2002年6月の出来事


*6月25日

@都合により、明日から7月3日まで更新できません。次の更新は7月4日になる予定です。

@解説と資料のページに「芝山町菱田地区の田圃に浮いた油状物質の調査結果」を載せました。

@成田市長がWECPNL問題で環境省に改善要望
 小川成田市長は昨日、暫定平行滑走路と4000m滑走路に挟まれた地域の騒音がWECPNLで計算すると静かになってしまうと言う問題(5月27日の出来事・WECPNLの問題点を参照)で環境省に対し、航空機騒音を実情にあった測定方式に改めるように求める要望書を提出しました。また、成田市独自でも学識経験者等と相談して実情に合った測定方法を探っていく事にしています。

@成田市県議宅で放火未遂・過激派テロか
 23日午後11時50分頃、暫定平行滑走路飛行コース直下にある成田市土室の千葉県議会議員成尾政美さん宅から火が出ているのを隣家の人が見つけて通報しました。火は長屋門の生け垣などを焦がしただけで消し止められました。現場には溶けた赤いポリタンクと一升瓶があり、燃料が燃えたような臭いが立ちこめていました。成尾さんは自民党県連の空港対策特別委員会に属しており成田空港推進の立場を取っていますが、自宅は騒音区域内にあり、地域の騒音対策の取りまとめも行っています。警察では恨みによる放火事件と過激派テロの両面で捜査しています。

@東峰神社立木伐採訴訟の第1回公判開かれる
 空港公団が昨年6月平行滑走路敷地内にある東峰神社の立木を伐採した問題で東峰地区住民7人が起こした訴訟の第1回公判が昨日、千葉地裁で行われました。原告側は「神社が建立された時点で、東峰地区全体の総有関係に入った。」としていますが、空港公団側は「空港公団が所有しており、国土交通省右方に基づいて伐採した。」と全面的に争う答弁書を提出しました。

@日本航空が成田ーニューデリー線を27日から再開
 日本航空はインドとパキスタンの緊張が高まる中で13日から運航を見合わせていた成田ーニューデリー線を27日から再開すると発表しました。週2便運航されます。

@エアドゥが民事再生法を申請
 経営難に陥っていたエアドゥは今日、東京地裁に民事再生法の適用を申請しました。これは、今年3月期で約3億円の債務超過に陥り、自力再建を断念したものです。負債は58億円とのことです。大幅な減資は個人株主が多いことから、3分の2の賛成が得られる見通しが立たないことによるものです。再生法により、減資と債権放棄を行い、全日空の支援を受けて再建を図る計画です。運航は継続します。全日空は減資後に10%程度の増資に協力しますが、北海道の航空会社の独自性は尊重したいとしています。社名は変更されることになりそうです。

@航空労組連絡会が雇用確保を要請へ
 国内航空大手の労働組合や在日外国系航空会社の労組で作る航空労組連絡会は昨日記者会見を行い、日本航空と日本エアシステムの経営統合後の雇用確保を経営側に繰り返し要望していくと発表しました。経営側は今のところ、「努力する。」としか回答していないそうです。また、国土交通省に対しては統合後の持株会社に対しても航空法が適用されるよう要望書を提出するとのことです。

@小型機の残骸山梨県の山中で発見される
 一昨日消息を絶った小型機の残骸が今朝8時20分頃、捜索していた山梨県警のヘリコプターにより山梨県南部町の白水山中腹で発見されました。3人の遺体も収容されました。

@A380型機開発に日本の3社が参加
 エアバス社は今日、「次世代超大型旅客機A380型機の開発に三菱重工業・富士重工業・川崎重工業の3社が参加することで合意に達した。」と発表しました。売上高は3社で1034億円以上に達するそうです。

@UALが米政府に18億ドルの債務保証を申請
 米同時多発テロ以降の経営不振にあえいでいるユナイテッド航空の持株会社であるUALは昨日、アメリカ政府に対して18億ドル(約2200億円)の債務保証を行うよう申請しました。この債務保証で近く金融機関から20億ドルの融資を受けることにしています。

@アメリカン航空が来年末に全て電子チケットに移行
 アメリカン航空は2003年末までに、紙のチケットを廃止し、ウエブサイトなどを通して行う電子チッケトのみにする方針を明らかにしました。2003年2月からは紙のチケットに対して20ドルを上乗せし、電子チケットへの移行を促進するそうです。


