明らかにしました。

@三菱重工が小型ジェット旅客機の開発を否定
 三菱重工業は昨日、朝日新聞が「三菱重工業は小型ジェット旅客機を開発することを決めた。」と報道したことについて、「現時点で具体的な計画はなにもない。」と否定するコメントを出しました。しかし、三菱重工業の社長は26日の中期計画についての記者発表の席で「民間航空機分野では、部材供給にとどまらず、全機をまとめ上げるところまでのばしていきたい。2009年までに完成機を製造する技術確立が出来るだろう。」とする見通しを明らかにしています。

@エアバスがA330−200初号機を納入
 エアバス社は双発ワイドボディー機であるA330−200型機の初号機をエールフランスに納入したことを発表しました。エンジンはゼネラル・エレクトリック社のCF−80Eでファーストクラス6席・ビジネスクラス42席・エコノミークラス163席となっています。各客席にはデジタルビデオやパソコンが接続できる機内エンターテイメントを装備しています。

@エアカナダ労使がワークシェアリングで合意
 25日、エアカナダは労組とワークシェアリングで合意したことを明らかにしました。これにより、427人分のレイオフと同じ効果があるそうです。エアカナダは当初1281人にレイオフを通達していました。


*12月22日

@都合により、明日から27日まで更新が出来ません。次の更新は28日の予定です。よろしくお願いいたします。

@厚木基地で正月期間の訓練自粛を要請
 厚木基地周辺の自治体議会で作る「厚木基地周辺5市議会議長会基地対策協議会」は20日、首相など政府関係者と在日米軍司令官など米軍関係者に、正月期間の米軍艦載機の飛行を中止し、静かに正月を過ごせるようにと要請しました。同日、同様の要請のために厚木基地を訪れた大和市基地対策課にたいし、厚木航空施設司令官は「最大限配慮する。」と回答しました。

@米軍垂直離着陸試験機の試験を再開へ
 アメリカ政府関係者は相次いだ墜落事故で試験飛行を中止していた、兵員輸送用の垂直離着陸機・MV22(オスプレー)の試験飛行を再開すると発表しました。同機は20機が試作されましたが、この内、4機が墜落事故を起こし、昨年末から試験飛行が中止されていました。再開の理由として、「安全かどうか、確認するのが目的だ。」と説明しています。同機は普天間基地のヘリコプターの後継機として配備される予定になっています。

@米運輸省がデルタ航空など欧米4社の提携を暫定認定
 アメリカ運輸省は21日、デルタ航空・エールフランス・アリタリア航空・チェコ航空の4社から出されていた業務提携の申請を暫定認可すると発表しました。今後、14日以内に他社からの異議を受け付け、その内容を検討した上で最終決定をすることになります。


*12月21日

空港公団のページに下記の2項目が載っていました。
 「乗合タクシー(千葉方面)の運賃改正について」と「東京都内方面への乗合タクシーが運行を開始しました」の2項目です。

@旅客ターミナルビル改修に689億円・財務省原案
 昨日発表された来年度予算の財務省原案で、成田空港関係では旅客ターミナルビルのかいしゅうに689億円、eーエアポートの実証事実験推進事業で2億1000万円などが計上されました。

@成田発上海行き日航機で機長が旅券を忘れて1時間半遅れる
 今日午前10時10分に成田空港から上海に向かう予定だった、日本航空791便の機長が出発間際に旅券の携帯を忘れたことに気がつきました。日本航空では自宅で待機していた別の機長を急遽呼びだして交代させましたが、この間、同機は出発できず、出発したのは11時39分になりました。お粗末なミスでした。

@日本航空が山口宇部ー羽田線を就航へ
 昨日、山口県知事が日本航空本社を訪れ、日本航空副社長と会談し、山口宇部空港と羽田空港を結ぶ路線の就航を要請しました。会談後、知事は「色好い返事をもらえた。就航は100%確実だ。」と述べました。日本航空は1月中旬に発表する2002年度の運航計画に盛り込むことにしています。日本エアシステムとの統合を控えて、シェアーの拡大を図ったものと思われます。1日2往復の予定です。

@国土交通省が青森空港の運用時間を14時間に
 国土交通省は青森空港の運用時間を来年度中に現行の13時間から14時間にする事を明らかにしました。現行の運用時間は午前8時から午後9時までです。青森県は夜間駐機の環境が整ったとして歓迎しています。現在、羽田空港行きの始発便は午前10時台ですが、これは、夜間駐機が出来ないため、羽田空港からの折り返し便として運航されているためです。夜間駐機が可能になれば、始発が早くなり、東京で仕事をして日帰りが出来るようになります。


