第28回新東京国際空港騒音対策委員会 議事録
平 成13年 3月 29日

く議事次第> 開会
委員長挨拶 委員紹‐介
第 28回新東京国際空港騒音対策委員会
議題報告 環境対策実施状況について 財団事業の進捗状況について
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質疑応答
閉1会 <配布資料> 報告事項|
暫定平行滑走路工事の進捗状況に|つ いて
1.環境対策実施状況 2.財団法人 「成田空港周辺地域共生財団」事業の進捗状況 3.暫定平行滑走路工事の進捗状況 (プロジエクター使用)
参考1資料 1,環境レポートvol.5(平成13年2月発行) 2.緑化施設ガイドマップ (春~夏) 3.地域相談室業務項 目別集計‐表 4.新東京国際空港の動き (暦年別)
第28回新東京国際空港騒音対策委員会委員名簿 役職等氏名備考
委員長 (新東京国際空港公団副総裁) 永 井 隆 男
(成 田地区部会) 成田市長 小川国彦
成田市議会議長 成田市議会空港対策特別委員会委員長 成田空港騒音対策地域連絡協議会会長 成田空港騒音対策地域連絡協議会事務局長 郡 司 福 男
〈芝 山 地 区 部 会 〉 芝山町長 相川勝重 芝山町議会議長 平岡 明 芝山町商工会長 藤川 博 芝山町住民代表 石井 登
(松尾・横芝・蓮沼地区部会〉 松尾町長 古谷 淳 横芝町長 賞 川 堅司郎 蓮沼村長 浪川瀞一
岱鮮湛璽L議長 大倉富重雄
。 (大栄 多古・下総地区部会〉
大栄町長 多古町長 下総町長
佐藤末勝 土井正司 可瀬力
〈富里・山武地区部会) 富里町長 山武町長 並木宏夫
山 崎 昭 男 神 崎 富士雄 平 山 正 吉
相川義雄 犠臀オ躍増功
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役職等
(佐原・神崎地区部会) 佐原市長 神崎町長
〈河 内 。 新 利 根 。 江 戸 崎 地 区 部 会 ) 河内町長 新和l根 町長 江戸崎町長
(国土交通省〉 東京航空局次長 新東京国際空港長
(千葉県) 企画部長
〈茨 城 県 〉 生活環境部長
〈航空会社代表〉 新東京国際空港AOC議長
日本航空 (株)成田空港支店長
〈学識経験者〉 千葉大学名誉教授 成田空港から郷土 とくらしを守る会事務局長
氏名備考
鈴木全一 後藤好男
野高貴雄 浦口 勇渕嚢琶内 寛信
坂尻敏光 井上和夫
田辺英夫 儡魔損齊藤

〈新 東 京 国 際 空 港 公 団 〉 理事 地域共生部長
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代理出席 島 徳一郎 生活環境部環境対策課長補佐(技 術総括)



山口 祥教 松山 啓哲
鈴本伸
岩田公宏
伊能楯雄 平 山 由次郎
小関雅
管蒲譴狡医議長中
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【司会】 定刻となりました。ただいまから、第28回新東京国際空港騒音対策委員 会 を開催 させ ていただきます。
本委員会の司会進行をさせていただきます私は、NAA地域共生部共生企画室の橋 本 と申します。よろしくお願いいたします。
では、議事次第にしたがいまして、本委員会の委員長でありますNAA副総裁の永 井 よ りご挨 拶 を させ て い た だ き ます 。
委員長挨拶
【永井委員長】 ただいまご紹介をいただきました空港公団副総裁をしております永 井でございます。
本日は、年度末の大変お忙しい中、また足元の悪い中、ご出席を賜りまして誠にあ りがとうございます。第28回の騒音対策委員会を開催するにあたりまして、一言ご
挨 拶 を 申 し上 げ ま す 。 お陰様を持ちまして、成田空港はこの一年、大変l贋調に推移してきたと申し上げて
よろ しいか と思います。 空港の運用面につきましては、日本経済の先行き不透明感が継続 している中におき
ましても、平成12年における航空旅客数が2739万人、航空貨物量が188万ト ン、発着回数が13万3千回を数え、いずれも過去最高の取扱いを記録するとともに、 去る2月 16日 には、開港以来の航空旅客数の合計が4億人に達するなど、記念すべ
き年 とな りま した。 また、施設面につきましては、第1旅客ターミナルビルの能力向上と施設改善のた
めの改修計画が順調に進展をし、一昨年の北ウイング及び第1サテライトの供用に続 き、昨年7月 には第2サテライトもリニューアル供用いたしました。今後、第3・ 第 4サテライ トのリニューアル、南ウイングのリニューアル、さらに将来は第5サテラ イトの新規整備を進めてまいりますとともに、平行滑走路供用後の需要増に対応する ため、貨物取扱施設の増築、エプロンの整備、第2旅客ターミナルビルの増築、航空
機給油取扱施設の増設等施設面での増強を計画的に進めてまいりたいというふうに考 えてお ります。
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一方、平行滑走路の建設工事に関しましては、一昨年 12月 3日 に着工以来、全般 的には天候にも恵まれまして、順調に推移しているところでございます。工事の進捗 状況の詳細につきましては、後ほどご報告させていただきたいと存じますが、最も時 間のかかる県道成田・小見川・鹿島港線の地下 トンネル化工事は、将来の交通量の増 加を考慮しまして、4車線化工事を進めている訳でございますが、躯体構築・埋め戻
し工事がほぼ終了いたしました。来月には県道部分の切廻しを行い、弓|き続き地上部 分の滑走路、誘導路の建設に取り掛かる予定でございます。その他の部分に関しまし ても、既に滑走路、誘導路部分の舗装工事に着手しておりまして、航空保安施設等関 連施設の設置を経て、完成予定期日であります今年の11月30日までには完成でき るというふうに考えております。
完成後は、国土交通省による航空法に基づく完成検査を受け、これに合格した後に 供用となる訳でございましてく空港公団といたしましては、来年初夏までには予定ど おり供用に漕ぎつけたいというふうに考えております。
暫定平行滑走路の供用に伴 う環境対策につきましては、後追いにならないよう推進 しているところでございます。騒音の監視につきましては、現滑走路と同様、空港周 辺に空港公団として16局の常時測定局を設置するほか、関係自治体におきましても 所要の常時測定局を設置される予定であると聞いているところでございます。また、
大気の常時観測局につきましては、今年度既に、平行滑走路の南北2ヶ所に増設をし たところでございます。さらにテレビ電波障害対策につきましても、本年中には終了 する予定で対策を進めているところでございます。
エコ・エアポー ト基本構想に基づく諸施策も引き続き推進をしているところでござ いまして、昨年4月、省エネルギーと地球環境保全を目的にコージェネレーションシ ステムを導入し、運用を開始したほか、地球的視野に立った循環型の空港づくりのた めの諸施策や周辺地域の農業再生に資するための諸施策に積極的に取り組んでいると ころでございます。また、5月 には、「地球の上で共に生きる」とい うテーマのもとに、 環境にやさしい空港を建設し運営することに関して空港管理者の立場から討議するこ
とを目的として、ACI(国 際空港評議会)と IATA(国 際航空運送協会)共催の 「グリーンポート2000」 を成田空港を会場として開催し、地域との共生や成田空 港の環境施策について海外の関係者に積極的に紹介をさせていただいたところでござ い ま す 。 さ ら に 、 本 国 お 配 り し て い る 環 境 レ ポ ー トの 配 布 や 「エ コ 。エ ア ポ ー ト基 本
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構想」をわかりやすく紹介したビデオを作成し、空港周辺の小中学校に配布させてい た だ き ま した 。
暫定平行滑走路供用後における国内線の充実に関しましても、今年の2月 から国土 交通省及び空港公団が事務局となりまして、関係自治体、航空会社、施行会社、関係 団 体 等 の 方 々 に メ ン バ ー に な つ て い た だ き 、「成 田 空 港 国 内 線 充 実 対 策 検 討 会 」 を 発 足
させまして、成田空港を地域の足場として皆様方に十分ご利用いただけるようにする ための国内線充実対策について検討を行つております。今年の夏頃までには検討結果 をまとめたいというふ うに考えております。
空港公団では、皆様のよリー層のご支援をいただきながら、引き続き本来計画であ る2500メートル平行滑走路の一日も早い完成に向けて最大限の努力を続けてまい りますとともに、地域と空港との共生を基本理念として、環境施策を推進するととも に 、 社 会 基 盤 整 備 等 の 地 域 振 興 策 に つ き ま し て も 、 積 極 的 に ご 協 力 を させ て い た だ き 、 共生策、空港づくり、地域づくりを三位一体のものとして取り組んでまいりたいと考
えてい るところでございます。 本日は、この委員会におきまして、時間の許す限りご協議させていただき、有意義
な場といたしたいと考えているところでございますので、どうぞよろしくお願いをい
た した い と思 い ます。 皆様のご協力をお願いいたしまして、冒頭のご挨拶とさせていただきます。どうぞ
よろ しくお願いいた します。
【司 会】 それではここで報道関係者の方々につきましては、別室の方へご移動を お 願 い い た しま す 。
委員紹介
【司 会】 続きまして、本日ご出席の委員の方々を私からご紹介をさせていただき ます。
【※別紙名簿に従い、出席している委員を紹介】

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議事録確認者の指名
【司 会】 それでは次に、議事録確認者の指名をさせていただきますが、指名にあ た り ま し て は 、 委 員 長 よ りお 願 い い た し ま す 。
【永井委員長】 ただいまから、議題報告等に入らせていただきますが、議事要旨を 記録いたしますので、後日、委員の代表の方お二方に、内容等についてご確認いただ きたい と存 じます。
議事確認者のご指名につきましては、私に一任させていただきたいと存じますが、 い か が で ご ざ い ま し ょ うか 。
【異議なし】
【永井委員長】 ありがとうございます。それでは、私から指名させていただきます。 佐 原 市 長 の 鈴 木 委 員 な らび に 江 戸 崎 町 長 の 寛 委 員 の お 二 人 に お 願 い した い と思 い ま
す。 どうぞよろしくお願いいたします。
議題報告
【永井委員長】 それでは、本日の議題に入らせていただきます。お手元にお配りし てございます資料をもとに進めさせていただきたいと思いますが、議題報告の「環境 対策実施状況」及び「財団事業の進捗状況」につきましては、空港公団地域共生部共 生企画室長 矢野より、また、「暫定平行滑走路工事の進捗状況」につきましては、空 港づくり企画室長 富澤より、それぞれご報告させていただきます。
議題報告終了後、10分程度の休憩をとらせていただきまして、その後、引き続い て質疑応答に入 らせていただきます。
【議題 1.環境対策実施状況について】 ‐
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【矢野共生企画室長】 それでは、資料 1ページの環境対策実施状況についてご説明 申し上げます。
1ページを開けていただきまして、表の見方といたしましては、左から各実施して いる対策の全体計画、平成 11年度までの累計、平成 12年度実績見込み、そして現 在までの累計となつております。
平成 12年度につきましては、まだ実施中の部分もございますので、今後数値が変 わることがあることをご承知いただきたいと思います。
それでは、1の学校等防音工事についてですが、(1)の防音工事については学校の 校舎及び講堂の防音工事と、病院、保育所等の防音工事であり、全体計画の123施 設のうち、現在までに110施設に対し防音工事を実施させていただいております。 進捗率では、現行滑走路では94%、 平行・横風用滑走路では84%となっておりま す。
そして、(2)の空調設備機能回復工事ですが、これは1回目の防音工事の際に空調 設備を設置し、設置後 15年以上を経過し機能が著しく低下したということで、更新 を行つたものでございます。平成11年度までに更新した施設が63施設、12年度 では4施設あり、全体で67施設が、機能回復工事を実施しているところでございま す。
金額面では、11年度までに180億円、12年度では6億円であり、合計で18 6億円となっております。
次に2番目の共同利用施設の整備についてですが、これは、学習・集会のための施 設、公民館といつた施設でございまして、11年度までに全体の135施設のうち1
34施設を実施し、12年度は1施設を実施させていただいております。また、学校 等と同様に空調設備につきましても設置後15年を経過し機能が著しく低下した場合 に機能回復工事を実施しており、12年度におきましては8施設に対しまして機能回 復工事を行つております。
共同利用施設整備の金額面では、現在までに31億円を交付してございます。
続きまして、3番目の住宅防音工事についてですが、(1)の防音工事については1 回目の防音工事を受けられた方の戸数でございます。全体で4, 968戸のうち11 年度までには4, 168戸、12年度では30戸の住宅に対して防音工事を行い、現
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在までに4, 198戸に対しての防音工事を実施しております。防音工事の進捗状況 につきましては現行滑走路では94%、 平行滑走路では58%となっております。
(2)の空調設備の機能回復でございますが、これは、空調設備の設置後 10年を 経過した場合に機能回復を実施しておりまして、11年度までに4, 386台、12 年度におきましては235台 を実施 し、全体 10, 673台 のうち4, 621台 の機 能回復を実施してございます。
(3)の空調設備の機能回復 (再更新)についてでございますけども、これは本年 度から実施を始めたものでございます。空調設備の設置後 10年を経過 し機能回復を 受けさらに10年を経過したものの機能回復を実施するものでございます。本年度1
4台を実施してございます。 (4)の改築 (再助成)とございますのは、平成7年4月 より実施しております防
音工事済住宅の改築に合わせて行 う防音工事を助成制度、いわゆる再助成制度でござ います。11年度までに38戸の交付決定を行い、12年度は1戸の住宅に対して改 築を行う再助成の交付決定を行つております。これについては、騒特法のエリアは公 団において助成を行う数字でございますけども、このほか関係自治体の協力を頂いて いるものもございまして、これについては 12年度 1戸の交付決定が行われてお りま す。
住宅防音の金額面では、再助成の自治体によるものを除きまして、12年度までに 222億円となつております。
続いて4の移転補償でございますけども、騒防法の第2種区域並びに騒特法の防止 特別地区内にいらっしゃる方の先行移転という形で実施しているものでございます。 対象の963戸に対しまして、11年度までに668戸、12年度では24戸の移転 補償を契約させていただいております。現在までに692戸の移転補償を行つており まして、進捗率では、騒防法に係る移転では、98%、 騒特法に係る移転では、44 %となってございます。
移転に伴う土地買収につきましては、11年度までに579。 7haで、12年度 には11。 2haご ざいまして、合計で590。 9haの移転に伴って土地を取得し てございます。金額面では現在までに1,008億 円となつてございます。
次に、5の緩衝緑地の整備についてでございますけども、これは平成7年3月に策 定いたしました「成田空港周辺緑化基本計画」に基づきまして、防音堤・防音林の整
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備及び緑化整備を実施してございまして、防音堤・防音林の整備につきましては、現 行滑走路西側の防音林・防音堤の整備計画を作成し、整備を進めていくこととしてご ざいます。全体計画97.6haの うち、現在までに57.2haの 整備が進んでご ざいます。また、緑地整備といたしましては全体計画89haの うち、12年度まで
には20。 7haとなってございます。 6番目の電波障害対策でございますけども、これは平成5年から6年度にかけまし
