2009年12月後半の出来事


*12月31日

@1年間お世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

@政策投資銀行の融資枠拡大で合意
 政府の菅副総理や前原国土交通大臣らは昨日に引き続いて、日本航空再建問題で今日も会談し、日本政策投資銀行の融資枠1000億円を拡大することで、同行側と大筋で合意しました。正式には来月3日に決定します。また、企業再生支援機構が来月22日としている支援の可否判断を前倒しするように求めました。

@法的整理による債権者負担は7000億円・再生機構
 企業再生支援機構は日本航空の法的整理による債務の債権者負担が約7000億円になると試算している、とのことです。これは、私的整理による債務放棄約3000億円の2倍以上になります。

@「国際線を全日空に統合」案も・関係閣僚会議で
 今日の毎日新聞によりますと、日本航空再建の関係閣僚会議の話し合いの中で、日本航空再建の重荷となっている国際線を全日空に統合する案が出た、とのことです。これは、企業再生支援機構の支援条件が「3年以内に再建の見込みがあること」となっていることから出た話し、とのことです。しかし、国土交通省は国際線2社体制維持を強く主張している、とのことです。

@国土交通省がバードストライク対策で鳥のDNA鑑定実施
 国土交通省は航空機に鳥が衝突するバードストライク対策として、バードストライクにあった航空機の機体に残る羽や血液を使って、鳥のDNA鑑定を行うことになりました。DNA鑑定により、鳥の種類を特定してその生態から対策を考えるため、とのことです。来年1月中旬をメドにバードストライクの多い全国10空港で実施します。

@日本エアコミューター機が出発前点検で不具合が出て欠航に
 昨日午後5時頃、大阪発出雲行きの日本エアコミューター2357便・サーブ340B型機の出発前点検で、補助翼固定装置の不具合を示す警告灯が点灯しました。このため、同便は欠航となり、折り返し便も欠航しました。
 また、この路線の後続便が出雲空港の強風により欠航となったため、今朝の出雲空港発の便も欠航となりました。

@南紀白浜発の日本航空機が機体整備で欠航に
 昨日午前10時50分頃、南紀白浜発羽田行きの日本航空1382便が機体整備のために欠航となりました。


*12月30日

@日航再建問題で関係閣僚会議を2回開催
 日本航空再建支援が大詰めを迎えているようです。今日午前、関係閣僚会議が首相官邸で開かれ、夕方の6時から再度開かれる、とのことです。

@前原大臣が昨日、メガバンクトップと会談・トップは難色示す
 前原国土交通大臣と企業再生支援機構の西沢社長は昨日、日本航空取引銀行の3メガバンクトップと会談を行いました。その席で機構側から、金融債務を除く航空燃料や備品購入のための資金を保護して、運航に支障が出ないようにして会社更生法などを使った法的整理を行いつつ、機構が運転資金として数千億円の支援を行う案について説明した模様です。しかし、メガバンクトップはこの案に難色を示したようです。

@全日空・客室乗務員が公休を選ぶ勤務形態導入へ
 全日空が客室乗務員に対して、来年4月から現在は150日以上を義務づけられている公休の取得を130日以上に減らした勤務体系を新設し、どちらかを選べるようにする制度を導入する、とのことです。

@イタリア・マルペンサ空港で起爆装置見つかる
 29日、イタリア・ミラノのマルペンサ空港でチェックインカウンター近くのトイレに爆発物のような20cm×10cmの箱が見つかりました。警察が調べたところ、起爆装置と無線受信装置が入っていましたが、爆薬はありませんでした。この箱は警察が爆破処理をしました。乗客は離れたチェックインカウンターを使ったため、大きな混乱にはなりませんでした。
【コメント】10年近く前にフランスのパリに行きましたが、帰国便に乗るためにドゴール空港に行ったところ、保安検査の列が突然停止し30分ほど動かなくなりました。その後、突然、ドカンという大きな音が響きびっくりしたことがありました。後で聞いたところ、不審物が見つかり爆破処理をした、とのことでした。

@ドイツの空港で覆面警官の武器が保安検査を素通り
 ドイツ警察労働組合委員長は29日、同国空港の保安検査で覆面警察官の持ち込んだ武器のうち、空港によっては30%も素通りしたことを明らかにしました。同国ではこのような検査を定期的に実施しているとのことです。


*12月29日

「成田空港の運用時間延長に反対する声明」を発表
 成田空港運用時間延長に対する本会の立場を明らかにした「成田空港の運用時間延長に反対する声明」を出しました。

@「成田空港の地位が揺らぐことはない」と森中社長
 成田国際空港株式会社の森中社長は昨日の仕事納めで「首都圏の航空需要は中長期的には堅調で、成田の地位が揺らぐことはない。成田をよりよい空港にしていくのが私たちの使命」と職員を激励しました。

@「(運用時間延長は)出来るものなら早く実施したい」と森中社長
 成田国際空港株式会社の森中社長は昨日の仕事納め前に記者団に対し、運用時間の延長について「私どもを力強く後押ししていただける提案。地域の皆さまに納得していただける形で議論を積み上げ、できるものなら早期に実施したい」と述べました。
【コメント】「私どもを力強く後押ししていただける提案」はないと思います。色々なところから聞いたところでは「この話は成田国際空港株式会社から持ち出された」とのことですから。空港建設時の大前提で千葉県との約束でもあり、成田国際空港株式会社から言い出せるものではなかったのでしょうね。

@日本航空が成田からのベトナム線増便を検討
 日本航空は来年3月末からの夏期ダイヤで成田=ハノイ線と成田=ホーチミン線を増便する方向で検討しているそうです。日本とベトナムの航空需要が堅調に推移しているのが理由とのことです。成田=ハノイ線は現在の週3便から7便へ、成田=ホーチミン線は現在の週6便から7便に増便する方向、とのことです。ベトナム航空も成田線の増便を明らかにしています。