*12月20日

@成田新高速鉄道第3セクターを来年4月に設立へ
 国土交通省は成田空港と都心を36分で結ぶ、成田新高速鉄道を建設運営する第3セクターを来年4月に、空港公団や千葉県などが中心となって設立すると発表しました。総事業費は1286億円で、国交省と千葉側の補助金が461億円(半分ずつ負担)、千葉県と空港公団の負担金が261億円、第3セクターへの出資金が205億円、日本政策投資銀行と民間金融機関からの借入金が359億円となっています。第3セクターは成田公団、千葉県、京成電鉄、千葉県市町村、金融機関などの参加を見込んでいます。第3セクターは設立後、国土交通省に鉄道事業を申請し、同省は直ちに認可し、補助金を支出します。同時に、都市計画や環境アセスメントを行い、2005年に工事に着手し、2009年度に完成、2010年度の早い時期に開業する予定です。

@成田空港と都心を結ぶ乗り合いタクシーを認可
 国土交通省は今日、成田空港と都心を結ぶ乗り合いタクシーを15事業所に認可しました。早速、明日から3社が運行を始めます。当面、定員9人の車15台を運行し、午前4時半から午後11時50分まで走らせます。

@全日空が操縦席から客室を見渡せるモニターを設置
 全日空は同社の1機に操縦席から客室を見渡せるテレビモニターを設置したと発表しました。もちろん、ハイジャック防止のためです。客室を見渡せる複数のカメラの映像を見ることが出来ます。今後、数年かけて全機に設置する予定です。

@全日空が日本航空と日本エアシステムの統合に異議申し立て
 全日空は今日、来年に予定されている日本航空と日本エアシステムの経営統合について、公正取引委員会に意義を申し立てることを明らかにしました。理由として、基幹路線のシェアーが60%以上になり、公正な競争が阻害され、利用者の不利益になるとしています。日本航空と日本エアシステム側は、全体のシェアーは50%ずつになると反論していますが、これについて、赤字になる離島路線まで含めたシェアーで議論するのは不公平としています。

@航空宇宙技術研究所がYS−11を使い不時着時の衝撃実験
 航空宇宙技術研究所は今日、昨年2月に丘珠空港でオーバーラン事故を起こしたYS−11型機の胴体部分を使い、不時着したときの衝撃についてのデータを取得する実験を行いました。胴体に既存の座席とエアバスA340型機用の座席を取り付け、座席にダミー人形を座らせて、落下させる実験でした。実機を使った実験は日本では初めてです。

@東京地裁が解雇無効の判決・ブラジル航空
 バリグ・ブラジル航空日本支社に勤務していた男性2人が早期退職の勧奨を拒否したために解雇されたのは無効だ、と訴えていた裁判の判決が今日、東京地裁で言い渡されました。裁判長は「ブラジル航空が経営の危機にあったとしても、解雇する前に会社側が最善の努力をしなければならない。日本支社が努力を尽くしたと言う点で疑問が残る。」として、解雇無効を言い渡しました。


*12月19日

空港公団のページに下記の2項目が載っていました
 「成田空港ウィンタープレゼントキャンペーン2002についてのお知らせ」、「エアポートミニコンサートの開催について」です。

@羽田空港の深夜・早朝チャーター便を週70便に・4月から
 国土交通省は来年4月から、羽田空港の深夜・早朝時間を利用した国際チャーター便を現在の週2便から70便に拡大することを決定しました。また、ワールドカップ期間中は昼間にも国際線発着を認める方針です。これは、羽田空港の国際線能力を高める一環の措置の先駆けです。計画では成田空港の暫定平行滑走路が供用開始されてから、現在、羽田空港を使っている台湾の中華航空とエバー航空を成田空港に移転させ、国際線ターミナルや駐機場を拡張します。ターミナルの搭乗機を1機分から2機分に増やす予定です。
【コメント】成田空港に中華航空とエバー航空が移ってきて、「2つの中国問題」は大丈夫なのでしょうか。また、当面は搭乗機が1機しかないと思うのですが、混雑はしないのでしょうか。午後11時から午前6時まで時間はあるとしても、交通のアクセスを考えると、出発機が午後11時以降出来るだけ早く、到着機は午前6時前に集中すると思うのですが。

@羽田空港再拡張が決着
 羽田空港の再拡張問題で、扇国土交通大臣と石原都知事が電話で会談し、国土交通省のB滑走路平行案を都側が了承しました。しかし、従来の国土交通省案では東京都のゴミ処分場が縮小されることと、船舶航路を狭める問題がありましたので、今回の案ではB滑走路に平行する2500m新滑走路を南西側に300mずらすことにしています。しかし、これだと今度は多摩川の流れを乱す問題がありますが、国土交通省では滑走路を桟橋方式にすれば解決できるとしています。完成は2010年の予定です。

@厚生労働省が除細動器(ADE)の機内使用を認める
 厚生労働省は定期航空協会から出されていた、機内で乗務員が自動体外式除細動器(ADE)を使えるようにして欲しいとの要望に対して、今日の午後、正式に認める旨の回答をしました。


