2010年2月後半の出来事


*2月28日

@成田空港1月貿易額が輸出で70.3%増、輸入で27.1%増に
 東京税関成田支署が24日に発表した成田空港1月貿易額は輸出が前年同月比で70.3%増の大幅な伸びになりました。輸入も同27.1%増となっています。輸出が3ヶ月、輸入が2ヶ月連続の前年同月比プラスになります。しかし、2007年水準までは回復していません。

@松山空港にイノシシが侵入
 25日午前7時頃、松山空港の敷地内にイノシシが侵入しているのを作業員が見つけました。イノシシは近くの猟友会が約4時間後に仕留めました。この間、3便の離発着に数分の遅れが出ました。

@エアバスCEOが日本への取り組み強化を表明・A380型機の優位性示す
 訪日したエアバスCEOは25日、都内で記者会見し、今後日本への売り込みと技術提携に力を入れることを明らかにしました。また、A380型機の優位性について「IATAデータでこの路線の旅客実績をみると、シンガポール航空がA380型機を投入する以前と以後を比べた場合、不況の影響もあるなかでANAが13%減、JALが19%減、ユナイテッド航空は22%減、デルタ航空が7%減となっている一方、シンガポール航空は8%増を記録しており、A380型機投入効果が如実に表れていると捉えられる。」と語りました。


*2月27日

環境省に「健康調査」と「運用時間延長反対」を要望
 昨日午後、環境省に行きまして、「成田空港の運用時間延長は住民への影響が大きいので、運用時間延長をしないように国土交通省に申し入れて欲しい」と言うことと、「成田空港騒音下住民の健康調査を実施して欲しい」と言う2点を要望してきました。
 応対してくれたのは大気生活環境室長と水・大気環境局審査官のお2人でした。まず、最初の点については、「貴会からそのような意見があったことは国土交通省に伝える。」とのことでした。
 2点目については「健康に与える影響については、どのような方法が治験者への負担が少ないか研究している。体動計を付けての調査も体動が騒音によるものかどうかの判断が難しい。調査方法も嘉手納基地周辺の調査なども参考にして勉強したい。」とのことで、7・8年前に話を聞いた段階からあまり具体化しているようには見えませんでした。
 会の方から「環境基準達成率が成田空港周辺では『70%』程度とのことだったが、千葉県の結果では概ね『50%』程度となっているが。」と聞いたところ、「茨城県も含めている」とのことでした。
 健康調査については、同席した志位和夫衆議院議員秘書の増田さんの方から「住民自体への健康調査についてはまだ、方法論の段階で時間がかかりそう。それならば、会の方からもでた、医療機関のデータを利用した罹病率・死亡原因を騒音地域と騒音のない地域との差を調べる、調査が早いのではないか。」との指摘がありました。
 最後に会の方から、「住民は先の航空機騒音環境基準の改定の時に、基準そのものが厳しくなることを期待していたが、評価方式は変わっても実質的には現状と同等な基準になってしまい、失望した。次の改定では基準の数値そのものを厳しいものとすることと、特に、夜間の騒音については航空機1機毎に最高音規制を導入していただきたい。」と要望して終わりました。

@「洋上脚下げ制限を緩和すべき」デルタ航空日本支社長
 今日の毎日新聞によりますと、デルタ航空の日本支社長は同新聞の取材に答え、「デルタ航空にとって成田空港は重要なハブ空港で今後も強化していくが、羽田空港乗りいれにも大きな関心がある。」とし、また「成田=東京=羽田を30分で結ぶ輸送手段が必要。日本の技術なら出来るのではないか。」と述べました。さらに、航空会社の負担を減らすために「現在は『ブルーアイス』の落下はない。洋上脚下げ制限はなくして欲しい。」と述べました。

@成田空港会社が携帯公式ページを開始
 成田国際空港株式会社はこのほど、ドコモ・au・ソフトバンク向けの携帯電話公式サイトをオープンしました。着メロも配信している、とのことです。

@「基地建設後に入ってきた住民には賠償認めるな」岩国爆音訴訟
 25日に開かれた岩国爆音訴訟の第4回口頭弁論で住民の1人は「10数年前に5歳の孫娘が泊まりにきたが、買い物の途中にジェット戦闘機の爆音におびえてしがみついてきた。孫はそのまま泊まらずに帰り、その後、一度も我が家に泊まったことはない」と切々と述べました。国側は1975年〜2008年までに防音工事に約551億円、周辺対策交付金などで総額1674億円を投じて対策をしているとし、「原告の多くは基地建設後に転居してきた」として、「騒音を承知で転居してきた住民には賠償を認めないか、減額すべきだ」と主張しました。
【コメント】米軍が移駐してからでも50年近く経ちます。この間に、「近くに移転してきた」として、「賠償を認めるな」と言うのはどういう神経でしょうか。「基地近くには住むな」と言う施策をしてきたのでしょうか。

