深夜・早朝飛行時間制限に関する自治体・住民の要望と国・空港公団の回答


1、開港までの経緯

@1978年3月30日開港予定(3月26日の過激派管制塔破壊で延期)
@開港 1978年5月20日

2、運用時間の根拠

成田国際空港管理規程 (1978年5月15日 何と開港の5日前!)

「(目的) 第1条 この規程は、成田国際空港(以下「空港」という。)の安全、かつ、能率的な運営及びその秩序の維持その他空港の管理に関し必要な事項を定めることを目的とする。
(ケ) (運用時間) 第2条 空港の運用時間は、24 時間とする。ただし、航空機の離着陸は、原則として午前 6時から午後 11 時までとする。

注)ただし、地元との合意事項として、機材の故障や天候の急激な変化など、飛行の安全に関わる場合は、地元自治体に連絡し、午後11時以降翌朝6時までの離着陸を認めることになっています。

3、開港前後の周辺自治体や住民の要望

@千葉県の要望

 ◎1971年1月8日 友納知事から新東京国際空港建設 実施本部長(運輸大臣)宛て
         1 航路の設定(進入角度、飛行コ-ス、待機飛行空域、飛行高度)について
         2 運行時間の厳守について
         3 騒音区域の買収について
         4 学校等に対する防音工事について
         5 エンジンの試運転の防音対策について
         6 民家等の騒音対策に係る財源について
         7 地域開発に係る財源について

 ◎千葉県からの「深夜早朝時間帯の飛行便数低減」要望一覧

  1983年10月6日
  1984年6月21日
  1985年11月11日
  1988年8月19日
  1989年11月20日
  1991年12月20日
  1993年5月14日
  1996年1月23日
  1998年2月12日
  1999年2月8日
  2001年2月20日
  2004年3月1日
  2006年3月27日
  2008年3月25日
  2010年3月30日

@1972年9月20日 本会「航空公害に関する交渉覚書」
 本会要望「一、夜間21時がら07時まで、航空機の発着を禁止する。」

@空港公団回答
 「一、夜間の迷惑をかけないよう努力するが、日本の主要国際空港てあり、世界一周航路等も乗り入れる関係上、要求どおりの制限を実施することは、困難である。また成田空港については、夜間の飛行禁止時間の決定はされていないが、羽田空港なみの禁止を厳重に実施する事は可能と考えられる。」
(注;当時の羽田空港運用時間は午前6時〜午後11時であった)

@1977年2月10日 成田市長から田村運輸大臣宛要望書
 「13,早朝・深夜飛行の禁止
   新空港は、静穏なる農村地域に建設された内陸空港であり、なおかつ大坂空港騒音公害訴訟以降音源対策等が実施され最近の航空機騒音に対する社会情勢の変化等、地域住民の健康を維持するため新空港の使用にあたっては、早朝・深夜飛行を禁止されたい。
   なお、使用時間については、本市と協議の上決定されたい。」

@1977年11月16日 田村 元 運輸大臣の回答
 「地域住民の環境保全に十分配慮はするが、新東京国際空港は専ら国際線が使用するという特殊事情にかんがみ、東京国際空港並みの運航制限を行うようにしたい。」

@1977年3月9日 芝山町長から田村運輸大臣宛要望書
 「6、航空機の夜間飛行時間については、午後9時より翌朝午前6時までは全面的に禁止されたい。
 本町は、70%有余の農業を含めた勤勉な住民であり、其のほとんどが肉体労働にたよっており、其の休養こそは健康管理の上からも極めて重要である。仕事の形態も夜早く朝早くが望ましい。」

@1977年11月16日 田村 元 運輸大臣の回答
 「8、飛行時間について
  地域住民の環境保全に十分配慮はするが、新東京国際空港は専ら国際線が使用するという特殊事情にかんがみ、東京国際空港並みの運航制限を行うようにしたい。」

@1977年11月22日 大栄町長からの要望書
 「(4)飛行時間について
  飛行時間は、地域住民対策を十分考慮し決定にあたっては町と協議されたい。」

@1977年11月25日 高橋航空局長回答
 「3の(4)飛行時間について
  地域住民の環境保全に十分配慮はするが、新東京国際空港は専ら国際線が使用するという特殊事情にかんがみ、東京国際空港並みの運航制限を行うようにしたい。」

@1977年11月 下総町から各方面への要望書
 「7、飛行時間の制限、及び超音機の乗りいれ禁止の要望
  (1)午後9時から翌朝7時までは航空機の離着陸を全面禁止すること。
  (2)コンコルド等の超高速機の乗りいれを禁止すること。」

@1978年2月13日 騒音公害から住民を守る会(2717名)から福永健司運輸大臣宛
 「1、飛行時間について、少なくても大坂並み(午後9時から午前7時迄の飛行禁止)を行う事、成田市も夜9時より朝6時迄の飛行禁止を主張していたことにつてはどうなったのか。」

@1979年4月26日 芝山町長から森山欽司運輸大臣宛要望書
 「6、夜間飛行時間の制限について
  騒音対策が大幅な遅れを来している中で夜間の飛行は住民の健康を著しく阻害する恐れがあるので午後9時より翌朝午前6時迄は全面的に禁止されたい。」

@上記要望書に対する公団提出の回答メモ
 「6、について
  新空港における運航時間は、国際線の就航という特殊事情にかんがみ、午前6時から午後11時までとせざるを得ないが、運航ダイヤについては、運輸省から航空会社等に対し、53年5月及び10月それぞれの冬夏季ダイヤ調整作業に際し、新たに午後9時以降のダイヤ抑制、午後10時以降に出発する高騒音機の時間繰り上げなどの指導をしており、既に冬季ダイヤから週8便について時間の繰り上げ措置を講じている。」

@1978年6月15日 成田市長からの要望書
 「5、夜間の静穏を図るため、当面飛行ダイヤ通りの運行、ダイヤの改善、更に午後9時から翌朝6時までの飛行禁止。」

@1978年7月21日 松尾町区長会の要望書
 「3、航空機の発着時刻を現行の『午前6時から午後11時まで』とあるのを、『午前6時から午後9時まで』と変更されたい。」


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