*12月18日

@結局、1年先送りで決着・空港公団民営化問題
 今日の閣議で行政改革の「特殊法人整備合理化計画」が承認されました。それによりますと、成田空港と関西国際空港と中部国際空港の民営化については、「上下分離も含めて検討し、2002年中に結論を出す。」と言うところで決着しました。これについて、扇国土交通大臣は閣議後の記者会見で、「初めて『上下分離』と言う言葉が入ったことで、与党3党にご理解いただいたと考えている。」とのべ、国土交通省の上下分離案に執着を示しました。しかし、扇大臣は『上下分離案を機軸に』と言う文言を入れてもらおうとしましたが、それが、入れられなかったことも明らかにしました。石原行革大臣や自民党の太田行革本部長などは「上下分離案は関西国際空港の救済にすぎず、行革に逆行するもの。」と反対し、成田空港と羽田空港を統合した民営化を主張しています。
【コメント】しかし、行政改革に対する与党の抵抗にはすさまじいものがあるようです。それぞれの既得権益を確保しようとする暗闘は1時間毎に情勢が変わるような、熾烈な戦いのようです。14日の出来事で書いた「単独民営化決まる」と言う記事も、その時点では事実だったのでしょうが、その後の巻き返しで、今日の決着になったようです。

@石川島播磨重工のジェットエンジンが好調
 石川島播磨重工の航空宇宙事業部の副本部長が明らかにしたところによりますと、石川島播磨重工の航空機用ジェットエンジンの生産が好調で、全売上高に占める、航空宇宙事業部の割合が現在の20%から、2005年までには30%になるみこみとのことです。特に、100人乗り程度の旅客機に使われる「CF34」は米同時多発テロの影響も受けず、現在の受注が3000台弱に達しており、2〜3年先には5000台に達する見込みだそうです。このため、エアバス社から要請されている超大型旅客機A380型機用エンジンの開発には、施設も人も割く余裕がなく、開発には参加しない方針とのことです。


*12月17日

空港公団のページに「平成13年度年末年始サービス向上期間について」が載っていました。

@関西国際空港2期工事に900億円つける・財務省
 財務省は来年度予算案で関西国際空港2期工事に対して900億円前後を盛る方向で検討しているようです。国土交通省の要求では1137億円でしたが、900億円でも2007年供用開始には影響は出ないとのことです。しかし、関西国際空港2期工事については凍結や延期を求める意見も根強く、今後の展開によってはこれらの考えが浮上する可能性も残されています。


*12月16日

@ジェット機増便問題川西市委員会で異論続出
 一昨日取り上げた、大阪空港のジェット機増便問題で川西市飛行場対策周辺整備調査特別委員会が14日に開かれ話し合いましたが、委員からは「約束の1日250便は守るべきだ。」などの異論が相次ぎました。そして、後日開かれる11市協でも反対の考え方を表明することになりました。大阪空港については1990年の関西国際空港開港後も大阪空港を存続させる事を取り決めた協定で、ジェット機は1日200便までとなっていました。その後、プロペラ機が老朽化してジェット機に変えざるをえない、と言うことで限度が250便になった経過があります。

@全日空機の脚故障で那覇空港の滑走路が閉鎖
 今日午後2時30分頃、広島発那覇行き、全日空277便が那覇空港に着陸した際、脚が故障して自力走行が出来なくなりました。同機は牽引車にひかれて移動しましたが、大量のオイルが滑走路に流れ出し、それを除去する清掃作業のために、滑走路が4時5分まで閉鎖されました。乗客・乗員にけが人はありませんでした。


*12月15日

@年末年始の旅客が20%減・成田空港
 空港公団が発表した年末年始(12月21日〜1月7日)に成田空港を利用する旅客は前年比で19.8%減になる見込みです。

@国内線は増加に
 大手3社が発表した年末年始(12月22日〜1月6日)の予約状況によりますと、国内線が日本航空グループで前年比4.1%増、全日空グループが同0.7%増、日本エアシステムが同1.8%増となっています。これに対して、国際線は日本航空グループが前年比15.7%減、全日空グループが同23.9%減、日本エアシステムが同3.3%増と日本エアシステムを除いて大幅減となっているそうです。特に、北米路線は30%以上の落ち込みになっています。国内線の増加は海外旅行から国内旅行にシフトする傾向の結果と考えられています。

@ふくしま市民オンブズマンが福島空港滑走路延長で監査請求
 13日、福島空港の滑走路を3000mに延長するための県の調査費は不要だとして、「ふくしま市民オンブズマン」が県の監査委員会に監査請求を行いました。調査費、4800万円の支出差し止めを求めています。オンブズマンは理由として、(1)現在2500メートルの滑走路を延長するには400〜700億円の県費が必要(2)利用者数は低迷している(3)飛行機の小型化傾向が進んでいることなどを指摘し、さらに、今後も景気低迷や米国同時多発テロなどで利用者数の減少が予想される、としています。

@空中給油機にB−767型機を決定
 政府は昨日、安全保障会議を開き、中期防衛力整備計画で4機の導入が決まっている空中給油機にB−767型機を選定しました。2006年以降に配備される予定です。

