2011年8月前半の出来事


*8月15日

@昨日で、アクセス数が300万回を越えました。これからもよろしくお願いいたします。

@成田空港でのB787型機の適合検査はまだ
 全日空が定期路線にB787型機を投入する前に成田空港から香港へのチャーター便や遊覧飛行を実施する計画を明らかにしていますが、成田空港での適合検査が行われたのかどうか成田空港会社に問い合わせたところ、次のような回答がありました。
 「B787型機の乗入れにかかる適合テスト(駐機位置の確認、搭乗橋及び給油ピットの適合状況の確認等)は、成田空港では実施されておりません。チャーター便の運航前にフェリー便として成田空港に乗り入れた時点などで、適合テストを行う予定とのことです。」

@マレーシア航空の減便詳細、9月4便・10月14便
 11日の出来事で書いたマレーシア航空の成田=クアラルンプール線の減便計画ですが、9月は成田発で6、8、22、29日の4便、10月は同1、3、4、6、8、11、13、15、17、18、20、25、27、29日の14便とのことです。

@津山市の土蔵倒壊時の低空飛行で小中学校などの47%が「影響あった」
 3月2日に、米軍機のものと思われる低空飛行時に土蔵が倒壊(3月6日の出来事参照)した津山市が7月に市内の小中学校・幼稚園・保育園に行った調査によりますと、影響があったと回答したのは小学校15校、中学校6校、保育所・幼稚園16施設で全体の47%でした。具体的な影響については「授業を中断した」「児童がおびえて下校に支障が出た」との回答などがありました。

@「ドアを閉めたら30分以内に離陸せよ」中国民間航空局長
 中国の民間航空局長は13日、「航空管制部門は、2時間以上遅れが出ている航空機を優先して、先に離陸させなければならない。(旅客便が乗客らの搭乗をすませ)ドアを閉めたら、30分以内に離陸するようにせねばならない」と述べ、通達も出しました。中国では出発が遅延した場合は遅延時間に応じて旅客に対して賠償金や食事提供などを行う決まりになっていますが、搭乗させて航空機のドアを閉めてからの時間は遅延時間に含まれません。そのため、早めにドアを閉めて離陸まで機内で待たせることが多いための通達のようです。


*8月14日

@平穏な1日
 今日は盆休みでもあり、日曜日で、明日が新聞休刊日のためか、取り上げるような記事はありませんでした。“平穏な1日”で、ホットします。
 1日に成田空港の第1ターミナル4階のフードコートから見た、大韓航空機のA380型機機首の写真を載せます。


*8月13日

@13年夏季の成田空港自由化で合意・インドネシアとの航空協議
 国土交通省は昨日、11日まで行われたインドネシアとの航空協議において、下記の3点で合意したことを明らかにしました。(1)2013年夏季に成田空港の両国路線を自由化する。2012年夏季に増便を可能とする、(2)首都圏を除く両国間の航空自由化を以遠権も含めて完全に行う、(3)羽田空港の深夜・早朝時間帯国際線に路線の就航が可能になる枠組みを構築する、となっています。

@今日、出国のピーク・42500人が出国の予定
 成田空港では今日、お盆休みを海外で過ごす人たちの出国ピークを迎えました。今日だけで、約42500人が出国する見込みです。帰国のピークは21日となります。なお、関西空港も今日、出国ピークを迎えましたが、帰国のピークは16日の予定です。就航する路線の違いでしょうね。