@08年8月の大阪空港離陸中止事故は部品の劣化・マニュアルも不備
 運輸安全委員会は昨日、2008年8月に大阪空港離陸中止事故の報告書を発表しました。それによりますと、事故機のDHC8-402型機左エンジンの回転翼カバーが熱によって劣化して破損し、その破片がエンジン内部を破壊したことが原因としています。また、劣化を点検するボンバルディア社とエンジンメーカのプラット・アンド・ホイットニー社の整備マニュアルに不備があったことを指摘しています。このマニュアルはすでに改訂されているとのことです。

@日本航空の4月〜12月期連結決算が1779億円の赤字に
 日本航空が昨日発表した2009年4月〜12月連結決算によりますと、最終損益が1779億円の赤字になりました。JASとの統合以来最大の赤字になります。旅客の大幅な落ち込みと、コスト削減に伴う大幅な減損損失が原因となります。売上高も1兆1448億円と前年同期比で27%減となりました。また、2010年3月の通期決算でも過去最大の赤字となる見通しですが、企業再生支援機構の役員は「最大で2600億円の赤字を想定していたが、そこまでの赤字にはならないようだ。」と述べました。


*2月26日

@負傷者でた場合の早期連絡を申し入れ・成田空港会社
 昨日記者会見した成田国際空港株式会社の石山常務はユナイテッド航空機の乱気流における負傷者数などの連絡が、トラブル発生から4時間後で、到着45分前だったことについて、23日に成田空港に乗り入れる航空会社55社で構成する空港運営協議会に口頭で、「出来るだけ早い連絡」を申し入れた事を明らかにしました。ユナイテッド航空には別途申し入れた、とのことですが、ユナイテッド航空側は「航空会社として必要な情報は提供した」との答えで、遅れについての具体的な説明はなかった、とのことです。
【コメント】ユナイテッド航空の対応はおかしいですね。「空港に到着したら、後は知らない」と言うことでしょうか。トラブルの際も、何故、すぐ近くのアンカレッジ空港に緊急着陸しなかったのか疑問が残ります。燃料は余計に使いますし、着陸料も取られるのかも知れませんが、緊急着陸した方が良かったのではないでしょうか。「成田空港の方が大勢の負傷に対応できる」と考えたのでしょうか。それならば、出来るだけ早い連絡が必要なはずですね。

@今日から8空港でバードストライクのDNA鑑定
 国土交通省は昨日、今日から旅客機への鳥の衝突が多い新千歳、羽田、伊丹、北九州、福岡、大分、宮崎、鹿児島の8空港で衝突した鳥の種類を特定するためのDNA鑑定を行うことを明らかにしました。鳥の種類を特定することにより、バードストライク対策に役立てる、としています。

@1月の訪日外国人数が10.3%増に・韓国からが78.8%増
 政府観光庁が昨日発表した所によりますと、1月の訪日外国人数が前年同月比10.3%増となりました。これで、3ヶ月連続の前年同月比プラスとなります。ただ、1月の過去最高だった2005年の約145万人に比べますと、約22万人少なくなっています。特に韓国からの訪日が急増し、同78.8%増となりました。また、出国日本人数も同8.9%増となっています。

@アメリカン航空のCEO「日航などと協力しアジア事業展開」
 アメリカン航空のCEOは24日、都内で記者会見し、日本航空やワンワールドに新規加盟するインドのキングフィッシャ航空などと提携し、今後、アジア地域で積極的に事業を展開することを明らかにしました。同CEOは日本航空の稲盛会長や前原国土交通大臣とも会談を行いました。

@財政危機のギリシャで大規模なゼネスト・ほとんどが欠航に
 深刻な財政危機に見舞われているギリシャで、政府の緊縮策に抗議する大規模なゼネストが24日に行われました。病院などの公共施設や官庁業務が麻痺し、空港も管制官のストなどで、ほぼ全ての便が欠航となりました。成田空港では1994年にオリンピック航空が撤退して以降、ギリシャ機は乗り入れていません。

@ユナイテッド航空がB-787型機25機を発注
 ユナイテッド航空とボーイング社はB-787-8型機を確定25機、オプション50機とする覚書で合意しました。


*2月25日

@3月28日からの夏期スケジュールでは21万回強
 成田国際空港株式会社は昨日、3月28日からの夏期スケジュールでは年間発着回数で21万回を少し超える発着回数となることを明らかにしました。「次の冬季スケジュールには22万回にしたい」としていますが、航空需要の冷え込みで、世界の航空会社が中小型機で近距離を頻繁に飛ばす傾向が強まっており、長距離便の希望が冷え込んでいる事から、「埋まらない可能性もあり得る」としています。その場合には、チャーター便を増やして枠を埋めることを考えている、としています。また、「22万回」と言っても元々、チャーター便の需要も考慮し、夏期と冬期の便数差を考慮しなければならないため、定期便は21万5000回程度に抑えることになる、としています。

