2018年2月前半の出来事
*2月15日
@日本貨物航空機のゴム製主翼部品が脱落
昨日のNHKニュースによりますと、昨日正午過ぎ、サンフランシスコ発成田行きの日本貨物航空109便の到着後点検で、右主翼に取り付けられているゴム製の部品がなくなっていることが分かりました。国土交通省成田空港事務所では滑走路を閉鎖して緊急点検を行いましたが、部品は発見されませんでした。部品は長さ約80cm、重さ約360gある、とのことです。
【コメント】ゴム製部品とは言え、360gの物が高速で、人の体に当たったら、相当なひどい怪我になるでしょうね。
@ロシアの豪雪で速度計の不具合が多発
昨日の「squtnik (日本語版)」によりますと、現地時間4日と5日に、豪雪となったモスクワで、アエロフロートのSSJ100(スーホイスーパージェット100)型機で、ビトー管故障から、2個ある速度計の表示が違うトラブルが7回記録されていた、とのことです。この際には、該当機が離陸を中止したり、離陸後空港に引き返したりして、大事にはいたりませんでした。
【コメント】ロシアですから気温そのものは相当低いのでしょうね。しかし、雪は余り降らないのでしょうか。多分、ビトー管に入った水(雪)が凍ってしまったのではないかと、思うのですが。サラトフ航空703便事故にも、関係があるのでしょうか。
写真は成田空港に到着したヤクーツク航空のSSJ100型機です。
*2月14日
@スカイマークの1月運航実績は欠航率1.1%、出発遅延率8.0%
スカイマークが発表した「1月運航実績」によりますと、欠航率は前年同月比(以下同じ)0.9ポイント悪化の1.1%、出発遅延率は2.4ポイント改善の8.0%となりました。
@サラトフ航空703便のビトー管が凍結していた可能性
サラトフ航空703便墜落事故の続々報です。ロシアの航空監視機関は現地時間13日、サラトフ航空703便の事故原因について、速度計(ビトー管)が凍結した可能性がある、との見解を発表しました。その原因として速度計の凍結防止措置のスイッチが入っていなかった可能性がある、としています。離陸後、2分半に同機が高度約1800mを飛行中、2個ある速度計がそれぞれ 、時速800Kmと0Kmを指していたことがフライトレコーダーに記録されていた、とのことです。また、同機は自動操縦から、墜落時には手動操縦を行っていたことも明らかにしました。
写真の下側にあるのがビトー管になります。左右に2個付いているのが普通です。
@ユナイテッド航空機でエンジンカバーが吹き飛ぶ
現地時間13日、サンフランシスコ発ホノルル行きのユナイテッド航空1175便 ・B777型機で、飛行中に右エンジンのカバーが吹っ飛ぶ事故が発生しました。同機はそのまま飛行を続け、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港に無事に緊急着陸しました。乗客からむき出しのエンジンの写真などがネットにアップされました。女性乗客の1人は「私の生涯で一番怖いフライトだった」とし、別の男性乗客は、着陸に向けて降下しながら激しく揺れる機内の動画を撮影し、「大きな金属音が聞こえた後、機体が揺れ始めた」と投稿しました。
*2月13日
@世界の空港レストランランキングで成田空港はダントツの1位
10日の「Forbes Japan」によりますと、このほどリワードエキスパート(RewardExpert)がまとめた空港のレストランランキングで、成田空港が2位以下に大差をつけて1位になった、とのことです。この調査は数千件のレビューを元にまとめられたものです。
@日本貨物航空には3日で世界を1周する路線がある
11日の「乗りものニュース」によりますと、成田空港を拠点とする日本貨物航空には世界を1周する路線がある、とのことです。KZ182便またはKZ192便として成田→アンカレッジ→シカゴ→フランクフルト、ここで、機体は同じですが、KZ089便としてフランクフルト→ミラノ→成田と、便名では2便となりますが、機体は同一機体が東回りに、3日間かけて、世界を1周する、とのことです。パイロットには乗務に制限時間がありますので、休みを取りながら、機体を乗り換えて、7日間かけて世界を1周する乗務があるそうです。
写真は日本貨物航空のB747-400F型機ですが、少し古い写真で、この塗装機は現在飛んでいません。
@「飛翔の刻 〜MRJの10年〜」が YouTube で見られます
10日に名古屋テレビで放映された「飛翔の刻 〜MRJの10年〜」をYouTubeで見ることが出来ます。首都圏では見られませんでした。
@ボイスレコーダーも回収される、サラトフ航空703便事故
サラトフ航空703便墜落事故の続報ですが、未発見だったボイスレコーダーも回収されました。これで、原因の解析が進むものと見られます。墜落までの飛行については離陸後高度を上げていた同機が、一度高度を下げ、再び高度を上げた直後に墜落した、とのことです。また、同機が地面に接触するまで、爆発などはなかった、としています。
