2016年3月後半の出来事
*3月31日
@成田空港の中国路線増便は一段落、今後は当分増えない見込み
今日の「日刊航空」によりますと、成田空港の中国路線の新規開設や増便は、今の段階では増えない見込み、とのことです。この理由は双方の首都圏の空港(日本側は成田空港と羽田空港、中国側は北京空港と上海空港)では航空自由化が見送られており、中国側は成田空港と羽田空港枠一杯を使い切っていることにある、とのことです。この間、関西空港の中国路線は約5倍に、中部空港の中国路線は約4倍に増えていますが成田空港の中国路線は約2.5倍にとどまっている、とのことです。双方の首都圏空港の航空自由化を進めたくても、中国側空港の発着枠がほぼ満杯のため、当面は自由化できる状況にはない、とのことです。
@「有志の会」が早期建設と夜間飛行制限緩和を県に要望
「成田第3滑走路実現を目指す有志の会」は昨日、森田知事宛に「第3滑走路の早期完成」と「夜間飛行制限緩和」に向けて、県の一層の努力を要請する要望書を提出しました。
@芝山鉄道がレンタサイクル利用でキャンペーン
芝山鉄道では明日から、芝山千代田駅で行っている無料レンタサイクルを使い航空科学博物館に入場すると、「航空科学博物館限定品」をプレゼントするキャンペーンを始めます。このキャンペーンは「航空科学博物館限定品」がなくなり次第終了となります。なお、無料レンタサイクルは大人用が3台、子供用が2台用意されています。
@ NAA のCS推進部長が置き引き容疑で逮捕
昨日、千葉市緑区の銀行ATMで、前の客が取り忘れた現金7万円を置き引きした容疑で、成田国際空港株式会社(NAA)のCS推進部長が逮捕されました。部長は調べに対し「現金を手に取ったのは間違いないが、自分のお金だと思った」と供述している、とのことです。 NAA は「厳粛に受け止め、深くおわび申し上げます。現在、事実関係を調査中であり、事実であれば、当該社員の処分について厳正に対処します」とコメントを出しました。
@訪日外国人を20年に4000万人、30年に6000万人目標?
安倍首相は昨日開かれた「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」の第2回会合で、年間の訪日外国人数を2020年に4000万人、2030年に6000万人とする新たな目標を掲げました。
【コメント】明らかに「捕らぬタヌキの皮算用」ですね。この所の訪日外国人の増加は円安と、中国を始めとするアジア圏の人々の生活水準が上がった、と言う良い条件が重なったためではないでしょうか。これらの条件が消えれば、増加のスピードが鈍化することが目に見えています。中国人の観光旅行にしても、日本以外の国にシフトしていくのは当然のなりゆきです。成田空港の過大な需要予測もこんなずさんな“希望的予測”で作られているのではないでしょうか。外国人頼みではなく、日本人の生活水準を向上させて、日本人が安心して海外旅行を楽しめるような施策を実行して下さい。
@全日空 G の2月実績は利用率が国際線微増、国内線微減
全日空が今日発表した「ANAグループ2月実績」によりますと、国際線旅客数は前年同月比(以下同じ)16.5%増の68万3716人、利用率は0.5ポイント増の71.5%となりました。
また、国内線旅客数は2.1%減の286万3214人となり、利用率は0.5ポイント減の63.0%となりました。この内、成田空港路線の利用率は成田=札幌線が10.6ポイント増の81.2%、成田=大阪線が7.3ポイント増の82.9%、成田=福岡線が12.8ポイント増の48.6%、成田=中部線が5.1ポイント増の75.5%、成田=仙台線が6.6ポイント増の54.7%、成田=那覇線が4.6ポイント減の43.8%、成田=新潟線が6.4ポイント増の43.4%となっており、総じて好調になっています。
@バニラが明日から会長と社長の人事を更新
バニラ・エアは昨日の取締役会で4月1日から、会長に現社長の石井知祥氏、社長に現副社長の五島勝也氏を当てる人事を承認しました。
@アメリカン航空機の乱気流事故で乱気流情報を機長に伝えず
運輸安全委員会は今日、2014年12月14日に北関東上空を飛行中の、仁川発ダラス行きのアメリカン航空・B777型機が乱気流に巻き込まれ、乗客・乗員12人が重軽傷を負った事故(2014年12月17日の出来事参照)の報告書を公表しました。報告書では原因として、アメリカン航空が日本の気象庁が出していた晴天乱気流「強」との情報を同機に伝えていなかったことにより、同機が乱気流発生空域に入ったことによる、としています。
@カナダで MU-2 型機が墜落、7人が死亡
現地時間29日、カナダ東部ケベック州のマドレーヌ諸島で元カナダ運輸大臣やその家族など7人が乗った、三菱重工グループのMitsubishi Heavy Industries America(MHIA)が1982年に製造したMU-2B-60型機が墜落し、全員が死亡しました。同機は着陸予定の空港から数Km離れた地点に墜落した、とのことです。当時の天候は霧がかかり雨も降っていた、とのことです。
Mitsubishi Heavy Industries America(MHIA)はこの事故に関して声明(英文)を出しています。
*3月30日