て、成田、佐原、江戸崎、光の4ヶ所に中継局を設置し、受信アンテナ切替工事を実 施してございます。平行滑走路に係る対策は平成9年度で概ね終了してございますけ ども、10年度に平行滑走路供用後の標準飛行コースが明示されたことにより、平行 滑走路に係る対策区域の拡大があったことから、全体計画が増えてございます。個別 受信対策では、61,086戸 のうち、12年度までには48, 883戸 実施してご ざいます。また、山陰などにより、どうしても電波の弱い地域については、やむを得
ず共同受信施設を設置し対策を行つておりまして、これについては全体で25, 09 0世帯ほどの対象がございますが、12年度までに21, 936戸 の世帯を実施して ございます。
電波障害対策の金額面では、平成 12年度までで 184億 円となってございます。
最後に騒音測定施設及び周辺対策交付金等についてでございますけども、騒音測定 施設につきましては、現行滑走路について17局の常時測定局を設置してございます が、平行滑走路につきましても、同様に常時測定局を供用までに設置することとして おりまして、現在、16局の設置を予定してございます。騒音測定に係る調査費は1
2年度までに60億円でございます。 周辺対策交付金等については、これは交付金とテレビ受信障害対策補助金などの合
計額でございます。交付金につきましては、12年度3月期の見込額を計上しており ますが、本日額が確定するものと思われます。
個別の説明は以上でございますけども、環境対策全体の金額といたしましては、平 成 11年度までに累計で 2, 178億 円、平成 12年度におきま しては 145億 円で ございまして、合計で2, 323億 円の環境対策を実施させていただいている状況で
あります。 以上が平成 12年度の環境対策実施状況でございます。 つづきまして2ページをめくっていただきます。
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これは環境対策の中でですね、平行滑走路に係る環境対策を書き表したものでござ います。
まず、学校等の防音工事、共同利用施設の助成でございますけども、これは市町村 の方から助成要望のあった施設について、順次助成を行いまして、すでに学校等防音 工事46施設、共同利用施設41施設に助成を行つております。13年度も要望を受 けた全ての施設の助成を予定しておりまして、今後市町村の計画に合わせて助成して いくこととしております。
つづきまして、住宅防音工事の助成でございますけども、これは住民の方から助成 要望のあったものについて、順次助成を行つておりまして、すでに対象 1, 338戸 のうち782戸、進捗率としては58%でございますけども、助成を行つております。 今後は住民の方からの要望に即 しまして随時助成 していくこととしてございます。
つづきまして、移転補償でございますけども、これは住民の方からの申し出により 順次補償を行つていこうとしておりまして、すでに対象390戸のうち299戸、パ ーセンテージ的には78%でございますけども、移転補償を行つております。これも 住民の方からの申し出により、随時補償 していくこととしております。
つづきまして、緩衝緑地帯の整備でございますけども、暫定平行滑走路北側延長部 分に係る防音堤・防音壁及び防音林の整備につきましては、すでに12年度より工事 に着手しておりまして、施工時期の限られている植栽工事を除きまして、13年度中 には完成する予定でございます。
つづきまして、電波障害対策でございますけども、すでに対象 52, 864世 帯の うち37, 507世 帯、71%については、すでに対策を終えてございます。残りの 対象世帯についても調整・工事を進めまして、13年度内にはすべての対策を終える
予定でございます。 つづきまして、騒音測定等でございますけども、騒音測定局、平行滑走路について
は 16局を予定 してお りますが、これは 14年 3月 までには設置す る予定でございま す。また、大気質の常時測定局でございますけども、平行滑走路対応2局につきまし ては、すでに3月に設置を完了しております。なお、騒音測定局につきましては、空 港公団が設置する16局のほか、千葉県の方で6局、市町村の方で4局を予定されて いると聞いてございます。
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【議題 2.財団事業の進捗状況について】
【矢野共生企画室長】 つづきまして、共生財団の事業の進捗状況の12年度につい てご報告申し上げます。
これは12年度と申しましても、まだ3月分が含まれておりませんので、2月末現 在ということでご理解頂きたいと思います。
共生財団につきましては、平成9年の7月 に設置されまして、平成9年の10月か ら事業を開始 してございます。現在の進捗状況でございますけども、まず 1番の特定 地区緊急民家防音工事、いわゆる隣接地区住宅防音工事でございまして、これは航空 機騒音の季節変動を考慮して設定した騒防法第1種区域の隣接区域において、事業開 始日、これは財団が事業を開始しました平成9年の10月 1日でございますけども、 その時現に所在する住宅に対して防音工事の助成を行うものでございます。12年度 計画 540戸 の うち、受付ベースで402戸 、交付決定ベースで 320戸 となってお ります。なお、受付ベースの今までの累計の進捗状況としましては、71.9%と な
つてございます。 つづきまして2番の、特別民家防音工事助成事業でございますけども、これはいわ
ゆる後継者住宅防音工事と呼ばれているものでございますが、こちらは騒防法第1種 区域内において、事業開始日に現に居住する方の、後継者の居住に要するための新築
・増築を行 う場合の防音工事の助成を行 うものでございます。12年度計画では40 件、受付ベースで38件、交付決定ベースで39戸となつております。受付ベースよ り交付決定ベースが数字が多くなつてございますが、これは11年度に受け付けたも
のを12年度に交付決定したものも含まれておりますので、決定ベースの方が数が大 きくなつてございます。
つづきまして3番の、特別民家防音工事助成補完事業でございますけども、これは 告示 日後住宅防音工事 と呼ばれているものでございまして、騒防法第 1種区域内にお いて、事業を開始する日に現に所在する住宅でございまして、告示日、これはA滑走 路におきましては、昭和57年3月 30日、平行・横風滑走路につきましては昭和6
0年7月 1日でございますけども、これに所在していなかつたために空港公団の防音 工事の助成の対象になつてない住宅につきまして、防音工事の助成を行うものでござ います。12年度計画では310戸のうち受付ベースで119戸、それから交付決定
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ベースで124戸となっております。受付ベースの進捗状況で、47.9%と なつて おります。失礼しました。さきほどの2番の受付ベースの進捗状況では89.4%と なつております。
つづきまして4番目の、民家防音工事再助成補完事業でございます。これは改築済 住宅防音工事と呼ばれているものでございます。これは騒防法第 1種区域内におきま して、防音工事の再助成制度の対象 とならなかつた住宅につきまして防音工事の助成 を行うものでございます。12年度計画22戸のうち11戸を受け付けておりまして、 7戸について交付決定をしております。これは受付ベースにする進捗状況としては、
44.9%と なってございます。 つづきまして、民家防音工事助成空調機補完事業、これは空調機追カロエ事事業でご
ざいますけども、これは騒防法第 1種区域におきまして、限度額の制約により空調機 等が設置基準に満たしていないものに対しまして、その不足台数について設置助成を 行つております。12年度計画につきましては290台を予定しておりまして、これ は件数ベースでございますけども、103件 に受け付けてお ります。交付決定として は104件となっております。ちなみに台数でいきますと交付決定で176台となっ ております。こちらの受付ベースの進捗状況としましては、85。 9%となつてござ います。
つづきまして6番の、サッシ部品交換助成事業、これはサッシ部品の交換工事でご ざいますけども、これは住宅防音サッシの機能を維持するため修繕に要する費用の助 成を行つてるものでございまして、12年度計画の210戸のうち受付ベースとして
は130戸、128戸についてはすでに実施済みでございます。この財団事業のうち 1番の隣接地区住宅防音工事、3番の告示 日後住宅防音工事、4番の改築済住宅防音 工事、5番の空調機追加工事としましては、当初は共生財団といたしまして、12年 度までの短期集中事業という位置づけでございましたが、進捗率の低い事業もあり、 かつ住民の方のご要望もまだ引き続き実施してほしいとのご要望があるということで 13年度以降も引き続き実施することとしております。また、13年度以降は平行滑 走路の隣接対策 と新たな民家防音工事及び地域振興事業が、財団において検討 されて
関係者の合意を得た事業から随時実施していくと聞いております。 私の方からは以上でございます。

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【永井委員長】 はい、ありがとうございました。それでは引き続きまして、暫定平 行滑走路工事の進捗状況について、富澤室長の方から説明をお願いします。
【富澤空港づくり企画室長】 NAA空 港づ くり企画室長の富澤でございます。暫定 平行滑走路の進捗状況ということで、ご報告させていただきます。
本 日ご出席いただいている委員の皆様方におかれましては、成田空港の整備につい て日頃暖かいご支援とご理解を賜り厚く御礼申し上げます。
平行滑走路の整備 につきま しては、平成 11年 12月 1日 、運輸大臣か ら工事実施 計画変更の認可を得て、同年 12月 3日 に念願の平行滑走路工事に着手いたしました。 この平行滑走路の整備につきましては、NAAは 何としても2500mの 滑走路を実 現したい訳でございますが、残念ながら未だ用地問題の解決にいたつていない部分が
ございますので、変更認可の中にもありますように、現時点では2002年 ワール ド カップに間に合うよう供用を開始することに全力を尽くすとともに、2500mの 滑 走路を1日 も早く実現すべく全力を尽くしているところでございます。本日はそうし た背景の元で、暫定滑走路の整備状況をご報告させていただきます。暫定滑走路と申
しましても、大規模土木工事でございますので、数字等ではなかなか説明できにくい ものですから、今日はスライドをご用意させていただきました。
まず、成田空港の全体図と平行滑走路の状況をご覧頂きます。現在のA滑走路でご ざいます。平行滑走路は本来であれば2500mの 滑走路を予定しておりますが、今 は暫定滑走路とい うことで、既に出来ている890mに 対しまして、北側に825m、
南側に585mを 延長し、滑走路を造るものでございます。これに伴いまして計器着 陸で必要な ILS、 それと航空灯火等の施設がこの両端に設置されてまいります。こ の滑走路はすでにご案内の通り、使用航空機はだいたい中型機、滑走路のキャパシテ
ィーは年間65, 000回 を予定してございます。 それでは、工事の実施状況に移らせていただきます。この写真は2月 の段階でござ
います。こちらに第2ターミナルビルのエプロンが見えますが、こちらが南側、こち らが北側でございます。ここに道路が見えますが、これが小見川県道でございます。 今度の暫定滑走路は、この辺からこの北のかすかに見えます 51号線ですが、この直 近までが暫定滑走路の予定となつております。すでに2月の段階では滑走路の切盛土 工事がほぼ終了に差し掛かつておりまして、これから舗装工事に入ろうかというよう
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な状況になってお ります。この誘導路の切盛土造成の工事も進んでいるところでござ います。この辺がエプロンから誘導路に差し掛かるところですが、県道の切り廻し工 事もすでに見られますように、ここが誘導路の予定地になつており、切盛土工事を進 めております。
それでは、この2月 の状況が3月 になりますと、どういうことになりますかという と、これは3月 の約 1週間前位の写真でございますが、造成工事の部分が大分終了し てまいりましたので、綺麗な姿になつてきて滑走路の姿もはつきり分かるようになっ
てきてございます。これからはこの滑走路につきましては、雨水排水あるいは、地中 の電線網の回路と地中の埋設物の施設の工事とそれから舗装工事に入つてまいります。 この辺の未買収の土地がございますが、この辺がいわゆる東峰、成田市東峰とい う地 区でございますが、まず工事の進捗を見るために、この南側の末端の状況を見てみま す。これが滑走路の南の末端、この辺までがそうです。こちらが南側、こちらが北側 です。この辺が末端になります。これは誘導路のェ事になります。ここに見えるのが 小見川県道、この県道のこちらが大栄町、こちらが成田市ですが、この県道を来週に
切り廻します。その準備をしております。ここは地下部100m灯 り部が700m、 全体で約800mの 切り廻しの道路工事が進んでおります。それとこちらに箱が見え ますが、これはこの県道が、この滑走路のために寸断されますので、この700mの 間を滑走路の下に埋設いたします。もう一つこれは2車線でございますが、もう一本 将来の小見川県道の4車線化のために2車線分の工事も合わせて進めております。こ の辺の状況をもうちょつと北から眺めてみたいと思います。これが同じ2月段階の滑 走路の末端の状況でございます。この小見川県道の地下道でございますが、この辺は すでに埋め戻しが完了しております。こちらがこれから造る灯り部が見えております。
この辺はこれから埋め戻しの作業に入るところです。もう一方こちらの小見川県道の 地下道につきましては、このボックス部分は誘導路として、飛行機が乗 りますので、 地下化になっておりますが、ここのちょつと見にくいかと思いますけども、一般車道 に対して農耕用の車両が通れるようにここの5m幅を特別に道路として用意してござ います。もうこの段階でこれが滑走路の姿ですが、切盛土の造成は、造成としてはだ いたい完了近くまできております。
先程の小見川県道ですが、誘導路の下から約 12m下がつたところに車道が設置さ れます。このボックスのところまでは6mですが、一つのボックスは13m2車 線、
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これが当面供用される分です。さらに4車線の分として、このボックスが併設されて 今建設されているわけですcこの工事が今度の暫定滑走路工事の工程の中で一番時間 がかかるところでございますので、平成11年12月工事が開始した直後からこの工 事を開始しております。この部分についてはこういうように滑走路に対して小見川県 道がございまして、誘導路が乗ります。こういうようなイメージになります。これは だいたい同じところの絵を3月の直近の状況を撮影したものです。この切り廻し道路
も姿がくっきりとしております。この埋め戻しもさらに進んでおります。これからこ の道路は灯 り部の工事、出口部分です、両端の。その出口部分の工事にかかつてまい ります。それと滑走路もすでにこれは舗装工事の一部が入つてます。その舗装の路板 を造つている状況ですので、2月 の段階よりもさらにくつきりと滑走路の姿が出てい
ると思います。この滑走路はもう少しこの辺まで延びてまいります。これを埋め戻し てさらに埋め戻してこの辺まで滑走路が出来てます。それからこの辺が誘導路ですけ ども、ようやく誘導路の造成の姿が現れてきてまいります。やはりさきほど申し上げ ましたように、これから雨水排水の管とか、照明灯の必要な地中線の電線の回路の地 中の埋設物の工事が合わせて進んでまいります。これちょつと見にくいんですが、さ
きほどの位置よりちょつと北側から見た写真でございます。2月の段階ですのでちょ つと見にくいと思いますが、こちらが北側、こちらが南側ですが、これが既存の滑走 路の擦 り付け部分の様子が出てお ります。これも盛土工事がすでに終了してこれから 舗装の工事に入ろうとするところです。こちらが誘導路の造成工事をしているところ でございます。これは、滑走路の造成工事が終わりまして、これから舗装工事に入ろ
うとする図でございます。こちらが北側、こちらが南側です。これが滑走路のセンタ ーを示します。滑走路はここから最大約l m3 0cmの厚さになつて舗装路面が設置さ れてまいります。これがこれから舗装工事に入る直前の様子でございます。
