2010年12月後半の出来事


*12月31日

@LCC専用ターミナル建設は当面見送りに・成田空港会社
 今日のSankeiBizによりますと、成田国際空港株式会社は格安航空会社(LCC)専用ターミナルの建設を当面見送る、とのことです。建設に向けて複数の格安航空会社(LCC)と交渉してきましたが、施設利用料引き下げの要求が強く、これを受け入れると建設費や運用コストが回収できないため、とのことです。当面、来年度の事業費には盛り込まないことになりました。当面は日本航空が縮小して余裕がある既存の施設を使って対応する、とのことです。
【コメント】成田国際空港株式会社は早くから専用ターミナルの早期建設には慎重でした。私も、接触する複数の同社社員から「作りません」と聞いていました。建設業界などが一生懸命建設を焚きつけていたようです。格安航空会社(LCC)をあまり優遇すると、現在成田空港を利用している航空会社(フル・サービス・キャリア)から「不公平だ。こっちも下げろ」という要求が強くなります。成田空港はこれらのフルサービスキャリアを大事にしないとなりません。

フルサービス・キャリア: 格安航空会社がローコスト・キャリア(LCC)と呼ばれるのに対して、座席の種類 や様々なサービス、また飲食物などの機内サービスなどを持つ従来型の航空会社がフルサービス・キャリア (full service carrier)、あるいは legacy carrier などと呼ばれる。

@乱気流で乗客1人が軽傷・成田着の大韓航空機
 昨日午後9時頃、韓国・済州発成田行きの大韓航空717便・A300-600R型機が成田空港の東北東約100Km を飛行中に乱気流に巻き込まれました。この揺れで乗客の女性1人が転倒しました。同機は9時30分頃着陸しましたが、この乗客は病院に搬送されました。首を打撲した、とのことです。当時、シートベルト着用のサインは点灯していましたが、この女性はトイレから自席に戻る途中でした。

@春秋航空の高松=上海線が3月27日から定期チャーター便で運航
 香川県は昨日、春秋航空と高松=上海線を3月27日から週4往復の定期チャーター便として運航することで合意した、と発表しました。機材はA320型機が使われる予定です。県は今後、運航開始時のリスク負担などで運航を支援することになります。


*12月30日

@「騒音が原因で死亡する人が年に20万人」・世界保健機関
 今日のCNNニュースによりますと、音環境を設計する英コンサルティング会社サウンドエイジェンシーの会長・ジュリアン・トレジャー氏は講演の中で「世界保健機関(WHO)は、全世界で毎年20万人近くが騒音が原因で死亡しているという統計を発表している」と述べ、また、「このほか、欧州における健康統計でも、欧州の全人口の推定3%が、長期にわたり騒音にさらされた結果、虚血性心疾患を発症していることが判明している」と述べています。

@西日本の7空港で未公表トラブルが約2年間に10件
 今日の読売新聞によりますと、2008年11月から2010年11月までの約2年間に、関西空港や高松空港など西日本の7空港で、公表されていないトラブルが10件あった、とのことです。中には2009年6月14日に関西空港で起こったアリタリア航空・B777型機が管制官の指示に反して滑走路手前の停止線を越えて滑走路に進入し、着陸態勢に入っていた他機が着陸をやり直すトラブルもあったそうです。
【コメント】アリタリア航空機のトラブルは私の検索にも引っかかりませんでした。26日に起こった「エアプサン」機のトラブルと同じものですね。何故、公表されなかったのでしょうか?

@全国13空港の警備・消防事業から「空港保安協会」を撤退へ
 国土交通省は昨日までに、全国の19空港で警備・消防事業を行っている財団法人「空港保安協会」について、軍民共用空港を除く13空港の事業から撤退させることを決めました。「天下り」の批判を考慮したもののようです。今後、民間事業者の参入を促す、とのことです。

@LCC「ジンイア」の佐賀=仁川線が就航
 昨日、韓国の格安航空会社(LCC)「ジンエア」の佐賀=仁川線季節運航定期チャーター便が運航を開始しました。週2往復で3月1日までの運航となります。

@LCC「春秋航空」の高松=上海線定期便は4月以降に延期へ
 香川県知事は28日の記者会見で、来年3月末からの運航を目指していた中国の格安航空会社(LCC)「春秋航空」による、高松=上海線定期便の運航開始が事実上難しくなったことを明らかにしました。定期便運航のためには90日前までに国土交通省に申請しなければなりませんが、期限までの申請は難しくなった、とのことです。今後は1ヶ月前までの申請でよいチャーター便運航に向けて春秋航空側と交渉をする事になり、定期便につなげる考えです。

