「国際拠点空港のあり方懇談会」への成田空港圏自治体連絡協議会の意見書

意見書


今後の国際拠点空港のあり方に関する懇談会
          会長 山内 弘隆 様


成田空港圏自治体連絡協議会
副会長 芝山町長 相川勝重

拝啓

 寒冷の候、山内先生におかれましては、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。また先日は公務きわめてご多忙の中、時間を割いていただき、私どもの要望に対しまして、お聞き届けくださいまして、誠にありがとうございました。

 航空局長の諮問機関「今後の国際拠点空港のあり方に関する懇談会」で過日ヒアリングが行なわれ、多くのご意見が交わされたと伺っております。
 私ども地域の自治体といたしまして、学識を有する皆様方のさまざまなご意見に、期待するところが大きいのです。
 40年前の閣議決定以来、成田空港を取り巻く状況は、数多くの変遷を重ねて今日に至っておりますことは、ご承知のとおりです。

 この間、空港間題解決のために、血の滲むような多くの人々の努力があり、成田空港は世界の中で、そして国内でも、冠たる地位を築いてきた歴史があります。特に、対立から対話へと丁寧に議論を重ねながら、それぞれの立場をお互いに理解し、平和的に進めることができたのも、相手の立場を尊重するという、高い理念を持ち続けたからにほかなりません。地域の立場・空港の立場を少しずつ理解し、共生という永遠のテーマを共有できたからです。繰り返しになりますが、これまで国・千葉県・NAA・地域は過去の空港作りの反省の上に立って、今後の地域と空港の共栄実現のために、多くの約束事をしてきた事実があります。そしてそれぞれの約束事には遵守という言葉が使われております。遵守という言葉は、命がけで守り実現するという意味があると思います。

 そのような経緯を考えますと、さまざまな施策を検討される懇談会において、「地元の責任を果たしていない」或いは「盗人たけだけしい」との発言があったことは残念でなりません。航空局長の諮問機関という場での発言としては、あまりにも非常識であり、今日、成田問題を民主的に解決しようとしている人々に対し、学識を有する方の言葉とは、とうてい信じられず、暗然たる気持ちになりました。「厳重に抗議すべきだ」という声すら少なくありません。
 このような残念な事態が、二度と再び起きないよう格段のご配慮をお願いいたします。地域の実情、過去の経緯を的確に踏まえ、真の空港と地域の共存・共栄・共生の実現に向けて、今こそ行動を起こすべき時だと思っております。8名の学識を有する方々の知恵をいただき、成田空港問題解決と地域発展のためにも、お力添えをいただきたいと存じます。

 甚だ勝手なお願いを申し上げましたが、多くの地域自治体の願いが詰まっておりますことをご賢察の上、よろしくお取りはからいくださいますよう、お願い申し上げます。
 山内先生はじめ、関係各位の皆様方のご活躍をご祈念いたします。

敬具

平成19年1月11日


成田空港圏自治体連絡協議会

成田市長職務代理者 成田市助役 三谷千秋

芝山町長            相川勝重

多古町長            菅澤英毅

富里市長            相川堅治

山武市長            椎名千収

横芝光町長           佐藤晴彦

栄町長             川崎吉則

神崎町長            石橋輝一

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