*8月12日

@日航・三菱商事・ジェットスターがLCCを設立へ
 日本航空と三菱商事と豪・LCC「ジェットスター」が成田空港を拠点とする格安航空会社(LCC)を設立することが明らかになりました。週明けにも正式に発表するそうです。来年の12月までに国内線と国際線の運航を開始する、としています。3社は近く「ジェットスター・ジャパン」を立ち上げます。資本金は当初30億円で、来年の夏までに増資を予定します。出資比率は三菱商事が33.4%、日本航空とジェットスターが33.3%となりますが、増資の際には日本航空とジェットスターは出資比率の33.3%を維持する、としています。運営はジェットスターが主導権を取り、ブランド名や運航計画や予約システムなどはジェットスターのものを使います。ジェットスターは旅客数ではエアアジアに劣りますが、売上高ではエアアジアを上回り、アジア・太平洋地域では最大の格安航空会社(LCC)になっています。
【コメント】慎重だった日本航空もついに格安航空会社(LCC)に踏み込むのですね。形態は全日空がエアアジアと設立する「エアアジア・ジャパン」と似ていますが、「エアアジア・ジャパン」が路線の決定権を全日空が握っているのに対して、「ジェットスター・ジャパン」は路線の決定権をジェットスター側が握るようです。

@日本航空が売却航空機のテスト飛行を終了
 今日の毎日新聞によりますと、日本航空は合理化の一環として、70機以上の所有航空機の売却をすすめていましたが、昨日、A300-600R型機のテスト飛行を終わり、売却機全てのテスト飛行を終了しました。売却の前には航空機を完全に整備する必要があり、買う側からの要求にそって、追加設備などを整備する必要があります。それが終わりますと、警報装置も含めて機体が異常なく作動するかどうかのテスト飛行が行われます。

@大韓航空が大分=仁川線運休を12月29日まで延長
 大韓航空は大震災の影響で運休している大分=仁川線の運休を12月29日まで延長する事を明らかにしました。韓国人客の需要低迷が回復していないことが理由とのことです。12月30日からは週2便で復活する、とのことです。

@日航ジャンボ機墜落から26年
 日本航空の羽田発大阪行き123便・B747型機が群馬県の御巣鷹の峰に墜落してから今日で26年になります。あの事故の衝撃は今でも忘れられません。あらためて、犠牲になった方々のご冥福をお祈りいたします。


*8月11日

@マレーシア航空が9〜10月に成田=クアラルンプール線を一部減便へ
 詳しいことが分からないのですが、マレーシア航空が9〜10月に成田=クアラルンプール線を一部減便する、とのことです。

@エアアジアXが関西=クアラルンプール線を11月30日から就航へ
 6日の出来事で書いたエアアジアの関西空港就航ですが、エアアジアXは昨日、11月30日から関西=クアラルンプール線を就航させる、と正式に発表しました。当初は週4便の予定、とのことです。開設特別運賃として数量限定で片道3931円の航空券を用意する、としています。


*8月10日

@成田空港国際線旅客数9位、貨物量3位
 国際空港評議会(ACI)がこのほど発表した2010年の世界157ヵ国、1318空港のランキングで成田空港は国際線旅客が前年の8位から9位に下がり、国際線貨物量は前年の4位から3位に上がりました。

@成田空港「空の日」イベント参加者を募集中
 「空の日」を記念したイベントとして毎年成田空港で行われる「ジェット機との綱引き」の参加者を募集しています。9月23日に実施され、小学生が対象で保護者の同伴が条件となります。募集期間は7月30日〜8月14日になります。また、「ウルトラ化学消防車見学ツアー」の参加者も募集しています。こちらも9月23日に実施され、募集期間は6日〜17日までになっています。なお、両イベントへの同時申し込みは出来ません。詳しくはこちらのページを見て下さい。

@ロシアで貨物機が墜落し11人死亡か
 9日早朝、ロシア東部のマガダン州でマガダン空港からチュコト自治区に向かって離陸したアビス・アムール航空が運航するアントノフ12型機が「エンジン火災で引き返す」と連絡した後、レーダーから機影が消えました。墜落したものと見られています。同機は貨物機で乗員9人と乗客2人が乗っており、絶望と見られています。アントノフ12型機は4発のプロペラ機で、1973年に生産が終了しています。

@マレーシア航空とエアアジアが株式持ち合いを発表
 9日、マレーシア航空の親会社「国営投資会社・カザナインターナショナル」と格安航空会社(LCC)・エアアジアの大株主である「チューンエア」が株式持ち合いを発表しました。カザナインターナショナルがチューンエア株式の10%を取得し、エアアジアのCEOがカザナインターナショナルの株式20.5%を取得します。また、お互いに役員を派遣しあいます。