@全日空が設立するLCCで中部空港路線を検討
 全日空は年明けにも設立する格安航空会社(LCC)で中部空港を中心とする国際・国内線就航を検討している、とのことです。この格安航空会社では当初は関西空港を拠点として国際・国内3路線を運航する予定ですが、順次拡大する事にしています。


*12月29日

@成田空港でも今日が出国のピーク・38000人が出国
 年末年始の混雑が始まりましたが、成田空港でも今日、年末年始を海外で過ごす人の出国ピークを迎えました。約38000人が出国します。今年は円高の影響でヨーロッパやハワイなどに出かける人が多く、逆に中国が少なくなっています。また、円高が影響して訪日外国人が減っているとのことです。成田空港の年末年始の利用者は昨年に比べて約70000人少なくなる見通しです。

@整理解雇されたパイロットが原告団を結成
 日本航空から整理解雇されたパイロット58人は昨日、整理解雇の撤回を求める訴訟の原告団を結成しました。団長には前航空労組連絡会議長で日本航空機長でもある山口宏弥氏が選ばれました。(2009年12月6日出来事参照)

@「LCC利用してみたい」が39%・JTBアンケート
 JTBが11月4日〜18日に行った格安航空会社(LCC)についてのアンケート(10156人)によりますと、「LCCを利用してみたいですか?」との問いに「はい」と答えた人は39%となりました。「いいえ」と答えた人が13%、「分からない」と答えた人が48%でした。「はい」と答えた人以外で「どんなときに利用を考えますか」と聞いたところ、「料金が安いから」とした人が26%、「フライトが短時間なら」と答えた人が16%となりました。
【コメント】日本ではまだ、馴染みがないことから全体として「ようす見」が多いようですね。ただ単に「安い」だけでは定着しないのではないでしょうか。日本人には「安全性」や「定時性」や「快適性」も大きな要素になると思います。パック旅行の料金もホテル代などをトータルで考えると相当安いものもあります。自分で手配して好きに行動するという旅慣れた人には格安航空会社も良いのでしょうね。先日、全日空の国内線に乗りましたが、コーヒーも有料になっており、格安航空会社並みのサービスになっている感じでした。

@日本航空が役員に自社株を配分
 企業再生支援機構は昨日、日本航空の役員に自社株を配分すると発表しました。役員の意欲や責任感を高めると同時に、株主を複数化して連結納税制度を適用し、税金を節約するため、とのことです。これにより、年間約数十億円が節約できる、とのことです。
【コメント】企業には色々な節税手段があるものですね。我々一般国民にもこのような制度を作って欲しいと思います。それと、経済音痴なのですが、「自社株を公開すると大儲けできる」とのことですが、役員はこれで公開時には「濡れ手に粟」となるのでしょうか。コスト削減で苦労している社員にこそ自社株を配分して意欲を高めることが必要ではないでしょうか。


*12月28日

@日本航空路線縮小の影響くっきり・11月運用状況
 成田国際空港株式会社は昨日、11月の空港運用状況を発表しましたが、日本航空路線縮小の影響がはっきり出る結果となりました。発着回数が前年同月比2%減(国際線同5%減、国内線同29%増)、旅客数が同6%減(国際線同8%減、国内線同26%増)、貨物量が同7%減、給油量が同4%減となっています。羽田空港国際化の影響について同社は「どのくらいの影響があったかの見極めは難しい」としています。
【コメント】11月現在の今年度総発着回数は約13万回で、年間の伸び率を4%と仮定しても、2010年度の総発着回数は約19.5万回にしかならず、22万回には遠く及びません。「年間発着回数30万回」は一体どのような根拠に基づいたものだったのでしょうか。これこそ、「過大な需要予測」ではないでしょうか。

@成田空港会社が「半期報告書(第7期中 平成22年4月1日〜9月30日)」発表
 成田国際空港株式会社がホームページで「半期報告書(第7期中 平成22年4月1日〜9月30日)」を発表しています。