さきほどから見た絵とちょつと方向が逆になるんですが、こちらが南、こちらが北 側でございます。どちらかというと大栄町側から見ております。こちらが成田ゴルフ コースです。これが既存のすでに出来上がってた滑走路でございますが、北の方はす でに砕石の敷きつめが開始されております。これが滑走路の砕石の引きつめの様子で す。こちらにさらに延長誘導路の造成の工事が見られると思います。この辺は着陸帯
で逐次平らに整備がされていく状況でございます。 さらに北に登 りまして、これは 51号線、これが成田側、こちらが大栄町側でござ
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います。これが北側の滑走路の末端を示す状況でございます。すでに滑走路の姿がは つきりと見えてございます。それからこれも誘導路の造成工事が徐々に進んでおりま す。調整池でございます。ここから先端が航空の進入灯火等が設置されてまいります。 手前にこのギザギザが見えますが、これが防音堤の設置でございます。約 200, 0
00rほどの上を盛つてここに防音堤が築かれてまいります。 これはさらに北へ上がって北から南を見たところでございますが、さきほど見てき
た滑走路の姿が、これは逆の方からですとまたこういうような形で大分滑走路と誘導 路の姿がはつきりとしてまいります。これから本格的な舗装工事、誘導路と滑走路の 舗装工事を開始しておりますが、同時に進入灯火ですとか、航空保安無線施設の設置 も合わせて準備をしているところでございます。このように今この絵は3月の1週間 前位の写真でございますが、さきほど申し上げましたように、本年の11月末が全体 工事の完成期 日でございます。その後、国土交通省の完成検査を経まして来年の5月 には開港をする、そういうことで今工事の部隊としては一生懸命頑張つておりますの で、引き続きご支援の程よろしくお願いしたいと思います。
以上をもつて暫定平行滑走路の進捗状況のご報告とさせていただきます。ありがと うございました。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。以上をもちまして議題報告を終了 させていただきます。
それでは、冒頭申し上げましたように、次の質疑応答に入らせていただく前に、少 し休憩をとりたいと思います。現在が2時50分でございますので、今から10分後 の15時丁度から再開をさせていただきたいと思いますので、時間になりましたらお
席の方にお戻りいただきたいと思います。 それでは、休憩に入らせていただきます。
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質疑応答
【司 会】 それでは、引き続きまして、質疑応答の方に入らせていただきます。 質疑応答につきましては、概ね17:00頃 を目処に終了させていただく予定でご
ざ い ま す の で 、 予 め ご 了 承 い た だ き た い と思 い ま す 。 なお、質疑応答が終了しました後でございますけれども、別室におきまして懇親会
を開催いたしたいと思いますので、是非ご出席いただきますようお願いいたします。 そ れ で は 、 質 疑 応 答 の 方 を 委 員 長 の 進 行 に よ りお 願 い い た しま す 。
【永井委員長】 それでは、ただいまから質疑応答に入らせていただきます。 質疑につきましては、議事の都合上、また、時間も限られていますことから、各部
会ごとに順次ご報告いただければと存 じます。 なお、質疑に対する答弁につきましては、関係委員からさせていただきますので、
よろ しくお願い申し上げます。 それでは、まず最初に、成 田地区部会からお願いいた します。小川市長 さんどうぞ。
【成田地区部会 (小川成田市長)】 成田地区部会長の小川国彦でございます。本国は 成田地区部会から、成田市議会の議長代理として大倉富重雄副議長、同じく空港対策 特別委員会の神崎富士雄委員長、住民の代表としまして成田空港騒音対策地域連絡協 議会の平山正吉会長、同じく郡司福男事務局長の計5名で出席させていただいており
ます。 成田空港は、暫定平行滑走路の建設工事が、順調に進んでおり、さきほど公団副総
裁のお話のように、来年初夏の供用開始に向け、空港づくりが大きく前進していると ころであります。しかしながら、空港周辺地域におきましては、現滑走路をはじめ、 暫定平行滑走路の供用により、新たに騒音下となる地域の騒音対策や、落下物対策、 また、両滑走路に挟まれる谷間地域の対策など、早急に解決しなければならない問題 も残つております。成田市といたしましては、成田市共生大綱や成田百然郷構想を策 定し、さらに空港問題の早期解決と空港を核とした町づくりを推進するため、成田市 円卓会議を設置し、成田市民の代表の方々からの意見提案をいただき、成田市の総意
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に基づく行動を展開をしております。 また、成田空港周辺自治体 1市7町1村で組織する成田空港圏自治体連絡協議会で
は、空港周辺自治体間の空港問題並びに農業や道路等の地域振興に係わる諸問題を解 決すべく、活動を展開いたしております。このような中、共生策、地域づくりが後追 いとならないように、空港づくり・共生策・地域づくりを三位一体として、よリー層 積極的に推進するためには、国・空港公団・千葉県、そして関係市町村がさらに連携 を密にして行動しなければならないと考えております。このような状況を踏まえ、成 田地区部会を本年2月 20日に開催いたしました。その席上様々な意見 0要望があり ましたが、次の4点について成田地区部会から要望いたしたいと思います。
第1点目は、騒特法防止特別地区内の土地、全ての買い上げについてであります。
騒特法による都市計画が決定されますと、騒特法の防止特別地区は原則的には新た な住宅等の建築が禁止され、厳しい規制がかけられます。騒音のための移転する場合 は、宅地やその敷地と一体的な土地の移転補償はありますが山林等は対象外でありま す。また、今後もそこに住み続ける人や防止特別地区外の人が所有している土地は、
厳しい立地規制が発生することから、土地利用が制限されることになります。こうし たことから、防止特別地区内の土地を全て空港公団が買い上げすることを要望いたし ます。
第2点目として、暫定平行滑走路供用開始前の騒防法第1種区域の拡大見直しにつ いてであります。
暫定平行滑走路は、空港北側に800m延 長した2180mの 滑走路を建設中であ ります。このような状況を勘案し、来年初夏の供用開始前に騒音対策が後追いとなら ないよう、騒防法第 1種区域の拡大見直しを要望します。この点については、暫定平
行滑走路延長上の関係住民が強 く求めているところであ ります。 第3点日として、直下・落下物対策の推進と、それを話し合う協議機関の場の設置
及び、航空機事故等に係わる補償制度の創設についてであります。 暫定平行滑走路が供用され、さらに飛行回数が増えますと、落下物の多発が懸念さ れることから、落下物対策に万全を期するとともに、落下物が発生した場合は迅速に
処理し、速やかに情報が公表されること、また、飛行コース直下の地域については、 移転対策を含めた抜本的な対策を講ずること、更にこれらのことにつきまして、協議 する機関の場を設置することを強く要望いたしたいと存じます。また、万一航空機事
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故が起きた場合には、国・地域による補償額の差を補填する新たな補償制度の創設を 要望いた します。
第4点 日として、地域振興のための空港アクセス道路の拡充と、空港圏域を結ぶ環 状・放射状道路等の早期実現化及び成田広域公園の整備についてであ ります。
暫定平行滑走路が供用されますと、空港周辺の道路における交通量が増加すること は明白であり、そこで将来を見極めた、空港圏域を結ぶ環状・放射状道路等幹線道路 の整備促進と、圏央道の早期建設を要望いたします。また、成田広域公園の整備促進 については、これまで3回ほど要望しておりますが、千葉県が策定した「成田空港周 辺地域振興計画」に位置づけられた施設でもあり、県が中心となって整備・促進を図
られると共に、国・公団にこれ らに係わる支援・協力を要望いたします。 以上4点の項目につきまして、成田部会からの要望のまとめとして、ご報告させて
い た だ き ま した 。 ど うぞ よ ろ し くお 願 い い た しま す 。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。ただいま、成田地区部会を代表し て、小川委員の方から4点 ご要望がございました。第 1点 目が騒特法防止特別地区内 の全ての土地の買い上げについて、第2点目が騒防法の第1種区域の拡大見直しにつ いて、第3点目が直下・落下物対策の推進と航空機事故等に係わる補償制度の創設に ついて、第4点 目が道路網の整備並びに成田広域公園の整備について、この4点につ きまして、第1点目につきましては空港公団から、第2点並びに第3点日のご要望に つきましては国土交通省から、第4点 目の道路整備に関するご要望につきましては、 千葉県並びに空港公団の方から、それぞれ ご回答をお願い したいと思います。
【平山地域共生部長】 それでは、騒特法防止特別地区内の土地の買い上げについて という第1点日のご要望について回答させて頂きます。
申 し訳 あ り ま せ ん 、 座 つ た ま ま で 回 答 さ せ て い た だ き ま す 。 騒特法に基づ く航空機騒音障害防止特別地区、ちょつと長いものですから、これか
らは「防止特別地区」と呼ばさせていただきます。この特別防止地区の都市計画決定 がなされます と、防止特別地区においては住宅等の建設が禁止 され ることにな ります。 都市計画決定の際に防止特別地区に居住されている方が移転される場合は、建物・ 建物と一体として利用されている工作物、立木等を補償すると、それとこれらの建物
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等が所在する土地及び建物等の移転により、従来利用されていた目的に供することが 著しく困難となる土地を買い入れると、こういうことになります。この場合、山林は 農地と異なりまして、日々きめ細やかな管理を行う必要性が低いことから、移転によ り従来利用していた目的に供することが著しく困難になる場合とは認められません。
また、移転を伴わない場合でございますが、防止特別地区において住宅等が建築で きなくなることによりまして、利用に著 しい支障をきたす土地を買い入れることがで きることになります。具体的には都市計画決定の際に、住宅等を建築する目的を持つ て所有している宅地等がこの対象となります。この場合、農地や山林については騒特
法の用益制限がかかつたといたしましても、基本的に従来の目的どおり支障なく利用 できるものでございますので、買い入れの対象とはなりません。
なお、実際の移転補償及び土地の買い入れにつきましては、個々地権者の方と十分 にご相談をさせていただきたいと、このように考えております。
空港公団といたしましては、特別防止地区内の土地、また、空港公団が取得した土 地に関しまして、今後地域振興にどのように役立てていくことが出来るのかというこ とを、関係市町と一緒に考えて地域振興に努力してまいりたいと、このように思つて
おりますのでよろしくお願いいたします。
【坂尻東京航空局次長】 では2番目の、暫定滑走路供用開始前の騒防法第1種区域 の拡大見直しについて、国土交通省の方か らご説明いたします。
現在の平行滑走路における騒防法第1種区域の範囲は、従来の2500mの 滑走路 を前提として設定されております。暫定滑走路を前提としたものではありません。現 行の滑走路と比較した場合、確かに平行滑走路の第1種区域は面積的に少なくなって おりますが、これは発着回数、使用機材や就航路線の違いから75Wの騒音の及ぶ範 囲が現行滑走路より小さくなるためです。いずれにせよ、平行滑走路の第1種区域は、 22万回に達する時点で75Wの騒音が及ぶ範囲を十分カバーするように設定されて

お ります。 また、暫定平行滑走路における航空機騒音については、中型機の使用が中心となる
と共に、本来の計画より発着回数が減ること、本来1日 247便を計画しておりまし たが、暫定では1日 176便ということで、暫定平行滑走路の75Wの騒音が及ぶ範 囲は、南側だけではなく、北側においても本来の2500mの 滑走路のその範囲より
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拡大することはないと見込んでおりますが、今後とも対策が後追いとなることのない ように、本来の2500mの 滑走路を想定して万全の対策を講じることとしておりま す。いずれにせよ、暫定平行滑走路の供用を目前に控え、住民の皆様方には不安があ ることは十分に承知しているところでございます。供用開始までには現滑走路同様の 監視体制を整備し、騒音の実態の把握に努めると共に、万一必要があればよく皆様方
と相談させていただきたいと、このように考えております。以上です。
【井上新東京国際空港長】 つづきまして、落下物につきましてご説明させていただ きます。
落下物に関しましては、空港と空港周辺地域との共生という理念の基に考えますと、 まったく落下物を根絶するということがまず目標でございます。そのために、これま で私共といたしましては、航空会社に対しまして、出発地における航空機の整備・保 守、こういうものを徹底して、まず、作業エラーによる落下物を無くするように努力
してまいりました。 また、平成3年から「洋上脚下げ方式」ということで、航空機からの氷の落下に対
して、洋上で氷を落とすという対策を指導してまいりました。その措置をエアライン に対して徹底させるとともに、毎年冬のシーズンに関しましては、公団及び新東京空 港事務所において、その遵守の実施状況を調査 してまいつてお ります。そのような結 果、近年においては氷塊の落下はかなり減少してきていると思いますけれども、最近 においてもまだ年に数件の発生を見ている状況でございます。このような対策をやっ て来ておるわけでありますが、さらに徹底した対策という意味で、航空会社に対する 協力を求めるだけではなくて、航空機の構造的な問題についても改善の努力をしてき たことは、昨年もご報告したとおりでございます。
昨年も申し上げましたけども、航空機の着氷のメカニズムの解明というものは氷問 題としては非常に大事なことでございますので、平成9年度から、今年度まで4年間、 毎年冬の期間に2週間ほど成田空港に到着機の着氷状況の調査を行つております。こ のような結果として着実に改善が見られていると思います。私共といたしましては、 今後とも氷の落下あるいは部品の落下があつた場合には、すぐさま届出を受けて、調 査に入つて必要な事実関係を調べ、成田空港に乗り入れている航空会社に対してもそ の事実を伝え、どうして落下物が起こるのかということを調査して必要かつ可能な対
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策をとつてきているところでございます。今後とも落下物の根絶に対しては努力して まい りたい と思 いますので、よろ しくお願 い したい と思います。
【平山地域共生部長】 それでは、公団からも協議機関の設置と落下物についての空 港 公 団 の 考 え を 説 明 させ て い た だ き ま す 。
成田空港は53年開港したわけでございますけれども、お陰様で開港以来これとい つた大きな事故もなくて、推移を続けておるわけでございます。これも皆様方のご支 援の賜ものであるというふうに感謝しております。国土交通省さんからもありました ように、航空機事故はあつてはならないことであります。その発生防止のため、航空 会社をはじめ空港側といたしましても、安全な運用に向けて尚一層の努力をしていか なければならないということは言うまでもありませんし、落下物に関しましても、国
土交通省と連携し、出来るだけ速やかに関係者にご報告が出来るよう努力してまいり たい と、このよ うに考えてお ります。
協議機関の設置のご要望につきましては、地域の皆様が開催する協議会に我々空港 公団としても出席させていただくなど、これまでもいろいろな機会を通じまして協議 をさせていただいているところでありますが、今後 も騒特法に基づく都市計画決定や、 平行滑走路の供用が周辺にどのような影響を与えていくかなど、その推移を見守りな がら、引き続き皆様と連携を保つことが大事だと思つております。そういう意味で諸 問題の解決に努力していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