*8月9日

@千葉県が30万回に向けての都市計画案の縦覧を16日まで
 千葉県が30万回に向けての騒音区域の変更などを行う「都市計画航空機騒音障害防止地区及び航空機騒音障害防止特別地区の変更の案」の公告と縦覧を2日から16日まで行っています。意見の提出も16日までとなっています。縦覧場所は成田・大栄・芝山・多古・横芝光毎に分かれており、千葉県のホームページに載っています。この案により、騒特法の特別防止地区や防止地区などが30万回に向けて改訂されます。今年10月にも正式に告示されることになり、発着回数30万回に向けての千葉県側の手続が終了することになります。

@ニューギニア航空が成田=ポートモレスビー線を9月から減便へ
 ニューギニア航空はこのほど、3月31日から増便した成田=ポートモレスビー線を、9月から現行の週2便から1便に減便することを明らかにしました。水曜日の便を減便する、とのことです。

@全日空が2月をメドにB787型機を欧州線に投入へ
 今日のブルームバーグニュースによりますと、全日空の伊東社長は同ニュースとのインタビューで来年2月にもB787型機を欧州線に投入する考えを明らかにしました。「出来れば羽田空港から」としています。具体的な航空会社名や都市名は上げませんでしたが、同じスターアライアンス加盟社がハブ空港としている都市への投入を考えている、としています。また、同社が7月末にB787型機の今期の納入を12機、来期の導入を8機と、従来の24機に比べ4機減らしたことについて、「スケジュールを精査した結果の微調整だ」とし、全体の発注機数55機に変更ないことを明らかにしました。


*8月8日

@格付投資情報センターが成田空港会社の格付を維持
 格付投資情報センター(R&I)は4日、成田国際空港株式会社の格付を現在と同じ「AA」に維持することを明らかにしました。大震災の影響はあるが、中長期的には首都圏の航空需要が増大する見込み、としています。

@航空各社のお盆期間の予約率です
 5日に発表された各社のお盆期間(12〜21日)の予約率は次のようになっています。全日空グループは国内が65.3%、国際が86.7%。日本航空グループが国内が71.8%、国際が88.5%。スカイマークが79.4%。ソラシドエアが63.1%。エアドゥが82.4%。スターフライヤーが56.8%。フジドリームエアラインズが77.1%。

@「欧州での共同事業も検討中」日航社長
 今日のブルームバーグニュースによりますと、日本航空の大西社長は4日に行われた同ニュースとのインタビューで北米路線におけるアメリカン航空との共同事業が順調にいっていることを明らかにし、欧州での共同事業についても検討していることを明らかにしました。その際、相手の航空会社は「同じ航空連合・ワンワールドに加盟している事が自然でスムースに行く」との考え方を示しましたが、時期や相手については言及を避けました。また、海外航空会社からの資金援助については「現時点では考えていない」と否定的な考えを示しました。


*8月7日

@「天神峰現地闘争本部」の撤去が完了
 千葉地裁は昨日午前5時頃から反対同盟北原派の所有する「天神峰現地闘争本部」の撤去に関する強制代執行を行いました。撤去は午後2時頃に完了しました。これは、5月20日の東京高裁判決(5月20日の出来事参照)で判決確定前の強制代執行を認めた事に基づくものです。反対同盟北原派は約40名が撤去に抗議しましたが、大きな混乱はありませんでした。成田空港会社の森中社長は「今後も日本の表玄関として、安全で機能的な空港運営に取り組んでいきたい」とのコメントを発表しました。
【コメント】一部マスコミでは「これで、『への字部分』が解消され、誘導路が直線化される」と報道していますが、「天神峰現地闘争本部」の北側で反対同盟北原派の農家が耕作している畑が撤去されないと、直線にはなりません。

