第30回新東京国際空港騒音対策委員会 議事録
平成15年 3月 26日
<議事次第> 開会
質疑応答 閉会
<配布資料> 報告事項
第 30回新東京国際空港騒音対策委員会
委員長挨拶 委員紹介 議題報告 環境対策実施状況について
空港公団の民営化について
1.環境対策実施状況について 2.空港公団の民営化について
参考資料 1.環境レポートvol。 7(平成14年12月発行) 2.平成 14年度航空機騒音測定値 (W値 :速報値)一覧表 。図面 3`財団法人成田空港周辺地域共生財団事業の進捗状況
4。 新東京国際空港の動き (暦年別)
役職等氏名備考 <成田地区部会>
成田市議会議長 渡邊 昭
成田市議会空港対策特別委員会委員長 成田空港騒音対策地域連絡協議会会長 成田空港騒音対策地域連絡協議会副会長 成田空港騒音対策地域連絡協議会事務局長
<芝山地区部会> | 芝山町長 芝山町議会議長 伊藤 信 芝山町住民代表 石井 登
<松尾・横芝・蓮沼地区部会> 松尾町長 古谷 淳
横芝町長 蓮沼村長
<大栄・多古・下総地区部会> 大栄町長 多古町長 下総町長 可瀬 力 <富里・山武地区部会>
富里市長 山武町長
相 り|1義 雄 並木 宏夫
‐
2-
ネ申崎 富士雄 平 山 正 吉 松 島 文 哉 郡 司 福 男
相 り|1勝 重
賞 り|1 堅司郎 浪川 瀞一
佐藤 末勝 土井 正司
役等氏 <佐原・神崎地区部会>
佐原市長 神崎町長 <河内 0新利根・江戸崎地区部会> 河内町長 新利根町長 浦口 勇 江戸崎町長 <国土交通省> 新東京国際空港課長
東京航空局次長 新東京国際空港長 <千葉県>
総合企画部長 <茨城県>
生活環境部長 <航空会社代表>
新東京 国際空港AOC議長 日本航空(株)成田空港支店長
野高貴雄
寛信
玉 木 良 知
内 田 信 正 代理出席 東京航空局保安部長 冨 田
遠藤 信介
博 明
<学識経験者> 千葉大学名誉教授 成田空港から郷土とくらしを守る会事務局長 岩 田 公 宏 <新東京国際空港公団> 副総裁
理事 地域共生部長
... 3..鈴木 全一 後藤 好男
名備考
田 辺 英 夫 代理出席 空港地域振興課長F弓リキ 存百ヲ官
石 川 幸 夫 代理出席 県南地方総合事務所環境保全課長横 田]J稚
」ames?Kyte 同席通訳として ユナわ ド航空会社 運航管理部長 高 橋 武 文
光岡寿之 代理出席 日本航空鞠成田空港支店総務部長7野 沼註虜月
鈴木伸
永井 隆男 委員長 伊能楯雄 富澤 哲也
【司 会】 それでは、定刻となりましたので、委員の方がお一人まだおみえ に な つ て お り ま せ ん が 後 ほ ど ご 到 着 と い う こ と で ご ざ い ま す の で 、こ れ か ら 始 めさせていただきたいと思います。
ただいまから第 30回新東京国際空港騒音対策委員会を開催させていただ きます。本委員会の司会進行をさせていただきます私は、空港公団地域共生部 の橋本と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、議事次第にしたがいまして、本委員会の委員長であります空港公 団 副 総 裁 の 永 井 よ り ご挨 拶 させ て い た だ き ま す 。
委員長挨拶
【永井委員長】 空港公団副総裁の永井でございます。本 日は、年度末の大変 お忙 しい中ご出席を賜りまして、誠にありがとうございます。騒音対策委員会
を開催するにあた りまして、一言 ご挨拶を申し上げます。 こ の 度 は 、第 30回 の 騒 音 対 策 委 員 会 の 開 催 と い う こ と で ご ざ い ま す が 、今
日まで成田空港の運用が安全かつ円滑に行われてきましたことは、ひとえに皆 様方のご協力によるものと心から感謝をいたしております。
昭和47年に、第 1回の騒音対策委員会が開催されて以来、30年が経ちま したが、この間、成田空港問題シンポジウム、成田空港問題円卓会議を通じて 学 ん だ 事 柄 を 踏 ま え な が ら 、地 域 の 皆 様 方 と 手 を 携 え て 進 ん で こ そ 、成 田 空 港
の発展があるのだという考えのもとで業務に取り組んでまいりました。 そして、皆様方のご協力 0ご理解によりまして、昭和53年の成田空港開港 以来、平成4年の第2旅客ターミナルの供用、昨年4月 18日には長年の懸案
でございました暫定平行滑走路の供用と、着実に歩みを進めてくることができ ました。特に、暫定平行滑走路の供用は、国民の多くの方々から、心から待ち 望 ま れ た も の で あ り ま し て 、昨 年 、 日韓 両 国 に お い て 開 催 さ れ ま し た サ ッ カ ー ワール ドカップに際しましても、世界各地から多くのお客様を気持ちよくお迎
えし、またお送 りすることができました。 昨年からこれまでの一年の動きを振り返つてみますと、空港の運用面につき
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ましては、暫定平行滑走路の供用に伴い、平成 14年における航空旅客数は前 年比15%増の2,909万 人、航空貨物量が同じく前年比20%増の194
万トン、発着回数が25%増 の16万回と旅客数、貨物量、発着回数について 過去最高を記録いたしました。
施設面につきましては、第 1旅客ターミナルビルの増築等の能力向上と、施 設改善のための改修工事が順調に進捗しておりまして、昨年 12月、第3サテ ライ ト及び中央ビル本館がリニューアルオープンいたしましたが、今後は、順 次、第5サテライ ト及び第4サテライ ト、南ウイングの整備を進めてまいりま す と と も に 、平 行 滑 走 路 供 用 後 の 需 要 増 に 対 応 す る た め 、第 2旅 客 タ ー ミ ナ ル
ビル、貨物取扱施設、航空機給油施設をはじめとする空港諸施設の増強整備 0 改修を順次進めてまいりたいと思つております。
また、昨年 10月には空港管理者の国際会議であります、第12回のACI
世界総会が61カ国から約1,000人 の参加者を迎えて開催されまして、空
港危機管理体制の強化策や空港の経営問題、さらには環境対策等について各セ
ッションを通じて幅広い討議が行われました。このときの歓迎レセプションの
席には、本 日おいでになっておられます各市町村長、議長の皆様方にもご参加
い た だ き ま し て 、地 域 と 空 港 が 一 体 と な っ て 発 展 す る こ と の 意 義 な ど に つ い て 、
各国代表の方々とテーブルを囲んでご意見を交換 していただいたところでご ざいます。
同 じく、昨年 10月 には、これまた長年の懸案であ りました芝山鉄道が開業 するとともに、空港南ロゲー トが供用され、空港の南側の地域から成田市方向 や空港内へのアプローチがスムーズに行くようになりました。
次に、来年度、平成 15年度以降の運行計画について見てみます と、まず国 内線につきましては、先月、フェアリンクによりまして、この8月 1日から成 田・ 広 島 間 の 運 行 が 開 始 さ れ る こ と が 発 表 さ れ て お り ま す 。 こ れ に よ り ま し て 、
成田空港からの国内線の就航先は、新千歳空港、名古屋空港、大阪伊丹空港、 福岡空港、仙台空港の 5空港に新たに広島空港が加わ りまして、計 6都市と結 ばれることになり、利便性が更に向上することとなりました。国内線につきま して は 、地 域 間 交 流 の 拠 点 に ふ さ わ し い 魅 力 あ る 空 港 づ く り 、地 域 づ く り を 推 進するため、路線の充実に向けての一層の努力を地域の方々と一体となって続
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けてまいりたいと考えております。国際線につきましては、現時点で39カ国、 2地域、63社の航空会社が乗り入れを予定しておりますが、新規乗り入れの
航空会社としてエア・カレドニア航空が予定されております。 次に、成田空港にとりまして当面の重要課題として、新聞報道等でも頻繁に 取り上げられている空港公団の民営化問題でございますが、昨年末、国の交通
政策審議会航空分科会の答申において、成田空港単独民営化の方向性が示され、 これを踏まえまして先月28日には成田空港問題に関する四者協議会のメン
バーでございます、国土交通省航空局長、千葉県知事、空港周辺2市6町1村 の長及び空港公団総裁の間で、成田空港の民営化に関し覚書が締結されたとこ ろでございます。空港公団の民営化につきましては、後ほど担当のほうから詳
しくご説明をさせていただきたいと思つてお ります。 平行滑走路の供用は、国民の皆様、世界のお客様が長年待ち望んでおられた
懸案でありまして、事実、供用後の運行回数の増加のテンポには、予想を超え るものがございますが、一方で、一部地域の皆様には新たに航空機の騒音の影 響が及ぶこととなりました。空港公団といたしましては、その影響の程度を注
意深く継続的に把握するため、監視体制の整備につきましてはA滑走路と同様、 空港周辺に空港公団として16局の常時測定局を設置したほか、関係自治体に おかれましても常時測定局 14局を設置され、また大気の常時観測局につきま
しても、6局の常時観測局で24時間監視を行うなど、供用後の実態の把握に 努めているところでございます。
電波障害対策につきましては、暫定平行滑走路供用前に対策を終了したとこ ろでございますが、これにつきましても供用後の影響についてただいま調査中 でございます。調査の結果、影響がある地域につきましては、早急に必要な対 策を行つてまいる考えでございます。
また、空港公団では環境対策に関する基本的姿勢や、環境測定の測定結果、 空港運用情報などを積極的に公開するため、従来から、本日お配りしてござい ます環境レポートを地域の方々に広く配布するほか、公団の空港情報センター など3カ所におきまして、環境情報公開システムや飛行コース監視システム等 によりまして、関係情報を公開するなど情報公開の充実に努めているところで
ございます。
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暫 定 平 行 滑 走 路 の 供 用 に よ り ま し て 、こ れ ま で ほ ぼ 限 界 に 達 し て い た 空 港 の 発 着 能 力 が 格 段 に 向 上 し 、新 規 乗 り 入 れ や 増 便 要 望 に 対 応 で き る よ う に な り ま し た 。 世 界 の 航 空 需 要 は 、今 後 ま す ま す 増 大 し て い く も の と 予 想 さ れ て お り ま すが、このような動きの中で北東アジアにおける国際拠点空港としての成田の
役割は、今後ますます大きくなるものと思われます。 空 港 公 団 と い た し ま し て は 、本 来 的 課 題 で ご ざ い ま す 2,500m平
行滑走 路 の 一 日 も 早 い 完 成 に 向 け て 、引 き 続 き 最 大 限 の 努 力 を 続 け て ま い り ま す と と
も に 、民 営 化 後 も 地 域 と 空 港 と の 共 生 を 基 本 理 念 と し て 、地 域 と の 関 係 を 大 切 にしながら、もろもろの施策を推進 してまいりたいと考えてお ります。合わせ て、鉄道・道路などの社会基盤の整備等の地域振興のための諸策につきまして も 、国 や 県 を は じ め と す る 地 方 自 治 体 の ご 指 導 を 仰 ぎ な が ら 、可 能 な 限 り ご 協
力をさせていただきたいと考えております。 本 日は、この委員会におきまして、時間の許す限りご協議させていただき、
有意義な場にいたしたいと思つております。皆様方のご協力をお願いいたしま して、冒頭のご挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
ム△ 【司 それでは、報道関係者の方は別室のほうへご移動をお願いいたし
ます。
委員紹介
【司 会】 続きまして、本日ご出席の委員の方々を私のほうからご紹介させ ていただきます。
【※別紙名簿に従い、出席している委員を紹介】
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議事録確認者の指名
【司 会】 次に、議事録確認者の指名をさせていただきたいと思います。指 名にあたりましては、委員長よりお願いいたします。
【永井委員長】 それでは、ただいまから議題報告等に入らせていただきます が、議事要旨を記録いたしますので、後日、委員の代表の方お二方に内容等に つきましてご確認いただきたいと存じます。
議事録確認者のご指名につきましては、私に一任させていただきたいと思い ますが、いかがでございましょうか。
【異 議 な し 】
【永井委員長】 ありがとうございます。それでは、私のほうから指名をさせ ていただきます。下総町長の可瀬委員ならびに山武町長の並木委員のお二人に お願いしたいと思いますが、どうぞよろしくお願いします。
議題報告
【永井委員長】 それでは、議題報告に入らせていただきます。お手元にお配 りしてございます資料をもとに進めさせていただきますが、議題報告の「環境
対策実施状況」につきましては、空港公団地域共生部 共生企画室長谷本より、 また空港公団の民営化につきましては、空港公団村山総裁付のほうからそれぞ れご報告をさせていただきます。
議題報告終了後、10分程度の休憩をとらせていただきまして、その後引き 続いて質疑応答に入らせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いい たします。
それでは、報告に入らせていただきます。まず、環境対策の実施状況につき
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8‐
まして、谷本共生企画室長のほうから報告をお願いいたします。
【議題 1.環境対策実施状況について】
【谷本共生企画室長】 どうも皆様、日ごろ大変お世話になってお ります。厚 く御礼申し上げます。それでは、座 らせていただきます。
それでは、今年度の環境対策実施状況についてご報告させていただきます。 お手元の資料 1枚目の、環境対策実施状況の黄色と薄緑色の色のついたペーパ ーをご覧いただきたいと存 じます。
表の見方でございますが、左から各実施している対策の全体計画、平成 13 年度までの実施済みの累計、平成 14年度実績見込み、今年度末の累計となっ てお ります。
平成 14年度につきましては、右上に赤く括弧書きしておりますが、まだ実 施中の部分もございますので今後数値が変わることがあることをご承知いた だきたいと存じます。
それでは、 1の学校等防音工事でございますが、(1)の防音工事について は学校の校舎あるいは講堂の防音工事、また病院、保育所等の防音工事であ り ます。全体計画の 125の 施設の うち、現在 までに 115施 設に対 し、防音工 事を実施させていただいてお ります。また、表にはお示しいたしてお りません が、ちなみに進捗率ではA滑走路対応では94%、 平行横風用滑走路対応では 89%と なつてお ります。
(2)の空調設備機能回復工事でございますが、これは防音工事の際に設置 した 空 調 設 備 が 、設 置 後 15年 以 上 を 経 過 し 、機 能 が 著 し く低 下 し た とい う こ とで更新を行つたものであ ります。平成 14年度までに、68の施設が機能回
復工事を実施 してお ります。これらの対策費は、13年度までに200億 14年度は2の施設の実施をいたしまして2億円、合計で202億 円となって
おります。
円、
次に、2番目の共同利用施設の整備でありますが、これは学習・集会のため の施設、公民館といった施設でございまして、14年度までに136施 設を実 施させていただいてお ります。また、学校等 と同様に空調設備についても設置
...9‐
後 15年 を経過 し、機能が著 しく低下 した場合に機能回復工事 を実施 してお り ます。14年度においては、8の施設に対し機能回復工事を行いました。これ までに、合計 81の施設に実施 してきてお ります。共同利用施設整備の対策費 は 、 現 在 ま で に 31億 円 を 交 付 して お りま す 。
続きまして、3番目の住宅防音工事でございますが、(1)の防音工事につ きましては、初回の防音工事を受けられる方の戸数でございまして、全体計画 で4,968戸 の うち、13年度までに4, 228戸 を実施 しました。 14年 度では50戸の住宅に対し防音工事を行い、現在までに4,278戸 に対し防 音工事を実施 してお ります。住宅防音工事の進捗率につきましては、A滑走路 対応では95%、 平行滑走路では63%と なつております。
(2)の空調設備の機能回復でありますが、これは空調設備の設置後 10年 を経過 した場合に機能回復工事を行つてお りまして、13年度までに4,88
7台で、14年度においては311台 を実施いたしました。全体数量の10, 673台 の う ち 、 5, 198台 の 機 能 回 復 の 工 事 を 実 施 して お りま す 。
(3)の空調設備の機能回復 (再更新)につきましては、12年度から実施 を始めたものであります。空調設備の設置後 10年を経過し、機能回復工事を
受け、さらに10年経過したものの機能回復工事を行 うものであります。13 年 度 ま で に 57台 、 14年 度 に 121台 、現 在 ま で に 178台 の機 能 回 復 工 事
を実施 してお ります。 (4)の改築 (再助成)とありますのは、平成7年4月より実施しておりま