@日航再建特別立法で公的資金を年金積み立てに使用できない規定
 国土交通省は日本航空への適用を睨んだ航空会社への特別立法で公的資金を年金積み立て不足に使えないようにする規定を盛り込むことにしている、とのことです。また、申請した航空会社で社員やOBの3分の2の同意が得られなくても、減額できるようにする、とのことです。また、申請した航空会社向けの金融機関の融資に対して政府保証を付けるための仕組みを盛り込む、としています。特別立法は来年の通常国会に提出する予定です。

@日本航空の3労組が減額受け入れの意向
 
日本航空が昨日明らかにしたところでは、JAL労組と日本航空機長組合、日本航空ジャパン労働組合の3組合が年金減額の受け入れに前向きの姿勢を示した、とのことです。最終的には社員個人の判断になりますが、この3労組の組合員は現役対象者の6割を超えることになり、減額が認められる可能性が高くなった、とのことです。

@来年の海外旅行者数は8.9%増・JTB予測
 JTBが昨日発表した来年の旅行動向予測によりますと、来年の海外旅行者数は今年の見込みに比べて8.9%増の約1680万人とのことです。円高やオリンピックや成田空港と羽田空港の容量拡大が寄与する見込み、とのことです。また、訪日外国人数は同17.2%増の約790万人を見込んでいます。

@豪・ノーザンテリトリーで深刻なニアミスか
 オーストラリア運輸安全局は28日、ノーザン・テリトリー上空で先週発生したヴァージンブルー機とキャセイ航空機との異常接近事故について調査していることを明らかにしました。「航空機同士の安全間隔についての基準が検討されることになる。」と述べています。


*12月28日

@「さくらの山」に乗り入れ航空機の写真を掲示
 成田市や成田国際空港株式会社は成田市の「さくらの山」に成田空港に乗り入れる会社の航空機を見分けられるようにする掲示板をこのほど設置しました。写真はターミナル毎、所属する航空連合毎に表示されています。「さくらの山」はA滑走路の北端近くにあり、成田空港を展望できる人気スポットになっています。

@企業再生機構が日航再建で2案を金融機関に提示
 「企業再生支援機構」が日本航空再建について、会社更生法を適用した法的整理と債務放棄を軸とした私的整理の2案を金融機関に提示していることが分かりました。法的整理の方が透明性が高く債務の削減やリストラを進めた上で、機構が支援するという構想のようです。しかし、金融機関側は債権放棄額が膨らむことから難色を示しており、政府部内でも法的整理に慎重な意見があり、流動的なようです。

@全日空社長が提携後の運賃引き下げに慎重姿勢
 全日空の伊東社長は読売新聞のインタビューに答え、ユナイテッド航空とコンチネンタル航空との提携で米独占禁止法の適用除外が認められた場合、欧州の航空会社が行っているような1社での航空券販売をするかどうかについて「検討はこれから」と述べました。また、提携でコスト削減が出来るわけですが、利用者に運賃引き下げで還元するかどうかについては明言を避けた、とのことです。また、今後の国際線について「乗り入れていないインドネシアやマレーシアへ路線を拡大するかは今後の検討課題」としました。


*12月27日

@説明を聞いてきました
 今日午前中に成田国際空港株式会社の本社に行き、25日に行われた四者協議会で提示された資料の説明を聞いてきました。詳しい内容は後ほど報告します。とりあえず、30万回時の騒音予測コンター図のみ別ページで載せておきます。

@前原大臣が品川=羽田空港の新幹線を打診も断られる
 前原大臣は今日午前中のテレビ番組で、JR東海に品川駅から羽田空港までの新幹線の新設を打診しましたが、JR東海から断られたことを明らかにしました。しかし、今後も実現を目指す意向を表明しました。

@日本エアコミューター機が発電機故障で引き返す
 昨日午後6時頃、鹿児島発種子島行きの日本エアコミューター3775便・DHC8-400型機が種子島空港に着陸しようとしたところ、発電機1基のトラブルを示す警告灯が点灯しました。このため、同機は点検のため、鹿児島空港に引き返しました。この便と折り返し便が欠航となりました。

@NW航空機内で発火物テロ・取り押さえられる
 25日正午頃、アムステルダム発デトロイト行きのノースウエスト航空253便・A330型機がデトロイトのメトロポリタン国際空港への着陸態勢に入ったところ、乗客のナイジェリア国籍の23才の男が爆発物とみられるものに火を付けました。火花が上がりましたが、周囲の乗客などが取り押さえ、飛行機は無事に着陸しました。犯人と乗客の数人が軽傷を負いました。この男の父親は「過激な宗教思想に傾倒している」として1ヶ月ほど前にナイジェリアの米国大使館に相談しており、米国でマークしていました。男は注射器でペンタエリトリトールと言う爆発性の高い液体を、足に巻いた粉末に注射して爆発させようとした、とのことです。しかし、このマークされていた人物がどうして米国入国できたのか、何故、足の爆発物を空港の検査をすり抜けて機内に持ち込めたのか、など分からないことが多いようです。男はアルカイダと関連があるとの供述をしているそうです。
 これを受けて、日本国内の空港でも米国行き路線の乗客に対する保安検査が厳しく行われており、空港では「早めに空港に到着するように」と呼びかけています。

@スワンナプーム空港で放射性物質の容器が壊れる
 25日、タイのスワンナプーム空港の貨物エリアで米貨物航空会社のフェデラルエクスプレス機の荷物が破損し、非破壊検査に使われる放射性物質IR-192が漏れました。作業員6人が被爆した可能性がある、として検査を受けましたが、幸い被爆はありませんでした。