@A320neo型機への緊急耐空性命令関係機は運航機の約30%
今日のブルームバーグジャパンによりますと、エアバスは現地時間12日、同誌の質問に対して、欧州航空安全局(EASA)が現地時間9日に発表した、A320neo型機に搭載されているPW1100エンジンの緊急耐空性命令(2018年2月10日の出来事参照)に関して、現在世界で運航されている113機のA320neo型機の内、約30%が緊急耐空性命令に関係する、1基または2基のエンジンを使っていることを明らかにしました。これらのA320neo型機はすでに運航からはずされているようです。
【コメント】全日空の受領しているA320neo型機も同型エンジンを使用しているのですが、この緊急耐空性命令に該当しているのでしょうか。
@エア・セネガルがA330neo型機を確定発注へ
現地時間2日、エア・セネガルはエアバスとA330neo型機2機を確定発注に切り替える契約を調印しました。
*2月12日
@昨日深夜、「カーフュー弾力的運用」91例目が発生
昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」91例目が発生しました。
・91例目 新千歳発成田行きのジェットスター ・J 120便・A320型機が、前便以前での、偏西風と航路上の悪天候による玉突き遅延で、午後11時9分にA滑走路に南側から着陸したものです。
@京成の「空港第2ビル駅」が首都圏5年間乗降客数の伸び率でトップ
今日の「マネーポスト」によりますと、首都圏の鉄道駅で、この5年間の乗降者数が一番伸びたのは成田空港にある「空港第2ビル駅(京成電鉄)」で、伸び率は70.3%に達し、ダントツの1位だった、とのことです。この原因はこの5年間に第3ターミナルが開業し、従来からの第2ターミナルへの乗降客に加え、第3ターミナルに行く乗降客が大幅に増えたため、とのことです。
【コメント】しかし、何故かJR東日本の「空港第2ビル駅」は上位20位には入っていません。
@ロシアでリージョナルジェット機が墜落、71人が絶望
現地時間11日午後2時27分(日本時間午後8時27分)頃、モスクワのドモジェドボ国際空港からロシア南部のオルスクに向かった、サラトフ航空703便・アントノフ148型機がモスクワ郊外に墜落しました。乗客・乗員71人は絶望と見られています。
同機は離陸後約6分で墜落した、と見られます。地元住民は「燃えながら落ちてきた」と語っており、近くの防犯カメラにも炎上しながら墜落する様子が写っていました。
原因はまだ分かっていませんが、当局はテロの可能性には言及していません。フライトレコーダーは発見されましたが、ボイスレコーダーはまだ発見されていない、との情報があります。
アントノフ148型機は比較的新しい双発リージョナルジェット機で、2007年2月にロシアの型式証明を取得しています。墜落した機体は2010年5月にロシア航空に引き渡されています。座席数は標準で65席の小型ジェット旅客機です。
ロシア連邦捜査委員会は「墜落前に、乗員から技術的な問題の報告はなかった」としています。機長はこの機種の飛行時間が約2800時間のベテランだった、とのことです。気象条件は「おおむね良好だった」とのことです。
写真は「Flightradar24」で見た、サラトフ航空703便の航跡です。右側の写真は機体ナンバーがよく見えないのですが、墜落した機体と思われます。
世界の旅客機で死者が出た事故は約440日ぶりとなります。昨年は1件もありませんでした。
*2月11日
@千葉県が今月中に地域振興策を提示へ
昨日のNHKニュースによりますと、千葉県は周辺地域からの要望が強い、地域振興策について、今月内に開かれる関係自治体連絡会に具体案を示す、とのことです。具体的には「空港の波及効果を周辺の9つの自治体全域に波及させる」として、騒音拡大への懸念が強い、空港の東部や南部の地域で企業誘致やインフラ整備に力をいれていくことを強調してる、とのことです。このために、国の特区制度を活用した企業誘致の土地確保や、具体的な路線名を示した道路計画の検討を行うことなどを盛り込んだ計画を提示する、としています。
【コメント】「具体的な路線名を示した道路計画の検討を行う」と言うのは気をつけないといけませんね。「検討」という文言もそうですが、道路計画は完成までに、数十年かかる例もあります。期限なども明示したものでないと、「いつまでたっても出来ない」と言うことになりかねません。今までも「期日までも約束したのに、一向に進まない」と言う事は、結構ありました。
@スカイマークの1月搭乗率は微増の76.5%
スカイマークが発表した「1月搭乗実績」によりますと、搭乗者数は前年同月比(以下同じ)1.2%増の54万7039人、搭乗率は0.3ポイント増の76.5%となりました。