@ピーチの香港投資会社会長が「エアアジアが成田第2拠点化に反対するのは腹立たしい」
 ピーチ・アビエーションに共同出資している香港の投資会社「ファースト・イースタン・インベストメント」の会長はこのほど、全日空がエアアジアと共同で立ち上げることになったLCC「エアアジア・ジャパン」について、「運航路線の違いもあり棲み分けることは可能」と強調しましたが、エアアジア側がピーチ・アビエーションの成田空港第2拠点化に難色を示していることが「唯一腹立たしい」と述べました。

@お盆休みの予約で国内線は増、国際線は減に
 国内航空11社が5日発表した、お盆期間(12〜21日)の予約状況によりますと、国内線は昨年同期比で6.2%増、国際線は同10.7%減となっています。国際線の減少は日本航空の国際線縮小と訪日外国人が大震災により減少していることが響いている、とのことです。予約率は国内線約69%、国際線が約85%となっています。

@琉球エアコミューター機が警告灯点灯で引き返す
 昨日午後4時35分頃、那覇発北大東行きの琉球エアコミューター847便・DHC8-100型機で電気系統の不具合を示す警告灯が点灯しました。このため、同機は那覇空港に引き返し、5時20分頃無事緊急着陸しました。同便は欠航となりました。原因は調査中、とのことです。

@再開の那覇空港が大混雑・3時間半機内に缶詰も
 台風9号の影響から昨日午後に再開した那覇空港では、臨時便などが短時間に集中したため、駐機場が満杯になり到着便が駐機場には入れなくなりました。このため、最大で3時間半も待たされ、到着客が着陸後3時間半も機内に缶詰になりました。

@静岡空港の7月搭乗率が9ヶ月ぶりに前年越えに
 静岡県が発表した静岡空港の7月利用状況によりますと、平均搭乗率が61.2%となり、9ヶ月ぶりに前年同月に比べてプラスとなりました。国内線が59.8%で前年同月比9.6ポイント増、国際線は64.8%で同11.0ポイント減となりました。

@中国東方航空が鹿児島=上海線を週4往復に増便
 中国東方航空は今月から鹿児島=上海線を倍増し、週4往復(月・水・金・土曜日)に増便しています。

@大韓航空が静岡=仁川線と青森=仁川線を10月30日から再開
 大韓航空は5日、静岡=仁川線(1日1往復)と青森=仁川線(週3往復)を10月30日から通常運航とすることを明らかにしました。

@エアアジアが関西=クアラルンプール線を運航へ
 エアアジアは5日、関西=クアラルンプール線に就航することを明らかにしました。時期は明らかにしませんでしたが、冬季スケジュールからとなる可能性が高いようです。これで、関西空港に乗り入れる格安航空会社(LCC)は7社になります。

@春秋航空の佐賀=上海線が年内に就航か
 佐賀県は3日、中国LCC「春秋航空」と佐賀=上海線を年内に就航させる準備に入ることで合意した、と発表しました。週3往復を予定している、とのことです。


*8月5日

@都合により、明日の更新が出来ません。悪しからず。

@アシアナ航空機が着陸灯を破損、滑走路に接触か?
 昨日午後1時30分頃、仁川発成田行きのアシアナ航空104便・B767型機の着陸後点検で、前輪部の着陸灯が破損している、との連絡がアシアナ航空からありました。このため、B滑走路を閉鎖して点検したところ、北側の200mにわたってガラスの破片が散乱していました。B滑走路は、清掃を行い午後2時頃再開しました。着陸の際に着陸灯を滑走路に接触させて破損した可能性がある、とのことですが、アシアナ航空側は「回収された破片は着陸灯のガラスの3分の1しかなく、着陸灯のものかどうか分からない」としています。
【コメント】ガラスの形状を調べれば、すぐに分かることですね。

@ジャンボ機の機首部分外側が昨日から公開へ
 航空科学博物館が展示をするために整備していたジャンボ機の機首部分の外側が昨日から公開されました。前輪や外側は手で触れることが出来ます。操縦室など内部は今月下旬から公開される予定です。

