第35回成田国際空港騒音対策委員会 議事録
平成 20年 3月 24日 成田国際空港株式会社
<議事次第> 開会 委員長挨拶 委員紹介 議題報告 質疑応答 閉会
・成田空港の現状及び環境対策実施状況について
第35回成田国際空港騒音対策委員会
役職等氏名備考
<成田地区部会> 成田市長 成田市議会議長 成田市議会空港対策特別委員会委員長 成田空港騒音対策地域連絡協議会会長 成 田空港騒音対策 地域連絡協議会事務局長
<芝山地区部会> 芝山町長 芝山町議会議長 芝山町住民代表 (有識者) 芝山町住民代表 (谷間地区代表)
<山武・横芝光地区部会> 山武市長
横芝光町長
<多古地区部会> 多古町長
<富里地区部会> 富里市長
<香取・神崎地区部会> 香取市長 神崎町長
<河内・稲敷地区部会> 河内町長 稲敷市長
小泉 一成 石渡 孝春 岩澤 衛 平山 正吉 郡司 福男
相川 勝重 平山 弘 稲垣 弘 鈴木 征夫
椎名 千収 佐藤 晴彦
菅澤 英毅
相川 堅治
宇井 成一 石橋 輝一
野高
高城 貴雄 功
役職等氏名備考
<千葉県> 総合企画部長
<茨城県> 生活環境部長
く航空会社代表> 株式会社日本航空インタ???ョナル成田空港支店長
成田国際空港AOC議長
く学識経験のある者 > 千葉大学名誉教授 成 田 空 港 か ら郷 土 と く ら し を 守 る 会 事 務 局 長
く国土交通省 > 航空局成田国際空港課長 東京航空局次長
東京航空局成田国?際空港長
<成 田国際空港株式会社> 副社長
常務執行役員 地域共生部長
飯田 耕?
代理出席 総合企画部 次長
馬 場
清康
代理出席 生活環境部 環境対策課長補佐 安達 賢一
福田 全良
中西 一 夫
鈴本 伸 岩田 公宏
郵
代理出席 成田空港支店 総務部担当部長 J圏寸
代理出席 成田国際空港A? 徹 事務局長 1ヒ 村
劇 期保安部長 木村 茂夫
羽尾 戸田 代理出席 東京1航空,局
唯野
樹顔 麟斉 糊瓢
門井 拓充
徹
【司会】 只今から第35回成田国際空港騒音対策委員会を開催させて頂きます。本日の 司会進行を務めさせていただきます、私は成田国際空港株式会社地域共生部の伊藤と申し ます。宜しくお願い致 します。
そ れ で は 議 事 次 第 に 従 い ま し て 、 本 委 員 会 の 委 員 長 で あ りま す 、 成 田 国 際 空 港 株 式 会 社 副社長小堀 よ りご挨拶 させて頂 きます。
委員長挨拶
【小堀委員長】NAAの 小堀でございます。本日は第35回になります騒音対策委員会 にご出席を賜りまして誠にありがとうございます。会議に先立ちまして、一言ご挨拶を申
し上げたいと思います。 私自身、この騒音対策委員会に10年前になりますか、地域共生を担当していたもので
すから、出席致しまして皆様のご質問にお答えした事を思い出しているところであります。 当時とは皆様のご意見も少 しずつ変わつてきておりますけれども、共生というコンセプ トをベースに今後とも皆様の貴重な御意見に耳を傾けながら航空機騒音を含めた共生策、 環境対策にしつかりと取り組んでいきたいと、取り組まなければならないと、思つている
ところであ ります。 成田空港はおかげさまを持ちまして、今年の5月 20日に開港30周年を迎える事とな
りました。日本の表玄関として、国際基幹空港として、こうして実績を積み上げてこれま したのも一重にここにご臨席の皆様と、地域の皆様のご協力の賜と心から感謝を申し上げ る次第でございます。この場をお借り致しまして、御礼を申し上げます。
さて、昨年から最近までの成田空港を取り巻く状況はまさにめまぐるしいものでありま した。昨今、世界的規模による人、物、金の移動を中心 としたグローバル化は非常に活発 になつてお ります。更に航空需要も一層延びてお ります し、その中で東アジア諸国は大規 模空港の整備を進めております。国内におきましても、国によりますアジアゲー トウェイ 構想、そして航空自由化論議、成田0羽田問題等々、様々な話題が湧き起こりました。そ の一つひとつを取り上げてお話しする時間がありませんけれども、航空業界全体そして成
田空港におきまして、まさにこの1年は激動の年であつたと言つても過言ではないと思い
ます。 成田空港の運用について若千お話し申し上げます。発着回数や航空旅客数の詳しい数字
につきましては後ほど担当の方から図面を使いましてお話させて頂きますが、歴年でみま
すと、発着回数、それから旅客数は過去最高を記録いたしました。しかしちょつと心配な 事がございまして、ビジットジャパンキャンペーンの影響で成田空港のお客様は大変増え ております。一方で日本人の日本から海外に出ていく方々は特に若年層を中心にして減少 しております。非常に困つたなあと思つているところでありますけれども、今後とも注意 深く注視していきたいと思つてますが、原因はなんだろうかと考えますと、一つはご存知 のように原油価格の高騰によります航空機燃料サーチャージの上昇、あるいは、これはあ
る人が言つていたのですが、パソコンを使つてバーチャルの世界でいろんな国に入れると、 そういう事でもう海外に行ってしまつたんだと、そのようなことを考える人もいるそうで す。そういう色んな原因があろうと思いますけれども、未だ分析しきれておりません。今 後ともしつかり注視していきたいと考えているところであります。
次に北伸による平行滑走路の整備についてお話 しさせて頂きます。北伸整備は弊社が取 り組むべき最大の課題 として、一丸となつて取 り組んでいるところであります。一昨年の 9月 15日に着工し、現在は国道51号線の付替工事、そして東側誘導路の工事に取りか
かっております。工事は順調に進んでおります。私共と致しましては地域の皆様とお約束 した事をきちんと守るために、更に東アジア諸国の大規模空港あるいは羽田空港の国際化 に対抗できるだけの国際競争力を早く身につける為にも、2009年 の秋には工事を完成 させ、2010年 3月の供用開始に向けて必死で頑張つているところであります。北伸整 備後の発着回数は20万回から22万回に増加する事になりますけれども、北伸整備に伴
う環境対策・共生策につきましては決して工事の後追いにならないよう引き続きしっかり と整備していきたいと考えております。
成田空港の今後について少しお話しさせて頂きます。民営化して5年目になりますが、 今年は成田空港にとりまして将来を左右する本当に大切な、重要な年になると思っており ます。この1月 30日に空港周辺9市町が中心となつて頂きまして、今後の空港整備を踏 まえつつ国際拠点空港としての機能を活かした都市づくりを目指す『成田国際空港都市づ
くり推進会議』が発足いたしました。こうして空港周辺の皆様が自ら立ち上がつてくださ っ た 事 は成 田 空 港 の 歴 史 上 大 変 画 期 的 な 事 と思 つ て お りま して 、 これ らの 動 き は成 田 空 港 の今後の発展に対する大きな期待をしていただいていると私共は受け止め、大変ありがた く感 じるとともに、私共といたしましても空港が地域の発展に資するべく更なる努力を重 ね て い か な け れ ば な ら な い と気 持 ち を 新 た に し て い る と こ ろ で あ りま す 。
空港法案について若千触れます。もう既に皆様ご承知の通り、今回の法案には成田空港 の 完 全 民 営 化 に 向 け て の 事 項 に 関 して は 盛 り込 ま れ て お り ま せ ん 。 従 い ま し て 、 現 在 の 成 田 空 港 株 式 会 社 法 が 引 き 続 き 存 続 す る と い う事 を ご 報 告 さ せ て い た だ き ま す 。
最後になりますけれども、本日は第35回の騒音対策委員会としてご臨席の皆様の意見 を伺える大変貴重な場、機会でございます。皆様から頂戴いたしましたご意見を今後の共 生策の更なる推進に向けて役立てたいと思つております。時間の許す限り皆様方にいろい ろ議論をしていただきまして、より良い結果を導き出したいと思つておりますので、よろ しくお願い致します。私共は今後も確実に共生策・環境策に努めるとともに、空港と地域 が一体となつて将来にわたり共に栄え、支え合うような関係を築いてまいりたいと思いま
す。地域のパー トナーとして、皆様の変わらぬご支援をお願い致しまして、ご挨拶とさせ ていただきます。ありがとうございました。
【司会】 どうもありがとうございました。それでは報道関係の皆様はご退出の方をお願 い致 します。
委員紹介
【司会】 それでは続きまして、本日ご出席の委員の皆様を私からご紹介させていただき ます。
【?別紙名簿に従い、出席 している委員を紹介】
議事録確認者の指名
【司会】 それでは議事に従つていきますが、まず議事録確認者の指名させて頂きます。 指 名 は 委 員 長 の 方 か らお 願 い 致 し ま す 。
【小堀委員長】 はい。只今から議題報告等に入らせて頂きますが、議事要旨を記録いた しますので、後 日、委員の代表の方お二人に内容等についてご確認頂きたいと思います。 議事録確認者のご指名につきましては、私委員長に一任させて頂きたいと思いますが、よ
ろ しい で し ょ うか 。
【異議無し】
【小堀委員長】 ありがとうございます。それでは私の方から指名させて頂きます。神崎 町の石橋委員並びに多古町の菅澤委員のお2人にお願いしたいと思います。よろしくお願 いいた します。
議題報告
【司会】 それでは本日の議題に入らせていただきます。お手元にお配りしてあります資 料を基に進めさせて頂きます。なお議題報告 「成田空港の現状及び環境対策実施状況につ い て 」 に つ き ま し て は 、 弊 社 地 域 共 生 部 担 当 部 長 の 行 方 よ り報 告 させ て 頂 き ま す 。 ま た 議 題報告終了後、10分程度の休憩を設けます。その後引き続いて質疑応答に入らせていた だきますのでよろしくお願い致します。それではよろしくお願い致します。
【議題 成田空港の現状及び環境対策実施状況について】
【行方担当部長】 成田国際空港株式会社地域共生部の行方でございます。只今から議題 報告「成田国際空港の現状及び環境対策の実施状況について」をご報告致します。前方の スクリーンが見にくい時には席上にA4の資料を配布 してお りますので、そちらをご覧い ただきたい と思います。
まず目次でございますが、今日のご報告は2つでございます。1つは成田国際空港の運 用等について、これは2007年までの成田空港の運用実績、それから2008年の3月 期の決算見込み、それから平行滑走路の北伸の整備状況、この3点でございます。それか
ら2番目は環境対策の実施状況、今年度どれだけの環境対策を実施したかということにつ いてご報告 させていただきます。
まず成田国際空港の運用等についてでございますが、これは成田国際空港の主要施設の 図面でございます。成田国際空港は1978年5月 20日にオープンいたしました。30 年間大きな事故も無くここまで来られたのは一重に地域の皆様のご支援とご理解の賜とし て感謝しております。そして先程副社長の小堀から挨拶がありましたように、開港30周 年を今年5月 20日に迎えることとなりました。
現在成田国際空港は4000メートル滑走路と2180メートルの暫定平行滑走路の2 本で供用しております。それから第1旅客ターミナルビルと第2旅客ターミナルビル、2
つの大きなターミナルビルで空港を運営しており、現在の供用面積は940ヘクタールと なつております。そして図面の一番左側の方に赤い線で滑走路が書いてありますけども、 暫定平行滑走路を320メー トル北側に延長する北伸の整備を現在進めているところでご ざいます。それから北伸工事のもう一つの大きなポイン トは、図の真ん中上部の方でござ いますが、現在新たな誘導路を整備しております。この誘導路をもう一本造るというのが この北伸整備の2つ目のポイントという事になります。
現在未買収地、成田空港内の未買収地は3.4ヘクタールで、主に平行滑走路の南側、こ の図面で言いますと右側の端の方でございますが、こちらに未買収地がございまして、滑 走路が延長できないという状況になつております。割合では空港供用面積のO.3パーセン
トという事になつております。 そして成田空港で現在働いている従業員の皆様の数は2005年 現在で47,461人
という状況になっています。 次は成田国際空港の運用状況でございます。これは開港以来の運用状況でございます。
まずお客様の数ですが、開港当初は年間914万人いらつしゃいましたが、2006年 度 は3,533万人となり、過去最高を記録しております。開港以来お客様の数は約4倍にな りました。それから発着回数でございますが、開港当初は発着回数は6万4000回 で、 現在の2006年 度の発着回数は19万1000回 という事になっております。発着回数 は約3倍に増えたということであります。そして、成田国際空港の現在の空港容量は年間
20万回であり、そのうち95パーセントは既に発着回数が埋まっている状況です。 それから貨物の取扱い量でございますが、開港当初は47万 トンという事になつており
ますが、これが2006年 度は222万 トンという事になつております。開港以来約5倍 になっております。しかし、貨物の取扱い量を見ていただきますと、発着回数やお客さま と違い、2003年 から3年間続けて少しずつ下がつてきている状況です。そしてこれま で成田国際空港の場合は貨物の取扱い量は世界のランキングで第 2位でしたが、残念なが ら2006年 に韓国の仁川空港に抜かれまして第3位となりました。若千、成田空港の貨
物量に陰りが見えてきたという状況になつております。それから参考といたしまして、2 007年の歴年の運用状況についても記載しております。
次は2008年 3月期の決算の状況でございます。これは成田国際空港株式会社の単体 ではなくてグループ 21社を合わせた連結決算でございます。まず営業収益でございます が2006年 度は1,843億円でございました。2007年 度3月の見通しでは、1,9
92億円になる見込みで対前年度比148億円の収入増ということになります。これは1 昨年、第1旅客ターミナルビルに成田ナカミセという免税モールをオープンし、それから
昨年の4月 に第2旅客ターミナルビルに成田5番街という免税モールをオープンしまして、 その収益が1年間寄与いたしました。