@ユナイテッド航空の組合がスト権確立
 ユナイテッド航空の整備員組合が14日の投票で21日以降のストライキを可決しました。これに対して、政府は介入する意向で緊急委員会を設け、事実上、ストライキを2ヶ月延期して調整に当たるものと見られます。


*12月14日

@成田空港単独の民営化で決着へ
 成田空港・関西国際空港の民営化について、今日、国土交通省の扇大臣と行政改革担当の石原大臣が電話で会談し、成田空港公団と関西国際空港株式会社を統合して民営化するのではなく、それぞれを単独で民営化することで合意しました。成田空港公団は2005年度の改革集中期間内に特殊会社として民営化し、関西国際空港会社は政府保有株を放出して完全民営化を目指すことになります。

@塩川財務大臣への批判が高まる
 民主党は関西国際空港の2期工事について、塩川財務大臣が選出選挙区である大阪の要望を取り上げた我田引水行為だ、として国会でも追求する方針を明らかにしました。表向きは扇大臣が塩川大臣に会談を申し入れて2期工事継続の線が出たように見えますが、その前に、塩川大臣の方から扇大臣に継続を頼み込んだようです。

@国土交通省が大阪空港11市協にジェット機増便を打診
 国土交通省が大阪空港のジェット機発着枠の拡大について、周辺11市で作る「大阪空港騒音対策協議会」(11市協)に打診していたことが明らかになりました。これを受けて、11市協は受け入れる方向で検討を始めたようです。
【コメント】国土交通省の考えがどこにあるのかよく分かりませんが、元々、関西国際空港が出来れば、大阪空港は使わないはずではなかったのでしょうか。関西国際空港が便数の減少に悩んでいるのに、何故、大阪空港なのでしょうか。あの歴史的な大阪空港騒音訴訟の和解の趣旨にも反するのではないでしょうか。財政難にあえぐ自治体当局としては便数が増えれば燃料贈与税も増えることになるので、受け入れの方向に傾くのは分かるのですが、実際に騒音被害を被る住民の方々はどう考えているのでしょうか。

@静岡空港契約案件で与党の複数議員からも疑問出る
 静岡空港の建設を再開する契約案件が定例県議会で審議されていますが、知事の与党からも「専門家委員会は空港に関するデータの妥当性は認めたが、県民への浸透は全く不十分。必ずしも、住民投票に代わるものではない。」などの発言が複数出てきています。知事が「県民に理解してもらえた。」としているのとはかなりの違いがあります。しかし、契約案件を否決すると言う意見は少数で、工事の再開は必至の情勢です。

@日航機同士のニアミスで最終報告案公表
 国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会は今年1月31日に静岡県焼津市上空で起こった、日航機同士のニアミス事故の最終調査報告書を公表しました。それによりますと、再接近した時の両機の間隔は350mあまりで、飛行時間にして0.1秒だったとのことです。また、研修中だった管制官は警報装置が知らせるまで、片方の旅客機に全く気がついていなかったそうです。警報が鳴ってから、慌ててしまい、便名を取り違えたようです。しかし、本当に間一髪だったのですね。


*12月13日

@暫定平行滑走路の飛行検査が終了
 暫定平行滑走路の飛行検査が昨日で全部終わりました。国土交通省では得られたデータの分析・評価を行い、年明けにも空港公団に合格通知を出す見込みです。これを受けて、空港公団は国土交通省に供用開始日を届け出て、国土交通省は2月21日に暫定平行滑走路の供用開始日を世界に知らせるノータム(航空情報)を出すことになります。供用開始日は4月の18日が有力なようです。

@空港公団民営化は首相判断に
 18日に閣議決定される特殊法人の改革と民営化の具体案が明らかになってきていますが、新東京国際空港公団と関西国際空港株式会社など11法人は最終的に首相判断になっているようです。

@鉄建公団が常磐新線予定地で土地収用法を申請
 常磐新線の建設を進めている日本鉄道建設公団は千葉県柏市の用地買収が難航しているため、国土交通省に対して土地収用法の申請を行ったことが明らかになりました。しかし、千葉県の土地収用委員会は成田空港建設に際しての過激派テロにより収用委員長が瀕死の重傷を負わされたことから、委員が全員辞任し開店休業状態になっており、実際の強制収用はできる状態ではありません。
【コメント】ちょっと、気になるニュースです。そろそろ、収用委員会の再開が取りざたされているのでしょうか。

@成田空港出国者が前年の7割台まで回復
 空港公団が明らかにしたところによりますと、11月下旬以降、成田空港から出国する旅行客が旬ベースで前年比で70%台まで回復してきているとのことです。旅行会社などでは、「旅行客の減少が底を打った。」として、今後の回復に期待を寄せています。