*2月10日
@【私の解釈】深夜・早朝成田空港運用時間拡大計画「再見直し案」
8日のNHKニュースなどにより報道された深夜・早朝夜間成田空港運用時間拡大計画の「再見直し案」について、報道も簡略で分かり難いのですが、私の解釈を載せてみます。ただ、間違っているかも知れませんので、これが正しいかどうかは分かりません。
その内容は、まだ、はっきりしませんが「運用時間(午前0時半から午前5時は緊急時を除いて飛ばない時間)午後10時から翌朝午前7時半までは2本の滑走路だけを運用し、使用する滑走路も深夜と早朝で入れ替える」としているようです。「これにより、使われない滑走路の延長線上では飛行機が飛ばない時間帯が、それぞれ1時間増えることになり、静穏な時間が7時間になる」としています。
使われるのはA滑走路と、B・C滑走路(セットで運用)のようで、昼間はこの3本の滑走路を使って、離着陸にフル稼働させますが、
例えば、深夜・早朝の南風の場合、A滑走路を南側に離陸、B滑走路を北側から着陸に使用し、午後10時から翌朝午前0時半まで使います。そうすると、午前0時半から午前7時半までの7時間はA滑走路北側地域とB・C滑走路南側地域は飛行機が飛ばない静穏な時間となります。
一方、午前5時から午前7時半まではA滑走路を北側からの着陸に使い、C滑走路を南側への離陸に使うと、A滑走路の南側地域とB・C滑走路の北側地域は午後10時から翌朝午前5時までの7時間が静穏な時間となる事になります。
これで、空港全体としては、航空機の離発着が、午前0時半から午前5時までを除いて、19時間半使用出来ることになります。
このような運用をA滑走路の北側と南側、B・C滑走路の北側と南側で「スライド」させて実施するのが「再見直し案」ではないかと考えられます。
【コメント】問題は、このような「不規則静穏時間」に騒音下の人たちの体が順応出来るかどうか、また、途中で風向が変化したらどうするのか、多少の追い風でもそのまま離着陸させるのか、など管制が難しくなり、安全上問題が生じるのではないか、などの諸点が心配です。また、この方式でもA滑走路とB・C滑走路に挟まれた谷間地域は静穏な時間が、毎日4時間半しかないことになり、民家防音の拡充で補えるのでしょうか。さらに、この方式はC滑走路が建設されて、供用が開始されて以降の、少なくても5年以上先の事になりますが、A滑走路は計画が決定されると、2020年のオリンピックやパラリンピックの需要増に向けて、先行して騒音が激しくなるのです。
これらの問題をクリアーする一番の方法は、開港時の約束である「午後11時から翌朝6時までは航空機を飛ばさない」を維持することではないでしょうか。
@日本航空機から白煙と異臭が発生、那覇空港に引き返す
昨日午後3時10分頃、那覇発羽田行きの日本航空912便・B767-300型機が離陸直後に、エアコン吹き出し口から白煙と異臭が出たため、那覇空港に引き返し、約45分後に無事緊急着陸しました。けが人はいませんでした。日本航空が原因を調べています。同便は代替機で午後8時50分に羽田空港に向かいました。
@欧州航空安全局がA320neo型機に使われてるPW1100エンジンに緊急耐空性命令
欧州航空安全局(EASA)は現地時間9日、A320neo型機に搭載されているPW1100エンジンが飛行中や離陸中に停止するトラブルが複数発生している、として、後部の高圧コンプレッサーにハブの改造が施されているエンジンについて、飛行を停止するよう緊急耐空性命令を出しました。
@四川航空がA350-900型機10機を発注
現地時間9日、中国の四川航空はエアバスに対してA350-900型機10機を発注した、と発表しました。
*2月9日
@「再見直し案」はやはり、スライド方式のようです
昨日の国とNAAが検討している再見直し案のやや詳しい報道です。
昨日のNHKニュースによりますと、「日中の時間帯は、3本の滑走路を使って、離陸と着陸を2か所ずつで行えますが、深夜と早朝の時間帯は、1か所ずつに制限し、使用する滑走路も深夜と早朝で入れ替える計画です。」としています。この再見直し案ではやはりスライド方式を使い、運用時間(制限時間の午前0時半〜午前5時を除く)で、「深夜の時間帯」を午後10時から翌朝午前7時半とし、この間は2本の滑走路だけを運用し、使用する滑走路も深夜と早朝で入れ替える、としているようです。これにより、使われない滑走路の南北延長線上では、飛行機が飛ばない時間帯が、それぞれ1時間増えて7時間になり、騒音の影響が軽減される、としています。しかし、これでもA滑走路とB・C滑走路(建設が予定されている第3滑走路)に挟まれた谷間地域は両側からの騒音を受けることになり、効果がないことから、この地域には住宅の防音工事を拡充する、としています。