@ガーナ人強制送還時死亡で入国警備官10人を送検
 去る3月22日に成田空港で起こった、ガーナ国籍の45才男性が強制送還される際、搭乗した機内で暴れたため入国警備官が取り押さえた直後に死亡した問題(3月23日の出来事参照)で、千葉県警は護送にかかわった東京入国管理局の男性入国警備官10人を、特別公務員暴行陵虐致死容疑で千葉地検に書類送検していたことがわかりました。この男性の妻が「取り押さえた際に、口に押し込まれたタオルなどで窒息死した」と訴えていました。ただ、司法解剖では死因は特定できませんでした。

@日本航空の整理解雇者が約160人に
 日本航空が31日で整理解雇する社員が当初の202人から減少し、約160人になる模様です。早期退職や再就職紹介に数十人が応じたため、とのことです。

@IBEX機が主脚を手動で下ろし、誘導路上で立ち往生
 昨日午後2時12分頃、小松発仙台行きのIBEXエアラインズ90便・CL-600型機が着陸態勢に入ったところ、右主脚格納庫に入った雪のため主脚が降りず、手動で下ろし着陸しました。手動で下ろした際にはステアリングがロックされる仕様になっているため、同機は誘導路に入ったところで動けなくなりました。このため、仙台空港の滑走路が約10分間閉鎖となりました。このトラブルの修理と、その後に、翼の防氷装置の故障も見つかり、3便が欠航しました。

@新潟県・市がウラジオストク航空と冬季運航再開で協定書
 新潟県と新潟市は昨日、ウラジオストク航空と冬季運航の再開で協定書を締結しました。協定書では搭乗率がウラジオストク線では69%、ハバロフスク線では67%を切った場合に差額相当分を県と市が同航空に支払うことになります。ただし、1便当たり200万円を上限とすることになります。


*12月27日

@成田市長に小泉氏が再選
 昨日行われた成田市長選で現市長の小泉一成氏が大差で再選されました。小泉氏は「直下地域の騒音対策に力を入れる」と表明しました。「平行滑走路の延伸・運用時間の延長」を訴えていた湯浅氏は落選しました。

@エアプサン機が滑走路に誤進入・日航機が着陸やり直し
 昨日午前11時35分頃、福岡空港で離陸機が滑走路に誤進入するトラブルがありました。誤進入したのは韓国の格安航空会社「エアプサン」の福岡発釜山行き141便・B737-400型機で、管制官が滑走路手前で待機するように指示しましたが、滑走路に約20mはみ出してしまいました。これに気づいた管制官が着陸態勢に入っていた仙台発福岡行きの日本航空3530便・B737型機に着陸のやり直しを指示しました。その時日本航空機は滑走路まで5.6Km まで接近していました。エアプサン機はその後すぐに離陸し釜山に向かいました。日本航空機は約18分後に着陸しました。運輸安全委員会は重大インシデントの可能性があるとして、今日、調査官2名を派遣しました。

@スターフライヤーが12年7月に定期国際線を就航へ
 スターフライヤーは今日、2012年7月から北九州=プサンに国際定期便を就航させる、と発表しました。1日2往復とし、年間14〜15万人の利用を見込んでいます。国内の航空会社で国際線定期便に参入するのは日本航空・全日空に続いて3社目になります。

@日本航空機が発電機不具合で名古屋空港に引き返す
 今日午前7時40分頃、名古屋発秋田行きの日本航空4311便・CL600-2B19型機が岐阜県下呂市上空を飛行中に、発電機の不具合を示す警告灯が点灯しました。このため、同機は名古屋空港に引き返し、8時30分頃無事着陸しました。同便は欠航となりました。

@ヤフオクにB727型機が出品・即決価格1億円
 Yahoo JAPAN のオークションにB727型機の実機が出品されています。即決価格が1億万円で英国からの船便料金も含めてとのことです。ただし、エンジンや操縦機器はなく、ハウスとしての出品でした。このオークションは昨日までの期限でしたが、この時は即決価格が5千万円でした。色々な質問の応答はおもしろいものでした。結局、入札者はゼロでした。1週間延長となって即決価格が倍になりました。


*12月26日

@来年度予算案で成田空港関係は2億円
 24日に閣議決定された来年度予算案では、成田空港関係は同時離発着に向けた管制システムの整備費用が2億円盛り込まれました。

@11月成田空港の貿易額は輸出が0.7%増、輸入が5.9%増に
 東京税関が22日に発表した成田空港11月の貿易統計によりますと、金額ベースで輸出が前年同月比0.7%増、輸入が同5.9%増となりました。また、重量ベースですと輸出が同6.9%増、輸入が同8.7%増となっています。