@「天神峰現地闘争本部」の撤去と土地の明け渡しを命じる
 成田国際空港株式会社がB滑走路の「への字」誘導路の原因となっている「天神峰現地闘争本部」の撤去と土地の明け渡しを反対同盟北原派に求めた訴訟の判決が今日千葉地裁でありました。裁判長は判決で、「反対派が地権者と契約したという覚書などが一切なく、土地の賃料を継続的に支払ったとする主張も客観的に認められない」として、建物の撤去と土地の明け渡しを命じる判決を言い渡しました。しかし、成田国際空港株式会社が求めていた建物の強制撤去が可能となる「仮執行宣言」については、「相当でない」として認めませんでした。「天神峰現地闘争本部」は成田新法によって使用禁止になっています。反対同盟北原派はただちに控訴しました。

@旅客数が5%増、貨物量は46%増に・1月運用状況
 成田国際空港株式会社が今日発表した1月の成田空港運用状況によりますと、旅客数が前年同月比5%増となりました。国際線が同4%増で6ヶ月連続の前年同月比プラスとなり、国内線が同29%増となっています。また、貨物量は同46%増の大幅な伸びとなり4ヶ月連続の前年同月比プラスとなりました。輸出が同82%増、輸入が同28%増となっています。発着回数は同1%減、給油量は同6%減でした。貨物量は2007年度水準に戻りつつありますが、旅客数は2007年度水準にはまだかなりの差があります。

@ベトナム航空が成田=ホーチミン線をさらに増便へ
 ベトナム航空は昨日、3月28日からの夏期スケジュールで成田=ホーチミン線をさらに増便して、1日2往復体制にする、と発表しました。週14便になります。同航空は1月25日に週12便に増便する、と発表したばかりですが、「この路線をさらに充実させる」としています。この路線では日本航空も増便をします。

@日本航空が成田=ドバイ線でエミレーツ航空と共同運航へ
 日本航空は昨日、3月28日から就航するエミレーツ航空の成田=ドバイ線で同航空と共同運航する、と発表しました。

@羽田空港の濃霧で150便以上が欠航に
 今朝、羽田空港周辺で濃霧が発生し、航空機の離発着が出来なくなりました。濃霧は午前11時過ぎに晴れましたが、午後2時半現在で151便が欠航し、37便が成田空港や中部空港などに目的地を変更したり、出発空港に引き返したりする影響が出ました。ダイヤは今日いっぱい混乱が続くものと見られます。

@スカイネットアジアの3機が点検期間過ぎて運航
 国土交通省は昨日、スカイネットアジア航空のB737-400型機3機が主翼の可動部や発電機の点検期間を過ぎたまま運航していた、として同社を厳重注処分にしました。超過時間は最大で631飛行時間になります。原因は点検時期をコンピューターに入力しなかったため、とのことです。同社はすぐに点検し、異常はなかった、とのことです。

@静岡県の販促策拡大が航空会社や旅行社から猛反発受ける
 静岡県が日本航空だけに実施していた販売促進策を他の航空会社に拡大する、としたことについて全日空だけでなくアシアナ航空などの航空会社や各旅行販売店から猛反発を受けています。販売促進策が3月末までとなっていることで、「今更やっても」と言うことや、「すでに予約した顧客と、この販売促進策を使って後から予約した人との間に価格差が出来て、不公平になる。」などの意見が出ています。

@フジドリームエアラインズと日本航空が共同運航へ
 フジドリームエアラインズと日本航空は昨日、静岡=福岡線と静岡=札幌線で共同運航することを明らかにしました。運航はフジドリームエアラインズが行い、航空券の販売を両社で行います。日本航空で予約するとマイレージが貯まることになります。フジドリームエアラインズ側も搭乗率を上げることが出来ます。

@日本貨物航空が中部空港から事実上の撤退へ
 日本貨物航空は3月28日からの夏期スケジュールで、現在は週3便で運航している中部=アムステルダム線を運休することを明らかにしました。景気の低迷で貨物の需要が冷え込み、採算が取れないことが原因です。日本貨物航空の中部空港路線はこの路線しかなく、事実上、中部空港からの撤退となります。


*2月24日

@アリタリア航空が6月2日から成田=ローマ線を増便へ
 アリタリア航空はこのほど、成田=ローマ線を6月2日から週2便増便し、週9便体制にすることを明らかにしました。また、7月11日からは成田=ミラノ線にA330型機を投入する、とのことです。