【コメント】詳しいことが分かりませんので、効果の程度は分かりませんが、このようなスライド方式に、騒音下で暮らす人たちの体が順応できるかも心配です。前日に書いたように、やはり、“ごまかし”と言わざるをえない案なのではないでしょうか。また、B滑走路が着陸に使われている場合に、B滑走路を使用できない大型機が着陸する場合や、トラブルがあり、より長いA滑走路を使用せざるを得ない場合にはどうするのか、などの問題があるように思います。
@昨日深夜、「カーフュー弾力的運用」90例目が発生
昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」90例目が発生しました。
・90例目 成田発那覇行きの全日空8561便・B767-300型機が、前便でのアモイ空港の管制制限による玉突き遅延で、成田空港到着が遅れ、午後11時12分にB滑走路から北側に離陸したものです。
@ホンダジェットが16機を受注
ホンダエアクラフトカンパニーはシンガポール現地時間8日、不定期航空サービスを手掛けるフランスのウィジェットから「ホンダジェット」16機を受注した、と発表しました。同機は現在までに100機以上の受注を受け、73機を引き渡しています。
写真はデモ飛行で成田空港に降り立ったホンダジェットです。
@ MRJ の最新情報を解説「三菱MRJ、設計変更後の2機は2018年末までに完成」
1月26日の「TOKYO EXPRESS」に掲載された松尾芳郎氏の「三菱MRJ、設計変更後の2機は2018年末までに完成」が三菱リージョナルジェット(MRJ)の最新の開発状況をまとめており、読み応えがあります。
*2月8日
@国と NAA は「運用時間の延長幅はこれ以上短縮しない」方針
今日のNHKニュースによりますと、国とNAAは成田空港の運用時間をより厳しくする方向で調整している、とのことです。「運用時間の延長幅はこれ以上短縮しないものの、深夜・早朝の滑走路の使用の制限をより厳しくして、騒音の影響が大きい地域で航空機が上空を飛ばない時間を6時間から7時間に延ばす方向で最終調整している」とのことで、今月中にも地元自治体に正式に示される方針、としています。
【コメント】またまた“手品”のような案を考えているのでしょうか。具体的はどうするのでしょうか。「運用時間の延長幅はこれ以上短縮しない」中で、「騒音の大きい地域で靜かな時間を7時間確保」とのことですが、「スライド方式」のように“ごまかし”としか言いようのない案のように思います。要は、「今まで40年間も激しい騒音に晒されてきた、周辺の人たち全ての睡眠時間をこれ以上削らない」ことが最低の解決策ではないでしょうか。
@マレーシア航空が繁忙期A380型機投入を前倒し
昨日のトラベルビジョンによりますと、マレーシア航空は3月17日〜4月11日までに予定していた成田=クアラルンプール線へのA380型機の投入を、3月1日からに前倒しすると発表しました。同航空の成田=クアラルンプール線は週10便で運航していますが、A380型機は成田発朝便に投入されます。
写真は成田空港を離陸するマレーシア航空のA380型機です。
@全日空の中距離 LCC 参入にピーチとバニラの統合の壁
全日空が1日に発表した「中期計画」(2018年2月1日の出来事参照)で「5のコア」の一つになっている「中距離LCCへの進出」ですが、今日の週刊ダイヤモンドによりますと、この計画がイマイチ具体的になっていないのには「ピーチ・アビエーションとバニラ・エアとの統合問題があるから」とのことで、仮に統合する新LCCの拠点を関西空港にすると「統合に際して仮に関空拠点のピーチに寄せるとなると、成田国際空港を拠点にするバニラのパイロットや整備士が(より労働環境が良い)成田を拠点にするLCC、ジェットスター・ジャパンなどへ流出する可能性が高いのだ」とのことです。
*2月7日
@成田空港1月の総貨物取扱量が6.2%増と好調維持
東京税関が昨日発表した「成田空港1月貨物取扱量(速報)」によりますと、総取扱量は前年同月比(以下同じ)6.2%増の17万5116トンとなりました。積込量は9.2%増で、この内、輸出量は19.7%増となり、取卸量は3.6%増で、この内、輸入量は10.0%増となっています。
写真は第1ターミナル北ウイングの北側にある、貨物地区です。2012年10月撮影の写真になります。
@デルタ航空が5月6日をもって成田=サイパン線と成田=コロール線を運休
昨日の「日刊トラベルビジョン」によりますと、デルタ航空は5月6日をもって、成田=サイパン線と成田=コロール線を運休とする、と発表しました。デルタ航空は同誌の取材に対して「2路線の搭乗率は100%に近く、現時点で悪い話は聞かない。しかし、中長期的に見るとミクロネシア方面への需要が減少傾向にあり、 LCCの就航なども見込まれることから判断した」としています。現在、成田=サイパン線は1日1便、成田=コロール線は週2便を運航しています。