す防音工事済み住宅の改築に合わせて、防音工事を行 う場合の助成制度、いわ ゆる再助成制度でありまして、平成 13年度までに47戸の交付決定を行い、 14年度では 1戸の住宅に対 し改築に伴 う再助成の交付決定を行ってお りま す。防音工事全体の対策費は、14年度までに226億 円となつてお ります。 続 きまして、4の移転補償でありますが、騒防法第 2種区域内及び騒特法の 防 止 特 別 地 区 内 に お 住 ま い の 方 々 の 移 転 と い う こ と で 、実 施 し て い る も の で ご ざいます。対象の963戸 に対し、13年度までに715戸 、14年度では3 7戸の移転補償の契約をさせていただきま した。現在までに 752戸 の移転の 補償を行つておりまして、進捗率では騒防法にかかる移転では99%、 騒特法
にかかる移転では56%と なっております。 -10-
移転に伴う土地買収については、13年度までに616.4ha、 14年度 では27.6ha、 合計で644haの 移転に伴っての土地を取得しておりま す。家屋移転補償と合わせて、補償額は現在までに1,319億 円となつてお
ります。 次 に 、 5の 緩 衝 緑 地 帯 整 備 に つ い て で ご ざ い ま す が 、平 成 7年 3月 に 策 定 し
た「成田空港周辺緑化基本計画」に基づき、防音堤・防音林の整備及び緑化の 整備を実施しております。防音堤・防音林の整備につきましては、全体計画の 102.6haの うち、現在までに65。 9haの 整備が進んでおります。ま
た、緑地整備といたしましては全体計画の89haの うち、14年度までに2 0。 7haを整備いたしております。
そ れ で は 、 6番 目 の 電 波 障 害 対 策 に つ い て で ご ざ い ま す が 、平 成 5年 度 か ら 平 成 6年 度 に お い て 成 田 、佐 原 、江 戸 崎 、光 の 4カ 所 に 中継 局 を 設 置 し、受 信 のアンテナの切 り替え工事を実施しております。A滑走路にかかる対策は、平 成 9年 度 ま で に お お む ね 終 了 し て お り ま す が 、lo年 度 に 平 行 滑 走 路 供 用 後 の 標準飛行コースが明示されたことによりまして、平行滑走路にかかる対策区域 についても、後追いとならないよう個別受信対策を実施 し、13年度までに5
2,689世 帯の方々に実施いたしました。また、山陰などによりましてどう しても電波の弱い地域につきましては、共同受信施設を設置し対策を行つてお りまして、13年度までに26,447世 帯実施させていただきました。
平行滑走路の供用後につきましては、テレビ電波受信障害対策を実施した地 域に隣接する地域について、電波受信障害実態調査を実施 してお ります。対策 が 必 要 と 思 わ れ る 障 害 が 認 め ら れ る 場 合 に は 、対 策 を 実 施 し て ま い り た い と 考 えてお ります。電波障害対策の対策費では、これまでで 196億 円となってお
ります。 最後に、騒音測定等及び周辺対策交付金等についてでございますが、7の騒
音測定の施設につきましては、A滑走路につきまして 17局、平行滑走路につ き ま し て 16局 の 常 時 測 定 局 を 設 置 し て お り ま す 。騒 音 測 定 等 に か か る 費 用 は 、
14年度までに81億円であります。 8番 目の周辺対策交付金等につきま しては、これは交付金とテ レビ受信障害
対策補助金などの合計額でございます。交付金につきましては、年度末にあた -11‐
り ま し て ご 承 知 の こ と と は 存 じ ま す が 、一 両 日 中 に は 額 が 確 定 し 、皆 様 方 に ご 提 示 す る こ と とい た して お ります 。
個別の説明は以上でございますが、全体の環境対策費といたしましては、平 成 13年度までの累計で2,524億 円、本年度では243億 円、これまで合 計で平成 14年度まででございますが、2,767億 円の環境対策を実施させ ていただいている状況でございます。以上、平成 14年度の環境対策実施状況 についてご報告させていただきました。
【永井委員長】 はい、どうもありがとうございました。ただいまの説明に対 しまして、何かご質問がございましたら。よろしゅうございますか。
それでは、次に進ませていただきます。空港公団の民営化につきまして、村 山総裁付のほうから説明をお願いいたします。
【村山総裁付】 ただいまご紹介がありました、NAAに おいて民営化準備の 担当部長をしてお ります村山と申します。 よろしくお願いをいたします。
皆様方のお手元に4枚の資料が配布してあると思いますが、これからライ ト を 落 と す そ う で ご ざ い ま す の で 、こ ち ら の ス ク リ ー ン を 見 な が ら お 話 を 聞 い て いただければありがたいと思います。
それでは、説明をさせていただきます。若千、行政改革というか民営化まで の流れ、それから会社法案、それからNAAの 民営化のステップという形の中 で話を進めさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。
それでは、行政改革の流れでございますが、特殊法人改革の流れ とい う形の 中で、平成 12年12月に行政改革大綱というものが閣議で決定されておりま す。その内容は、「すべての特殊法人等を見直し、17年 度末までに法制上の 措置を講ずる」となりました。その後の検討の中で、空港公団は、関西国際空
港株式会社や中部国際空港株式会社が民間会社であることなどを受けまして、 「民営化の方向」で検討するとい うものが、行革事務局とい うところで方針が
出されました。 次に、(2)にありますように、平成 13年 12月 18日の特殊法人等改革
推進本部で策定されましたものが、翌19日の閣議でかけられ、「成田・関西・ ... 12‐
中 部 の 国 際 3空 港 の 経 営 の 在 り方 に つ い て は 、民 営 化 に 向 け て 平 成 14年 中 に 政府において結論を得る」ことと決定されました。これを受けまして国土交通 省は、交通政策審議会の航空分科会で議論を重ねられ、さまざまな議論があり ましたが、冒頭副総裁の挨拶にもありましたように、2の (1)にありますよ
うに、昨年の 12月 6日 に「3空港の民営化については空港 ごとの単独民営化、 成田については完全民営化に向けて平成 16年度に一体として特殊会社化 し、 できる限り早期に株式上場を目指すことが必要」と答申することが決定をし、
この決定を受けて国土交通省は12月 17日の閣議に諮り、国際拠点空港等の 改革について「新東京国際空港公団については、平成 16年度に全額国出資の 特殊会社にすることとし、そのための法律案を次期通常国会に提出する」と決 定されたところであります。
次 に 、会 社 法 案 の 概 要 に 入 り ま す が 、本 日 こ の 会 に 出 席 を し て お り ま す 玉 木 新東京国際空港課長さんのところで法案が作成をされ、法制局協議や関係省庁 等との調整を経まして、去る3月 11日に閣議決定をされたところであります。
この会社法案の概要に入る前に、この法案にある会社の称号というか名前であ りますが、これにつきましては千葉県をはじめ、多くの方々からご要望があっ た こ と や 、既 に 成 田 空 港 と し て 国 内 外 の 方 々 に 親 し ま れ て い る こ と を 、 国 土 交
通省においてお考えをいただきまして、もちろんNAAも 今まで平成 7年の成 田への移転以後、NAA成 田エアポー トとぃ う形の中で、皆様方 といろいろと 進めてきた経緯もございますし、総裁から大臣あてに文書をもつて成田国際空
港 と い う要 望 を し て い る と こ ろ で あ り ま す 。 こ の 結 果 、 こ の 法 律 が 成 田 国 際 空 港株式会社法案になつているところでございます。
それでは、法案の概要を説明いたします。会社法は、会社の事業範囲や政府 か らの 規 制 を 定 め た 本 法 23条 と、公 団 の 解 散 や 新 会 社 の 設 立 手 続 き を 定 め た 附 則 34条 か ら な っ て い る わ け で あ り ま す 。そ の ポ イ ン トを 5点 に ま と め て ご ざいますので、これに従つて概要を説明させていただきたいと思います。1点
目が、新東京国際空港公団を解散し、全額国出資の成田国際空港株式会社を設 立するということでございます。2点目が、会社は成田国際空港の設置及び管 理を効率的に行 うこと等により、航空輸送の利用者の利便の向上を図り、もつ て航空の総合的な発達に資するとともに、我が国の産業・観光等 との国際競争
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力 の 強化 に 寄 与 す る こ とを 目的 とす る株 式 会 社 とす る とい うこ とで ご ざい ま す。基本的には、現在の公団法の目的とそ う変わってはございません。
それから、3点日でございます。これは、現在皆様方のご協力をいただきな がら、平行滑走路2,180mで 昨年の4月から供用させていただいているわ けでございますが、本来の平行滑走路2,500m化 の整備というものは重要 な話。それは、民間会社になつても競争力の面からも重要でございますので、
このへんを3点日、会社は国土交通大臣が定める基本計画に従って、空港の設 置 及 び 管 理 を 行 う こ と と し 、国 土 交 通 大 臣 が 監 督 命 令 を 発 す る こ と が で き る と い うことになってお ります。
次に、4点日でございます。これは、成田空港が内陸空港でございますので、 先ほど綾々ご説明があつたように、地域との関係が大変重要な形になってくる わけでございます。そこで、環境対策 0共生策を会社の事業 として会社法に明 記 し、その実施について配慮規定を設ける。最終的には、会社に対する国の監 督命令をもつて実行を担保するとい う形の中で、環境対策・共生策の適切かつ 確実な実施を担保 しているところでございます。
次に、5点日でございますが、ここに書いてございますように3つのものを 中 心 と し て 、会 社 の 事 業 と い う形 の 中 に な つ て い る と こ ろ で ご ざ い ま す 。 3月
11日の閣議決定を受けて、法案は現在通常国会において審議中でございまし て 、特 に 問 題 が な け れ ば 本 国 会 中 に 成 立 す る と い う 話 に な る と こ ろ で ご ざ い ま す。
次 に 、別 添 の 成 田 空 港 に 関 す る 主 要 業 務 、民 営 化 へ の 対 応 と い う形 で ご ざ い ます。これは、何を言わん としているかといいます と、いろいろな業務、主な 内容が、現在空港公団が実施主体になつているものが、民営化後は会社になる
と い う と こ ろ で ご ざ い ま し て 、そ れ 以 外 は す べ て 実 施 主 体 が 同 じ で あ る と い う ことでございます。特に、空港設置関係業務あるいは環境・共生関係業務につ き ま し て も 、 た だ い ま 申 し 上 げ ま し た よ う に 、公 団 が 実 施 し て い る も の を す ベ て新 しい会社が行 うとい うところでございます。
この会社法案は、本通常国会で審議をされて、成立をされてくると考えてお りますが、並行 して今後政省令の作成が国土交通省で行われます。また、会社 法案が設立いたしますと、一般の会社の発起人会に代わり、国土交通大臣が設
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立委員を任命いたしまして、定款等の作成に入 り、会社の設立手続きが行われ、 来年の4月 1日 に成田国際空港株式会社が誕生することになっています。
それでは、続きまして空港公団の民営化するまでのステップを、このスクリ ーンの中でご説明させていただきたいと存じます。このステップは当然のこと な が ら 、成 田 国 際 空 港 株 式 会 社 法 が 成 立 し た と い う前 提 で ご ざ い ま す 。 最 初 の ステップでありますが、真ん中が階段状に書いてあると思いますが、一番左側、 来 年 の 3月 末 ま で の 特 殊 会 社 化 ま で の 期 間 を 、特 殊 会 社 化 準 備 期 間 フ ェ ー ズ I
と位置づけています。下の箱の中にありますように、根拠法は公団法でありま す。現在、NAAは 民営化に向けて役職員全員が参加する民営化準備委員会を 設け、法案や政省令への取 り組み、企業理念の作成、企業統治の在 り方、組織 構造の変更、企業会計への変更、事業計画の作成、会社等の設立手続きなどの 多くの課題に鋭意取り組んでいるところであります。
次に、会社設立後政府が持っている株を放出する、証券所で取引する、つま り上 場 す る ま で の 期 間 を 上 場 準 備 期 間 フ ェ ー ズ II と位 置 づ け て お りま す 。こ の 資料で真ん中へんに上場の時期を2007年 (予定)で書いてありますが、こ れは2,500m滑 走路の目途がどうなっているのか、また政府は財政状況が 厳 し い と こ ろ で あ り ま す の で 、保 有 し て い る 株 を で き る だ け 高 く 売 り た い と い う考えがあるでしょうから、経済の状況であるとか株の取引状況がどうなって い る か 、あ る い は 会 社 の 経 営 状 況 が ど う な っ て い る か な ど に よ っ て 決 ま っ て く
ると考えてお ります。 この会社の経営状況については、地域とのお約束に対応 しつつ、世界の トッ
プ 国 際 空 港 と し て 期 待 さ れ る 施 設 の 整 備 や サ ー ビ ス・ 安 全 の 施 策 を 実 施 し つ つ 、 会社が将来にわたって発展する関係者が期待するものでなければなりません。 その結果、政府は保有する全株を市場に放出することになると考えています。
このときが、完全民営化であります。NAAは 、この完全民営化までの期間を
フェーズIII と位置づけてお ります。経営責任を明確にする、事業拡大を行い地 域や空港関係者に還元するためにも、この期間をできるだけ短くすることを希 望しています。
こ の ま ま 行 き ま す と、民 営 化 は 来 年 の 4月 に な る わ け で あ りま す が 、フ ェ ー ズIIとフェーズIIIの期間は根拠法としては公団法から、先ほどご紹介いたしま
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し た 成 田 国 際 空 港 株 式 会 社 法 に な り ま す 。法 人 格 と し て は 株 式 会 社 で あ り ま す が、法人の形態は政府が株を持つていて、特別な法律によつて設立されている 特 殊 会 社 と い う こ と で あ り ま す 。 こ の 会 社 は 、今 ま で な か つ た 法 人 税 が 課 税 さ れます。
そ の 他 つ け カロえ ま す と 、 首 都 圏 を 中 心 と す る 需 要 増 に 応 え る た め 、 タ ー ミ ナ ル施設などの新 しい施設をつくるときにかかる資金の一部を、今までは20%
を政府からもらつていたものがなくなつてまい ります。すべて、自分で稼いだ お金でつくることになります。これは、来年度、15年度から既になくなつて います。
ま た 、お 金 を 借 り る 場 合 は 、今 ま で は 政 府 が 保 証 し た 法 人 で あ る こ と か ら 金 利 が 安 い も の で あ り ま し た が 、一 般 企 業 と 同 じ よ う に 会 社 の 経 営 状 況 に よ り 判 断される、格付 というもので決まつてくることになります。つまり、しつかり
とした健全な会社経営ができるようにする必要があるわけであります。 最後に、この階段の右側の完全民営化の時点であります。この段階では、国 の持ち株がすべて放出され、完全な民間会社 となるわけです。したがつて、本 来 な ら ば 商 法 に の っ と っ た 一 株 式 会 社 と し て ス タ ー トで き る わ け で あ り ま す が、成田国際空港はご存じのとおり第 1種空港として非常に公共性の高い空港
であり、全く国とのかかわり合いがなくなつてよいかという問題があります。 また、地域の方々にお約束をしている環境・共生策を、いかに担保 していく か と い う課 題 も 残 り ま す 。 こ の た め の 一 つ の 考 え 方 と し て 、 中 部 国 際 空 港 株 式
会社と同じように成田国際空港を経営する法人として、成田国際空港株式会社 を国が指定する「指定会社」とすることも考えられます。このことは、完全民 営化の段階において新たな制度や環境 0共生策の担保方法について、改めて検
討するということで伺つてお ります。 い ず れ に い た し ま し て も 、成 田 国 際 空 港 株 式 会 社 が 将 来 に わ た つ て 地 域 と と
も に 発 展 し て い く た め に 、皆 様 の ご 理 解 と ご 協 力 を 引 き 続 き お 願 い し 、説 明 を 終わらせていただきます。ありがとうございます。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。空港公団の民営化に関しま しては、各地区部会のほうから多くのご質問なり、ご要望等が寄せられており