【齊藤千葉県空港地域振興課長】 千葉県でございます。座つたまま説明をさせてい ただきます。
空港アクセス道路の拡充と空港圏域を結ぶ環状・放射状道路の早期具現化、そして 成田広域公園の整備とい うことで、お答えをいたします。
成田空港を中心としました道路ネットワーク整備につきましては、空港周辺地域の 交通利便性の向上、また、産業振興のためにも重要なことと、そのように考えており ます。県が策定をしました、成田空港周辺地域振興計画に位置づけをしまして、さら に成田財特法の期限延長や整備計画の追加により、整備の促進を図つているところで
ございます。 さらに、成田空港周辺には各種産業の集積が進んでおりまして、また平行滑走路の
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整備も進んでおりまして、一層の集積が進むことが予想されるということから、空港 周辺を環状に連絡する道路ネットワークと、この環状ネットワークから周辺各地ヘア クセスする放射道路の整備を図ることとしております。これまで、成田財特法などに より、国道 296号バイパス、県道成田松尾線バイパス、県道成田小見川鹿島港線な
どの整備を進めてきたところでございます。 また、空港周辺地域整備計画に新たに追加されました、県道成田松尾線2期につき
ましても、空港周辺の環状道路ネットワークの一部を構成するものであることから、 平成 13年度に事業化すべく関係機関と調整を進めているところでございます。
また、首都圏中央連絡自動車道の大栄町・横芝町間につきましても、平成13年度 新規着工準備箇所となることから、都市計画決定に必要な調査実施等適切な対応が図
られるよう国土交通省と密接な連携を図つてまいりたいと考えております。 広域公園の関係でございますが、新たな県立の広域公園につきましては、県内の配 置バランスや現在整備・計画中の公園の進捗状況、優先度、それから地元の受入体制 及び財政状況等を総合的に勘案しまして、県の5ヶ年計画に位置づけをして計画的に
事業を進めることとしております。 要望のございました広域公園につきましては、騒音下にある空港周辺地域の立地特
性等を踏まえ、今後検討をしてまいりたいと、このように考えております。よろしく お願いしたいと思います。
【平山地域共生部長】 広域公園・アクセス道路等の整備について、空港公団といた しましても、従来よりこれは申し上げているところでございますが、こういう事業を 進捗を図る上で、今現在空港公団が所有しております騒音対策用地の活用が必要とい うことであれば、積極的にこれには協力してまいりたいと、このように考えておりま
す 。 以 上 で ご ざい ま す 。
【永井委員長】 はい、ありがとうございました。小り|1委員、ただいまの回答でよろ しいでしょうか。どうぞ。
【成田地区部会 (小川成田市長)】 諸課題につきまして、積極的な取り組みの答弁を いただきま して誠にあ りが と うございま した。時間の制約 もあ り、簡潔に要望のみ さ
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せていただきたいと思います。 第 1点の、防止特別地区の買い上げにつきましては、地域の住民からはやはり私権
の制限がなされていると、こういうような理解・判断がございます。そういう点でこ の問題については、さらに研究 0ご検討いただきたいと思います。
1種区域の範囲の拡大についても、やはり住民意識・住民感情とはその問題に対す る関わり方にやはリズレがございますので、この辺についてはなお話し合いをお願い したいと思います。
落下物の問題については、今後そ うした私共の協議機関において、また、公団・県 等のご参加もいただきながら話し合いをさせていただきたいと思います。
第4点目につきましては、その促進方をお願いいたしまして、要望をもつて私は終 わりたいと思います。どうもありがとうございました。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。各地区部会15分見当の質疑応答 ということにさせていただきたいと思いますので、回答を担当いたします関係機関の
回答につきましては、簡潔明瞭にお願いをしたいと思います。 それでは、芝山地区部会を代表いたしまして、相川委員の方からお願いいたします。
【芝山地区部会 (相川町長)】 ただいま(永井委員長さんの方から質疑のお許しをい ただきましたので、芝山部会を代表いたしましてご質問をさせていただきたいと存じ ます。本日は平岡議長、中座いたしておりますけども藤川商工会長、石井前農業委員 長、私と4名で参カロをさせていただいております。
平素より、空港公団をはじめ、運輸省・県並びに関係各位の皆様方におかれまして は、大変お世話になつております。この場をお借りいたしまして厚く御礼を申し上げ る次第でございます。
本日の質問につきましては、航空機騒音対策によります移転に伴う跡地の問題であ りまして、昨年に引き続きまして再度お伺いをする次第でございますので、よろしく
お願いを申し上げたいと思います。 2点ほどございます。移転跡地の管理の方法、2点目が移転の際に歴史的な建物あ
るいは住宅等を保存する考え方について、この2点についてお伺いをしたいと思いま す。
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芝山町では移転対策が進むにつれまして、次第に空港公団所有地が増えつつある現 状でございます。宅地跡をはじめ、買い上げの対象であります農用地が町全体に点在 いたしておる状況でございます。現在、これらの土地の一部について、優良農地の貸 付、あるいは農業施設用地などに協力をいただいているところでございまして、非常 に感謝を申し上げたいと存じます。その他の土地につきましては、公団によります管 理がなされておるわけでございます。これらの土地について、町では議会を始めとい たしまして、強い関心があります。ゴミの不法投棄や安全面ということもあるかも知 れませんが、移転宅地跡の管理につきましては、その周りを木杭とか鉄線で囲われま
して、これは非常に景観的にも望ましいとは思われません。また、農地につきまして も、民地と混在しておりまして、耕作上において様々な支障が生じているのが現状で ございます。このような状況を見るにつけ、町においても環境に適 した有効活用を図 るべきという意見が高まりつつあるのが現状でございます。そこで、これらの土地に ついて、この中の2点でございますけども、一つ日といたしまして今後、空港公団は どのように活用されようとしているのか、お伺いしたいと思います。二つ日といたし まして、町が果樹園的な利用など様々な施策を考え、活用したいと希望する場合、そ
れは可能であるのかどうかお伺いをしたいと思います。 2点日でございます。移転の際に歴史的建物、あるいは住宅等を保存する考え方に
っいてでございます。移転対象家屋の中には、年代的あるいは構造的にも歴史的価値 観の高いものがありまして、是非とも保存したいと願うものでございます。現在の移 転補償制度では、移転者の事情と同時に制度の上からも全て解体をしなければならな いことになつております。契約の段階で8割、全て更地にして全額が支払われると、
このようにお伺いをいたしております。このように進められて来ました移転事業によ りまして、過去においては惜しくも失つてしまつたものもあり、今後においても不安 が募る状況でございます。今現在、本町では芝山地区、特に芝山仁王尊周辺でござい ますけれども、この集団移転事業が進められております。門前町を形成していた姿が 崩壊されようとしているわけであります。ここには旅籠があり、民家住宅が集合して おり、それぞれが貴重な文化財であり、保存すべきものであります。町が代表する地 域として、また、文化継承の地域として、保存をしていきたいと願うところでござい ます。空港公団におかれましては、特段のご理解とご配慮を賜りますようにお願いを 申し上げます。どうか前向きなお答えをいただきますようお願い申し上げまして、芝
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山部会としてのご質問とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
【永井委員長】 ありがとうございました。それでは、ただいま2点ご質問のありま した 点 に つ き ま して は 、 空 港 公 団 の 方 か ら 回 答 させ て い た だ き ま す 。
【平山地域共生部長】 それでは、回答させていただきます。 まず、1点面の移転跡地の管理方法についてでございます。移転跡地の管理につき
ましては、環境保全のため定期的に巡回や草刈を実施し環境保全に努めるということ とともに、地元自治体からのご要望により、これまでも農業施設等各種施設にご活用
いただいておるところでございます。 中でも農地につきましては、農業経営基盤の強化促進事業として地元の農家の方々
に活用していただいておるところであります。また地元自治体等との協議調整のもと、 農地としての再生を図ると、こういう意味で水田にはレンゲ、畑にはワイル ドフラフ ー等の播種を行 うほか、里山や果樹園等の緑化整備を行 うなど空港公団としては、環 境の保全を図つておるつもりでございます。
今後の土地利用につきましては、騒特法に基づく航空機騒音対策基本方針に示され ている土地利用と施設の整備に関する基本的事項に基づきまして、これから具体化が 図られていくものと考えております。方法といたしましては、引き続き農業のための 利用が基本となるとこのように考えてお りますが、圏央道や芝山鉄道の整備、空港南 側ゲー トの開設等交通網の連携による生活基盤の整備等、地域の実情に即した有効活 用について、地域の皆様とよくご相談させていただきたいと思つております。
空港公団といたしましても、移転跡地について今後とも適正な管理を行いつつ、そ の有効活用について、芝山町さんのご意向も伺いながら取 り組んでまいりたいと、こ のように考えております。
それから2点目の、歴史的建築物を残す考え方についてでございます。
騒特法あるいは騒防法に基づく移転補償の考え方というものは、建築物等の所有者 が当該建築物を防止特別区域外あるいは騒音区域以外に移転し、または除却するとき にその損失を補償することが出来ると、このように定められております。
従いまして、仮にそれら住宅をその場所に残すということになりますと、当然のこ とながら建築物等の所有者に対する補償内容に大きな差が出てくる、違いが出てくる
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と、こういうことになりますとともに残された住宅等の管理をどのように行つていけ ばいいのかという新しい課題が出てまいります。
ただ、現存する古い農家住宅など歴史的価値の高い家屋等を後世に残し、農業研修 施設とか観光施設などの文化的施設として、今、町長さんがおっしゃいました、そう いう活用をしたいというお考えは、我々としても理解出来るところでございますので、 移転補償の本来の目的に照らしまして、移転される方のご理解が得られるという大前 提の上で貴町の町づくりに対するお考えや計画をお聞かせいただきながら対応して参
りたいと、このように考えております。以上でございます。よろしくお願いいたしま す。
【永井委員長】 はい、ありがとうございました。今の回答でよろしいでしょうか。 どうぞ。
【芝山地区部会 (相川町長)】 大変前向きな答弁をいただきましてありがとうござい ま した。
私どもの芝山町、航空機騒音の直下になる部分が非常に多いわけでございます。こ れからもこの管理について、あるいは2点日の歴史的な文化財について、さきほど申 しましたけれども、特に芝山仁王尊、1200数 十年の歴史がございます。その周り
がやはり人が住まなくなつてしまいますと疲弊してきます。そういつた点ではやはり 残せるものは残していきたいと、このように考えておる次第でございます。やはりい ったん更地にしてまた何かを建てるというよりも、そういつたものを残しながら町と
しての歴史や教育、文化の面についてもやはり私共寄与してまいりたいと思いますの で、今後とも是非よろしくお願い申し上げまして、ご質問とさせていただきます。あ
りが とうございました。
【永井委員長】 それでは、つづきまして、松尾・横芝・蓮沼地区部会を代表いたし ま して、賞川委員の方 か らお願 いいた します。
【松尾・横芝・蓮沼地区部会 (賞川町長)】 ただいま、ご紹介をいただきました、横 芝町の賞川でございます。本日は、松尾町の古谷町長さん、蓮沼村の浪川村長さん共
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にご出席をいただいておりますが、地区部会を代表いたしまして、発言をさせていた だきたいと思いますc
まず、質問・要望事項に入ります前に、当地区部会の活動状況について若干ご報告 させていただきたいと思います。
当部会では、地区部会を昨年の7月 と今年の2月 に空港公団の平山地域共生部長さ んをはじめ、職員の方々においでをいただきまして、開催をいたしました。
2月 15日の地区部会では、部会内の騒音対策に関する問題点等協議・検討した後、 空港公団より平行滑走路の進捗状況について、ご説明をいただいたところでございま す。現在、平行滑走路の整備が11月 30日の完成を目指して、急ピッチで進められ ておるとのお話をいただき、これが完成をいたしますと成田空港は日本を代表する真 の国際空港として、さらにその機能が充実され、これまで以上に空港と共生する地域 づくりが推進されるものと大きな期待を寄せておるところでもございます。来年初夏 の平行滑走路の供用開始が予定通り実施できますことを心から念願するものでござい ます。
それではこれより、3点ほど当地区部会の要望・ご質問をさせていただきたいと存 じます。
まず第 1点 目でございますが、航空機事故防止対策及び落下物対策についてでござ います。これは先ほど成田の小川市長さんの方からご質問がございましたし、そして 井上空港長さん、あるいはまた平山地域共生部長さんの方からご回答もされたところ でございますが、航空機からの落下物は平成3年1月 に運輸省から、当時の運輸省か
ら航空会社に対しまして、機体の整備 。点検及び空港南側から進入する航空機の洋上 脚下げの実施など厳重に指導していただきながら、洋上脚下げが徹底されるようにな つてから、氷塊の落下が大変少なくなったことは事実でございます。しかしながら未 だ原因が究明されたわけではなく、根絶には至ってお りません。今年の 1月 には松尾 町に氷塊が落下いたしました。そしてまた昨年の九月には、インドネシア0ジャカル タ空港でジャカルタ発成田空港行きの国内航空会社の航空機が離陸直後に左側エンジ ンが突然破損をした トラブルで住民 1人が手に軽しVI蚤我をしたほか、家屋22棟で屋 根に穴があくなどの被害が発生した等との報道もされているところでもございます。 このように、日本の航空会社においても、機体の整備・点検の徹底がなかなか難 しい ようでございまして、いつ空港周辺地域に被害が発生するか分からないというような
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状況下にもございます。来年5月 に平行滑走路の供用開始が始まりますと、全地域が 飛行直下になる当部会の地域住民は、さらなる不安を抱いておるところでもございま す。国土交通省・空港公団では、落下物やこのような事故が再び発生しないよう改め て航空会社に対して、機体の整備・点検及び航空機からの落下物の根絶に向けてさら
なる指導をお願いするものでございます。 2点日は、テレビアンテナの今後の対策についてでございます。
テレビの受信は、平成 7年に光中継局が開局いたしまして、当部会の地域では光中 継局から受信をしておりますが、光中継局では千葉テレビの受信が出来ず、千葉テレ
ビについては、銚子または東金局から受信しているのが現状でございます。 公団に設置していただいたテレビのアンテナも老朽化が大変進んでおりまして、改 修の時期に来ている方もお りますが、公団に設置 していただいた方式で新たに設置い たしますと、2本の受信アンテナとUU混合器の取り付けが必要となり、騒音下であ
るが為に住民の負担増がしいられます。騒音下住民の負担の軽減を図るため、今後も 公団の事業または共生財団の事業として取り上げていただくよう要望するものでござ
います。 3点 日は、昨年 も要望 させていただきま したが、平行滑走路供用に伴 う騒音対策に
ついてございます。 当部会の地域は、3町村のほぼ全域がA滑走路、あるいは平行滑走路の飛行コース