@三菱重工の宮永社長「イースタン航空キャンセルの影響はない」
三菱重工の宮永社長は昨日の第3四半期決算発表で、 MRJのキャンセルについて「イースタン航空の経営状況が厳しいと聞いたので、キャンセルもありうると思っていた。しかし、 MRJの開発状況は進展しており、2020年半ばの初号機納入への影響はないと考えている。試験飛行時間は1700時間を超えた」と述べました。
【コメント】1月の中旬には標高2138mの米国フラッグスタッフ・パリアム空港で、標高の高い空港におけるエンジン性能などを確認する高地テストを行っています。
@ボー社がエンブラエルとの新会社に約90%の出資を提案
今日の日本経済新聞によりますと、ボーイング社とエンブラエル社が検討している、エンブラエル社の商用機部門を統合する新会社について、ボーイング社は同社の出資割合を80〜90%と提案している、とのことです。
【コメント】ボーイング社は新会社の主導権を完全に握る腹なのでしょうね。将来的にエンブラエルがB737MAX型機などを脅かす機種を開発しないように、押さえ込む意図があるものと思われます。
*2月6日
@タイ航空が夏季ダイヤで成田=バンコク線を増便、1日4往復に
昨日の「Traicy」によりますと、タイ航空は3月25日の夏季ダイヤから、成田=バンコク線を現在の1日3往復から4往復に増便する、と発表しました。ただし、成田発着の5月17日〜7月9日までは運休するとのことです。増便するのは午前便で、現在運航中の午前便よりも約1時間早い出発になります。機材はA330-300型機を使います。
@スクートが4月2日から成田=台北=シンガポール線を増便
昨日の「Traicy」によりますと、 LCC 「スクート」は4月2日から、現在は週7便で運航している成田=台北=シンガポール線を週3便に増便する、と発表しました。これにより、同路線は週10便となります。増便は月・木・土曜日の運航となり、機材は180席のA320型機となります。なお、同路線は現在、B787型機で運航しており、従来ダイヤは同じB787型機での運航となります。
@昨夜、関空のピーチ便で国際線旅客を国内線に誘導、13人が入国審査受けず
昨日午後10時20分頃、台北発関西行きのピーチ・アビエーション28便で、乗客の内13人が入国審査を受けずに入国するトラブルが発生しました。原因は駐機した91番スポットが国際線と国内線共用になっており、時間帯によって使い分けていたところ、昨夜はピーチの前日担当者が、1ヶ月前に国内線用に変更したこのスポットを、国際線用に間違って変更して、コンピューターに入力してしまったことにある、とのことです。スポットの確認はピーチの別の担当者2名が個別に確認することになっていますが、両者とも見落とした、とのことです。国内線の受託手荷物引き取り所にいた関西エアポートの警備員が、外国人が異常に多いのに気付き発覚し、すぐに、国際線エリアに誘導しました。しかし、13人がそのまま制限区域から出ていました。13人の内、12人は日本人で1人が台湾人とのことです。ピーチは13人に空港に戻り入国審査を受けるように連絡していますが、1人とは連絡が取れていない、とのことです。
@三菱重工が MRJ の遅延などで、三菱自動車株の売却を検討
今日の讀賣新聞によりますと、三菱重工は大型客船事業で大きな損失を出したことと、三菱リージョナルジェット(MRJ)開発の遅れで開発費がかさみ、業績が悪化していることから、所有している三菱自動車工業の株式を売却して財務改善にあてることを検討している、とのことです。売却先は三菱グループ内を考えている、とのことです。
*2月5日
@ピーチとバニラの第3四半期営業利益は共に黒字
今日の「日刊航空」によりますと、全日空は1日、子会社のピーチ・アビエーションとバニラ・エアの第3四半期業績を明らかにしました。これによりますと、ピーチ・アビエーションは売上高が約398億円、営業利益は約36億円、旅客数は約377万1000人、利用率は86.5%でした。また、バニラ・エアは売上高が約246億円、営業利益が約10億円、旅客数は約201万9100人、利用率は85.6%となっています。バニラ・エアの前年同期営業利益は若干の赤字でした。
@全日空機の操縦席窓にひびが入り羽田に引き返し
今日午前8時12分頃、羽田発富山行きの全日空313便・B737-800型機が離陸上昇中に、操縦席の窓1枚にひびが入り、羽田空港に引き返しました。同機は同30分頃に無事緊急着陸しました。同便は約2時間遅れで富山に向かいました。
【コメント】たまたまかも知れませんが、この所、全日空機のトラブルが多いような気がします。整備士は足りているのでしょうか。
@ボー社とエンブラエル社が商用機部門のみの新会社設立の構想