@国土交通省が成田空港増枠で週14便を中国側に提案予定
 国土交通省は昨日、成田空港の3月末からの増枠分について、中国側に週14便の増枠を提案する方向で、この夏にも開催される予定の両国航空協議に臨むことを明らかにしました。

フォトギャラリーにアントノフ225の写真が載りました
 成田国際空港株式会社の成田空港ホームページに、先日、日本に初登場した世界最大・世界唯一のアントノフ225型機の写真がアップされました。壁紙としても使えます。

@日米合同訓練中の嘉手納基地で108db・町議会で意見書と抗議決議採択
 日米合同訓練が行われている嘉手納基地周辺の屋良地区で今日午前、今年最高の108dbの航空機騒音が観測されました。昨日から今日にかけて嘉手納町の「基地被害・苦情110番」には町民からの苦情が相次いでいます。同町屋良地区の住民は「とてもうるさい。孫も泣きじゃくっている。米軍は嘉手納の住民の生活を考えるべきだ」と述べています。同町議会は今日、臨時町議会を招集し、「合同訓練に反対する意見書」と「抗議決議」を全会一致で採択しました。

@全日空が販促策拡大の交渉を拒否
 静岡県の副知事は昨日、全日空本社を訪れ、県の販促策を全社に拡大する方針を説明しようとしましたが、応対した全日空幹部は「日本航空と県との搭乗率保証についての交渉が先決。これがはっきりしてから話し合う。『撤退もあり得る』という点では変わっていない。現在進行形だ。」と述べ、販促策拡大につての話し合いを拒否しました。

@副操縦士養成期間短縮の航空法改正案を閣議了承
 政府は昨日の閣議で、航空法の一部改正案を了承しました。今回の改正で副操縦士の資格に「マルチクルーパイロットライセンス」という新しい資格を設けます。これは現在の要請コースから単独飛行訓練を大幅に短縮し、シミュレータを使った旅客機操縦訓練を多用して、養成期間を現在の3年間から約2年3ヶ月程度に短縮するものです。また、60才未満のパイロットに課している半年ごとの身体検査を1年ごとに変更します。これらにより、パイロットの要請と検査にかかる航空会社の負担を大幅に軽減できる、としています。
【コメント】航空会社の負担軽減のために、安全性が犠牲にされることがないようにお願いします。

@「世界で最も奇妙な18の空港」に関西空港
 米技術専門誌ポピュラーメカニクスが選んだ「世界で最も奇妙な18の空港」の一つに関西空港が入っています。これについて同誌では「関西国際空港は水深の深い海を埋め立てて造られており、地球温暖化の影響で予想以上の地盤沈下が進んでいる。米国の専門家は『50年後には完全に水没する』と警告している」としています。

@米航空会社の1月旅客収入が15ヶ月ぶりに前年比プラスに
 国際航空運送協会(IATA)によりますと、1月の米国航空会社の旅客収入が前年同月比で1.4%増となりました。前年比でプラスになるのは15ヶ月ぶり、とのことです。しかし、同協会では「前年がリーマンショックにより大きく落ち込んだ。その反動もある」としており、旅客数は前年同月比でほぼ同じとなっているそうです。


*2月23日

@JRが成田エクスプレスにチィケットレスを導入・3月13日から
  JR東日本は3月13日から「えきねっと」において、「携帯電話JR指定席申し込みサービス」で成田エクスプレスの特急代金などををチィケットレスで利用できるサービスを始めます。このサービスで申し込むと200円安くなります。さらに、5月31日申し込み分までは200円を上積みして割り引く、とのことです。

@静岡県が販促策を他の会社便にも適用へ
 静岡県の川勝知事は昨日の記者会見で、日本航空に対して行っている販売促進策を静岡空港に乗り入れている他の5社にも拡大することを明らかにしました。記者会見で知事は「全日空の言っていることはもっともだ。販促策を中止はしないが、反省するところもあり、アンフェアにならないようにしたい」と述べました。

@日本航空が燃油サーチャージャーの値上げを発表
 日本航空は昨日、4〜6月分の国際線旅客運賃にかける燃油サーチャージャーの値上げを発表しました。欧米線で往復7000円値上げして21000円に、中国線で同2000円値上げして5000円とします。

@福岡空港の需要予測を1万回下方修正
 福岡空港の滑走路増設を検討している国土交通省・福岡県・福岡市は当初2032年に年間発着回数19.1万回としていた需要予測を18.1万回に下方修正しました。「リーマンショックによる落ち込みは今後順調に回復する」としています。また、騒音対策区域については航空機の性能向上により「現在の対策区域に収まる可能性が高い」としています。
【コメント】この需要予測も“過剰”ではないでしょうか。リーマンショックの影響を完全に取り戻すにはまだ、2年程度かかるように思います。「騒音対策区域は拡大しない」としていますが、現在の騒音評価方式が環境基準の改定でも実質“現状維持”とされたことや、1機1機の騒音値に上限を設けない現在の評価方式の欠陥なのでしょうね。国や企業には都合がよいのでしょうが。

