2011年8月後半の出来事


*8月31日

@全日空が「エアアジア・ジャパン」を設立
 全日空は今日、エアアジアと共同で立ち上げる格安航空会社(LCC)「エアアジア・ジャパン」を設立しました。資本金は1000万円で、今後、50億円まで増資します。社長には全日空のアジア戦略室長だった岩片氏が就任します。

@「日本航空はアジアで一番安全な航空会社」スイスの格付け会社
 スイスの航空輸送格付け会社「Air Transport Rating Agency」は29日、航空会社の安全評価リストを地域別に発表しましたが、アジアでは日本航空が1位に選ばれました。なお、2位以下は発表されていません。

@ボーイング社が「B737MAX型機」の開発を発表
 ボーイング社は30日、「B737MAX型機を開発する」と正式に発表しました。エンジンはCFMインターナショナル社製のLEAP-1Bエンジンを搭載する、とのことです。口径の大きなエンジンの搭載には降着装置(車輪部分)の改修が必要と考えられていましたが、エンジンの口径を66インチにするか、68インチにするかは数週間に内に決定するようです。しかし、「どちらになるにしても降着装置の改修は必要ない」としています。他の部分の改修で、現行に比べて運航コストが約7%減らせ、燃料消費率もエアバスのA320neo型機に比べて4%少なくなる、としています。初号機の納入は2017年の予定、とのことです。先に、アメリカン航空が100機発注したB737型機はこのB737MAX型機になります。


*8月30日

@国土交通省がB787型機に型式証明交付
 国土交通省は昨日、B787型機の型式証明をボーイング社に交付しました。これにより、B787型機が日本の空で商用運航できることになりました。

@フジドリームが冬季ダイヤで福岡=新潟線を新設
 フジドリームエアラインズは昨日、冬季のスケジュールを発表しましたが、福岡=新潟線を1日1往復で新しく運航することになりました。一方、静岡=新千歳線は1日1往復から週3往復に、静岡=福岡線を1日3往復から2往復に、静岡=鹿児島線は1日1往復から週4往復にそれぞれ減便します。
【コメント】フジドリームエアラインズは静岡空港を拠点とすることで運航を開始しましたが、静岡空港の需要が少なく、名古屋空港にも拠点を置くようにしています。静岡県のキャパシティーが小さいと、収益を上げるのが厳しいのでしょうね。

@進路を譲らなかった問題で吉祥航空を処分・韓国籍機長は免許取り消し
 中国の民用航空局は29日、上海上空で管制官の指示を無視して、後続機に進路を譲らなかった問題で吉祥航空を処分しました。吉祥航空の機材購入を当面認めず、運航便を3ヶ月にわたって10%削減させます。また、問題を起こした機長は韓国籍ですが、中国国内での運航免許を取り消し、再申請も認めません。韓国航空当局にも通報します。また、副操縦士は6ヶ月の運航免許取り消しとしました。

@インド南部でガルフ航空機が着陸で滑走路逸脱・7人負傷
 29日未明、インド南部のコチン国際空港で中東のバーレーンから到着したガルフ航空機が滑走路を逸脱し、草地に突っ込みました。この事故で、乗客・乗員143人のうち7人が負傷しました。当時、空港付近は雨が降っていました。


*8月29日

@成田空港サーバーが今日で満14年になりました。これからも情報をお届けし、航空機の騒音に悩んでいる方に役立てていただければ幸いです。

@一坪共有地地権者1人と和解
 成田国際空港株式会社が約70人に成田空港用地内に点在する「一坪共有地」の明け渡しを求めている訴訟で、反対同盟旧熱田派の地権者1人と和解することが分かりました。9月中には正式に和解が成立する事になります。和解の条件は「土地を空港用地として利用せず、植物を植えるなどして共同管理する」などで、所有権は「双方がこれまでの持ち分を維持する」となっているそうです。この地権者側は「土地は今後も利用することができる。」と話しています。

@ソラシドエア機が前輪部異常振動で引き返す
 昨日午後6時45分頃に離陸した羽田発長崎行きのソラシドエア(スカイネットアジア航空)39便・B737-400型機で、パイロットが離陸の際に前輪部の異常振動に気づきました。同機は羽田空港に引き返し、前輪が出ていることを地上から目視で確認した後、同8時10分頃、緊急着陸を行い無事に着陸しました。原因は調査中です。乗客は代替機で長崎に向かいました。