@成田空港での覚せい剤摘発量が11月末でこの10年最多に
 東京税関のまとめによりますと、成田空港で今年摘発された覚せい剤の量は11月末現在で約231Kg(末端価格で208億円相当)になり、この10年間で最多となりました。

@中部発のルフト機がフラップ故障で関西空港に緊急着陸
 昨日午後2時40分頃、中部空港発フランクフルト行きのルフトハンザ航空737便・A340型機が離陸したところ、右主翼のフラップが戻らなくなるトラブルが発生しました。昨日、中部空港は強風が吹いていたため、同機は関西空港に向かい関西空港に緊急着陸しました。なお、昨日の中部空港は午前中を中心に強風のため、国際便が5便欠航しました。

@日本エアコミューター機が与圧不具合で引き返す
 昨日午後3時15分頃、鹿児島発徳之島行きの日本エアコミューター3997便・DHC8-400型機が離陸したところ、与圧装置の不具合を示す警告灯が点灯しました。このため、同機は鹿児島空港に引き返しました。点検したところ、後部貨物室ドアのゴム製パッキングが破損していました。修理のためにこの便と折り返し便が欠航となりました。


*12月25日

@昨年度の成田空港航空機騒音環境基準達成率が65.9%に
 昨日届いた千葉県環境生活部の「平成21年度成田空港周辺航空機騒音測定結果報告書」によりますと、昨年度の成田空港周辺航空機騒音の環境基準達成率が65.9%になったとのことです。前年度の59.0%から6.9ポイント上昇しました。この原因は新型インフルエンザやリーマンショック後の景気の後退による発着回数の減少と航空機の小型化にあるようです。報告書の分析は「解説と資料のページ」に載せておきます。


*12月24日

@「日本航空キャビンクルーユニオン」のストは中止に
 日本航空キャビンクルーユニオンは今日と明日に予定していた整理解雇に反対するストライキを中止しました。今後は、整理解雇の無効を求める訴訟を年明けにも提訴する、とのことです。

@台北の労働局が年齢差別で日本航空に罰金
 台湾の台北市労働局は「日本航空台湾支店が年齢差別による違法な解雇を行った」として、罰金60万台湾ドル(約170万円)の罰金の支払いを命じました。同支店は今年、年齢の高い客室乗務員18人を解雇しましたが、「人件費を最小限に抑えるため」と説明しているものの、労働局は「解雇された客室乗務員の中には『能力が高い』と表彰された人が何人もいる」ことなどから、「年齢差別を禁じる規則に反している」と判断しました。
【コメント】日本航空の労務政策には伝統的に無茶苦茶なものが多いと感じます。労働組合を分裂させるなどの功績で出世した幹部が何人もいたせいでしょうか。社員を「儲けの道具」としか見ない伝統を断ち切らないと、今後もトラブルが続くことになり、再生の足かせになるのではないでしょうか。

@訪日外国人の日本国内消費は約12万円
 観光庁が8月20日〜9月15日に全国で行った「訪日外国人消費動向調査」(回答数7519人)によりますと、訪日外国人の日本国内における支出額は平均で122121円となりました。この中には宿泊費と航空運賃は含まれていません。主要国で最も多かったのはフランス人で315011円、最も少なかったのは韓国人の64356円でした。

@日本航空などが金属探知器に反応しない竹製の車いすを製作
 日本航空、独立行政法人産業技術総合研究所、サン創ing社は保安検査場で金属探知器に反応しない空港用竹製車いすを共同開発しました。これまでの車いすは金属が使われていたために、金属探知器が反応し、必ずボディチェックを受けなければなりませんでした。この車いすは来年1月に大分空港に1台、2月に羽田空港に2台導入されます。

@B-787型機の試験飛行が再開へ
 ボーイング社は23日、火災のために中止されていたB-787型機の試験飛行を同日から再開することを明らかにしました。ただ、当面は自社向けの限定的な飛行となり、アメリカ連邦航空局(FAA)の認可を受けるための試験飛行は先になる、とのことです。なお、納入の延期については「1月にスケジュールの見直しを終える」と述べています。