@ルフトハンザ航空のストは一時中止に
 ルフトハンザ航空の乗務員組合が始めたストライキは、地元労働裁判所が「両者の話し合いを即した」事を労組側も受け入れて、日本時間の今日朝に一時中止となりました。労使の交渉期限は3月8日まで、となっています。ストは中止されましたが、運航が正常に戻るには2〜3日かかる、とのことです。

@ブリティシュ・エアウエイズの客室乗務員組合はスト権確立
 ブリティシュ・エアウエイズの客室乗務員組合は22日、81%の高率でスト権を確立したことを発表しました。23日に開く代表者会議で日程などを詰める、とのことです。

@ギリシャの2大航空会社が合併で合意
 経済危機に見舞われているギリシャのオリンピック航空とエーゲ航空は22日、合併に合意したことを明らかにしました。この合併により、新生“オリンピック航空”のギリシャでのシェアは実に97%となります。


*2月22日

@「30万回コンターは撤回しろ」下総地区住民説明会
 20日に、成田市旧下総町地区で年間発着回数を30万回にするための住民説明会が開かれました。説明会には住民約50人と成田空港会社から約6人、成田市当局から約6人が参加しました。この中で、下総地区成田空港対策委員会の委員長は「飛行回数が1.5倍になるのに、コンターが縮小する、と言うのは住民感覚からは到底理解できない。騒音評価方式がおかしい。後で、対策委員会として正式な文書で申し入れるが、成田国際空港株式会社は『30万回コンター』を撤回するべきだ。」と会社に迫りました。また、A滑走路とB滑走路に挟まれた谷間地区の住民は「昼間は仕事もしているし、慣れても来たのでそれほど苦にならない。しかし、夜は電話で会話も出来ない、テレビも聞こえない。とても耐えられない。30万回などとんでもない。制度上に欠陥がある。」と話していました。「30万回賛成」という意見は出なかったそうです。

@新嘉手納爆音訴訟の第3次訴訟を起こす方針
 新嘉手納爆音訴訟の原告団と弁護団は20日、北谷町内で会合を開き、米軍嘉手納基地の夜間・早朝の飛行差し止めや将来・過去分の損害賠償を求める第3次訴訟を起こす方針を決めました。原則75WECPNL以上の地域を対象としますが、今回は北谷町に隣接する宜野湾市伊佐区も嘉手納基地の騒音影響を受けている、として宜野湾支部を結成して、6市町村7支部の体制でのぞむ事を検討する、としています。提訴の時期は最高裁判決や地域の準備を見て決める、とのことです。

@09年の一般旅券の発行は前年比5.6%増に・有効旅券数は減少
 外務省の発表によりますと、2009年に発給した一般旅券は前年比で5.6%増となりました。しかし、日本人全体が所有している有効旅券数は同3.3%減となっています。男性は減少していますが、女性の発給は増加している、とのことです。

@ルフトのストライキが始まる・全体の65%が欠航に
 ルフトハンザ航空の乗務員組合のストライキが22日午前0時から始まりました。25日の午前12時までの予定です。同航空によりますとこのストライキで1日当たり約1800便の内、約1200便が欠航になる、とのことです。


*2月21日

@成田行きのユナイテッド航空機が乱気流で16人負傷
 日本時間の昨日午前10時55分頃、ワシントン発成田行きのユナイテッド航空897便・B747-400型機がアラスカのアンカレッジ付近を飛行中に乱気流に巻き込まれました。機体は大きく揺れ乗客・乗員16人が負傷しました。同機はそのまま飛行を続け、約5時間後の午後3時45分頃成田空港に着陸しました。乱気流に巻き込まれる約10秒前にシートベルト着用のサインが出た、とのことですが、就寝中の乗客も多くシートベルト着用が間に合わずに投げ出された、とのことです。負傷者はいずれも軽傷でした。同機は引き続き台湾に向かう予定でしたが、成田空港で運航中止となりました。調査は米国側が行うことになります。
【コメント】何回も言うようですが、飛行中は緩くても良いですから、シートベルトは必ずかけましょう。

@日本航空機がフラップ故障で引き返す・新千歳空港
 昨日午後0時30分頃、新千歳発羽田行きの日本航空512便・B747-400型機が離陸上昇中に両主翼の外側にあるフラップが動かなくなりました。このため、同機は新千歳に引き返し、内側のフラップだけで無事に着陸しました。原因は調査中、とのことです。乗客は後続便で羽田空港に向かいました。