*12月26日

@75W 以上の地域は1%減に・開港時の約束を変更して回数増
 昨日開かれた「成田空港四者協議会」の内容を、つかめる範囲で個条書きにします。
◎同時離陸は安全上出来る。ただし、両滑走路離陸機の間隔を監視する要員を配置する。また、悪天候時については今後対策を検討する。
◎南に離陸する場合、両滑走路離陸機の離陸後の間隔を確保するために、混雑時(主に午前中と夕方)には高度6000フィート(約1830m)を超えた時点で、飛行コースを左右に振り、間隔を広げる。(千葉県との約束では騒音地域を狭くするため『九十九里浜から利根川までは直進上昇、直進降下する』となっている)
◎混雑時にシベリアや北海道など北から来た飛行機が南側から着陸する場合は、旭市・東庄町・銚子市などの陸域でも6000フィート以下に高度を下げ始めることにする。(千葉県との約束で、騒音対策のために『離着陸直前の場合以外は県内陸域通過は高度6000フィート以上とする』となっている)
◎1時間あたりの発着回数を両滑走路共に30回とする。午後10時台は両滑走路とも10回とする。
◎地元の合意を前提として、「への字」誘導路の改修や、同時離発着で2011年度に年間発着回数を25万回に出来る。
◎地元の合意を前提として、新誘導路を完成させ、2012年度に年間発着回数を27万回に出来る。
◎地元の合意を前提として、スポットや燃料タンクの増設などが出来れば、2014年度に年間発着回数を30万回に出来る。
◎需要があれば第1ターミナル・第2ターミナルをつなげて、格安航空会社用のターミナルを建設する。
◎機材の小型化や低騒音かにより、23.5万回コンターに比べ、30万回コンターは第1種地域(75WECPNL以上)が約1%減る。地域は縦が短くなるが、滑走路に近い地域では航空機の上昇性能が向上するために、幅が広くなる。
◎北向き・南向きの滑走路利用率は23.5万回コンターでは50対50にしていたが、実績から30万回コンターでは55対45とした。
◎騒音対策として(1)学校や民家の防音施設・設備を恒久化する、(2)周辺対策交付金を充実させる、(3)地デジ対策を行うなど、従来からの課題となっている16項目を解決する。
【コメント】明日午前中に成田国際空港株式会社本社に行き、四者協議で行われた説明と同じ説明を受け、資料もいただくことになっています。詳しい図面などがあれば、明日以降に載せます。

@地元の反応は?
 成田市の小泉市長は「騒音区域が広がらず良かった」と評価しましたが、芝山町の相川町長は騒音範囲が狭まる予測について、「精査した上で、きちんとした方策を示さなくてはならない」と慎重な姿勢を見せました。
 成田市久住地区に暮らす男性は、今回のコンター縮小の理由になっている機体の低騒音化について、「低騒音機でもうるさいことに変わりはない。それを我慢して暮らしている人間がいることを考えてほしい」と話し、芝山町の住民は移転区域に入らなかったことにがっかりし、「この機会を逃したら我々は一生移転できないのではないか」と危機感をあらわにしました。

@観光庁長官が交代
 政府は昨日の閣議で、本保観光庁長官が退任し、1月4日付で、サッカーの大分トリニータの前代表だった清畑宏氏を任命する人事を決定しました。前原国土交通大臣は閣議後の記者会見で「本保氏に瑕疵があったわけではないが、来年は観光にとって『有限実行』の年で、清畑氏は必要な存在」と述べました。
【コメント】「瑕疵があったわけではない」と言うことは、換える理由がないことになりますね。前原大臣の気分に逆らったのでしょうか。


*12月25日

@今日午後「30万回」説明の四者協議会
 成田空港四者協議会が今日午後開かれ、成田国際空港株式会社が「年間発着回数30万回についての予測コンター」などについて説明をすることになっています。これを受けて、成田市と芝山町は28日に議会の全員協議会を開催する、とのことです。

@成田国際空港株式会社のあり方を再検討へ・国土交通省
 国土交通省は新政権の方針を受けて、成田国際空港株式会社への姿勢を再検討することになるようです。民間の成田空港会社に対する出資を「20%未満にする」とした成田空港会社法の改正案が今年の国会では廃案になりましたが、来年の通常国会への再提案を見送ることにしました。これに伴い、来年度に上場する、としていた成田空港会社の株式上場も2011年以降に見送るようです。来年6月に予定されている、前原大臣が設置した有識者会議での報告を待って方針を決めることになるようです。

@前原大臣が藤井大臣の発言を暗に批判
 前原国土交通大臣は今日の閣議後の記者会見で日本航空の再建問題について「藤井財務相が(日航の融資への)政府保証をしないとおっしゃったことに対しての動揺が広がっていると聞いている」と述べ、暗に批判しました。その上で、「法的措置の検討は継続する」と強調しました。政府の保証見送りについて内外の金融機関から日本航空に対して問い合わせが相次いでいる、とのことです。
【コメント】新政権の内部で日本航空再建について、明らかに意見の相違があるようです。新政権内部での主導権争いが激しくなっているのでしょうね。前原大臣も相当な「目立ちたがり屋」ですから。またまたの政治家の権力争いのとばっちりで、日本航空再建がどこかに吹っ飛ばなければよいのですが。中には「日本に航空会社は1社で良い。」と言っている方もいるようですから。

@企業再建機構の融資枠が3兆円に
 政府は今日、企業再生支援機構が支援企業に出資・融資を行う場合の政府保証枠を、来年度から現在の2倍の3兆円に拡大することを決めました。

@日本航空の安全アドバイザリーグループが提言提出
 日本航空に対し安全に関する考え方を助言してきた外部委員でつくる「安全アドバイザリーグループ」は今日、2回目となる提言を西松社長に提出しました。提言では西松社長を先頭とする現経営陣が直接現場に声をかける取り組みなどを評価しています。グループの座長を務める柳田邦男氏は日本航空の現状に対し「航空輸送にかかわる企業はどんな危機に陥ろうと、航空の安全、乗客の安全だけは守り抜かなければならない」と述べました。

@日本航空機が空調装置不具合で引き返す
 昨日午後3時25分頃、名古屋発長崎行きの日本航空4357便・CL-600-2B19型機が離陸したところ、空調装置が不調になり、引き返しました。乗客は代替機で4時20分過ぎに長崎に向かいました。


*12月24日

@A滑走路南端保安用地買収終わる・岩山団結小屋の撤去は見通しなし
 今日の共同ニュースによりますと、A滑走路南端の、本来なら進入灯や無線施設を設置するはずの航空保安用地の買収が完了した、とのことです。元反対派地権者の土地約234平方メートルになります。成田国際空港株式会社は「A滑走路が南側着陸の場合でも4000m使えるように整備したい」としていますが、ここには使用禁止になっているとはいえ、岩山団結小屋がありこの撤去に見通しは立っていません。この保安用地は建設の際に、強制収用の対象に入れることを忘れてしまい、強制収用できなくなったもので、このために、南側着陸の場合は3250m滑走路として使っているものです。

