2011年5月後半の出来事


*5月31日

@大韓航空が6月17日からA380型機を成田線に投入
 大韓航空は6月17日からA380型機を成田=仁川線に投入する事を正式に明らかにしました。

@エアインディアが26日から6月末まで成田=デリー線を減便
 エアインディアは大震災により需要が低迷していることから、週4便で運航していた成田=デリー線を26日〜6月末まで週2便に減便しています。7月には週4便に復活する予定です。同社は1月には同路線を「7月から毎日運航する」としていましたが、この計画は撤回されたようです。

@全日空が違う部品を装着し3便運航
 全日空は昨日、同社のA320型機で電気系統の不具合を修理する際に、違う型番の変圧整流器を取り付けて、昨日の3便を運航していたことを明らかにしました。変圧整流器の再交換のために仙台発大阪行きの1便が欠航しました。交換した整備士は変圧整流器の型番が違っていることに気づきましたが、整備支援担当者から「互換性があるので使用できる」と言われ、そのまま交換しました。しかし、使用している間に劣化が進むため、国土交通省は2002年に「誤った変圧整流器での運航は航空機の不具合につながる」として航空会社に注意を促していました。国土交通省は全日空に対して再発防止策を講じるよう指示しました。

@福島原発上空の飛行禁止空域を半径20Kmに縮小
 国土交通省は昨日、今日午前0時から福島原発上空に設定した民間機の飛行禁止空域を半径30Kmから半径20Kmに縮小する、と発表しました。

@エアドゥが2014年までにB737-700型機を9機導入
 エアドゥは27日、2014年度までにB737-700型機を9機導入する、と発表しました。現在運用しているB737-500型機と順次交代させて、2014年度には機材数を現在の7機から9機に増やします。座席数が1機当たり18席増え、燃料効率も向上する、とのことです。

@フジドリームエアが名古屋=奄美に12往復のチャーター便
 フジドリームエアラインズは昨日、7月9日〜31日に名古屋空港と奄美空港を結ぶチャーター便を12往復運航する、と発表しました。ただし、チャーター便は旅行会社の団体ツアー用で、個人への航空券販売はないそうです。


*5月30日

@「LCC対応は当面既存の施設で」平山専務
 成田国際空港株式会社の平山専務は27日の記者会見で、格安航空会社(LCC)への対応について、今年度が赤字になる見込みであることも踏まえ、当面は余裕のある既存の施設を使って対応していく方針を明らかにしました。この際に、施設使用料は「レガシーキャリアと同じになる」とのことです。格安航空会社(LCC)の需要が旺盛になる見通しが出た段階で専用施設の建設を検討する、としています。
 また、3月末で期限の切れた着陸料の割引については、現在、通常の着陸料となっていることを明らかにし、6月上旬に開かれる国際航空運送協会(IATA)総会で森中社長が言及する可能性を示唆しました。
 さらに、今後の需要の見通しについて「徐々に回復する」としているものの、「状況の予測が非常に難しい」とし、「いずれにしても2011年は年末程度までは厳しい状況であることには間違いない」と述べました。

@H・I・Sが夏期にもビジネスエアーのチャーター便運航
 H・I・Sは今日、今年のゴールデンウイークにも運航した(2月12日出来事参照)ビジネスエアーを使った成田=バンコク線チャーター便を夏期にも運航する、と発表しました。期間は7月14日〜9月26日になります。この内、7月14日〜28日までに座席数限定で往復1万円の航空券を販売するそうです。なお、ビジネスエアーは燃油サーチャージャーを徴収していませんので、文字通り「1万円」になります。
 右の写真は4月17日に成田空港で撮影したビジネスエアー機ですが、ビジネスエアーは格安航空会社(LCC)でもあるので、このように搭乗橋を使わずに第2ターミナル南側の駐機場に駐機して乗客の乗降を行い、ターミナルまではバスで移動します。貨物の積込・給油などもこの駐機場で行います。これにより、搭乗橋の利用料などが節約できます。上段の記事で平山専務が言及した、格安航空会社(LCC)の既存施設の利用はこのような形になるのではないでしょうか。


*5月29日

@「くうこうだより 2011新緑号」が届きました
 先日、「くうこうだより 2011新緑号が」届きました。2面は「容量拡大(30万回)に伴う住宅防音工事助成のお知らせ」と「水素ステーションオープン」でした。3面は「成田空港パスポートの対象年齢が拡大されます」と「頑張ろうNIPPONプロジェクト」です。4面のAir Line Fileは「ガルーダ インドネシア航空」でした。
 なお、今号は8面立てではなく、4面立てでした。今後も4面立てになるのかどうかは分かりませんが、経費削減のためなのでしょうか。

