米軍チャーター便に関する成田空港会社への公開質問書と回答
(2012年1月16日に成田国際空港株式会社本社で行方正幸地域共生部長から回答を聞きました。回答は森中社長も了承している、とのことです。)
成田国際空港株式会社社長 森中小三郎様
米軍チャーター機臨時着陸についての公開質問状
2011年11月29日
成田空港から郷土とくらしを守る会
会長 木内昭博
去る、11月21日早朝に燃料不足を理由とする米軍チャーター機の臨時着陸があった、との報道がありますが、これについて、以下の質問にお答え下さい。
1, 成田空港の米軍機利用については本会と、貴社の前身である、当時の成田空港公団との間で、1972年9月20日付「一切の軍事利用はしない」「米軍のマックチャーター機についても利用させない」との覚書(資料添付)がありますが、この約束についてご存じでしょうか。
【回答】貴会との覚書については、当然把握している。「成田空港を軍事利用しない」と言う認識は今も、今後も変わらない。
2,上記の約束がありながら、今回は何故、成田空港に着陸させたのか、理由をお答え下さい。
また、当該機受入の最終判断はどこが行っていたのでしょうか。
【回答】「燃料不足」との連絡であり「墜落の可能性もある」として人道上の理由から会社側の判断で受け入れた。
3,当該機の航空会社と便名と機種を教えて下さい。
【回答】便名はCMB500便である。機種はB767型機だった。(なお、航空会社名を訪ねましたが、答えはありませんでした。下記を参考にして下さい。)
4,「燃料不足」とのことですが、成田空港と横田基地は約100Kmしか離れていません。十分な予備燃料を搭載しているはずの民間機が、なぜ、横田基地に着陸できなかったのか、理由を調査し、お答え下さい。「燃料不足」なら、成田空港よりも利便な空港があったはずです。
【回答】「横田までは行けない」とのことだったので、人道上の見地から判断した。航空会社に対して「より便利な空港があったのでは」と成田国際空港株式会社としては言えない。
5, 当該航空会社に、上記覚書による約束がある事から、今後このような事のないように申し入れて下さい。
【回答】我々としてはパイロットから要請を受けて判断しなければならない。「今後もこのようなことが続くのではいか」という貴会の懸念については、成田国際空港株式会社として答えることは難しい。今後、航空会社の協議機関の中で、「こういう事があった」と伝えていくしかない。「今後このようなことが続いた」としても、米軍などの要請については国土交通省などにお願いするしかないのではないか。貴会の懸念については、いつも国土交通省にも伝えているし、騒音対策委員会の席上でも言われているから、国も航空会社も理解しているところですから、そう言うことがないようにきちんとしていきたい。国と相談してみたい。
6, 当該機は人を運んでいたのでしょうか、貨物を運んでいたのでしょうか。
【回答】何を運んでいたかの情報はない。
7, 当該機が成田空港に着陸した際に、人や荷物が成田空港で降ろされたのでしょうか。
【回答】ハンドリング会社に確認したが、人員や貨物の積み卸しはなかった、とのことで、給油だけだった。
8,今回の当該機の着陸料や、燃料代はどうなるのでしょうか。
【回答】燃料代については給油会社と航空会社で協議する問題で、成田国際空港株式会社は関知していないので分からない。着陸料はこのような場合は、いただかないことが慣例となっている。
9,今後、機材トラブルなどの安全上の問題はさておき、今回のような場合、受入を拒否する考えをお持ちでしょうか。
【回答】「成田空港を軍事利用しない」と言う認識は今も、今後も変わらない。軍事利用することはない。今回のような燃料不足とか機材トラブルの場合には緊急性などで個別に判断していかなければならないと考えている。懸念のある点については国土交通省などとも相談してやっていきたい。
以上
「CMB 」は米軍/国防総省の民間チャーター機を表す
CMB はどうやら、米軍/国防総省の民間チャーター機を表すコールサインのようです。 |