3日の日本経済新聞によりますと、ブラジルの現地メディアは2日、ボーイング社とエンブラエル社は商用機部門で新会社を設立する案を検討している、と報じました。ブラジル政府が安全保障上の理由から、ボーイング社とエンブラエル社の合併に反対していることから、軍事部門を切り離す計画を提示した、とのことです。エンブラエル社は「正式提案は受けていない」としたものの、ブラジル政府を交えて交渉していることを認めました。テメル大統領は「エンブラエルはブラジルの偉大な象徴だ」として海外企業が同社の経営権を握ることに拒否反応を示していますが、今後どう対応するか注目されます。
【コメント】この構想が実現しますと、三菱リージョナルジェット(MRJ)にとっては厳しいですね。リージョナル旅客機部門でエアバスのボンバルディア社支援、ボーイング社のエンブラエル社支援となりますと、 MRJ の販売に大きな影響が出るのではないでしょうか。
@ UPS が B747-8F 型機14機などを発注
ユナイッテド・パーセル・サービス(UPS)は現地時間1日、B747-8F型機14機とB767-300F型機4機を発注した、と発表しました。受領は2022年末までに終わる、とのことです。この注文は航空貨物輸送需要の増大を受けたもの、とのことです。
*2月4日
@迫力あるA380型機の着陸
2月1日に「空の駅 風和里しばやま」に行ったところ、北風の中、午前中の出発ラッシュにもかかわらず、A滑走路に着陸してくる航空機がありました。出発機が離陸待ちをしている場合、途中に着陸機が入ると、それを待たねばならず、待っている出発機の離陸を中断しなければなりません。従って、普通は着陸機はB滑走路にするものなのです。
着陸してきたのはアシアナ航空のA380型機でした。A380型機はB滑走路への着陸は出来ませんので、やむをえないのでしょうね。しかし、間近で、梢をかすめるように見えるA380型機はやはり大きく、迫力があります。成田空港で現在見られるA380型機はアシアナ航空とマレーシア航空の運航するものだけのようです。たまに、タイ航空もA380型機を使用することがあるようですが。
@成田空港で風疹の予防接種を呼びかけ
今日のNHKニュースによりますと、成田空港で今日、風疹の予防ワクチン接種を呼びかけるキャンペーンが行われました。風疹は海外から持ち込まれることも多く、妊娠中の女性が風疹に感染すると、生まれてくる子どもに障害が出ることもあります。海外に出かける人が風疹にかからないように、予防ワクチンの接種を呼びかけるため、今日を語呂合わせで「風疹の日」として行われたものです。今日はターミナル内で風疹の抗体検査も無料で行いました。特に30〜50代の男性は予防ワクチンの接種を受けていない人が多い、とのことです。
@A321neo型機の長距離型、A321LR型機が初飛行
エアバスは現地時間1月31日、A321neo型機の航続距離延長型であるA321LR型機が初飛行に成功した、と発表しました。A321LR型機はドアの配置を変更して、新たな燃料タンクを増設し、航続距離を約7400Kmまで延ばし、大西洋路線にも使えるようにする、とのことです。商業運航開始は今年10〜12月を目指すとしています。
【コメント】中距離型 LCC への参入を目指すバニラ・エアもこの機種に興味を示している、との報道もありました。
*2月3日
@バニラが6月16日からの国内線販売を延期、2月中に
バニラ・エアは昨日、国内線夏季ダイヤの6月16日以降の発売を、従来は「1月下旬から」としていましたが、これを「2月中に」と訂正するお知らせを発表しています。理由については「現在調整中」とのことで、明らかにしていません。
@日本航空のB787-8型機がエンジン取り外して1ヶ月以上駐機場に
昨日の「sorakara-gonのブログ」さんによりますと、日本航空のB787-8型機・JA841Jが成田空港の駐機場に1ヶ月以上、エンジンをはずしたまま置かれている、とのことです。何が原因なのでしょうか。エンジンの交換や整備を屋外で行っているとは思えないのですが。
@全日空の12月輸送実績は国際線旅客数が好調
全日空が発表した「2017年12月ANAグループ旅客輸送実績」によりますと、国際線では旅客数が前年同月比(以下同じ)7.6%増の84万9513人利用率は0.7ポイント増の76.8%となりました。
また、国内線では旅客数が0.2%増の313万4099人、利用率は1.1ポイント増の65.1%となっています。この内、成田空港路線の利用率は成田=札幌線が±ゼロの78.1%、成田=大阪線が0.4ポイント減の82.0%、成田=福岡線が4.2ポイント増の77.5%、成田=那覇線が2.1ポイント減の58.1%、成田=仙台線が29.1ポイント増の78.6%、成田=新潟線が0.4ポイント減の51.2%、成田=中部線が2.9ポイント増の76.8%となっています。