@次回四者協議会で第3滑走路の具体的位置など示す、50万回コンターでは小型機多く騒音区域拡大は少ない
昨日開かれた四者協議会の内容が具体的に明らかになってきました。成田国際空港株式会社(NAA)は需要予測として、総発着回数が2020年代半ばに30万回に達することとの見通しを示し、その時点までに第3滑走路が完成していることが望ましい、と説明しました。また、年間総発着回数を50万回(2030年代初頭から2040年代後半と見込む)にするには海外の空港の敷地面積から見ると、成田空港の現在の敷地を約1.4倍の2000ヘクタールにする必要がある、としています。従って、新たに策定する騒音コンターは3本の滑走路を運用し、年間総発着回数が50万回となった場合のコンターとなり、深夜・早朝の飛行回数制限が緩和された時を想定して策定することになる、とのことです。
なお、コンターについては現在はA320型機などの小型機のシェアーが26%程度となっているが、50万回時に同52%となり、小型機の比率が高まることにより、騒音が低減することから、騒音地域はそれほど拡がらないことになると予想される、としています。
また、 NAA は次回の四者協議会で第3滑走路の具体的な位置を示す、と答えました。
四者協議会後の記者会見で、成田市の小泉一成市長は「コンターは深夜早朝の発着規制を維持した場合と、規制を緩和する場合の両方を示してほしい」と要望し、深夜・早朝時間帯の飛行制限緩和に含みを持たせる発言を行いました。
【コメント】今回の第3滑走路建設にかこつけて、15〜30年先までの計画を最大予測を元に策定しようとするのですから、無茶です。関西空港の過大な需要予測で、国も周辺自治体も関西経済界も長年苦しんだ経験を忘れたのでしょうか。「こうしておけば、うるさい騒音下住民の意見を聞く必要もなくなり、今後は、国と NAA と航空会社の好き勝手に出来る」と言うことをもくろんでいるのだと思います。どだい、空港の処理能力を敷地面積で考えるのはどんなものでしょうか。都合の良いところだけを取りだして、何とか“必要性”を絞り出しているように感じます。また、小泉市長の言った「夜間騒音を緩和しなかった場合と、緩和した場合の騒音コンターを」という主張は、実際に騒音下に住む住民の実感が「 Lden で測れる」と思っているのでしょうね。市長も長期間騒音区域で暮らしてみるのはどうでしょうか。
@香港エクスプレス航空が10月末から1日3便に増便
香港エクスプレス航空は10月30日から、成田=香港線を現在の1日2便から同3便に増便する事を明らかにしました。これにより、成田発は午後2時45分、午後5時10分、午後7時20分となります。
@4月下旬からリフトつき大型バスの実証実験
国土交通省は成田空港と羽田空港で、車いすを利用したまま乗車できる「リフトつき大型バス」の実証実験を開始することを明らかにしました。成田空港では京成バスが4月下旬から第2ターミナルとイオンモール幕張新都心バスターミナル間で実証実験を開始します。
@エジプト航空機がハイジャックされるも、全員無事解放
現地時間29日朝、エジプトのアレキサンドリア発カイロ行きのエジプト航空181便・A320型機がハイジャックされ、キプロスのラルナカの空港に着陸しました。犯人は別居中の妻との面会を求めているとのことです。また、エジプトにいる女性の囚人の解放も要求している、とのことです。犯人は自爆ベルトを巻いている、と威しています。交渉で乗客・乗員64人の内、乗客3人と乗員4人を除き解放されました。エジプト当局は「テロ事案ではない」としています。
犯人は58才のエジプト人で、キプロスに着陸した、約6時間後に投降し、残った人質全員も無事解放されました。また、自爆ベルトは偽物だった、とのことです。
@墜落したフライドバイ機はシステムや機体は正常だった
ロシアの航空委員会(IAC)は「墜落したフライドバイ機のフライトレコーダーを初期分析した結果、システムと機体に欠陥がなかったことを確認できた」と述べています。
@チェコ航空がA320neo型機7機を発注
チェコ航空は現地時間29日、エアバスにA320neo型機7機を発注した、と発表しました。受領は2021年頃からとなる見込み、とのことです。
*3月29日
@四者協議会で「第3滑走路建設」「夜間飛行制限緩和」の検討を確認
今日午前中に開かれた「成田空港に関する四者協議会」で「第3滑走路建設」「B滑走路の延伸」「夜間騒音制限の見直し」の検討を進めることが確認されました。
確認は騒音関係団体の意見を参考にして行われ、住民に直接意見を聞くことはありませんでした。騒音に苦しむ住民への説明は計画が固まってから「丁寧な説明」を行うとしていますが、第3滑走路建設の是非についての意見を今の段階で聞くことはしないようです。「計画が出来てから、これを飲ませるための説明」を考えているようです。これまでと同じ方法で、強引に進める方針のようです。
千葉県がまとめた「今日の四者協議会の概要」が手に入りましたので、下記に載せておきます。
成田空港に関する四者協議会の結果ついて(概要) 平成28年3月29日 国土交通省、千葉県、空港周辺9市町及ぴ成田国際空港株式会社の四者は本日、四者協議会を開催し、以下のとおりとりまとめました。 1 空港会社からの調査報告等について 空港会社から、前回の四者協議会後の調査状況として次の報告があった。 |