それから営業利益でございますが2006年 度は333億円、2007年 度の見通しは 300億円でございます。対前年度比では33億円の減益となります。これは先程お話し
ました、旅客ターミナルビルにオープンした免税店の人件費等の費用が増えた事で33億 円の減益になったということであります。経常利益も238億円から204億円というこ とで34億円の減益、それから当期純利益も117億円から82億円という事で35億円
の減益、これも先程の免税店の店舗の費用増の影響でございます。ただし経常利益は20 4億円と、営業収益の1割以上を確保しており財務体質としては比較的いい実績を保つて
いると考えております。 次は平行滑走路の工事状況でございます。平行滑走路のポイントとしては先程申し上げ
た通り、1つは滑走路が320メー トル延びて2500メ ー トルになるということであり ます。滑走路が延びるとい う事は、航空機がこれまで暫定平行滑走路から東アジア、中国 や韓国などの国までしか飛べなかつたんですけれども、これが2500メ ートルになるこ とによつて、アメリカの西海岸あたりまで飛行機が飛んで行けるようになります。それか らもう一つは、ジャンボ等の大型機がこれまでは暫定平行滑走路からは飛び立てませんで したが、これが延長したことによりまして、ジャンボ等大型機も飛べるようになつたとい
うことでございます。 それからもう1つは新設誘導路、右側の方の赤線でございますけども、これが出来ると
いう事であります。これが出来るとどういう効果があるかという事でございますが、今ま で誘導路というのは第2旅客機ターミナルビルの左側から暫定平行滑走路に入る1本しか ありませんでした。それが2本できる事によりまして、航空機の片側通行が解消され流動 が非常に良くなり、そしてその結果、滑走路の1時間当たりの処理能力が増えるという事 になります。今まで誘導路 1本の時には年間6万5000回 程度しか平行滑走路 1本の処 理能力がありませんでしたが、2本の誘導路が付く事によりまして年間10万回程度の処 理が可能になります。その結果、2010年 3月に2500メートル滑走路が出来た時に は発着回数を現在の20万回から22万回にしていただくという地域合意を頂いたという 事であります。
では写真を参照頂きながら、状況を説明させて頂きたいと思います。まず一番最初の上 の写真でございますが、これは一昨年の9月 15日 に着工式を行つた際の写真でございま す。それから3番目の写真ですが、これは国道51号線の切り替え工事の様子です。51 号線の工事は一番時間がかると思われておりました。それはどういうことかと申しますと、
暫定平行滑走路を運用しながら工事をしなければいけないという事で、工事する期間、時 間が暫定平行滑走路の運用を休止している22時から朝の6時半までの間に限られており、 その時間に突貫工事で進めて参りました。その結果、昨年の夏にはほぼ掘削行程が終わり まして、このような トンネルになるコンクリー トの構造物を入れたわけでございます。そ れからもう一つは、先程も言いましたように東側の誘導路の整備状況でございます。これ は昨年の5月頃、東側の誘導路の直近にあります東峰の森という所の本を一部伐採したと ころであります。
それからもう一つは7番目と8番目の写真ですが、平行滑走路の北側の外れの方に騒音 用地を成田市にお貸 しして最終処分場が作られておりましたが、成田市に御協力頂きまし て、そこの所を返していただきまして、そこの埋め立ても昨年の夏に終わったというとこ
ろであります。これから一番問題になる東側誘導路の工事の状況でありますが、このよう に上の方の写真にありますように、2つの誘導路から暫定平行滑走路の方に航空機が入り、 または出ていく形になります。つまり、上の方の誘導路から暫定平行滑走路に航空機が入 つていき、そして下の方の誘導路から、滑走路からターミナルのエプロンの方に航空機が
入つてくるというような流動になりまして、今まで1本の誘導路の中で対面交通、相互交 通をしておりましたが、これが解消される事によりまして処理能力が飛躍的に上がる事に なります。上の方の図面を見て頂きますと、誘導路の真ん中に緑に囲まれた所があります が、これは反対する農家の方がいらつしゃる東峰地区という所でございます。その地区が 誘導路の中に取り残されてしまう事になりますので、生活道路を今後トンネルを掘って造 つていくというような工夫もしているところでございます。
51号線のトンネルエ事につきましては、今年の1月 15日に躯体工事が完了いたしま した。それがこの写真でわかると思います。 トンネル部分は全長が428メー トルござい まして、トンネルの躯体部分が約55,000ト ンという事で約ジャンボ101機分の総重 量があります。戦艦大和が約70,000ト ンという事で、その約8割分の巨大な構造物が
51号線に埋まっているという事になります。そしてこの1つのユニットを造るのに9つ 部材が組み合わされておりますが、その9つの部材が全て静岡の方の工場で製造され、そ れを トレーラーで運んで9個積み重ねて 1つのコンクリー トのユニットにするとい う、か なり大がかりな工事をここで実施致しました。この工事の結果、一番時間を要する51号 線の トンネルの付け替え工事の先が見えたとい う事で、 2010年 の3月 には地域の皆様
とのお約束通 りきちんと供用できるのではないかと考えてお ります。 次は環境対策の実施状況ございます。まず成田空港は航空機の騒音の実態を把握する為、
航空周辺では103局の測定局が稼働しており、24時間体制で騒音の監視を行つており
ます。そのうちの33局が成田空港会社の設置した固定局でございます。2006年 の9 月の共生財団の発表によりますとこの103局、当時は102局ですが、騒音測定の結果 については全て騒防法の基準値の中に収まつているという報告がございます。ちなみに前 年度よりもこの103局の中で5WECPNL以 上騒音が下がつた所は21局ございます。 逆に若千0.5W以上上がった所が5局あつたということで、全体では騒音は低減傾向にあ るという事であります。
次は環境対策の実施状況という事で昨年1年間どれだけ環境対策をやったかという報告 でございます。表の見方でございますが、左から騒音対策の内容、それから18年の全体 計画、それから18年までに実施した計画、それから19年度の実施案、そして一番最後 の右側は19年度までの累計という事になります。
まず一番最初の学校等の防音工事でございますが、これは学校の校舎や講堂、それから 病院、保育所など、それらの施設は全体計画で127施設ございます。そしてそのうちの 現在 120施設まで防音工事の補助が終わつたという事であります、平成 19年度は (4)
とありますが、4つの施設に対して増改築を行い、補助を行つたという事が言えます。そ の4施設は横芝中学校の校舎 。講堂等の助成を行つたという事であります。
その下の (2)のところに、空調設備の機能回復というのがございますが、これは防音 工事の際に設置した空調機が概ね15年程度経つと非常に機能が低下してくるということ で、それについての更新を行うというのが機能回復工事でございます。平成19年度まで に76施設が機能回復工事を行つております。これらの学校等防音工事にかかつた費用は 現在までで214億円となつております。
次に2番目の共同利用施設でございます。これは集会の為の施設や公民館などの施設の 為の防音工事の助成でございます。平成 18年度までには約 137施設に対 して助成を行 つております。そして平成19年度には1施設の助成を行いました。これは山武市の原横 地の共同利用施設ということでございます。共同利用施設についても学校等防音工事と同
じように空調機の機能回復工事を行つております。機能回復工事を19年度までに90の 施設について行つたということであります。これらの共同利用施設の助成費用につきまし ても、現在まで31億円かけております。
続きまして、3番目の住宅防音工事でございます。住宅防音工事には区分が3つござい ます。1つは騒防法の一種区域、これは騒防法の告示の際に一種区域に既にお住まいだつ た方に対する防音工事、民家に対する防音工事の助成でございます。全体計画が5,460 戸に対して 18年度までに4,304戸 防音工事の助成を実施しております。それから平成
19年度においては74戸に防音工事の助成を行つたということであります。19年度ま
での累計では4,378戸 に助成を行いました。 それから2つ目の再助成は平成7年4月 より実施しております。防音工事を既に行つた
お宅の増改築に合わせまして、再度防音工事を行う助成制度でありまして、平成18年度 までに57戸、19年度には更に2戸追加して再助成を行つております。
3つ目の告示後住宅というのは、これまで第1種区域につきましてはまず85Wの告示 がありまして、次は80Wの告示、それから75Wと3回の告示の変更をしております。 その結果、告示後住宅という所に防音工事を実施することができるようになりました。昭 和51年の1月から昭和54年の7月 9日までに80W以上の区域において建築された住 宅、それから昭和54年7月 11日から昭和57年3月 29日までに75W以上の区域に 建設された住宅におきましては防音工事の助成を行っているということであります。全体 計画では366戸のうち平成19年までには58戸に対して防音工事の助成を実施したと いう事であります。
それから同じく、民家防音工事につきましても空調設備の機能回復を行つております。 共同施設、学校等と違いまして、こちらの方は家庭用のクーラーでございますので、設置 後10年ぐらい経ちますと空調設備の機能が衰えてくるという事で、10年経てば更新す
るという事であります。平成 18年度までで6,006台 、今までこのような空調設備の機 能回復を行いまして、平成19年度には118台に対して更新を行つております。全体計 画では10,746台 、そしてそのうち6,124台まで機能回復の工事が終わったという
ことであります。 それからその下に (3)と して空調設備の機能回復再更新というのがございますが、空
調設備が設置後10年を経過し機能回復工事を受け、更にもう10年経った場合の再更新 がこれにあたります。これまで18年度までに1,246台、この為の機能回復を行つてお
ります。それで平成 19年度には219台、現在 1,465台の機能回復工事を行つており ます。これら住宅防音工事、民家防音工事の費用は平成19年度までに234億円になつ ております。
続きまして4番目でございますけども、移転補償でございます。この補償は騒防法の第 二種区域及び騒特法の防止特別地区80W以上の区域にお住まいの方々に対して実施して いる対策でございます。これまでは平成18年度までに870個戸の移転補償を実施して おります。そして19年度には5戸の移転補償を行っております。これまでの対象戸数は
963戸でしたが、平成19年12月 28日、昨年の暮れに都市計画の決定に一部変更が ございまして、更に89戸、騒特法の防止特別地区に入りましたので、その件数が追加さ
れ来年度からは対象個数は1,052戸になります。 9
それから移転に伴う土地の買収については、これまで735ヘクタール行つてきたとい うことであります。移転補償の費用は累計で1,633億円となつており、騒音対策費の約
半分が移転補償の費用となつております。 5番目は緩衝緑地の整備でございます。これは平成 7年の3月 に策定した成田国際空港
周辺緑化計画に基づきまして、防音堤、防音林の整備 と空港周辺の緑化整備を行っている ということであります。防音林、防音堤の整備につきましては全体計画は81.6ヘクター ルでございますが、現在そのうち59.4ヘクタールまで整備が進んだということでありま す。平成19年度に1億円、緑化整備にかけておりますが、これは空港の南側に整備して
いるエコ・アグリパークの整備費用でございます。 それから6番目の電波対策でございますけれども、これにつきましては、全体計画で個
別受信対策が54,705件 、共同受信の対策が28,395件 ありますが、これは一昨年 をもちまして、全て対策は終了したということになつております。
騒音測定等でございますけども、これはNAAが設置した33局の騒音の固定局の運営 費用やそれ以外の対策の費用でございますが、これも年間10億円程度かかりまして、平 成19年度末には、累計で118億円かけるということになつております。
最後に周辺対策交付金でございますけれども、周辺対策金は最近は毎年40億円程度、 皆様に交付させていただいております。これも平成19年度までの累計で855億円の交 付を行つたということであります。対象市町村は空港周辺の10市町と千葉県及び茨城県 でございます。個別のご説明は以上でございます。
そして、全体の環境対策といたしましては、平成19年度までには、累計で3,358億 円となっております。環境対策費の傾向でございますけども、2、 3年前までは毎年度行
う環境対策の60パーセントが防音工事や移転補償でございましたが、最近は逆転いたし まして、交付金等で交付というのが環境対策の約60パーセントを占めているというよう に変わつてきております。これは騒音対策がかなり進んできたということと、地域づくり というのがやはり大きなテーマになってきている結果であると考えています。これから地 域共生部は「地域との共生」から「地域との共栄」というところで、皆さまの地域づくり をお手伝いするところに重点をおいて仕事をしていく所存でございます。地域を良くする ことは空港を良くすることと、このように信じておりまして、これからも地域の皆様と一 緒に歩んでいきながら良い地域・良い空港を創っていきたいと考えております。私の報告 は以上でございます。どうもありがとうございました。
10
【司会】 どうもありがとうございました、以上を持ちまして議題報告を終了させていた だ き ま す 。 そ れ で は 質 疑 応 答 に 入 らせ て い た だ く前 に 少 し休 憩 を 取 りた い と思 い ま す 。 次 の再開は15時から質疑応答に入らせていただきたいと思いますので、15時までにはお 席の方にお戻 り下 さい。それでは休憩に入 らさせていただきます。
質疑応答