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ますので、基本的にはそれにお答えする形で進めさせていただきたぃと思いま すが、まだ時間がございますので、ただいまの説明に対しまして何かご質問が
ございましたら承りたいと思います。よろしゅうございますか。 それでは、各部会のほうからまたご質問があると思いますので、それに対し
てお答えする形でとり進めさせていただきたぃと思います。 次の質疑応答に入らせていただく前に、少し休憩をとらせていただきたいと 思います。今、3時 15分前でございますから、きりのいいところで3時から
再開させていただきたいと思いますので、時間になりましたらお席のほうにお 戻 り い た だ き た い と 思 ‐い ま す 。
それでは、休憩に入らせていただきます。
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質疑応答
3時になりましたので引き続きまして、質疑応答に入らせていた だきます。質疑応答につきましては、おおむね5時ごろをめどに終了させてい ただく予定でございますので、あらかじめご了承いただきたいと思います。な お、質疑応答が終了した後でございますが、別室におきまして懇親会を開催さ せていただきますので、ぜひご出席のほうお願いしたいと思います。
【司 会】
それでは、質疑応答のほうを委員長の進行によりお願いいたします。
【永井委員長】 それでは、ただいまから質疑応答に入らせていただきます。 質疑につきましては、議事の都合上、また時間も限られていますことから、各 部会ごとに順次ご報告いただければと思います。なお、質疑に対する答弁につ
きましては、関係委員からいたしますので、よろしくお願いいたします。 それでは、まず成田地区部会からお願いしたいと思いますが、成田地区部会 を代表いたしまして、成田市議会議長の渡邊委員のほうからよろしくお願いい
たします。
【成田地区部会 (渡邊成田市議会議長)】 成田地区部会長の渡邊でございま す。本日は、成田地区部会から成田市議会空港対策特別委員会の神崎委員長、 成田空港騒音対策地域連絡協議会の平山会長、松島副会長、郡司事務局長の5 名で出席をいたしております。
平成14年度の成田地区部会を本年3月 14日に開催し、成田地区部会とし ての意見を4項目に取りまとめさせていただきましたので、発言をさせていた だきます。第1点は、空港の民営化についてであります。2月 28日に、国0 県0空港周辺自治体・空港公団の四者で覚書が交わされ、今後協議する事項と
して環境対策・共生策の充実等で、助成制度の恒久化に関するもの5項目、助 成制度の拡充等で13項目があげられております。そこで、今後四者協議など で協議が進められます際には、騒音下住民・空港周辺地域住民の意見を聴取し、 協議に反映されますようにお願いいたします。
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また、従前、行われている空港公団と地元との直接対話、協議の制度、方式 が今後も継続 されるように要望いた します。そして、この覚書の環境対策・共 生策の充実等について、今後協議するものという中にあります助成制度の拡充 等に関するものの うち、農業基盤整備への助成については、特に騒音下の農業 に 対 す る 支 援 と し て 、空 港 に 関 連 ま た は 空 港 の 排 水 を 流 す た め に 整 備 さ れ た 成 田北部土地改良区、千葉県根木名川土地改良区等の排水機場の維持管理費など を助成するように要望いたします。
第 2点日は、航空機騒音対策関連法令等による地区 0集落の分断、不平等の 解消です。平行滑走路側の騒音区域では、地区住民が一体感・連帯感を持って 守 り育ててきた地区・集落が騒特法の防止特別地区、騒防法の 1種区域、共生 財団の隣接区域及びそのいずれにも該当しない区域に線引きをされてお りま す。わずか数メー トルの間隔、細い道路 1本を挟んでの線引きは、地区に複雑 な 影 を 落 と し て お りま す 。A滑 走 路 側 は 、線 引 き に お け る集 落 分 断 の 是 正 が 図
られているように見受けられます。このため、平行滑走路側につきましてもA 滑走路同様に、早急に是正処理を実施 してくださいますよう要望いたします。 また、両滑走路からの騒音を受けている谷間地区については、これを騒防法 1 種区域に含めるように要望いたします。
第 3点日は、各種民家防音工事の恒久化についてです。現行法では一度助成 を 受 け た 民 家 は 、三 度 目 の 助 成 を 受 け る こ と が で き ま せ ん 。 現 在 の 住 宅 を 解 体 して新築する場合は再助成の制度がありますが、住宅の新築は一生に一度の大
事業であります。そこで、防音工事実施後一定の年数が経過 した住宅について、 遮音効果の維持が図られるように防音工事の再施工をお願い します。また、家 族 構 成 や 家 族 の 年 齢 構 成 の 変 化 に 伴 う 増 改 築 、例 え ば 子 ど も や 孫 の 勉 強 部 屋 の ための増改築、ダイニングキッチン等居住空間の増改築についても、助成が受 けられるよう助成制度の充実、恒久化を確立していただけるよう要望いたしま す。
第 4点目は、落下物の根絶 と落下物の発生する恐れのある地域の移転対策で す 。 昨 年 、 10月 27日 に 成 田 市 磯 部 区 で の 離 陸 機 の 主 翼 の 標 識 灯 の カ バ ー の ガ ラ ス が 落 下 し 、屋 根 を 破 損 す る と い う 事 故 で 被 害 が 発 生 し て お り ま す 。 国 ・ 空港公団は各航空会社に対して、機体の整備点検に万全を期するよう常々要請
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されておりますことは承知しておりますが、今後とも落下物の根絶のため、更 に落下物対策に万全を期すよう強く要請、指導されるようお願いをいたします。
また、落下物が発生する恐れのある地域への対策につきまして、空港南側は 洋上脚下げで氷塊落下はかなり少なくなりました。しかしながら、北側からの 着 陸 に つ い て 洋 上 脚 下 げ は 航 行 の 安 全 上 無 理 と い う こ と で 、内 陸 部 の 成 田 市 荒 海区や磯部区上空あたりで脚下げをしているのが現状であります。したがいま
して、この地域は落下物が多発する地域となつております。現に、荒海区のA 氏宅では過去に3度も落下物の事故、被害が起きてお り、同区のB氏宅では玄 関先にエンジン部分が落下しており、更にこの地域の田には航空機部品の金属 片が落下しております。そこで、飛行コース直下の落下物が多発する恐れのあ る地域につきましては、地域住民の意向を取 り入れ人身事故が起こる前に、移 転 を 含 め た 対 策 を 講 じ られ る よ う要 望 い た し ま す 。
以上、大きく4項目につきまして、成田地区部会からの要望のまとめとして ご報告させていただきますので、どうぞよろしくお願いをいたします。以上で
す。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。大きく分けまして4点ご要 望がございました。空港の民営化について、騒音対策関係法令に基づく線引き の問題、各種民家防音工事の充実・恒久化について、落下物の根絶対策等につ いてということでございますので、まず、空港の民営化につきまして、国土交 通省並びに空港公団のほうから回答をさせていただきます。
【国土交通省】 国土交通省の玉木でございます。どうぞよろしくお願いいた します。まず、第1点目の空港の民営化でございます。先ほどお話がございま した、四者協議会で取り交わされました覚書に盛り込まれたご要望の内容につ きましては、この覚書におきましても真摯に検討することを約束させていただ
いております。したがいまして、お話がございましたように本委員会をはじめ としますさまざまな機会を活用いたしまして、空港周辺住民の方からのご意見 を十分お伺いしながら、今後の対応について十分にご相談をさせていただきた
いと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 ‐20-
【空港公団】 空港公団の富澤でございます。よろしくお願いいたします。民 営化についてでございますが、空港公団といたしましては四者協議会での覚書 は、地域の住民の皆様のご意見 0ご要望を各自治体が集約されて、それを反映
したものと理解 してお ります。つきましては、この覚書に示された皆様方のご 要 望 を 謙 虚 に 受 け止 め ま して 、民 営 化 後 も環 境 対 策・ 共 生 策 に 取 り組 ん で ま い
りたいと考えております。 また、これまでもさまざまな場で、直接地域の皆様からのご意見・ご要望を
伺 っ て ま い り ま し た が 、今 後 と も 皆 様 方 と の 直 接 的 な 対 話 、協 議 を 継 続 し て ま いりたいと考えております。なお、覚書にあります農業基盤整備など助成制度 の拡充に関する件でございますが、この問題については行政上あるいは制度上、 大変難 しいものも含まれてお ります。私 どもといたしましては、関係機関とも 協 議 し て 空 港 公 団 と し て ど の よ う な 形 で あ れ ば 、協 力 で き る の か と い う 点 を 勉 強させていただきたいと考えております。
【永井委員長】 続きまして、関係法令に基づく線引きの問題につきましては、 千葉県・国土交通省・空港公団の順にご答弁をお願いいたします。
【千葉県】 千葉県の空港地域振興課長の門井でございます。騒特法に基づき ます防止特別地区の線引きについてでございますが、80Wコ ンターを基本と いたしまして、成田空港問題円卓会議の精神を踏まえ、集落を分断しないよう 防止特別地区の設定基準を国・空港公団・県・市・町で協議して定めたところ でございます。この基準に従いまして、市・町が整理した案を基に都市計画を
行ったという手続きを経て線引きを行つておりますので、どうかご理解を賜り たいと思います。
【国土交通省】 東京航空局の冨田でございます。よろしくお願いいたします。 対策区域の線引きの点でございますが、ご案内のとおり騒音の影響の範囲に応
じた対策をさせていただいておりまして、ご指摘になりましたように昨年4月 18日 に暫定平行滑走路の供用に伴いまして、騒音の影響が変わってきている
‐
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という理解のもとに、これからも騒音の実態につきましては注意深く監視をさ せていただいて、区域の見直し等の必要があつたときには、所要の対策を講じ
るというふうに対応させていただきたいと考えております。 いずれにしましても、空港周辺の住民の方々のご意見を伺いながら、また十 分に調整をさせていただきながら、所要の対策を講じてまいりたいと思つてお
りますので、どうかよろしくお願い申し上げます。以上でございます。
【空港公団】 空港公団でございます。騒防法の1種区域にかかる線引きにつ きましては、75WECPNL騒 音コンターをもとに、周辺の地形・地物・道 路・水路・河川等のほか、集落等の分断にも配慮しながら関係の自治体とも協
議した上で設定されております。空港公団では、この区域指定に基づき騒音対 策を実施しているところでございます。
騒特法の防止特別地区にかかる線引きにつきましては、先ほど千葉県のほう からもお話がありましたように、できる限り集落に配慮して決定されてきてい ると聞いております。空港公団といたしましては騒音の実態について、空港周 辺に現在101局の常時測定局を設置し、24時間体制で注意深く監視してお
りますほか、夏と冬の年2回 1週間の定期測定を行つております。この結果、 区域指定の見直しを行う必要が生じた場合は、所要の対策を講じていくよう 国・関係機関と協議してまいりたいと考えております。騒特法については、お おむね5年ごとに防止地区及び防止特別地区の見直しを図ることとされてお りますから、一定の騒音の拡大があれば、線引きを見直すことについて協議し ていきたいと考えております。
暫定平行滑走路の隣接区域についてでございますが、A滑走路の隣接区域を 設定したときと同様の考え方に基づきまして、第1種区域からおおむね300 m程度の範囲で区域が設定されております。空港公団としても、騒音の実態の 把握に努めて注視していきたいと考えておりますが、この対策区域の見直しを 行う等の必要が生じた場合は、共生財団で区域対策を行つておりますので、同 財団の理事会等の場で所要の対策について協議がされるものと考えておりま す。
また、谷間対策事業につきましては、A滑走路と暫定平行滑走路に挟まれた -22‐
地 域 で あ り ま す の で 、き め 細 か く 騒 音 の 実 態 を 把 握 し て ま い り た い と 考 え て お ります。その状況に応 じまして、必要な対策について関係機関と協議 してまい りた い と考 えてお ります。
各 種 の 民 家 防 音 工 事 の 恒 久 化 に つ い て と い う こ と で ご ざ い ま す が 、成 田 空 港 周辺では成田独自の民家防音工事の再助成制度を国と調整を重ね、騒特法の都 市 計 画 に 合 わ せ 実 施 し て お り ま す が 、防 音 工 事 を 行 つ た 住 宅 に 対 す る 改 造 あ る いは再施工と申しますか、そ ういう工事は現在行つておりません。
しかしながら、成田空港では成田の実情にあったよりきめ細やかな騒音対策、 周 辺 対 策 等 の 事 業 を 実 施 す る た め に 共 生 財 団 が 設 置 さ れ て お り ま し て 、騒 防 法 第 1種区域において公団が防音工事を実施 した住宅につきましては、共生財団 に よ リ サ ッ シ 部 品 交 換 工 事 を 行 う 制 度 が 設 け ら れ て お り ま す 。昨 年 実 施 し た 住 宅 の 老 朽 化 に 伴 う経 年 変 化 調 査 で は 、こ の 財 団 の 制 度 等 を ご 活 用 い た だ く こ と に よ っ て 、 か な りの 住 宅 の遮 音 性 能 が 回 復 で き る も の と考 え て お りま す 。
また、騒防法第 1種区域では、共生財団により家族構成等の変化による増築 等 に 対 応 す る た め に 、後 継 者 住 宅 防 音 工 事 制 度 が 設 け られ て お りま す の で 、 こ ちらの制度もご活用いただきたく考えております。
【永井委員長】 続きまして、落下物の根絶対策等につきまして、国土交通省・ 公団のほうからお願いいたします。
【国土交通省】 新東京空港事務所空港長の遠藤でございます。落下物につき ましては、国土交通省 といたしましてはその根絶に向けて、最大限の努力を行 うことといたしております。そのため、各国の航空会社だけではなく、航空機 製造メーカー及びその所属国政府に対しても理解と協力を強く求めてきてい るところであります。こういうことに基づきまして、アメリカの運輸省からは 航空機の給排水部の整備点検を指示する「耐空性改善命令」というのが出てお りまして、これに基づき、我が国でも平成11年5月 に同趣旨の「耐空性改善
通報」というのが出ております。 こういったことによりまして、氷塊落下の件数は大幅に減少してきていると
ころでございますが、まだ根絶することはできずに、最近においては年 1、 2 ‐23‐
件程度発生している状況にございます。このような中、航空機への着氷メカニ ズムを解明すべく、成田空港への到着機の着氷状況に関する調査を、今年度は 平成 15年1月 末から土日を除く2週間実施したところであります。国土交通 省としては、氷塊とか航空機部品のような落下物の根絶を目指しまして、今後
とも航空会社に対して機体の整備点検を的確に行うよう、引き続き指導を行う など、最大限の努力を行ってまいりたいと考えております。
【空港公団】 空港公団でございますが、落下物につきましては空港公団とい たしましても、あつてはならないと考えております。先ほど、空港長からもお 話がありましたように、空港公団としても氷塊調査等の対策を国土交通省とと
もに行わせていただいて、落下物の根絶に努めてお ります。 落下物対策として、移転補償をとのご要望でございますが、移転補償及びそ の対象区域については、現在では騒防法及び騒特法に基づき定められているこ
とから、これを変更することは困難であるということをご理解いただきたいと 思います。私どもとしては、今後とも国土交通省などの関係機関と連携をとり ながら、落下物を根絶すべくなお一層の努力をしてまいりたいと考えておりま す。
【永井委員長】 ありがとうございました。ただいまの回答でよろしいでしょ うか。
【成田地区部会 (渡邊成田市議会議長)】 ご回答ありがとうございました。 私ども成田地区部会からの意見・要望についての回答の中には、なかなか難し いものもあつたと思いますが、成田空港の機能向上と地域と空港の共生実現の ため、国0空港公団0千葉県をはじめ諸団体の皆様におかれましては、今後と
も引き続きご支援、ご協力をお願いいたしまして、質問を終わりにいたします。 どうもありがとうございました。
【永井委員長】 それでは、次に移らせていただきます。芝山地区部会を代表 いたしまして、芝山町長の相川委員、よろしくお願いいたします。