*12月23日
@日韓航空交渉で13年から成田空港は自由化
 昨日まで行われていた日韓航空交渉で、2013年に韓国の金浦空港を除く全空港と成田空港を結ぶ航空の自由化が合意されました。また、2013年前にも夜用が拡大された段階で前倒して拡大することも可能としています。なお、韓国の聯合ニュースによりますと、来年3月から成田空港路線を週14便増便することでも合意したとのことです。なお、羽田空港については発着枠が少ないために自由化が見送られています。

@「NARITA AIRPORT 2010 成田空港〜その役割と現状〜」を発行
 成田国際空港株式会社のホームページに「NARITA AIRPORT 2010 成田空港〜その役割と現状〜」が載っていました。この冊子は毎年この時期に発行されます。最新情報が載っていますので、参考になります。

@韓国口蹄疫で検疫を強化。農水省
 韓国で発生している口蹄疫の国内への侵入を防ぐために、農林水産省は全国の空港と港湾での検疫を強化しました。成田空港でもポスターで注意を呼びかけると共に、肉類を発見する検疫探知犬を使い肉類などの不法持ち込み監視を強化しました。

@日本航空乗員組合が「整理解雇無効」を求める訴訟を準備
 日本航空乗員組合は「整理解雇」の無効を求める訴訟の準備に入りました。21日の交渉でも進展がなかったため、としており、年明けにも原告団を結成します。なお、日本航空キャビンクルーユニオンの方も訴訟を検討しているようですが、「4条件」についての要素の違いから別々の提訴になるようです。

@11月訪日外国人が12.4%増に
 日本政府観光局が昨日発表した11月の訪日外国人数は前年同月比で12.4%増となりました。しかし、中国人は同15.9%減と回復していません。一方、韓国人は同51.3%増と大幅な伸びになっています。


*12月22日

@今年度上期の安全情報は349件・重大インシデントは2件
 国土交通省は8日に「第8回航空安全情報分析委員会」を開き、今年度上期の安全情報を明らかにしました。それによりますと、全情報数は349件となり、重大インシデントが2件、安全上のトラブルが347件でした。安全上のトラブルの内訳はシステムの不具合が175件、ヒューマンエラーが38件、機械の指示による急な操作が109件、鳥衝突や落雷などによる損傷等が21件、その他が4件となっています。ヒューマンエラーの割合は10.9%でした。

@今年度上期の国内線旅客数が1.1%増に
 国内航空各社がまとめた今年度上期(4月1日〜9月30日)の国内線旅客数は前年同期比で1.1%増となりました。4年ぶりの増加になります。全路線の平均利用率も3.9ポイント上昇し、64.1%でした。しかし、平均旅客収入は2.9ポイント減となり、総旅客収入も同1.5%減となりました。
【コメント】旅客数は増加していますが、航空会社の経営はまだまだ厳しいようです。

@広島市が広島西飛行場の存続を決断
 広島市は昨日、広島県が管理運営から撤退する広島西飛行場の存続を単独で行うことを決定しました。西広島飛行場は航空各社が撤退し、現在、定期便は全くありません。市側は市単独で管理運営を行う事になります。2013年の羽田空港国内線枠の増加時に羽田空港への定期便就航を期待しますが、今のところ、名乗りを上げる航空会社はありません。年間の管理運営費は約2億円で、近くに広島南道路の橋が建設されるため、滑走路をかさ上げしなければなりません。この費用が約40億円かかります。これらの費用を市独自で負担することになります。

@アイベックス機が防氷装置トラブルで引き返す
 昨日午後3時半頃、大阪発福岡行きのIBEXエアラインズ55便が明石海峡上空を飛行中に右エンジンカバー防氷装置の不具合を示す警告灯が点灯しました。このため、同機は大阪空港に引き返し、無事着陸しました。この便と折り返し便が欠航となりました。


*12月21日

@全日空が成田=ニューヨーク線を臨時増便へ
 全日空は昨日、来年1月22日〜3月26日の毎土曜日に成田=ニューヨーク線を増便する、と発表しました。これにより、土曜日は2往復になります。需要に応えるため、とのことです。使用機材はB777-300ER型機になります。

@09年度の全国空港利用者が5.7%減・成田空港は0.5%増
 国土交通省がまとめた2009年度の全国97空港の旅客数は前年比で5.7%減となりました。景気の後退や新型インフルエンザの影響が原因とのことです。旅客数が1千万人以上の7空港の内、成田空港だけが0.5%増とプラスになりました。