【司会】 それでは質疑応答に入らさせていただきます。概ね17時頃を目処に終了させ て い た だ く予 定 で ご ざい ま す の で 、 予 め ご 了 承 い た だ き た い と思 い ま す 。 質 疑 応 答 の 中 頃 にも10分程度の休憩をお取りしたいと思つております。質疑応答が終了した後には別室 で懇親会 も開催す る予定で ございます ので、是非 ご出席 の方 をよろ しくお願 い したい と思 います。それでは質疑応答 に入 ります。委員長 よろしくお願い致 します。
【小堀委員長】 はい、それでは只今から質疑応答に入らせていただきます。質疑につき ま して は 議 事 の 都 合 上 、 ま た 時 間 も 限 られ て い ま す こ と か ら 、 各 部 会 毎 に 順 次 報 告 い た だ け れ ば 幸 い と存 じ ま す 。 な お 質 疑 に 対 す る 答 弁 に つ き ま し て は 、 関 係 者 、 関 係 委 員 か ら 致
しますのでよろしくお願い致 します。まず、それでは成田地区部会の小泉委員からお願い 致 します。
【成田地区部会 (小泉委員)】 はい、成田地区部会の小泉でございます。本日は成田地区 部会から、市議会の石渡議長、岩澤空港対策特別委員会委員長、成田空港騒音対策地域連 絡協議会の平山会長、郡司事務局長の5名 で出席させて頂いております。地区部会を2月
14日 に開催致しまして意見を取りまとめましたので発言させて頂きます。 第1点目は航空機騒音の評価方法の見直しについてであります。昨年の12月 17日に 環境省は航空機騒音にかかる環境基準について一部改正 し告示 しました。今までの航空機
騒音にかかる評価指標は我が国が独自に簡略化したWECPNLを 採用しておりましたが、 改正後はL denに変更されることとなりました。これにより逆転が生じることのない評価 指標には変更されますが、基準値につきましては、WECPNLか ら13を引いたレベル
とされましたが、これでは単に数値の読み替えに過ぎず、地域住民の感覚を考慮 した適切
な値とはなつておりません。現行の基準値を定めた昭和48年には、WECPNLは 65 以下とすることが望ましいとされましたが、我が国では航空機エンジンを生産しておらず、 技術的に騒音の低減が困難であること等の事由によりまして、5大きいWECPNL70 以下に変更されたという経過があります。航空機騒音の環境基準は行政上の努力目標値で はなく、また現実の航空機騒音曝露がこれを下回つていたとしても、騒音に曝される住民 に健康影響、あるいは生活妨害が生じないことを保証するものではないことから、むしろ 基準値であると考えます。このことから基準値につきましては、地域住民の感覚をも考慮
した最も適切な値とされるよう要望いたします。環境省は航空機騒音にかかる環境基準に ついて一部を改正し、評価方法の見直しはもちろんのこと、その基準値につきましては、 騒音下住民が不利益を被ることのないよう、住民の感覚と乖離の無い適正な基準値を定め
られますよう要望いたします。 第2点日ですが、騒音区域の拡大についてであります。騒防法の第1種区域はWECP
NL75以 上の地域となつております。しかし第1種区域の外側において、年間値で75 Wには満たない区域であっても、月間値で基準値と同様の値が測定されることや、日別で は75Wをゆうに超える結果が出ていることも事実であります。この為、そこに生活する 住民の方々は絶えず騒音に悩まされているのが現状でございます。このようなことから航 空機騒音にかかる評価におきましては、年間値ではなく短期的評価に切り替え、騒音区域
を拡大していただくよう、要望いたします。 第3点日ですが、騒音軽減の為の発生源対策についてであります。スラストリバース(逆
噴射音)は単発騒音の最も激しい騒音であります。特に早朝貨物便の着陸時の騒音は非常 に大きな音として聞こえます。静かな早朝深夜を取り戻す為、航空会社の協力を得て抑制
していただきたく要望いたします。 第4点日ですが、深夜便運行制限についてであります。円卓会議の合意事項により、2
2時台の航空機の運行は1日 10便以下とする、ということとなっております。平行滑走 路については約束は守られているものの、いまだA滑走路については厳守できていない状 況です。騒音下住民の安眠への影響を重視いただき、回数を遵守されますよう、要望致し ます。
最後に第5点日と致しまして、空調機の機能回復の申請年数の短縮についてであります。 空調機の機能回復の申請年数は、現行では設置後 10年を経過したものとなつております。 機能の落ちた空調機のまま我慢し使用し続けなければならない、という声も聞こえてきて いることから、2年短縮し8年として頂きたいというものであります。過去に要望した事 項もございますが継続して要望していくことも重要なことと考えておりますので、以上5
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点を成田部会からの要望とさせて頂きます。よろしくお願い致します。以上です。
【小堀委員長】 ありがとうございました。5点のご質問をいただきました。 1番 目の航空機騒音の評価方法の見直し、それから2番 目の騒音対策区域の拡大、それ
から4番目の深夜便運行制限の3点つきましては、国交省の成田空港課長の方からよろし くお願いしたいと思います。3番目の騒音発生源対策、それから5番目の空調機機能回復 の申請年数の短縮について、これにつきましては、NAAの地域共生部長の方からお答え
いたします。それでは羽尾課長、宜しくお願いします。
【国土交通省 (羽尾課長)】 国土省の成田空港課長の羽尾です。座つてご説明致します。 まず1点目の航空機騒音の評価方法の見直しにつきましてお答えさせていただきます。市 長からお話がありましたように、環境省は昨年 12月 に環境基準の評価指標の改正を行い ました。これは平成25年4月から新しい指標が適用されるというふうになつております が、これまでのW値の方式に比べまして、L値の方式はより厳密な評価が可能になり、い わゆる逆転現象の発生も無くなるということから適正な改善が図られるものと承知してお
ります。しかし一方で、従前から地元の方々から環境省に対しまして、睡眠影響、あるい は日常生活への影響等、地域住民の感覚を考慮した評価指標にすべきだという要望が出さ れているという事も承知しております。環境省におきましては、平成21年度までに睡眠
影響などの調査を実施し、その結果を踏まえ今後の対応を検討することとする、というふ うに聞いております。国土交通省としましても、これらの地元の要望につきましてはこれ までも環境省にお伝えしてきているところでございますが、環境省における更なる騒音評 価指標等に係る検討に当たりましては、引き続き協力して参りたいと、このように考えて
おるところでございます。 その次の、2点目の騒音対策区域の拡大についてでございます。航空機騒音の測定評価
につきましては、環境省の定める航空機騒音に係る環境基準において、対象空港における 運行方法及び気象状況を勘案 して、年間を通 じての平均的な航空機騒音状況が把握できる 時期を選定するというようになっております。騒防法に基づく騒音対策区域の指定におき ます航空機騒音評価につきましても、このような考え方に基づき行うといたしております。 なお成田空港会社からは北伸の工事完成後も引き続き成田空港会社による常時測定局によ る騒音監視を行うという事と共に、第一種区域の境界付近においては、区域指定の検証を おこなう為の短期測定を夏季と冬季に実施するという旨の報告も受けているところでござ いますので併せてご報告いたします。
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4番目の深夜の深夜便運行制限についてでございます。22時台の便数の制限につきま しては、残念ながら未達成の状態が続いております。これにつきましては、従来より航空 会社に対するヒアリングあるいは指導等を通じて改善に努めているところでございます。 なお平成 19年度についてみます と、昨年の4月 から本年 1月 までの年度途中の数値では ございますが、対前年比、つまりその前の平成18年度と比べますと改善傾向にあります。 更にその運航便の離発着の状況を更に詳細に分析 してみます と、数分遅れで 22時台にず
れ込んでしまつた結果、未達成になっているということも判明しておりまして、例えば2 2時10分までに離発着をしたものを除けば9.7便ということで、日標達成まであと一歩 というふうにも見られるところでありまして、先程申したような取り組みを継続して参り
たいと考えております。なお、この22時台の運航制限につきましては、地域共生委員会 の中でもその在り方を含め議論がされているところでございまして、今後の取り組みにお いてそのような議論も参考にしていきたいと、このように考えております。
【小堀委員長】 では次、NAAからお願いします。
【成田国際空港株式会社 (新堀地域共生部長)】 空港会社新堀でございます。それでは私 も座つたまま答えさせていただきます。まずスラス トリバースでございますが、航空機が 着陸した際に滑走路上でエンジンからのジェット排気を逆方向に噴出させ、航空機を減速 させる装置を作動させることにより、リバース音が発生します。これはパイロットが航空 機を安全に着陸させる為にやむを得ず行う操作であり、滑走路の長さ、滑走路路面状況、 航空機の重量の違い等によリー律にこれを抑制することが困難である事は是非ともご理解 いただきたいと思います。滑走路の長さや、航空機が滑走路を占有する時間等の問題もあ り、一概には申し上げられませんが、ご要望の趣旨を踏まえ航空機の安全運航の許す範囲
内でより実行性の高まる方策は無いか、弓|き続き検討していきたいと考えております。 それから、空調機の機能回復の申請年数の短縮につきましてお答えさせていただきます。
空調機の機能回復工事は設置後10年を経過したもので、現に故障しているか、または機 能停止のおそれのある機器を対象としています。空調機の更新時期10年という設定はほ とんどのメーカーが経済産業省の指導及び自主判断で関係部品を概ね10年間保有してい ること、また国の老朽化調査で10年を過ぎると空調機の多くが故障し始めることが判明 したこと、これらを総合的に勘案して定めたものでございますのでご理解いただきますよ
う宜しくお願い致します。
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【委員長】 以上5点の小泉委員のご質問に対して、関係委員の方からお答え致しました。 よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。引き続いて、芝山地区部会からの
御質問を頂きたいと思います。相川委員宜しくお願い致します。
【芝山地区部会 (相り|1委員)】 芝山地区部会の相川です。よろしくお願いしたいと存じま す。本日は当部会からは議会を代表致しまして、平山議会議長、谷間地域の代表の鈴木さ ん、そして住民代表の稲垣さん、私の4名で出席をさせて頂いております。宜しくどうぞ お願いしたいと存じます。それでは座らせて頂きます。
まもなく成田空港も開港30年を迎えます。この間、安全と安心のために御尽力いただ いた方々の御努力に敬意を申し上げます。これからも地域と空港の共生を目指して頂きた いと思います。私どもの方からは2項目について質問させて頂きたいと思います。
まず第 1点 日でございますけれ ども、空港法の成立による空港完全民営化後の従前約束 事項の遵守と新たな覚書の締結についてでございます。現在国では成田国際空港の完全民 営化に向けて新空港法の整備を国土交通省が中心 となり、国民の利益そして空港の安定経 営の為にご尽力をされておりますことに、空港周辺自治体と致しまして心強く持つている
ところでございます。 その反面、空港会社が完全民営化された後の地域に対する対応への不安もございます。
民間会社ゆえに株主への配当、そして空港の整備の為に利益を追求することで、今までの 約束事項が遵守されなくなるのではないかということでございます。その為、新しい空港 法でも国は空港周辺の環境対策、地域振興策を空港会社が着実に実施する事を担保し、空 港会社にあつても航空機騒音防止対策などの生活環境の改善、地域振興策への協力などを 周辺自治体と具体的に協議しながら今まで以上に実施できるように明記する事を要望致し ます。
その一つが、空港民営化の際に結んだ空港会社民営化覚書75項目の完全実施、そして 空港建設、平行滑走路北延伸や離着陸回数 22万回など、その時々でおこなった要望や確 認事項を引き続いて遵守することでございます。もう一つが、完全民営化により発生する であろう諸問題に対して新たに覚書を結び、安心して空港と共栄する都市づくりができる ような環境を四者でつくつていく事だと思います。そうすることで、空港周辺9市町での 成田国際空港都市づくり推進会議で協議している、空港のポテンシャルを活かした均衡の
とれた国際空港周辺としてのふさわしい都市づくり、また地域と空港の共栄への取り組み が実現できると考えています。
そしてそれらを実現するために大切なのは財源の確保でございます。私は何度か発言を
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していますけども、政府保有の成田空港株の売却時に売却額の一部を空港周辺地域の地域 振興策の財源として基金とするのも一案ですし、空港会社の利益の一部を交付金以外の空 港周辺地域の社会資本整備に助成できるようにするのも一つの案だと思いますので、是非 実現することを要望したいと存じます。
次に2点日でございますけれども、航空機で持ち込まれるウイルス対策についてでござ います。最近アジアなどからの旅行客が増えまして、成田空港を利用し全国の観光地に向 かっています。年間 3500万 人が利用する空港でございますので、厳 しく検疫を実施 し たとしても、鳥インフルエンザを含む新型インフルエンザなどのウイルスを持ち込まれる 可能性は否定できません。新聞やテレビなどの報道では新型インフルエンザが日本で大流 行すると2500万 人が発病し、64万人ほどが死亡するとする予想もされております。 先進国の中でもアメリカは国を上げてインフルエンザワクチンとタミフルなどインフルエ ンザ予防薬を確保 し、国民に対しても正しい知識をケアしていると伺っているところでご
ざいます。是非、国や千葉県は住民に対するウイルスの脅威を軽減するため、正確で敏速 な情報伝達の仕組みを確立すること、そして少なくとも周辺住民と空港就労者分の予防接 種ワクチンと予防薬を確保備蓄し、サーズ等のウイルスに対する必要な数の消毒薬や散布