A滑走路南端。右の鉄塔が岩山団結小屋。滑走路端でも着陸機の高度はかなり高い
@来年の税制改正に成田空港の固定資産税減率幅拡大を要請・国土交通省
 国土交通省は昨日発表した、来年度の税制改正への要望の中で、成田国際空港株式会社が所有している業務用地の固定資産税減額率を、現行の3分の2から4分の3に拡大すること、また、適用期間を2年間延長する事を盛り込みました。「年間発着回数30万回」に向けた設備投資を確実に実施するため、としています。

@年収2万ドルでアルバイトをするパイロットがいっぱい・「キャピタリズム」を見る
 マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー新作「キャピタリズム」を見てきました。「1%の富豪が、95%の貧困層の富よりも多くの富を持つ」アメリカの現状が、描かれていました。「規制緩和」が「もうけるためには、どんなことをしても良い」と言う「規制緩和」であり、青少年の矯正施設の民営化で、判事と結託して些細な非行を起こした少年・少女を5分程度の審判で有罪として施設に送り込み、収用期間を勝手に延長して大もうけする者や、中小企業への融資を突然打ち切り、工場を直ちに閉鎖して、3日間の事前通告で退職金もなしに労働者を解雇する銀行、本人に了解なしに従業員に多額の保険金をかけて、従業員の死亡で大もうけする企業、政府から多額の資金援助を受けてながら1億ドル以上の賞与を受け取る金融機関役員など、大企業の「やりたい放題」を描いています。
 この中で、「規制緩和」の嵐が吹き荒れた航空業界の現状も描かれています。格安航空会社のパイロットの年収が2万ドル(約180万円)以下で、パイロットが仕事休みにウエイトレスなどのアルバイトをしているようすが描かれています。パイロットになるための奨学金は9万ドルにもなり、これを返すあてもありません。今年1月15日に、バードストライクで制御不能になったUSエアウエイズ1549便をハドソン川に見事に不時着させ、155人の乗客の命を救ったサレンバーガー機長も登場し、議会証言で「年収2万ドルでは飛行の安全は保てない。」「現状では、子供にパイロットになることを勧めるパイロットは、大げさではなく、一人もいないだろう。」と述べています。
 ただ、ムーア監督は悲劇的な面だけを描いているわけではありません。3日間の事前通告で解雇された労働者たちが、工場に籠城し、地域の支援もあって銀行側から退職金を支給させたようすや、サブプライムローンが払えずに追い出された家に支援を受けて戻り、地域の人たちの支援で警察や不動産業者も手が出せず、住み続けることになった人や、全員が経営者で全く同じ給与で経営して成功している例なども描いています。
 日本の前政権や今の政権が財界の後押しで進めようとしている「規制緩和」や「航空自由化」が、このような「間違った米国の道筋」を真似ようとしているように思えてなりません。

@ジャマイカでの事故はオーバーラン
 ジャマイカでのアメリカン航空331便・B737型機の事故はオーバーランでした。機体は3つに割れています。負傷して病院に搬送された人は乗客・乗員154人の内98人との報道もあります。死者はいませんでした。


*12月23日

@年金減額特別立法提出を見送りへ
 国土交通省は昨日、日本航空の年金減額を強制的に行う法案を来年の通常国会に提出しないことを明らかにしました。理由として、日本航空の意向調査で、3分の2の同意を得られる可能性があることと、財務省が日本政策投資銀行の日本航空に対するつなぎ融資への政府保証を見送ったことから年金減額を条件とする必要がなくなったことが上げられます。
【コメント】昨日の政府保証見送りで、日本航空再建の筋道が流動的になったように感じます。今後の融資に金融機関がどのように応じるのでしょうか。法的整理の可能性も強くなるのはないでしょうか。

@全日空が今日にも米国の独禁法除外申請
 全日空は今日にも米国司法省に対して、太平洋路線でのユナイテッド航空とコンチネンタル航空との業務提携に対する米独禁法除外申請を行うとのことです。

@日本エアコミューター機が防氷装置不具合で2便欠航
 今日午前8時30分頃、大阪発出雲行きの日本エアコミューター2341便・サーブ340B型機が飛行中に、右エンジンの防氷装置の不具合を示す警告灯が点灯しました。同機はそのまま飛行を続け出雲空港に無事着陸しました。点検したところ、防氷装置の部品に故障が見つかりました。このため、この機体を使う予定の後続2便が欠航となりました。

@フジドリームエアラインズが25日まで静岡=熊本便を運休
 フジドリームエアラインズは落雷を受けた機体の修理が長引いているため、今日から25日まで静岡=熊本線の全便欠航とすることを明らかにしました。修理の状況によっては26日以降の欠航もある、とのことです。

@ジャマイカでアメリカン航空機が着陸に失敗・40人が負傷か
 22日夜、カリブ海・ジャマイカの首都キングストンの空港でワシントン発マイアミ経由のアメリカン航空機が着陸に失敗しました。当時、激しい雨が降っており、機体は2つに割れた、との情報もあります。乗客約40人が負傷したが死者はいない、との情報もあります。

@米国国内線の3時間以上の機内待機を禁止へ
 米国運輸省は21日、国内線の旅客機が空港の駐機場などで乗客を3時間以上機内に缶詰にすることを原則的に禁止する、と発表しました。違反した場合は航空会社に多額の罰金を課す、とのことです。ただし、ターミナルに戻って乗客を降ろすことが空港の安全性を阻害する場合は認める、とのことです。また、2時間以内の機内待機の場合は適切な食料や飲料水の提供と、トイレの使用を認めることを求めています。この規定案の実施は4ヶ月後になります。

@米司法省がアメリカンとBAの大西洋路線提携に条件
 米国司法省は21日、アメリカン航空とブリティシュ・エアウエイズの大西洋路線における業務提携に対し、米国の独禁法除外申請が認められるためには両社の一部の発着枠か路線の他社への譲渡が必要、との見解を明らかにしました。