*12月12日

@千葉県知事が成田空港民営化で4条件を提示
 千葉県の堂本知事は昨日の定例県議会の一般質問に答え、成田空港の民営化を基本的に容認する姿勢を明らかにしました。しかし、「成田空港単独の民営化が望ましい。」とし、さらに、民営化に当たっての4つの条件を示しました。その条件は〈1〉当初計画の2500メートルの滑走路を整備し、十分な機能を有する国際空港として完成させる、〈2〉都心と空港とのアクセス時間を国際標準の30分台にするために、成田新高速鉄道を早期に完成させる、〈3〉暫定滑走路の供用開始後に騒音実態調査を行い、現行の滑走路を含め、共生の理念に基づく騒音対策を継続する、〈4〉国と空港公団が地域に約束した地域振興策、地域共生策を確実に実施する、となっています。

@周辺自治体が成田空港単独民営化を要望へ
 千葉県の成田空港周辺自治体で作る「成田空港圏自治体連絡協議会」は昨日、成田市で会合を開き成田空港民営化について協議しました。冒頭、会長の小川成田市長は「3空港を統合しての民営化は関西国際空港の債務を成田空港が背負うことになり、国が地域に約束した共生策を実現することがきわめて困難になる、と心配する声が強い。」と挨拶しました。協議の結果、上下分離民営化は支持するものの、成田空港の単独民営化を要望していくことで一致しました。

@全日空が暫定平行滑走路開業でアジア路線を大幅増強
 全日空は来年春の暫定平行滑走路の供用開始をまってアジア路線を中心に現状の1.5倍に増強することを明らかにしました。全体では週90便を増便し、特に、アジア路線は現状の週30便から80〜90便に増便することになりました。具体的には香港線と北京線を1日1往復から2往復にし、中国の青島線と天津線を新規に開設します。シンガポール線は1日1往復にし、韓国のソウル線は1日1往復体制を維持します。これにたい、欧米路線は状況により見直すとのことです。

@日本航空が富山ー羽田線に新規参入へ
 日本航空は地方路線のドル箱路線となっている富山ー羽田線に新規参入する事を年内にも決定するとのことです。来年夏から運航を開始する予定です。この路線は現在、全日空が1日6便運航していますが、日本航空は最低1日2便を運航する予定です。

@全日空が国内線で1分以内のテイクオフ目指す
 全日空は国内線の出発時間を定刻の1分以内で離陸することを目指す取り組みを始めます。これは、国際線と違い1時間程度の飛行時間が多い国内線では新幹線に対抗する上からも定刻1分以内の離陸が必要と判断したものです。国際線などでは一般的に16分以内の離陸なら“定刻”とされてきました。

@中国北方航空が仙台ー長春線を来年3月から開設へ
 中国北方航空は宮城県に対して、仙台ー長春線の運航許可が下りる方向になった、と連絡してきました。来年の3月31日から運航を開始する予定とのことです。



*12月11日

空港公団のホームページが更新されていました
 空港公団のホームページが更新されていました。以下の4項目が新たに載りました。「CS向上の推進について(平成13年度上期)」、「米国同時多発テロ以降の成田空港の運用」、「暫定平行滑走路の完成検査について」、「NAA2001年 10大ニュース」です。この中の「米国同時多発テロ以降の成田空港の運用」で便数的には10月11月と6〜7%の減少になっていることが分かります。これが、周辺対策交付金の減額につながることになります。

@大雪で新千歳空港が1日中マヒ
 北海道をおそった、12月としては記録的な大雪で新千歳空港の滑走路の除雪が間に合わず、昨日から閉鎖が続いています。再開を待つ乗客はロビーで夜を明かし、疲れ切った様子でした。

@日本航空機が強風で福島空港に着陸できず
 
冬型の気圧配置が強まった昨日の午前9時25分頃、福島空港に着陸しようとした大阪発の日本航空833便・B−767型機が強風で着陸できず、羽田空港に着陸しました。このため、折り返しの福島発大阪行きの832便は欠航になりました。両便の乗客は新幹線で振り替え輸送しました。

@カンタス・オーストラリア航空が新会社設立へ
 カンタス・オーストラリア航空は100%子会社の「オーストラリア航空」を設立し、観光客をエコノミークラスだけで運ぶ計画です。使用機材もB−767−300型機のみに絞り、整備コストも引き下げます。当面は大阪・名古屋・福岡・台北・香港・シンガポールの6都市とケアンズを結びます。順調なら来年9月からの運航になります。