@15団体が「整理解雇撤回」の共闘会議結成
 日本航空の整理解雇に反対する15団体は昨日、「日本航空の不当解雇撤回をめざす国民支援共闘会議」を結成し、国民に賛同と参加を呼びかけました。呼びかけでは「今回の整理解雇は4条件のいずれにも該当しない」とし、整理解雇を撤回させることが「日本の航空産業に働く労働者の雇用の安定はもちろん、全ての労働者の雇用にかかわる国民的な意義を持っています。」と訴えています。

@「公害伊丹調停連」が関空と大阪空港統合に意見書
 「大阪国際空港騒音公害伊丹調停団連絡協議会」は昨日、国土交通省に関西空港と大阪空港の統合に当たっては「平成2年に国と結んだ存続協定を基本に、新会社が運営主体になっても国が引き続き空港の安全、環境対策に万全を期す」、「国の責任・関与を明確化すること」、「利用者のニーズと利便性に沿った活用を図る」、「調停事項と存続協定を尊重し、安全・環境・運用に関する協議を新会社を加えて行うこと」などを求める意見書を提出しました。

@アメリカン航空が羽田=ニューヨーク線の就航を3月1日に延期
 アメリカン航空は今日、1月20日から就航する予定だった羽田=ニューヨーク線の就航を3月1日に延期することを明らかにしました。需要の低迷期に当たる1月後半と2月を避けたものです。

@ボー社がB777の増産を発表・B-787のキャンセルを予想か?
 ボーイング社は20日、B777型機の生産を現在の月産5機から、2013年に8.3機に引き上げ、年間約100機とすることを発表しました。
 米紙シアトル・タイムズは前週末、「B-787型機の開発に関わっている関係者の話として、ボーイング社はクリスマスまでにB-787型機の納入延期を発表する可能性があり、他にも生産面で問題に直面している」と報じました。また、「米国連邦航空局(FAA)はボーイング社に対し、B-787型機が大陸間長距離飛行の認可を得られない可能性を示唆した」との報道もあります。延期は4ヶ月から半年に及ぶ、との見方も出ています。この延期でB-787型機に多くのキャンセルが出る可能性もあり、このキャンセルの受け皿としてのB777型機増産、との見方もあります。


*12月20日

@成田市長選始まる・湯浅候補は「平行滑走路延長と運用時間延長」を訴え
 成田市長選挙が昨日告示されました。立候補したのは現職の小泉氏と県議だった湯浅氏の2名でした。湯浅氏は成田空港について「平行滑走路の延長と運用時間の延長に取り組みたい」と抱負を述べました。小泉氏は「成田空港の騒音対策と機能拡張」を訴えました。

@アジア各国との航空自由化は成田が焦点・羽田は除外
 国土交通省は首都圏を含めた航空自由化交渉を韓国を皮切りに、シンガポールとマレーシアとの間で始めますが、羽田空港については発着枠を国土交通省が配分していることから、今回の交渉では外される、とのことです。成田空港での年間発着回数が2013年に27万回になる見込みを受けて、今回の交渉の焦点は成田空港の乗り入れ自由化になる、とのことです。

@エア・カナダが今年も成田=カルガリー線を運航
 エア・カナダはこのほど、昨年夏季に運航した成田=カルガリー直行便を、来年3月末からの夏季スケジュールで運航することを決定しました。今年の同路線の利用率は80〜90%に達していた、とのことです。

@エーデルワイス航空が成田=チューリッヒ線を季節運航へ
 スイス・インターナショナル・エアラインズの子会社である「エーデルワイス航空」は来年5月28日〜9月24日の日曜日に、成田空港発着で成田=チューリッヒ線を運航することを明らかにしました。これにより、スイス・インターナショナル・エアラインズと合わせて、日曜日は成田=チューリッヒ線が2便となります。

@スターフライヤー機の操縦室窓にひび・4便欠航
 今日午前6時10分頃、北九州発羽田行きのスターフライヤー70便・A320-200型機が紀伊半島付近の海上を飛行中に、操縦室窓の1枚にひびが入りました。同機はそのまま飛行を続け、羽田空港に無事着陸しました。窓の修理のため、この機材を使用する後続の4便が欠航となりました。

@「納入が遅延すればB-787のキャンセルもあり得る」カタール航空CEO
 18日の「ザウヤ・ダウ・ジョーンズ」が伝えたところによりますと、カタール航空のCEOは30機を確定発注しているB-787型機について、「納期がさらに遅れた場合には発注をキャンセルする可能性がある」と語った、とのことです。