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【芝山地区部会 (相川芝山町長)】 芝山部会の相川と申します。よろしくお 願いいたします。本国は、伊藤議長、石井BoCラ ン地区代表共々、3名で出 席 を させ て い た だ い て お り ま す の で 、 よ ろ し くお 願 い し た い と存 じ ま す 。
私 ど も の ほ うか ら 4点 に つ き ま し て 質 問 させ て い た だ き た ぃ と 思 い ま す の で、よろしくお願いしたいと存じます。まず、第 1点日でございますが、新東 京国際空港公団が民営化されるわけでございますが、この委員会の動向につい て で ご ざい ま す 。 当 委 員 会 に つ き ま して は 、空 港 を 取 り巻 く広 域 市 町 村 圏 か ら さ ま ざ ま な ご 意 見 ・ ご 要 望 が 寄 せ ら れ ま し て 、回 を 重 ね る ご と に 各 地 域 の 持 つ 特性を知ることができたわけでございます。この会議につきましては、空港に 関連する諸問題に対する解決を見いだす場でございまして、また空港と地域の
発展につながる場でもございます。今後においても、空港と地域の密接な関係 を保持 していく上で、欠くことのできない会議であると認識をしているわけで ご ざ い ま す が 、今 後 の 民 営 化 に 際 し て 変 化 が あ る の か ど う か 伺 い た い と 存 じ ま
す。 続いて2点日でございますが、将来完全民営化に移行されるわけでございま
すが、その際、自治体の出資について特段の配慮を願 うことについてでござい ます。成田空港は昭和41年の閣議決定以来、国の事業といたしまして空港建 設、地域対策を進められてきたわけでございますが、成田空港故に周囲に広が る 生 活 圏 へ の 影 響 も 大 き く 、今 も な お 騒 音 対 策 の 充 実 を 求 め る 声 が 数 多 く あ り ます。この状況で民営化され、将来に及んで地域と共生する環境を築き上げる こととなれば、空港関係者においてはよリー層民意を取り入れ、反映させなけ ればならないと思われるところでございます。この提案につきましては、空港 運営に民意を投入する手法として願 うものでございますので、是非とも検討い ただきたいと思います。
3点日でございます。3点目につきましては、空港周辺対策事業を推進する 上で、公団方式から会社方式 となった場合、着眼点に違いが現れるのかどうか についてでございます。この度、新東京国際空港公団民営化に関する覚書が締 結されたところでございますが、その内容については、空港開港以来航空機騒 音の影響を受ける地域住民の切なる要望に添 うものであります。記述 されてい
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る 項 目 に つ き ま し て は 、空 港 圏 の 各 自 治 体 か ら 制 度 の 改 善 を 求 め 続 け て き た も の で あ つ て 、今 日 ま で そ れ が で き な か つ た の は 公 団 と い う 身 分 に 制 約 が あ つ た の か ど う か 。 会 社 に 移 行 し た 場 合 に は 、即 こ れ ら に 着 手 で き る こ と に な る の か どうか。ただ単に覚書による確認ではなく、履行してこそ地域住民の要望を満 た す こ と と な る わ け で ご ざ い ま す の で 、是 非 と も お 考 え を お 聞 か せ い た だ き た いと思います。
最後に第4点日でございますが、空港設置者が騒音対策、つまり移転事業に よ り 取 得 し た 土 地 の 問 題 で ご ざ い ま す 。こ れ ら の 土 地 の 管 理 に つ き ま し て は 、 国有財産法と照らし合わせたような形で、地方公共団体の計画そのものに供さ
れるものと示されているわけでございます。本町のように町を分断する騒音コ ンターにより、移転に伴う跡地があちこちに点在している現状で、これを公共 団体事業に当てはめるとは極めて困難であり、無理なものと判断せざるを得ま
せん。 また一方、これらの土地について地形・地質を変えるわけではなく、暫定的・
一時的に使わせていただきたいと希望する町民もあるわけでございますが、今 で は こ れ も 認 め ら れ て お り ま せ ん 。 現 在 、公 団 み ず か ら が 管 理 さ れ て い る わ け ですが、今後においても同様になされるのかどうか、また将来的に空港管理者 の 土 地 と し て 保 有 し て い こ う と す る 考 え で お ら れ る か ど う か 、お 伺 い を し た い
と存 じます。 私 ど も は 、成 田 空 港 の 持 つ 特 性 か ら 地 域 及 び 地 域 住 民 に 対 す る 思 い や り と 、
小 さ な 親 切 こ そ が こ れ か ら の 空 港 づ く り 、そ し て 運 営 の 上 で 最 大 の 理 解 を 得 ら れ る も の と 思 う と こ ろ で ご ざ い ま す の で 、土 地 に 関 す る 問 題 に つ い て よ り よ い 検討をお願い申し上げたいと存じます。以上、私どもの部会のほうからは4点 ほ ど お 願 い を し た い と 存 じ ま す の で 、是 非 と も よ ろ し く お 願 い し た い と 存 じ ま す。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。4点ご質問がございました。 空港公団が民営化した後、騒音対策委員会はどうなるのかという点。それから、 最後にご質問がございました、騒音対策により取得した土地の今後の取り扱い について、この2点は空港公団のほうから。それから、民営化関連で自治体の
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出資は可能かどうかという点と、現在の空港公団と民営化した後のNAAと の 間 で 、空 港 周 辺 対 策 事 業 を 推 進 す る 上 で 何 か 変 わ り は あ る の か と い う 点 に つ き ましては、国土交通省のほうから回答させていただきます。
【空港公団】 それでは、民営化後の当委員会はどうなりますかというご質問 でございますが、騒音対策委員会は設立当初より空港関係者が航空機騒音に対 す る 障 害 の 防 止 対 策 等 に つ い て 協 議 し て 、意 見 を 述 べ 合 う 場 と し て 機 能 し て き ているところであ ります。本委員会は設立以来、30年の歴史を持つ委員会で ございます。この場で、私 どもが皆様方か ら承つたご意見が、さまざまな形で 実を結んでいることを考えますと、その意義は非常に大きいと思います。した がいまして、今後とも環境対策・共生策の充実を図るために、皆様方のご意見 を伺 うことができる重要な場である本委員会については、民営化後も引き続い て開催 してまい りたいと考 えてお ります。
続きましては、土地の利用についてでございますが、移転跡地につきまして は農用地として利用可能な土地については、周辺の農家の皆様にお貸しして地 域農業の振興に取 り組んでいるほか、その他の土地についても多 目的広場、ス ポーツ広場等、地域の方々の利用に資するために地方自治体等にお貸しして地
域振興を図つてお ります。 また、エコ・エアポー ト基本構想に基づきまして、未貸付農地等に地力を増
進する効果が生まれるレンゲ、あるいは景観を形作る効果が見込まれるコスモ ス、ワイル ドフラワーなどを播種 して、空港周辺地域の環境づくりに努めてい るところです。そのほかの未利用地につきましても、農業環境・生活環境に配 慮 し て 、定 期 的 に 草 刈 り 等 を 行 つ て 巡 視 を 行 い 環 境 保 全 に 努 め て い る わ け で ご ざいます。民営化後 も、これ らの騒音区域の土地のつきま しては、引き続 き会 社が管理することとなりますが、ご要望につきましては、今後、更にどういっ た形で公平にかつ有効に活用できるか、地元自治体あるいは地域の皆様方とご
相談 させていただいて、有効に活用 したい と考えてお ります。
【国土交通省】 国土交通省でございます。まず、自治体の出資の件でござい ますが、株式の公開以前につきましては、今回の特殊法人の改革の趣旨が完全
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民 営 化 を 目 指 す と い う こ と で ご ざ い ま す の で 、特 殊 会 社 法 の 中 に 地 方 公 共 団 体 の 出 資 の 規 定 を 設 け る こ と は 困 難 だ と い う こ と で 、設 け て お り ま せ ん 。 基 本 的 に 、今 回 の 特 殊 会 社 法 の 考 え 方 と い い ま す の は 、従 来 か ら お 約 束 い た し て お り ます環境対策・共生策を会社の業務として法文に明記 し、それを国の監督の命 令などで担保すると。これが、今回の特殊会社法の基本的な考え方でございま
し て 、 こ の 委 員 会 を は じ め と し て さ ま ざ ま な 機 会 を 活 用 し て 、空 港 周 辺 住 民 の 方 々 の ご 意 見 を 伺 い な が ら 、空 港 と 地 域 の 共 生 を 目指 し て 環 境 対 策 ・ 共 生 策 の 充実に努めてまいりたいと考えております。なお、株式の公開後につきまして は、地方 自治体の株式の取得は可能でございますので、どうぞよろしくお願い
申し上げたいと思います。 それから、公団から会社に変わりまして着眼点に違いが現れるのかどうか、
会 社 と な つ た ら ど の よ う に な る の か と い う ご 質 問 で ご ざ い ま す が 、こ れ も 繰 り 返しになりますが、今回の特殊会社法案は現在の公団法にも実際規定されてい ないような環境対策・共生策を、かなり法律上具体的に明記しております。こ の 趣 旨 と い い ま す の は 、会 社 に な っ て も 従 来 公 団 に お い て 実 施 さ れ て お り ま す 環境対策・共生策を適切かつ確実に実施するという書き方を法文でさせていた だ い て お りま す が 、こ うい う従 来 か ら実 施 し て お りま す 環 境 対 策 0共 生 策 の 適 切かつ確実な実施を期するための措置であると。したがいまして、今回、公団 が 会 社 に な り ま し て も 従 来 ど お り 、ま た 従 来 以 上 に 空 港 と 地 域 の 共 生 を 目 指 し て、環境対策・共生策の充実に努めていく姿勢は変わらないとご理解いただき たいと思います。
また、四者協議会の覚書に盛 り込みました内容につきましても、真摯に検討 い た し ま す こ と を 約 束 さ せ て い た だ い て お り ま す の で 、今 後 の 対 応 に つ い て 十 分ご相談させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。よろしゅうございますか、 どうぞ。
【芝山地区部会 (相川芝山町長)】 どうもありがとうございました。1点目 につきましては、たぶんこの後、成田国際空港騒音対策委員会か何か名前が変
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わ る の か と は 思 い ま す が 、是 非 と も 続 け て い た だ け れ ば あ り が た い と 思 い ま す ので、 よろしくお願い したい と存 じます。
2点日でございますが、できる限り何度も公団あるいは国土交通省の方々と も お 話 し し ま し た が 、な か な か 難 し い と い う 話 は お 伺 い し た こ と が ご ざ い ま す 。
私は、先ほどございましたが、フェーズ I・ IIぁりましたが、その中でやはり 自治体の出資が可能であれば、引き続きご検討いただければありがたいと思つ
ています。よろしくお願いしたいと存 じます。
3点目につきましても、従来以上の約束事、確実な実施 とい うことがござい ましたので、是非ともよろしくお願いしたいと存じます。
4点日でございますが、農地について本当に農地貸付等々でお世話になって い ま す 。 こ の 貸 付 は 本 当 に あ り が た い な と 思 っ て い ま す が 、や は り私 ど も の 町 、 成田もそうでしょうけれども250haあ るいは300haと いう空港公団 用地があります。そればかりでなくして、やはり住んでいる方の隣の土地が空 い て し ま う。 そ れ が 、若 干 管 理 し た い 、 あ る い は お 借 り し た い と い う望 み も ご ざいます。個別の問題になって しまいますが、やはりそれ も空港 と地域の個人 と の 共 生 に も つ な が っ て ま い り ま す の で 、そ う い っ た と こ ろ で 少 し 話 し 合 い が で き る 場 面 が ご ざ い ま し た ら 、 是 非 と も お 願 い 申 し上 げ た い と 存 じ ま す 。
以 上 で 、芝 山 部 会 の ほ う か ら の 質 問 に つ き ま し て は 終 わ り に さ せ て い た だ き たいと存 じます。 どうもありが とうございました。
【永井委員長】 ありがとうございました。それでは、次に移らせていただき ます。松尾・横芝・蓮沼地区部会を代表いたしまして、横芝町長の賞川委員の ほうからお願いいたします。
【松尾・横芝・蓮沼地区部会 (賞川横芝町長)】 ただいまご紹介をいただき ました、横芝町の賞川でございます。本日は、松尾町の古谷町長さん、蓮沼村 の浪川村長さんともにご出席をいただいておりますが、地区部会を代表してと いうことで、私のほうから発言をさせていただきたぃと存じます。
昨年 1月 に暫定平行滑走路が供用いたしまして、増大する国際空港事業に対 応され、名実ともに日本の空の表玄関としての役割を果たすことは、国・県並
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びに空港公団をはじめ関係各位のご努力のたまものであり、深く敬意を表した いと存ずるところでございます。
また、そのような中、成田国際空港株式会社法案が、先ほど来いろいろとお 話がございますように今国会に提出され、特殊会社を経て完全民営化をすべく 準備が進められておりますが、現状の環境対策あるいは地域振興策など、まだ ま だ 満 足 す べ き 状 態 で は あ り ま せ ん の で 、民 営 化 に あ た り ま し て は 今 ま で 以 上 にきめ細かな対策を講じていただけますよう、まずもつてお願いいたしたいと 存ずるところでございます。
そしてまた、質問・要望の事項に入 ります前に、当地区部会の活動状況につ いて若千ご報告をさせていただきたいと思います。当部会では、昨年の7月 と 今年の 2月 に地 区部会を開催いた しま した。2月 には、本 国の騒音対策委員会 の質問要望事項を協議した後、空港公団の富澤地域共生部長さんをはじめ職員 の方々においでをいただきながら、成田空港の運用状況についてご説明をいた だき、更なる理解を深めたところであり、大変ありがたく存じております。
それでは、3点ほど当地区部会の要望・質問をさせていただきたいと存 じま す。1点日でございますが、住宅防音工事事業の充実についてでございます。 住宅防音工事につきましては、騒防法の第 1種区域は空港公団、第 1種区域に 隣接する区域は共生財団あるいは町で住宅防音工事を実施しておりますが、防 音 工 事 の 限 度 額 は 住 宅 の 大 き さ で は な く 、住 居 し て い る 人 数 で 定 め ら れ て お り ます。当部会の地区は農家住宅が多く、農家住宅では防音サッシが規格品を使 用できず、特注品となることもあります。このため、防音サッシの単価が高く なるなどによりまして住宅すべての防音工事ができず、空調機器等の省略、あ
る い は 一 部 防 音 サ ッ シ を 省 略 し て 、実 施 し て い る 事 例 も 数 多 く 見 ら れ て お り ま す。騒音の軽減を図るためには、住宅全体の防音工事が有効と思われますので、 既存の住宅すべての防音工事と空調機器等が設置できるような限度額の見直
し と 、既 に 実 施 済 み の 住 宅 の 省 略 し た 部 分 の 対 策 を 講 じ ら れ る 制 度 の 確 立 を お 願い申し上げたいと存じます。
また、住宅の改築に並行 して防音工事 を行 う場合、助成制度がございますが、 最近の建築様式 として出窓や結露防止のためのペアガラスなどが使われてお り 、こ れ ら は 防 音 工 事 の 基 準 の 遮 音 効 果 が 得 ら れ な い と い う こ と で 該 当 に は な
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りません。騒特法の規定により、防音工事の義務付けを受ける区域にもかかわ
らず、助成をあきらめ自費で実施しているケースが出てきてお りますので、最 近の建築様式に合うような基準の改正等、住民の要望に応えられる弾力的な運 用をお願いいたしたいと存じます。