@千葉市の航空機騒音苦情が2ヶ月で約40件
 今日の毎日新聞によりますと、羽田空港再拡張後の飛行コース変更により千葉市の航空機騒音が増え、4〜5月の2ヶ月間で市役所に約40件の苦情が寄せられている、とのことです。内容は「うるさい」や「なぜ、市中心部を飛ばすのか」などとなっています。千葉県や関係市町村は2月に国土交通省へ「飛行ルートの分散化」や「騒音軽減のための管制技術の進化」などを要望していますが、現在まで回答はないそうです。千葉市環境規制課は「再国際化の進展などで、今後、羽田の発着便数は増え続ける。今後も住民の声を受け止め、県や市町村と連携して再度国へ申し入れたい」としているそうです。

@今日、大阪空港で引き返しが2件発生
 今日午前、大阪空港発の2便が不具合で引き返すトラブルがありました。
 今日午前8時40分頃、大阪発高知行きの全日空1603便・DHC8-300型機が離陸後まもなく、客室与圧装置のトラブルを示す警告灯が点灯しました。このため、同機は引き返し、約30分後に無事着陸しました。
 また、午前11時30分頃、大阪発出雲行きの日本エアコミューター2347便・サーブ340B型機が離陸直後に防氷装置の不具合を示す警告灯が点灯しました。このため、同機は引き返し、無事着陸しました。このトラブルで同便と折り返し便が欠航となりました。

@中国の国内線でビデオカメラの電池が発火
 25日午後、中国の北京発上海行きの中国国際航空1549便で飛行中にファーストクラスの外国人乗客の鞄に入っていたビデオカメラの電池から煙が出ました。、鞄を開けたところ発火しましたが、乗務員がただちにトイレに運び込み、消火器で消火して大事には至りませんでした。同機はそのまま飛行を続け、無事に上海空港に着陸しました。

@09年のエールフランス機大西洋墜落事故は操縦ミスか
 2009年6月1日に大西洋で墜落したエールフランス447便の事故(6月2日の出来事参照)についてフランス航空機事故調査局は27日、中間報告を公表しました。大西洋の海底から引き上げたフライトレコーダーの分析などから、同機が高度10600mを飛行中に失速警報装置が作動したにもかかわらず、機首上げの操作を行い、より失速して墜落した可能性を指摘しました。このような場合、通常は速度を取り戻すために機首下げの操作を行います。この件について、ある専門家は「この高度では珍しい氷結で、速度計の表示が間違った速度を示し、パイロットがどちらを信じるか混乱した可能性がある」と話しているそうです。


*5月28日

@日本航空が来年4月に成田=ボストン線を新設・B787型機を投入
 日本航空は昨日、来年4月22日から、新たに導入するB787型機を使って、成田=ボストン線直行便を新設する、と発表しました。5月31日までは週4便ですが、6月からは1日1便とします。燃料効率の良い長距離中型機のB787型機であれば、採算がとれると見込んでいます。日本航空の成田空港からの国際線新設は8年ぶり、北米路線の新設は13年ぶりとなります。日本航空はB787型機の初号機を10〜12月に受領し、今年度中に5機を受領します。

@成田空港4月貿易額が減少
 東京税関のまとめによりますと、成田空港の4月貿易額は輸出額が前年同月比10.3%減、輸入額が同6.3%減となりました。輸出額は大震災の影響によりICなどの電子部品の生産が落ち込み二桁の減少になりました。輸入額では前年同月に好調だった航空機の輸入が81%も落ち込んだことが響いている、とのことです。

@第2ターミナルのショッピング街リニューアル、7月1日にオープン
 昨日、成田空港第2ターミナルに行きましたが、20日の出来事で書いたように4階のショッピング街が大幅なリニューアル中でした。リニューアルは6月一杯で完了し、7月1日からリニューアルオープンするそうです。