@北海道エアシステムがエンジン修理で10便欠航
 北海道エアシステムは今日、「昨夜の点検で所有機のサーブ340B型機エンジンの一つにオイル漏れが発見され、オイルがパイプから漏れていることが分かった。この修理のために、今日の10便が欠航となる」と発表しました。明日以降については未定とのことです。

@三菱重工が規定違反で報告書・1000件以上も
 三菱重工は23日、国土交通省から求められていた、航空機部品製造における社内規定違反の報告書を提出しました。これによりますと、違反件数は1000件以上に上り、原因は納期優先の考えがまん延したことと、作業管理・教育・訓練が十分でなかった、としています。国土交通省は同社に対して再発防止策実行状況を毎月報告するように求めました。

@エアアジアの第2四半期純利益が大幅減に・燃料価格不安定が響く
 エアアジアが発表した第2四半期(4〜6月)純利益は1億420万リンギ(約375万円)となりました。前年同期比で45.9%減となります。燃料価格の不安定が原因としています。

@ジェットスターの10〜11年決算は大幅増益に
 ジェットスターがこのほど発表した2010年7月1日〜2011年6月30日の決算によりますと、税引前当期利益に支払利息を加算したEBITは総売上高の増加と燃油費を除くユニットコストの改善により、過去最高となる29%増の1億6900万豪ドル(約137億7100万円)となりました。

@フィリピン航空が約2600人を削減へ
 フィリピン航空は29日、9月末までに約7000人の従業員の内約2600人を削減する、と発表しました。コールセンター予約などの非中核事業部門から解雇する、とのことです。


*8月28日

@フジドリーム機がトンボで2便欠航に
 昨日午後2時頃、松本発新千歳行きのフジドリームエアラインズ211便が着陸する際に、1系統の速度計表示に異常が生じました。同機はそのまま無事に着陸しましたが、点検したところ、速度センサーの「ピトー管」の穴にトンボの死骸が詰まっていました。着陸の際に、トンボがぶつかったものと見られています。新千歳空港にはこの機体を整備できる整備士がいないため、同社の整備士を呼び寄せて整備しましたが、折り返し便の新千歳発松本行きと松本発福岡行きの2便が欠航となりました。
【コメント】鳥がぶつかって損傷した、と言う話しは良くあることですが、トンボがぶつかって欠航した、と言う話しは聞いたことがありません。2007年10月5日に佐賀空港で、修理が終わった中華航空機が離陸の際に速度計が異常になり、危うくオーバーランになりかけて、過走帯灯を壊すトラブル(2007年10月6日と10月10日の出来事参照)がありましたが、この時には、長期の修理中にピトー管カバーを掛けなかったため、穴に虫が入って速度が異常値を示したものでした。下記にピトー管の写真を載せます。左の写真の青い部分がカバーになります。右の写真のように機体の前部に取り付けられています。


*8月27日

@昨年6月の日本貨物航空機のエンジン破損はブレードの腐食
 運輸安全委員会は昨日、昨年6月11日に起こった成田発アンカレッジ行きの日本貨物航空機・747-400F型機のエンジン破損事故(2010年6月14日の出来事参照)は第1エンジン内のブレードの1枚が腐食により折れ、その破片がエンジン内部を広範囲に破損させたことが原因、とする報告書をまとめました。

@スカイマークが成田=旭川・成田=新千歳のダイヤと運賃発表
 スカイマークは昨日、10月30日から就航する成田=旭川線と成田=新千歳線の運航ダイヤと運賃を発表しました。それによりますと、ウエブ限定で「WEBバーゲン」として10月30日〜11月30日発券分で片道980円の航空券を販売する、とのことです。詳しくは、ここを見て下さい。

@B787型機初号機が9月28日に羽田空港へ
 全日空が導入するB787型機の初号機は米国で9月26日に全日空に引き渡され、9月28日に羽田空港に到着する、とのことです。欧米の航空当局はB787型機の商業運航を許可する「型式証明」を付与しました。全日空では米国で行われる引き渡し式典の様子をウエブで生中継する、とのことです。