2点目は、平行滑走路の騒音直下対策についてでございます。この問題は、 再 三 に わ た り 要 望 さ せ て い た だ い て お り ま す が 、当 部 会 の 地 域 の ほ ぼ 全 域 が A 滑走路 と平行滑走路の飛行コース幅の中に位置 してお り、昨年 4月 の平行滑走 路の供用により、新たに騒音の影響を受ける地域、両滑走路の騒音の影響を受 け る 地 域 が 発 生 し 、地 域 住 民 は 騒 音 ・ 落 下 物 問 題 に 大 き な 不 安 を 抱 い て お り ま す。特に、両滑走路の騒音の影響を受ける地域では、今年 1月 に実施 した横芝 町の騒音測定の結果、1日 平均でA滑走路が 171便 、平行滑走路が 67便、 計238便 と騒音の影響を受ける回数が増えており、今後も更に増加するもの
と思われます。 松尾・横芝・蓮沼の 3町村では、A滑走路の騒音直下対策 として平成 11年
度 か ら 空 港 公 団 の ご 協 力 を い た だ き 、空 調 機 器 の 設 置 事 業 を 実 施 し て お り ま す が 、平 行 滑 走 路 の 供 用 に よ る 対 策 区 域 の 拡 大 見 直 し と 騒 音 対 策 の 充 実 を 図 る た め、平行滑走路の飛行直下及び両滑走路の騒音の影響を受ける地域を、空調機 設置事業の対策区域としていただけるようお願いするとともに、今後発生する 空 調 機 器 の 機 能 回 復 事 業 な ど を 含 め 、恒 久 的 な 助 成 制 度 と し て 確 立 を お 願 い い たしたいと存 じます。
また、今年の 2月 23日に横芝町の中台地区に航空機から氷塊の落下があり ました。洋上での脚下げによる氷塊の落下は少なくなつてお りますが、根絶に は至っておりません。そこで、昨年の騒音対策委員会で平成 14年1月末から
2週間、成田空港への到着機の着氷状態に関する調査を行い、調査結果をもと に 専 門 家 に よ る 精 査・ 解 析 を 行 い 、対 策 を 検 討 す る と い う回 答 を い た だ き ま し たが、この結果についてお伺いし、落下物の根絶に向けての対策をお願いいた
したいと存じます。 3点日は、共同利用施設の改修等に、新たな助成制度の創設についてでござ
います。昨年も要望させていただきましたが、当部会では昭和 48年度から共 同利用施設が建設 され、建設後 20年 を経過す る施設 も多 く、屋根、外壁等の
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改修の時期が来てお り、また増改築の要望等も出てきてお ります。周辺対策交 付金で維持費を助成 していただいてお りますが、これは起債の償還や電気料等 に充てられているのが現状であり、バブル崩壊後長引く景気の低迷で税収等が 落ち込み、町村の財政が逼迫している状況ですので、これらの事業を実施する 場合の新たな助成制度の創設をお願いいたしたいと存じます。また、助成制度 ができるまでの間、特別交付金の対象事業としていただきたくお願いを申し上
げたいと存 じます。 以上3点について、要望・質問させていただきましたので、よろしくひとつ
お願いを申し上げたいと存 じます。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。3点につきまして、ご質問・ ご要望がございましたので、住宅防音事業の充実と共同利用施設の改修等への 新たな助成制度の創設の問題につきましては空港公団のほうから。それから、 平行滑走路の騒音直下対策については、公団並びに国土交通省から回答させて
いただきます。
【空港公団】 1点日の住宅防音事業の充実についてでございます。住宅防音 工事は、騒防法によりまして交付規則とか設計基準が定められて、補助金の交 付を行つているところでありますが、この規定は遮音効果を確実に担保するこ
とができるような設計・施工を行 うということ。また、補助金の公平性が確保 されること等の観点から、制定されているものでございます。防音工事の運用 につきましては、防音工事が航空機騒音の軽減を目的としていることから、遮 音効果等の基準を逸脱しない範囲、また、補助金の制度の範囲において、住民 の皆様方のご要望に添えるように心がけてまいりたいと考えております。
また、防音工事の資材・工法等につきましては、建築技術の動向等を勘案 し な が ら 、引 き 続 き 住 民 の 皆 様 の ご 要 望 に 添 う よ う 検 討 し て ま い り た い と 考 え て お ります。
次に、騒音の直下対策についてでございますが、暫定平行滑走路供用に伴 う 新たな対策につきましては、従来よりご要望を伺っているところでございます。 空 港 公 団 と い た し ま し て は 、今 後 と も 常 時 測 定 や 定 期 測 定 に よ り ま し て 、 地 域
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の騒音の状況を十分に把握 し、その結果を踏まえて対策の充実について関係市 町村の皆様方とよくご相談させていただきながら対応してまいりたいと考え てお ります。
次に、共同利用施設の改修等に新たな助成制度をということでございますが、 共同利用施設は、空港周辺における地域の皆様方のコミュニケーションの場と して、また、最も生活に密着 した施設でございます。空港公団としましても、
そのようなコミュニティの中心となる施設が老朽化や、狭院化しつつあるとい うことを十分認識 してお ります。
これまで空港公団では、共同利用施設の整備及び空調設備の機能回復工事に 対 し ま し て 補 助 金 を 交 付 さ せ て い た だ い て ぃ る ほ か 、共 同 利 用 施 設 の 維 持 費 相 当 額 に つ い て は 、周 辺 対 策 交 付 金 の 一 部 と し て 負 担 さ せ て い た だ い て お り ま す 。
こ の 維 持 費 相 当 額 に つ い て は 、今 年 度 若 千 見 直 し を す る こ と と い た し て お り ま
す。なお、共同利用施設の修繕につきましては、交付金で充当可能かどうかも
含めまして、その都度、関係市町村の皆様方と相談させていただければと考え てお ります。
【国土交通省】 新東京空港事務所でございますが、2点目のご質問のうち、 着氷状況に関する調査についてご説明させていただきます。お尋ねのあった、 平成 14年1月 21日から2月の7日までの間に行われました着氷状況調査 の結果でございますが、調査の対象となった便数は1,475便 ございまして、 そのうち着氷が認められたものは6便、約0.4%に なっております。氷塊の 成分分析の結果、調理室からの排水あるいは雨水が凝固したものであり、いず れ の 氷 塊 か ら も 有 害 物 質 等 は 検 出 さ れ て お り ま せ ん で した 。
着氷防止対策といたしましては、引き続き、飛行前点検の徹底、貨物搭載時 の雨水の除去等の徹底を航空会社に指導してまいる所存でございます。なお、 国 際 民 間 航 空 機 関 で は 、ア ジ ア 太 平 洋 地 区 航 空 局 長 会 議 と い う も の を 開 催 し て お りますが、昨年の会議は 10月 にフィリピンで開催 されてお ります。その会
議の席上、ただいま説明いたしました着氷状況調査の結果をご報告させていた だいておりま して、成田空港における落下物の状況、防止策を説明し、落下物 防止について関係各国に協力を求めているところでございます。
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ど,9 もありがとうございました。3点につきまして、ただい 【永井委員長】
まの回答でよろ し ゅ,9 ございますか。
【松尾・横芝・蓮沼地区部会 (賞川横芝町長)】 大変どうもありがとうござ いました。1、 2については公団のほうもいろいろあろうと思いますが、でき る だ け 地 域 の 皆 さ ん の 要 望 等 に つ い て 、ご 配 慮 い た だ け る よ う に 今 後 と も お 願 いを申し上げたいと存 じます。
落下物の件に関しましては、私どものほうもご案内のようにA・ B両ランが、 全く町の上空を絶えず飛行しているという現況にございまして、かつて東南ア ジア系の飛行機で2000mの 上空から氷塊が落下するという事故が起きて お り ま す の で 、今 回 の Bラ ン が 必 ず し も 高 い と こ ろ を 飛 ぶ か ら 大 丈 夫 だ と い う
ことではなく、氷塊がいつ落ちてくるかわからないという、非常に神経のいら
だ た し さ を 感 じ る よ う な 住 民 も ご ざ い ま す の で 、今 後 と も 落 下 物 の 問 題 に つ い
ては十分ご配慮いただきながら、根絶に向けてご努力をお願い申し上げたいと
存じます。 以上で、私のほうからのご質問を終わらせていただきます。ありがとうござ
いました。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。それでは、次に移らせてい ただきます。大栄・多古・下総地区部会を代表いたしまして、多古町長の土井 委員のほうからお願いいたします。
【大栄・多古 0下総地区部会 (土井多古町長)】 本日は、大栄町長、下総町
長と出席をさせていただいておりますので、3町を代表いたしまして私からご
要望を申し上げます。 当部会は、去る2月 24日 に空港公団のご出席をいただいて会議を開催し、
諸問題についての協議を行いました。その協議の結果、次の2点の要望をさせ ていただきます。まず、第1点日といたしまして騒音対策についてでございま すが、昨年4月 から暫定平行滑走路が供用開始されまして、利便性は格段に向
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上いたしてお りますが、航空機騒音による弊害も否めません。先月 28日 には、 国・公団・県・主要市町村 との間で、空港公団の民営化に関する覚書も締結 さ れましたが、引き続いて国・空港公団におかれましては共生の理念に基づいて、 騒音対策の充実をお願いするものであります。
まず、空港東側の防音堤・防音林の再整備についてでございますが、東側の 地 区 で は 着 陸 し た 航 空 機 の 尾 翼 が 見 え る な ど 、防 音 堤 ・ 防 音 林 の 高 さ が 足 り な いのではないかと思われます。現状の規模では、あまり効果がないように思わ れますので、至急改善をお願いします。暫定平行滑走路の本来計画どおりの2,
500mに 鋭意努力いただいているところでございますが、ジャンボ機が飛ぶ 前に再整備をお願いするものでございます。
次に、民家防音工事にかかる空調機の先行設置についてでございますが、騒 防法により民家防音工事の対策が進められているところでございますが、住宅 によっては建て替え時期や、あるいは家の改修をしないと十分な防音効果が得
られないなどの理由により、やむを得ず対策が遅れている住民もいるわけでご
ざいます。共生財団の実施 してお ります隣接防音工事では、防音工事に先行 し て空調機のみの設置が認められてお りますので、同様の措置をお願いするとこ ろでございます。
また、隣接防音工事については暫定滑走路供用に先行いたしまして、1種区 域か ら300mの 区域で対策が実施 されていますが、線引きの境の家では隣の 家 に 遠 慮 し て か ら か 、未 実 施 の 住 民 も 多 い た め 、速 や か な 隣 接 区 域 の 見 直 し と 集落が分断しないような形で、特段のご配慮をお願いするものでございます。
次 に、第 2点 日といた しま して、地域振興への配慮 についての要望でござい ます。暫定平行滑走路が供用を開始 してまもなく1年が経過 しようとしてお り ますが、新たに広島への路線が開設されるなど、成田空港への需要は高まるば か り で あ り ま す 。空 港 隣 接 自 治 体 と し ま し て は 、空 港 と と も に 発 展 す る こ と が
願いであり、騒音下の住民も生活しやすい住環境の整備や、空港関連企業の進 出及び産業の発展が必要不可欠でありますので、道路整備や排水整備などの基 盤整備が重要であり、町でも事業を進めているところでございます。こうした
増大する行政需要に応えるためにも、小規模な事業も交付金の対象とするなど、 周辺対策交付金の拡充・増額について、新たに騒音が増えた実態を踏まえた配
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分をお願いするものでございます。 以上 2点について、強 く要望 させていただきますので、よろ しくご支援・ご
協力をお願い申し上げるものでございます。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。騒音対策について3点、地 域振興を図るための交付金の拡充・増額について、それぞれご質問・ご要望が ご ざ い ま し た の で 、こ れ ら の 点 に つ き ま し て は 空 港 公 団 の ほ う か ら 回 答 さ せ て
いただきます。
【空港公団】 まず、騒音対策の第 1点目の防音堤の問題でございます。防音 堤及び防音林につきましては、空港公団において周辺緑化基本計画を策定し、 それによつて整備を進めているところでございます。用地の都合によりまして、 一部未整備の部分がある状況ですが、これについては今後とも整備について努 力 し て ま い り た い と 考 え て お り ま す 。 な お 、 空 港 東 側 に つ い て は 、既 設 の 防 音 堤の一部について樹木の補植により防音機能を確保するとともに、一部、防音 壁の設置について既に検討を開始しております。
次に、空調機の先行工事についてでございますが、騒防法では防音工事の実 施 に あ た つ て 、防 音 サ ッ シ の 設 置 と 空 調 機 の 設 置 は 一 体 の も の と な つ て お り ま す。防音サッシの設置を伴わない空調機のみの先行設置について、騒防法の制 度上、解釈上は非常に難しいと考えられますが、ご要望に沿 う方法について現 在検討中でございます。
それから、3点目に隣接防音工事でございますが、先ほども申し上げました ように、隣接地区の騒音対策については共生財団が行つてお りますが、空港公 団としても騒音の実態の把握に努めて、その状況を注視していきたいと思いま
す 。 対 策 区 域 の 見 直 し を 行 う 等 の 必 要 が 生 じ た 場 合 に つ い て は 、共 生 財 団 の 理 事 会 等 の 場 で 協 議 さ れ る と い うふ う に 考 え て お り ま す 。
次に、地域振興策でございます。地域の発展につきましては、私ども空港公 団 も 願 つ て や ま な い と こ ろ で ご ざ い ま す 。ご 要 望 に ご ざ い ま し た 交 付 金 の 問 題 でございますが、成 田空港の周辺対策交付金制度は、国の航空機燃料譲与税制 度に準じて制度化されて運用されております。その全体パイは、基本的には成
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田 空 港 の 着 陸 料 収 入 の 状 況 に よ る こ と に な り ま す 。空 港 公 団 と い た し ま し て は 、 そ の 交 付 に あ た り ま し て 関 係 自 治 体 の 皆 様 方 か ら 、そ れ ぞ れ の 事 業 計 画 を よ く お 聞 か せ い た だ い て 、 十 分 に ご相 談 させ て い た だ き た ぃ と考 え て お りま す 。
【永井委員長】 ありがとうございました。よろしゅうございますか。
【大栄・多古 0下総地区部会 (土井多古町長)】 どうぞ、私どものご要望を 確実に実施されますよう、重ねてお願いを申し上げまして、お礼のご挨拶とさ せていただきます。ありがとうございます。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。それでは、次に移らせてい ただきます。富里・山武地区部会を代表いたしまして、富里市長の相川委員の ほうからお願いいたします。
【富里 0山武地区部会 (相川富里市長)】 ただいまご紹介いただきました、 富里市長の相川でございます。昨年4月 18日の平行滑走路の供用により、ほ ぼ1年を経過し、大きな事故につながることもなく今 日を迎えましたことに対
し、関係者の皆様に感謝を申し上げます。また、今後、空港公団も民営化され る わ け で ご ざ い ま す が 、過 日 締 結 し ま し た 新 東 京 国 際 空 港 公 団 民 営 化 に 関 す る
覚書 を遂行 し、今後 も更に関係者 と協力 しなが ら、本 来計画である 2,500 mの平行滑走路の整備・騒音対策・共生策の実施等について、よろしくお願い いたします。
本 日は、山武町の並木町長 もおいでになつておりますが、富里・山武地区部 会を代表してお伺いをいたします。
さて、円卓会議の合意事項の一つとして、電波障害対策の実施が掲げられて おり、それにつきましては平成14年3月末現在、全体計画45,824戸 の 対 策 を す べ て 終 え て い る こ と を 共 生 委 員 会 よ り確 認 し て お り ま す 。
一方、総務省では2011年 のデジタル放送への完全移行を目的として、こ の地区では本年度より地上デジタル放送が開始されます。また、デジタル放送 が 完 全 に 普 及 す る ま で の 経 過 期 間 に は 、現 在 の ア ナ ロ グ 放 送 も 並 行 し て 実 施 す
