2013年1月後半の出来事


*1月31日

@成田市下総地区が説明会開催を拒否
 今日の毎日新聞によりますと、成田市は運用時間制限緩和案についての説明会を2月7日〜11日に、市内関係6地区で開く計画を明らかにしました。これに対して、住民団体「下総地区空港対策委員会」は説明会開催を拒否しました。同会の堀江会長は同紙の取材に対し「年間離着陸回数30万回容認もB滑走路北側延伸も、説明会を受け入れたことが『了承』の既成事実にされた。今回は絶対に受けない。国も NAA も市も提案了承を前提に、説明会や騒音実体験の準備を進めている」と話し、同地区での説明会を拒否することを明らかにしました。なお、小泉市長は昨日の空港対策特別委員会で「住民説明会で出た意見に議会の意見を加え、市として(提案を受け入れるか)判断したい」と答えました。

@国際線旅客で日本人は±0,外国人は12%増・12月の運用状況
 成田国際空港株式会社が今日発表した成田空港の12月運用状況によりますと、総発着回数が前年同月比(以下同じ)12%増で、この内、国際線は4%増、国内線は63%増となりました。総旅客数は11%増となり、国際線旅客数は5%増、国内線旅客数は80%増となっています。国際線旅客数の内、日本人は±0,外国人と通過客がそれぞれ12%増となりました。総貨物量は2%減で、この内、輸出量は19%減、輸入量は9%減でした。給油量は9%増となっています。

@成田=オークランド線の毎日運航を再開、NZ航空
 ニュージーランド航空は、東日本大震災やクライストチャーチ地震で需要が減少していた、成田=オークランド線の毎日運航を25日から開始しました。一部はクライストチャーチ経由となります。

@「原因不明でも再発防止措置で運航再開も」国土航空事業安全室長
 昨日のロイターニュースによりますと、航空局の高野航空事業安全室長は昨日、「これまで多くの事例でそうであったように、事故原因が究明される前にできる対策はとっていくのが航空当局の使命」と述べ、「運輸安全委員会が進めている原因究明調査の最終報告を待たずに、どのような是正策を講じれば再発防止ができるかを検討していく。是正措置により、今、運航停止している B787型機を飛行に戻すことを考えるのが、われわれとアメリカ連邦航空局(FAA)の緊急のミッションだ。」との考えを示しました。
【コメント】これは非常に危険な考え方ですね。全日空機も日本航空機も何の前触れもなく、突然トラブルに見舞われました。その原因が分からなくて、どうして、再発防止策が出せるのでしょうか。ボーイング社と航空会社の要請を受けての態度表明と思いますが、乗客の命をどう考えているのでしょうか。こんな人が安全室長とは!

@「バッテリーの機種交換になれば、1年は運航を再開できない」
 今日の日本経済新聞に載っている「FORBES」の「787問題でボーイングに与えられた2つの選択肢」によりますと、米マサチューセッツ工科大学のドナルド・R・サドウェイ教授は「リチウムイオン電池をニッケル水素電池に交換した場合に、B787型機の運航停止は1年に及び、2014年に再開されることになる」「ボーイングはバッテリー2つ分の重量に相当する74ポンド(約33Kg、機体重量の0.01%)、そして2000ドルのコストを削減しようとした結果、図らずも2億700万ドルもする787型機が最長1年間飛べなくなる事態を招いてしまった。」と話しています。

@日本航空もユナイテッド航空もバッテリー交換多数
 日本航空は昨日、AFP 通信の取材に対し「数回バッテリー交換を必要としていた」と答えました。さらに、6機のB787型機を所有するユナイテッド航空も昨年11月以降、複数のバッテリーを交換している、とのことです。また、全日空の広報は同紙の取材に対し、「1ヶ月しかもたないバッテリーや、中には1週間で交換が必要なバッテリーもあった。また、メインバッテリーが一部しか充電できていない例が4件、他の2件ではバッテリーまたは補助電源装置(APU)が動かなかった。しかし、バッテリー交換頻度はB777型機とあまり変わらない。」と答えました。
【コメント】「B777型機と変わらない」と言いますが、「通常は2年で交換」となっているバッテリーが1週間で交換されることを「異常ではない」と言うのでしょうか。

@「バッテリー交換は珍しいことではない」ボー社
 ボーイング社は現地時間30日に声明を発表し、「交換されたバッテリーは、過剰に放電したり誤って扱われたりしたことなどが原因で、交換された。バッテリーの交換は珍しいことではない。」としています。
【コメント】ボーイング社は責任軽減に必死ですね。しかし、仮に、リチウムイオン電池に原因があったとしても、リチウムイオン電池の採用を決め、仕様を決定し、発注し、審査してB787型機に搭載したのはボーイング社ですので、責任の大半はボーイング社にあります。賠償責任の割合を少しでも少なくしようとしているのでしょうか。