@大畠大臣が管制不祥事で強面訓示
 国土交通省は昨日、管制官による一連の不祥事を受けて、全国の航空関係官署の管理者と同省幹部、航空局幹部を集めて「臨時航空管制官署等会議」を開催しました。今日の「日刊航空」によりますと、大畠国土交通大臣は「東日本大震災の発生で、国民の命を守るために現場で全力をつくす職員には頭が下がる思いがした一方で、緩みきったところもあった。なぜ、同じ滑走路に離陸と着陸を誘導してしまうのか、こんなことがあって良いのか。管制官が命をかけて仕事している職場に、知人を入れて、交信させるという事例も発生した。とても信じられない。心の中にゆるみがあって、おかしなことが連続した。管制官に成りたての頃の清廉な志を思い出して欲しい。管制の指示が間違えば、大惨事につながる。もう一度、全国の職場で点検して、ゆるみのない業務としてやってほしいと指示した。にもかかわらず、東京航空交通管制部で、ネットに案内を出して見学会をやってしまう。危機的状況に至っていると思う。まず、徹底してルールを守って欲しい。部外、部内の区別をしないでほしい。航空管制は、国民の命に関わる仕事だから、命の自覚を持って欲しい。今後は、日本の航空管制のレベルとモラルが、世界の中でトップとなるようにしてほしい」と訓示をしたとのことです。
【コメント】管制官が緊張感を持って職務に当たることは当然のことですが、訓示がこの通りとすると、何か太平洋戦争時の軍部の「なせばなる」という「精神訓話」を想起しますね。管制官の勤務条件改善と、混雑空域解消が問題解決の鍵ではないでしょうか。

@普天間飛行場周辺で地デジの障害多数
 先月24日にテレビが地デジに移行してから普天間飛行場周辺の住民から「米軍機が飛ぶと、放送が途切れ真っ暗になる。対策してほしい」などの地デジの障害に対する苦情が多く寄せられている、とのことです。地デジの受信障害が国に認められたのは、同飛行場北側に位置する市野嵩、普天間、新城の3地区の一部約2千世帯ですが、苦情は市伊佐、大山、長田、嘉数、大謝名など市内全域から寄せられている、とのことです。
【コメント】成田空港周辺については成田国際空港株式会社は「地デジになるとテレビに対する受信障害はない」と繰り返し強調していましたが、実態はどうなのでしょうか。

@フィリピン航空機が異臭で新千歳空港に緊急着陸
 今日午前5時15分頃、太平洋上を飛行中のマニラ発ロサンゼルス行きのフィリピン航空12便・B747-400型機から国土交通省の航空交通管制センターに「機内で煙の臭いがするので、緊急着陸したい」と連絡がありました。同機は6時30分頃、新千歳空港に無事緊急着陸しました。点検したところ、煙は確認されず、火災の形跡もありませんでした。


