芝山町・成田空港共栄推進委員会とは

 先日の公聴会の時に芝山町の相川町長が「共栄推進委員会」と言う言葉を使いました。今まで、聞いた事のない委員会でしたので、調べてみました。
 下記の「
芝山町・成田空港共栄推進委員会出席者名簿」と「平行滑走路整備に伴う諸課題への対応(案)」は8月25日の町議会全員協議会で配布されたとの事です。
 事の起こりは、国土交通省が再北伸に関する説明会で「A滑走路関係の騒音は増えない。むしろ、低騒音機の導入が進む事により、コンターは縮小するが、地域の実情もあるので、騒特法の防止特別地区の縮小は行わず、現状維持としたい。」と表明したにもかかわらず、北側の成田市のA滑走路関係地域で移転補償の対象地域となる「防止特別地区」に新たに7戸が追加された事にあるようです。しかし、南側の芝山町では追加の指定はありませんでした。
 この事に怒った相川町長などが円卓会議を一緒にやった山本雄二郎共生委員会代表委員などと国土交通省・千葉県・成田国際空港株式会社を呼んで詰めた結果が今回の「芝山町・成田空港共栄推進委員会」発足となったようです。
 芝山町・成田空港共栄推進委員会の第1回会議は8月9日に開かれましたが、その前の準備の段階では相川町長や山本代表などが当時の石指国土交通省成田国際空港課長などをかなり厳しく詰めたようで、この際には、それまで同席していた芝山町の担当職員を退席させたとの事です。
 第1回委員会では山本代表が講演を行い、会議の討論にも出席しているようです。相川町長はこの席で、現在東峰地区住民に成田国際空港株式会社が約束している22時台の便数について、「安全上必要ならもっと増やしても良いのではないか。」と言う意味の発言をし、芝山町議会の空港対策委員長は「2500mで良いのか、便数をもっと増やした方が良いのではないか、と言うような声が町民から出ないとダメだ。」と言うような趣旨の発言をしたようです。全体的には「空港の発展は芝山町に取って必要。そのためには、騒音増加はやむ終えない。そのかわり、周辺対策と地域振興策をやれ。」と言う事のようです。しかし、これは相川町長も公述で話していた町民説明会での「騒音は今で限界だ。これ以上の騒音はダメ。」とする町民の意見とは大きく乖離しているように思います。
 地域振興策の目玉は芝山鉄道の延伸で、目に見える地域振興策がない中で町民の期待は大きいものがあります。これには、芝山町に工場があるオーチスエレベーターが開発を進めているリニアモターカーを使う案もあるようで、一番安上がりで実現の可能性も高いと判断しているようです。しかし、町民の中には「都心に早く行くためには、千代田で乗り換え、成田で特急に乗り換えなければならず不便。シャトルバスで直接成田空港駅に行く方が便利。」、「採算が取れないと結局は町民に負担がかかって来るのでは・・・」と疑問を表明する人もいます。
 この第1回委員会を経て、公聴会での相川町長の公述となったようです。


芝山町・成田空港共栄推進委員会出席者名簿

 
職名
氏名
1
国土交通省航空局飛行場部成田国際空港課長 石指雅啓
2
千葉県総合企画部空港地域振興課長 高木健一
3
成田国際空港株式会社常務執行役員(地域共生担当) 伊藤斉
4
成田国際空港株式会社地域共生部長 後藤幸雄
5
芝山町長 相川勝重
6
芝山町議会議長 文違義雄
7
芝山町議会空港対策委員会委員長 稲垣弘
8
芝山町助役 岩澤幸男
9
芝山町建設課長 荒井久男
10
芝山町企画財政課長 飯田晴雄
11
芝山町都市計画課長 上原廣之
12
芝山町環境空港対策課長 怒賀茂


平行滑走路整備に伴う諸課題への対応(案)


 平行滑走路整備の進捗に伴い、芝山町において諸課題が顕在化しっつある中で、芝山町・成田空港共栄推進委員会を中心に、その解決に向けて、四者(芝山町、国土交通省、千葉県及び成田国際空港株式会社)は、以下の点について誠意をもづて対応するものとする。


1、騒特法基本方針の取り扱いについて
 2009年度の平行滑走路供用までに、芝山町におけるA・B両滑走路の騒音実態調査を行い、調査結果及び過去の経緯や地域の実情などについて四者(共栄推進委員会)で検証のうえ、防止特別地区の見直しを含め必要な対策について検討し、実現を図る。
 また、空港整備の進展や能力の増強などにより騒音影響範囲が変わる場合には、改めて防止特別地区の見直しを行う。

2、騒音対策の充実について
 騒音区域における体感騒音との乖離、発着回数増加による町民の懸念等に対応するため、騒音対策の一層の充実を図り、とくに、谷間地域において、騒防法第一種区域並みの対策の実現を図る。

3、民営化覚書の早期実現について
 成田空港に関する四者協議会のワーキンググループの検討を見守りつつ、このうち芝山町独自の対応について共栄推進委員会で早期実現を図る。

4、空港機能の拡充について
 成田空港においては、国際拠点空港としての役割を果たすため、空港機能を拡充する必要性は理解するが、とくに年間発着回数22万回を超える場合には、改めて地元と協議するものとする。

5、芝山鉄道の延伸について
 芝山鉄道は、芝山町にとって、長年の夢であり、地域発展に資するものであることから、共栄推進委員会で論点を整理するなど、実現に向けて関係者で協議を行うものとする。

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