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ることにより、テレビジョン放送用周波数の使用状況が過密となつた一部地域 については、アナログ周波数が変更されるため、チャンネルの再設定等が必要 となると聞いております。航空機による電波障害につきましては、地上デジタ ル放送に移行されることにより、解消されることが想定されますが、現在電波 障 害 対 策 と し て 建 設 さ れ た 中 継 局 よ り 電 波 を 受 信 し て い る 住 民 に 対 し 、現 在 の
中継局の存続を含め、各家庭での対応策等を周知願いたいと思います。 ま た 、電 波 障 害 が 発 生 す る 区 域 外 で あ つ て も 、そ の 中 継 局 よ り電 波 を 受 信 し て い る 住 民 も 多 く お り ま す の で 、そ の 住 民 に 対 し て も ご 配 慮 を お 願 い い た し ま
す。 以上でございます。よろしくお願いします。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。それでは、ご質問・ご要望 の点につきまして空港公団のほうから回答させていただきます。
【空港公団】 それでは、電波障害対策についてお答えいたします。地上波テ レビのデジタル化計画は、現在総務省が推進 しているものでありまして、これ に先立ちデジタル波を割り当てるために、現在のアナログ周波数の変更工事が
必要となります。 デジタル化計画の中で、まず空港公団としてやらなければいけないことは、
アナログ周波数変更により中継局4局ございますが、成田0佐原・下総光・江 戸崎、それから共同受信施設の設備を平成 15年度から16年度にかけて、デ ジタル波が受信 0発信できるような工事をいたします。その後のデジタル化の ための地域の皆様、いわゆる受信者側の周知については、今後、総務省から通 知されていくというふうに考えております。
【永井委員長】 よろしゅうございますか。
【富里・山武地区部会 (相 川富里市長)】 どうもありがとうございます。よ ろしくお願いします。
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【永井委員長】 それでは、次に移らせていただきます。佐原・神崎地区部会 を代表いたしまして、神崎町長の後藤委員のほうからお願いいたします。
【佐原・神崎地区部会 (後藤神崎町長)】 後藤でございます。本 日は、佐原 の鈴木市長さんも同席しておりますが、去る2月 21日に佐原・神崎部会を開 き ま し て 、そ の と き の 要 望 を 取 り ま と め て あ り ま す の で 私 か ら お 願 い 申 し 上 げ ます。
最初に、標準飛行 コース及び高度の遵守 とい うことで、公団の皆様方の大変 なご努力で暫定平行滑走路がオープンしましたが、2,180mと いう短いこ とから当初の計画より発着回数は少なく、また使用する航空機もB767型 機 などで、上昇機能の比較的よい中型機であると聞いてお りまして、騒音による
影響は少ないのかな と言われてお りました。 しかし、これまでの運行実績を見ますと、暫定平行滑走路の発着回数は1日
あたり約 140回 、A滑走路と合わせた空港全体の発着回数は約 500回 とな つ て い る と 伺 っ て お り ま す 。 周 辺 住 民 に と っ て は 当 然 の こ と で あ り ま し て 、航 空 機 騒 音 を 耳 に す る 機 会 が そ れ だ け 増 え て き た こ と に な り ま す 。 特 に 、夜 間 は 騒音の増大が住民生活に支障をきたしているとの苦情も出ているところであ
ります。つきましては、航空機騒音が極力軽減されるようお願いを申し上げた いと思います。これ らにつきましては、具体的な事項等も出てお りますが、九 十 九 里 浜 ま で の 直 進 上 昇 と か 、直 進 降 下 と か 、標 準 飛 行 コ ー ス の 高 度 の 取 り方 等を徹底的に指導・監督をしていただきたい。
それから、氷塊等の落下物防止については、先ほどよその部会さんでも出て お りました。これらについては栗源町で発生 して既に3年を経過 しております が、まだ年間を通じて減少 しているというものではありませんので、それらの 発生防止に最善の努力をお願いいた したい と思います。
そ れ か ら 、先 ほ ど も 出 て お りま す が 、空 港 公 団 の 民 営 化 に 伴 い ま して 、や は り我 々 が 心 配 し て い る の は 、 こ れ か ら は ど う な の か と い う こ と で す 。 空 港 周 辺 自治体や住民にとっては民営化後の環境対策や地域共生策がどう変わるのか
不安であるため、これから私 どもとしては情報の公開とその施策の維持・継続 を強くお願いいたしたいと思います。
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次に地域振興策でありますが、もう既に出ていると思いますが、まずこれに ついては交通アクセスの整備の問題であります。特に、空港利用者や空港関連 就業者等の利便性の確保や交通渋滞の緩和などに必要かつ不可欠なものであ
りますので、具体的には交通アクセス 3件について要望いたします。1点、国 道51号線の4車線化。これは、佐原の山辺地先・大栄間であります。もう一 つは、(仮称)県道成田・神崎線、成田・下総線の延伸であります。それから、 空港への乗り入れが考えられます首都圏中央連絡自動車道の建設・促進をお願 いしたいとい うことが、交通アクセスの整備であります。
次に、航空機災害対策についてであります。新東京国際空港消防相互応援協 定に基づきまして、万が一の航空機災害に備えまして、その救援・救護活動の 一 役 を 担 う と こ ろ の 消 防 庁 舎 等 の 施 設 、こ れ は 本 所 と 一 番 近 い と こ ろ に あ り ま す が 西 分 遣 所 と い う 施 設 が あ り ま す の で 、そ の 整 備 の 充 実 ま た 助 成 措 置 を お 願 いいた したい とい うこ とであ ります。
次に、経済的波及効果の拡大分散化についてでありますが、平行滑走路の供 用開始によりまして、旅客サービスや物品販売業等の空港関連産業や、貨物、 外国人観光客等空港利用産業の新たな需要拡大が見込まれております。これら 経 済 的 な 波 及 効 果 が 周 辺 地 域 に 分 散 化 さ れ る よ う特 段 の ご 配 慮 を お 願 い い た
したいと思います。周辺対策交付金については、既にお願いの各部会のとおり であります。
それから、その他という部分にこの部会は一つ入 ります。というのは、オブ ザ ー バ ー で 佐 原 ・神 崎 部 会 に 加 入 し て お り ま す 栗 源 町 か ら の 要 望 を お 願 い 申 し 上げます。これにつきましては、栗源町には過激派の活動拠点がありまして、
これによりま して空港関連企業の進出等が懸念されているとい うような傾向 が あ り ま す の で 、こ の 対 策 に つ い て は 栗 源 町 と し て も 積 極 的 に 取 り組 ん で い く
ところでありますが、関係機関のご支援をお願いいたしたい。 そ し て ま た 、先 に も 出 て お り ま す 氷 塊 落 下 物 事 故 も 栗 源 町 が 受 け て お り ま す ので、それらを考えますと、栗源町は騒音区域内に入つていないとい うことか ら、現在は私 どもの佐原・神崎部会の準会員になっておりますが、悩み等・意 見等を聞いていただくために、是非とも本会会員にしていただきたいという強
い要望が栗源町から出てお ります。
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以上、いろいろとお願いを申し上げましたが、よろしくお願い申し上げます。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。4点ございましたが、まず 飛行コース等の遵守及び落下物事故防止対策について。それから、公団の民営 化 に 伴 う 環 境 対 策 ・ 地 域 共 生 策 の 確 保 に つ き ま し て 、他 の 部 会 か ら も 同 様 の ご 要望・ご質問があつたわけでございますが、この2点について、改めて国土交 通省並びに公団のほうから回答させていただきます。
【国土交通省】 新東京空港事務所でございますが、1点目の飛行コースの遵 守 と落下物防止についてお答えさせていただきます。暫定平行滑走路の供用開 始に伴いまして、周辺住民の皆様方には騒音などで大変ご迷惑、ご負担をおか けしていることは重々承知いたしております。飛行コースの遵守につきまして は、航空機騒音の影響がおよぶ範囲の拡散を防止する観点から、非常に重要な 問 題 と 認 識 し て お り ま し て 、毎 日 公 開 さ れ る 重 ね 合 わ せ 航 跡 図 に よ り 遵 守 状 況 を 監 視 し 、逸 脱 し た 航 空 機 を 運 航 し て い た 航 空 会 社 に 対 す る 調 査 を 実 施 し て 、 そ の 理 由 を 把 握 す る と と も に 、合 理 的 な 理 由 が な く 逸 脱 し た 航 空 機 に 対 し て は 便 名 を 付 し て 公 開 す る ほ か 、再 発 防 止 を 目 的 と し て 必 要 に 応 じ て 航 空 局 が 指 導 を行つているところでございます。
落下物につきましては、先ほど来ご指摘がございますように、発生件数は減 少 し て い る も の の 皆 無 と は な っ て お り ま せ ん 。落 下 物 の 防 止 に つ き ま し て は 、 今 後 と も そ の 根 絶 を 目 指 し ま し て 、最 大 限 の 努 力 を 行 つ て ま い る 所 存 で ご ざ い ます。
【空港公団】 空港公団からお答えいたします。飛行コースの件につきまして、 平成 10年より航跡図を公開しておりますほか、飛行コース幅を設定いたしま し て 、 そ の 幅 を も と に 飛 行 実 態 を 監 視 し て お り ま す 。 そ し て 、合 理 的 な 理 由 が な く 飛 行 コ ー ス 幅 を 逸 脱 し た 航 空 機 に つ い て は 、そ の 航 空 会 社 に 対 し て 国 土 交 通 省 を 通 じ て 指 導 を し て い た だ い て い る と こ ろ で ご ざ い ま す 。 ま た 、落 下 物 に つ き ま し て は 先 ほ ど 来 申 し 上 げ て お り ま す が 、氷 塊 調 査 あ る い は 洋 上 脚 下 げ 等 を 通 じ ま し て 、今 後 と も 落 下 物 の 根 絶 に 向 け て 、 な お 一 層 努 力 を し て ま い り た
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いと考えております。
【国土交通省】 空港公団民営化に伴います、環境対策・共生策の確保につき ましては特殊会社法案におきまして、従来公団において実施されております環 境対策・共生策の適切、かつ確実な実施を行いますということを条文上明記さ せていただいておりまして、現行の公団法には規定されていない環境対策・共 生策を具体的に法文上明記するという形で、私ども法案をつくらせていただき ました。ご質問のございました情報の公開、環境対策・共生策の施策の維持継 続につきまして、今後ともこの法律に基づきまして、最大限の努力を図つてま いりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
【空港公団】 空港公団から民営化についてでございますが、空港公団といた しましては、この成田空港が内陸空港でありますことから、地域の皆様のご理 解を得るということが重要だと考えております。従いまして、民営化後も地域
と空港との共生を理念として、環境対策・共生策の適切かつ確実な実施に取り 組んでまいりたいと考えております。
また、情報公開については、騒音・大気質等の環境測定結果、航跡図等につ いて現在行つていますが、民営化後も継続、更に充実してまいりたいと考えて おります。
【永井委員長】 それでは、次に地域振興策について。交通アクセスの整備等 4点について、ご質問・ご要望がございましたので、まず、交通アクセスの整 備につきまして千葉県から。それから、航空機災害対策等3点につきましては
公団のほうから回答させていただきます。
【千葉県】 千葉県のほうから、交通アクセスの整備についてお答え申し上げ ます。1点目の国道51号の4車線化の話でございますが、現況の取り組み状 況を申し上げますと、現在国土交通省におきまして千葉市・成田市及び大栄町 で交通の混雑を解消し、交通の円滑化を図るため4車線化事業を進めていると ころでございます。これまで、工事が完成した区間から随時供用を図つてきて
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お ります。 また、その他の区間につきましては、渋滞の著しい主要な交差点や事故多発
地 点 の 改 良 を 、整 備 の 緊 急 性 の 高 い 力 所 か ら 整 備 を 進 め る と い う こ と に い た し てお ります。ご要望の区間でございます、佐原市山之辺地先~大栄町間でござ いますが、この4車線化につきましては、現在事業を進めている区間の進捗状 況 を 見 な が ら 、国 土 交 通 省 に 要 望 し て ま い り た い と い う ふ う に 考 え て お り ま す 。
2点日の (仮称)県道成田・神崎線、現成田0下総線の延伸ということでご ざいますが、これにつきましては成田市街地と香取方面を結ぶ主要な道路であ り、また成田空港へのアクセス道路としてバイパス整備を進めております。全
体延長14kmの うち、約12.5kmに ついては既に供用いたしており、成 田市の一部が成田市の関戸地先の約0。 8km区 間については、現在工事を進 めております。残る0.7kmに つきましては、土室と大室でございますが、 非常に用地買収が難航いたしておりますので、今後とも地権者の協力が得られ る よ う話 し合 い を重 ね 、早 期 完 成 に努 め て ま い りた い と考 え て お りま す 。な お 、
延伸についてでございますが、交通量、県道ネットワーク及び周辺の土地利用 計画等を勘案 しながら、検討 してまい りたいと考えてお ります。
3点目の首都圏中央連絡自動車道の建設・促進とい うことでございますが、 神崎・大栄間 10.7kmに つきましては、これまでにも道路詳細設計や構造 物設計を実施 したところであります。今後とも、よリー層の事業促進が図られ
るよう、国に要望してまいりたいと考えてお ります。以上でございます。
【空港公団】 それでは、空港公団のほうから航空機災害と、周辺対策交付金 の充実についてお答えいたします。消防施設等の整備あるいは交付金の充実に 関する要望ですが、従来からご要望されているわけですが、今後 ともそれぞれ の事業計画をよくお聞かせいただいて、十分相談させていただきたいと考えて おります。
それから、3番目の波及効果の問題でございますが、空港公団といたしまし ては暫定平行滑走路の供用に伴 う空港関連産業の従業員や売上額の増加、ある いは空港を利用するお客様、輸出入貨物の増加による経済効果などによりまし て、周辺の地域の発展が図られるように願 うものでございます。この経済波及
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効果によつて、周辺地域の活性化が更に促進 されるよう、空港公団としてどの よ う に お 役 に 立 つ こ と が で き る か 皆 様 方 と よ く ご 相 談 し た い と考 え て お り ま
す。 次に、栗源町からのご要望でございますが、栗源町に成田空港に関連する過
激派の活動拠点があるために、町として大変ご苦労されていることにつきまし ては、公団としても申しわけないと思つているところでございます。過激派の 問題については、今後とも連絡を密にさせていただいて、情報の交換等を図つ てまい りたい と思います。そ して、一 日も早 く成 田空港の完全空港化 を図るこ と が 肝 要 だ と 考 え て お り ま す 。 落 下 物 に つ き ま し て は 、今 後 と も 国 土 交 通 省 な どの関係機関と連携を図りながら、根絶に向けてなお一層努力をしてまいりま す。
また、本委員会の正会員の件につきましては、強いご要望があつたというこ とを承ることにさせていただきたいと思います。
【永井委員長】 よろしゅうございますか。
【佐原・神崎地区部会 (後藤神崎町長)】 たくさん要望 して恐縮ですが、ご 回答いただきましてありがとうございました。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。それでは、次に移らせてい ただきます。河内・新利根・江戸崎地区部会を代表いたしまして、河内町長の 野高委員のほうからお願いいたします。
【河内・新利根・江戸崎地区部会 (野高河内町長)】 私どもは、茨城県側の 河内0新利根・江戸崎地区の3部会を代表して、3つほど要望申し上げます。 今日は、江戸崎町長の寛町長さん、新利根町長の浦口町長さんも一緒にまいっ ております。
まず、第1点は騒音対策についてです。暫定平行滑走路が昨年4月 より供用 開始され、騒音に対する苦情が各地区で多く寄せられております。特に、航空 空路の直下の区域については状況を再調査の上、第1種民家防音認定区域の拡