*5月27日

@「天神峰現地闘争本部撤去については慎重に検討する」森中社長
 成田国際空港株式会社の森中社長は昨日の記者会見で、20日に天神峰現地闘争本部撤去の仮執行が認められたことについて「隣の耕作地明け渡しの訴訟も提起している最中でもあり、全体でどうするか、弁護士とも打ち合わせて進めたい。団結小屋撤去だけでは『への字』誘導路解消の改善にはつながるけれど、完全な解消にはつながらない。」と述べて慎重に検討する考えを示しました。また、6月に任期を迎える自身の社長職続投については「(続投の意思を)持たなくはない」と述べるにとどまりました。
【コメント】続投については100%の株式を持つ国土交通省、ひいては政府の意向次第ですね。私見で言えば、無理押しをせず、常識のある森中社長が適任とは思うのですが。

@日本航空が成田空港施設でも新「鶴丸」マークを使用開始
 日本航空は25日から成田空港の空港カウンターやゲートなどで新しい「鶴丸」マークを使い始めました。右の写真は今日、第2ターミナルで撮影したものです。

@全日空がB787型機を9月にも国内線に投入・7月3日に羽田空港へ
 全日空は昨日、B787型機が実証試験のために7月3日〜9日まで日本に飛来する、と発表しました。羽田・関西・大阪・岡山・広島の5空港で給油や整備などの適合性を試験する、とのことです。
 全日空では9〜10月に国内線に投入し、今年度中に羽田空港の欧州線などに投入する予定です。

@大韓航空が大分=ソウル線や青森=ソウル線を8月末まで運休
 大韓航空は大震災による需要の冷え込みで現在運休としている大分=ソウル線を8月28日まで、青森=ソウル線を8月31日まで引き続き運休することを明らかにしました。また、静岡=ソウル線の減便も8月末まで継続します。


*5月26日

@旅客は38%減、貨物は8%減に・成田空港4月運用状況
 成田国際空港株式会社が今日発表した4月の運用状況によりますと、旅客数が前年同月比で38%減となりました。国際線が同39%減、国内線が同14%減となりました。国際線旅客では日本人が同26%減に対して、外国人が同63%減の大幅な減少になっています。一方、貨物量は同8%減と落ち込み幅が小さく、輸出が同5%減、輸入が1%減となっています。発着回数は同9%減、給油量は同22%減となりました。

@高松市内で爆音がとどろく・軍用機か?
 昨日午前11時20分頃、愛媛県高松市の愛媛大学教育学部附属小学校付近の住民から「空から爆発音のような音がした」と消防署に通報がありました。消防署で付近を調べましたが、異常はありませんでした。当時、付近の住民は驚いて外に飛び出し、一時騒然としたそうです。飛び出した人の中には、複数の飛行機雲を確認した人がいましたが、機影そのものを確認した人はいませんでした。
【コメント】一番可能性があるのは軍用機(民間機が音速を突破することはありません)が音速を突破したときに出る衝撃波でしょうね。これだと、かなり遠くからでも家を揺らすほどの音が降ってくることがあります。

@広島西飛行場の廃港が決定へ
 広島市長は広島西飛行場を広島市営として存続することを断念し、広島県がすすめるヘリポート化を受け入れる意向を固めました。明日、行われる県知事との会談で最終決断として伝えることになります。存続に不可欠な羽田線の復活が困難なことを考慮した結果、とのことです。これにより、1961年に開港した同空港が廃港になる事になります。

@フジドリームエアの名古屋=青森線は7月に9往復運航へ
 フジドリームエアラインズは昨日、7月から就航する名古屋=青森線を7月は2・6・8・20・22・24・26・28・30日に1日1往復運航する、と発表しました。なお、8月からは1日1往復を運航する予定、とのことです。

@25日の欠航は1000便以上に・火山噴火の影響
 アイスランドのグリムスポトン火山噴火の影響ですが、25日の欠航は欧州全体で1000便以上になりました。しかし、火山の噴火が小康状態になったとのことで、ひとまずこれ以上の影響は回避できるようです。

@シンガポール航空が中長距離のLCCを設立へ
 シンガポール航空は25日、中・長距離線を運航する格安航空会社(LCC)を設立する、と発表しました。100%子会社として1年以内に新設し、運航を開始する、としています。同社は短距離を運航する格安航空会社(LCC)「タイガー航空」を傘下に持っています。


*5月25日

@第2ターミナルでぼや、すぐ消し止められる
 今日午前11時35分頃、成田空港第2ターミナル3階の出発ロビーで、植栽に敷き詰められている糸くずから煙が出ているのを警備員が発見しました。火は消火器ですぐに消し止められ、運航などへの影響はありませんでした。原因は調査中ですが、近くには喫煙所があるそうです。