*8月4日

@「海上空港の羽田に騒音問題はない」のか?
 2日の出来事出来事で書いた「羽田空港の運用上の懸念を指摘した文書」について、「蘇我生活辞典」が引用元とした、「Infrequent Flyerのメモ帖」さんがコメントを書いています。「Infrequent Flyerのメモ帖」さんとしては「この論文は『危険だ』という意味で載せたものではなく、『このような留意すべき点がある』という意味で載せたもので、意図せざる意味で使われてしまった」と言うことのようです。
 確かに、その通りかも知れませんが、「Infrequent Flyerのメモ帖」さんの記述の中には見過ごすことの出来ない部分があります。3点について私なりの考えを書いてみたいと思います。
(1)この文書の掲載された日付が「今年の3月9日」になっていることです。確かに、ここで指摘されている問題点は数年前から、パイロットや運航関係者が指摘していましたが、D滑走路が供用開始となってから、6ヶ月近く経って掲載された意味が分かりません。実際に供用されてから改めて問題点が浮き上がってきたから、と言う事はないのでしょうか。
(2)次に、騒音問題はないとして「浦安市を例外として、羽田空港再拡張に伴う騒音被害を予測して反対運動が盛り上がったという話は、現在に至るまで聞いたことがありません。」と書いていますが、公害問題は公害が起こってから反対してはいけないのでしょうか。千葉市で問題になった大気汚染による「青空裁判」でも製鉄所の排気ガスで喘息などの呼吸器疾患が多発して問題になり、反対運動が起こり、長い裁判で公害が認められたのです。むろん、関係自治体が率先して住民のために運動を起こせば、かっての羽田空港拡張時の江戸川区のように、国の方針をすぐに転換させることは出来るかもしれないのですが。
(3)「Infrequent Flyerのメモ帖」さんは「従来どおり『海上空港の羽田に(成田のような)騒音問題はない』というのが大方の受け止め方でしょう。私個人も『羽田の騒音は危惧したほどの問題にならなかった』というのが率直な感想であり、現状認識です。」と書いておられますが、根拠については全く触れていません。実際に、「Infrequent Flyerのメモ帖」さんがどこにお住まいかは知りませんが、現地の騒音について体験した結果なのでしょうか。それとも、「環境基準の70WECPNLに達していないのだから問題ない」と言うことなのでしょうか。私たちの会は環境基準の改訂にあったって「提言 騒音評価式を改めよう」でも主張したように現行の環境基準は住民の感覚に合わないものであり、個別の航空機1機ずつの最高音にも、特に夜間は制限を導入し、もっと厳しく改めるように提言しました。しかし、結果は騒音評価方式をWECPNLからLdenに変えただけで、基準値そのものは現行と同等のものに据え置かれてしまいました。2008年2月14日の出来事でも取り上げたようなEUの調査結果にもあるように、睡眠中の騒音が室内で40db程度であっても血圧が上がり、循環器系の病気を誘発するリスクが高くなるのです。「Infrequent Flyerのメモ帖」さんはこのような事実をどのように考えているのでしょうか。国土交通省などが「環境基準に達しないのだから問題ない」とか「高度が6000フィート以上だから問題ない」と言っていることを鵜呑みにしているのでしょうか。「日本の経済成長のためには仕方ない」「羽田空港の発着回数を増やすためには、このくらいの騒音は我慢すべきだ」と言うのでしょうか。

@成田空港会社が12年3月業績見通しを上方修正
 成田国際空港株式会社は今日、「2012年3月期連結業績見通しの修正について」を発表しました。それによりますと、5月11日の前回見通しに比べ、発着回数が1万回増、旅客数は107万人増となっており、2012年3月期の連結業績見通しは経常利益が6億円の赤字から22億円の黒字に、また、純利益は32億円の赤字から10億円の赤字に縮小しています。

@日航の4〜6月業績で営業利益が171億円の黒字に
 日本航空が昨日発表した4〜6月期連結業績によりますと、営業利益が171億円の黒字になりました。また、純利益は127億円の黒字でした。大震災で旅客需要が前年同期比で31.2%減となりましたが、客単価が国際線で同28%増、国内線で同13%増となったことや、コストの削減が功を奏した、とのことです。記者会見した稲盛会長は「良い成績だ。年度計画はなんとか上回ると思うし、(計画を)超える成績を残したい」と2012年3月期の営業利益達成に意欲を見せました。また、大西社長は「震災の影響は収束していないが、予約状況は好調に推移している」と述べました。しかし、利用率が低下していることに警戒感を示しました。


*8月3日

@成田空港会社が会社案内を更新しています。

@都労委が企業再生支援機構の不当労働行為を認定
 東京都労働委員会は今日、日本航空の「日本航空乗員組合」と「日本航空キャビンクルーユニオン」が昨年11月にスト権確立の投票を行っていた最中に、企業再生支援機構が「撤回しない限り日航に出資しない」と交渉の席で発言したことについて、「発言は組合員に威嚇的効果を与え、組合の組織運営に影響を及ぼすもので、組合運営に対する介入と言わざるを得ない」として、不当労働行為と認定しました。企業再生支援機構に対して謝罪文の掲示などを命じました。