運航実績は国際線では欠航率が±ゼロの0.0%、定時出発遅延率が1.6ポイント悪化の15.7%、定時到着遅延率が1.0ポイント悪化の17.6%となっており、国内線では欠航率が1.5ポイント改善の1.0%、定時出発遅延率は3.6ポイント改善の10.5%、定時到着遅延率は3.4ポイント改善の15.0%となっています。
@シンガポールエアショーでの MRJ の実機展示はなし
今日のマスコミ報道によりますと、昨日の出来事で書いた、 MRJのシンガポール航空ショー実機展示ですが、やはり見送りになるようです。しかし、どこからの情報かははっきりとは書いてありません。三菱航空機会社などからの公式発表はないようです。
@ラスベガス空港近郊で着陸機を上から無人機で撮影した動画に批判相次ぐ
現地時間2日の「ATW online」によりますと、YouTubeに投稿された、ラスベガス上空で無人機から撮影された27秒間のビデオが、旅客機の航行の危険を冒している、と非難されている、とのことです。多分、着陸する旅客機を旅客機の真上から撮影したもので、無人機のあらゆる運航規定に違反している事が明白でFAA も調査に入っているとのことです。問題のビデオはここにあります。
*2月2日
@今日の降雪で成田発着のジェットスター ・J 10便が欠航
今日の成田空港の降雪により、ジェットスター ・Jは成田発着便の10便を欠航としています。
@デジタルサイネージロボット「HOSPI」が実験中でした
昨日、第2ターミナルの3階出発ロビーに行ったところ、1月15日から有効性実証実験を実施している自律走行ロボット「Signage HOSPI」(サイネージホスピ)がロビー内を走行していました。ロビー内の旅客の間を縫うようにして、ゆっくりと移動していました。旅客の注目度は結構高く、スマホで撮影する人や、のぞき込む人もいました。小さな子どもなどはびっくりして逃げていました。女性の係員が付き添っていて、搭乗手続カウンターの方に行こうとすると、向きを変えていましたが、ほぼ、自走で人や物を避けながら走行していました。
@NTT東日本らがフードコートや待合スペースなどの空席情報提供実験
昨日の日本経済新聞によりますと、NTT東日本と「バカン」は成田空港のフードコートや待合スペースなどの空席情報を、デジタルサイネージやスマートホンに表示するサービスを今月中旬から始めます。カメラの画像やセンサーで収集した情報を分析して空席を検出します。また、目的の場所まで、対話ロボットが音声で案内する機能も用意する、とのことです。
@ANA HD の「第3四半期決算」は売上高や営業損益などが過去最高
ANAホールディングスが昨日発表した「第3四半期決算」によりますと、売上高は前年同月比(以下同じ)11.9%増の1兆4908億円、営業費用は10.3%増、営業損益は27.4%増の1659億円、経常損益は31.9%増の1638億円、純利益は76.7%増の1529億円となっています。純利益の大幅増加はピーチ・アビエーションの子会社化によるもの、とのことです。また、輸送実績では、国内線旅客数が3.5%増、利用率は3.4ポイント増となっています。また、国際線旅客数は7.2%増、利用率は0.5ポイント増となりました。なお、2017年3月期の通期見通しは据置となっています。
@ANA HD が「2018〜2022年の中期経営戦略」を発表
ANAホールディングスは昨日、「2018〜2022年度ANAグループ中期経営戦略」を発表しました。同社の「中期計画」は2016年〜2022年で策定されていましたが、これを見直したものです。この計画では営業収入を2017年度の1兆9250億円から、2020年度に2兆3100億円にし、さらに2022年度には2兆4500億円にする、としています。その柱として「5つのコア」を設定していますが、この中で、首都圏空港の機能強化を前提として、羽田空港と成田空港のダブルハブ化を推進する、としています。さらに、子会社のピーチ・アビエーションとバニラ・エアの連携を強化し、中核事業に成長させ、中距離LCC領域にも進出する、としています。このために、2022年までにフルサービス部門で機材を現在の294機から335機に、 LCC部門で同35機から55機に拡充するとしています。
【コメント】相変わらず「いけいけどんどん」の積極姿勢ですね。少し気になるのは第1に「首都圏機能強化が決まる」事を前提にしている事と、第2に2019年春からハワイ路線に投入するA380型機について「羽田空港または成田空港から」としている点ですね。その頃までには羽田空港でのA380型機の乗り入れが認められる、と読んでいるのでしょうか。
@日本貨物航空の「第3四半期決算」は黒字に
日本郵船が先月31日に発表した「第3四半期決算」によりますと、成田空港を拠点とする日本貨物航空による航空運送事業は売上高が前年同月比(以下同じ)19.6%増の729億円、経常損益は12億円の赤字から7億円の黒字に転換しました。
@シンガポール航空ショーでの MRJ 実機展示はあるのか?