@新型スカイライナーが「2011年ブルーリボン賞」を受賞
 京成電鉄は昨日、新型スカイライナーが鉄道ファンの全国組織・鉄道友の会が選ぶ「2011年ブルーリボン賞」に内定した、と発表しました。「スピード感のあるシャープな外観と高品質で快適な車内空間、運行時間の短縮」が評価された、とのことです。この賞は1958年から始まり、約1000人の会員の投票で決まりました。

@フィンエアのCEOが成田路線の増便を希望
 フィンランド航空のCEOは昨日、都内で記者会見し「航空交渉が前提になるが、成田=ヘルシンキ線を1日2往復にしたい」と述べました。また、大震災の影響について「直後は離日する外国人や帰国する日本人で多かったが、その後は、日本からの旅客は平常レベルに戻りつつあるものの、欧州からの訪日観光客が依然として大きく落ち込んでいる」と語りました。

@IBEXが成田=小松線の1日2往復を継続へ
 全日空とIBEXエアラインズは昨日、成田=小松線の1日2往復運航を7月以降も継続する、と発表しました。この路線は1日1往復でしたが、昨年7月から「試験的」に1日2往復にしていました。1日2往復にしたことから搭乗率は下がりましたが、旅客数は約50%増え「今後も一定の需要が見込める」としています。

@アイスランド火山噴火の影響が欧州北部にも
 アイスランドのグリムスポトン火山の噴煙ですが、欧州北部のスコットランドや英国本土、ノールウエー、デンマーク、ドイツにも拡がっています。24日だけで約500便が欠航しました。ルフトハンザ航空は25日にドイツ北部の空港へ運航する約150便の欠航を決めました。しかし、噴煙の濃度は下がってきている、とのことで、新たな噴火がなければ昨年のような大規模な影響は出ない模様です。


*5月24日

@中国国際航空が成田=成都線を6月2日から再開
 中国国際航空は震災の影響で運休していた成田=北京=成都線を6月2日から再開すると発表しました。

@韓国のイースター航空が7月1日から成田=仁川線を運航
 韓国の格安航空会社(LCC)「イースター航空」は24日、成田=仁川線の運航を7月1日から開始する、と発表しました。1日1往復で機材はB737-700型機を使います。25日から就航記念航空券を99000ウオン(約7400円)で発売するそうです。ただ、同社の日本語ページを見ても航空券が日本で予約できるかどうかは分かりません。

@仙台空港で7月25日から国際線を受入へ
 国土交通省は今日、仙台空港での国際線受入を7月25日から再開することを明らかにしました。現在自家発電で行っている電力供給も7月中旬には復旧する見込みで、これに伴い空港ビル2階も再開します。現在は1時間に1便としている離発着も2便に増やす事にしています。

@全日空系のLCCのブランド名を「Peach」に
 全日空は今日、新たに設立する格安航空会社(LCC)のブランド名を「Peach」とし、社名も「Peach ・Aviation」とする、と発表しました。また、関西を中心に全職種で約200人を採用する事を明らかにしました。

@日本エアコミューター機が引き返す
 昨日午後6時45分頃、出雲発福岡行きの日本エアコミューター3558便・サーブ340B型機が離陸したところ、左エンジンの発電機の不具合を示す警告灯が点灯しました。このため、同機は出雲空港に引き返しました。整備のため、この便も含めて2便が欠航となりました。

@中国政府が外資系旅行会社に中国人向けの旅行企画を許可
 中国国家観光局は23日、これまでは国内の旅行会社のみに認めていた中国人向けの海外旅行企画を外資系旅行会社3社にも認める、と発表しました。日本関係ではJTBが出資している「交通公社新紀元国際旅行社」が入っています。日本に向かう中国人旅行者を増やして、復興を支援する姿勢を明確にする狙いがあるものと見られます。


*5月23日

@全日空機が燃料漏れで1便欠航
 昨日午前9時頃、羽田発高松行きの全日空531便・B767型機の到着後点検で、左主翼部分での燃料漏れが見つかりました。この修理のために、折り返し便が欠航となりました。燃料パイプの継ぎ手部分のゴムが破損していた、とのことです。

@中国とミャンマーが日本から到着の乗客に現在も放射線検査実施
 アジアの国で現在もまだ、日本から到着した航空機の乗客に放射線検査を実施しているのは中国とミャンマーだけのようです。実施していた国も現在は取りやめている国が多いようです。