@シンガポール航空機が中部空港で立ち往生・滑走路15分閉鎖
 今日午前8時頃、シンガポール発中部行きのシンガポール航空672便・A330-300型機が着陸後、滑走路中央付近で動けなくなりました。同機は牽引車で駐機場まで移動しましたが、この間、約15分間滑走路が閉鎖されました。この影響で国内線の出発便7便が20〜30分遅れました。原因は調査中です。

@「人件費削減は避けて通れない」と稲盛会長
 日本航空の稲盛会長は昨日、京都で記者団に対して「日本航空は今、毎日大きな赤字を発生させている状態。労組の理解が簡単に得られるとは思わないが、人件費削減は避けて通れない。」と述べました。また、「社員には何故か甘い考え方があるように思う。」と述べました。


*2月20日

@09年の成田空港覚せい剤密輸摘発が過去最高
 東京税関成田支署が昨日発表したところによりますと、2009年に成田空港で摘発された覚せい剤密輸件数は68件と過去最高を記録しました。しかし、押収量は約68Kgで過去3番目になり、1件当たりの押収量が減少しており、摘発されるリスクを抑えるため、小口化している、とのことです。

@成田新高速鉄道が7月17日に開業
 京成電鉄は昨日、成田新高速鉄道を7月17日に開業することを正式に発表しました。成田空港=京成上野の運賃は1200円となり、スカイライナーを使うと特急料も含めて2400円となります。なお、北総開発鉄道の運賃は開業に合わせて引き下げられます。

@群馬県で米軍機騒音苦情が2日間で85件
 群馬県は昨日、米軍のジェット機の騒音に対する苦情が県や市に、18日夜に41件、昨日午前と正午頃にかけて44件あったことを明らかにしました。内容は「子供が怖がっている」「受験勉強の妨げになる」などでした。防衛施設庁に問い合わせたところ、「米軍機によるもの」との回答があったとのことです。今回の苦情を含めて昨日現在で2月の苦情数が過去最高になりました。県では22日に外務省などに訓練をしないよう要請する、とのことです。

@日本航空株式が昨日で上場廃止に
 経営破綻して企業再生支援機構の支援の元に再建を目指している日本航空の株式が昨日の取引を最後に、上場廃止になりました。昨日は1円で約2億4000万株の売り注文が出ましたが、約2762万株の買い注文が出て取引が成立しました。残りの約2億1000万株は紙くずになります。市場関係者は「明日からただの紙くずになり、損をするのは目に見えている株を、誰が、何の目的で買ったのか。」と首をかしげています。

@全日空が4〜5月の国際線旅客燃油サーチャージャーを据え置きに
 全日空は昨日、4〜5月の国際線旅客運賃にかける燃油サーチャージャーを据え置くことを明らかにしました。欧米線で往復21000円、中国線で同5000円となります。


*2月19日

@「羽田と成田の棲み分けは5月までに結論」、田口国際空課課長補佐
 16日に開かれた「JATA経営フォーラム2010」で、国土交通省の田口国際空課課長補佐は「羽田空港国際化に向けた施策」と題した講演の中で、「羽田空港と成田空港の棲み分けについては5月に結論が出る見込み」と話しました。また、羽田空港の発着枠拡大について「羽田は2010年10月に国際線6万回が拡大された後、翌11年4月に国内線が2万回増加、さらに空域、管制の効率化などにより2〜3年後を目途に5.7万回拡大する計画。これらの増加分については、国内・国際需要を勘案して決めていくことから国際化がさらに促進されことが十分に考えられる。」とし、成田空港については「2014年にも30万回に拡大する見込み。各国とオープンスカイ交渉をを進めている中で、成田、羽田を全てオープン化するという議論もある。成田へのLCC機能の集約化やエアライン要望の全ての受け入れなども考えられる。」と述べました。

@京成電鉄の運賃を申請通りに認可
 国土交通省は昨日、京成電鉄からされていた成田新高速鉄道開業に伴う運賃申請を申請通りに認可しました。

@全日空社長が日航の安売りに懸念示す
 全日空の伊東社長は昨日の記者会見で、日本航空について「公的資金が入ることで供給過多の路線が維持されれば、安売りに走るようになる」との懸念を表明しました。EUでは公的支援を受けた企業に対して運賃や路線の決定に厳しい条件を付けている、とのことです。

@新千歳空港の制限区域に侵入「税金の申告に行く」
 昨日午前9時50分頃、新千歳空港の制限域内貨物地区に74才の男性が車で侵入しました。男性は「税金の申告に行くところだった。どこから入ってしまったか分からない。」と話しているそうで、侵入口や何故侵入できたのかなどの経緯については判明していないそうです。航空機の運航には支障はありませんでした。

