南スーダン陸上自衛隊11次隊先発隊の成田空港利用に対する申し入れ書とレクチャー概要


陸上自衛隊先遣隊の成田空港使用に関する申し入れ

防衛大臣 稲田朋美 様

2016年11月28日

成田空港から郷土とくらしを守る会

会長 木内 昭博

 私たち、「成田空港から郷土とくらしを守る会」は成田空港建設が本格化した1971年3月より、45年にわたり、周辺住民の生活と権利と安全を守るために活動してきました。

 さる、11月20日に、南スーダン国連平和維持活動で、安全保障関連法に基づき可能になった「駆け付け警護」などの新任務に対応する陸上自衛隊11次隊の先遣隊が、成田空港から民間旅客機を使って出国したと報道されています。

 成田空港につきましては、1972年4月15日に締結された、「平和塔遷座の際の『取極書』」においても、当時の運輸大臣 丹羽喬四郎氏、千葉県知事代行 川上紀一氏、新東京国際空港総裁 今井榮文氏 が署名・捺印して、第三条一項で「新東京国際空港は純然たる民間空港であり、安保条約およびこれに基づく地位協定の存在にもかかわらず、これを軍事的に利用することは絶対に認めない。」と約束しております。

 さらに、1972年9月20日に、当時の航空局長立ち会いのもと、空港公団総裁と本会を初めとする周辺住民との間で、「新空港は、純然たる民間航空のためのものであり、軍事利用させることはない。」とする「航空公害に関する交渉覚書」が取り交わされています。

 これらの約束については昨年11月10日に行われた「イラク復興支援」時の成田空港軍事使用問題に関する交渉で、国土交通省は「約束についてと、その経緯については、防衛省側に伝えてある。防衛省は約束について、良く理解していただいていると思う」と回答し、この席には貴省の統合幕僚監部 参事官付 防衛事務官 松本隆治氏が同席していました。

 今回行われた陸上自衛隊の成田空港からの出国は、これらの約束に違反していることは明らかです。

 貴職におかれましては、南スーダンへの本隊派遣など、今後このような約束違反がないよう要請いたします。

以上


陸上自衛隊先遣隊の成田空港使用に関する申し入れ

国土交通大臣 石井 啓一 様

2016年11月28日

成田空港から郷土とくらしを守る会

会長 木内 昭博

 私たち、「成田空港から郷土とくらしを守る会」は成田空港建設が本格化した1971年3月より、45年にわたり、周辺住民の生活と権利と安全を守るために活動してきました。

 さる、11月20日に、南スーダン国連平和維持活動で、安全保障関連法に基づき可能になった「駆け付け警護」などの新任務に対応する陸上自衛隊11次隊の先遣隊が、成田空港から民間旅客機を使って出国したと報道されています。

 成田空港につきましては、1972年4月15日に締結された、「平和塔遷座の際の『取極書』」においても、当時の運輸大臣 丹羽喬四郎氏、千葉県知事代行 川上紀一氏、新東京国際空港総裁 今井榮文氏 が署名・捺印して、第三条一項で 「新東京国際空港は純然たる民間空港であり、安保条約およびこれに基づく地位協定の存在にもかかわらず、これを軍事的に利用することは絶対に認めない。」と約束しております。

 さらに、1972年9月20日に、当時の航空局長立ち会いのもと、空港公団総裁と本会を初めとする周辺住民との間で、「新空港は、純然たる民間航空のためのものであり、軍事利用させることはない。」とする「航空公害に関する交渉覚書」が取り交わされています。

 20日の陸上自衛隊の成田空港からの出国は、これらの約束に違反していることは明らかです。

 貴職におかれましては、、防衛省とも協議し、南スーダンへの本隊派遣など、今後このような約束違反がないよう要請いたします。

以上


@「南スーダン派遣は軍事利用ではない」と防衛省、国土交通省は“あなた任せ”
 2016年11月28日午後、共産党と本会が合同で、国土交通省と防衛省に、20日に南スーダン国連平和維持活動で、安全保障関連法に基づき可能になった「駆け付け警護」などの新任務に対応する陸上自衛隊11次隊の先発隊が、成田空港を利用した問題でレクチャーを受けました。

 最初に、共産党と本会から申し入れを各々行い、レクチャーを受けましたので、その概要を下記に載せます。写真は本会申し入れ書を防衛省に提出する、副会長の鵜澤治です。

 なお、このレクチャ−の後、国土交通省に対して「首都圏空港機能強化」問題について1時間にわたり話し合いを行いました。これについては、後日、載せたいと思います。

 共産党からは斉藤和子衆議院議員などが出席しました。防衛省からは昨年の11月10日に行われた「イラク派遣、成田空港軍事利用問題」交渉(2015年11月10日出来事参照)にも出席した統合幕僚監部 参事官付 防衛事務官 松本隆治氏 他1名が出席しました。

 最初に松本氏から経過の説明がありました。
 青森発羽田行きの日本航空定期便で出発し、羽田空港から成田空港に移動して、民間機で南スーダンに向かった、との説明がありました。

 これに対して、出席者からは「何故、成田空港を使ったのか」との質問があり、松本氏は「今回は時期が迫っていたので、専用チャーター機を用意できなかった。今後の移動では民間チャーター便を使う予定だ」との答えがありました。

 「これは、部隊としての移動なのか」との質問には、「その通りだ」との答えで、「戦闘服で民間機に搭乗したのか。したとすれば完全に、軍事利用ではないか」との批判に、松本氏は「戦闘服で搭乗した。これは、PKOとしての平和活動だ。約束違反には当たらない。今までも戦闘服で行っている」との答えでした。

  出席者からは「今までも。約束違反だが、今回は『駆けつけ警護』の任務が付与され、戦闘に巻き込まれる可能性が高い。」との指摘に対して、松本氏は「現地の情勢は安定している。南スーダンの安定は、アフリカ地域全体の平和に貢献する。」と述べました。

 また、「何故、戦闘服で行かなければならないのか。民間機の乗客にも不安を与え、警備上も問題があるのではないか」との指摘に対して、松本氏は「南スーダンに到着したら、すぐに、任務を遂行するためだ。」との答えでした。

 「取極書」の作成にかかわった高橋勲弁護士からは「取り決め書を結んだときには、戦闘にかかわる一切の物資の輸送も『だめ』と言う事で合意している。だから、ベトナム戦争で米軍の軍事輸送を担った『MAC チャーター便もだめ』と言う文言も入っている。今後は成田空港の軍事利用をしないで欲しい」との要求に対して、松本氏は「成田空港はだめで、他の空港なら良いというのか」との切り返しがあり、出席者からは「そんなことは言っていない。憲法に違反する海外への自衛隊の派遣はやってはいけない、と言っているのだ」というやり取りがありました。

 出席者からは「昨年の話し合いで要望した『取極書』第4項の『疑義が生じた場合には、再度協議する』との約束に従って、再協議について、省内で検討したのか」との質問があり、松本氏は「約束違反でないので、再協議は必要ない」との答えでした。

 この協議の中で、約束当事者の一人である国土交通省は、昨年と同様に「防衛省には約束について、良く伝えてある。従って、防衛省が『軍事利用ではない』と言っているので、今回の南スーダン派遣も軍事利用ではないと判断している」と、全くの“あなた任せ”の無責任な態度に終始しました。 


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