*6月24日

@「鉱油ではありません。でも、なんだか分かりません。」と空港事務所
 5月9日に暫定平行滑走路飛行コース直下の芝山町菱田地区の田んぼにきらきら光る油状物質が浮いていた問題(5月9日の出来事を参照)で、国土交通省成田空港事務所と空港公団が菱田地区を訪れ、調査結果を説明しました。それによりますと、「鉱油でないことから、飛行機からのものではありません。」と言うことでした。地元住民が、「それでは、あれはいったい何なのか。」と質問したところ、「鉱油かどうかを調べただけで、何の物質かは調べていません。」とのことでした。住民からは、「暫定平行滑走路が供用開始になる前は何十年もこんな事はなかった。我々も飛行機からのものでないならば、何か心配だ。教えて欲しい。」と言いましたが、それ以上の答えはありませんでした。なお、調査を依頼したところは出光石油とのことです。
【コメント】今回もすっきりしない結論です。ビニールハウスの汚れについても、最初の調査では「砂などの汚れにカビが生えたものである。」とし、次の調査では、「有機物質(油分)であることは確かだが、これが、飛行機によるものかどうかは分からない。」と言うものでした。何か、作為が感じられます。また、今回の調査では、本当に住民のためを考えたら、この物質の正体をとことん調べる気持ちがあっても良いと思うのですが。

@長崎空港で白い粉騒ぎ
 今日午前7時30分頃、長崎空港の受付カウンター前の床に白い粉が散らばっているのが発見されました。この粉は警察が回収しましたが、この間、受付業務が停止されました。しかし、フライトスケジュールには影響ありませんでした。粉はグラニュー糖状で炭疽菌の可能性は小さいとのことです。

@新島から山梨に向かった小型機が行方不明
 昨日の午後3時20分頃、伊豆諸島の新島から山梨県の日本航空学園飛行場に向かっていた、フランス・ソカタ社TB21型機が行方不明になりました。会社所有の単発プロペラ機で3人が乗っていました。静岡県芝川町や山梨県富野町などで甲府方面に飛んでいた小型機が目撃されています。今日は空と海、そして、消防団などが出て捜索しましたが、悪天候で発見することが出来ませんでした。今日の捜索は午後5時で打ち切りとなりました。

@エアバス社が南アフリカ航空から41機を受注
 エアバス社は南アフリカ航空からA340−600型機を9機、A340−300E型機を6機、A319型機を11機、A320型機を15機受注したことを明らかにしました。契約額は35億ドルになるとのことです。南アフリカ航空は10年かけて、今就航しているボーイング社の航空機などをエアバス社に統一する計画です。


*6月23日

@日本エアシステム機が燃料漏れで欠航に・大分空港
 21日午前10時45分頃、大分発羽田行きの日本エアシステム332便・MD−90型機が出発前の点検で燃料供給ポンプから燃料が漏れているのが発見されました。結局、332便は欠航となり、155人の乗客は別の便で羽田空港に向かいました。同機は夕方、羽田空港に回航されました。

@新福岡空港のアクセス整備費が1410億円
 福岡の市民団体『市民オンブズマン福岡』が情報公開請求で手に入れた資料によりますと、海上に建設が予定されている新福岡空港へのアクセス整備費は1410億円になることが明らかになりました。内容は(1)海上連絡橋、(2)連絡鉄道・2.8Km、(3)高速道路・8.0Kmとなっています。これに、空港建設費を合わせると約1兆円が必要となります。

@中国東方航空の鹿児島ー上海線が8月28日に就航
 須賀鹿児島県知事が21日の県議会で明らかにしたところでは中国東方航空が鹿児島ー上海線を国土交通省に申請したとのことで、8月28日から水曜・土曜の週2便をA319型機で運航することになったそうです。


*6月22日

@昨日は急用で更新できませんでした。申し訳ありませんでした。

@羽田空港再拡張に地元負担を求める
 国土交通省は昨日、羽田空港再拡張の事業費に関係自治体の負担を求める方針を明らかにしました。これについて、石原都知事は「国の提案を待って対応を考えたい。今は手の内は明かせない。」と述べました。

@スカイネットアジアの羽田ー宮崎線を許可へ
 国土交通省は羽田ー宮崎線に新規参入するスカイネットアジア航空からの申請を許可することを明らかにしました。これによって、8月1日からの就航が確定し、1日5便が運航されることになります。料金は大手よりも1万円安くする事になっていますが、大手も対抗策を打ち出すと思われます。

@エアドゥが全日空との提携を取締役会で決める
 エアドゥは20日の取締役会で全日空との提携を決めました。株主総会で正式決定とする事になっています。全日空は減資と北海道庁からの18億円の債権放棄を求めており、出資は今のところ考えていないそうです。

@下地町議会が自衛隊機訓練誘致に反対を決議
 沖縄県の下地町議会は昨日、伊良部町が下地島空港への自衛隊機訓練を誘致しようとしていることに対し、「自衛隊など軍事目的には絶対に使用させない。」と言う意見書を全会一致で採択しました。この意見書は国などに送付されます。

