「平成19年度成田国際空港周辺航空機騒音測定結果報告書」を読む
千葉県環境生活部が毎年発表している「成田国際空港周辺航空機騒音測定結果報告書」の19年度版が送られてきました。この報告書のデータは(財)成田空港周辺地域共生財団がまとめたもの(10月23日の出来事を参照)を使用しています。
その報告書の概要を私なりにまとめました。
1、環境基準達成率は3%上がって、53.6%
成田空港周辺地域共生財団は「騒防法の騒音区域の指定が現状に合致しているものかどうかを検証するのが主な目的」と言うことで、「航空機騒音に関する環境基準」については、全く触れません。
千葉県の報告書ではこの「航空機騒音に関する環境基準」が達成されているかどうかを検証しています。これが、この報告書の意義ではないかと思っています。
平成19年度の「航空機騒音に関する環境基準」達成率は【53.6%】となり、前年度よりも3%上がりました。喜ぶべき事ですが、それでも達成率が50%強しかないと言うことは他の空港周辺に比べてどうなのでしょうか。
各測定局毎の具体的数字は別ページに載せますが、達成・未達成局の地図を下記に載せます。なお、達成・未達成の測定点は工業団地などの環境基準適用外の測定点です。
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2、騒音は全体的にやや低くなっているが、平行滑走路関係は横ばい
騒音は全体としてはピークレベル・WECPNLともに若干改善しています。下図を参照してください。
この原因は(1)低騒音機が増えていること、(2)機材が小型化していること、にあると考えられます。しかし、平行滑走路関係の測定局ではほとんど横ばいになっています。この原因は4000m滑走路の発着回数が横ばいなのに対して、平行滑走路の発着回数が前年度に比べて年間約3200回増加しているためではないかと考えられます。
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3、騒音コンターも少し小さくなる
この結果、騒音コンターも前年度に比べて少し小さくなっています。顕著なのは、南側の70WECPNLコンターが前年度までは九十九里浜の海岸線を突き抜けていたのですが、今年度は海岸で収まっています。北側もやや小さくなっているようです。
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4、逆転現象は26局
「1本の滑走路だけの騒音で計算するよりも、2本の滑走路からの騒音を加えて計算した方がWECPNL値が小さくなってしまう」という「逆転現象」は19年度は26局で見られました。これも、平成25年4月から採用される「Lden」になれば、なくなることになりますが。
5、千葉県環境生活部のご努力に感謝します
今年の報告書は10月の日付で発行されています。つい最近までは、翌年の2月の日付で発行され、例年3月に開催される「騒音対策委員会」の質問に使おうと思っても、間に合うか間に合わないかハラハラしたものです。今年のように、早く発行していただけると、十分検討出来ます。来年もよろしくお願いいたします。