幅の中に位置しております。 平行滑走路につきましては、騒防法の第 1種区域の指定はされておりませんが、い
ままで騒音のない地域の上空を航空機が飛行するために、地域住民は騒音問題に対し
ては大きな不安を抱いております。 航空機の飛行直下及び谷間地区への騒音対策の充実を図るため、成田空港独 自の新
たな騒音対策を講じられますよう特段のご配慮をお願い申し上げたいと存じます。 また、平行滑走路の供用により空港機能が充実され、今まで以上に車両等が増加し、 空港に接続する道路は交通渋滞が予想されますので、空港南側ゲー トの早期の開設を 併せてお願いするものでございます。以上の3点について要望・ご質問をさせていた
だきますので、よろしくお願いを申し上げたいと存 じます。 【永井委員長】 ありがとうございました。3点ございました。航空機事故防止対策
及 び 落 下 物 対 策 に つ き ま して は 、 他 の 部 会 か ら 同 趣 旨 の ご 要 望 が あ りま した の で 、 国 30‐
土交通省 0公団から簡潔に回答をお願いしたいと思います。 それからテレビアンテナに関する今後の対策、並びに平行滑走路供用に伴う騒音対
策につきましては、空港公団の方から回答させていただきます。順次お願いいたしま す。
【井上新東京国際空港長】 それでは、落下物対策につきまして、まずご報告させて
いただきます。 さきほど成田部会でお答えしたとおり、落下物対策につきましては氷の関係で平成
3年から洋上脚下げ方式、それから平成9年度から着氷メカニズムの解明のための調 査あるいは航空機の構造に関わる問題についての検討改善を行 うといつた形で、前向
きに取り組んできているところでございます。 それから昨今規制緩和という時代でございますが、安全規制に関しましては緩和す
るものではなくて、安全規制については規制の合理化という形でしつかり私共として は、安全を確保するための努力をして来ているつもりでございます。特に国内線に対 しての安全規制の合理化と共に国際線につきましては、ランプインスペククシヨンと いう制度でもつて、月 2回ほど外国社のフライ トに対して立入をさせていただいて、
そういう形で事故対策に向けて努力をしているところでございます。ただ、さきほど のご指摘にもございましたインドネシアで起こりました日航機のエンジン破損事故、 この件に関しましてはインドネシアで起こりましたので、インドネシアの事故調査委 員会で原因等を調査中でございまして、その結果次第によりましては、私共航空局と
して対応していきたいと考えております。
【平山地域共生部長】 それでは、空港公団からさきほども申し上げましたけれども、 落下物等の事故の発生防止ということの安全な運用でございますが、なお一層の努力 をしていかなければならないということでございます。公団といたしましては今後と
も国土交通省と連携をとりながら、エアラインと申しますか航空会社に対しまして、 機体の整備・点検の徹底を強く求めていく考えをしております。
それから、テレビアンテナの今後の対策でございます。
空港周辺地域のテレビ電波受信状況は、東京タワーからのVHS電 波受信が大半で あります。フラッターという状況が出るんですが、それは東京タワーからの電界が弱
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いことから航空機によるフラッター障害が発生したため、空港公団といたしまして抜 本的なテレビ電波障害対策として、VHF電 波をUHF電 波 (波長の短い電波)に切 り替えて放送するテレビ放送中継局を4局設置いたしました。開局後はVHFア ンテ
ナをUHFア ンテナに切り替える個別対策工事を基本といたしまして、対策を実施 し ておるところであります。
ご指摘のアンテナ2本を立てる必要のある地域の方々といいますのは、NHK、 N HK教育及び民放5局については、光中継局から受信し、千葉テレビについては、銚 子局あるいは東金局、所によりましては船橋市の三山局から受信している方だと思つ ております。これは以前、銚子局の中継局が千葉テレビを除いて東京タワーから送ら
れ て きたVHFの 電波 をUHFに 切 り替 えま して送信 してお りま した。 これ は距離 が 遠く空港公団の下総光中継局の画像と比較すると、画質が悪く安定しない状況であつ たことによりましたものでございます。そういう意味でUHFア ンテナ2本及びUU 混合器を設置し、対策を行ってきて2本の対策をしてきたところであります。
現在の銚子中継局は、NHKあ るいはNHK教 育、それから民放 5局につきまして、 平成 10年 12月 か ら、千葉 テ レビにつ きま しては平成 12年 2月 か ら、空港公団の 佐原局から電波を受信して、送信するということで、かなり銚子局からの画像が良く なっておるのが現状でございます。
従いまして、今後、経年劣化により皆様方でアンテナ設備の更新をする際、画像を 比較してもらいまして、受信局を選定していただきたいと思っております。そうしま すと、UHFア ンテナ1本で銚子局から受信をすることができ、アンテナ1本での対 応が可能ではないかとこのように今現在考えております。
また、空港公団の切替対策工事前に、UHFあ るいはVHFの 2本で視聴されてい た方は、当初から2本を立てておられておったわけでございますので、UV混合器が UU混合器に変わるだけでございます。この工事に関する経費は一般家庭において改 築・新築の際にアンテナエ事をする場合とほとんど変わらないのではないかと、この ように考えておるところでございます。
また、財団事業として取り上げていただきたいと、こういうご要望につきましては、 財団で今後検討されるものと、このように考えております。以上でございます。
それから、平行滑走路供用に伴う騒音対策についてでございます。 成田空港におきましては、空港の設置管理者である空港公団が、他の国内の空港と
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同じように、騒防法に基づく移転補償、防音工事等の騒音対策を進めてお ります。ま た、成田独自の騒音対策といたしましては、周辺市町村さんご当局のご協力のもと、 A滑走路と平行滑走路の第 1種区域に挟まれた区域への防音工事、いわゆる谷間対策 や共生財団を設立して騒防法第 1種区域に隣接する地域へのきめ細かな防音工事、隣 接区域と呼んでいるんですが、実施しているところであります。
今後とも、これら成田空港独自の対策を推進していくことはもちろんであります。 平行滑走路の供用により2本の滑走路の飛行直下となります、当部会の地区における 騒音の実態を十分に把握いたしまして、その状況に応じまして、いろいろ市町村とご 相談させていただきながら、現在A滑走路で行っている対策と同様の騒音対策を実施
してまいりたいと考えております。 また、もう1点、空港南側のゲー ト開設につきましては、空港に進入する道路の計
画路線上に未買収の土地があるために道路の開通が出来ない、南側ゲー トが出来なか つたということで大変ご不便をお掛けして申し訳ないと思つております。空港公団と しましては、引き続き未買収地の取得の努力してまいります。これにつきましては、
皆様方のご協力をお願いいたします。 南側ゲー トの早期開設につきましては、先般空港周辺の市町村長及び議会議長様方
から強いご要望をいただきましたが、暫定的な計画になつてしまうんですが、本来の 計画路線を変更するということで迂回ルート、少し切り廻しを行いトンネル部の一部 を改良するなど今現在工夫 0検討をしております。私共は可能ではないかと思つてお
りますが、今後詳細な検討を行つた上で早く着工したいと、このように考えて開設に 努力したいと思います。
今の状況で申し上げますと、開通できるのはやつぱり平成 14年、来年の秋頃にな ってしまうのではないかと、このように思つてお ります。私共南側ゲー トにつきまし て、最大限の努力をはかつて行くつもりでございますので、よろしくお願いいたしま す。
【永井委員長】 はい、ありがとうございました。ただいまの回答でよろしゅうござ いましょうか。
【松尾・横芝・蓮沼地区部会 (賞川町長)】 何分ともよろしくどうぞお願い申し上げ -33-
ます。
【永井委員長】 それでは、つづきまして、大栄・多古・下総地区部会を代表いたし まして、可瀬委員の方からお願いいたします。
【大栄・多古・下総地区部会 (可瀬下総町長)】 ご紹介いただきました、下総町の可 瀬でございます。特に私共の部会からは、多古の土井町長 さん、大栄の佐藤町長さん が出席されております。
それでは、大栄 0多古・下総地区部会からの要望をさせていただきます。当部会は 去る2月 22日に空港公団の参加をいただいて会議を開催し、諸問題についての協議 を細部にわたり行いました。その協議の結果本年度につきましては、次の3点を要望
させていただきます。 まず第1点日として、航空機の飛行コースの遵守についてであります。 航空機の飛行コースについては、安全性の確保と共に、特に、航空機騒音による影
響を出来るだけ小さくするように配慮され設定されております。 しかしながら、気象条件や緊急避難を考慮したコースをやむを得ず飛行せざるを得
ない場合があります。 設定されたコースをはずれました場合に、随時その情報の提供はいただいておると
ころでありますけれども、しばしば気象条件等に係わらず、設定コース以外の飛行が 見受けられるのが現状であります。
来年の5月 には平行滑走路が供用され、地域住民の航空機騒音に対する意識は、よ リー層敏感になるものと思われます。
飛行コースは空の道であり、空には交通ルールがあるはずでございます。今後とも、 設定された高度及びコースを遵守され、安全の確立と航空機騒音への配慮をいただく
ようお願いを申し上げます。 第2点日としまして、市町村の騒音対策に対する支援であります。 騒音対策については、市町村の各種施設において配慮 していただいてお りますが、
平行滑走路の供用開始後において下総町をはじめ東側の地域は騒音直下となりますの で、A滑走路と同様に飛行コースの住民に対して、騒音対策に努めていただくようお 願いします。
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また、騒特法及び騒防法等の各種法令にとらわれない、住民本位の対策を取り入れ ていただくようご支援をお願いいたします。
また、騒音対策に要する経費については、周辺対策交付金にて支援をいただいてお るところですが、各町とも厳 しい財政運営でありますので、よリー層の支援をお願い
するところであります。 第 3点 日として、大気常時測定局の増設についてであ ります。 現在の平行滑走路周辺での設置状況を見ますと、大栄町新田地区に平成10年3月
にlヶ所に設置し同年4月から運用されているだけであります。 大気汚染に対し、地域住民は大変不安を抱いておりますので、常に大気情報が把握
できるように、また、広い範囲の大気測定を可能とするために、平行滑走路に係る測 定局の増設をお願いします。以上、本年度は3項目について要望しますのでよろしく お願いをいたします。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。それでは、飛行コースの遵守につ きましては国土交通省から、それから、騒音対策に対する支援について並びに大気常 時測定局の増設についてのご要望に対する回答は、空港公団の方からさせていただき ます。
【井上新東京国際空港長】 それではまず、飛行コースの遵守につきましては、新東 京国際空港において円卓会議の合意事項として取り上げられたという経緯を踏まえて 非常に重要な問題だと認識しております。その認識のもとに平成10年3月から、毎
日の飛行コースを航跡図面の形で翌日に公開しております。また、併せて昨年4月 か らは動画による航跡の公開を してきてお るところであ ります。
さらに、単に飛行実態を公開するばかりでなく、望ましい航跡の範囲として飛行コ ース幅というものを設定させていただきまして、その幅をもとに飛行実態を監視して おります。この飛行コース幅につきましては、平行滑走路供用開始時にも現滑走路と 同様の考え方で設定して運用をしていくことを考えております。この飛行コース幅に つきましては、それを逸脱するという場合がご指摘の通りあるわけでございますが、 逸脱した場合につきましては理由を確認しております。そういうことでエアラインに 対して、きちんと何故それを逸脱する必要あつたのかということを、その都度確認を
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させていただいて、遵守するように指導しておりますが、ご指摘のようなことがまだ 十分ではないというご指摘でございますので、今後とも気を引き締めて、エアライン に飛行コースの遵守というものの重要性を理解していただき、この問題意識の共有を 図つていきたいと思つております。今後ともよろしくお願いいたします。
【平山地域共生部長】 それでは、騒音対策について説明させていただきます。 騒音対策につきましては、先程からご質問等出ておりますので、成田空港独自の対
策をこれからも進めていくことはもちろんであります。 それから平行滑走路の供用による騒音の変化等を注意深く監視しつつ、関係市町と
もよく相談させていただきながら、現行のA滑走路といいますか4000m滑 走路と 同様の騒音対策を平行滑走路においても実施していく考え方をしております。
また、騒音対策に対する経費についてでございます。従来より周辺対策交付金によ りご協力させていただいているところでございますけれども、周辺対策交付金は、い わゆる航空機燃料譲与税の制度に準じまして、その障害の防止、空港に関連する施設 の整備等空港周辺対策に関する事業に充てることを目的としております。そういう意 味で財政当局の理解を得て設立、交付しておりますので、交付金総額は燃料譲与税に 準じて決定されております。当該制度を離れましてどんどん増額しろということはち ょつと難しいのではないかと、このように思つておりますのでご理解を賜りたいと思
います。 それから、大気常時測定局の増設であります。大気常時測定局につきましては、空
港の諸活動に伴う発生源対応として、周辺への影響を常時監視していくということで、 航空機の離発着の影響が大きいA滑走路延長上の南北アプローチエ リア内に各 1地点 及び居住地域で直接的な影響が及ぶと予想される空港の東西境界付近に各 1地点の4 地点を設置し、平成10年4月 より運用を開始しております。測定結果につきまして は、本 日お配 りしてお ります環境 レポー トや、相談センター、空港公団のホームペー
ジ等において公開しているところでありまして、平成11年度の測定結果では千葉県 内の大気質測定結果と比較いたしましても大差のないという結果が出ております。
また、暫定平行滑走路につきましても南北方向について、滑走路延長上の空港との 境界地点付近の各1地点設置し、本年4月より運用を開始することとしております。 これらの測定局におきまして、平行滑走路供用前、供用後の後の状況変化等について
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注意深く監視していきたいと考えております。以上でございます。
【永井委員長】 はい、ありがとうございました。ただいまの回答でよろしゅうござ いますか。
【大栄・多古 0下総地区部会 (可瀬下総町長)】 ありがとうございました。前向きの ご答弁であるなというようなことを考えておるわけでございます。大変どうもありが とうございます。今後 ともどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。
【永井委員長】 それでは、次に移らせていただきます。富里・山武地区部会を代表 い た し ま し て 、 並 木 委 員 の 方 か らお 願 い い た し ま す 。
【富里・山武地区部会 (並木山武町長)】 富里 :山武部会を代表して、山武の並木で ございます。私の方から騒音関係1点、それと関連と申しますか、航空機関連1点、
それとちょっとお願いごと的な事ということで申し上げたいと思います。 近年は社会現象とも言えるほど環境問題が取り上げられております。航空機騒音が 75WECPNL以 上の地域については騒防法による対応がなされておりますが、航
空機騒音に係る環境基準である70WECPNL以 上で75未満の地域への対応はど のように考えているかお伺いをしたいと思います。
次に、農業用ビニールハウスの汚染対策についてお伺いをいたしたいと思います。