@三菱電機がボーイング社からネット用アンテナを受注
 三菱電機は20日、ボーイング社から機内インターネット用アンテナを受注したと発表しました。2003年末には本格的生産に入る予定です。これは衛星通信を使い機内で地上と同じように双方向の高速インターネットに接続できるようにするものです。初年度に400本を納入し、10年間で4000本の生産を予定しています。


*6月20日

@成田空港でのMDMAの押収量が半年で昨年上回る
 東京税関成田支署と空港警察署の発表によりますと、合成麻薬MDMA(通称エクスタシー)の成田空港における押収量が1月から昨日までに9万錠に達しました。昨年1年間の押収量が86000錠でしたので、半年で昨年1年間分を押収したことになります。

@19日の欧州の空は管制官のストでマヒ状態に
 19日の欧州の空は、フランス・イタリア・スペイン・ポルトガルなど6カ国の管制官の組合によるストライキでマヒ状態になり、多数の航空機が運休になりました。フランスでは国内線と近距離国際線の90%が運休、又は、大幅な遅延を出しました。このストライキはEUが一部路線の過密を解消するために欧州の管制を1元化する計画を出してきたのに対し、「効率化のための、安全無視だ。」と組合が強く反発したものです。また、組合はこれにより「管制官が減らされるのではないか。」と言う不安もあるためのようです。

@全日空社長がエアドゥとの提携成立を否定
 北海道新聞などが「全日空とエアドゥとの提携交渉が妥結した。」と報じた問題で、全日空の大橋社長は「こちらから投げかけてはいるが、まだ、エアドゥからの返事は来ていない。」と提携成立を否定しました。


*6月19日

@今日、空港公団から3月に行われた「第29回騒音対策委員会議事録」が送られてきました。

@石原行革相が上下分離民営化案を批判
 石原行革担当大臣は昨日の記者会見で、国土交通省が提示した3空港上下分離民営化案について、「インフラは空港建設のみならず、維持管理にも莫大な金がかかる。負担するのは地元や航空会社や将来世代だ。民営化するなら、黒字が出せるようにしないといけない。」と関西国際空港救済策の色合いが強い上下分離民営化案を批判しました。

@神戸空港反対の市民団体役員に嫌がらせの葉書相次ぐ
 
神戸空港建設に反対する市民団体のメンバー3人に『死ね』などと脅迫的言葉が書かれた葉書が合計8回送りつけられていることが分かりました。グループでは兵庫県警に対して捜査するように求める要望書を提出しました。

@全日空、エアドゥ支援で役員の派遣も検討
 全日空はエアドゥ側から要請があれば役員を派遣することも含めた支援策の検討を進めています。この他に、現在日本航空が行っている機体整備を全日空に移管すること、チッケト販売の受託、予約システムの提供などの支援をすることを検討しています。さらに、エアドゥの便に日本航空の名前も付けて共同運航にする予定です。


*6月18日

@ベトナム航空の成田ーハノイ線が29日から運航
 日本からベトナムのハノイへの初めての直行便が29日に成田空港から運航されます。日本航空との共同運航で週4便になります。

@操縦室のドア強化を外国機にも適用・アメリカ
 アメリカの運輸長官はアメリカで義務づけられているテロ対策用の操縦室ドアの強化を、アメリカにも乗り入れる外国の航空機にも適用させると発表しました。強化する期限はアメリカ機と同じ2003年4月9日となっています。

@中華航空機のボイスレコーダーを回収
 台湾の航空当局は先月25日に台湾海峡に墜落した中華航空機のボイスレコーダーを海中から回収したと発表しました。


*6月17日

@米航空会社大手の5月旅客輸送実績が二桁の減
 アメリカの航空会社大手(15社)の5月分の旅客輸送実績が発表されましたが、国内線は前年同月比10.8%減、国際線が同5.8%減となりました。国内・国際を合わせても同10.3%減と二桁のマイナスになりました。これで、米同時多発テロ以降9ヶ月連続の減少となりました。個人客は回復基調ですが、ビジネス旅客が低調のまま、とのことです。