@スペインの格安航空会社が運航停止・7000人が足止め
 スペインの格安航空会社「エアコメット」が21日、突然運航を停止しました。リース料の滞納などで21日にイギリスの裁判所から運航停止を命じられ倒産したものです。スペイン政府も22日、同社の運航許可を取り消しました。負債総額は約1億ユーロ(約130億円)になります。突然の運航停止で中南米とスペインで約7000人の乗客が足止めとなっています。


*12月22日

@11月運用状況・旅客と貨物が前年を上回る
 成田国際空港株式会社が今日発表した成田空港の「11月運用状況」によりますと、国際線旅客は前年同月比4%増となりました。国内線も同22%増となっています。また、貨物量は積込(輸出と仮陸揚)が同20%増、取卸(輸入と仮陸揚)が同8%増となりました。旅客は4ヶ月連続のプラス、貨物量は2ヶ月連続のプラスになりますが、2007年水準には、まだかなりの開きがあります。発着回数は同4%減、給油量は同7%減となっています。

@反対同盟北原派が運用時間延長に反対声明
 反対同盟北原派は昨日、成田空港圏自治体連絡協議会が要請した成田空港の運用時間延長について反対する声明を出しました。声明では「住民の命と暮らしを空港に差し出すこれらの言動は自治体としての自殺行為であり、地元住民を攻撃する暴挙」としています。

@第1回「成田空港緊急戦略プロジェクト会議」開催
 千葉市で昨日、第1回「成田空港緊急戦略プロジェクト会議」が開かれました。冒頭、森田知事は「最近、ハブ化など羽田空港に話題が集中し、このままでは成田空港は取り残される。千葉から国に提言していかなければいけない」と活発な議論を求めました。会議には成田空港関係者・地元首長・経済団体などが参加し、全日空は深夜・早朝の発着枠の増加だけではなく、1時間あたりの発着回数を増やして欲しいと要望し、日本航空は国内線を拡充し、現在就航している主要都市だけでなく、地方の中核都市にも就航して乗り継ぎの利便性を向上させる意向を表明しました。

@カタール航空が4月26日から成田=関西=ドーハ線を運航へ
 カタール航空は20日、来年4月26日から、現在運航している関西=ドーハ線を成田=関西=ドーハ線に延長して、週7便のデェイリー運航にすることを明らかにしました。

@フジドリームエアラインズ機が落雷で損傷・修理で今日・明日の8便欠航
 20日、静岡発小松行きのフジドリームエアラインズ機が小松空港上空を待機旋回中に落雷を受けました。この落雷で機体が損傷し、この修理のために今日と明日の静岡=熊本線の全便欠航を発表しました。修理が長引いた場合は24日の運航にも支障が出る恐れがある、とのことです。

@日航融資への政府保証は来年度予算にも盛り込まず
 藤井財務大臣は今日の閣議後の記者会見で、日本航空の再建を支援する融資に対する政府保証約7000億円を来年度予算に盛り込まないことを明らかにしました。先月の5閣僚の文書について藤井大臣は「文書には『検討する』と書いてあるが、『やる』とは書いていない」と述べました。
 一方、前原国土交通大臣は閣議後の記者会見で「100%国が出資する政策投資銀行と公的機関の企業再生支援機構が支援することで、広い意味での政府保証と言える」と述べ、「日本航空機が飛ばないような事態は作らないことで、5閣僚は一致している」と述べました。しかし、当初は第2次補正予算に盛り込むことも検討されたもので、明らかな方針転換になります。

@11月の日本人出国者が微増・訪日外国人が16ヶ月ぶりにプラスに
 日本政府観光局(JNTO)が明らかにしたところによりますと、11月の日本人出国者数は前年同月比で0.7%の微増になりました。これで4ヶ月連続の前年同月比プラスになります。また、訪日外客数は同2.1%増となり、こちらは16ヶ月ぶりのプラスとなりました。韓国と中国からの訪日客が同10%超の増加となっています。

@全日空がB777型機を5機・B767型機を5機発注へ
 全日空は昨日、新たにB777-200ER型機を5機、B767-300ER型機を5機発注することを決めました。B777-200ER型機はB747-400型機の後継機で、B767-300ER型機は納入が遅れているB-787型機の代替機となります。B777-200ER型機の納入は2012年度〜2013年度に、B767-300ER型機の納入は2010年度〜2011年度になります。


*12月21日

@スカイマークが国際線発着枠配分で前原大臣に文書を提出
 スカイマークは9日付で、前原国土交通大臣に対して「(1)羽田、成田両空港から台北、上海、北京に就航できない、(2)来年秋に拡張される羽田の日中の国際線発着枠の配分を受けられない」などとして、「日本航空再建を主導する一方、新興航空会社への国際線発着枠配分割り当てを制限している」姿勢を「恣意的な差別」と批判した文書を提出していたことが分かりました。

@歴代6社長が退職慰労金一部返還に同意
 日本航空の西松社長は今日、歴代社長ら6人に求めていた退職慰労金の一部返還について「理解いただいていると思っている」と述べ、全員から内諾を得ていることを明らかにしました。

@北海道エアシステム機がスロットレバー不具合で引き返す
 昨日午後2時頃、新千歳発釧路行きの北海道エアシステム2729便・サーブ340B型機が帯広市付近を飛行中にエンジンの出力を調整するスロットレバーに不具合が発生しました。このため、同機は新千歳空港に引き返し、無事着陸しました。スロットレバーがスムーズに動かなくなった、とのことです。


*12月20日

@「約束事を一部見直すことが出来るか問いかけたかった」相川町長
 今日の読売新聞によりますと、「運用時間制限延長」などを提案した芝山町の相川町長は同紙の取材に対して「世界的な視点に立って空港の発展を考える時期が来ており、(地元との約束事の)一部を見直すことが可能かどうか、問いかけてみたかった」と語り、「シンポ・円卓の約束事のなし崩しは望んでいない」としています。また、成田国際空港株式会社が騒音対策をしっかりとする事が前提となり、「成田国際空港会社から納得できる答えが返ってきたら、地元に説明する。納得できない回答ならこの話はなくなる」と語りました。
【コメント】「約束のなし崩し的な廃棄」に端緒を開く可能性があるのが今回の提案です。その責任は大きいと思います。また、「騒音対策をしっかりとやる」と言いますが、現在、国が基準としている騒音対策では音を完全に防ぐことは出来ません。従って、「静かな時間が5時間」では住民の健康への大きな影響は避けられません。