@吉祥航空機の管制指示無視の背景に空港の混雑?
 25日の出来事で書いた吉祥航空機の管制指示を無視した問題の背景に、中国の大都市空港の混雑がある、とのことです。問題を起こした吉祥航空機とカタール航空機は悪天候で空港が混雑し、1時間以上も上空待機をさせられていた、とのことです。カタール航空機が残燃料が30分を切った段階で「メーデー」を通報したのは規定通りだったようですが、この際「残燃料は、あと5分」と管制官に通報したので、進路を譲るように指示された吉祥航空機が残燃料が1時間以上あるにもかかわらず「こちらは、残燃料、あと4分」として、指示を無視して着陸を強行したようです。両機のパイロットが共に、1時間以上の上空待機でいらいらした結果、今回のトラブルになったようです。中国では、急激な航空需要の拡大に空港機能拡充が追いつかず、空港混雑による遅れが慢性化しており、一方で、当局は「時間厳守」を通達しているようです。


*8月26日

@「千葉県経営者協会」が運用時間延長を要望
 千葉県経営者協会は24日、森田千葉県知事に政策要望書を提出しました。その中で「成田空港の国際競争力を強めるため」として、B滑走路延伸や運用時間延長などの成田空港の機能拡大を要望しています。
【コメント】経団連の下部組織であり、経営者の集まりですから、「経済成長最優先」、言い換えれば「もうけ最優先」は“当然”でしょうが、「静かに眠る時間が5時間しかなくなる」成田空港周辺住民の健康や環境問題は「そっちのけ」と言うことなのでしょうか。

@旅客数は6月よりも6ポイント改善も外国人旅客の回復は鈍い・7月運用状況
 成田国際空港株式会社は昨日、7月の空港運用状況を発表しました。それによりますと、国際線旅客数は前年同月比(以下同じ)で19%減となりました。日本人は14%減でしたが、外国人旅客が6月よりも3ポイント改善しているものの、42%減となっており、外国人旅客の回復が緩やかとなっています。ただ、乗継客数は大震災後初めてプラスとなり、5%増となりました。外国人が原発事故の影響などで日本を敬遠し、素通りしているようです。貨物量は14%減で、輸出は14%減、輸入は3%減となっています。発着回数は6月よりも5ポイント改善して、6%減となり運航が平常に戻りつつあるようです。しかし、給油量は15%減となっています。

@中国南方航空が成田=大連線を毎日運航中
 中国南方航空は今月9日から30日まで週4便の成田=大連線を増便して、毎日運航を行っています。この路線の需要が好調で搭乗率が90%近くに達していることから、臨時便やプログラムチャーター便を組み合わせて毎日運航としています。日本と中国との航空協議は中国側の空港容量不足で延期されており、定期便を増便することが難しくなっています。

@エミレーツ航空が成田=ドバイ線を11月1日から毎日運航へ
 エミレーツ航空は現在週5便で運航している成田=ドバイ線を冬季スケジュールの11月1日から毎日運航とする事を明らかにしました。機材はB777-300ER型機を使います。

@9月1日に震度6強を想定した防災訓練実施・成田空港
 成田国際空港株式会社は昨日、9月1日に震度6強の地震が成田空港を襲った、との想定で防災訓練を実施することを明らかにしました。訓練開始の午後2時直前に、全ターミナルで緊急地震速報を流す、とのことです。訓練参加者は約1200人となります。

@フジドリームが国内線燃油サーチャージャーを800円に
 フジドリームエアラインズは24日、国内線では唯一実施している燃油サーチャージャーを12月1日〜来年1月31日までは現行の片道900円から800円に引き下げることを発表しました。

@デルタ航空がB737-900ER型機を100機発注
 デルタ航空は25日、ボーイング社に対してB737-900ER型機を100機発注したことを明らかにしました。2013年に12機、2014〜2017年に毎年19機、2018年に12機の引き渡しを受けることになります。


*8月25日

@全日空機が油圧トラブルで立ち往生・福岡空港
 今日午前10時20分頃、羽田発福岡行きの全日空245便・B777-200型機から「車輪の油圧系統のトラブルを示す警告灯が点灯した」と会社を通して連絡がありました。同機は同51分に福岡空港に無事緊急着陸しましたが、車輪付近から白煙が上がりました。漏れたオイルが過熱したものと見られています。同機は滑走路上で立ち往生しましたが、牽引車で駐機場まで移動しました。この間、滑走路が約30分間閉鎖され、14便に遅れが出ました。

@日本航空が9月1日から全路線でコーヒーの無料サービス
 日本航空は9月1日から国内・国際線の全路線でコーヒーを無料サービスする「JAL CAFE LINES」を行うと発表しました。「JAL CAFE LINES」は著名なコーヒーハンターと焙煎・抽出の第一人者が協力して、豆と機内での入れ方を工夫した「世界最高峰のコーヒー」としています。