開港後、航空機の排ガスが原因と思われるビニールの汚染が話題となり、数年が経 過しておりますが、我が町においても被害の話を耳にしてまいったわけでございます。 聞くところによればこの問題については、数年前より他の機関において提言があつ たと聞いております。航空機の排ガスによリビニールの汚染についてどのような対策 を考えておるか、またどのような形の対応について考えてまいったかをお伺いしたい
と思います。 そういう中で、それは以上の2点は、所詮が当飛行場があることによってもたらさ
れた環境の修復等による事案であろうかと思います。なおかつ一言いわせていただけ るならば、私達地域としては本来の調整として公団を含むご当局よりの調整たるべき 姿勢、積極的な独自の策を今後示してもらえたらと願うものでございます。以上でご
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ざいます。
【永井委員長】 はい、ありがとうございました。それではご質問のありました2点 につきま して、空港公団の方から回答 させていただきます。
【平山地域共生部長】 75W未満の地域への対応をどのように考えておるのかとい うことでございます。
成田空港におきましては、航空機騒音障害の防止のため低騒音機の導入や早朝・夜 間の便数制限ということのいわゆる発生源対策、あるいは防音堤の設置ということで 空港外に音がもれない、極力減らすということで、空港機能の改良などを図つて環境 に留意する努力をしておるところであります。
しかしながら、現時点におきましては航空機騒音に係る環境基準の達成が困難であ るため、環境基準が達成された場合と同様の静穏な環境を屋内で確保することを目指 しまして、騒防法に基づき第1種以上の区域でございますが、民家防音工事の助成を
行つているところであります。 この質問の点につきましては、いわゆるその他というところでありますけれども、
もつと低いところであります。共生財団の事業の一つとして、隣接地区住宅防音工事 が実施されておりまして、第1種区域の外側に隣接する区域について防音工事を行つ ておるところであります。
また、現滑走路と平行滑走路、谷間・谷間とさきほどから説明しておりますけれど も、その地域におきましても谷間対策として各市町が防音工事を実施しており、千葉
県及び公団がこれに協力をするという体制で望んでおるところであります。 今度とも航空機騒音の障害防止に向けまして、関係市町村ともよくご相談しながら 引き続き努力をしていきたいと、このように考えておりますので、町当局ともいろい
ろなお話を続けさせていただければと、このように思つてお ります。 それから、農業用ビニールハウスの汚染対策でございます。農業用ビニールハウス の汚染は航空機の排気ガスによるものではないかと、こういうご指摘に対しましては、 これまでも実施されたいろんな関係機関の調査におきまして、航空機の排気ガスとの 因果関係は特定できないと、このような結果になつております。また、空港公団が実 施した飛行コース直下地区及び離れた遠隔地における調査におきましても、航空機起
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因を特定するような地域特性は見当たらないと、こういう結果になっておりまして、 その結果につきましては、平成 9年 4月 でございますか、共生委員会においても説明
・ ご報告 したところであ ります。 空港公団といたしましては、これまでの調査の補填調査というなおかつ調査を続け
るということと、平成9年10月から2年間、空港敷地内にビニールハウスを設置い たしまして、汚染状況を調査いたしました。その結果に関しまして、飛行直下の地区 及び遠隔地との汚染状況の比較を行つてみたんでございますが、地域との顕著な差異 は 認 め られ な か つ た と こ ろ で あ り ま す 。
加えまして、暫定滑走路につきましても、供用前の状況等について、現在調査して おります。供用後においてもこういう調査を続けていきたいとこのように思つており ます。今後共このビニールハウスの汚染につきましては、調査方法などについてやは
り地域の皆様方との意見あるいはどういう機関に調査をしていただくかというご意見 を伺いながら引き続き調査をしていきたいと、このように思つておりますのでよろし くお 願 い い た しま す 。
【永井委員長】 よろしゅうございますか。
【富里・山武地区部会 (並木山武町長)】 はい、なかなかこのビニールハウス問題も 特定が難しいといわれればそうなんですけども、やはり現実としての一番感ずるのが 農家の方々で、やはり空港が近いことによってもたらされた、汚染というのは身近に 実際に感 じていますので、調査の方を今後とも続けていただきたいと思つております。
【永井委員長】 はい、ありがとうございました。それでは次に佐原・神崎地区部会 を代表いたしま して、後藤委員の方からお願いいた します。
【佐原・神崎地区部会 (後藤神崎町長)】 今日は、私共の佐原・神崎部会であります けれども、佐原の鈴木市長さんもおいでですが、私の方から大別して2点についての 要望させていただきたいと思います。
また、私共の部会の方より2月 26日 開いたわけでありますが、栗源町さんがオブ ザ ー バ ー と して 参 加 され た こ と を 申 し上 げ ま す 。
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1点目でございます。飛行コース及び飛行高度の遵守並びに氷塊等の落下物の防止 についてであります。
先程ご説明 。ご報告をいただきました暫定平行滑走路工事でございますが、本年 1 1月 30日の完成に向けて急ピッチで進められておられるとのことでありまして、私 共周辺自治体といたしましても、平行滑走路の早期完成を望んでいるところでありま
す。 しかし、この平行滑走路が供用開始されますと、中型航空機の運用が中心になる と聞いておりますが、年間発着回数は65, 000回 、その程度の増加が見込まれる ということでありまして、全体的には200, 000回 になるものと試算されておら
れます。このため、航空機騒音、大気質、水質、自然環境などの及ぼす新たなマイナ ス影響が懸念されているところであります。つきましては予想される航空機騒音等の 軽減を図るため、これまで以上に標準飛行コース及び飛行高度の遵守についてしつか りとした対策をお願いいたしたいと思います。そしてまた、今回オブザーバーとして 参加 されま した栗源 町であ りますが、一昨年 10月 に氷塊落下事故が発生 してお り、 被害を被っておりますので、その重大さを鑑みまして改めて航空機の安全点検の強化 等を図つていただきまして、その防止に万全を期していただきたいと思います。
次に2点日でございます。先程出されておられます地域振興についてであります。
地域づくりの施策につきましては、共生大綱に明記されております。地域と共生と いうことでありますが、そこでこの空港周辺アクセスの整備、また当地区の活性化に 大きくこれ らは寄与するものでありますので、空港利用者や空港関連の就業者のこれ は利便性、また、この暫定平行滑走路の供用に伴いまして、利用者の増加に伴います 交通渋滞の緩和などが、この必要かつ不可欠なものになつてまいろうと存 じます。そ んなことか ら首都圏中央連絡道、神崎・大栄間の促進方をお願いいたしたい。それか
ら、国道51号佐原 。大栄間の四車線化の促進、もう一′点は51号と356号の中間、
ようするに空港へ向けての主要道路して、いま建設途上にあります県道成田・下総・ 神崎線の早期完成を要望いたしたいと思います。
また、消防防災関係についてでありますが、私共の地域は、離着陸の魔の3分間エ リアということになつておりまして、その消防組合は新東京国際空港消防相互応援協
定に基づきまして、万が一の航空機災害に備えて、その救援・救護活動の一翼を担う 拠点となります処の消防庁舎等の設置整備の充実を図つてまいらなければならないと 思っています。その施設整備に対しましても、今準備に入つておりますが、助成措置
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等について特段のご配慮をいただきたいと思います。さらにこの平行滑走路の供用開 始後は旅客サービスや空港関連産業の新たな需要拡大が予測されます。そういうこと から経済的な波及効果が周辺地域分散化されるような特段のご配慮をお願いいたした いと思います。以上、佐原・神崎部会でありますが、よろしくお願いをいたしたいと 思います。
【永井委員長】 はい、ありがとうございました。それでは、飛行コース・高度の遵 守及び落下物事故の防止対策につきましては国土交通省から、地域振興策のうち交通 アクセス網の整備につきましては千葉県から、航空機災害対策並びに空港の有する経 済的効果の空港周辺地域への均霧化の課題につきましては空港公団から、それぞれ回 答 す る こ と に い た しま す 。 そ れ で は 、 順 次 お 願 い い た しま す 。
【井上新東京国際空港長】 それでは、飛行コニス及び高度の遵守についてご説明さ せていただきます。
これは、先程も申し上げましたとおり、私共、地元とのお約束どおり飛ぶように出 来るだけ努力 させてもらってお ります。今、ご指摘の通 り暫定平行滑走路が出来ます と、大変飛行回数が増えるということで、当然騒音が増カロすることは予想されますの で、これまで以上にこの遵守につきましては、充分に努力してまいりたいと思います。
よろしくお願いします。 それから、氷塊落下物防止につきましては、先程から申し上げているとおりでござ
いますが、本当に私共としては小さな案件でも届出を受けましたら、きちんと調査い たしますと共に、関係の航空機の落下物だと推定される場合には、きちんとエアライ ンに対して伝えまして、こういう事実があつたということで、そういうことでの注意 喚起、問題意識の共有というものを図つておりますので、何卒ご理解いただきたいと 思います。
【齊藤千葉県空港地域振興課長】 それでは、交通アクセスの整備ということで、神 崎・大栄間の建設促進ということでございますが、首都圏中央連絡自動車道の茨城県 境から大栄町につきましては、現地測量あるいは地質調査を実施しております。平成
13年度には道路設計を行う予定となっております。今度とも国土交通省に、よリー -41-
層の事業促進を要望してまいりたいと、このように考えております。 二つ目の、51号線の4車線化ということでございますが、現在、国土交通省にお きまして、千葉市、成田市、及び大栄町で交通混雑を解消するということで、交通の 円滑化を図るため4車線化事業を進めておるところでございます。これまで工事が完
成した区間から随時供用を図つてきたところであります。また、その他の区間につき ましては、整備の緊急性の高い渋滞の著 しい主要な交差点や事故多発地点等の改良を
進めることとしている。 なお、ご要望の4車線化につきましては、現在、事業を進めている区間の進捗状況
を見ながら、国土交通省に要望をしてまいりたいと、このように考えております。 三点目の、成田・下総線、さきほど成田・下総 。神崎線とおっしやいましたけれど
も、成田・下総線でよろしゅうございますね。 成田市街地と香取方面を結ぶ主要な道路でございまして、成田空港へのアクセス道
路としてバイパス整備を進めているところでございます。全体延長約1 4kmの うち、 約 12.5 kmにつきましては、すでに供用をしているところでございます。現在、成 田市関戸地先の約0。 8 kmの区間について用地買収と共に順次工事を進めているとこ
ろでございます。残る0。 7 km、 成田市土室の約0。 2 km、 大室のO.5 kmにつきま しては、用地買収が難航しておりまして、今後とも地権者の協力を得られるよう話し 合いを重ねてまいりたいと、そして早期完成に努めてまいりたいとこのように思つて
おります。よろしくお願いします。
【平山地域共生部長】 空港公団からは、航空災害に備えるための消防施設の整備と い うことにつきまして、回答 させていただきます。
この消防施設の整備につきましては、従来から周辺対策交付金により協力させてい ただいておるところでありますが、ご要望の消防庁舎の整備充実に関しましても、町 長さんおっしゃいましたように、万一の航空事故、航空機の災害等における消防業務 の円滑な実施において、その重要性は十分我々も理解出来るところでありますので、
どのようにこれから整備していくのかということの具体的な内容を十分聞かせていた だきまして、関係市町ともよく相談させていただきながら検討していきたいと、この ように思つてお りますのでよろしくお願いします。
それから、経済波及効果の地域への分散でございますけれども、来年平行滑走路が -42-
供用開始して発着回数が20万回に達した場合の経済波及効果ということで試算いた しました。それによりますと旅客・貨物の取扱量は今の1.4~ 5倍くらいになるで あろうと、このように予測しております。それによりまして、空港関連企業の従業員 や売上高の増加が見込まれるということ、また空港を利用する外国人旅客、また輸入 貨物による経済効果など、相当な経済波及効果があるものだとこのように私共は想定
してお ります。 公団といたしましても、これらの波及効果というものが周辺地域へ均等に波及でき
れば一番望ましいと、このように思つておりますが、空港と地域が連携しまして、空 港の活力といいますか、そういうプラス面を皆様方と享受できるように努力していか なければならないということが、地域づくりというものの一つの一環というもので共 生大綱の中でも言わせていただておるところでございますので、大変な課題ではあり ますけれども、今後も努力してまいりたいと思つております。
そのためには、まず私共といたしましても暫定滑走路供用に全力をつくすと共に、 出来る限り皆様方とその地域づくりについてのお話し合いをしていければということ で思つておりますので、ご協力をお願いいたします。
【永井委員長】 よろしゅうございますか。
【佐原・神崎地区部会 (後藤神崎町長)】 一つ頑張つていただいて、よろしくお願い します。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。それでは、次に河内・新利根・江 戸崎地区部会を代表いた しまして、野高委員にお願いいた します。
【河内・新利根・江戸崎地区部会 (野高河内町長)】 はい、私共は茨城県側の河内・ 新利根・江戸崎地区部会を代表して、一言ご要望を申し上げたいと思います。日頃は 大変何かといろいろ、空港公団始め関係各位の機関にご配慮を賜り哀心より厚く御礼
を申し上げます。 地域の住民としましても、平行滑走路が2002年に開設されるということで、そ
の中で大変騒音等に対する地域住民の不安は、各地区にいろいろな声が沢山出ており ‐43-
ます。そういう中で本日は2点について、ご要望を申し上げたいと思います。 第 1点は、周辺対策交付金についてです。財政状況の非常に厳 しい状況下で毎年空 港公団のご協力により各種の公共施設が整備されているところですが、経年変化によ る老朽化等により維持管理費も年々増加している現状でありますので、周辺対策交付 金の増額については特段のご配慮をお願いしたいと、いろいろな資料等の流れの中で 今日もいろいろ各千葉県側の首長さん方の要望の中には、あんまり周辺対策交付金を
くれなんていうようなことなく、皆さんは結構満足していらっしゃるのかなあという ような思いもいたします。そういう意味では茨城県側も寛町長はじめ、もう少しいた だかないと困るなというような声が大きな渦になつておりますので、よろしくお願い
いたしたいと思います。 また、第 2点においては、地域振興対策について、今後の周辺対策施策については
騒音の影響下の対策はむろんでありますが、空港地域周辺の均衡ある発展を図るため、 成田空港地域の共生を目指し、空港の持つ活力を活かした周辺地域整備対策の確立を 要望いたしたいと、この周辺対策地域整備の確立というような大変幅広いものがあり まして、民家の防音の問題、騒音の問題あるいはアクセス道路の問題等も含めて、い
ろんな環境対策をお願いしたいと思います。 以上の2点を強くご要望お願いしたいと思いますのでよろしくお願いしたいと思い
ます。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。それでは、以上2点ご要望のあり ました点につきまして、空港公団から回答させていただきます。
【平山地域共生部長】 はい、それでは周辺対策交付金の増額についてということで ありますので、さきほどから申し上げておるんですが、周辺対策交付金というのは燃 料譲与税という制度に基づいて総額が決まってまいります。そう意味では、その制度 から飛びはずれて全く別なものということでの算定は難しく、その総額がど?んと増 えるということは正直申し上げまして、制度上から離れていくことは難しいというこ とであります。実質的には平行滑走路の供用により、発着回数が伸びることによつて