*12月19日

@日本航空が客室乗務員にも搭乗口業務を課す方針
 日本航空は来年2月から、一部の国内線と成田空港などの国際線搭乗口前ゲートでの受付業務に、客室乗務員を一部当てる方針を固めたとのことです。現在この業務は地上職員2〜3人で行っていますが、客室乗務員の1人をまわし、地上職員を削減する、とのことです。これによるコスト削減は年間約2億4000万円を見込んでいるようです。国内の21空港で実施し、海外の空港では行わない、とのことです。明日から一部空港で試行を行う、とのことです。

@ヨーロッパ大雪の影響でロンドン線が欠航に・成田空港
 このところ、ヨーロッパに寒波が到来し、各地に大雪をもたらしていますが、今日の成田空港発着便ではブリティシュ・エアウエイズとヴァージンアトランティック航空のロンドン線が欠航となっており、全日空のロンドン行きも今のところ状況待ちになっているようです。日本航空のロンドン行きは出発しました。


*12月18日

@「空港はいらない静岡県民の会」が知事に公開質問状
 「空港はいらない静岡県民の会」は15日、川勝静岡県知事に公開質問状を提出し、24日までに回答するよう求めました。質問状では(1)空港関連予算の執行総額と、その内訳、(2)地元航空会社「フジドリームエアラインズ」に対する無利子融資の貸し付け・返済条件、(3)空港へのシャトルバス運行や団体利用などへの助成・補助金の支出総額、(4)川勝知事が唱える着陸料の引き下げを実施した場合の赤字額の見通し、などについて質しています。

@関西空港の負債1兆3000億円を50年かけて返済・国土交通省案
 国土交通省は地元に提示する関西空港と大阪空港統合案の中で、1兆3000億円に達する関西空港会社の有利子負債解消について、まず、統合会社の空港運営権を約4000億円で民間に売却し、返却に当てます。残りは、毎年1%の成長が続くとして、毎年1300〜1700億円の営業利益が見込め、この中から50年かけて返済する、としています。運営権の売却を当初は約8000億円と見込んでいましたが、関西経済界からは「非現実的」と指摘され、修正したものです。

@欠損金繰り越し縮小から日本航空など再生企業は除外
 政府の2011年税制改正大綱が固まりましたが、この中で、企業の欠損金繰り越し制度の縮小が盛り込まれ、相殺金額が100%から80%に縮小されました。しかし、来年3月末までに再生手続きが開始された企業については7年間、縮小の対象外になる事項が盛り込まれました。これにより、日本航空は対象外になります。一方、全日空には約750億円の繰越欠損金がありますが、縮小で負担が増えることになります。これについて、全日空の中からは「不公平」との指摘もあるそうです。
【コメント】私達、国民の家計の“欠損金”についても、このような制度があるのでしょうか。株式の売却損については2年間の繰り越しがあるように聞いた記憶はありますが。法人税は5%の減税ですが、庶民の所得税・相続税などは増税になるようですね。


*12月17日

@日本人にもカジノ・「成田空港緊急戦略プロジェクト会議」
 昨日「成田空港緊急戦略プロジェクト会議」の最終会合が開かれましたが、成田空港周辺にカジノ・国際会議・物販など多様な集客機能を持った複合施設の誘致を目指す県の検討方向性が了承されました。カジノについては法制化のたたき台から、当初「外国人向け」としていたものを「日本人も可能」として検討する事になりました。また、全国の成田空港ビジネス利用者を対象に実施したアンケート結果の概要を公表し、成田空港の弱みとして「外国要人への対応」や「会議室の不足」や「インターネット接続に使う無料の無線ランが少ないこと」などが指摘されました。

@中国国際貨運航空が1月13日から成田=上海便を倍増 

 中国国際貨運航空は昨日、来年1月13日から、現在週2往復で運航している上海=成田貨
成田空港の中国国際貨運航空・B747貨物機(2010年11月21日)
物便を週4往復に増便することを明らかにしました。

@年末年始の国際線予約が22.7%減に・日航の縮小響く
 国内航空各社が昨日発表した年末年始(12月23日〜1月5日)の予約状況によりますと、国際線で前年同期比22.7%減となりました。日本航空の路線縮小が響いているようです。ただ、羽田空港国際線の予約は好調、とのことです。国内線は同1.6%減となっています。