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大や隣接区域の指定の見直 しを要望いたします。 2点日は、環境保全についてであります。昭和48年環境庁告示、航空機騒
音に係わる環境基準に基づいて、当部会の基準値は70W以 下であります。し
かし、現在対策が講じられている値は75W以 上となっており、基準値に相違
があります。航空機騒音につき生活環境を保全し、人の健康保護に資する上で
維 持 し て い く こ と が 望 ま し い 値 を 考 慮 し て い た だ き 、成 田 国 際 空 港 独 自 の 対 策 を講 じることを要望 します。
最後に、先ほど来いろいろと出ておりますが、周辺対策交付金についてです が、各種公共施設の騒音対策 0電波障害対策等が整備されてきたところである が、経年変化による老朽化等により維持管理が年々増大し、町の財政も逼迫 し てお ります。このような状況の中、周辺対策交付金は横ばいとなつております ので、周辺対策交付金の交付規定の見直しとともに、交付金の増額をお願いし 要望 といた します。 よろしくお願い します。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。騒音対策について、環境保 全につきましては国土交通省と公団から。最後の3点日、周辺対策交付金の増 額問題につきましては、公団のほうから回答させていただきます。
【空港公団】 それでは、空港公団のほうからお答えいたします。まず、1点 目の騒音対策でございますが、空港公団では現在 24時間連続で騒音の実態の
把握に努めております。測定の結果、仮に騒音値が年間を通じて75WECP NLを超えることが生じた場合には、1種区域の見直しについて国・関係自治 体と協議してまいりたいと考えております。
また、ご要望の暫定平行滑走路側における隣接区域の設定につきましては、 現在騒防法の第1種区域が千葉県側までとなっておりますので、河内町がA滑 走路で実施されているような生活環境改善事業の対象区域がございません。し かし、現在、騒音の実態の把握を行っているところでありますので、その結果 を踏まえて、その対策についてご相談させていただきたいと考えております。
2点日の環境基準等についてでございますが、成田空港におきまして航空機 騒音障害防止のための低騒音機の導入や、早朝・深夜の便数制限などの発生源
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対 策 、 あ る い は 、緩 衝 緑 地 帯 整 備 な ど の 施 策 は 講 じて お りま す 。 しか し な が ら 、 航空機騒音にかかる環境基準によりますと、70Wが 目標値とされていますが、 航 空 機 の 騒 音 防 止 の た め の 施 策 を 総 合 的 に 講 じ て も 、そ の 目 標 値 の 達 成 が 困 難 で あ る 地 域 に つ い て は 、日標 値 が 達 成 さ れ た 場 合 と 同 等 の 静 穏 な 環 境 を 屋 内 で 確 保 す る こ と と され て い ま す こ と か ら 、騒 防 法 に 基 づ い て 第 1種 区 域 に お い て
の民家防音工事の助成を行つているところでございます。 更 に 、第 1種 区 域 と 隣 接 す る 地 域 に お い て 、成 田 空 港 独 自 の 対 策 と し て 関 係
自治体のご協力をいただき、防音工事の助成を行つているところでございます。 い ず れ に し て も 、今 後 と も 総 合 的 な 対 策 を 継 続 ・ 充 実 し て い き た い と 考 え て お
ります。 次に、周辺対策交付金でございますが、ご指摘の防音工事済みの公共施設に
対する維持・管理費及び地元負担額については、自治体負担の実状を勘案して、 現在見直しをしているところでございます。空港公団としては、その交付にあ たつては関係市町村の皆様方から、それぞれの事業計画をよくお聞かせいただ いて、ご相談させていただければと考えてお ります。また、増額のご要望があ
りますが、燃料譲与税に準じているということと、成田空港の着陸料の実状に よるということをご理解願えれば幸いと考えております。
【永井委員長】 どうも失礼しました。ご要望の3点すべてにつきまして、空 港公団のほうから回答させていただきましたが、よろしゅうございますか。
【河内・新利根・江戸崎地区部会 (野高河内町長)】 見直し等については、 いろいろと相談していくというお言葉をいただきましたので、十三分に相談し てよりよい結果を得るように、大きな期待をしております。よろしくお願いし ます。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。それでは、最後になりまし たが、成田空港から郷土とくらしを守る会を代表いたしまして、事務局長の岩 田委員のほうからお願いいたします。
【成田空港から郷土とくらしを守る会 (岩 田事務局長)】 成田空港から郷土 -46-
とくらしを守る会の岩田と申します。よろしくお願いいたします。まず、質問 の 最 初 に 私 た ち の 会 が 昨 年 の 12月 か ら今 年 の 2月 ま で 、暫 定 平 行 滑 走 路 の 直 下5kmぐ らいの地域、それからその東側の多古町の地域で実施しましたアン ケー トに住民の方々がいろいろな意見、延べ375ぐ らいの意見を書いていた だきました。それについて、一部読ませていただきたいと思います。
いろいろとあるのですが、 ・ 時 間 帯 と 曇 っ て い る 日 と か う る さ く 感 じ る 。今 は い ろ い ろ な 面 で ス ト レ ス が 多いので、静かにゆっくり休みたいと思います。
・家は防音工事されているので、締め切 りにしていると音はさほど気にならな いが、夏、窓を開けるとかなり音が気にな ります。夏は締め切りが多かったの で、クーラー使用のため電気代が高額になりました。たぶん、この冬も同じだ
と思います。
・仕事の関係上、夜遅く、次の日の睡眠がとれなくて連続睡眠不足がたたり、 体調が悪 くイライ ラしている。
・朝、せつかく休みの日に飛行機の音で日覚めるのは腹が立つ。
・部屋によっては、とても音が響 く場所があるので、そこで幼児を寝させてい るとすぐ起きてしまう。
・夏は体調を考え、あまリクーラーを使わずに網戸で寝ることが多いが、騒音 でなかなか眠れなかったこともあつた。
・ 飛 行 機 に 向 か つ て う る さ い と 大 声 で 叫 ぶ が 、 そ の 声 が 消 さ れ て し ま う。
・睡眠不足が、これほど体調を悪 くするとは思ってもいなかった。最悪です。 仕事に悪い結果につながらなければよいが。
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・仕事中も真上を飛んでいます し家に帰つても上を飛ぶ し休まるときがない。
・考え事をしているときはイライラするときがあり、飛行機が飛んでいないと ころへ行つたときは静かだなとしみじみ思います。
・外に下宿している子どもが家に帰ってきて、あまりの騒音に 1日 で家を出た。 勉強どころではない。
こういう意見が、まだまだいつぱいあるんですね。私が言いたいのは何かと いうと、これらのことは成田空港が内陸のここに設置されたからこそ起こつて いることなんですね。例えば、ほかの地域でもつて空港があるところに、ほか から移住 してきて、それでうるさいと言つているわけではないんです。ですか
ら、やはりこれは空港をこの地に持つてきた国の責任が大きいのではないかと、 こ うい うふ う に 考 え る ん で す ね 。
そ れ を 前 提 と しま して 質 問 に 移 りた い と思 うの で す が 、1つ は や は り民 営 化 の問題です。これについても、住民はこう言つております。現在でも、国の責 任で騒音対策をやつている。不十分な対策事業しかやつていないのに、民間の 利 益 を 追 求 す る 会 社 で は 、現 状 の 対 策 す ら 継 続 し て 行 う こ と は で き な い 。 我 々 の願いは、もつと住民に配慮した対策事業を実施し、それを継続していくこと である。 とい うことなんですね。
では、アンケー トの結果を見てみます。成田空港については、運営も周辺対 策も国が責任を持つべき。民営化には反対。これに答えた方が40。 3%。 そ れから、周辺対策を充実させるなら、民営化もやむを得ないとする人が32.
4%。 それから、成田空港を発展させるためには民営化すべきと答えた人が2 3.3%で す。要するに、騒音直下に住む住民はもちろん一部の地域だけです が、その結果でもだいたい72%ぐ らいの方が民営化には基本的にはあまり賛 成はしていないと。民営化反対だとい うのが、4割もいるとい うことなんです
ね。 私 が 心 配 す る の は 、先 ほ ど か ら ほ か の 部 会 の 代 表 の 方 か ら も 出 て い ま し た が 、
民 営 化 され て 本 当 に 周 辺 対 策 の 充 実 と い うの が 図 ら れ る の だ ろ うか と い うの -48‐
が、一番心配なんです。例えば、先月28日に締結された覚書を読んでみまし ても、現在の対策を継続するとい うことは書かれているんですね。だけれども、 対策を充実するあるいは拡充させるとい うことについては先送 りということ で 、別 途 協 議 を す る 、ま た 別 の 機 会 に 協 議 を す る ん だ と い うふ う な 覚 書 の 内 容 になっているんです。どうも継続 ということははっきりしているけれども、今 の騒音対策をもつと拡充させるかということについては、私は国や公団の方々 としては後ろ向きではないかなと考えています。それが心配で、そこをお伺い したいんです。
2点日は騒音問題ですが、結局、家の中で航空機の騒音をなんとか打ち消す ような対策はとれないのだろうか、それをお伺いしたいと思います。というの は、結局、音とい うのは波ですか ら、確か私もはっきりしないのですが、高速
道 路 や 何 か の わ き に ス ピ ー カ ー を つ け ま し て 、車 の 騒 音 と 全 く 逆 の 音 を 出 す と 。 そ う す る と 、物 理 的 に 相 殺 さ れ て 、 両 方 の 音 と も 消 え て し ま う と い う よ う な 実 験 を や っ て い る と い う こ と を 聞 い た こ と が あ る ん で す 。 そ うす る と 、 も し そ れ ができるならば家の中で、そうい う音を発生させる機械か何かがあれば、家の 中には航空機の騒音とい うのは響かない とい うことになるのではないかとい
う 気 が し て い る の で 、そ う い う も の は で き な い の だ ろ う か と い う こ と を お 伺 い したいと思います。
それから、アンケー トの内容で非常に多かったのは、テレビのことなんです ね。テレビの音が聞こえなくなつてしまう。これは、もうイライライライラし てしょうがない。結局、例えば2分間隔で飛んでくるとすれば、そのうち地域 によって違 うでしょうけれども、30秒ぐらいは音で音声が途切れるわけです。 そうすると、見ているテレビの番組についても非常に興ざめなものになると。 中 に は 、 リモ コ ン で 音 を 大 き く し た り、小 さ く し た り と い う こ と を 一 生 懸 命 や つている方もいるけれども、それが非常にス トレスになってしょうがないと。 こういうような意見が、かなりいっぱいあるんです。
そこで、前にもこういう研究をしているということを聞いたことがあるので すが、テ レビの音量を外の音に反応 して、多少大きくした り小さくした りとい う装置を考案 しているとい うのを聞いたことがあるのですが。ただ、これはち よつと問題があるわけでして、音が大きくなるとテレビの音を大きくする。そ
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うすると、2つの音が合わさってもつとでつかい音になつて、耳には非常に悪 いかなと思うんです。ですから、これはちょつとやめたほうがいいのかなとい
う気 もす るの で す が 、 そ うい う こ とが で き な い の か ど うか。 あるいは、それができないならば、例えば市販されているワイヤレスのイヤ ホンがあ ります よね。赤外線か何かでや るやつです。ああい うものを公団か何
かがちゃんと各家庭に配つて、イヤホン1つではしょうがいないわけですから、 イ ヤ ホ ン い く つ か 家 族 分 だ け 配 つ て 、ど う し て も 聞 き た い と い う と き に は そ れ を 利 用 し て 、テ レ ビ を 見 て い れ ば 音 は 響 い て く る で し ょ う け れ ど も 、 な ん と か テ レ ビ の 音 は 聞 け る と い う 状 態 が で き る の で は な い だ ろ う か 。そ う い う こ と は 、 考えられないのかということを質問したいと思います。
4番目ですが、これはこの前 も言つたかなと思 うのですが、今、市町村独 自 で や つ て い る 空 港 周 辺 地 域 全 体 の い ろ い ろ な 助 成 措 置 だ と か そ うい う も の を 、 国 の 責 任 で 統 一 し て や つ て も ら え な い か と い う こ と な ん で す 。 例 え ば 、一 番 財 政力がつよい成田市を例に挙げて申しわけないのですが、例えば2、 3年前の 資料で今はどうなつているかわからないのですが、成田市では空調機器電気代 に対する補助。これは、ほかの市町村でもやつております。だけど、たぶん額 が違 うと思います。
それから、騒音地域には固定資産税、都市計画税の 3割を補助 している。そ れから、合併浄化槽の設置補助の上乗せ。これも騒音地域にはより補助率を上 げて補助をしている。それから、水洗便所の設置補助もほかの地域に比べて騒 音地域は上乗せをしている。非常にいろいろな騒音地域に対する補助の制度が 成田市にはあるんですね。
ところが、やはり財政力が強いからできることなんだと思うんですよ。そう します と、ほかの市町村で同じことをできるかといえば、とてもそんなことや
つていられないということになるのではないかという気がするんです。これは、 非 常 に 不 公 平 じ ゃ な い か とい う気 が す る ん で す 。で す か ら、こ うい う も の を 国 として統一して、例えば第2種区域はこう、第 1種区域こう、騒特法の防止区 域 は こ う 、谷 間 対 策 地 域 は こ う と い う ふ う に 、 国 と し て 統 一 し て や つ て も ら え な い か と。 こ うす れ ば 、多 少 不 公 平 感 が な く な る の で は な い か と い う気 が す る
んです。
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5番目ですが、先ほどからいっぱい出ていますが、騒音防止区域と騒特法の 特 別 地 域 で す ね 。 こ うい う も の の 線 引 き を 、や は り集 落 を 分 断 す る よ うな 線 引
きが現実にあると。それは、やはりなくしてもらいたい。例えば、アンケー ト の意見の中でも何mかで騒音区域外とのことですが、夏場は特に うるさくテレ
ビの音も聞こえないという意見。それから、きちんとした線引きに問題がある。 (移 転 騒 音 )対 策 を一 か らや り直 す こ と。 こ うい う意 見 が あ る わ け で す 。
例えば、都会か何かで住居がビッチリつまっているところならば、これは物 理的にどこかで線を引かなければいけないわけですから、それはある程度やむ を得ない ところがあると思 うんです。ところが、この地域ではそ うい うところ はあまりありません。集落は割合固まっています。それが、数mでもつて音が 違 うんだ。確かに、違 うかもしれません。だけど、それを科学的にこれだけ違
うから、お名前のところは助成対象だと、お前のところは助成対象にならない ん だ と い う 科 学 的 な 根 拠 を 示 せ る か と い っ た ら 、そ れ は ち ょ っ と 厳 し い の で は ないかと思うんですよね。
ですから、先ほどからも出ていますが、こういう集落が固まっているところ は、地域のコミュニケーションだとかそ ういうものを維持するためにも、ちゃ んと集落ごとの線引きというのを考えていただけないかということになりま す。
それから6番目は、成田空港の軍事利用はしないでいただきたい。今、イラ クでああいう問題になっていますが、イラクが終わったら今度は朝鮮半島では ないかと言われています。朝鮮半島で事が起こった場合でも、いかなる軍事的 な 利 用 も 許 す べ き で は な い と い う の が 私 た ち の 考 え だ し 、周 辺 の 考 え で も あ る と思 うん です。例 えば、攻 め られ た らど うす るんだ とい う言い方 をす るんです
ね。だけれども、やはり我々のとる立場というのは事が起こらないように平和 三原則のもとで、そして戦前残念ながら日本がアジアの人たちにいろいろなこ とをやった。それの反省の上に立って、外交努力で問題を解決するということ が 基 本 だ と 思 う ん で す よ 。 で す か ら 、起 こ っ た ら ど う す る か と い う こ と で は な
いと思 うんです。 ア ン ケ ー トの 結 果 を 見 て み ま す と 、ど の よ う な 場 合 で も 成 田 空 港 の 軍 事 利 用