@北海道エアシステムの12年3月期赤字が7600万円に
 北海道エアシステムの2012年3月期の赤字が7600万円に膨らむ見通しとなりました。奥尻島での対地接近警報装置(GPWS)作動トラブルでの修理により、欠航期間が長引いた影響が大きいとのことです。

@中国・吉祥航空機が嘘をついて指示を無視
 13日午後、中国の上海上空で悪天候のために待機旋回していたカタール航空機が燃料不足になり、管制官に「メーデー」を発信し、優先着陸を要請しました。管制官は前を飛行中の吉祥航空機に進路を譲るように指示しましたが、吉祥航空機のパイロットは「当方も残燃料が4分しかない」として進路を譲りませんでした。両機とも無事着陸しましたが、吉祥航空機の残燃料は1時間以上ありました。中国の航空当局は「重大事故のおそれもあった」として調査に入りました。吉祥航空機のパイロットは当面、乗務停止になりました。

@ガルーダ航空が客室乗務員募集でショーツだけの検査
 韓国では「インドネシアのガルーダ航空の客室乗務員募集検査がセクハラではないのか」と問題視されています。客室乗務員採用時の身体検査で応募者をショーツだけにさせて、男性医師が胸の保形物検査や入れ墨の検査をしているそうです。ガルーダ航空側は「ショーツだけだが、毛布を羽織っており、検査の瞬間だけ毛布を外すだけだ。入れ墨の検査は宗教上の理由でやらざるを得ない」としています。
【コメント】客室乗務員の募集では色々な検査があるようですが、最近では、美容整形の有無を確認し、美容整形をしている人は応募させない、と言う事もあるとの記事を読んだことがあります。


*8月24日

@10月20日からの同時離発着を正式に発表・国土
 国土交通省は今日、かねてから明らかにしていた成田空港のA滑走路・B滑走路同時離発着を10月20日から実施する、と正式に告知しました。これにより、両滑走路からの離陸が1時間当たり現在の最大32機から46機に拡大します。これに基づき、10月30日から年間発着回数を現在の22万回から23.5万回に拡大します。騒音対策から、利根川と九十九里浜までは両滑走路を離陸した航空機は直進することになるそうです。
【コメント】「両滑走路とも直進」というのは朝日新聞や時事通信の記事に書かれていますが、成田空港会社のページには南風時の「青色点線」の旋回飛行コースが明示されています。これはなくなることになるのでしょうか。

@全日空がB787型機チャーター便を正式発表
 全日空は昨日、B787型機を使った初めての営業運航となる成田=香港チャーター便について正式に発表しました。10月26日に成田→香港、翌27日に香港→成田を運航します。ツアー形式で、応募できるのはANAマイレージ会員となります。約100名を募集し、応募者多数の場合は抽選となります。応募方法や料金などは9月1日にWEB告知する、とのことです。また、10月28日と29日には成田空港発着のB787型機を使った遊覧飛行を行うそうです。こちらも、9月1日に告知するそうです。

@全日空が冬季スケジュールから成田関係国際路線を増減便へ
 全日空が昨日発表した冬季スケジュール運航計画によりますと、成田空港関係路線では10月30日〜来年1月18日まで成田=瀋陽線を現在の週7往復から週3往復に減便します。また、成田=成都線も10月30日〜来年1月20日まで現在の週7往復から週4往復に減便します。さらに、貨物便では成田=関西=バンコク線を10月30日から現在の週1往復から週3往復に増便し、同じく10月30日から成田=関西=天津線を現在の週5往復から週6往復に増便します。ただし、この内の3往復の復路は大連経由とします。

@全日空が冬季スケジュールから成田=福岡線を増便
 全日空が昨日発表した冬季スケジュールの運航計画によりますと、10月30日から現在1日2往復の成田=福岡線を1往復増便して、1日3往復とします。

@日本航空が成田=デリー線を増便へ
 日本航空は昨日、10月30日から成田=デリー線を現在の週4便から週5便に増便する、と発表しました。

@成田空港の無料WiFiが9月中にほぼ全待合スペースに
 成田空港ではターミナル内で無料WiFiを拡充していますが、9月中にはターミナル内のほぼ全部の待合スペースで使用できるようになる見込みです。無料サービスのSSIDは「narita-airport-free-wifi」となっています。これにより、待合スペースの椅子で無料WiFiを使えるようになります。無料WiFiの使える場所には右のようなポスターが掲示してあります。