機材の準備しておくことを要望したいと存じます。 また空港会社には周辺市町が独自にウイルス対策などを実施 した場合の支援についても
要望したいと存じます。日本屈指の民間会社となる成田国際空港会社です。緊急時の際の 対応を周辺医療機関に任せるのでは無く、独自の高度救急病院を空港近くに設立し、緊急 時に備える事が望ましいと考えます。世界の医療機関と航空ネットワークを確立し、名医 が航空機で来日し、診療や手術をして終了後成田空港から帰国できるような魅力ある施設
として空港周辺住民や空港就労者が受診でき、安心して定住や就労に携われるようにする ことも一つの案でございます。また空港の中には365日24時間開院しているクリニッ クがあるとう伺つていますので、緊急時に地域の方々も受診できるようになれば、住民と
してはより空港が身近なものと感じられることができるはずです。 最後に質問ではなくお願いになりますが、住宅防音工事を初期に行つた住宅ですが、玄
関などは重いわりに造りが現在より悪い為に、全体的に傷んできているものが多くなつて いる現状です。また部品もなくなつてきておりまして、新しいものに取り替える工事も行
う場合も出てきておるわけですけども、期間がかなりかかつてしまうとも伺っております。 関係各位が協議し、速やかに修繕ができるようにしていただく事をお願い致します。
以上2点要望致しまして、芝山地区からの質問を終わらせていただきます。よろしくお 願い致します。
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【小堀委員長】 ありがとうございました。2点頂きました。1点は完全民営化後の約束 事項の遵守と新しい覚書締結についてという事、2点日は航空機で持ち込まれるウイルス 対策についてという事、お聞きします内容についてはそれぞれ国、千葉県、NAAと 3つ の機関がお答えすることとなろうかと思います。それではまず国の方から成田課長、よろ
しくお願いします。
【国土交通省 (羽 尾課長)】 はい、それでは 1点 目の完全民営化後の従前約束事項の遵守 と新覚書締結について関連部分をお答え致します。若干重要な点もございますので、少し
長くなるかと思いますがご容赦願いたいと思います。 成田国際空港を含みます国際拠点空港、これは我が国の経済産業あるいは国民生活にと
つて不可欠な基幹インフラでございます。しかも独占的で代替不可能な特性を有しており ます。その他にも周辺地域に与える影響あるいは地域経済に果たす役割といったものも非 常に重要でございまして、こういつたものを認識し地域との共生という視点に立ってその 運営を図つていくという事が重要でございます。こういつた事から私どもの審議会でござ います航空分科会の議論における答申、あるいはこれまでの類似の閣議決定におきまして、 これらの視点を踏まえまして、空港の適正な運用を確保する為の措置を講じた上で完全民 営化を行うとされているところでございます。この為今国会に提出された「空港法案」で ございますが、私共は1月 より関係者との調整、あるいは与党との調整なども行つており ましたが、当初の法案におきましては、成田国際空港の完全民営化に向けた措置といたし まして、成田国際空港株式会社法という現在の特殊会社法を廃止する一方で、空港運営を 担う事になります空港会社に対しまして、料金規制、あるいは外資規制、それから環境対 策共生策の実施、こういつたものの義務づけ等、先程申した適正な運営を確保する為の措 置としての内容をきちつと規定として盛り込んで準備をしようとしていたところでござい ます。
しかしながら新聞報道等でも、あるいはこれまで関係の方面にお伝えしておりますよう に、政府内あるいは与党との調整におきまして、空港会社に対する外資規制の導入につき ましては更に議論を深める必要があるという事で今回の法案部分から外して見送られると いうふうになっております。加えまして大規模災害、テロ対策などを含めまして、安全保 障を確保する方策について引き続き検討を行い、年内のできるだけ早い時期に結論を得て、 所要の法改正などを行うというふうにされているところでございます。
私ども国土交通省としましては、この空港会社の完全民営化にあたり空港会社の適正な
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資本構成の確保に関しまして、何らかの手当てを講じないまま空港会社を完全民営化した 場合には冒頭申したような空港の公共性を理解しない者による敵対的買収、あるいは特定 の者による空港経営の支配のおそれがあり、空港運営上望ましくないのではないかと思わ れますので、適切な措置を講じないままで完全民営化の手続きを進める、つまり完全民営 化部分の法案を出していくというのは適切でないという考えに立ちまして、今回は成田国 際空港の完全民営化に関わる規定部分については、1月当初予定していた法案から全て削 除いたしまして、成田国際空港株式会社法という現在の法律も廃止しないことと致しまし た。
以上のような経緯がございますものですから、成田空港の完全民営化に向けまして改め て空港の適正な運営を確保する為に必要な措置を盛 り込んだ法案をどのようにするかとい うのを、年内のできるだけ早い時期までに結論を出し、その上で国会に法案を提出すると いうことを考えております。遅くとも来年の通常国会までに提出すると考えておりますの で、こういつた状況にあるということをご理解いただきたいと思います。なお、今国会に
提出致 しました 「空港法案」におきましては、ご指摘の環境対策・共生策に関する規定も 法律上の条文としておりましたが、こういつた規定も含め、先程申した通り成田空港の民 営化に関する部分はいつたん法案から含めないという形にしておりますが、成田空港会社 法がそういう意味で廃止されず、そのまま来年の通常国会に法案が出ていくまでの間存続
されます。新たな法制上の処置が出来上がるまでの間はこの成田空港会社法に基づいてこ れまで同様、適切に環境対策・共生策が実施されていくということでございます。
次に地域振興策の財源 として、周辺対策交付金では不十分だとい うご指摘でございます が、すでに相当の額が長年に渡り交付されており、また周辺の物流施設基地からの税収な ど地域振興の財源は他の地域に比しても相当程度確保されている面もあると認識しており ます。一方で株式売却収入の使途につきましては国家財政が逼迫する中、貴重な国民の財 源の売去「収入でありますし、有効に使つていくということが必要と考えております。この
場合株式売却益の大半は空港整備特別会計に入ることになるとい うふ うに考えられますが、 その使途につきましては空港整備特別会計が空港の設置管理や騒音対策などの空港整備事 業に関する経理を明確にする為に設けられたという趣旨に鑑みれば、ご指摘のような一般 的な地域振興などの空港整備特別会計の目的外の用途に使用するというのはなかなか難し いのではないかとも考えられます。いずれにしても、具体的には今後検討調査を行なつて いくということになるものでございます。当方からのお答えは以上でございます。
【小堀委員長】 それでは千葉県の方から完全民営化後の従前約束事項の遵守と新覚書の 18
締結についてお願い致します。
【千葉県 (F]井次長)】 私の方からは先程の75項目の覚書の件について、改めて結ぶ場 合についてでございますが、この75項目の覚書は平成15年の2月に国、県、空港周辺 市町、空港会社の四者で締結させて頂きました。実はこの覚書自体は公団から国の100 パーセント出資の特殊会社になる際に締結したわけでございますけれども、その時点でも いずれ完全民営化する事が視野に入つておりましたので、将来完全民営化を行う時には必 要があれば改めて覚書を結ぶことになっております。県としては完全民営化にあたつて、 新たな課題についても協議検討の上、新覚書を締結したいと考えておりまして、引き続き 四者 で協議 して参 りたい とい うふ うに考 えてお ります。
【小堀委員長】 本件についてNAAからも一言。
【NAA(新 堀地域共生部長)】 それでは民営化に伴います約束事項の遵守につきま して、 私共のスタンスを説明致します。私どもNAAは民営化に向けての約束事項等について従 来から誠心誠意取り組み実施して参りました。完全民営化されても今までと同様に環境対 策・共生策を引き続き実施して参りたいと考えております。また新たな覚書については、 今千葉県から説明がありましたけれども、四者協議会や地域の皆様と協議しながら進めら れてい くもの と考えてお ります。
また交付金以外の助成金ということもありましたが、これにつきましては、社会資本の 整備というよりも企業の社会的責任の観点から地域社会にどういつた貢献ができるかにつ いて検討 して参 りたいと考えてお ります。
【小堀委員長】 それでは2点目の航空機に持ち込まれるウイルス対策について、それぞ れこれも国、千葉県、NAAに対してご質問がございましたので、三者からお答えさせて 頂きます。まず国、お願 い致 します。
【国土交通省 (羽尾課長)】 その点についてお答え致します。現在、国土交通省におきま し て は 、 新 型 イ ン フ ル エ ン ザ 発 生 時 に 備 え 迅 速 か つ 適 正 な 対 応 が 図 ら れ る よ う 「新 型 イ ン フルエンザ対策行動計画」とい うものの策定を進めているところであります。成田空港に おきましても、厚生労働省の成田検疫所を中心として対策訓練を実施しているところでご ざいまして、引き続き新型インフルエンザ対策として必要な措置について検討をして参り
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たいと考えております。
【小堀委員長】 続いて千葉県お願いします。
【千葉県 (F号井次長)】 千葉県の方からお答え致します、まず新型インフルエンザについ て、水際対策ということで新型インフルエンザ等が海外で発生した場合には成田空港検疫 所において発生国発の航空機の乗客について検疫を強化し、また機内で発症者が出た時に は発症者を隔離すると共に、あるいは発症者と接触し感染の可能性のある乗客についても
感染が否定されるまでの間は他の人 と接角虫しないように留めておくなど、必要な対応を講 ずると聞いております。
それから2点日として情報提供でございますが、県は今申し上げました成田空港検疫所、 成田市、成田赤十字病院等と日頃から情報交換を行うなど密接な情報共有体制を取つてお ります。万一国内で新型インフルエンザが発生した場合には県はこれらの関係機関等の情 報を千葉県ホームページなど利用可能な広報媒体を用いて、県民の皆様に正しい情報を迅 速に提供し、更には市町村を通じて身近な情報の提供に努めることとしております。3点 目として備蓄でございますけれども、治療や予防に用いるタミフルについては県で既に必 要量を確保しております。また消毒薬等についても、各健康福祉センターに備蓄し、患者 が発症した際には迅速に対応できる体制を取つています。なお予防接種ワクチンについて は、国で研究開発を進めているところだというふうに聞いております。以上でございます。
【小堀委員長】 続いてNAAから、NAAの対応についてよろしくお願いします。
【NAA(新 堀地域共生部長)】 それではウイルス対策の支援 につきま して、成 田空港で は新型インフルエンザ対策として昨年11月に成田空港検疫所により実際に航空機を使用 した「新型インフルエンザ対応総合訓練」が実施されました。NAAも総合訓練にかかる 協力、並びに参加を行ったところでございます。成田国際空港検疫所では当該]1練等を踏
まえ、各種の発生ケースを想定した「新型インフルエンザマニュアル」を策定していると ころと聞いてお り、空港会社 も同マニュアル策定へ協力 してお ります。なお、周辺市町が 独 自 に ウ イ ル ス 対 策 等 を 実 施 した 場 合 の 支 援 に つ い て で す が 、 空 港 会 社 が 行 っ て い る 現 行 の環境対策又は共生策では想定されておらず、対応が困難であることをご理解いただきた
い と思 い ま す 。
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それから独 自の高度救急病院の設立でございますが、これは円卓会議の中でもお客様や 空港勤務者など多くの方々がいる空港に入院施設を備えた国公立の総合病院の設置につい て議論があり、検討 した事がございますが、非常に困難だという結論になつております。 また成田空港にあるクリニックでございますけれども、急患等発生時の初動対応としまし て、第1旅客ターミナルビル、第2旅客ターミナルビルの両方に空港クリニックと称する 施設がございます。特に第2旅客ターミナルビルの中にある施設は365日、24時間対 応可能な診療施設になつており、地域の皆様の緊急の際の初動対応として夜間、日曜、祝 祭日も含め受診していただくことが可能でございます。ただし18時から翌朝9時までは 救急扱いになつてお ります。以上でございます。
【小堀委員長】 以上、芝山地区部会からのご質問に対して関係機関よりお答え致しまし た。よろしいでしょうか?それでは稲垣委員、よろしくお願いします。
【芝山地区部会 稲垣委員】 それでは突然で恐縮ですが、私、芝山地区部会の稲垣でご ざいます。私も議員の時に、ここに2回程参加させていただいて今日で3回日になると思 いますけれども、騒音対策委員会でございますので、1点だけNAAさんにお聞きをした
いと思います。 今ご存じのように空港情勢というのが非常にめまぐるしく動いております。成田空港に
関しても空港間の競争の中で非常に大変な時期になつているのは既にご存知のことだと思 います。それから今年は開港30周年ということでありますけれども、成田空港が今後2
0万回から22万回に増え、そしてまたその後の進展もあり得るかもしれません。そんな 状況の中で地域としても成田空港の機能をやはり伸ばしていきたいということに関しては、 ほとんどそういう気持ちが以前に比べ大きくなりつつあり、新しい転機を迎えているとい つても過言ではないと思います。そんな時でありますので、やはり成田空港の存在という