@ルフトハンザ航空が定期路線にバイオ燃料を初めて使用
 ルフトハンザ航空は7月15日から、ハンブルグ=フランクフルト線でA321型機のエンジン1基を、バイオ燃料と従来の燃料を半分ずつ混合した燃料を使い、1日4往復の運航を始めています。定期路線の運航にバイオ燃料を使うのは世界で初めての試み、とのことです。


*8月2日

@今年上半期の成田空港貿易額が3期ぶりにマイナス
 東京税関がまとめた成田空港貿易統計今年上半期(1〜6月)によりますと、輸出額が前年同期比(以下同じ)で7.2%減、輸入額が7.8%減となりました。輸出入共に3期(1年半)ぶりのマイナスとなりました。輸出では大震災の被害にあったIC関係が26.4%減、サプライチェーン(部品調達・供給)の寸断にあったデジタルカメラ・ビデオが28.6%減となりました。輸入では半導体メモリーなどIC関係が26.5%減となりましたが、スマートフォンは20.6%増となっています。

羽田空港の運用上の懸念を指摘した文書(英文)があります
 「蘇我生活辞典」で、「蘇我のおやじさん」が「羽田空港運用上の懸念を指摘した文書がある」と書いています。英文なので概略しか分からないのですが、南風時に千葉市上空で二つの滑走路に着陸する航空機が高度差約300mで交差する点のリスクも指摘しているようです。国土交通省は「1000フィート(約300m)の高度差があるから問題はない」としていますが、何かあった場合には対処しきれないのではないでしょうか。

@フジドリームの名古屋=青森線と名古屋=花巻線が昨日から1日1往復に
 フジドリームエアラインズは5月21日に運航を開始した名古屋=花巻線と、7月2日から運航を開始した名古屋=青森線を昨日から1日1往復のデイリー運航としました。両路線の7月31日までの平均搭乗率は名古屋=花巻線が63.8%、名古屋=青森線が84.0%と好調に推移しているようです。

@ANAサービスが欠航の場合に最大1万円の宿泊代補助
 全日空の旅行子会社である「ANAサービス」は10月以降に実施するフリープラン型ツアーにおいて悪天候などで航空便が欠航となった場合1万円を限度に宿泊費を補助するサービスを始めることになりました。また、同ツアーで、参加者が当日でも日程を変更した際に、同じツアーに申し込めばキャンセル代金を免除するサービスも始める、とのことです。

@B787型機の試験飛行でコネクターが緩み引き返す・納入の延期はない模様
 7月31日に、試験飛行中のB787型機で操縦系統のコネクターが緩み、空港に引き返すトラブルがありました。ボーイング社は他のB787型機の全てでコネクターの点検をする、とのことです。ただ、担当者は「この試験飛行中断で、納入に遅れが出ることはない」と述べています。


*8月1日

@7月のアクセス数は31,160回でした。

@フェンスの低くなった「B滑走路北端にある展望台」です
 6月29日の出来事書いたフェンスの低くなった「B滑走路北端にある展望台」を7月1日に見てきました。写真のように、高さは大人の肩ぐらいになりました。フェンスに邪魔されずにB滑走路を見ることが出来るようになりました。6月29日の写真と見比べて下さい。現在は主に着陸専用となっていますので、午前9時頃は着陸する航空機があまりありませんでしたが、今年10月20日からは両滑走路の「同時離発着」が行われるようになりますので、「いつも飛行機が見られる」状態になるのではないでしょうか。

@上半期の薬物摘発が大幅増に・成田空港
 千葉県警がまとめたところによりますと、成田空港での今年上半期の薬物摘発が過去最高の昨年を上回るペースで増えているそうです。摘発人数が80人と31人増、摘発量が140.1Kg と60.0Kg 増となっているとのことです。種類は覚せい剤が圧倒的で、今年はヨーロッパからの持ち込みが急増しています。昨年はアフリカからの持ち込みが多かったのですが、アフリカからの持ち込みには検査が厳しいとの観測から変えたようです。上半期の摘発は羽田空港が6件、関西空港が8件となっており、成田空港からの持ち込みが圧倒的になっているようです。