千葉県の「平成22年度成田国際空港周辺航空機騒音測定結果報告書」を読む
@環境基準の達成率は前年度とほぼ変わらない「67.4%」
この報告書は成田空港周辺地域共生財団が行っている騒音測定結果に基づいたものになります。その概要は「解説と資料のページ」にある「『平成22年度成田国際空港周辺航空機騒音測定結果(年報)』を読む」を見て下さい。
両者の違いは、共生財団が「騒防法の線引きが妥当かどうか」を確認することにあり、千葉県は「航空機騒音の環境基準を達成しているかどうか」という点になります。従って、周辺住民としては「環境を守る」という立場から言うと、千葉県の報告書が、より参考になります。
下表が測定結果の一覧になります。測定期間は2010年4月1日〜2011年3月31日です。成田空港周辺の騒音測定局は平成22年度は91局になりますが、この内、環境基準の適用除外地に5局ありますので、対象局は86局になります。
最下段に赤枠で囲ってあるとおり、環境基準の達成率は「67.4%」でした。前年度(平成21年度)の達成率は65.9%でしたので、1.5ポイントの改善になります。
@B滑走路コンターは長く細くなる、着陸専用のため
騒音コンター図を見てみますと、前年度との大きな違いは、B滑走路のコンターが「縦に長くなり、横幅が狭く」なっていることです。
これは、2010年3月28日から両滑走路の運用方式が変わり(2010年3月25日の出来事参照)、「A滑走路を離陸専用、B滑走路を着陸専用」とした事が原因のようです。この変更により、B滑走路の発着回数は前年度に比べて約21%増加しています。
A滑走路のコンターは前年度とほとんど変わりません。下にコンター図を載せます。
@B滑走路のWECPNL値は増加し、A滑走路のWECPNL値は減少
上記の、運用方式の変更により、下の表にあるように、年間WECPNL値ではB滑走路の値が上昇しています。
一方、A滑走路の年間WECPNLの値は一部の除き減少傾向が続いています。これは、低騒音機の増加や機材の小型化が好影響を及ぼしているため、と思われます。