*12月10日

@「古い防音家屋の防音効果について調査する。」と国土交通省
 今日の午後、本会の会員3人が国土交通省に対する要望書を提出してきました。予算編成期の忙しい中でしたが、1時間割いていただき周辺住民の気持ちを訴えてきました。詳しい内容は後ほど載せますが、簡単な報告をいたします。第1点の民営化については「上下分離により、周辺対策は下の法人に移るので、今までと同様にきめ細かく対応していく。」とのことでした。第2点の周辺対策交付金の減額については、「便数に応じて額が決められると言う制度を越えて減額を補うことは難しいのではないか。周辺対策が後退しないような工夫は必要。」とし、第3点に第1項目については、「アウターマーカーは航空法上も絶対になくてはならないと言うものではないし、ターミナルDEMがあれば安全は確保できるので作らなかった。」、また、第2項目は「テスト飛行については空港公団や航空会社が対応すると思う。今回は慣熟飛行は新規乗り入れの会社が行うのではないか。何にしても、今行っている飛行検査が12月で終わる予定なので、それがすんでからの話になる。」とのことでした。第4点については、「成田空港建設の経緯があり、国会などでも取り上げられている。災害救助や難民救済のときの自衛隊機の使用以外では今までも、軍事的な使用はしてきていないし、そのような使用は避けるべきと考えている。」とのことでした。第5点については、「成田騒対協からの要望もあった。どのくらい防音効果が減退しているか調査をして、減退が激しい場合には何らかの対策が必要となると考えている。」とのことでした。要望に先立って、国土交通省の方から、この『成田空港サーバー』について、「毎日、更新しているようでがんばっていますね。」とのコメントがありました。なお、交渉は共産党の志位和夫事務所のお世話で実現し、共産党の小泉親司参議院議員が同席し要望事項について発言していただきました。


*12月9日

@国土交通省の上下分離民営化案を地元自治体に説明したときの資料「国際空港の経営体制の見直し(上下分離案)について」が手に入りましたので、資料のページに載せておきます。

@横浜市鶴見区にお住まいのTさんから「羽田空港の有効活用に関する考察」と題する長文のレポートが送られてきましたので、Tさんの了解を得て、資料の欄にのせておきます。


*12月8日

@ノースウエスト航空が暫定平行滑走路使い定期便
 ノースウエスト航空は暫定平行滑走路の供用開始後、台湾・高雄と韓国・釜山に新規定期航空路を開設すると発表しました。暫定平行滑走路を使っての定期航空路線の設置を明らかにしたのはノースウエスト航空が初めてです。ノースウエスト航空は短距離用のA320型機3機を成田空港に常駐させて、効率的運用を図るとしています。外国の航空会社が成田空港に航空機を常駐させるのは初めてのことです。

@スカイマークの社長が羽田発着枠の再配分を期待
 スカイマークの社長は昨日の記者会見で、日本航空と日本エアシステムの経営統合について、「経営を統合するなら、2社が持っている羽田空港の発着枠の一部を召し上げて再配分するのは当然だし、期待している。スカイマークとエアドゥが合併するのではないかと言われていた時期に、旧運輸省から、『その際は羽田空港の発着枠を一部返してもらう。』と言われた。」と述べました。

@日本エアコミューターが広島西ー鹿児島線を増便
 日本エアコミューターは12月1日から3月31日まで広島西ー鹿児島線を1日2便から3便に増便しました。4月以降も週3便体制でいくとのことです。これは、フェアリンクがこの路線から撤退したため、日本エアコミューターに乗客が増えることを見越した処置とのことです。


*12月7日

@キャセイ機が乗客トラブルで成田空港に緊急着陸
 
昨日午後8時5分頃、香港発バンクバー行きのキャセイ航空888便から、「乗客がたばこを吸おうとして紙に火をつけるトラブルがあったので、緊急着陸したい。」と言う連絡が成田空港にありました。同機は9時36分に着陸し問題の乗客を入管に引き渡した後、バンクバーに向かいました。入管ではこの乗客から事情を聞いています。

@全日空グループの10月分旅客実績・国際線は40%減
 全日空が昨日発表したグループの10月分旅客輸送実績によりますと、国際線で前年同月比41.1%減と8ヶ月連続のマイナスになりました。国内線も同7.6%減と、こちらは7ヶ月ぶりのマイナスになりました。国際線の搭乗率は46.3%で前年同月比で28ポイントの減少になりました。

@全日空社長が日航とJASの経営統合に危惧を表明
 全日空の大橋社長は日本航空と日本エアシステムの経営統合について、「羽田空港の3社競合路線で2社のシェアーが7割になる。これでは乗客の利便性が損なわれる恐れがある。乗客の利便性は競争の中でこそ、改善される。公正取引委員会から意見聴取があれば、このことを訴えていきたい。」と述べました。これについて、全日空の広報では、「統合がやむ終えなければ、羽田空港の発着枠の見直しをお願いしたい。」と述べています。これに対して、国土交通省の担当者は「これは、全日空にとって都合の良い理論だ。かっては全日空も日本エアシステムとの統合を考えていた。」と述べています。


*12月6日

@空港民営化は国土交通省案を中心に進む見通し
 昨日の塩川財務相と扇国土交通相との会談で3空港の民営化は国土交通省の上下分離方式を軸に調整される見通しになったようです。
【コメント】結局、小泉首相の掲げる『行政改革』もそろそろ引き際に来たのでしょうか。道路と医療制度の改革で妥協をさせられて、小泉首相自身の熱も冷めて来たような感があります。自民党や公明党や保守党の従来からの『公共事業ばらまき』型のやり方を守ろうとする勢力の『中押し勝ち』と言うことになるのでしょうか。しかし、関西の3空港(関西国際空港・伊丹空港・神戸空港)はどうなるのでしょうか。10年先はともかく、5年先に容量を満たす需要があるとは思えないのですが。