現地時間1月31日の「AINonlin(英文)」に「三菱、MRJの乱流を解決」との長文の解説記事が載っています。内容のほとんどは、すでに発表されている三菱重工の幹部発言や解説記事にあるものなのですが、この記事の主題が「シンガポール航空ショー」となっているところが少し気になります。今の所、三菱航空機会社などからは「シンガポール航空ショーに実機展示する」とのコメントはありません。しかし、試験4号機が現地時間1月下旬にアラスカのフェアバンクスへの往復飛行を行っていることや、同30日には飛行時間が5時間37分、同31日には4時間36分の長時間試験飛行を行っている事です。
*2月1日
@1月のアクセス数は20,613回でした。
@「睡眠時間を削ることが、騒音下住民の健康や命にどのような影響を与えるか」には誰も答えない
今日の千葉日報(電子版)によりますと、成田空港圏自治体連絡協議会と森田千葉県知事は昨日、石井国土交通大臣を訪れ、成田空港機能強化計画についての要望書を提出しました。
これに対して石井大臣は「国際競争力の強化と地域住民の生活環境の保全の両立を図ることが重要と考えている。要望を重く受け止め、機能強化の最終的な結論が得られるようしっかりと検討していきたい。」と答え、午前6時〜午後11時の成田空港の現行運用時間については「開港にあたり当時の大臣と知事の間で交わされた重い約束。しかし、その後のグローバル化の進展や激化する空港間競争を踏まえると、(夜間飛行制限運用時間)見直しは喫緊の課題。中長期的な展望に立ち必要な騒音対策を実施することを前提に協力をお願いしたい」と求めました。
一行は、続いて成田国際空港株式会社(NAA)の夏目社長を訪れ、同様の要望を行いました。今日の「日刊航空」によりますと夏目社長はこれに対し「再要望の内容を重く受け止め、今後どのような対応ができるかしっかりと検討していく。成田空港のさらなる機能強化は、首相の施政方針演説で触れられたとおり、国策と言ってもおかしくない。また、成田空港が地域にさらに貢献していくためには、必須の事柄であると考えている。さらなる機能強化の実現に向けて、皆さまと連携してしっかりと対応していきたい」と述べました。要請後、協議会の会長である小泉成田市長は「回答いかんによる。少しでも静穏時間が延びる回答をいただければ」と述べました。
【コメント】国が「いよいよ、正体を現した」という感じですね。「国策だから住民の生命や生活がどうなってもかまわない」と言うことなのでしょうね。国民の生活向上に責任を持つことは当然でしょうが、国の政策は「少数者の生活と命を犠牲にしても良い」と強行されるべきものではないと思います。ましてや、それが大企業のもうけのためや、大金持ちの利益のために行われるべきものではないと思います。国もNAAも、また、機能強化計画を推進しようとする「共栄・共存派」や地元経済界などは、『静穏時間、すなわち睡眠時間を削ることが、騒音下住民の健康や命にどのような影響を与えるか』と言う問題については一言も触れようとはしません。小泉市長を始め周辺市町長も「少しでも静穏時間が延びれば」と言うことでは困ります。騒音下の住民は現在もぎりぎりのところで我慢させられているのですから。
@インドネシア・エアアジアXが5月2日から成田=ジャカルタ線に就航
インドネシアエア・アジアXは昨日、成田空港発着で、5月2日から成田=ジャカルタ線を新設すると発表しました。1日1往復で、機材はA330-300型機を使います。同社は現在、成田=デンパサール線を1日1往復で運航しています。
【コメント】エア・アジアグループとしてはエアアジア・ジャパンの国内線と接続したいところでしょうから、近い将来、エアアジア・ジャパンの成田空港乗り入れもあるかも知れませんね。