ものは地域にとつてもプラス面で大きなものがございます。 しかしその反面、マイナスの面として騒音対策というものに関して私どもは過去にも
様々な事を申し上げてきました。ですが今申し上げたように、日本の空港政策も大きな転 機に立っている折、完全民営化、それから空港間の競争の時代にも入つて来ている中でで、 やはりもう一歩踏み込んだ施策、対策を空港会社は地域に対してしていただきたいと思い ます。それはどういうことに繋がるかといえば、地域が正しく空港を理解するという事に なると思います。今確かに、こんな言い方は失礼かもしれませんけど、民間会社になった 場合に成田空港会社は地域に対して今まで以上の対策が取れるのかというふうに思つてい
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る住民の方が大半でございます。それを払拭 しなければ成田空港は伸びません。成田空港 を前進させたい、その気持ちではここに居られる方皆さん一緒だと思います。特にそうい う声を芝山から上げることにも意義があると私は思いますので、是非そういう観点から地 域と相談をして、75項目主要覚書など様々な事がありますがここを契機として、地域と 成田空港が本当に信頼できる関係をNAAさ ん、地域も含めてやつぱり積極的に取り組む べきではないでしょうか。騒音対策委員会も今年で35回目になりますが、実のあるもの を作っていかなければならないと思いますので、今がまさしくその大事な時だと思うんで す。ですから先程NAAさんの方から回答もございましたけれども、もう一歩取り組む姿 勢というのをしつかり表明して頂きたいと思うし、また表明してその具体例を地域と共に 話し合いながら作っていく時期ではないかと思いますので、これは前向きな私の意見とし
て捉えて頂ければいいと思います。 地域の為に何をしろ、これをしろという意味ではなく、空港も地域も共に栄えるという
新しい考え方で進まなければならない時期に到来していると思うので、NAAと しても、 ちょつとこれは厳しいなというところをどう努力すればできるのか、国や地域と話し合い ながら一歩でも二歩でも前に進めるという努力をお願いしたいと思います。そうでなけれ ば空港も地域も発展しないというような状況が見えて来ていますので、そういう意味で対
策についてのNAAの姿勢を改めて伺いたいと思います。
【NAA(新 堀地域共生部長)】 はい、空港の機能を伸ばしていくとい うことでご理解い た だ き ま し て 、 あ り が と う ご ざ い ま す 。 前 か ら お 話 し て い る よ う に 、 も う約 束 し た 事 は や は りき ち ん と一 歩 一 歩 、 実 現 に 向 け て進 め て い か な けれ ば な らな い と考 え て お ります 。 今 ご 指 摘 の あ り ま し た 、 も う一 歩 踏 み 込 ん だ 対 応 、 こ れ に つ き ま し て も 具 体 的 に 色 々 と お 話 を伺いながらできるものは しっか りやつていきたい と思います。現に芝山町 さんとは共栄 推進委員会の場で色々と取り交わしまして、これから様々な観点から話し合いを進めてい
くとい う予定でお りますので何卒ご理解いただきたいと思います。
【小堀委員長】 よろしいでしょうか。どうもありがとうございました。続きまして山武 横芝光地区部会の椎名委員より、よろしくお願い致 します。
【山武横芝光地区部会 椎名委員】 山武横芝光地区部会からは横芝光の佐藤町長さんと 私とで出席をさせて頂いております。山武市長の椎名の方から、3月 17日 に開催されま した地区部会の意見を踏まえまして、3点の要望を申し上げます。初めに共同受信アンテ
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ナ施設につき御検討をお願い申し上げます。NAAは 地上デジタル放送になると航空機の 影響を受けにくく、テレビ受信障害が発生しなくなるとの見解に基づき、基本的な考え方 などを共同受信施設利用者にお知らせをされているとのことでございます。 しかしながら この問題は、NAAは もとより国やNHKな どの関係機関とよくご協議をいただいて、共 同アンテナ利用者にとつて更により良い方向を見出すことが必要ではないかということで ございます。考えられる問題点として話が出ましたのは、地デジは航空機の影響を受けな いとの根拠が明確なのだろうかという点、それから仮に共同受信施設を撤去した場合の費 用がどの程度かかるのか、それが共同受信施設の地デジを受信する為の改修費用を上回る ならば撤去しないという方法も考えられるのではないか、あるいは施設を市町村に譲渡さ れるという話もございますが、その場合に維持管理等に問題が生じるのではないか、ある いは地域住民への事前説明会の開催がさらに必要ではないのか、などでありました。以上 のようにまだまだ問題が山積しておりますので、NAAはアンテナ対策を切り捨てるので はなく、地域住民の望むような積極的な取り組みをお願い致します。
次に教育施設など騒音防止対策事業に関する空調設備機能回復工事助成 (2回日)の制 度化について要望いたします。NAAにおかれましては騒防法第5条および6条の規定に より、共同利用施設を含みます学校等の騒音防止工事は騒音の軽減および施設の有効な空
気調和の確保をはかることを目的とし、空港周辺の自治体が工事を実施する場合には助成 措置を行つていただいております。
また助成金交付規定第3条の規定によりまして、この空気調和施設が15年以上経過し たものにつきましては機能回復を図る工事を実施することができると明記されており、こ れもほとんどの自治体が実施をさせていただいている事と思います。空港開港 30年を迎 えます今、完全民営化問題や国際空港としても競争など厳しい状況の中にあつて共存共栄 を唱えて積極的な施策を展開してくださつていることは空港と手を携える市町といたしま
しても大変喜ばしいことでございます。しかしながら、30年が経過いたしますと1回目 の機能回復工事から15年経っているわけでありまして、老朽化が著しい空調設備が多く なつてきている、あるいは機能低下を来している状況でございます。この状況を踏まえ、 施設利用者であります児童・生徒および騒音下に暮らしております住民の快適な生活環境 の整備にご配慮いただき、2回日以降の空調設備の更新事業の制度化につきましても国な
どと積極的にご協議をいただき早期の実現を要望申し上げます。 3点日といたしまして周辺対策交付金の使途拡充についてご要望申し上げたいと思いま
す。成田国際空港は開港以来これまでも大きな事故もなく運用してこられた事に対し、関 係各位に敬意を表します。もとより空港の地域経済へのメリット、デメリットどちらもあ
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るなかで地域といたしましても共存共栄を目指して参りましたが、まだまだ共栄というと ころにはほど遠い山武横芝光地区でございます。
NAAは空港の環境対策として国際線の着陸料について騒音レベルが低い機種ほど優遇 するなど低騒音型機の導入を積極的に促進されていると聞いております。しかしながら空 港の発展に伴い発着回数が増加すれば騒音頻度も増加することとなり、騒音直下の住民と いたしましては被害が増大するのではないかと危惧いたすところでもあります。羽田空港 の国際化や空港会社の完全民営化などがマスコミを賑わしておりますが、この時期国際空 港としての成田空港の立場を確立するには空港から得られるメリットをもつともつと大き
く育てるような施策を積極的に推進しなければならないと思います。そこで私どもはこれ から空港を活かした地域づくり策を考え、実現させたいと思いますが、それには財源の確 保が大きな問題となります。その財源の一つとして周辺対策交付金を頂いておりますが、 この交付金の使途の自由度をもう少し広げていただきたいとお願いするところであります。 許される範囲内で各自治体の独自性を発揮できるような仕組みを考慮いただきたいと存じ ます。そのことにより、地域と空港の関係が一層深まり未来志向の新たな関係を構築する ことになるのではないでしょうか。
以上の通り山武横芝光地区部会といたしましては非常にささやかでございます3点をご 要望申しあげますので、宜しくご配慮お願い申し上げます。
【小堀委員長】 3点いただきました。地上デジタル放送に関わる共同受信アンテナ施設 について、それから学校等の空調設備機能回復助成について、周辺対策交付金使途拡大に ついてでございますが、3件ともNAAに 関することでございますのでNAAの 方から回 答させていただきます。
【NAA(新 堀地域共生部長)】 それでは、まずは地デジ関係につきましてお答えさせて いただきます。まず地デジの難視聴地域の対応ということでございますけども、地上デジ タル放送は現在国が推進しております。2011年 7月 には日本全国が現行のアナログ放 送からデジタル放送に切り替わります。今年は佐原中継局および下総光中継放送局にデジ タ ル 送 信 機 が 設 置 され ま す 。 そ れ で デ ジ タ ル 電 波 の 受 信 環 境 が 整 い ま す の で 、 測 定 等 を 実 施し確認させていただきたいと思います。その結果、航空機の影響でなく地形等でテレビ が視聴できない地形難視につきましてはNAAの対応は難しいので総務省、NHKにご相 談 い た だ き た い と思 い ま す 。
それから地デジは航空機の影響を受けないとい う根拠でございますけども、地上デジタ 24
ル放送はNAAで対策した電波と同じUHF帯の電波である上に、反射に強い放送方式を 用いております。そのため航空機によるフラッター障害がなくなると言われております。 あと、共同受信施設を撤去した場合の費用でございますけども、私どもとしましては約7 億から9億円程度というふうに見ております。また、地デジを受信するための共同受信施 設の改修費用でございますけども、これにつきましては色々改修方法がございますが、一 番安価の方法、いわゆる現在ついている増幅器の空チャンネルを活用 した方式でやると概 算で14億円位ではないかとみております。それから施設を市町に譲渡した後の維持管理 費でございますけれども、受信施設に不具合が生じた場合は個別にご相談いただき、問題 の解決をお手伝いしたいと考えております。それと地元住民の方への事前説明会の開催で
ございますけれども、これは市町と調整させていただき、必要に応じて実施させていただ きたいと考えております。私どもとしましても地デジ移行がスムーズに進むよう、自治体 の皆様と連絡を取りながら取り組んで参りたいと思いますので、宜しくお願いいたします。
2番 目の、学校等施設への空調施設機能回復助成の 2回 目の制度化でございますけれ ど も、現在騒防法第5条および第6条に基づいて弊社が防音工事費用を助成した公共施設の 空気調和設備については設置後15年経過し、老朽化して機能が著しく低下した場合に機 能回復工事を助成しています。しかしながら機能回復工事実施後さらに15年経過した場 合の2回日の機能回復工事に関する助成、いわゆる再機能回復工事助成事業については制 度化されておりません。今後関係機関とも協議を重ねながら、当該事業の制度化の可能性
を考えていきたいと考えております。 続きましては交付金でございますけれども、周辺対策交付金は空港周辺市町において実
施される航空機騒音対策や各種インフラ整備といった周辺対策に対し、法令に定められた 使途の範囲内で交付しております。ご要望の地域づくり策への支援につきましては具体的
な内容をお伺いしながら相談させていただきたいと考えております。
【小堀委員長】 以上、3点お答え申し上げましたが山武横芝光地区部会さん、よろしい でしょうか?あ りがとうございました。それでは続いて多古地区部会の菅澤委員の方から 宜 しくお願 いいた します。
【多古地区部会 菅澤委員】 多古地区部会の菅澤でございます。当地区部会から4点ほ ど要望をさせていただきたいと思います。座 らせていただきます。
1点 日は空港周辺のアクセス改善に関する要望でございまして、2年後の2009年度 には平行滑走路の北伸整備が完成 し、成田空港は日本の表玄関・国際拠点空港としてさら
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なる飛躍が期待されております。また首都圏中央連絡自動車道大栄~横芝間の整備も進め られているところであり、空港機能とこれらプロジェクトのインパクトを全体に波及させ、
空港周辺地域の一体的な発展 と振興を図るために空港の環状、放射状道路の整備促進が不 可欠でございます。また空港により分断されている都市集積の進む西側地域と人口の伸び 悩みや都市基盤整備の立ち遅れている東側地域が連携 して均衡ある発展を遂げていく為に も、都市インフラである道路整備は大変重要な役割を持つております。このようなことか ら昨年も要望させていただきましたが、まだまだ空港東側の道路網整備が遅れている現状 でございます。引き続き道路整備の強力かつ迅速な推進を要望いたしたいと思つておりま す。特に県道成田松尾線の多古町側への延伸整備と、国道296号線の多車線化整備、4 車線化について重点的にお願いをいたします。さらに圏央道やこれらの道路網整備に合わ せ、東西交通の円滑化と新たな地域振興の起爆剤となりうる空港東側からの空港内入り口 進入路の整備について、関西空港でも実例がありますように、是非とも前向きにご検討く ださいますようお願い申し上げます。
2点日でございますが、山武横芝光地区部会からも提案されており重複いたしますが、 地上デジタル放送への切り替えに伴う影響調査について要望させていただきます。これも 昨年要望させていただいておりますが、すべての住民が関わる問題であり、地上デジタル 放送に完全移行される2011年 7月には各世帯が円滑に切り替わることが重要な課題で
ございます。今年中には佐原あるいは下総光の中継局からデジタル波が送られるというこ とでございますが、昨年ご回答いただいた通り、各中継局から地上デジタル放送が開始さ れた際には早急に受信調査を実施していただき、詳細に難視地域の把握を行っていただき
ますよう、お願いを申し上げます。また難視地域における共同受信施設の有効活用につい ても空港会社として最大限のご協力をいただけますよう、併せて要望をさせていただきま す。