増加はしてまいるものでありますけれども、制度からあまり離れた形は出来ないとい う こ と を 申 し訳 ご ざ い ま せ ん が ご理 解 願 い た い と 思 い ま す 。
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それから、地域振興策であります。
地域振興策につきましては、空港は周辺地域にいわゆる騒音というマイナスをどう しても投げかけるということでご迷惑をお掛けするということは私共十分に理解して おります。片方では、空港というのは人と物との交流の場であるし、空港は直接ある いは間接でも空港周辺にプラスの面を片方では出していかなければならないし、ある 意味では少ししているのかなあということを考えております。地域づくりのためにも 空港の持つ、いわゆるプラスを活用した地域振興策が必要になつて来るんではないか
と、このように考えておるところであります。 地域振興のための諸対策の策定は、基本的には私共の考えといたしましては、地域
の方々がどのような町づくりをしていくかなということで自治体や地域の方々が主役 となって、基本的には考えていくものかなあと、このように考えておりますけれども、 現に工業団地を造成したり、関連企業を誘致したいということもお話しは伺つており
ます。空港公団といたしましても、その辺のお話を十分にさせていただきながら、連 携をやはりとりながら、出来る限りの働きかけ努力をしてまいりたいと思つておりま す。
【永井委員長】 はい、よろしゅうございますか。
【河内・新利根・江戸崎地区部会 (野 高河内町長)】 どうもありがとうございました。 よろしくお願いします。
【永井委員長】 それでは、最後になりますが、成田空港から郷土とくらしを守る会、 岩 田 委 員 の 方 か らお 願 い い た し ま す 。
【成田空港から郷土とくらしを守る会 (岩 田事務局長)】 それではよろしくお願いい た します。
大きくは4点ご質問をしたいと思います。
第1点日は、2月の5日だつたでしょうか、成田空港からインドの大地震の支援と いうことで、自衛隊の輸送機が6機ばかり飛び立ちました。こういうことは今まで無 かったことだと思うんですね。これは地震の支援ということで、成田空港の軍事利用
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とは言えないのかなあとは思いますけれども、どういう経過があつたのか、それをお 伺いしたいという気がいたします。というのはどうしてかと言いますと、これは素人 考えかも知れませんけれども、一日も早くインドヘ物資を届けたいというならば、そ のチャーター便、民間機をチャーターして一気に運んだ方がはるかに早かつたのでは ないだろうかと、こういうふうに思う訳です。
それからもう一つは、これをきっかけにして自衛隊機のような軍用機が、成田空港 に、たとえ軍事利用と言えるか言えないかは別といたしてでもですね、出入りするよ うになるとい うことになれば、騒音の問題でもそれから運航形態が軍用機 と民間機 と 違うわけですから、その安全の問題でも非常に問題が大きくなるんではないかと、こ
ういうふうに考えるわけで、その点第1点としてお伺いしたいと思います。 それから第2点は、暫定滑走路問題なんですけれども、現在今日もこの資料出て来 ましたけれども、平行滑走路関係の民家防音工事第 1種区域ですね、それは現在まで
進捗率が58%ということになっております。そうすると、あと来年初夏5月なら5 月のその供用開始までに1年ちょつとしかございません。それでいつたいこの残りの 42%の 民家防音工事がそれまでに終わるんだろ うかと、これはもちろん相手がある ことで当然申し込んでいただかなければ、勝手にやるつてことは出来ないというのは 分かるんですけれども、ただそれに向けて公団がどのような、例えばその地域の住民 に対するPRをですね、そういうものをやつて早くやつていただきたいというような ことをやっているのかなというちょつと疑間がある訳です。それは暫定滑走路につい ては一つ日ですね。それから暫定滑走路についての二つ目は、その暫定という名前な んですけれども、これは一体いつまで暫定なんだろうかと、こういう点はっきり言え ないにしてもお伺いしたいと思うんです。というのはどういうことかというと、これ がですね、暫定といいながら10年も経つてしまったということになれば、これはも う暫定ではない訳ですよね、そうしますと結局例えば騒音対策やその他にしても、そ の暫定と言うことで、もうちょつと待つてくれという言い方は出来なくなっちゃうん じゃないかと、こういうふうに考えます。従いまして、暫定というのはいつ頃までな んだろう。で、例えばそれがはっきり言えないにしても何年ぐらい経ったら、それで は暫定ではなくて例えばそれに基づいて例えば第 1種区域の見直しだとか、そういう ものをはじめると言うことになるのかなあと、こういう点でお伺いしたいと思います。 それから3つ目ですけれども、本来の平行滑走路2500mが 完成したときに、延
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ばした北部分ですね、これについては一体どういうふうな処置を考えているのかなと、 あの?漏れ聞くところによりますと、それはもう絶対使わせないというような話が出 てるというような話なんですけれど、ただやつばり航空会社とかあるいは実際に飛行 機を飛ばすパイロットとか、そういう方々から見れば、長い方が当然安全のためには いいわけですよね。ですから当然これはもしそういう事態いわゆる2500mの 南の 方が完成して、ということになれば、使わせてくれっていう話、もつたいないじゃな いかとこういう話は当然出てくる訳ですね。ですから、そういうことについてはどう いうお考えがあるのかなということを三つ日として伺いしたいと思います。
それから4つ日、この暫定滑走路の騒音についてのテスト飛行というのは、やる予 定があるのかどうか、で、いつ頃それをやつていただいて、それに基づく対策という のはどういうふうに考えていただけるのかということです。
それから5番目で、その騒音測定局、今日は初めてここで知ったんですけども、1 6箇所設けると、暫定滑走路についてのですね、ところがこれは残念ながら今日図面 で此処と此処だよということが教えていただけなかったということなんですけれども、
当然この暫定滑走路てのは北へ延びる訳ですから、北側の下総町あるいは神崎町だと か、あるいは茨城県側こちらの方に当然その測定局が多くなるんじゃないかなという 気がするんですけれども、そこら辺はどうなんでしょうかということです。
それから6点日として、その暫定滑走路の供用が開始されますと、今使われている 4000m滑 走路の騒音が増加するつてことは当然考えられる訳なんですね。何故か といえば、暫定滑走路は中距離便使えない、だからもつぱら中近距離便にあるいは国
内線に使うということになる、そうすると当然便数が増えたんだから中距離便だつて 便数増やしてくれという要望は、そのいろんな国からあるいは航空会社から出てくる 訳ですよね。そうしますと、そうやつて増えたその中距離便が現4000m滑 走路に 集中してくるということになれば、当然現4000m滑 走路の騒音というのは高くな
るはずなんです。で、それに対してどういう対策をとるのかなということをお伺いし たいと思うんです。
それから大きな3つ日で、周辺対策の充実なんですけれども、毎回此処でお願いし て今もほかの市町村の代表の方からお話が出ましたけれども、周辺対策交付金の増額
というのを、さきほど部長さんは制度を超えてということは出来ないと、こうおつし ゃいましたけれども、そりやあそうなんですね、ですから毎回お願いするんですけれ
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ども、何とかもうちょつとこの制度そのものを根本的に変えていただけないだろうか と、そうしないとちつとも前へ進まないという気がいたします。
それから2つ目ですけれども、今回、昨日なんか県の方で千葉県都市計画審議会か なんか開かれて、いよいよこの騒特法に関する都市計画、これが知事の告示があれば 発効することになるようです。で、実はこの騒特法に関する都市計画なんですけれど も、これを周辺対策として、是非位置づけていただきたいと、こういうふうに考える わけですね、で、何故かといえば当然騒特法でこの都市計画をつくるのは何故かとい えば、さきほどもどなたかちょつとおつしゃいましたけれども、騒特法というのは私 権の制限を伴うだから当然それに対する代替措置というんでしょうか、補償措置とい
うんでしょうかね、そういうもので、このいろんな計画を立てなさいよということで、 この都市計画の手法に基づいて立てられたものだと思うんです。そうしますとそれを 一般的なごく一般的なほかの都市部でやつているような都市計画と同じようなやり方 でもつて、やりなさいといわれても、これは非常に困難が伴うと思うんですよね、例 えば財政基盤が弱ければやりたくても出来ない。無理して起債かなんかしてやつてし まえば、それこそ子供の代までその借金が重くのしかかつてくると、こういうことに なつてしまうんじゃないかという気がするんです。そうしますと、本当はその私権の 制限を伴 うこうい う代替措置として、その立てた都市計画が何も出来ないと絵に描い た餅になつてしまうと、こういうことになりはしないかという気がするんです。です から、何らかの形でこの都市計画を周辺対策の一つ、あるいは騒特法の代替措置の一 つとしてですね、国としても位置づけていただきたいと思 う訳です。で、まあそれと 関連するのかも知れませんけれども、その成田財特法の延長というものも再々再延長
になるのかも知れませんけれども、それも考えていただければと思います。 それから4番目として、さきほども二人の方から出たと思うんですが、環境基準7
0WECPNLの 地域まで、民家防音の工事をやつぱりやつていただきたいと思うん ですね。例えば、 2月 の末に神奈川県が厚木基地周辺の、そのアンケー ト調査の報告 書を出しました。で、それでもやはりですね、厚木基地の周辺の住民でも、その70 W以上75未満のいわゆる第1種区域に入つてない地区の住民が、そのアンケートの 中で56.6%が 民家防音工事を実施してもらいたいと、こういう回答を寄せている んです。それでは県としても、そのまとめの中で、是非これは実現 してもらいたいと こういうふうに言つてる訳ですね。で、やっぱりさきほど部長さんでしたか、公団と
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しては屋内で同等な環境が実現できるように、今一生懸命やってますとこういうお話 でした。それはそれで結構だと思うんです。ただやつぱり、環境基準というのは屋内 でこれをやりなさいという基準じゃないと思うんですよね、あくまでも屋外で、この 成田空港周辺では、もう14年前ぐらいになるんでしょうか、14年前までに70W 以下の静穏な環境にしなさいよと、これが環境基準だと思 うんです。それで我々は家 の中でばっかりで生活するわけに行かないわけですよね当然、ですから、それは室内 でもつて静穏な環境につくつてもらうのはもちろんなんですけれども、やはり大元は その室内でも室外でもこの環境基準をきちつと達成するような、そういうものをやつ ていただかなければいけないんじゃないかと思うんです。で、それがもし、さきほど も部長さんおっしゃいましたけども、かなり難しいということであれば、やはり70
Wまで民家防音工事をきちつとやるというのが筋ではないかという気がいたします。 それから、南側ゲートの問題についてはさきほどもちょつと回答ありましたので、 これは省きます。それから実は交通渋滞が非常にひどい。私も空港にいろいろ用事が あつて来るんですけれども、そのたんびに夕方来ますとものすごい渋滞なんですね。 それで、高速道路をとばしてくると、高速道路の東関道の出口までは、私市川に住ん でいますけれども、そつから30分ぐらい、ところがそつから実際にその目的地に着 くまでもう30分以上かかると、こういう状態で非常にひどいんですよね、それでち ょつと考えるんですけれども、この空港を南北に縦貫している道路があると思うんで すけれ ども、その道路を今 2車線ですよね、それを4車線にするわけにはいかないだ ろうかと、暫定滑走路が供用開始されればもつと貨物の動きも激しくなる、人も増え
ると交通渋滞も当然増える訳ですよね、もつと渋滞が激しくなるじやないかと、こう いう気がいたします。
それから大きな4番目として、羽田空港の国際化についてお尋ねしたいんですけれ ども、羽田空港国際化で今は深夜・早朝のチャーター便だけですけれども、今後この 国際化が進んで行くんじゃないかと思うんですけれども、この成田空港の位置づけと いうのはどう変わるんでしょうか。これは国土交通省の方じゃないとお答えできない と思うんですけれども、これはどう変わっていくのかと、それをお伺いしたいと思い
ます。 それから、羽田空港の深夜・早朝の国際チャーター便の運航、これを許可するに当
たって空港周辺の我々成田空港周辺の住民に一体どんな説明があつたんだろうかとい -49-
うことをお伺いしたいと思うんですね。で、例えばこの成田空港じゃなくて、羽田空 港を国際化することによって、この成田空港周辺の騒音がどうなるんだとか、だから こういうふ うにや りたいんだとか、そ ういう説明と、それから住民がどう考えてるか、 この意見の聞き取りこういうことがあつてもよかつたんじゃないかなという気がする んですけれども、そこら辺についてはどういう手だてを国土交通省の方でとつたんだ ろうかということがある訳です。これは今後本格的な例えば羽田空港の国際化が進む とすれば、なおさらやらなければいけないことじゃないかと思います。以上です。よ
ろ し くお 願 い しま す 。
【永井委員長】 はい、ありがとうございました。非常に広範多岐にわたるご質問・ ご要望がございましたが、大きく分けますと4項目に分かれると思いますので、それ ぞれの項目のもとで関係機関の方から回答をお願いしたいと思います。自衛隊機使用 の問題について国土交通省から、暫定平行滑走路問題について空港公団から、周辺対 策の充実について千葉県と空港公団から、羽田空港の国際化問題につきまして国土交 通省の方から、それぞれお願いをしたいと思います。それでは、まず国土交通省の方
か らお願 いいた します。
【坂尻東京航空局次長】 はい、では自衛隊機の使用についての問題でございます。 経緯が長くなりますけど、去る1月 26日午後9時頃インド西部のグジャラート州
においてマグニチュード6.9の地震が発生し、この地震で2月 4日現在、およそ1 万6千人を超える死亡が確認されました。そして、夜になると気温が2、 3度になる こ ともあ り、被 災者 は寒 さの 中、凍 えそ うな状 態 で野宿 を余儀 な くされ てお りま した。
そういう中で我が国政府としては、今回のインド大地震については、2月 1日 に現 地調査チームを派遣すると共に、当初インド政府の要請により名古屋の小牧基地から 自衛隊の医療チームを輸送するため準備を進めていたところ、急遠、インド政府より
テント、毛布などの援助物資の支援いただきたいとの援助要請の変更がありました。 政 府 とい た しま して も 、 これ に応 ず る こ と と した との こ とで す 。
外務省及び防衛庁 との間で援助物資の輸送方法について緊急に検討 した結果、凍え そうな状況におかれた被災者に緊急な対処を行うには、テント、毛布等について、国 際協力事業団が成田市内に備蓄している関係上、平素から海外における災害救助の空
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輸待機態勢をとり、かつ当初インド政府の医療援助の要請を受けて輸送体制を整えま した自衛隊機を使用して、成田空港から空輸することが最も速やかに対処すると判断 されました。更には、被災による混乱 した情勢のもと、民間機チャーターであると援
助物資がインド国内の空港に留め置かれ、被災地まで届きにくい状況にあつたため、 より確実にかつ緊急に被災された方々に届けるには、自衛隊機により現地空港まで直 送すると共に、隊員を派遣し、現地政府担当者に確実に引き渡し、テント設営の指導 などを行うことが不可欠と判断されたことからでございます。自衛隊機によリー番被 災地の激しいグジャラート州のブージまで輸送することになつたとのことでございま
す。 このように、今回の自衛隊機により成田空港の使用は、あくまで人道的な見地から