*6月16日

@徳島県知事が徳島空港拡張工事完全中止を断念か
 太田徳島県知事は14日、県議会の野党5会派の「県民の意見を聞く前に知事の意見を明らかにして欲しい。」「県民の意見の聴取に際しては、一部の意見に偏らないようにして欲しい。」との申し入れを受けた際、知事の意見は明確にしませんでしたが、「8月に自らの責任で明確にする。」「大きな変更が不可能である以上、完全にやめるのも難しい。」と述べ、完全中止の断念を示唆しました。
【コメント】野党5会派のやり方も汚いですね。知事の意見は選挙の公約で誰の前にも明らかになっているはずです。今、改めてこれを言わせようというのは、ここで、言質を取って、公約と違っても違わなくても決定後に責任問題にして、あわよくば、辞任に追い込もうというのでしょう。それと、中止は当座は確かに徳島県の地域経済にとってマイナスになると思いますが、工事を強行することによって建設費の将来にわたる県民への負担がどうなるのか、と言う点の議論がないように見受けられます。失礼ですが、徳島空港拡張が採算に見合うような需要を喚起するとは思えないのですが。

@全日空がソウルへのチャーター便を8便から1便へ減便
 全日空はワールドカップの期間中、羽田空港からソウルへのチャーター便を8便運航する予定でしたが、需要が少なく、1便に減便することを明らかにしました。どうも、ワールドカップの経済効果は旅行業界や航空業界にとっては当てはずれに終わるようです。


*6月15日

@関西国際空港の朝夕の発着枠を緩和へ
 国土交通省は関西国際空港の朝と夕方のラッシュ時間帯発着枠を一部緩和する方針を固めました。現在、1時間当たりの発着制限は30回、連続3時間の制限は81回となっています。この内、連続3時間の制限を撤廃する事になりました。これは、関西国際空港2期工事の延期を視野においた措置と見られています。2期工事の延期に対して、大阪府などは「朝夕の時間帯が満杯だから、2期工事は必要だ。」と主張していますが、今回の措置でこの根拠がなくなることになります。

@スカイマークが8月から国際チャーター便を運航へ
 スカイマークは8月から羽田空港深夜・早朝チャーター便を使って羽田ーソウル線を運航することを明らかにしました。チャーター便とはいっても、定期的にチャーター便を飛ばす予定で、実質的な定期便にする予定です。機材はB−767−300ER型機を使います。また、2005年には国際定期便に参入する予定で、その路線は成田ーソウル線になる可能性が高いとのことです。なお、スカイマークは4月期中間決算で7億8400万円の赤字を計上しました。売上げは0.6%増で、旅客収入は3%増でしたが、米同時多発テロ後の保険料の増加と羽田ー鹿児島線への就航費用がかさみました。10月通期では初めての黒字化を目指します。

@楽天市場社長がエアドゥ支援を検討
 インターネットショッピングの最大手・楽天市場の社長が経営再建中のエアドゥの支援を前向きに検討しています。同じベンチャー企業であることを考慮して、個人の資産管理会社からの出資や楽天市場の宿泊予約やチケット販売サイトでエアドゥのチケットを販売することなどを検討しているとのことです。


*6月14日

@成田空港の需要予測大幅な伸び・07年で約20万回
 国土交通省が今日の空港整備部会に空港の需要予測を提出しました。それによりますと、成田空港では2000年〜2007年までは年平均伸び率5.8%で年間発着回数が19.5万回、2007年〜2012年までは同4.5%で同24.3万回となるとしています。一方、関西国際空港では1本の滑走路の限界とされる年間発着回数が16万回に達するのは2011年〜2012年と、従来の2007年から4〜5年遅れることになります。
【コメント】共生大綱では「成田空港の年間発着回数を20万回に抑える。」としています。今日の需要予測ではこれが、後、5年ほどで一杯になってしまいます。オーバーした分は羽田空港再拡張による国際化で補うと言うことなのでしょうか。それとも、共生大綱の見直しを言い出すのでしょうか。気になります。また、関西国際空港の2期工事について、この需要予測が出ても今のまま強行するのでしょうか。

@上下分離で成田空港が154億円負担増に
 同じく今日開かれた空港整備部会に示された上下分離民営化案で上ものの民営化された会社が下ものの公的法人に払う施設使用料は成田空港が年間154億円余計に払い、関西国際空港は127億円少なく、中部国際空港も28億円少なく払うことになります。すなわち、成田空港が両空港の分を肩代わりすることになります。国土交通省は「空港島の造成で多額の建設費を払った分、不公平をなくすため。」としています。

@成田空対協が上下分離民営化に反対表明
 成田空港対策協議会は昨日総会を開き、国土交通省が進めようとしている上下分離民営化に反対する方針を明らかにしました。単独民営化が望ましいとし、「民営化された会社の株を千葉県・関係市町村・地域住民が一部を取得し経営に参画する民営化がこれから進むべき道。」としています。なお、この総会で会長の鬼沢氏が相談役に退きました。