3点日といたしましては騒音淑1定局の設置に関する要望でございまして、平行滑走路の 北伸整備に伴いまして多古町一鍬田地区の集落が新たに第1種区域に指定されております。 一鍬田地区にはすでに固定局が1局設置されておりますが、北伸後の平行滑走路の供用が 開始される前後で騒音値が比較できるよう、新設、あるいは現施設を移転するなどにより 固定局の設置を要望いたします。なお通年での比較が可能となるよう、供用開始 1年前の
2009年 3月 までには設置いただけますよう、お願いをいたします。 4点日でございますが、空港会社所有地の有効活用について要望させていただきます。 成田空港は約 1100ヘ クタール程度の面積で世界の空港の中でも小規模と言わざるを得 ません。ですから空港南部などの物流基地が空港の外側に貨物機能を補っているように、
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周辺地域で空港機能を補完することが必要であると考えます。それは地域雇用などについ ても繋がることだと考えております。こうしたことから、空港会社が所有する多古町地籍 の土地を利用して自社施設の建設、あるいは関連企業誘致を行うなどの有効活用を検討さ れますよう要望いたします。成田空港は北伸整備によつてその機能が充実することとなり ますが、日本の国際拠点空港として今後も揺るぎない発展を遂げていただく必要があり、 期待しております。空港周辺地域と空港を核とした連携を深め、空港との共存共生から共 栄に移行していくことが今後求められております。国際空港都市づくりの視点からも重要 であると考えております。
以上4点について申し上げましたが国、県、空港会社の特段のご理解とご尽力をお願い
いたしまして、多古地区部会からの要望とさせていただきます。宜しくお願い申し上げま ~。
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【小堀委員長】 ありがとうございました。1番目の空港周辺のアクセス改善については 千葉県とNAAで、東側からの空港内への進入路整備についてはNAAの方で、あと2・
3・ 4点目の地上デジタル放送、騒音測定局の設置について、空港会社所有地の有効活用 についてはNAAのほうからお答えいただきたいと思います。
【千葉県 (F号 井次長)】 それでは千葉県の方からアクセスの改善についてお答えさせてい ただきます。成田空港のアクセス道路 として重要な役割 を果たす首都圏中央連絡 自動車道 については国が開通 目標を公表 した 「自標宣言プロジェク ト」に沿つて計画的に整備が進 め られ て い ま す 。 実 際 に は こ の 区 間 が 一 番 、 圏 央 道 の 中 で は 進 捗 が 遅 れ て しま つ て い る感 はあ り、これからどんどん進 めていかなけれ ばいけない と思つてお ります。また、本道路 の大栄~横芝間については都市計画等と環境影響評価手続きが終了したということであり まして、今後は早期着工と事業促進に向けて国に積極的に協力して参りたいと考えており ます。
それから県道の成田松尾線でございますけども、現在バイパスエ事を成田財特法事業と して芝山の所をやつているところでございますが、いずれこれは既存の道路も活用 しなが ら 小 見 川 県 道 に タ ッ チ す る と い う方 向 で 整 備 を 進 め て い る と こ ろ で ご ざ い ま す 。 さ ら に 国
道296号の多車線整備、4車線整備については、首都圏中央連絡自動車道の進捗や周辺 の交通状況等を勘案 しなが ら検討 して参 りたい と考えてお ります。宜 しくお願い します。
【NAA(新堀地域共生部長)】 それでは道路関係につきま して空港会社からお答 えいた 27
します。空港東側からの空港内への進入道路を整備することについては、用地の状況や空 港施設計画等を踏まえますと現状では非常に難しいと考えております。しかし県道成田松 尾線が多古町へ延長 されることとなれば、空港の南側入 り口へのアクセスも大幅に改善す ることになりますので、そのような代替の機能も含めて空港への進入方法の改善について 検討して参りたいと考えております。
それから2番目の地上デジタル関係でございますけども、地上デジタルテレビ放送は国 が推進しているものでございます。2011年 7月 には日本全国が現行のアナログ放送か らデジタル放送へ切 り替わ ります。それまでの間は、放送事業者は同一内容をアナログと デジタルで並行して放送することとなります。視聴者は随時自己負担によリデジタル放送
へ切り替えていくことになります。 地上デジタル放送に切り替わりますと航空機による電波障害は発生しないものと聞いて
お りますが、今年は佐原中継局および下総光中継局にデジタル送信機が設置されデジタル 電波の受信環境が整います。これにより測定等を実施し確認させていただきたいと思つて おります。その結果受信障害が出るようなことがあれば、やはり先程申しましたように原 因究明等をして参りたいと考えております。また現在使用中の共同受信施設につきまして は基本的には撤去する方針ですが、自治体などから施設を有効活用したいと申し出があつ た場合などは譲渡するなど、協力させていただきたいと考えております。
続きまして騒音測定局の設置あるいは移設でございますけども、弊社の常時測定局は年 間を通じて航空機騒音を測定する地点で航空機騒音の年次的推移を把握することを目的と していることから、各地区の代表的地点である公共施設用地を基本とする考え方に基づい
て設置しております。一鍬田地区の測定局につきましても、この考えに基づきまして暫定 平行滑走路供用前に同地区の騒音実態を把握するため、町と協議をさせていただきまして 現在の場所に設置 しました。 しかし、町におきまして新たな移設候補場所をご提示いただ ければ、弊社監視システムの更新時期に合わせまして測定局の移設の検討について相談し て参りたいと考えております。ちなみに私どもの監視システムの更新予定でございますが、 今年度に更新の実施設計を行いまして、2009年 度に工事に入りまして2010年 度運 用開始という予定でございます。 ィ
それから私どもの所有地の有効活用でございますけども、ご要望のある弊社所有地とい うのは現在私どもが計画を凍結しております、横風用滑走路の直近にある所だと思います。
で、そういうわけで直ちに利用計画を立案する事は難しいという状況にございます。ただ 空港として地域の発展にいかに貢献できるかについて、課題として検討していきたいと考 えております。
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【小堀委員長】 以上4点についてお答え申し上げましたが宜しいでしょうか?ありがと うございま した。
【司会】 それでは質疑応答の途中ではございますが、次の富里部会からの質疑に移る前 に若干休憩を取りたいと思います。やや時間も押していこともありまして、16時 15分 まで小休憩という事で取つていただきたいと思います。それでは15分から再開したいと 思いますのでよろしくお願い します。
時間とな りましたので引き続き質疑応答を再開 したい と思います。委員長、宜 しくお願 いた します。
【小堀委員長】 それでは質疑応答を再開いたします。17時まであと45分間ございま すけれども、しつかり議論させていただきたいと思います。では富里地区部会からの質疑 応答から始めたいと思います。富里地区部会の相川委員、宜しくお願い致します。
【富里地区部会 相川委員】 富里地区部会の相川です。宜しくお願い致します。先ほど 講演を聞いていて30年間で非常に伸びたんだなぁと感心をさせていただきました。旅客 の数も過去最高になつて3556万人になつたということでございます。
ただ、周辺の道路の混雑 は未だ解消 されないままであ ります。今多古町の町長 さんも言 わ れ ま し た が 、 私 は 空 港 周 辺 の 道 路 網 の 整 備 の 推 進 に つ い て 是 非 進 め て い た だ け る よ うお 願いをしたいと思います。今もそうですが、年間19万回以上飛び立っているわけでござ い ま す け ど も 、 相 変 わ らず 空 港 か ら 来 る 車 が 多 くて 地 元 の 人 は 全 部 脇 の 道 へ 通 つ て い き ま す 。 した が つ て 生 活 道 路 が ど ん どん 破 壊 され て しま い ま して 、 そ の 生 活 道 路 の 修 理 に 富 里 地区は追いつかないとい うのが現状でございます。畑を作っている皆さんの中には杭を打 ちまして畑へ入らないようにしている、とい うのも実情でございます。平行滑走路が完成
されまして2500メートルになると発着回数は22万回に伸び、さらに周辺道路を通行 す る 車 の 数 が 増 え る 事 が 予 想 さ れ ま す 。た だ 北 千 葉 道 路 や 成 田 新 高 速 鉄 道 が 出 来 ま す の で 、 いくらかは車の数は向こうへ回るのかとも思いますが、芝山さんも同じ様な問題を抱えて いるかと思いますが、非常に車が多く、対策に困つております。このままですと富里市と
しては財政が逼迫 しておる折でございますので、相当道路の改修に使つても追いつかない とい うのが事実です。
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確かに騒音は毎日毎日大変な思いをしている事はもう私共も分かっておりますし、ここ に居られる皆様方もみんな分かつておると思います。しかし、騒音が公害ならば道路問題 も公害と言えるのではないかと私は思つております。排気ガスが流れ、生活道路が壊され るわけですから、これも騒音の次くらいにやはり重要なものと考えて是非やっていただき たい。それが進めばもつともつと周辺も良くなるのではないでしょうか。今多古の町長さ んが言われたように、主要道路がどんどん良くなれば、細い道路に入つてくる車もなくな つてくるわけでございますので、どうか是非騒音と同じくらいに道路と言うものを考えて いただいて、周辺道路の整備に力を入れてもらいたいと考えますので宜しくお願いいたし ます。
【小堀委員長】 はい、ありがとうございました。空港周辺道路整備の推進ということで、 これ に つ き ま して は 千 葉 県 の 方 か らお 答 え い た だ き た い と思 い ま す 。
【千葉県 (F号 井次長)】 私から答えさせていただきます。千葉県では空港利用による交通 需要の増加に対処するとともに、成田空港のポテンシャルを高めるために今市長さんから お話がありましたように、道路ではありませんが成田新高速鉄道も2010年春の開業を
目指して進めておりますし、またこれと並行して国道464号北千葉道路も早急に完成さ せるべく取り組んでいるところでございます。一方県道についても先ほど申し上げました
よ う に 成 田 松 尾 線 の バ イ パ ス 、多 古 町 側 の 方 も な か な か 進 ま な い と い う 状 況 も あ り ま す が 、 既存道路も活用しながらなんとか小見川県道まで接続させるべく今一生懸命努力している と こ ろ で ご ざ い ま す 。 ま た 小 見 川 県 道 、 い わ ゆ る 成 田 小 見 川 鹿 島 港 線 に つ き ま して も 空 港 までの4車線化ということでこれもアクセス強化を図るために整備を進めています。今後 ともこういつた空港のアクセスであつた り周辺の幹線になる道路については、関係市町の 皆さまの御協力を得ながら空港の持つポテンシャル向上や地域の振興といつたことも考え
て 緊 急 性 の 高 い 箇 所 か ら順 次 整 備 を進 め て 参 りた い と考 え て お りま す 。 ど うぞ 宜 し くお 願 い します。
【小堀委員長】 ありがとうございました。相川委員宜しいでしょうか? 続きまして、 香取神崎地区部会の石橋委員からお願いいたします。
【香取神崎地区部会 石橋委員】 当部会からは香取市の宇井さんもお出でですが、私の 方から申し上げます。2月 19日 香取市役所において騒音対策委員会香取神崎地区部会が
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開催され協議いたしました。3点の要望でございます。 1点日でございます。標準飛行コース及び高度の遵守についてでございます。成田国際
空港の状況は一昨年の着陸機の高度の引き下げや現在整備中の平行滑走路の北側延伸等に より、発着回数の増加やその形態が変化しており、このような変化にともない飛行コース や騒音に対する地域住民の関心が高まりつつあります。住民の不安を解消するためにも、
成田国際空港株式会社において標準飛行コースの遵守を国土交通省へ申し入れるとともに、 定期的な騒音測定とその効果の公表をお願いいたします。
2点日でございます。周辺対策交付金の充実でございます。空港周辺アクセス道路の整 備は当該地域の活性化に寄与することはもとより、空港利用者や空港関連商業者等の利便 性の確保や交通渋滞の緩和などに必要かつ不可欠なものであります。つきましては首都圏 中央自動車道神崎インターと一体になる、利根川景観を活かし空港利用者への情報提供や 地域交流の場となるハイウェイオアシスの整備、および県道成田下総線を国道356号バ イパスヘ延伸し、県道成田神崎線として整備することに対して、その支援と併せて関係機 関への働きかけをお願いたします。また教育施設、消防施設等を整備する場合は多額の費 用を要するため、可能な限り空港周辺対策交付金の交付をお願いいたします。さらに自治 体で設置している騒音測定装置の維持管理等の交付金の対象範囲を拡大していただくよう 要望したします。
最後にもう1点でございます。アナログテレビ終了に伴う地上デジタル放送移行への対 応でございます。市内におきましては、旧空港公団により航空機の影響でテレビの映像が 乱れる現象、いわゆるフラッター障害対策としてVHFア ンテナからUHFア ンテナヘの 切り替えを行つていただいております。その際地形的にUHFの個別受信が困難な地域に おきましては共同受信として対応していただいており、その数は4000世 帯ほどとなつ てお り、市内の 1割以上の世帯がNAAの 設置 した共同受信施設を利用 していることとな つております。本市エリアについては佐原玉造中継局を残し、そこからデジタル波を発信 すると聞いております。このような状況により、現在共同受信している地域は完全デジタ ル化後も地形的な問題からテレビ電波が個別に受信できなくなるものと危惧しております。 以上のような状況から、NAAと して地上デジタル放送への円滑な移行のため具体的な方 策を示していただくとともに、地域住民の混乱を防ぐための支援について教示をお願いし たいと思います。以上でございます。宜しくお願い申し上げます。