@アイスランドの火山噴火の噴煙が今週後半には英国に達する可能性
 21日に噴火したアイスランドのグリムスポトン火山の噴煙ですが、23日正午にはノールウエーの北部に達し、アイスランドの気象庁職員によりますと「噴火の勢いが弱まらなければ、噴煙は今週後半には英国に達する可能性がある」と語りました。なお、昨年のアイスランドの火山噴火を受けて、国際民間航空機関(ICAO)では火山噴火の噴煙の安全性について基準を検討していますが、今のところ、基準の骨格も固まっていないとのことです。


*5月22日

@成田空港1〜3月覚せい剤摘発が約4倍に
 東京税関のまとめによりますと、1〜3月に成田空港で摘発された覚せい剤の件数と数量が昨年同期に比べ、約4倍になりました。件数で27件、重量で46.2Kg となったとのことです。アフリカからの持ち込みが約半分に達しました。しかし、運び屋の国籍を見ますと、欧州が約65%と急増しています。27件中で日本人が運び屋をやっていたのは2件にとどまっています。

@アイスランドで火山が噴火・噴煙が2万mに
 21日、アイスランドでグリムスポトン火山が7年ぶりに噴火しました。噴煙は約20000mに達しています。航空当局は半径200Km 圏内を飛行禁止としています。今のところ人的被害はありません。当局によると、昨年、欧州に大混乱をもたらした噴火に比べて、火山灰が重いことから拡散が狭くなること、風向が北で欧州方面でないことなどから、昨年ほどの影響は出ない、としています。


*5月21日

@「執行手続きを進めたい」と社長コメント
 昨日の「天神峰現地闘争本部の撤去と土地の明け渡し」控訴審判決を受けて、成田国際空港株式会社は「判決に基づき、執行手続きを進めたい」との社長コメントを出し、早期に強制撤去に着手したい意向を示しました。一方、反対同盟北原派は「不当判決」と反発し、即日、最高裁に上告するとともに執行停止を申し立てました。
【コメント】円卓会議の合意事項では「1)平行滑走路の整備については、あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならず、あくまで話し合いにより解決する。」との一項がありますが、この合意に「強制撤去」は抵触しないのでしょうか。また、「への字」誘導路のカーブを緩やかにする工事も終わって、離着陸機がある場合に「への字」手前で一時停止をする必要もなくなったのですから、この「への字」部分を直線にしなくても離発着に影響はないはずですね。

@香港との航空協議で「成田空港自由化」合意
 国土交通省は昨日、行われていた香港との航空自由化協議で、2013年夏の「成田空港年間発着回数27万回」を機に、成田空港の航空自由化を行うことで合意したことを発表しました。また、2013年夏前でも発着回数が段階的に増えた場合、増便を認めることでも合意しました。

@中国から震災後初めて関東地区へのパックツアー客到着
 昨日午後、成田空港に大震災後中断していた関東地区への中国からのパックツアー客・16人が初めて到着しました。成田空港では溝畑観光局長官らが出迎え、歓迎しました。

@航空日誌を間違えて全日空機が引き返す
 今日午前8時頃、新千歳発成田行きの全日空2152便・A320型機が離陸してまもなく、航空機への搭載が義務づけられている航空日誌が別の機体の航空日誌だったことが判明しました。このため、同機は新千歳空港に引き返し、正規の航空日誌と交換して再出発しました。このトラブルで成田空港への到着が約1時間10分遅れました。

@フジドリームエアの名古屋=花巻線が運航を開始
 フジドリームエアラインズの名古屋=花巻線が今日から運航を開始しました。同社は「搭乗率は65%を目指す」とし、8月以降は1日1往復を運航する予定です。しかし、搭乗率が低迷すると路線の維持が難しくなるようです。また、名古屋=青森線は7月2日からの運航を予定しています。


*5月20日

@「天神峰現地闘争本部」撤去裁判で反対同盟北原派の控訴を棄却
 東京高裁は今日、成田国際空港株式会社が反対同盟北原派に対してB滑走路西側にある「天神峰現地闘争本部」の撤去と土地の明け渡しを求める裁判の控訴審で、千葉地裁の第1審判決を支持し、反対同盟北原派の控訴を棄却する判決を言い渡しました。また、判決では判決確定前の「天神峰現地闘争本部」の強制撤去に関する仮執行も認めました。