@全日空のDHC8-400型機で車輪のバネが折れる
 昨日午後6時5分頃、出発前点検をしていた米子発中部行きの全日空1842便・DHC8-400型機で右車輪の2本あるバネの内の1本が折れているのが見つかりました。このため、同便は欠航となりました。

@オリエンタルエアブリッジ機に落雷・2便欠航
 今日午前10時30分頃、福江発長崎行きのオリエンタルエアブリッジ22便・DHC8型機が離陸直後に落雷に遭いました。計器に異常が出なかったため、同機はそのまま飛行を続け長崎空港に無事着陸しました。点検したところ、機体2か所に焦げ跡が見つかりました。このトラブルで長崎=対馬線の2便が欠航となりました。

@航空自由化は何をもたらすか(私見)
 前原国土交通大臣は「航空自由化」の信奉者のようです。「航空自由化」が日本の航空界に革命をもたらすかのように言います。その最大の効果は「国際航空運賃の引き下げ」と言います。しかし、学者の論評でも「当面、運賃は下がらない」と言うのが一般的な見方です。と言うのは、全日空が進めているようなユナイテッド航空やコンチネンタル航空との日米路線の業務統合によっても、ダイヤや乗り継ぎが効率化されることにより、結果的に提供座席が減ることになります。この結果、今は安売りされている空席が少なくなり、座席の価格が下がらない、と言うのです。航空会社にとっては無駄な座席が少なくなることは利益率が高くなることにつながり、大変良いことですが、利用者にとってはつらいことになります。「やがては、格安航空会社が参入して運賃は下がる」と言うことですが、長距離路線に参入するには長距離型の航空機調達など大きな投資が必要になり、おいそれと参入できるものではありません。
 もし、格安航空会社が参入すると、今度は価格破壊になり、その結果、合理化で航空会社に勤務する人の賃金が極端に引き下げられ、また、整備などの安全にかけられる費用が削られることになります。利用者は安い運賃と引き替えに安全上のリスクを背負うことになりはしないでしょうか。
 今から10数年前の本になりますが、デンバー大学法学部教授ポールスティーブンデンプシー氏等が書いた「規制緩和の神話」という本があります。この中で、米航空業界が「規制緩和」・「航空自由化」のもとでどのような状況に置かれたか、詳細に述べています。現在でも、この余波は続いており、体力のなくなった米航空業界は倒産、再生を繰り返しています。是非、読んで下さい。


*12月19日

@JR武蔵小杉駅に成田エクスプレスが停車へ
 来年3月13日に開業することになった川崎市のJR武蔵小杉駅に成田エクスプレスが1日26往復停車することが分かりました。成田空港まで約1時間20分で結ばれることになります。

@茨城空港の新滑走路に異物混入・補修作業が2月末まで
 国土交通省が昨日明らかにしたところによりますと、来年3月に開港する茨城空港の新滑走路表面やアスファルトの中に異物が混入していることが分かり、航空機のタイヤをパンクさせる恐れもあることから、全面的な改修作業を行うことになりました。異物は滑走路表面で69個見つかり、242か所では内部に金属反応があったとのことです。滑走路の造成中に何らかの原因で異物が混入したものとみられ、業者の責任で補修工事をすることになりました。費用の約7億円は業者が負担します。作業は2月末までかかる見込みですが、「開港には間に合う」とのことです。昨年12月の国土交通省による完成検査では発見されなかった、とのことです。
【コメント】国土交通省は「このような杜撰な工事は初めてだ」と困惑しているそうですが、完成検査もずいぶんと杜撰なものなのですね。

@キャセイ航空機がエンジン故障で関西空港に臨時着陸
 昨日午後6時15分頃、サンフランシスコ発台北経由香港行きのキャセイ航空879便・B747型機でエンジン1基が不調になり、関西空港に緊急着陸を要請し、無事着陸しました。

@大阪空港に犬が入り込み1時間10分かけて追い出す
 今日午前7時30分頃、大阪空港の敷地内に犬が侵入しているのを警察官が発見しました。犬は滑走路付近などを徘徊し、4台の車で約1時間10分後に空港敷地外に追い出しました。航空機の運航に支障は出ませんでした。

@OBの年金減額意向確認投票回答は来月12日締め切り
 日本航空はOB約8800人に年金減額に同意するかどうかの回答を求める正式な意向確認の投票を来週から郵送で始めます。回答期限は来月12日としています。現役の投票も来週から始めます。
 また、日本航空は社長経験者などを特別顧問や名誉顧問として処遇している制度を廃止します。これは、業績不振の経営責任を過去にさかのぼって明確にする狙いがあります。このうち、6人には退職慰労金の一部返還を求めます。

@関西空港補給金が75億円で決着
 事業仕分けで見送りとされた来年度の関西空港補給金を75億円とすることで財務省と国土交通省の間で合意しました。

@年末年始の航空予約・国際線は全日空が7.1%増、日航は11.6%減
 昨日航空各社が発表した年末年始期間の航空旅客予約状況によりますと、国内線は高速道路料金1000円の影響があり、全体で前年同期比5.4%減となっています。国際線は全日空が同5.4%増となっているのに対して、日本航空は同11.6%減となっています。それぞれの提供座席の増減も影響しているものと思われます。

@神奈川県が羽田空港無利子貸付金凍結を解除
 神奈川県は昨日、国土交通省が「羽田空港臨空都市懇談会」を28日に開催することにしたことを受けて、凍結していた羽田空港再拡張に対する、昨年度の国への無利子貸付金19億円の支払いを行う、と発表しました。

@豪政府が編み針や爪切りの機内持ち込みを認める
 オーストラリア政府は18日までに、米同時多発テロ以降実施していた機内への持ち込み制限を緩和し、編み針や爪切りの持ち込みを許可しました。また、機内食の金属製スプーンなどの使用も許可しました。