@普天間市で15日に121.5dBを観測
 普天間市が昨日明らかにしたところによりますと、15日午後7時36分に121.5dBの航空機騒音を観測しました。機種は明らかではありませんが、騒音の波形などからF18ホーネットと見られています。過去10年間で2番目のうるさい騒音となります。なお、同1番は去る10月5日に観測された123.6dBになります。普天間基地周辺では嘉手納基地滑走路の改修工事により、このところ騒音が激化しています。

@大阪空港の騒音対策は事業運営会社に移行
 国土交通省が示している関西空港と大阪空港の統合案で、大阪空港の騒音対策については事業運営会社に移行させることになるそうです。法案にこの旨を明記する、とのことです。

@韓国などと航空自由化交渉・国土交通省
 国土交通省は今日、韓国・シンガポール・マレーシアと成田空港・羽田空港を含めた航空自由化交渉を始めると発表しました。今月21日の韓国との交渉を皮切りに、来年1月からはシンガポール・マレーシアとも交渉を初め、来年度中の合意を目指す、とのことです。

@全日空子会社のストは見送りに
 今日、予定されていた全日空子会社のストライキは労使協議に進展があり回避されました。

@2011年の旅行動向は1.3%増・JTB予測
 JTBが今日発表した2011年の旅行動向調査によりますと、海外旅行が2010年比で3.7%増、国内旅行が同1.2%増で合わせると同1.3%増になるとのことです。ゴールデンウイークが5月2日と6日に休暇を取ると10日連続になり、3連休も2010年より3回多くなるため、としています。

@ネパールで小型機が墜落し、22人死亡
 ネパールのカトマンズ空港当局は16日、15日に同国・タラ航空のラミダンタ発カトマンズ行きの小型旅客機が山岳地帯に墜落し、乗客・乗員22人全員が死亡したことを明らかにしました。


*12月16日

@シンガポール=成田=ロス線を3月27日からA380型機に変更
 シンガポール航空は昨日、「来年3月27日から、現在はB747-400型機で運航しているシンガポール=成田=ロサンゼルス線をA380型機で運航する」と発表しました。なお、現在はA380型機で運航しているシンガポール=成田線の638便はA330-300型機に変更するとのことです。

@京成電鉄が大晦日の終夜運行で新型スカイライナーを本線に
 京成電鉄は大晦日から元旦にかけての終夜運行で、通常は成田スカイアクセス経由のみで運行している新型スカイライナーを本線で1往復運行することを発表しました。ただし、成田空港には乗り入れません。停車駅は日暮里・青砥・船橋となります。

@「格安航空会社利用してみたい」が72.2%・「安全」と「快適」に懸念
 フォートラベルが昨日発表した格安航空会社についてのネットアンケート(900人)によりますと、「是非、利用したい」が28.8%、「利用してみたい」が43.4%となり、合わせて72.2%となりました。ただ、「是非利用したい」と答えた人は「安い方がよい」と価格重視でしたが、「利用したい」と答えた人は「安全ならば」「一度利用して、快適性を見たい」という人が多いとのことです。フォートラベルでは「日本における格安航空会社の今後は、利用した人の評価が正否を左右する」としています。

@全日空子会社が明日にストを計画
 「エアーニッポン」と「ANAウイングス」のパイロットでつくる4つの労働組合が、明日午前0時から24時間のストライキを計画しています。実施されますと、全日空国内線の21.4%に当たる168便が欠航し、35便が遅れる見込みとのことです。

@来年10月から「環境税」を導入へ
 政府税制調査会は昨日、地球温暖化対策を促すために石油や石炭などに課税する「環境税」を来年10月から3年半かけて段階的に導入することを決定しました。石炭や石油を輸入する企業に二酸化炭素排出量に応じて課税します。この分を直接消費者に上乗せするとガソリンで1リットル当たり0.8円、電気代で一般家庭で1ヶ月当たり約30円の値上げになります。最終的には年間約2400億円の税収が見込めるとのことです。航空運賃にも影響するかどうかは不透明です。

@韓国のイースター航空が札幌=ソウル線の運航を開始
 韓国の格安航空会社・イースター航空は今日から札幌=ソウル間プログラムチャーター便の運航を開始しました。週4往復で、3月下旬までの運航となりますが、その後の「夏季スケジュールでは定期便としたい」としています。また、「将来は成田空港と関西空港に乗り入れる事を目指したい」としています。


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