@郵便物から白い煙が立ち上る・禁止薬品が漏れる
 12日午後2時頃、成田空港内にある新東京国際空港郵便局分室で国際エクスプレスメールの袋から白い煙が立ち上りました。調べたところ、箱詰めされた透明プラスチック容器から液体が漏れていました。この液体は郵便禁制品の塩化スルフリルでした。中国から都内の薬品会社宛に送られたものです。幸い、けが人はありませんでした。
【コメント】大事にならなくて良かったですね。薬品が航空機内で発熱して火災でも発生したら、最悪の場合、墜落も考えられます。


*6月13日

@国土交通省が上下分離民営化をごり押し
 国土交通省は明日開かれる交通政策審議会の空港整備部会で従来から国土交通省が主張している成田空港・関西国際空港・中部国際空港の3空港『上下分離民営化』案を説明し了承を得る考えのようです。そして、来年の通常国会に関連法の改正案を盛り込んだ空港民営化法(仮称)を提出したい意向です。これによりますと、ターミナルの運営については3空港のそれぞれを株式会社化し、上場して政府が保有株を放出することによって完全民営化を図ります。これにより、建設費がかさむ関西国際空港と中部国際空港の支払うべき費用の4分の1を成田空港が肩代わりすることになります。

@精神障害者の搭乗で一律の内規を改めるよう指導・国土交通省
 国土交通省は精神障害者の航空機への搭乗について一律に内規で規制せず、他の乗客に危害を与える可能性の有無などで搭乗の可否を行うよう航空会社の内規を改めるように指導しました。これは、今年の2月に都内の2人の男性が沖縄ツアーに参加し、添乗員が精神障害に気づいて帰りの搭乗の前に全日空に相談したところ、全日空は内規で(1)医師か看護士の同伴、か、(2)安全を証明する診断書を提出し付添人がいること、となっていることを理由に搭乗を拒否したことが明らかになったことによるものです。このときは、診断書をFAXで送ってもらい、家族を呼んで翌日帰京しました。このような内規は日本航空や日本エアシステムにもあることから、今回の指導になったものです。

@トヨタが開発中の小型機が先月初飛行
 トヨタ自動車が開発している4人乗りの小型プロペラ機・トヨタアドバンスエアクラフトが先月、アメリカのカルフォルニア州で初飛行しました。これは、機体や部品の耐久性などを調べるためです。トヨタのスポークスマンは「ビジネスチャンスはある。だから我々は研究している。現在飛行している小型機は旧式になってきており、買い換えの新しい需要があるだろう。」と述べました。


*6月12日

@芝山鉄道開業が10月27日に決定
 芝山鉄道の開業が10月27日に決定しました。工事が今月中に全て終わる見込みが立ったことにより、この開業が本決まりになったものです。工事完了から、慣熟運転などの最後の準備に入ります。

@堂本知事が千葉県の騒音に配慮を要望・羽田国際化
 千葉県の堂本知事は昨日、首相官邸を訪れ、経済財政諮問会議が「羽田空港を再拡張し、2000年代後半までに国際線の就航を図る。」と決めたことに対して、「千葉県の騒音問題に十分配慮して欲しい。」と福田官房長官に要望しました。官房長官は「よく分かった。」と答えたそうです。会談後の記者会見で知事は「現在でも1日750回の発着のほとんどが千葉県上空を飛行している。これが、1日に1100回に増える。石原都知事も騒音を千葉県だけに背負わさないと言う点では同じ見解と思う。」と語りました。

@那覇空港で自衛隊機が部品落とす
 昨日午後1時50分頃、那覇空港の着陸した航空自衛隊那覇基地所属のF4戦闘機の模擬ミサイルの先端を覆っている強化プラスチックが脱落しているのが発見されました。那覇空港は点検のため5分間閉鎖されましたが、滑走路付近では発見されませんでした。飛行中に脱落したものと見られています。

@ボーイング社が運航費20%減の旅客機開発を計画
 ボーイング社は現在の旅客機よりも運航費を20%少なくする旅客機の開発計画の検討に入ったことを明らかにしました。機体を大幅に軽量化することなどで、燃費の向上などを図ります。開発されるのは250人乗り程度の中型機で、次世代高速旅客機「ソニッククルザー」の開発よりも優先することもあり得るとしています。


*6月11日

@空港整備構想作製を義務づけ・住民等の意見聞く機関も設置
 国土交通省は3大都市圏の国際空港を除く一般空港の整備手続きを透明化するために、必要性や候補地選定の過程、規模、費用対効果分析などを盛り込んだ空港整備構想を住民等の意見を聞き作製するよう地方自治体に義務づける方針を固めました。また、第8次空港整備5カ年計画では個別の空港整備計画は盛り込まず、空港整備にあっては(1)事業の必要性などを航空行政面や技術面から評価するために航空局内に検討委員会を設け、(2)関係する地元住民等を巻き込んで意見を聞くパブリックインボルブメント(PI)の手続きを実施する第三者協議会を設けることを決めました。これにより、二段階で住民の意見を聞き、神戸空港や静岡空港のように住民が住民投票を求める事態を避ける目的があるものと思われます。