@出雲空港で方位情報システムが故障し10便が欠航
 昨日午前7時15分頃、出雲空港で航空機に方位情報を知らせる機器が起動しないトラブルが発生しました。機器は約2時間後に復旧しましたが、この影響で離発着の10便が欠航となりました。また、1便が約2時間50分遅れました。

@全日空がB787型機国内線の運航計画を発表
 全日空は昨日、B787型機を使った国内線の運航計画を正式に発表しました。それによりますと、11月1日から羽田=岡山線と羽田=広島線に1日1往復で運航します。また、年度内に羽田=大阪線、羽田=山口宇部線、羽田=松山線に順次投入します。

@B787型機の国際線定期便は羽田=北京線が初運航
 昨日の出来事で「B787型機の国際線初定期運航は羽田=フランクフルト線」と書きましたが、違っていたようです。今年12月に羽田=北京線の週1便程度をB787型機で運航するとのことで、これが国際線定期便の初運航となります。

@ピーチ・アビエーションが運航計画発表
 全日空系の格安航空会社(LCC)・ピーチ・アビエーションは昨日、運航計画を発表しました。それによりますと、来年3月1日から関西=新千歳線(1日3往復)と関西=福岡線(1日4往復)を運航します。また、来年5月をメドに関西=仁川線を運航開始する予定、とのことです。


*8月23日

@日本航空が「エアラインチャーター」を初めて実施
 日本航空は16日に、インドのデリーから成田空港まで、ブリティシュ・エアウエイズの貨物機で貨物を運ぶ「エアラインチャーター」を初めて実施しました。「エアラインチャーター」は国土交通省が7月29日に解禁したもので、他社の貨物専用機をチャーターして貨物を輸送するものです。突発的な貨物需要に対応するために解禁したものです。日本航空は昨年10月末で貨物専用機を全て撤退させました。今回はブリティシュ・エアウエイズのB747-400F型機を使って、医薬品などを輸送した模様です。

@お盆期間の航空需要が好調
 国内航空各社が昨日発表したお盆期間(12〜21日)の航空需要は好調だった、とのことです。国内線利用者数は全体で前年同期比で1.5%増となりました。国際線は同9%減となったものの、利用率は約90%と過去最高となりました。全日空は国内線旅客数が同5.6%増、利用率は79%となりました。日本航空は国内線旅客数が同11%減、利用率は82.1%となりました。また、国際線では全日空が旅客数同17.1%増、利用率が90.1%で、日本航空は旅客数同22.5%減、利用率は90.8%でした。国際線利用率は両社ともに過去最高になりました。アジア方面への間際予約が旺盛だった、とのことです。

@米軍ヘリの騒音で落馬し鎖骨骨折・昨年6月
 昨年の6月9日午前11時頃、広島県廿日市市の乗馬クラブで低空飛行の米軍のヘリコプターの騒音に複数の馬が驚き暴走しました。乗馬訓練を行っていた50才代の女性が落馬し、鎖骨を折る重傷を負う出来事がありました。ヘリコプターには米軍兵士が乗っていたのが見えた、とのことのことです。米軍も飛行を認め、日米地位協定に基づき女性に対して補償する方向で協議をしている、とのことです。
【コメント】1年以上経っているのに、まだ補償問題が解決していないのですね。骨折の治癒が遅れているのでしょうか。

@タイ航空機がエンジントラブルで関西空港に引き返す
 今日午後0時40分頃、関西空港からタイのバンコクに向けて離陸したタイ航空のA330型機が、離陸してまもなくエンジン1基にトラブルが発生し、このエンジンを止めて関西空港に引き返しました。同機はエンジン1基で無事に緊急着陸しました。詳しいことはまだ分かりません。

@全日空がB787型機を使った世界初の国際定期便を来年1月に
 全日空が世界で初めて導入するB787型機を使って、来年1月に羽田=フランクフルト線定期便を開設する計画、とのことです。週3〜7往復を計画しているようです。

@「ジェットスター・ジャパンの国際線は13年度以降に」大西社長
 今日の日本経済新聞によりますと、日本航空の大西社長は同新聞のインタビューの中で、設立する格安航空会社(LCC)・ジェットスター・ジャパンの国際線について「まずは国内線を先行させ、国際線は2013年度以降になる」と述べた、とのことです。