*12月18日

@「運用時間延長」は成田空港会社から持ち出された?
 複数の筋から伝わってくる話によりますと、今回の「成田空港運用時間帯延長」「午後10時台の便数制限撤廃」などの話は、どうも成田国際空港株式会社から持ち出されたようです。相川町長も15日の全員協議会で議員からの「これだけ大きな問題だから、あなたの考えとは思えない」との質問に対して、「半分あたっている」と答えています。

@「30万回合意は来年10月までに」県空港地域振興課長
 千葉県議会は昨日、総合企画水道常任委員会を開きましたが、その席で空港地域振興課長は成田空港の運用時間延長問題や午後10時台の便数制限撤廃を成田空港圏自治体連絡協議会が要請したことについて「重大な局面を迎えているという思いが地元にはあるのだろう。関係者で十分に協議して欲しい。」と述べました。また、「30万回」についての合意について「来年10月までには地元の理解を得たい。」と述べました。

@共生財団の資金は2014年度で枯渇
 千葉県は昨日開いた総合企画水道常任委員会で成田空港共生財団の資金が昨年度末で約24億円に減り、このままで行くと2014年度には枯渇してしまうことを明らかにしました。共生財団は成田空港周辺の騒音測定のまとめなどを行っています。

@成田=イスタンブール線を3月28日から週6便に・トルコ航空
 トルコ航空は成田=イスタンブール線を来年3月28日から週2便増便して、週6便とすることを正式に発表しました。

@ニューギニア航空が成田=ポートモレスビー線を週2便へ
 ニューギニア航空は来年3月31日から現在週1便で運航している成田=ポートモレスビー線を週2便にすることを明らかにしました。

@成田空港の10月輸出入がかなり回復・東京税関
 東京税関が先月発表した「成田空港10月分貿易概況」によりますと、輸出金額は前年同月比8.1%減、輸入金額は同16.8%減となりました。しかし、積卸貨物トン量は輸出が同4.6%増・仮陸揚が同5.6%増となり、輸入が同1.1%減・仮陸揚が同13.2%増となっています。2007年水準にはまだ差がありますが、回復基調が定着しつつあるようです。

@4〜9月の軽微なトラブルは411件・昨年よりも約50件減少
 国土交通省は昨日、「第6回航空安全情報分析委員会」を開き、今年4〜9月に起きた、航空機の軽微なトラブルの件数が昨年同期よりも約50件少ない411件だったことを明らかにしました。整備不良など「システムの不具合」が主に減少しました。また、「条件が重なれば、事故を誘発しかねない」トラブルは22件でした。航空機事故は羽田空港での尻もち事故で機体後部を大破したものの1件、重大インシデントは大阪空港での着陸機のある滑走路を無許可で横切った1件となっています。また、航空機衝突防止装置(TCAS)による回避操作を行ったものが115件、対地接近警報装置(GPWS)による回避操作を行ったものが9件となっています。
【コメント】昨日・今日と国土交通省のホームページがアクセスできない状態になっているようです。ハッカーにでもやられたのでしょうか。

@シンガポール航空が来年10月に羽田=シンガポール線を週14便計画
 シンガポール航空は来年10月の羽田空港発着枠拡大を受けて、羽田=シンガポール線を週14便運航する計画を進めている、とのことです。

@「羽田空港臨空都市懇談会」28日に初会合
 国土交通省航空局はこのほど、「羽田空港臨空都市懇談会」を設置し、28日に第1回会合を開くことを明らかにしました。この懇談会では羽田空港の再拡張や国際化の効果を周辺自治体が享受し、相互発展させることを目指すものとのことです。

@全日空がマイレージを同居家族で合算できるサービス開始へ
 全日空は16日、来年4月から同社のマイレージ会員と同居する家族を対象とした「ANAカードファミリーマイル」を始めると発表しました。このサービスは同居する家族のマイレージを合算でき、特典航空券などに交換できるサービスです。

@フランス・タレス社のピトー管に問題と報告
 フランスの航空機事故分析事務所は17日、6月に大西洋に墜落したエールフランス機に採用されていたタレス社のピトー管について「安全テストで高々度を飛行中に問題がみられた」として、耐空証明基準を改善するように勧告しました。ピトー管の中が氷結すると速度を測れなくなり、自動操縦装置が機能しなくなる、とのことです。事故の原因がこのピトー管にあるとは言っていませんが、かなりの疑いがあることを事実上認めたことになります。

@BAの年末年始ストに中止命令・ストは回避に
 ブリティシュ・エアウエイズの労働組合「ユナイト」が年末年始に計画していた12日間のストライキについて、経営側が差し止め命令を申し立てていた件で、イギリスの高等法院は17日、経営者側の申し立てを認めました。これにより、ストライキは出来ないことになりました。

@大韓航空がB747-8旅客型5機発注
 大韓航空は18日、ボーイング社と次世代大型旅客機・B747ー8型機を5機購入することで契約を結んだことを明らかにしました。2013年〜2015年にかけて納入されます。


*12月17日

@成田市議会で全員協議会開催・運用時間延長問題で
 成田市議会は今日、全員協議会を開き成田空港圏自治体連絡協議会での「運用時間延長要請問題」で説明と質疑応答がありました。議員からは「騒音地域住民や市民に何の相談や意見を聞く機会も持たないまま、『地元の要請』とするのは言語道断。要請を撤回せよ。」との意見も出ました。

@京成電鉄が成田新高速鉄道の運賃を申請
 京成電鉄は昨日、「成田スカイアクセス」(成田新高速鉄道・高砂=成田空港)の運賃を国土交通省に申請しました。それによりますと、高砂=成田空港間の普通運賃は950円となります。これも含めて、京成上野=成田空港間の普通運賃は1200円となります。ただし、高砂=印旛日本医大間の運賃がが値下げされれば、それにつれて、全体の運賃も下がることになるそうです。また、成田スカイアクセスの開業後も、京成本線は京成上野=成田空港間に特急を1時間に最大3本、快速などを含めて1時間に最大9本を運航する、とのことです。