@全日空機が空気漏れで引き返す
 昨日午後8時55分頃、関西国際空港発ホノルル行き全日空1058便・B−767−300型機が和歌山県串本市の上空を飛行中に乗客用のドアから空気が漏れる音がしたため、同機は関西国際空港に引き返しました。乗客は代替機で10時53分にホノルルに向け出発しました。

@衆院内閣委員会委員長が原子力施設上空の飛行禁止求める
 昨日、茨城県東海村を視察した衆議院内閣委員会の大畠委員長は視察後の記者会見で、「米同時多発テロのような事態を考えると、原子力施設上空を飛行禁止空域とするように、国土交通省に求めていく。」と語りました。


*12月5日

@「行革断行評議会」が成田空港単独の民営化案
 石原行革担当相の私的諮問機関「行革断行評議会」は今日、特殊法人の新東京国際空港公団(成田空港)を単独で民営化し、関西国際空港2期工事の凍結を検討するよう提案する独自の改革案をまとめました。国土交通省案は関空の赤字を成田の料金収入で埋める新たな「プール制」との批判も出ていました。同評議会案は、成田の経営を関空の赤字問題と切り離すことで国際競争力を維持・強化するのが狙いです。

@財務相が関空2期工事継続を表明
 塩川財務大臣は今日午後の記者会見で、午前中の扇国土交通大臣との会談に触れ、「関西国際空港2期工事について、埋め立てを継続してくれ、と言って置いた。与党3党の幹事長からも意見書を受け取ったし。」と述べ、予算処置もする事を示唆しました。しかし、「事情が変わったら、(供用開始の延期を)検討したらいい。」とも述べ、含みを持たせています。

@大阪府が今日から関西国際空港周辺の騒音調査
 大阪府が毎年実施している関西国際空港周辺での航空機騒音調査が今日から始まりました。これは、海上空港の関西国際空港を発着する航空機の騒音が基準を超えていないかどうか調査するものです。大阪府の岬町や貝塚市などで1週間の調査が行われ、結果は来年1月に公表されます。

@エアドゥの運賃値上げに大手3社は追従せず
 エアドゥが来年2月から特割運賃と回数券運賃を値上げするのに伴い、大手3社も追従するのではないかと注目されていましたが、大手3社は運賃を据え置くことを明らかにしました。これにより、大手3社の特割運賃とエアドゥの回数券運賃との差は4000円から2000〜1000円に縮まることになります。


*12月4日

@国土交通省の事故調の役割分担不明確で対応に遅れ
 10月1日に発足した、国土交通省の航空・鉄道事故調査委員会の役割分担が明確になっていないため、ニアミス報告の対応に遅れが出ているそうです。今回のエアニッポン機のニアミス報告についても相手機の特定に遅れが出て、結局、自衛隊側の調査で特定されました。航空局側は「ニアミスについても、これからは事故調の分担。」と言い、事故調側は「こちらは原因究明が仕事。関連情報収集は航空局の仕事。」と言っています。発足から、役割分担のルールー作りをしてこなかったことが原因のようです。

@エアドゥの11月搭乗率が68%と目標を上回る
 エアドゥが発表した11月の搭乗率は67.8%で目標を上回り好調でした。新千歳ー羽田線の搭乗率は1万円の特割運賃を設定した日本航空が68.9%と1位でしたが、それに迫るものでした。個人の回数券が好調のようです。

@「ソニッククルザーの就航は2008年に」・ボー社副社長
 ボーイング社の副社長は都内で記者会見し、次世代高速旅客機「ソニッククルザー」について、「新型エンジンで効率化を図るため、2008年の就航を予定している。」と述べました。「ソニッククルザー」はマッハ0.98の巡航速度で飛び、日本ーアメリカ間で2時間、日本ー欧州間で2時間半から3時間の時間短縮が可能とのことです。


*12月3日

@「年内回答は難しい。」・大型ヘリ配備で山口県副知事
 山口県の米軍岩国基地に大型ヘリコプターの配備を通告された問題で山口県副知事は「受け入れるか受け入れないかの年内回答は難しい。騒音の資料もない。米軍が強行配備を行った場合は国と県・地元との信頼関係が損なわれることになる。」と語りました。

@ロシア・オホーツク市で輸送機が墜落18人が絶望か
 昨日、ロシア東部のオホーツク市近郊で貨物輸送機が空中爆発し、緊急着陸を試みましたが、墜落しました。この輸送機には乗員9人と国境警備隊の兵士5人など18人が乗っていましたが、全員絶望と見られています。爆発は2回あったとのことですが、原因についての情報は今のところありません。