@カンボジアで鳥インフルエンザ死亡者が今年8人目
 世界保健機関(WHO)が19日に発表したところによりますと、このほど、カンボジアで少女が鳥インフルエンザで死亡し、カンボジアでの今年の死者が8人となった、とのことです。これを受けて、日本の厚生労働省検疫所はカンボジアに渡航・滞在する人に対して、現地で鳥などが多数いるところに行ったときには鳥に触らないこと、鳥などの死骸には近づかないように、と注意をそくしています。


*8月22日

@スカイマークの国内線は第2ターミナル国内線カウンターで
 今年10月から成田空港に参入するスカイマークの国内線(4月13日の出来事参照)について成田国際空港株式会社は、現在日本航空の国内線だけが使用している第2ターミナルの国内線用施設を使用することを検討している、とのことです。当初の4路線だけならこの施設で対応できますが、2014年までに開設を予定している出雲・高松・徳島・函館・石垣などが就航すると手狭になるため、順次、手荷物受託カウンターなどを増設することを検討している、とのことです。

@ジャンボ機のコックピットが明日から公開・航空科学博物館
 航空科学博物館に設置されたジャンボ機・B747型機の機首部分のコックピットですが、明日から公開される、とのことです。ただ、狭いために1日約10組(1組6人)に限定し、ガイド付きで500円の料金が必要になる、とのことです。

@タイ航空が冬季スケジュールでプーケット経由を運休
 タイ航空は10月30日〜来年3月24日まで、成田=プーケット=バンコク線(木と土曜日運航)を運休し、成田とバンコクの直行便にすることを明らかにしました。この結果、成田=バンコク線は週7便のデイリー運航となります。

@神戸空港に外国人と見られる男が侵入
 昨日午後11時20分頃、神戸空港ターミナル西側のフェンス(約2.3m)から男が侵入したのを監視カメラが捉えました。職員が警察に通報し、駆けつけた警察官が約1時間後に滑走路脇を歩いている男を現行犯逮捕しました。男は東南アジア系の外国人と見られる、とのことです。運用時間終了後で、運航や滑走路や駐機していた航空機には異常はありませんでした。


*8月21日

@成田空港で帰国がピークに・今日だけで44500人
 成田空港ではお盆休みを海外で過ごした人たちの帰国がピークを迎えています。今日だけで約44500人が入国する予定です。明日から仕事の人たちも多いようです。

@日本貨物航空がB747-8F型機を来年夏に2機受領
 日本貨物航空がボーイング社に14機発注しているB747-8F型機の内、最初の2機を来年の7〜9月に引き渡しを受ける見込みとなりました。同社はこの新型機を成田空港路線の定期便に投入する予定、とのことです。B747-8F型機は最大搭載貨物量がB747-400F型機に比べて20トン増加しますが、燃費は同じになる、とのことです。予定では2009年以降に航空会社への引き渡しが始まる予定でしたが、この夏から引き渡しが始まる、とのことです。

@カナダ北部でチャーター機が墜落し12人死亡
 20日午後、カナダのイエローナイフから北部のレゾリュートベイに向かっていた、「ファーストエアー」のチャーター機・B737型機がレゾリュートベイの空港から2Km離れた丘に墜落しました。乗客・乗員15人の内、12人が死亡し、3人が負傷した、とのことです。当時、現地では軍事演習が予定されていましたが、墜落とは関係ないようです。
【コメント】ファーストエアーの同型機の写真を見ますと、B737型機としては初期のB737-200型機のようです。この機体は1968年から運航が開始され、1988年8月に生産が終了しいます。


*8月20日

@山口県基地関係県市町連絡協議会が国に騒音対策などを要望
 山口県と岩国基地周辺2市2町で作る「山口県基地関係県市町連絡協議会」は18日、国に対して米軍岩国基地に関する航空機騒音対策・地域振興策・安全対策などについての要望書を提出しました。

@天下りを事実上温存「防衛施設周辺整備協会」
 基地周辺の住宅防音工事の事務手続などを行う「財団法人防衛施設周辺整備協会」は役員全てが防衛省の天下りで、職員も約65%が天下りとなっています。昨年の事業仕分けで補助金について「天下りの資金還元」として廃止され、一般競争入札になりました。しかし、入札条件に個人情報管理が適切に行われていることを示す「プライバシーマーク」を取得していることが必要とされ、事実上の単独入札となっています。この結果、同協会の受注件数は78%、金額ベースでは98%の独占状態になっています。

