成田空港会社への公開質問書


公開質問書

成田国際空港株式会社社長 森中小三郎 様

2008年12月16日

成田空港から郷土とくらしを守る会
会長 木内昭博


 このところ、年間発着回数30万回についていろいろな報道がなされています。
 発着回数が増加することは私たち、騒音下で生活する住民にとって、さらなる騒音を被ることになり、見過ごすことは出来ません。
 この時期に、成田国際空港株式会社としての考えを確認したいと思い、下記事項について質問をいたします。
 貴殿の回答を文書で2009年1月15日までにお願いいたします。
 
1、去る11月27日に行われた「航空セミナー」において、貴社の黒野特別顧問は「騒音下に暮らす住民はほんの一部。成田市でもほとんどの人は『良い街になった』と喜んでいる。」という趣旨の発言をしました。
 しかるに、成田空港が現在、順調に運営されている裏には、日夜、成田空港を離発着する航空機の騒音に悩まされ、我慢を強いられている住民がいることは明らかです。
 空港公団から貴社になって以降、騒音地域の住民は移転交渉や民家防音などの諸対策などで、貴社の姿勢が「画一的で、これまでの地域との約束や騒音下住民の苦しみと苦労を考慮しないものとなっている。」と痛感しています。
 そして、「これも、民営化による『利益最優先』の影響ではないか。」と懸念し、「このような中から、上記のような黒野発言が出ているのではないか。」と心配しています。
 上記の黒野顧問の発言のように「街の住民が喜んでいるのだから、騒音下の住民は我慢しろ。」と言うのが貴社の基本的な立場なのでしょうか。さらに、加害者としての責任についてどのように考えているのかお答えください。

2、貴殿は去る6月20日のNBonline のインタビューの中で、成田空港発着枠の拡大について、「状況を見ながら段階的に増やしていくつもりです。」、「しかし、実はそれほど急激に発着枠を増やす必要はないのです。」と述べています。
 一方、黒野顧問は先の「航空セミナー」における講演の中で、「30万回は単なる『構想』ではない。100%実現する。」と述べました。
 そして、航空需要予測(別紙資料)を示しながら、「首都圏の空港容量は2010年の成田空港の平行滑走路2500m化と羽田空港再拡張でも、2014年から2015年にかけて再び満杯になる。羽田空港の発着枠拡大はこれ以上無理だから、その後は成田空港の30万回しかない。」と述べましたが、「どのくらい増やせば何年ぐらい需要をまかなうことが出来るのか。」と言う、説明はありませんでした。
 貴殿と黒野顧問との発言にはかなりの差があるように見えますが、貴殿の考えも、「この際、『30万回までの発着枠拡大』を周辺市町から了承してもらい、後は、必要に応じて自由に増便出来る体制を作ってしまおう。」と言うことなのでしょうか。
 成田国際空港株式会社CEOとして、「年間発着22万回以上への増加」に対する、貴殿の考えをお答えください。

以上


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