@キャセイ航空の香港ー新千歳線が3年2ヶ月ぶりに再開
 昨日、キャセイ航空の香港ー新千歳線が3年2ヶ月ぶりに再開されました。この路線は1990年に開設されましたが、香港返還前から客足が落ち始め、運休していました。昨日午後4時頃、香港からの第1便が満席の約300人を乗せて到着し、午後5時過ぎに香港に向けて新千歳空港からの第1便が飛び立ちました。


*12月2日

@本会として、12月10日に国土交通省へ要望書を提出します。

@空港公団が騒音体験ルームを設置へ

 空港公団は来年4月、航空機騒音などを体験できる「音の体験ルーム(仮称)」を整備することになりました。周辺住民に航空機騒音に対する理解を深めてもらうためで、成田市三里塚御料の空港情報センターと、芝山町岩山の航空科学博物館の2か所に開設されます。総工費は約3000万円で、航空機の騒音や、車やセミの鳴き声など、大別して4種類の音が用意されているそうです。航空機騒音は、成田空港に多く飛来している5種類の航空機の騒音を聞くことができ、滑走路からの距離によって、ボーイング747―400型機の騒音がどのように違って聞こえるかを知ることができるようになります。

@航空灯検査は消灯時と大差ない
 先月29日に行われた 暫定平行滑走路の南端にある航空灯の光が畑の作物に影響を与えるかどうかの検査結果ではあまり大きな影響はないようです。当日は曇り空でしたが、晴天の月が出ている日の照度が2ルックスだった地点で、消灯時が0.15ルックスで、点灯時が0.18ルックスだったとのことです。

@旧運輸省が関空現滑走路の増便可能試算を隠す
 旧運輸省が2年前に、関西国際空港の現滑走路の発着回数を「運用によっては16万回から22万回に増やせる。」と試算していたにもかかわらず、「2本目の滑走路工事の実施の障害になる。」と隠していたことが明らかになりました。これは、有識者や航空会社などを交えた「航空処理容量検討委員会」で1999年秋に報告書をまとめ、その中で、関西国際空港についても試算したものです。これによりますと、「発着許可を出す管制のタイミングや陸上で発着間隔を詰める運用をすることにより、4割程度増やせる。したがって、関西国際空港の現滑走路では22万回にできる。」としています。この報告に基づいて羽田空港では2000年夏と2002年夏の増便を決めています。関西国際空港についてこの試算を公表すると、始まったばかりの2期工事に影響するとして公表しなかったものと見られています。関西国際空港の2000年度の運用実績は12万4000回で減少傾向が続いています。
【コメント】この発着回数の増加試算について本会は従来から、「航空機の発着間隔を短くすることになり、安全上問題がある。」と指摘しています。11月12日に起こったアメリカン航空機事故でも一時この飛行間隔が原因と疑われました。ですから、4割も運用を増やすことはとても無理と考えられます。それは置くとしても、関西国際空港の2期工事の必要性について疑問を投げかける試算であることは確かです。


*12月1日

@11月のアクセス数は8426回でした。ご愛読感謝いたします。

@日本航空グループの10月分国際線旅客が33%減に
 日本航空が昨日発表した10月分の旅客実績によりますと、グループ全体の国際線旅客が前年同月比33.3%の減少になりました。方面別で見ますと、前年同月比で太平洋線が52.9%減、グアム・サイパン線が53.4%減、欧州線が34.7%減、アジア線が28.3%減、中国線が10.5%減、韓国線が19.6%減となっています。また、貨物も同8.4%減になりました。

@岩国基地に米軍大型ヘリ配備の通告
 防衛施設庁の次長が昨日、山口県庁と岩国市役所を訪れ、「年内に米軍岩国基地に米軍の大型輸送ヘリコプターを配備するので、地元の協力をお願いしたい。」と通告しました。これは、アジア地域のテロなどの不測の事態に対処するものとのことです。配備されるのはハワイの海兵隊基地から移籍するCH−530型輸送ヘリ8機で、航続距離は1100Kmあり、東アジア全域がカバーできます。この通告を受けた山口県や岩国市はとまどいを隠していません。
【コメント】「テロなどの不測の事態」と言いますが、当然、朝鮮民主主義人民共和国を見据えての体制強化と考えられます。そして、怖いのはテロがなくても、アメリカが「テロ支援国家」とレッテルを勝手に貼り、勝手に戦争を始める可能性があることです。そうなれば、日本は否応なく戦争に巻き込まれることになるのではないでしょうか。

@ボーイング社が燃料電池旅客機を開発へ
 ボーイング社が燃料電池を動力源とした航空機の開発を始めます。これは、航空機からでる排ガスの低減を目的としたもので、当面、プロペラ機の開発を目指し、2004年に試験飛行を開始する予定です。ジェット機への利用はまだ難しく、当面はジェット旅客機の補助動力装置への利用を目指すとのことです。