には反対であると答えた人が69。 4%。 それから、有事の際の軍事利用はや -51‐
むを得ないと答えた人が21.3%。 もう普段から軍事利用すべきであると答 えた人は、1人もいませんでした。これが、周辺住民の意思だと思 うんですよ。 そ の 点 か ら も ぜ ひ 軍 事 利 用 と い う こ と は 絶 対 に し な い で い た だ き た い 。例 え ば こんな意見があります。農民の貴重な財産を提供させてできた空港なので、軍 隊 に は 使 わ せ た く な い 。 自衛 隊 に も米 軍 に も絶 対 に使 用 させ て は い け な い 。一 度でも使わせればそこは軍事施設になつてしまう。米軍がイラクを空爆するよ
うに、周辺も含めてターゲットになつて しまうというような意見があります。 それから7番日、暫定平行滑走路についてはこのあいだルポライターの鎌田 さん、経済評論家の佐高さん、この人たちが暫定平行滑走路の使用中止を求め て、国土交通省に要望書を出したようなのですが、このあいだはオーバーラン の事故がありました。接触事故もありました。安全について、やはり私たちは 非常に心配なんです。こういう問題について、国土交通省・公団の方はどんな
見解・対策を持つているのかということをお聞かせ願えればと思います。 それから、質問の項目にはなかつたので、お答えはいただかなくてもいいと 思 う の で す が 、先 ほ ど の 河 内 町 長 さ ん の 質 問 の 中 で 環 境 基 準 の 問 題 が あ り ま し
た。私も前回の質問、前々回も同じような質問をしたのではないかと思 うので すが、今の公団の部長さんのお答えですと、要するに70Wの 地域については 静穏な環境が保たれるんだから、それでいいじやないか。だから、騒防法によ
る対策は75Wに なつているんだという意味のお答えだったという気がする んです。 とい うの は、 このお答 えは前 に も公 団の方か ら伺いま した。
だけれ ども、環境基準の精神 はそ うではない と思います。やは り、あくまで も屋外で70Wま での音にしなさいよというのが、環境基準の建前だと思うん です。公団の方がおつしゃいました。普通の家だって遮音効果があるんだ。だ から、70W以 上 75Wの 間の家で、家の中に入れば、ちゃんと環境基準並み の音になるんだということをおつしゃつたことがあります。
だ け れ ど も 、我 々 は 家 の 中 だ け で 生 活 す る わ け で は あ り ま せ ん 。 ま し て や 、 夏でも家を閉め切つて生活するわけではありません。だとすれば、もしそ うお つしやるんだったなら、先ほど横芝町からもあつたような気がするのですが、 その環境基準の 70Wに せめて、そこの地域にある民家すべてに空調機器の設 置 、電 気 代 の 補 助 と い う こ と を や つ て も い い で は な い か と い う 理 屈 に な る の で
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はないかという気がするんです。それは質問事項にはありませんので、お答え はいただかなくても結構ですが。以上です。
【永井委員長】 どうもありがとうございました。大きく分けて7項目につい て、ご質問0ご要望があったかと思いますが、それぞれ関係機関、ご自分のと ころの関係の項目おわかりだと思いますので、順次ご答弁いただきたいと思い ますが、最初に、民営化で騒音対策の拡充は保証されるのかという点につきま
して、国土交通省のほうからご答弁いただいて、あとその問題を含めて4項目
目まで空港公団、5項 目日は区域の線引き問題でございますので、国土交通省 並びに千葉県のほうからお答えていただいて、6項目、7項目は国土交通省の ほうからということでお願いしたいと思います。では、まず国土交通省のほう から。
【国土交通省】 第1点目の民営化で、騒音対策の拡充についてでございます が、確かに覚書の内容は本文でシンポ0円卓・大綱等、これまでの約束事項は 引き続きすることを約束しております。ただ昨年の12月に千葉県並びに成田 空港圏自治体連絡協議会を構成する市町村の皆様から出されました要望事項 については、これは今年に入つて法案を早期に提出するということで、何回か 事務的にもご協議させていただいたのですが、協議をし尽くす時間がございま
せんでしたので、そういうことでとりあえずこの覚書の段階では、今の段階で 結論を出せない事項については、引き続き誠実に協議いたしますということで、 覚書の中で今後とも関係者と連携して、完全民営化までに結論を得るべく真摯 に協議し、努力することを確認いたしますということで、従来から実施してお
ります対策の更なる充実等に関する項目いくつかについては、今後の協議事項 としてお約束させていただいてお ります。
【空港公団】 空港公団からお答えいたします。民営化の問題ですが、先ほど 来申し上げましたように、私ども成田空港は内陸空港でありますので、地域の 皆様方のご理解を得て事業が成り立つということを強く考えております。した がいまして、民営化後も地域の企業として、地域と空港との共生の理念を実現
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するために、環境対策・共生策を適切かつ確実に実施するよう取 り組んでまい
る所存でございます。 次に、航空機の騒音を打ち消す装置の問題と、テレビの音声聞き取り装置の
問 題 で ご ざ い ま す が 、私 ど も そ う い う 情 報 を 持 ち 合 わ せ て い な か つ た も の で す から、専門の方に見解をお聞きいたしま した。減音装置につきましては、専門 家の見解ですが航空機騒音は音源が遠く、また、航空機の移動に合わせて変化 していきますので、移動する音源に対しある一定の固定的な地点で、ある装置 に よ る 騒 音 の 解 消 とい う こ と は 難 しい の で は な い か と い う こ と で ご ざ い ま し
た。 ま た 、騒 音 に 対 し て テ レ ビ の 音 量 を 自 動 調 節 で き る よ う な 装 置 の 開 発 と い う
意味かと思いますが、航空機の騒音を判別 してご要望のような装置による騒音 の解消を図ることは難 しいと。周辺の騒音を低減 させるとい う、ノイズキヤン セ リング・ヘッドホンというものがあるらしいのですが、そういうものが一部 の電気器具メーカーから販売されていますが、その消音周波数特性から航空機 騒 音 に 対 して は 、ち ょつ と不 向 き で は な い か とい うご意 見 で ご ざい ま した 。い ずれにしても、このような有効かつ有用な情報がおありでしたら、教えていた だきたいと思います。
そ れ か ら 、成 田 市 並 み の 対 策 と い う こ と で ご ざ い ま す が 、騒 音 対 策 事 業 は 全 国 レ ベ ル を 考 え て 、制 度 の 均 衡 あ る い は 公 平 を 期 し て 騒 防 法 を 適 用 し て お り ま す。成田空港におきましては、成田市をはじめ空港周辺の一部の自治体におき ま し て 、騒 音 地 区 の 住 民 の 皆 様 方 の た め に 、独 自 の 諸 施 策 を 講 じ ら れ て い る と 聞 い て お りま す 。 これ ら の 施 策 に つ い て は 、関 係 自治 体 の 実 状 や お 考 え に よ り、 住 民 の 方 々 の 生 活 環 境 に 配 慮 し 、施 策 を 講 じ ら れ て い る も の と 考 え て お り ま し て、私どもとしてもその努力に敬意を表するものでございます。また、環境対 策・共生策について私ども空港公団としては、対応可能なものは関係の自治体
と 引 き 続 き ご 相 談 させ て い た だ き た い と 考 え て お り ま す 。
【国土交通省】 対策区域の見直しの件について、国土交通省のほうからお答 えいたします。先ほど、成田地区部会からも同様の趣旨のご意見がございまし て、線引きにつきましては今後とも騒音の実態を十分監視した上で、見直しの
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必要があれば対応したいということでございます。ご案内のとおり、騒音の対 策につきましては、やはり影響の度合いの程度に応じた対策を講じるというこ とでございますので、この点につきましては従来どおりの対策を講じてまいり たい。いずれにしましても、空港周辺の住民の方々にご意見を伺いながら、十 分にご相談しながら進めてまいりたいと思つておりますので、どうかよろしく
お願い申し上げます。
【千葉県】 千葉県のほうからは、騒特法にかかる部分についてお答え申し上 げます。先ほどもお答え申し上げたところでございますが、騒特法につきまし ては基本的に法律の趣旨が土地利用の誘導と規制という法制度によりまして、
騒音障害の未然防止を図ろうというのが法律の趣旨でございます。そういった 趣旨を踏まえますと、防止特別地区の線引きにつきましては、80Wコ ンター を基本としつつ、集落を分断しないということも踏まえて、国・空港公団0県・ 関係の市町が協議 して、防止特別地区の線引きにかかる基準を定め、この基準 に基づいて市町が線引き案を整理したと。その案に基づき、県として都市計画
決定を行つたということでございますので、ご理解賜りたいと思います。
【国土交通省】 空港公団の周辺対策でございますが、どうしても国が実施す る施策となりますと、ほかの空港との関係で全国一律の対策になりますので、 どうしてもおのずから一定の限界があるということでございまして、そのへん は地方公共団体さん、公団と連携をとりながら対応してまいりたいと考えてお ります。
それから、成田空港の軍事利用は私ども過去の経緯ですとか、国会の答弁と いう重みを踏まえまして、慎重に検討し対応すべきものであると考えておりま す。
【国土交通省】 接触とオーバーランについて、新東京空港事務所のほうから ご説明させていただきます。まず、接触のほうでございますが、この接触につ きましては、人的損害は全くございませんで、航空機が一部損傷しております
が損傷の程度が軽微 とい うことで、航空法上の航空事故 とはなってお りません -55...
が、その概要と再発防止策についてご説明させていただきます。 平成14年12月1日 11時30分ごろ、場所は暫定平行滑走路の誘導路上 で起こつております。暫定平行滑走路の南側の誘導路上で、出発のために待機 しておりました日本エアシステムの253便 、A300-600型 の後方を、
着陸いたしましたルフトハンザ航空の714便 A340-300型 が通過し てお ります。後方 を通過 した際に、両機 の尾翼同士が接触いた してお ります。 両機の接触でございますが、恐らくはいずれかの航空機が正規の位置からず
れ た た め に 発 生 し た も の で は な い か と 考 え ら れ て お り ま す が 、新 東 京 空 港 事 務 所 と い た し ま し て は 、安 全 に 万 全 を 期 す る た め 、 出 発 機 が 当 該 位 置 で 待 機 中 の 場合には、その後方に航空機を通過させないよう、発生の翌日から措置を行つ てお ります。この措置によりまして、同種事故の発生は防止できるものと考え
てお ります。 次に、オーバーランについてでございますが、これにつきましても航空機に
は 大 き な 損 傷 が な い 、人 的 な 被 害 は 全 く な い と い う こ と で 、航 空 法 上 の 航 空 事 故ではなくて、重大インシデン トとい うよ うな整理がなされてお ります。発生 し た 日時 で ご ざ い ま す が 、平 成 15年 1月 27日 21時 49分 ご ろ 、暫 定 平 行
滑走路の南の端のオーバーラン過走帯の付近でございます。 運航者はエアジャパンで、ボーイング767-300型 でございまして、こ れはソウルからの到着機でございます。当該機は着陸に際しまして、正規の滑
走路からオーバーランいたしまして前脚 と右側の主脚が舗装路部分から逸脱 して、はみ出した形で停止 してお ります。航空事故調査委員会のほうで、現在 事故調査中でございまして、事故調査委員会によつて原因が究明されることに な つ て お り ま す が 、現 時 点 で 把 握 し て お り ま す 情 報 で は 、滑 走 路 等 に な ん ら か の 問 題 が あ つ た と い う こ と は 承 知 し て お り ま せ ん 。 た だ 、い ず れ に い た し ま し ても、安全の確保 というのは国土交通省の最大の使命でございますので、安全
に 万 全 を 期 して 今 後 と も 空 港 の 運 営 を 行 つ て い き た い と考 え て お りま す 。
【永井委員長】 ありがとうございました。時間も5時を回つておりますので、 項 目を絞つてご質問があればお願いいた します。
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【成田空港から郷土とくらしを守る会 (岩田事務局長)】 今のオーバーラン 事 故 な の で す が 、滑 走 路 に 問 題 は な か っ た と い う こ と な の で す が 、滑 走 路 の 長 さそのものに問題がなかったのかなという気がするのと、それから今、ここで まだ調査委員会が調査中のことで、はっきりとしたことは言えないは思 うので すが、我々が調査した段階では、気象条件に問題があったのではないかと言わ
れているんですね。あの場合、例えばこんなことを言つていいのかどうかよく わからないのですが、どうして時間的に見てもA滑走路のほうに着陸させなか つたのかなという気はするんですね。そうすれば、全く問題なかったんだろう
という気はするのですが、そこらへんはどうでしょうか。
【国土交通省】 まず、滑走路の長さでございますが、滑走路の運用について は国際的に統一 した基準で運用 されてお りま して、1,800mの 滑走路は 1,
800m、 2,000mの
滑走路は2,000m、 あるいは3,000mの 走路は3,000mと いうように、世界各国いろいろな長さの滑走路があるわ けでございますが、航空会社は、与えられた滑走路に対 して、その滑走路の中 で安全に着陸できる航空機の型式と重量を制限するとい うような運用を行つ
ているわけでございます。したがいまして、2,180mに
着陸するためには、 当 然 そ れ の 基 準 に 合 致 し た 国 際 的 に 統 一 さ れ た 基 準 で 、航 空 会 社 が そ の 範 囲 で
運用す るとい うことになってお ります。 そ れ か ら 、気 象 条 件 等 で ご ざ い ま す が 、確 か に 気 象 条 件 は 非 常 に 晴 天 と か 静
穏 に 恵 ま れ た と い う こ と で は ご ざ い ま せ ん で 、気 象 条 件 が 影 響 し た か ど う か に ついても、これは事故調査の中で重点事項でございますので、事故調査の中で 明らかにされていくことかと思います。事故調査委員会が調査 しているので、 あ ま り 詳 し い こ と を こ こ で 申 し 上 げ る の は 適 切 か ど う か わ か り ま せ ん が 、一 点 だけ申し上げておきます と、新東京空港事務所ではパイロットからB滑走路に 航 空 機 が 着 陸 す る 予 定 に な っ て も 、パ イ ロ ッ ト が 不 安 を 感 じ た り あ る い は 条 件 が悪い とい うことで、パイ ロッ トとしてはA滑走路にお りたい とい うリクエス
トがあれば、それは躊躇なく認めるということにしてお ります。
【永井委員長】 よろしゅうございますか。ありがとうございました。 ...57‐
滑
時 間 が 5時 を 回 つ て お り ま す が 、 こ の 際 、何 か ご 発 言 ご ざ い ま せ ん で し ょ う
か。よろしゅうございますか。 今回、冒頭申し上げましたように、30回 目の騒音対策委員会であつたわけ
でございますが、今回も長時間にわたりまして、皆様方からの大変貴重なご意 見・ご要望をお伺いいたしまして誠にありがとうございました。これで、本 日 の議題のすべてを終了させていただきますが、この場でいただきました貴重な ご意見を今後の私 どもの環境対策・共生策に反映させていただいて、地域の皆 様方からのご要望にできるだけお応えできますように、なお一層の努力をして ま い る 所 存 で ご ざ い ま す の で 、今 後 と も 引 き 続 き ご 支 援 0ご 協 力 を 賜 りま す よ う、よろしくお願いを申し上げます。本 日は長時間、どうもありがとうござい
ました。
【司 会】 それでは、これをもちまして第30回新東京国際空港騒音対策委
員会を閉会とさせていただきます。本日はお忙しい中、誠にありがとうござい
ました。 なお、引き続きまして懇親会を開催いたしますが、会場は隣の部屋となつて
おります。係の者がご案内いたしますので、ご移動のほうをお願いいたします。 また、委員に随行されて来られた方々も、是非ご一緒に参加くださいますよう お願いいたします。
それでは、よろしくお願いいたします。
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本議:事録は相違ないことを証する。
平 成115年 5月 23日
第3 0 回新東京国際空港騒音対策委一員会委員 下総町長 可?
第3 0 回新一東一示国際空港・騒音対策一委員会委員 山武町長 並木