@日航との共同事業「最重要経営課題の一つ」・BAのCEO
 ブリティシュ・エアウエイズとイベリア航空の持ち株会社「インターナショナル・エアラインズ・グループ」のCEOは17日、ロンドンで日本人記者団とのインタビューを行い、日本航空との日欧路線での共同事業を「最重要経営課題の一つ」と述べました。この間、日本航空との協議を重ねており、「数週間の内に、日本航空の大西社長と会い、合意をまとめたい」と述べました。


*8月19日

@7月の訪日外国人の回復が足踏み
 日本政府観光局(JNTO)が昨日発表した7月の訪日外国人数によりますと、前年同月比で36.1%減となり、6月とほぼ同じ水準になりました。大震災以後の激減から6月までは回復基調を続けてきましたが、ここに来て回復が足踏み状態となっています。同局は円高や食品の放射線問題などが影響している、としています。

@日本航空と全日空が燃油サーチャージャーを引き下げへ
 日本航空と全日空は昨日、10月1日〜11月30日の国際線運賃にかける燃油サーチャージャーを発表しました。それによりますと、両社共に片道500〜4000円の引き下げとなっています。燃油サーチャージャーの額は両社が横並びとなっています。

@関西空港連絡橋通行税を来年度から100円に・泉佐野市
 大阪府の泉佐野市長は昨日の記者会見で、来年度から関西空港連絡橋を通行する車両から往復100円の通行税を徴収する条例案を9月定例市議会に提出することを明らかにしました。関西空港連絡橋が国有化されたことに伴い、固定資産税が減ってしまった事に対する代替措置で、9年間かけて減額分を取り戻す、としています。

@スカイマークの7月実績で旅客数が52.6%増に
 スカイマークが発表した7月分の搭乗率実績によりますと、旅客数は前年同月比で52.6%増となりましたが、利用率は同2.2ポイント下がり79.4%となりました。

@全日空が羽田=紋別線を4ヶ月運休へ
 全日空が羽田=紋別線(1日1往復)を、需要の減少する10月〜来年1月の4ヶ月間運休する方針を紋別市などに伝えたことが明らかになりました。この間、代替措置としてグループ会社が新千歳=紋別線を1日1往復から2往復運航することになるそうです。

@トランスアエロ航空がA320neo型機8機を発注
 エアバスはロシアのトランスアエロ航空がA320neo型機8機を購入する事で、同社と覚え書きを取り交わした、と発表しました。


*8月18日

@日本航空の機長と副操縦士を写真撮影で業務停止
 国土交通省は昨日、2009年5月1日に日本航空の香港発成田行きの貨物便において、飛行中に操縦室内で副操縦士を機長席に座らせて写真撮影を行った機長と副操縦士を業務停止の行政処分にしたことを明らかにしました。業務停止期間は機長が45日間、副操縦士が20日間となっています。航空法では操縦者は自動操縦中であっても他機や計器などの監視業務を行う事になっています。日本航空内部で「写真を見た」との噂が飛び交い、会社が調査して認めたため、国土交通省に報告しました。同省は日本航空を厳重注意とし、今月末までに再発防止計画を提出するように求めています。

@全日空機がオイル漏れで、6時間20分の遅れ
 昨日午前7時40分に出発する予定の、高松発羽田行きの全日空532便の出発前点検でオイル漏れが見つかりました。同機は出発を見合わせ、代替機で6時間20分遅れで出発しました。

@墜落したアシアナ航空機の引き上げ作業が始まる
 アシアナ航空は17日、先月28日に墜落した貨物機の機体残骸を発見し、17日から引き上げ作業を開始した、と発表しました。残骸は水深約80mの海底にあり、約40個に分かれているそうです。引き上げ作業には2〜3週間かかる見込み、とのことです。ブラックボックスの引き上げも期待しています。

@タイ航空がA350型機4機を発注
 エアバスは11日、タイ国際航空からA350-900型機4機とA320型機5機を受注した、と発表しました。

@ヴァージン航空が映画に「号泣注意」との警告を表示へ
 ヴァージンアトランティック航空は17日、機内で上映する映画で乗客が泣く恐れのあるものについて、映画の最初に「号泣注意」のテロップを流すことにした、と発表しました。号泣により、他の乗客に迷惑をかけないようにするため、としています。同社の調査では映画を見て泣いたことのある乗客がかなりいた、とのことです。