@第2ターミナルの商業エリアを全面改修中
 今日の日本経済新聞によりますと、成田国際空港株式会社は第2ターミナルの商業エリアの全面改修に着手しました。約50店舗の内の約10店舗を新しいテナントにし、約20店舗の内外装を改装します。エリアの壁や床も和風をイメージする改装工事を行います。これらの改装で旅客だけではなく、空港に買い物や見学に来る客を呼び込む狙いがあります。改装は今年度中に完了する予定です。また、地元客を呼び込むために「成田空港パスポート」発行を周辺市町住民全員とし(4月1日の出来事参照)、空港内で1000円以上の買い物をすると、駐車場を3時間無料にしたり、一部の店舗での割引を実施するなどしています。

@4月の訪日外国人が62.5%減・3月の大震災以降よりは改善
 日本政府観光局によりますと、4月の訪日外国人数は前年同月比62.5%減となりました。しかし、3月12日〜31日の72%減よりは改善しています。減少幅は新型インフルエンザで減った2003年5月以来の大幅な落ち込みになります。なお、4月の日本人出国者は同9%減にとどまりました。

@関西空港のLCC専用ターミナルは搭乗橋なしで
 関西空港会社が昨日明らかにしたところによりますと、建設する格安航空会社(LCC)専用ターミナルでは、搭乗橋を設けず、乗客は歩いて航空機とターミナル間を移動することになります。駐機スポットは9〜10か所造る予定、とのことです。

@米国大手5社の4月旅客数は全て前年を上回る
 米国の航空会社大手5社の4月輸送実績によりますと、旅客数は5社とも前年同月を上回りました。大震災による太平洋路線旅客数の減少はありましたが、大西洋路線が昨年に比べて好調だった、とのことです。。ただ、昨年4月はアイスランドの火山噴火により、多数の欠航便が出て旅客数が激減した反動もある、とのことです。サウスウエスト航空も胴体穴あき事故以降で旅客数は減ったものの前年を上回りました

@エールフランスKLMが3年ぶりに黒字転換
 エールフランスKLMは19日、2011年3月通期決算で営業利益が1億2200万ユーロ(約142億円)の黒字となった、と発表しました。黒字は3年ぶりとなります。純損益は6億1300万ユーロの黒字となりました。


*5月19日

@日本貨物航空の格納庫が千葉県の建築文化賞を受賞
 日本貨物航空が成田空港に新設した格納庫(右の写真は16日に撮影したもの)が2010年度千葉県建築文化賞を受賞しました。壁面や天窓から自然光を取り入れるなどして、二酸化炭素の年間約3割削減など、環境への配慮が評価された受賞、とのことです。

@東京空港交通が成田空港=浅草線を復活
 東京空港交通は16日から米国同時多発テロ以降運休していた浅草へのリムジンバス路線を復活しました。成田空港=錦糸町・東陽町路線を「ビューホテル浅草前」まで延長したものです。また、成田空港=品川線に「京急EXイン品川駅前」停留所を新設しました。

@日本航空の2010年度営業利益が1884億円に
 日本航空は昨日、2010年度決算を発表しました。それによりますと、売上高は1兆3623億円、営業利益は目標の約3倍の1884億円になりました。営業利益は目標の約3倍になります。目標に比べて、リストラにより約1000億円、円高効果で約140億円、燃料価格が予測よりも約40億円少なくなったことが寄与している、とのことです。記者会見で大西社長は「2011年度の営業利益目標757億円は必達する。2012年度の再上場に変化ない。」と述べました。しかし、大震災により、4月の旅客は国際線で約20%減、国内線で約15%減となる見込みを明らかにし、「4月は数十億円の赤字が見込まれる」としています。「経費削減により、収入の落ち込みをカバーするが、大規模なリストラや路線の縮小は考えていない」としています。

@ユナイティド航空が同時テロ機の便名を使い謝罪
 ユナイティド航空は18日、米国同時多発テロで世界貿易センタービルに突っ込んだ「175便」と、乗客がテロ犯人と格闘し墜落した「93便」の便名を手違いで復活させてしまった、と謝罪しました。コンチネンタル航空との統合の過程で、コンピューターが使っていない便名をコンチネンタル航空機に割り振ってしまったため、とのことです。
 右の写真は16日に成田空港で撮影した、尾翼がコンチネンタル航空のマーク、胴体が「UNITED」と塗装された新ユナイティド航空の機体です。

@アルゼンチンで小型機が墜落
 18日夜、アルゼンチンの南部、リオネグロ州に同国ソル航空のサーブ340B型機が墜落しました。同機は緊急遭難信号を発信した後、墜落したとのことです。乗客・乗員21人の生死につては公式発表はありませんが、地元テレビ局は「全員死亡した可能性が強い」と伝えているそうです。