【小堀委員長】 ありがとうございました。1番目の標準飛行コースおよび高度の遵守、 これにつきましては国の方からお願いします。それからその中で騒音測定についてもご質
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間がございますので、これについてはNAAからということで、まず国の方から宜しくお 願いいたします。
【国土交通省東京航空局 唯野成田国際空港長】 唯野と申します。1番目の件につきま しては私の方からお答えをさせていただきます。飛行コースの遵守ですけれ ども、ご存知 の通 り平成 11年 2月 に航空機の騒音影響の範囲拡大を防止する目的で、直線の上昇ある いは直線の下降についての飛行コースの幅を設定いたしました。そしてその中で収まって 飛行するようにということで航空会社に対してその遵守の徹底を求めております。また監 視を一方で行つていると、こういう状況にあります。その上で、飛行コース幅を逸脱した 航空機についてはNAAを通じまして運航者へ逸脱の理由を問い合わせております。合理 的な理由があれば別ですけれども、合理的な理由がないような状況の中で逸脱した場合に はその便名を公開し、必要に応じて国土交通省から指導を行っていると、こういう状況に あ り ま す 。 な お 飛 行 コ ー ス に つ い て は 色 々 な 理 由 は あ りま す け ど も 、 例 え ば 到 着 機 が 輻 較 する場合だとか、あるいはその時に気象状態が非常に悪かつたとか、そういう事によりま して面的運用がなされているとい うことがございます。これにつきましては航空交通の円 滑で安全な流れを確保する上で不可欠なものと考えておりますので、どうかご理解をいた
だ け れ ば と思 い ま す 。 あ りが と う ご ざ い ま した 。
【小堀委員長】 騒音測定についてNAAの方から。
【NAA(新 堀地域共生部長)】 香取神崎地区の定期的な騒音測定につきましては、航 空機の運航等の状況を見ながら市町と協議して参りたいと考えております。測定後の結果 は 当 然 き ち っ と報 告 させ て い た だ き た い と考 え て お りま す 。 以 上 で す 。
【小堀委員長】 2番 目の周辺対策交付金の充実についてのことで、当初アクセスの関係 のご質問をいただきましたので千葉県の方から、周辺対策交付金についてはNAAの方か
ら回答 をお願 い します。
【千葉県 (門 井次長)】 それでは、周辺のアクセス道路の整備の関係についてお答え申 し上げます。首都圏中央連絡自動車道神崎インターと一体となる休憩施設の整備がハイウ ェイオアシスの整備 とい うことだろうと思いますが、まずあの首都圏中央連絡 自動車道の
神崎インターチェンジを含む茨城県境~大栄間の整備ですが、平成24年度の供用を目指 32
し現在用地買収や工事を進めているという状況だそ うです。圏央道の新たな休憩施設につ いては平成16年に地域活性化およびコスト縮減等の観点から道の駅と一体整備する、と の国の方針が出されていますので、施設整備の必要性等について神崎町を中心に国や関係 機関等による検討が進められています。県としては、仮称でございますけども神崎インタ ーチェンジ周辺の休憩施設の設置は道路利用者の利便性向上や地域の活性化等を図る上で 重要と考えており、計画の具体化に向け地元の市町や国等とも引き続き検討して参ります。 なお県道成田下総線の延伸については関連する道路の進捗状況等を勘案しながら検討して 参ります。
【小堀委員長】 それでは周辺対策交付金についてNAAよりお願いします。
【NAA(新 堀地域共生部長)】 それでは交付金による教育施設などへの助成につきまし てお答えいたします。教育施設などの公共施設に対する防音工事につきましては、騒防法 に基き助成を行っております。防音工事助成を受けた施設の維持管理費については周辺対 策交付金を毎年交付させていただいております。あとは航空機災害対応における消防施設 につきましては、従前より整備内容に応じまして協力させていただいております。交付金 の使途の範囲でございますけども、先程申し上げましたように法律の範囲内というのがご
ざいます。今後とも具体的な内容を伺いながら柔軟に相談させていただきたいと、このよ うに考えております。以上です。
【小堀委員長】 3点 目も今までたくさんでてきているとは思いますけども、地上デジタ ル放送移行への対応という事でNAAの方から解答していただきます。
【NAA(新 堀地域共生部長)】 この答えも先ほど多古地区部会さんにお答えしたのと同 様な回答になりますけれども、2011年 7月にアナログ放送からデジタル放送に切り替 わるという事で、基本的には視聴者は随時自己負担によリデジタル放送に切り替えていた だく事になります。地上デジタルに切り替わりますと航空機の電波の影響は受けないと聞 いておりますが、今年佐原中継局にデジタル送信機が設置されデジタル電波の受信環境が 整いますので、そこをきちつと測定しまして障害が出るかどうか、もし出るようなことが
あればその原因究明を行っていきたいと考えております。それとこれも同じような答えに なつてしまいますけれども、共同受信施設については基本的には撤去いたしますが、これ を有効活用したいという申し出があつた場合は自治体と譲渡につきまして協議していきた
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いと考えております。
【小堀委員長】 石橋委員いかがでしょうか? よろしいでしょうか?あ りがとうござい ま した 。 続 き ま して 河 内 稲 敷 地 区 部 会 か ら野 高 委 員 、 宜 し くお願 い い た しま す 。
【河内稲敷地区部会 野高委員】 河内稲敷部会では稲敷市長の高城さんも出席しており ます。私どもが最後でございまして、要望する事項もみなさんが大変同じような問題のよ
うですので、簡単に要望申し上げたいと思います。 1点目は騒音評価基準の見直しと騒音対策区域の拡大等についてであります。これは先
ほど成田市さんの方から出たお話と重複すると思います。現在使われておりますWECP NLという騒音の値につきましては、総合的に騒音を分析 した数字であると認識をしてお ります。また航空機についても低音型機が増えていることと思われます。 しかしながら航 路直下に暮らす住民にとつては、例え1日 1便でも大きな音を出す航空機が通つただけで 苦痛を感じ、苦情を申し立てるということもありますことからこの値の見直しを要望いた
したいと思います。 また引き続きの要望でありますが、騒音対策区域の拡大につきましても併せてご検討を
お願い申し上げます。なお河内町で一種区域に隣接する区域におきまして民家防音対策と して平成10年度から補助事業を行って参りました。初年度から10年間が経過しようと しております。住民からは空調機の修理や更新などの要望が上がってきておりますが、こ
のような補助事業を行ってはおりません。今後このようなことに対応していくため、町補 助事業の実現に向け成田空港周辺地域共生財団の事業との整合性や財源の措置についてご 検討いただきますよう、要望いたします。
2点日でございます。テレビ放送の完全デジタル化に伴う対応についてであります。国 の施策として2011年 にテレビ放送を完全デジタル化するということでありますが、デ ジタル波については理論的に航空機によるフラッター障害が発生しないとのことでありま す。しかしながら住民からは「電波障害が無くても騒音が無くなるということではないの で、騒音を受けている地域対策として今後も何らかの対策をお願いできないか」との要望 が上がっております。従つて、例えば共同アンテナ施設をデジタル対応にしていただくな
どの対処について要望申し上げます。以上2点宜しくお願いします。
【小堀委員長】 最初の1点目の騒音評価指標の見直し、これにつきましては国交省から お願いし、騒音対策区域の拡大についてはNAAの方からお答えいたします。2点目のテ
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レビ放送のデジタル化に伴う対応ついてはこれまで通り各市町からもご要望がございます けれども、これについてはNAAの方からお答えいたします。では最初に国の方からお願 いいたします。
【国土交通省 (羽尾課長)】 はい。まず1点目のWECPNLの 見直しについてお答えい たします。先ほどこれは成田地区部会のお答えと同じで恐縮でございますが、環境省は近 年の騒音測定機器の技術的進歩、あるいは国際的動向に則して昨年12月に航空機に関わ る環境基準の評価指標として、これまでのWECPNLか らL den(時間帯補正等価騒音レ ベル)への改正を行いました。平成25年4月からこの指標が適用されることになってお
ります。このL denの方式はWECPNLに 比べましてより厳密な評価が可能となり、い わゆる逆転現象の発生も無くなることから適切な改善が計られたものと承知しております。 以上でございます。
【NAA(新堀地域共生部長)】 私どもNAAでは騒音の軽減のために色々と努力してい るところでございますが、その一つを紹介させていただきますと、平成17年10月に低 騒音型機ほど着陸料が優遇される新しい料金制度を導入いたしました。その結果、低騒音 型機の割合が平成 14年度の45,7パーセントから18年度は60.2パーセントに増加
しております。民家防音工事の助成につきましては、騒防法に基づいて騒音の程度が75 WECPNL以 上である第一種区域で行つております。成田空港だけがこの対策区域の基 準を緩和することは難しいという事をご理解いただきたいと思います。また、共生財団が 行っている隣接区域の助成と河内町で行つている隣接区域の対策は他の地区と同様であり まして、今後も差違が生じないようにやつていくと考えております。
それとテレビ放送デジタル化に伴う対応でございますけれども、これも先ほど説明しま した多古地区部会あるいは香取神崎部会と重なって恐縮でございますけれども、2011
年 7月 にアナログからデジタルに切 り替わると、視聴者の随時自己負担によリデジタル放 送に切り替えていただく事になります。地上デジタル放送に切り替わりますと、航空機に よる騒音は発生しないと聞いてございますが、佐原中継局のデジタル送信機が今年設置さ れましてデジタル電波の受信環境が整いますので、沢1定等実施して確認させていただきた
いと考えております。これで受信に障害が出れば、原因究明等を行つて参ります。 それから共同受信施設につきましては基本的には撤去する方針ですけれども、有効活用 の申し出があつた場合には譲渡するなどご協力させていただきたいと、このように思いま
す。以上です。
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【小堀委員長】 野高委員よろしいでしょうか?はい、ありがとうございます。では最後 の 方 に な り ま す が 、「 成 田 空 港 か ら 郷 土 と 暮 ら し を 守 る 会 」 の 岩 田 委 員 か ら よ ろ し く お 願 い 致 します。
【郷土と暮らしを守る会 岩田委員】 それではお疲れのところ申し訳ありませんが、よ ろしくお願い致します。今 日は5点について、お考えを聞かせて頂ければと思います。
第1点は メ共存共栄"ということがよく言われているんですけれども、これを本気で考 えておられるならば、何よりも航空機騒音による騒音下の住民への心身の影響についてき ちつとした調査をやって頂くべきではないかという事です。先程の答弁の中で、環境省の
方でやっていらつしゃるというお話もあったわけですけれども、これは新聞報道だけで概 略しかわからないんですけども、2月 13日にヨーロッパで行われた大規模な健康調査の 結果が出ております。これを見ますと、5000人 の規模で5年間かけてきちっとやって いるんですね。そういう調査というのは、私は成田空港にもう40年近く関わってますけ れども、こういう調査が行われたというのは今まで聞いておりません。やはり、もう少し 疫学的・科学的な調査で騒音下の住民にどういう影響があるのか、あるいは無いのか、そ
ういう事を明白にした上で、例えば発着回数の増加が可能なのかどうか検討するというよ
うな手順を取るべきではないかという気がします。そのような結果をもつて住民が納得が できるものならば、それならそれでいいんじゃないかと思います。
先程から低騒音型機が増えているというお話がありましたが、それは事実だと思います。 昔のDC8と か、ああいうものの飛行機の騒音に比べれば、今は飛行機の騒音は相当静か になつていることは確かです。ただ、先程もどなたかおっしゃいましたけれども、騒音が 静かになっても発着回数が増えているならば、その効果というのはあまり変わらないじゃ ないかと思います。この前の騒音対策委員会でも言つた覚えがあるんですけども、低騒音 化というのは発着回数を増やす為の低騒音化であつてはならないと思うんですね。やっぱ
り低騒音化というのは被害を受けている住民の心身への影響を少なくする為の低騒音化で なければなりません。けれども低騒音化する度に発着回数が増えてくるんでは、これは結 局同じ事じゃないかという気がします。ですからそれがどんな影響があるか、ないか、き ちっとした科学的な調査を是非国や空港会社の方で行つていただきたいと思います。それ が第1点です。
それから第2点は、これも昨年も私から質問していた問題なんですけれども、やつぱり あの交付金やなんかと言うのは、その地域の自治体に交付されるものであり、それはめぐ