@日本航空の路線縮小で中国路線乗客増える・全日空
 全日空の副社長は昨日の記者会見で日本航空が撤退や減便を行った中国路線で乗客が増加していることを明らかにしました。しかし、国内線では12月に日本航空が前年同月比10%減となったものの、全日空も同8.4%減となっており、「日本航空の縮小により、乗客が増えたかどうかの判断は難しい。」と述べました。

@民主党が日航破綻検証のプロジェクトチーム立ち上げへ
 民主党は日本航空破綻の過去の経営陣の経営責任や、政界・官界・業界のもたれ合い関係を検証するプロジェクトチーム「日本の空を守るPJ(仮称)」来週にも立ち上げることになりました。

@近畿日本ツーリストが個人向け店舗の約2割を削減へ
 旅行会社大手の近畿日本ツーリストは17日、個人向け店舗260店の内、約2割を年内に閉鎖することを明らかにしました。店舗を運営する「KNTツーリスト」の2割を自然減や本社のネット販売部門に移籍するなどで削減する、とのことです。

@昨年の世界航空機事故は18%減少・死者は183人増に
 国際航空運送協会(IATA)は18日、2009年の世界の航空機事故が90件となり、前年比で18%減となったことを明らかにしました。しかし、航空機事故による死者は685人で前年よりも183人増加した、とのことです。


*2月18日

@成田空港が「ASQ 2009」規模別で3位に
 毎年行われている世界の空港ランキング調査「ASQ(Airport Service Quality) 2009」で成田空港が規模別部門で3位に入りました。この調査は国際線・国内線の出発客に対して毎月行われるアンケート調査で決められるものです。今年は世界の140空港がエントリーしました。

@大阪市が成田空港と関西空港の「上下分離」を提案
 大阪市は昨日、1兆1千億円に及ぶ関西空港の有利子負債を圧縮するために、土地と負債を切り離して別の機構に管理させる「上下分離方式」の導入を国土交通省の成長戦略会議に近く提案する事を明らかにしました。成田国際空港株式会社の株式上場益を機構で管理し、有利子負債の圧縮に向ける、と言うものです。
【コメント】関西空港は「民間活力を使って」として鳴り物入りで、関西政財界の「大阪空港を廃港にするから」と言う強い要請で、過大な需要予測の元で建設されたものです。負債を増やすことが分かっていながら、2期工事もごり押ししました。この失敗の付けを成田空港の上場益で救ってもらおうと言うのは虫のいい話です。その前に、減資などによって負債を圧縮するなどの自助努力をするべきではないでしょうか。成田国際空港株式会社株上場益の一部は、激しい航空機騒音に耐えながら30年以上も我慢してきた成田空港航空機騒音下住民1人1人への補償制度確立に充てられるべきものです。

@日本航空が給与の5%カットと一時支給金見送りを提案
 日本航空は昨日、日本航空インターナショナルの8つある労働組合に対して給与の一律5%カットと一時金の支給見送りなどを内容とする賃金制度改定案を提示しました。グループ会社に対しても同等の給与カットを検討する、としています。

@エアニッポンが定期点検を過ぎた機体で運航
 全日空は昨日、グループ会社のエアニッポンが使用しているDHC8-300型機3機が部品の定期点検時期をオーバーして運航していたことを明らかにしました。この部品はプロペラの傾きを制御するもので、10500飛行時間毎に定期点検することになっていました。3機は1200〜1900飛行時間も超過していました。原因は機体導入の時に定期点検時期を入力しなかったため、とのことです。3機は点検に入り、昨日の6便と今日と明日の4便が欠航となります。

@米航空会社5社が羽田路線を申請
 米国の航空会社5社は16日、羽田空港の深夜早朝時間帯を使った米国との定期路線を米運輸省に申請しました。アメリカン航空はニューヨーク線とロサンゼルス線を、ユナイテッド航空はサンフランシスコ線を、デルタ航空はシアトル線・デトロイト線・ロ サンゼルス線・ホノルル線を、 コンチネンタル航空はニューヨーク線とグ アム線を、ハワイアン航空はホノル ル線を申請しました。しかし、枠は1日4便しかなく、今後、獲得競争が激化するものと思われます。日本側は日本航空と全日空がそれぞれ2便の枠を与えられるものと見られています。

@ルフトハンザ航空の操縦士組合がスト権を確立
 ルフトハンザ航空の操縦士組合は17日、国内勤務の保証などを巡り22日午前0時から25日午後12時までのストライキに関する投票を行い、94%以上の高率でストライキ権を確立しました。

@カンタス航空がほとんどのファーストクラスを廃止へ
 カンタス航空は18日、ファーストクラスの需要が低迷していることから、ほとんどのファーストクラスをなくすことを明らかにしました。残すのはA380型機12機のみとなるそうです。2011年末から2013年末にかけて座席の改修を行うそうです。