@エアバスがA320ファミリーの増産を明らかに
 エアバスは18日、A320型機ファミリーの増産を明らかにしました。2012年第4四半期以降に月産機数を現在の36機から42機に引き上げる、とのことです。A320型機ファミリーの受注残数は2300機を上回っているため、とのことです。


*5月18日

@日本航空が6月の減便を発表・7月には全て平常に
 日本航空は昨日、大震災による減便など(5月31日〜7月1日)を発表しました。しかし、7月からは全て平常の運航に戻すことも明らかにしました。成田空港関係路線の運休や減便は下記の通りになります。
《国際線》
◎成田=北京線→週14を7便、時期:6月1〜30日、JAL863/864便運休(7月1日より復便)
◎成田=仁川線→週14を7便、時期:6月1〜23日、JAL951/954便運休(6月24日より復便)
◎成田=香港線→
週7を0便(羽田線は継続)、時期:6月1〜29日、JAL735/736便運休(6月30日成田発、7月1日香港発よ り復便)
◎成田=釜山線→週14を7便、時期:6月1〜23日(日本発)/JAL969/960便運休(6月24日成田発、6月25日釜山発より復便)
◎成田=桃園線→週14を7便、時期:6月1〜23日(日本発)/JAL609/802便運休(6月24日成田発、6月25日桃園発より復便)
◎成田=高雄線→週7を3便、時期:6月1〜23日(日本発)/JAL811便月火木金を減便/JAL812便火水金土を減便(6月24日成田発、 6月25日高雄発より復便)
《国内線》
◎成田=関西線→1を0便、時期:6月1〜30日(JL3019)/6月2日〜7月1日(JL3010)
◎成田=中部→777-300ERを767-300ER、時期:6月1〜23日(成田発)/6月2〜 24日(中部発)、JAL3087/3082を変更

@スカイマークが6月に増資を実施
 スカイマークは昨日、6月に最大で212億9000万円の公募増資と第三者割り当て増資を実施することを発表しました。A380型機の購入費用やA380型機のフル・フライト・シミュレーター導入(使用開始は2013年3月の予定)などに当てるため、としています。今後も、A380型機の支払期限に合わせて増資を実施していく、とのことです。また、成田空港支店開設のために、5億2501万5000円を来年の9月までに投資する、とのことです。

@夏の旅行自粛は2%未満に・ツーリズム・マーケティング研究所
 ツーリズム・マーケティング研究所が6日〜8日にかけて実施した2回目の「東日本大震災が消費・旅行に与える影響に関する調査」によりますと、消費者の大震災による自粛ムードは薄れてきている、との結果が発表されました。夏休みの旅行への直接的影響は2%未満になっている、とのことです。

@スカイマークがデルタのマイレージで搭乗できるサービスを開始へ
 スカイマークとデルタ航空は昨日、デルタ航空のマイレージプログラム「スカイマイル」でスカイマークの国内線に搭乗できるサービスを6月1日から開始することを明らかにしました。しかし、逆のサービスは行わず、スカイマークでは「今後もそのようなサービスは予定していない」としています。

@全日空と日本航空の3月輸送実績・大震災の影響が色濃く
 全日空と日本航空の3月分の輸送実績が発表されました。全日空では国際線旅客数が前年同月比で3.7%増となりましたが、前年同月に定期チャーター便として運航していた4路線を加えますと、同10.6%減となっています。利用率は前年同月に比べ9.8ポイント減の64.7%となりました。国内線旅客数は同20.2%減となり、利用率も7.4ポイント減の54.4%でした。
 日本航空は減便の影響もあり、国際線旅客数が前年同月比で41%減となり、利用率も64.8%となりました。国内線旅客数は同34.6%減となり、利用率が54.8%となっています。

@日本航空機に落雷・1便が欠航に
 昨日午後3時45分頃、羽田発高松行きの日本航空1409便が小豆島上空を飛行中に落雷に遭いました。高松空港到着後の点検で左主翼先端に約1cmの損傷が見つかり、おり返し便が欠航となりました。

@カンタス航空のA380型機が燃料不足で緊急着陸
 17日、シンガポール発メルボルン行きのカンタス航空A380型機が燃料不足のため、同国アデレードに緊急着陸して、燃料を補給するトラブルがありました。同航空によると「悪天候が予想よりも激しく、逆風が強くなったために、迂回している内に燃料が足りなくなった」とのことです。同機は給油後にメルボルンに出発し、約2時間40分遅れで到着しました。