行われたものであることをご理解いただきたい と存 じます。 なお、国土交通省といたしましては、今回のようなケースについては特に周辺市町
村のご了解が必要だとは考えておりませんが、防衛庁側から2月 4日 の緊急協力以来 を受け、同庁と所要の調整を行いつつ、同日、千葉県をはじめ関係自治体に事実関係 をご連絡 した ところでございます。よろ しくお願いします。以上でございます。
【平山地域共生部長】 それでは、つづきまして暫定平行滑走路問題についてご説明 させ ていただ きます。
まず、1番 目の民家防音工事は暫定滑走路供用までに終わるのかと、こういう質問 でございますので、平行滑走路の民家防音工事につきましては、騒防法8条の2と い う規定に基づきまして、第1種区域の告示が昭和60年7月 1日 になされ、以来、当 該地域に対して民家防音工事の助成を行つてきておりまして、先程ご報告申し上げま したけれども、対象戸数の現在は約60%が終わつてきておるというところでありま
す。 民家防音工事の助成は、岩田先生がおっしゃっていたように対象の方々からの申請
に基づいて実施しております。現在実施されておられない方々のお考え、ご事情があ るので申請が上がってこない訳でございますが、その状況を見ますと正直申し上げま して、暫定滑走路の供用開始までに対象の方々すべてに、防音工事が完了するかどう か と い わ れ ま す と、 現 実 的 に は 難 しい と 考 え て お りま す 。
しかしながら、空港公団といたしましても、より多くの方々が供用開始までに防音 -51
工事を実施されることが望ましいと、このように考えておりますので、各市町村さん のご協力をいただきながらこれまでも努力してきておりますが、これからも引き続き 努力してまいりたいと思つております。
なお、空港公団といたしましては、防音工事推進の一環として、これまで数回にわ たつて意向調査をしております。正直申し上げますと、その調査の中で申請をやつて もいいという人と、残つてる方々なんですが、まだいいという人がおります。だいた い6対4く らいです。ただ、やりたいという方でも自分の家を全面改築したいから、 その改築時期が来るまで待つてくれとか、どうせ立て直すんだから資金の調達をして
るんで、それを待つてくれとか、そう言われておる方々もおります。 それから、防音工事を計画なしという方は、飛んでからでもいいとか、今の住宅は 正直申し上げて自分なりに相当手をこんで造つてあるんだ。そういうものに防音材と いう形で手を加えたくないとか、そういう意味での事情がある、ということはご理解
いただきたいと思います。それでも私共は、いろんな面でやはり後追いにならないこ のように思つておりますので、その努力は続けてまいりたいと、このように思つてお
ります。 それから2番目の、暫定つていうのはいつまで言うんだと、このような質問でござ
います。暫定平行滑走路は、2180mの 滑走路工事を進めているのが今現在の状況 であります。一方におきまして、本来の計画であります、2500mを さきほど空港 づくり企画室長からも懸命に努力しているということで、お話・ご説明申し上げまし たけれども、現在でも残られておられる地権者の方々と話し合いの努力をしていると
ころであります。そういう意味におきまして、今後も可能な限り、早期に2500m 本来の滑走路が出来るようにということで、公団役職員一丸となつて、また、周辺の 市町村長さん方、町当局のご協力を得ながら頑張つておるところであります。そうい
う意味でご理解賜れば大変ありがたいと思います。 それから3番目の、本来の平行滑走路になったとき、2500mに なったとき、北
側に800mず らした分はどうなるのかと、こういう質問でございます。本来の25 00m平行滑走路が整備できた段階におきましては、北側の延長部分は正式な滑走路 として使用することは考えておりません。具体的に申し上げますと、滑走路の構造物
そのものを取り壊すと言うことはすることは考えておりませんけれども、無線施設や 航空灯火は2500m用 に整備し直すことになります。したがって、駐機とか留まる
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場合はあるかも分かりませんが、滑走路としての使用は無いと、このように思ってお ります。いわゆる、航空灯火というか無線施設を2500mに セットしてしまいます ので、その延長部分を滑走路としては実際には使えないと、このような意味でござい
ます。 それから、テス ト飛行はやるのかということでございます。工事完成後の国による
検査は、通常、電波、灯火等の施設が必要な機能を果たしてるかどうかでございまし て、実際の国土交通省の検証と言いますのは、小型機で行われるところであると思っ てます。ご質問のテスト飛行の趣旨が民間機によるものなのか慣熟的なものなのかは 分かりませんけれども、実施するかどうかについては航空会社ともよく話し合って判 断いたいと思います。ただ、空港公団といたしましては、平行滑走路側の地域の皆様
方に、新たな騒音というものが出ると言うことで、そういう飛んでみてもらえないか という要望を承つておりますので、航空会社さんともよく相談してまいりたいと、こ
のようにいま現在考えております。 それから5番目の、成田空港の航空機騒音常時測定についてでございますが、千葉
県をはじめといたします関係自治体及び空港公団が監視しシステムを整備しまして、 航空機騒音の監視を行つていましたが、平成9年10月から、第二者機関として設立 された、いわゆる共生財団において、空港周辺に設置された71局の測定データを収 集・集計する総合システムというものを整備 しまして、一元的に運用・管理を行つて
いるところであります。 平行滑走路に係る騒音測定局の配置につきましては、空港公団は、測定局の重複等
非効率な配置を避けるために、関係自治体と調整いたしまして、新たに16局を暫定 滑走路供用までに整備すると、このようにしております。
また、関係自治体におきましても常時測定局の設置を計画しておりまして、全体で は29局程度になるんではないかと、このように思つております。
それから6番目ですか、暫定滑走路の供用が開始されれば、滑走路の騒音が増加す ると思いますが、どのような対策をするかということで、いわゆる航空法の改正によ りまして、平成14年度からはいわゆる低騒音機と呼ばれている航空機の運航しか法
令上認められないこともあり、運行回数が370回、A滑走路でありましても、騒音 は現状と同程度になると我々は予測しております。
空港公団といたしましては、騒音の影響を正確に予測はしておりますけども、適切 -53-
に騒音測定を行い、現状を把握しながら、もし万が一の場合があれば対策は実施して まいると、このように考えております。
それから、周辺対策の充実ということであります。 2番目ですか、制度の問題ですよね。周辺対策交付金の増額の制度を根本的に考え
てみたらということであります。これは先程から申し上げておりますように、制度に 準じてやつているということで、ご理解をいただきたいと思います。正直申し上げま すと、現段階では当該制度を離れて総額を大幅に変えるということは難しいというこ
とをご説明しておるところであります。 それから、騒特法関連の都市計画を周辺対策として位置づけていただきたいと、こ
ういう要望でありますけれども、昨年6月 に千葉県から発表されました、いわゆる騒 特法の基本方針では、成田空港の周辺地域及びこれと一体的に土地利用を図るべき地 域として、航空機から生ずる障害の防止に配慮した適正かつ合理的な土地利用を推進
し、もつて成田空港周辺地域の住民の生活環境の保全及び地域と空港の調和ある発展 を図ることを目的としておりまして、関係市町はその都市計画に沿つた事業を行うも のと考えております。
空港公団といたしましては、これまでも空港周辺市町村が実施する航空機による騒 音等による障害の防止、空港に関連する施設整備等、空港周辺対策に関する事業につ きましては、いわゆる交付金で協力させていただいているところでありますけれども、 騒特法関連の都市計画にかかる事業につきましても対応可能なものにつきましては、
市町村と相談させていただきながら、同様の協力をさせていただきたいと考えており
ます。 それから、70WECPNLま での地域を民家防音工事を実施していただきたいと、
こういうことでありますが、成田空港におきましては、航空機騒音防止のための低騒 音機の導入、また、早朝や夜間の便数制限の発生源対策、それから防音堤とこういう ことで、空港構造の改良などを講じておりますけれども、現時点においては航空機騒 音にかかる環境基準の達成、70Wといわれますと、現実に音自体におきましては困
難な状況であると考えております。 そのため、騒防法に基づき第1種区域において、民家防音工事の助成を行つており
ますが、空港公団の騒音対策としては、この法律を超えて第 1種区域を超えてやるこ とは残念ながら出来ない状況にあります。そこで、第 1種区域の外側、先程から申し
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上げておりますけども、いわゆる隣接区域に対しましては共生財団の事業において防 音工事の助成を行つております。
また、現滑走路と平行滑走路のいわゆる谷間については、関係市町の防音工事に対 して、我々も県さんも協力しておるところであります。今後とも航空機騒音の障害防
止に向けましては、関係市町村とご相談しながら努力してまいりたいと思います。 それから、渋滞対策といたしましては、空港隣接区域における道路交通の円滑化と いうことを図るための諸対策について、空港公団といたしましても関係機関などのご
指導を得つつ、やはり渋滞を解消するための対応はしてまいりたいと、このように考 えてお ります。
【齊藤千葉県空港地域振興課長】 ご質問の中で、成田財特法の延長というふうなお 話しがございました。この財特法につきましては、成田空港建設に伴いまして、直接 あるいはまた間接に必要となる公共施設の整備を図るということと、周辺地域の積極 的な地域振興を図ると、こういうことの目的で昭和45年3月 に10年間の時限立法
として制定されたものであります。その後4回の延長が行われまして、国の方に県と して強く要望した結果認められてきたと、現在直近でございますが、平成11年3月
に延長された訳でございますが、平成16年3月 まで5年間の延長が認められたとそ
うい う状況でございます。 また、事業につきましては、財特法に基づきます空港周辺地域整備計画、県で策定
をしておるわけでございますが、これによりまして進められておりまして、平成11 年度末でございますが、その実績は事業ベースで5, 206億円、実施をしておりま す。また、進捗率につきましては、91%と なつております。現在、平成 15年度、
16年の3月 でございますが、最終年度とする計画に基づきまして、県道成田・松尾 線をはじめとする道路整備や、芝山鉄道の整備、農業集落排水あるいは土地改良等の 事業が進められているところでございます。成田財特法の延長につきましては、これ
らの残事業の進捗状況や新たな事業の必要性等を踏まえまして、また検討をしてまい りたい とこのよ うに考えてお ります。以上です。
【坂尻東京航空局次長】 はい、最後になりましたが、羽田空港の国際化についてと い う こ と で 、 国 土 交 通 省 か らお 答 え い た し ま す 。
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成田空港は国際線の拠点空港、それから、羽田空港は国内線の拠点空港であるとい うこれまでの基本的な位置づけは何ら変更あるものではありません。今回、羽田空港 に お け る 国 際 線 、 旅 ?客 チ ャ ー タ ー の 運 航 は 、 こ の 位 置 づ け を 基 本 と し つ つ 、 首 都 圏 の 国際航空需給の逼迫への対応等のため、成田空港が使用できない23時から6時の深
夜・早朝帯における羽 田空港の有効利用を図つたものでござます。 前述のとおり、今般羽田空港の有効活用は、成田空港の基本的な役割はもちろんの こと、成田空港の発着回数や運用時間帯など、同空港の運用に何 ら影響を与えるもの ではないことから、成田空港周辺住民の皆様方にご説明し、ご了解を得るべき事項で
あ る とは考 えてお りませ ん。 なお、今般の羽田空港の有効活用の検討に際しては、昨年3月 21日 に航空局管内
で、航空局内で羽田空港有効活用検討委員会を設置いたしまして、それ以来千葉県と 緊密な調整を図り、また周辺市町村に対しましてもご説明を重ねながら検討を進め、 昨年 12月 に千葉県をはじめ周辺自治体のご理解を得て今回の有効活用策を取りまと め る こ とが 出 来 た と こ ろ で ご ざ い ま す 。 以 上 で ご ざ い ま す 。
【永井委員長】 はい、ありがとうございました。時間がまいっておりますが、岩田 委 員 何 か ご ざ い ま す か 。 ど うぞ 。
【成田空港から郷土とくらしを守る会 (岩田事務局長)】 はい、すいません。一つは ですね、低騒音機の導入と、平成14年度から飛ばなくなるというんですけれども、 これはジャンボは高騒音機の中に入るのか、低騒音機の中に入るのかいうこと、当然
14年以降もジャンボは飛ぶと思うんですよね、そうするといま一番やつぱりうるさ いのはジャンボじゃないかなつて気がするんですけれども、それと制度的な改革って いうのは、例えば交付金の問題にしてもいろいろあるんですけれども、これは公団さ んの側としては去年も申し上げたんですが、公団の立場から言えば、こういうことし か言えないと思うんですよね。ですから私がお願いしたいのは、国土交通省の方に是 非ともこの根本的な対策というのを考えていただきたいとお願いしたいと思います。 以上です。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。それでは、簡潔にお願いします。 -56-
【平山地域共生部長】 ただいまの件でございますけれども、ジャンボ機の中の一部 のものがこの対象になってお ります。以上でございます。
【永井委員長】 よろしゅうございますか。それでは、皆様方のご協力にもかかわら ず、司会の不手際がございまして、時間を超過して申し訳ございませんが、最後に一 言ご挨拶を申し上げたいと思います。
各地区部会の代表の方々からのご発言を伺っておりまして、この1年間に各地区部 会とも活発な活動をしていただき、大変有り難く、感謝を申し上げる次第でございま す。
特に、地域づくりに関しましては、永年の懸案でございました騒特法に基づく都市 計画決定が近々正式になされるということでございまして、今後、計画的な土地利用 や施設整備が推進されていくものと思われますが、私共空港公団といたしましても、 皆様方と一層連携を密にして、よくよくご相談させていただきながら、出来る限りの 協力をさせていただく考えでございます。本日ご出席の皆様方をはじめ、各地区部会 の委員の皆様方、さらに国土交通省、千葉県、茨城県、航空会社さんに一層のご協力 をいただきたいと考えております。委員会冒頭でも申し上げましたように、空港公団
といたしましては、現在進めております暫定平行滑走路、これを予定どおりに仕上げ、 供用に漕ぎつけるとともに、2500m平 行滑走路の早期着工、供用に向けて、最大 限の努力を続けていきたいと考えてお りますので、引き続き皆様方のさらなるご理解、
ご支援をお願い申し上げる次第でございます。 これで、本日の議題のすべてを終了いたします。長時間にわたりまして、熱心にご
討議をいただきまして、誠にありがとうございました。皆様方からありましたご要望 をしっかりと踏まえて、対応してまいりたいというふうに考えておりますので、どう ぞ今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
【司 会】 これをもちまして、第28回新東京国際空港騒音対策委員会を閉会とさ せていただきます。本日はお忙しい中、大変ありがとうございました。
なお、引き続きまして、懇親会を開催いたしたいと思います。会場はとなりの部屋 となつております。係の者がご案内いたしますので、ご移動の方をよろしくお願いい たします。また、委員に随行 されてこられた方々も、是非ご一緒にご参加下さいます
57...
ようお願い申し上げます。 そ れ で は よ ろ し くお 願 い い た し ま す 。
-58-
本議事録は相違ないことを証する。
平成 13年5月 24日
第28回新東京国際空港騒音対策委員会委員 佐原市長 鈴 木 全
第 28回新東京国際空港騒音対策委員会委員 江戸崎町長 寛


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