@6月のツアーが大幅に落ち込む・W杯のため
 6月の海外ツアーパックの申し込みが若年層を中心に大幅に落ち込んでいるそうです。前年同月比で10%以上の落ち込みで、若年層は25%近い落ち込みになっているところもあるそうです。それに比べて、中高年層は前年に比べて変わりないそうで、原因は若年層が海外旅行よりもワールドカップの観戦を選んだ結果と考えられています。


*6月10日

@全日空G「Web割」を7月1日から開始へ
 全日空は全日空とエアニッポンでインターネットを使った予約割引「Web割」を7月1日から開始すると発表しました。予約できるのは7月19日〜31日と8月21日〜9月30日までの期間で、最大29%の割引になるそうです。ただし、予約・旅程の変更はできないそうです。

@航空燃料調達にデリバティブを活用
 航空各社は運航費の3割を占める航空燃料高騰のリスクを回避するため、商品デリバティブを積極的に活用しているようです。デリバティブとは金融機関が航空燃料の予想価格を航空会社に提示して金融商品を航空会社に販売し、航空燃料の価格が予想価格よりも高くなった場合は差額を航空会社に支払い、逆に、航空燃料の価格が予想価格よりも下がった場合は航空会社が差額を金融機関に支払うものです。航空会社としてはこのデリバティブを活用することにより、航空燃料の高騰に安定的に対処できることになります。

@小型機用の簡易衝突警告装置が使用可能に
 川鉄商事はアメリカ製の小型機やヘリコプター用の簡易衝突警告装置の販売を始めることになりました。価格は18000ドル程度になります。この装置は飛行中に一定の距離内に他機が進入した場合、その距離や方向や高度などをディスプレイと音声で警告するものです。6月中旬にも電波法に基づく規則が改正されて、この装置が使用できるようになります。


*6月9日

@小松基地騒音協定問題で18日に町内会の意見聴取
 防衛庁から小松基地の騒音協定・「10・4協定」の改正を求められている問題で、市長から意見の取りまとめを依頼された「小松飛行場周辺整備協議会」は7日に理事会を開き、18日に総会を開き、町内会長の意見の聴取を行うことになりました。

@「基地との共存共栄を念頭に置きながら・・・」と小松市長
 西村小松市長は7日から始まった6月定例議会の挨拶で「10・4協定」について、「市民の意見を十分に聞きたい。基地との共存共栄を念頭に置きながら、飛行の安全性と運用の円滑化の確保に向けて、適切に対応していきたい。」と述べました。これは、防衛庁の申し入れを受け入れる意向を表明したものとも受け取れます。

@北九州地区3空港の活用についてシンポジュウム開催
 新福岡空港に反対し代替案を考えるシンポジュウムの第1回「新北九州空港論」が6日門司区で開かれました。このシンポジュウムは新北九州空港・福岡空港・佐賀空港の3空港について考えるものです。パネリストの福岡市議や北九州市議は「福岡空港はすでにパンクしている。10年も先になる新空港の建設を考えるよりは、混雑する羽田便などを福岡空港と佐賀空港に振り分ける方が現実的で、よけいな費用がかからない。」、「新福岡空港ができれば、新北九州空港は不要になる。」、「新北九州空港は本格的な国際空港とすべきだ。」、「新九州空港の連絡橋には自動車道路しか計画されていない。これでは、アクセスの不備で使えない空港となり、無駄な空港となってしまう。」などの意見が出されました。


*6月8日

@成田から入国したフーリガンが札幌で見つかる
 札幌入国管理局は昨日、市内に宿泊していた英国籍の男性をフーリガンと認定し、上陸許可を取り消し、拘束しました。この男性は5月21日に成田空港から入国していました。

@羽田空港の返上枠の配分固まる
 日本航空と日本エアシステムの経営統合に伴い返上される羽田空港発着枠9便の再配分がほぼ固まった模様です。それによりますと、スカイマークに3便、全日空に4便、残りの2便は暫定的に統合した日本航空と日本エアシステムが使うことになるようです。

@都地労委が日本航空に不当労働行為で改善命令
 東京都地方労働委員会は6日、日本航空がメールボックスを日常業務用と労働組合の活動用に分けているのは不当労働行為に当たるとして日本航空に改善を命じました。日本航空は1997年9月にメールボックスを新しくした際、上記のように分けたものです。地労委は「協議が整う間、年12回を限度として、メールボックスに組合文書を配布することを妨げてはならない。」としています。