@キャセイ航空機がエンジン火災で引き返す
 16日、シンガポール発ジャカルタ行きのキャセイ航空A330-300型機が離陸してまもなく、エンジン1基から火災が発生しました。このため同機はエンジン1基でチャンギ空港に引き返し、無事に緊急着陸しました。負傷者はいませんでした。


*5月17日

@震災後初めてのパックツアー客が成田空港に到着
 昨日午後、震災後で初めてとなるパックツアー客、20名が香港から成田空港に到着しました。成田空港では日本政府観光局の職員らが横断幕を掲げて歓迎し、記念のTシャッツなどを手渡して歓迎しました。

@マカオ航空が7月から成田=マカオ線を再開へ
 マカオ航空はこのほど、震災により運休している成田=マカオ線を7月から週2往復で再開することを明らかにしました。震災前は週3往復でした。

@全日空が成田=仁川線と成田=北京線の運・減便を6月も継続
 全日空は昨日、現在運休している成田=仁川線・減便している成田=北京線を6月も引き続き継続する事を明らかにしました。

@関西空港と大阪空港の統合法案が成立
 関西空港と大阪空港の経営を統合するための法案が今日の衆議院本会議で可決、成立しました。これにより、来年4月を目標に「新関西国際空港会社」を設立し、同年夏から業務を始めたい考えで、平成27年度までに民間に売却し、有利子負債の圧縮に当てる予定です。残る有利子負債は別に設立する土地保有会社が管理することになります。

@国交省がフジドリームエアと地元県に運航期間1年を要請
 国土交通省はフジドリームエアラインズが運航を計画している名古屋=花巻線と名古屋=青森線(12日の出来事参照)に対して、「運航期間を1年とするように」と要請している、とのことです。国土交通省としては空港を中部空港に一元化したい、との意向があり、中部経済界などもこれに同調しています。しかし、フジドリームエアラインズは「運航は期限を設けない」としており、愛知県は「どちらの空港を使っても良い」とフジドリームエアラインズの判断を尊重する姿勢を取っています。国土交通省の要請に拘束力はありません。
【コメント】国土交通省としては関西空港と大阪空港の轍は踏みたくない、との考えがあるのでしょう。関西空港と大阪空港の問題は国土交通省が天下り先確保もあって、関西政財界の言いなりになった結果ではないでしょうか。今回の要請は、「航空自由化」を推進する国土交通省の考えにはそぐわない態度ですね。

@2010年度旅客数で全日空が日本航空を上回る
 全日空と日本航空が発表した2010年度輸送実績によりますと、全日空の旅客数が4305万9622人、日本航空旅客数が4192万3452人となり、日本航空が日本エアシステムと統合して以来、初めて全日空が日本航空を上回りました。

@アシアナ航空が茨城=ソウル線の運休を10月29日まで継続
 アシアナ航空は現在行っている茨城=ソウル線の運休を夏季スケジュールが終了する10月29日まで継続する事を明らかにしました。「福島原発事故の行方が不透明なため」としています。

@日本航空の4月登録抹消は3機
 国土交通省が発表した4月の航空機登録・抹消統計によりますと、日本航空はB747-400型機1機とA300型機2機を売却のために登録を抹消しています。
 右の写真は昨日成田空港で撮影した売却を待つ日本航空のジャンボ機。右の機体は全て白色に塗装されています。


*5月16日

@冬季スケジュールから国内線を1万回増に・国土交通省
 今日の「日刊航空」によりますと、国土交通省は成田空港の国内線発着枠を今冬季スケジュールから年間1万回増やし、年間3.2万回にする方針を固めました。現行の年間国内線発着枠がほぼ満杯となっており、今秋からスカイマークが成田空港関係国内線に参入すると足りなくなるため、今冬季スケジュールから年間発着回数を23.5万回に拡大するのに合わせて拡大するものです。増加枠は、日本航空の国際線縮小と全日空に割り当てた国際線枠が予定したよりも使われていないことから、この余っている発着枠を国内線に転換します。

@フジドリームエアが7月の静岡=熊本線を減便へ
 フジドリームエアラインズは8月1日から運休とする静岡=熊本線を7月は週4往復に減便します。現在は1日1往復運航していますが、平均搭乗率は41.8%と低迷しており、毎月約4000万円の赤字を出しているためです。


2011年5月前半の出来事へ