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りめぐつて騒音下の住民にも行き渡る事は確かなんですけれども、そうではなくやつぱり その騒音の被害を被っている住民一人ひとりに対して、きちつとした補償を行う制度を国 として早く作るべきではないかと思います。というのは、昨年の4月 16日に判決が出ま した小松基地騒音訴訟、しかしこうやつて一つの騒音訴訟が終わったにも関わらず今年の 12月にもその第5次の騒音訴訟を起こすと、この小松原告団は言つているわけです。な ぜそうしなきゃいけないかと言いますと、結局こういう個人個人一人ひとりに補償するよ うな制度がありませんから、その時効の問題があるわけですね。結局放っておくと、例え ばその民事の時効でもつて過去分は切 り捨てられてしまうので、その補償を続けて受けた いと思つたら、大変なことだと思いますが、そういう訴訟を次から次へと打ち出していか
ないと補償を受けられないわけです。こういう状況に対して、裁判所の方でも非常に厳し く言っている訳です。例えばある裁判の判決では、このような状態というのは法治国家と しては異常な事態であり、こんな事が続いていいのかと指摘がなされています。「国の怠慢
で住民が訴訟を起こさなければならない」と判決文の中できちつと述べられているわけで す。ところが国の方は、補償はするけれども、こういう補償制度の創設というものについ ては一切話をしていません。成田空港の住民は今のところそうした訴訟は起こしていませ んが、早く国はそういう補償制度を膚J設して頂きたいと思います。これが第2点です。
それから第3点は、成田市が昨年発表しました「地域の環境と生活に関する調査報告書」 でも出ていますけれども、夜間騒音による睡眠への障害というのが住民にとつては厳しい わけです。先程もお話ししたヨーロッパでの調査によりますと、この騒音下に住む住民と いうのは、高血圧症にかかる率が他の地域に比べて50パーセントも大きくなるという結 果だそうです。それから寝ている最中に10デシベル高い騒音があると、血圧が14パー セント位ずつ上がつていくというんです。現在の騒音評価指標であるWECPNLだ とか、 あるいは今度のL den、 これはあくまでも平均で表したものに過ぎません。ところがこの平 均では計れない被害っていうのが、この睡眠影響の調査ではあると思うんです。どういう 事かと言うと、結局先程の方もおつしやいましたけれども、たつた一回でも大きな音がす れば、それで血圧が上がる、睡眠が浅くなる、そういう被害が出てくるわけなんです。そ れは年間を平均したものでは計れないわけです。ですから是非、この夜間の騒音基準とい
うものを設けていただきたい、でその夜間の基準については、是非その例えばデシベルA つて言 うんでしょうか、単発騒音に対する規制、こうい うものも入れていただきたい、そ のような基準の改正を行つていただきたいというのが3番目です。
4番目は同じような事ですが、今回の環境基準の改定がなされましたが、やはり基準値 そのものが住民サイ ドにとつてより良く改正されたつていうものでは無いわけです。あく
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までも評価方法の変更であつて、基準値そのものが同じになつているのはやっぱりおかし いんじゃないかと思います。環境基本法では必要があれば5年毎にでもこうい うものを見 直しなさいつて言つています。ところがこの航空機騒音については、昭和四十何年かに制 定されて、それから今回が初めての改正なんですね。30年、35年という時間が経って それで初めてやられていると。さらに今度の基準値の改定つて言つたつて、簡単にできる わけじゃありません。また3年とか5年とかかかってしまうわけです。ですから是非すぐ に始めて頂きたい、その時には先程も申しましたけれども、是非その基準の中に最高音の 規制というものを入れていただきたいと、こう思うわけです。これが4番目です。
5番目が、これも皆さんから出ていましたけれども、完全民営化後に積み上げられた周 辺地域住民との約束が継承されない可能性があります。それを継承していただきたいと思 います。四者協議の覚書とか、こういうものもありますけれども、それ以外でもいろんな 積み上げてきたものがあるわけです。例えば我々の会で言えば、成田空港の軍事利用は一 切しないという約束があるわけです。あるいはその次にも質問致しますけれども、直進上 昇直進降下を九十九里浜から利根川までやるという約束もあるわけです。こういう約束を キチッと守るような、そういうような仕組みというのがなければいけないと思うんです。 そして、どのようにその守る仕組みを作っていくのか、これを聞かせていただきたいと思 います。これが5番目です。
それから最後6番目ですが、明日推進会議で説明があるようですけども、去年の朝日新 聞の報道によると、飛行コースを15度東へずらすという報道がありました、図入りで出 ています。まあ簡単な図ですからどうなるかはちょつと分からないんですけれども、昭和
48年5月 25日 に当時の友納知事に運輸大臣のシンタニ トラサブロウさんとお読みする んでしょうか、この方が回答して、きちつと九十九里浜から利根川まで離着陸の際には直 進上昇直進降下を行います と、こう約束をしているわけですね。それに違反 しているので はないでしょうか。15度ずらすというのは。まぁ、そのような説明が明日あるかどうか ちょつとわかりませんけれども、結局15度ずらしたまま今度は九十九里浜や利根川まで 直進するのかあるいは途中でグルッと曲がるのか、こういうこともわからないんですけれ ども、結局この当初の友納知事さんの考え方というのは、そうやつてコースを限つて騒音 地域を広げたくないと、千葉県に降り注ぐ騒音というのをできるだけ少なくしたいという ことでこういう約束を取り付けたと思うんですけれども、こういう約束を一体どうなさる おつもりかという事をお伺いしたいと思います。以上です。
【小堀委員長】 6点いだきました。ありがとうございました。1番 目の騒音下住民の健 38
康調査の実施、これは騒音対策も関わりますのでまずは国交省の方から騒音対策、それか ら健康調査の実施については、NAAの方からお答えしてください。それから2番の住民 一人ひとりに対する補償制度の創設及び3番、4番の9時以降の最高音規制と発着回数制 限、航空騒音の環境基準見直しについては国の方から一緒に回答させていただきます。そ れから完全民営化後の約束事項の遵守と最後の直進上昇直進降下の飛行コースについても 国の方からお答えをお願い致します。ということで、最初に騒音対策について国の羽尾課
長の方からよろしくお願い致します。
【国土交通省 (羽尾課長)】 それではまず、1点目について国の関わる分についてお答え 致します。機能拡充についての騒音対策の取り扱いについてのご質問かと思われます。現 在空港周辺の自治体におきまして、成田空港と共に周辺地域も発展していくという、いわ ば共存共栄の観点に立って、成田空港の国際拠点空港としてのポテンシャルを最大限に活 かした地域づくりの検討というものが進められているところでございますが、その際当然 のことながら、空港の機能拡充につきましてはそれに対応した騒音対策を適切に講じるこ
とが検討の前提になつているものと承知しております。国と致しましても、成田国際空港 は大規模な空港でありますことから騒音対策が適切に講じられることがとても重要な事と 考えております。
【小堀委員長】 ではNAAの方から健康調査について。
【NAA(新 堀地域共生部長)】 はい。健康調査でございますけれ ども、騒音下住民を対 象に平成15年の3月 、財団法人成田空港周辺地域共生財団より報告されております。4
000メ ー トル滑走路直下に住む方達を対象に航空機騒音の影響調査をしたわけでござい ますけれども、これを見ますと、健康に顕著な影響は現れていないという事でございまし た。今後、再度健康調査をどうするかということでございますけれども、必要性を含めま して関係機関と協議 しながら考えていきたいと考えております。また今後の空港機能拡大 に つ い て は 先 程 も 質 問 で ご ざ い ま した け ど も 、 こ れ ま で 同 様 、 地 域 の 皆 様 の ご 理 解 を 得 た 上で進めさせていただくという所存でございます。
【小堀委員長】 2番 目以降の問いにつきまして、羽尾課長の方からお答えいたします。 【国土交通省(羽 尾課長)】 2番 目以降の問いにつきまして、一括してお答えいたします。
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まず2点目の指摘の点でございます。国の補償制度を法制化していけないかという点でご ざいますが、今回ご指摘ありました個別対応の民事損害賠償に関します高等裁判所の判決 におきましては、国土交通省としてコメントできる立場にはございませんが、成田空港は
我が国の国際航空輸送の5割を越えるシェアであり、例えば旅客数で見れば年間3000 万人を越えるような取り扱いがあるなど、成田空港の持つ公共性あるいは現在の受忍限度 などの観点から致 します と、住民の方々への直接の補償制度の創設 とい うものについては 極めて難しいものと考えております。なお成田空港の騒音対策につきましては成田空港会 社、あるいは県等にもご努力いただき、これまでも低騒音型機の導入、あるいは騒音軽減 方式での飛行といった発生源対策、更に住宅防音工事実施や移転補償などの空港周辺対策 を騒防法あるいは騒特法といったような法律に基づき、あるいはこれらの法律に上乗せし た対策を行うなどきめ細かな対策を実施し、それなりの効果を挙げているとご理解いただ きたいと思います。
3点目及び4点目について一括してお答えいたします。この点につきましては、先程来 成田、あるいは河内稲敷地区からもご指摘についてお答えした通りでございますが、L den 方式の改正にあたり、従前から、地元の方から環境省に対して睡眠障害あるいは日常生活 への影響など先程ご指摘のあった点について、地域住民の感覚を考慮した評価指標にすべ
きだという要望が出されているということは承知しているところでございます。国土交通 省としましても、こういった要望につきましてはこれまでも環境省に伝えてきたところで ございますが、環境省における更なる騒音指標に関わる検討にあたりまして引き続き協力
して参りたいというふうに考えております。 なお3点日あるいは4点目にございます夜間の運用についてでございますが、現在周辺
住民への影響と成田空港の重要性などに鑑み、夜23時以降の飛行制限と22時台につい ては1日 10便以下という運用で地元との間で合意し、ご協力をいただいているところで ございまして、引き続きそれらの実現に努力致しますとともにご理解をお願いしたいとい
うことでございます。 最後に5点日、6点目についてでございます。軍事利用の件、あるいは15度振りの件
なども含め約束事項を遵守する仕組みについてでございます。軍事利用につきましては、 空港建設に係 ります地元の方々との経緯やあるいは過去の国会答弁の重みなど踏まえ、慎 重に検討して対応すべきというのは昨年もお答えしたところでございます。また飛行コー スの15度振りの件をご指摘でございましたが、こういった案はご指摘のように昨年末一 部の新聞において報道されていたという事は承知いたしておりますが、その内容は成田空 港会社が提示されたものでもありません。あくまで当該新聞が報道したものにすぎないと
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いうふうに認識しておりますので、現時点でそういう案についてコメントするというのは 適切でないと考えております。いずれにしましても国土交通省としましては成田空港会社 が完全民営化された場合でも、これまで長年にわたつて築かれた地元との信頼関係を壊す ことなく地域 との共存共栄関係や周辺地域の環境に留意 しながら環境対策・共栄策が適切
に講じられていくということが必要であると考えております。以上でございます。
【委員長】 岩田委員よろしいでしょうか?では時間も時間ですので、簡潔にお願いいた します。
この補償制度なんですけれ ども、ちょつと実現が 難しいつて話ですが、これは成田空港の問題だけではないと思います。それで結局、補償 を 認 め て 例 え ば 小 松 の 裁 判 で も 控 訴 し な か つ た と い う事 は 、 一 応 そ の 必 要 性 は あ る と 、 そ
の裁判の判決に従うという事だと思います。ならば、コメントする立場に無いつていうこ とですけれども、確かに被害は与えていると、それに対する補償はしますよ、ということ を言つているんだと思うんです。ならば、やつぱりちゃんとそれに沿つた法体市Jと いうも
のを作るのが法治国家の役日ではないでしょうか。どんなにお金がかかつても大変でも、 やっぱりそれをやらなきゃいけないのではないかという気がするんですけども、まぁ別に お答えを頂きたいとは思いませんけれども、そういう考え方ではないでしょうか。以上で す。
【小堀委員長】 ありがとうございました。他に何か質問やご発言はございますでしょう か。無いようですので、これで本日の議案の全てを終了致 します。長時間にわたり、貴重 な 御 意 見 等 を 頂 き誠 に あ りが と うご ざ い ま した 。 これ ら の 御 意 見 を 今 後 の 環 境 対 策 ・ 共 栄 策に反映させ、皆様からの御要望にお答えできるよう、なお一層の努力をして参る所存で
ございます。今後とも引き続き御支援・御協力の程を心からお願い申し上げます。本 日は ど うもあ りが とうございま した。
【司会進行】 これを持ちまして、第35回成田国際空港騒音対策委員会を閉会させてい た だ き ま す 。 本 日は お 忙 しい 中 誠 に あ りが と う ご ざい ま した 。 な お 引 き続 き ま して 、 懇 親 会 を開催いた します。隣の会場 となつてお ります。係の者がご案内致 しますので、 ご移動 を お 願 い 致 し ま す 。 ま た 随 行 の 皆 様 も 是 非 一 緒 に ご 参 カロく だ さ い 。 そ れ で は 移 動 の 方 を よ ろ しくお願 い します。
【郷土と暮らしを守る会 岩田委員】
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本議事録は,相 違ないことを証する。
平成21年1月 19日
第35回成田国際空港騒音対策委員会委員 多古町長? 昔澤 英
第35回成田国際空港騒音対策委員会委員 神崎町長 石橋 輝