@訪日外国人が過去最高・4月
 国際観光振興会は6日、4月の訪日外国人が前年同月比2.5%増と、同会が1961年に統計を取り始めてから過去最高を記録したことを明らかにしました。なお、4月の出国日本人は同9.0%減と8ヶ月連続のマイナスになりました。

@日航とIASSが羽田でビジネス機の総合サービス開始
 日本航空とIASSは7月から羽田空港でビジネス機の駐機、整備、給油などの総合サービスを共同で開始することになりました。今まで、日本にはこのようなサービスがなく、成田空港や羽田空港に到着したビジネス機は、再び飛び立って外国の整備格納庫に行かねばならず、割高になっていました。


*6月7日

@岩国基地で夜間騒音ひびく・最高98db
 4日の夜山口県米軍岩国基地で9時から約1時間の間にジェット機の騒音がひびきました。市の基地対策化には市民から25件の苦情が寄せられました。市の測定では70db以上の騒音が5秒以上続いた騒音が15回あり、最高は98.5dbにもなりました。市では5日に米軍に対し夜間訓練の自粛を要請しました。

@モスクワの空港近くの墓地でロケット弾5発見つかる
 ロシア内務当局が明らかにしたところによりますと、6日、モスクワ郊外のブヌコボ空港近くの墓地の中からロケット弾5発が発見されました。発見場所は飛行コースの直下だったとのことです。当局では、旅客を撃墜するテロの目的か、武器の密売のために一時的に保管していたのではないかと見ています。


*6月6日

@国土交通省の示した「民営化3案」が国土交通省のページに出ていました。

@ドイツ人フーリガンが成田空港から入国・昨日発見される
 昨日午前、国立青少年オリンピックセンター付近で警察官がドイツ人フーリガンを発見し、入管に引き渡しました。この男性は3日に成田空港から入国し、センターに宿泊していました。ドイツでサポーター同士の騒動で傷害罪に問われたことがあります。国外退去を命じられたフーリガンは昨日の段階で33人になりました。


*6月5日

@成田新高速鉄道に91億円出資決める・成田市
 成田市は成田新高速鉄道に91億円を出資することを決定しました。6月定例議会に初年度の出資として2億円を計上します。土屋駅の問題は今後も協議していくとしています。これにより、千葉県が217億円(65%)、成田市が91億円(27%)、その他を関係市町村で負担することで、地方自治体の出資額が決着することになる模様です。

@口蹄疫阻止に靴底消毒始まる
 先月4日に豚の口蹄疫が発見された韓国から到着した乗客の靴底に対する消毒が3日から始まりました。成田空港でも消毒液をしみこませたマットを敷き、韓国から到着した乗客は全員この上を歩いて靴底を消毒する作業が3日から始まりました。

@徳島空港の工事再開・「8月中旬に結論出す」と知事
 大型公共工事の見直しの一環として2週間中止されていた徳島空港滑走路拡張工事が再開されました。太田知事は議会に対し、「昨年発注した護岸工事などを再開し、事業の見直しは県民の意見を集約する場を設け8月中旬までに結論を出したい。」と報告しました。

@大阪府や関西国際空港会社が上下分離案に賛成
 3日に行われた国土交通省交通政策審議会空港整備部会のヒアリングで大阪府と関西国際空港会社は民営化について、上下分離民営化案に賛成を表明しました。なお、現在までのヒアリングで上下分離案に反対したのは千葉県と中部経済連合会、態度を保留しているのは成田空港公団・愛知県・中部国際空港会社となっています。

@「2期工事は予定通りやらなくてはいけない」と扇大臣
 与党3党の関西国際空港推進議員連盟の陳情を受けた扇国土交通大臣は関西国際空港2期工事について「需要が伸びてから作っても、すぐできるわけではない。予定どおりやらないといけない。」と述べたそうです。
【コメント】これでは、需要予測は無意味になります。「やるのなら、いつ頃やれば間に合うか」を決めるための需要予測ではないのでしょうか。「何でも良いから、作ってしまえ。」というのは、従来からの大型公共事業のやり方ではないでしょうか。小泉内閣の「改革」はどこに行ってしまったのでしょうか。そして、関西国際空港が抱える膨大な債務はどうなるのでしょうか。

@エアドゥがついに3億円の債務超過に
 エアドゥが昨日発表した2002年3月期の決算によりますと、北海道からの追加資金約18億円を入れても、最終赤字が8億円になりました。これにより、累積赤字が75億円となり、資本金72億円を3億円上回る債務超過に陥りました。

