同時離発着飛行コース説明会の要旨

(2011年1月18日 成田国際空港株式会社本社)


 2011年1月18日に成田国際空港株式会社で今年の秋に(冬季ダイヤ開始時)に導入される予定の、A滑走路・B滑走路からの平行同時離発着飛行コースについて国土交通省から説明をしてもらいました。国土交通省からは「首都圏空港課 成田国際空港整備推進調整室 松本専門官」が出席し説明をしてくれました。
 最初に、資料に基づいて説明がありましたが、これは、地元への説明と同じものでした。その後、事前提出質問事項についての回答と、質疑が行われました。
 この回答と質疑の要旨を、項目毎にまとめて下に書きます。


【夜遅くの利用は、今のところ考えてない】

◎混雑時間帯とは?
「午前中の3時間と午後の3時間程度を想定している。」

◎夜遅くは使わない、と言うことか?
「現在のところは考えていない。」

◎30万回になれば、運用時間帯中は全て混雑時間帯になる。その時には夜間も使用するのか?
「午後10時台は地元との約束もあり、多頻度の使用は問題があると考えている。いずれにしても、そのような場合は該当地域と相談することになる。」

【新旋回飛行コースはまだ使っていない】

◎現在も山武市上空などはかなり、飛んでいるが新しいコース(飛行コース図の【南風運用時】図に黄緑色点線で書かれているもの)を既に使用しているのではないか?
「そんなことはない。考えられるのは、一旦海上に出て、旋回して『テトラ』に戻る飛行コースが、『面的運用』で標準飛行コースからずれる、と言う事だ。山武市付近の高度は8000〜10000フィートと考えているので、大きな影響はないと思う。」

◎南側旋回コースの使用頻度はどのくらいか?
「南側の年間使用頻度は約45%。その内、離陸は半分で約22.5%。また、この離陸機の半分程度が旋回飛行コースを使用する、と考えている。」

【6000フィート以上の騒音は65dB程度で迷惑はかけない】

◎新しい旋回飛行コースは『第1種区域を出て、高度6000フィートを超えたとき』とのことだが、6000フィートの時の騒音をどの程度と考えているのか?
「機種による違いもあるが、65dB程度と考え、第1種区域外の住民の方々に迷惑はかけないと考える。」

◎北風時の着陸機が鹿島沖から九十九里にまわる(【北風運用時】図の黄緑色点線で書かれているもの)時に、旭市や東庄町上空では6000フィートを切る高度になるが、これについてはどう考えるのか?
「着陸機と離陸機の騒音は違うので、6000フィートを切っても迷惑はかけないと考えている。」

◎本会の測定では、現在でも、八街市では70dBを超えることもあるがどう考えるか?
「測定していないので何とも言えないが、、風向きなどの条件によるものかも知れない。」

◎夜間には65dBでも睡眠などへの影響があるとの、報告もある。考慮すべきだ。

【友納知事との約束は破棄していない。旋回は例外的措置】

◎『直進上昇・直進降下』『県内6000フィート』の約束は廃棄と言うことか?
「約束を廃棄したわけではない。あくまでも例外的な措置と考えている。」

【実施の前後で、騒音測定は公開で実施する】

◎旋回コースの実施前後での騒音測定は行うのか?
「必ず行う。自治体関係などに立ち会ってもらって、公開で行う。」

【平行コースの監視は成田と羽田で行う】

◎平行同時離発着時の安全監視は成田空港ターミナルで行うのか?
「成田空港に近いところは成田空港ターミナル管制。遠くなった(およそ9Km以遠)ところでは羽田空港レーダー管制で行う。」

◎レーダーで判断できるのか?
「十分に判断・監視が出来る。」

【百里空域との区分は高度差で1000フィートをつける】

◎南風着陸時の北側平行飛行コースで、百里空域との調整はどうなっているのか。安全は保たれるのか?
「自衛隊側の空域を縮小してもらって、高度差で分けている。両空域の間隔は1000フィートの緩衝帯を設けている。」

【不審な飛行は問い合わせてくれれば調べる】

◎山武市の海岸の方では、昨日の夜中も飛んでいた。これはどういう事か?
「成田空港関係の飛行機は飛んでいない。羽田空港関係の上空通過機ではないか。かなり高度が高くなるが。」

◎上空通過の音とは思えない。多古町でも確かに聞こえた。昨日だけではない。
「そんなはずはないが、その時には日時をはっきりとさせて、会社に問い合わせて欲しい。必ず、調べて返事をする。」

◎どこに問い合わせるのか。24時間対応するのか。前は『インフォメーションセンター』にかけてくれ、と言われたが?
「24時間対応ではないが、私ども(共生企画室)にかけてくれれば、必ず返事はする。」


 説明会後に2班に分かれて管制塔の見学を行いました。最初に国土交通省航空局成田空港事務所の内藤次長から簡単な説明がありましたが、以下は、見学待ちの時間に雑談的に聞いたものです。

◎羽田空港の飛行コース検索システムのように、翌日分でも良いからインターネットで見られるようにして欲しい。
「この件は国土交通省の管轄ではなく、成田空港会社の管轄だ。会社では今、システムの変更を検討中で、この件についても検討している、と聞いている。」

◎昨年の10月に、直前の着陸機がバードストライクにあい、次の飛行機が着陸をやり直したのを見たが、その際に、隣の滑走路を離陸した飛行機と重なり、衝突したように見えた。大丈夫なのか?
「いつのことだか分からないが、下から見ると重なるように見えても、高度差があり安全性は保たれている。」

◎着陸やり直しの時の騒音はすごい。いつもと違う音で『事故か』と思ってしまう。
「エンジンをフルパワーにして上昇していくので、音は大きくなる。」

◎着陸のやり直しは1日に1回程度あるのか?
「統計はないが、それに近い程度はあるかも知れない。」

◎羽田空港が新飛行コースになってから、千葉市などで「うるさくなった」という声が出ているようですが?
「そう言う話は聞いています。」


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