*8月17日

@NAAが「世界を旅したくなる、とっておきの電子書籍」をリリース
 成田国際空港株式会社は昨日、「空港が作る『世界を旅したくなる、とっておきの電子書籍』」を無料でリリースする、と発表しました。これは今年 3月に発売したムック本 TRANSIT SORA(発行:euphoria FACTORY)を電子書籍化し、サウンドなども追加したものだそうです。iPad版は9日からダウンロードでき、iPhoneとAndroid版は来月上旬、コンピューター版は来月下旬からダウンロードできるそうです。

@成田空港LCC進出は発着枠の確保も目的か
 私見ですが、このところの、成田空港への格安航空会社(LCC)の就航や、「ピーチ・アビエーション」や「ジェットスター・ジャパン」の設立や、スカイマークの乗り入れ計画などが相次いでいますが、この背景には成田空港の「航空自由化」に備えての発着枠確保の思惑があるのではないでしょうか。成田空港の「航空自由化」は、このところのアジア各国との2国間交渉で「2013年夏季から」となる場合が多いようです。「航空自由化」が進めば、以遠権も含めて成田空港への乗り入れが自由に出来るようになります。乗りいれが自由になって、発着枠が全て埋まっていない場合でも、出来るだけ都合の良い時間帯に発着枠を確保するためには、既得権として、早めに枠を確保する必要があります。成田空港への都心からの距離が遠いと言っても、世界には空港から都市中心部へのアクセス時間が1時間以上かかる空港はざらにあります。それにもまして成田空港の持っている「世界中へのアクセス(路線網)の良さ」は大きな魅力ではないでしょうか。この成田空港の発着枠を確保することは航空会社にとって、至上命題のような気がします。

@自衛隊浜松基地周辺の騒音が環境基準を超える・10年度
 静岡県が発表した2010年度の航空機騒音調査結果によりますと、静岡空港周辺の測定地点6か所の騒音は全て環境基準をクリアーしましたが、自衛隊浜松基地周辺の測定地点2か所の騒音は82WECPNLと78WECPNLで環境基準を超えており、前年度よりも若干ですが大きくなっているそうです。浜松基地周辺の2か所の環境基準値は75WECPNLになります。

@「景気後退があっても、エアバスには大きな影響はない」
 エアバスのセールス部門責任者は16日、ロイターの電話取材に対して、このところの欧米での景気後退懸念について、「景気が若干悪化しても驚きはない。2008年(リーマンショック)のような状況になるかどうかはわからないが、二番底の可能性があることは確かだと思う」「そうなっても、インドなどアジアからの需要や、世界中の格安航空会社からの需要は底堅く、(エアバスは)少なくとも変わらずの生産を維持できるだろう」と述べました。


*8月16日

@「ジェットスター・ジャパン」設立合意を発表
 日本航空と三菱商事とジェットスターの3社は今日、3社が格安航空会社(LCC)「ジェットスター・ジャパン」を9月に設立することで合意したことを正式に発表しました。12日の出来事で書いた内容と大きくは変わりませんが、2012年半ばに路線を決定し、2012年中に運航を始める、とのことです。運賃は40%程度安くし、「プライス・ビート・ギャランティ」(最低価格保証)を導入する事を明らかにしました。まず、国内線を就航させます。路線は成田空港・関西空港・新千歳空港・福岡空港・那覇空港を結ぶ路線を想定している、とのことですが、拠点となる空港については12日段階では「成田空港」とされていましたが、今日は「今のところ未定」としています。その後、短距離国際線に進出する予定です。機材はA320型機3機で運航を始めますが、数年後には24機まで増やす予定、とのことです。日本航空の大西社長は記者会見でジェットスター側と路線などについて1年以上前から協議していたことを明らかにし、需要の食い合いについて「極小化できると判断した」と述べました。また、「格安航空会社(LCC)について消極的」とされたことについて「JALそのものでLCCをやることについては今も否定的で、JALは最高のサービスを提供する考えに変わりはない」とし、「(LCC対応が)出遅れたのでは」という質問に対しては「出遅れた、と言う認識は全く持っていない」と述べました。
【コメント】成田空港の拠点化については、成田国際空港株式会社の格安航空会社(LCC)に対する対応を見極めているのでしょうね。

@カンタス航空がA320neo型機などを110機発注・A380型機は納入延期に
 カンタス航空は16日、新5カ年計画を発表しました。その中で、エアバスに対してA320neo型機を78機、A320型機を32機発注したことを明らかにしました。また、オプションとして194機を確保しました。一方、発注済みのA380型機6機については最大で6年の納入延期を行う事も明らかにしました。なお、これによりA320neo型機の総受注数は約1200機に達しました。