@ボーイング社がH2A開発参加で三菱重工業と交渉
 日本を訪れているボーイング社のCEOは今日、都内で記者会見し、民間主導で開発することになった日本のロケットH2A開発計画参加に関して、三菱重工業と交渉していることを明らかにしました。また、この記者会見で、米同時多発テロで半分に落ち込んだボーイング社の旅客生産について「2003年が底になり、その後は徐々に回復してくるだろう。」と述べました。

@石川島播磨重工がGEエンジン整備事業に参加
 石川島播磨重工はアメリカのゼネラル・エレクトリック社の100人乗り以下のクラスの旅客機に使われている「CF34」エンジンの整備請負事業について、GEエンジンリサーチ社と契約を結んだことを明らかにしました。


*6月3日

@都合により、明日の更新が出来ません。悪しからず。

@日航機落雷で香港に引き返す
 昨日午後3時45分頃、香港から福岡に向かっていた日本航空754便が香港離陸後25分経って落雷を受けました。同機はこの落雷で左翼のエンジン1基が不調になり、このエンジンを止めて香港に引き返しました。乗客・乗員に怪我はありませんでした。

@アシアナ航空がソウルー宮崎線を7月7日まで運休
 韓国のアシアナ航空は週3便運航しているソウルー宮崎線を11日からワールドカップが終わる7月7日まで運休すると発表しました。これは、ワールドカップでソウルのホテル代金が高騰し、旅行会社のパックツアーが組めず予約が大幅に減少しているためだそうです。通常だと搭乗率が60%以上になっていますが、このところ、50%台に落ちており、予約も30%しか入っていないそうです。ワールドカップは旅行会社や航空会社にとって商売の好機とは言えないようです。


*6月2日

@関西国際空港の需要予測を下方修正へ
 国土交通省は現在進めている第8次空港整備計画で関西国際空港の需要予測を「2007年までに16万回に達する。」としていたのを、「2007年までに13〜14万回に達する。」と下方修正する見通しになりました。14日にも正式に示す予定です。関西国際空港の二期工事はこの「16万回」が根拠になっていますので、これにより、二期工事の必要性についての論議が再燃するものと思われます。国土交通省は昨年、「二期工事を3年延ばしたらどうか。」と地元に打診し、政治決着をつけた経過があります。

@カダフィ大佐の息子が夕べ成田空港に到着
 昨日の夜、韓国からリビヤのカダフィ大佐の息子がワールドカップ観戦のため、成田空港に着き、無事、入国しました。一行は13人ですが、25日に護衛の一人がシンガポールで軽機関銃とピストルを機内に持ち込もうとして押収されました。また、27日には経由地のバンコクで別の護衛2人がピストルを持ち込もうとして押収されています。成田空港ではこのようなトラブルはなかったとのことです。

@播磨空港建設見送りを正式に決定
 31日、「播磨空港建設促進協議会」が姫路市で開かれ、播磨空港建設の「見送り」を正式に決定しました。しかし、「建設中止」とはしておらず、情勢の変化によっては再び動き出す可能性があります。兵庫県も姫路市も「播磨空港は必要」との立場は崩していません。


*6月1日

@5月のアクセス数は12725回でした。ご愛読、感謝いたします。

@アメリカン航空が来年4月から成田ーロス線を就航へ
 アメリカン航空の会長は昨日の午後、東京で記者会見し、一昨日、日本航空の社長と会談し、業務提携の拡大で合意したことを明らかにしました。提携は主に共同運航の拡大になるようです。アメリカン航空としては日本航空が中国線の拡大に力を入れており、中国から日本を経由してアメリカへの乗客が増えることを期待しているとのことです。この記者会見の中で、アメリカン航空が来年の4月1日から成田ーロサンゼルス線を就航させる予定であることを明らかにしました。

@エアドゥが全日空と業務提携の交渉開始
 経営難のエアドゥは全日空との共同運航を含めた業務提携の本格的な交渉に入りました。エアドゥの経営建て直しに当たってはエアドゥ自体は前から業務を提携している日本航空との業務提携の拡大を目指しており、一方、資金援助を要請されていた北海道は全日空と資金援助も含めての提携を考えていました。エアドゥ側は全日空との提携では運賃の設定なども規制されて独自の方針が貫けなくなると消極的でした。しかし、日本航空との交渉でも事業拡大と収支改善の見通しは出ませんでした。また、国土交通省からは羽田空港の使用料の滞納金10億円の支払を求められました。北海道知事は一昨日、エアドゥの社長と会談し、全日空との業務提携をするよう説得しました。全日空側も運賃の決定などの独自性は尊重すると言う条件を出したようです。全日空としても日本航空と日本エアシステムの統合に対抗するためにもたの航空会社との提携を強めなければならないと言う事情があったようです。

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