*2月17日

@国土交通省が羽田の更なる拡張を検討へ
 国土交通省はこのほど、羽田空港に5本目の滑走路を造るなどの、新たな機能拡張の検討を始めました。複数の拡張案を来年3月末までに作成する予定です。「首都圏航空需要が20年後には93万6000回に達する」などとする「(財)運輸政策研究機構」の試算を参考にするとのことです。
【コメント】昨年9月24日に開かれた「首都圏空港将来像シンポジウム」の内容に沿ったもののようですが、この需要予測そのものも、財界の願望でしかありません。公共事業の縮小にあえぐ建築業界の願望のように思います。民主党政権になっても、「需要を過大に見積もり、税金を使って、箱物を造る」と言う政策は自民党政権時代と変わりませんね。

@静岡県が搭乗率保証関係予算を計上せず
 静岡県は昨日発表した2月補正予算に日本航空の静岡=福岡線の搭乗率保証関係の予算を計上しませんでした。これにより、保証金の支払いを拒否する姿勢を明確にしました。3月末で搭乗率保証の70%に達しないことが確定しています。川勝知事は昨日の記者会見で、支払い拒否により「訴訟になる可能性がある」と述べ、「和解になるような方向を一貫として求めている」と述べました。
【コメント】「和解」とは何を指すのでしょうか。普通は「一部まけてくれ」と言うことなのでしょうが、「チャラにしてくれ」と言うことなのでしょうか。元々は、当時から経営が苦しかった日本航空に県の方から就航を頼み、「搭乗率保証」を持ち出したものです。日本航空にきちんと再建してもらわないと、国民の税金を余計に使うことになりかねません。

@福島空港ビルが累積赤字縮小で9割減資へ
 第3セクターの福島空港ビルは昨日、取締役会を開き、2010年3月期決算で税引き前損益が3400万円の赤字になることを明らかにしました。通期での赤字は10年ぶりになります。日本航空の撤退がひびいた、とのことです。これにより、累積赤字が9億2100万円となり、資本金10億円を9割減資し、9億円を累積赤字解消に充てることを決定しました。福島県は減資により、約3億円を失うことになります。右の写真は福島空港のターミナルです。

@茨城空港ずさん工事で前田道路を1ヶ月の指名停止処分
 国土交通省は5日、茨城空港の駐機場工事でひび割れや異物混入の粗雑工事があった、として前田道路を1ヶ月の指名停止処分としました。ただし、補修工事はすでに終わっており、開港に支障はない、とのことです。この件は、滑走路の粗雑工事(12月19日の出来事参照)とは別の案件になります。

@全日空が岩国=羽田線への就航を発表
 全日空は昨日、2012年に軍民共用化が実現する米軍岩国基地と羽田空港を結ぶ定期便に就航することを発表しました。1日4往復の枠を全て使用します。ビジネス需要があると判断した、としています。
【コメント】本当に需要があるのでしょうか。約70Km西には山口宇部空港がありますし、約50Km東には広島空港があります。両空港の便数を減らせば、岩国に需要が向くのかも知れませんが。

@ロシア政府が「ロステフノロギー」をアエロフロートに統合へ
 ロシア政府はアエロフロートに対抗して、競争を即す目的で設立した国営「ロステフノロギー」をアエロフロートに統合させる決定をしました。1日にプーチン首相が運輸大臣と会談し、国営「ロステフノロギー」傘下の全ての資産をアエロフロートに委譲する計画を承認しました。これにより、アエロフロートの資産は約倍になり、シェアは約40%になります。


*2月16日

@浦安市長が国土交通省案を基本了承
 千葉県の浦安市長は昨日、国土交通省が提示した羽田空港再拡張完成後の飛行ルート案について「修正案なら騒音はだいぶ緩和される。誠意に感謝する」と述べ、基本的に了承する考えを明らかにしました。しかし、「天候によっては守られないのではないかと言う不安がある」として、22日に国土交通省を訪れて話し合う、とのことです。

@空港ターミナル会社の90%は黒字
 東京商工リサーチは昨日、「空港ターミナル経営調査」を公表しましたが、それによりますと、対象とした60社の内で直近の決算で損益が判明した50社の内、45社が経常損益で黒字になった、とのことです。上位は1位が日本空港ビル(羽田空港)、2位が北海道空港、3位が那覇空港ビルディング、4位が福岡空港ビルディング、5位が大阪国際空港ターミナル、となっています。なお、成田空港、関西空港、中部空港は対象となっていないようです。

@全日空が神戸支店を3月末で閉鎖へ
 全日空は3月末で神戸支店を閉鎖する、とのことです。神戸支店の業務は大阪支店や東京本社で引き継ぐ、とのことです。