@全日空社長「成田の便利な時間帯が使えるよう要請している」
 全日空の伊東社長は今日の記者会見で、来年3月増枠後の成田空港のダイヤについて「便利な時間帯を全日空が使えるよう、国土交通省に要請している。」と語りました。これは、外国の日中に到着できる“便利な時間帯”が既得権として日本航空に多く与えられていることに対して、これを是正するように求めたものです。

@アメリカンCEOが前原大臣と会談
 日本航空の支援を表明している米アメリカン航空のCEOは昨日、前原国土交通大臣を訪ねて会談しました。CEOは会談後、内容は明かさなかったものの「有意義な会談が出来た。」と語り、デルタ航空が日本航空と共に米国の独禁法除外申請を行った場合には「強行に異議を唱える。」と述べました。この会談について前原大臣は今日の記者会見で「独禁法について長々と話を聞かされた。」と述べました。
【コメント】前原大臣という人は思い込みの激しい人のようですね。好き嫌いのはっきりした人のようです。よく言えば、「良い意味での頑固な人」と言うことになるのでしょうか。ただ、あまり頑迷に自分の考えに固守するあまり、「堀江メール問題」の時のようにならないと良いのですが。

@空港整備会計の見直しは先送りに
 前原国土交通大臣は今日の記者会見で、「年内に見直す」としていた空港整備会計について、「財務省との話が煮詰まっていない。」として来年に先送りすることを明らかにしました。来年度予算に反映することも先送りになるようです。

@今年の海外旅行者は3.3%減の予想・JTB予測
 JTBは昨日開いた「旅行動向シンポジュウム」で2009年の日本人海外旅行者数が前年度比で3.3%減となる見込みであることを明らかにしました。しかし、夏の予測よりも約25万人増えています。2010年は同7.4%増の約1660万人と予測しており、「旅行マインドは底を打ち、戻りかけている」としています。しかし、旅行単価は回復せず、厳しい状況は続く、としています。

@静岡県知事が日航に支援金支払い拒否を通告
 静岡県の川勝知事は今日、日本航空の西松社長に対して搭乗率が7割を切った場合に支払う、と約束した運航支援金の支払いを拒否することを通告しました。理由として、日本航空が来年4月からの静岡=福岡線の撤退を正式に発表したことを上げています。これに対し、日本航空側は反発しています。今のままで行けば、約1億4000万円を支払う必要があります。


*12月16日

@成田空港圏自治体連絡協議会が運用時間延長を会社に要請
 昨日開かれた「成田空港圏自治体連絡協議会」で芝山の相川町長から「成田空港の運用時間を延長したらどうか」との提案が行われ、全9市町の賛成を得て、同席していた成田国際空港株式会社の伊藤斉専務に要請されました。これを受けて、伊藤専務は来年明けにも開催される四者協議会に具体的な提案をすることになりました。また、現在は午後10時台の発着回数を10便以内と決めている円卓会議の約束事項についても、制限をなくすことが検討される、とのことです。さらに、昨日の会合では「第3滑走路」の必要性についても相川芝山町長から「平行滑走路南端地権者の用地を取得できるよう最善を尽くすが、だめならば、さらに北側に延長して、東関東自動車道を跨ぐ3000m級滑走路か、それがだめならば、平行滑走路の東側にもう一本の3000m級滑走路を建設し、現平行滑走路を誘導路と使用してはどうか。」などの提案があったようで、これらについても今後検討していくことになりました。会議後の記者会見で会長の小泉成田市長は「羽田空港ハブ化論が強くなっているので、成田空港も何らかの可能性を示さないと対抗できない。運用時間延長は前後1時間程度が考えられる。この延長時間帯には低騒音機を運航することとし、その着陸料は騒音地域住民に還元することも考える。」と述べました。ただ会議では富里市の相川市長が「運用時間は開港時の大前提であるし、午後10時台の便数制限は円卓会議で反対派も含めて合意したものだ。これをいきなり、要請するというのはいかがなものか。」との意見を述べたとのことです。
【コメント】この提案を芝山町長の相川氏が行った、と言うのが驚きです。相川町長は先月17日の毎日新聞に出たインタビューで「コンターが23.5万回を想定して作られたのだから、来年4月に23.5万回に増やしたらどうか」という意見について、「22万回すら実現できていないのに、その次のステップについて語るのはおかしい。・・・一度決めたことを実行しなくては地元の信頼は得られない。・・・進む速度は遅くとても、それぐらい丁寧に地元への理解を求めないと成田空港の発展はない。」と言っていました。また、相川町長は円卓会議で「午後10時台は10便以内」と合意した重要な当事者でした。その人が何故、この時期に「運用時間の延長」を提案したのでしょうか。何があったのか気になります。相川町長は昨日の午後1時から急遽招集された町議会の全員協議会で、「今日の成田空港圏自治体連絡協議会で、このような話をするので、お伝えする。」と説明したそうですが、寝耳に水の議員たちから「こんな重要なことを、何故今言うのか。」「話し合いを持て。」という意見が出たとのことです。しかし、成田空港圏自治体連絡協議会は3時30分開会で途中退席したとのことです。前後1時間の延長となれば、飛行機の飛ばない時間は1日で5時間に過ぎません。睡眠に苦労している人にとっては“地獄”になります。体調の悪化は避けられません。“お金”の問題ではありません。

@成田新高速鉄道の愛称は「スカイアクセス」
 来年7月に運航を開始する成田空港=上野間の成田新高速鉄道の愛称は「スカイアクセス」となりました。料金は指定席込みで2400円とのことで、現行のスカイライナーよりも480円高くなります。

@日航の意向調査で約5700人が同意の意向
 日本航空は昨日締め切られた日本航空OBに対する年金減額の是非を問う意向調査でOB全体約8800人の内、約7600人から回答があり、その内の約5700人が同意する意向を表明したことを明らかにしました。5700人は全体の約64%にあたります。全体の3分に2には達していませんが、日本航空は「3分の2の同意を得る可能性はある。」としています。

@B-787型機が3時間の初飛行
 ボーイング社は15日、B-787型機の初飛行を実施し、無事に3時間の飛行を終了しました。