@「日本乗員組合連絡会議」が原因の徹底的究明求める
 航空各社のパイロットの組合で構成される「日本乗員組合連絡会議」は昨日、B787型機問題について会見を開き、原因の徹底的解明を求めることを明らかにしました。ただ、「全日空と日本航空が停止命令が出る前に、運航停止を決めたことは評価する」としています。

@スカイマークが業績予想を下方修正
 スカイマークは昨日、2013年3月通期の業績予想を下方修正しました。純利益が前回(2012年10月末)予想比41.7%減の35億円、経常利益が同40.7%減としています。LCCとの競争激化や円安による燃料費の増加などを下方修正の要因、としています。


*1月30日

@芝山町の説明・対話集会で、住民の不安・懸念が多数出る
 昨夜、芝山町の住民組織主催で「運用時間制限緩和案」についての説明と意見交換会が開かれました。会には約50人が出席し、国土交通省や成田国際空港株式会社の担当者が案について説明を行いました。町民からは「静かな夜の時間が少なくなると思うと不安だ」「これこそなし崩し。反対意見をどうくみ上げてくれるのか」「例えば三十分延ばしてやってみて、住民の意見を聞くやり方はできないのか」などの騒音を心配する意見が多数出ました。主催した「芝山町空港と暮らし推進協議会」の稲垣事務局長は「不明確な部分が多すぎて、今後の運用に不安や不満を持つ人が多かった。何らかの結論を会としてまとめ、町や町議会への要望などの形で行動を起こす必要がある」と話していました。

@来年度予算案で成田空港整備に3倍の54億円計上
 昨日政府が決定した来年度予算案で、成田空港関係では約54億円が計上されました。並行同時離発着時の周辺航空機監視装置や 、LCC 専用ターミナル内の出入国管理施設整備費などとなっています。その他、成田空港と都心と羽田空港を直結する鉄道の調査費として1億5000万円が計上されました。

@全日空のB787型機でバッテリー交換10回
 全日空は今日、今回のバッテリートラブル以前に、昨年5月から12月にかけて、10個のバッテリーの交換を行っていたことを明らかにしました。9個がメインバッテリー、1個が補助動力装置のバッテリーだった、とのことです。しかし、バッテリーの安全性に影響する不具合は見つからなかった、として航空局には報告しなかったそうです。
【コメント】やはり、あったのですね。全日空が多数の B787型機を運航している割には不具合の報道が少ない、とは思っていました。メインバッテリーを交換する、と言う事は本当に「安全性に影響がない」と言えるのでしょうか。この段階で調査していれば、今回の事態は避けられたかも知れませんね。「ドリームライナー」と大宣伝していたので、イメージを損ねたくなかった、と言うのが本音ではないでしょうか。日本航空でも、機体番号 JA822J 機が昨年5月21〜24日まで、何らかの不具合で飛べずに、北京空港で整備をして、この路線を代替機で運航した(2012年6月4日出来事参照)整備の理由も明らかにされていませんし、細かいトラブルはもっとあったのではないでしょうか。しかし、米国もバッテリーの調査には力を入れていますが、コンピューターシステムや電気配線などの調査はどのくらいやっているのでしょうか。

@エアインディアが6機のB787型機を売却しリースに
 今日の「NNA ・ ASIA」によりますと、 エアインディアは現在所有しているB787型機6機全てをリースバック形式で売却する方針を固めました。来月上旬に入札業者を募集する、とのことです。ただ、この入札は今回のB787型機のトラブルと直接の関係はなく、課税負担を軽減するために行う、とのことです。

@カザフスタンでCRJ200型機が墜落、21人死亡
 現地時間29日、中央アジア・カザフスタン南部アルマトイの空港付近で、同国「SCAT 航空」の、コクシェタウ発アルマトイ行きのボンバルディアCRJ200型機が墜落しました。乗客・乗員21人全員が死亡した、とのことです。当時周辺には濃い霧が出ており、同機は着陸をやり直すために機首を上げた時に、飛行コースからはずれて墜落した、とのことです。

@印刷物が1ヶ月かかる、中国の郵便事情 ?
 昨年12月10日頃に、中国の「時代週報」の記者から成田空港問題での取材を受けました。12日までに、メールで回答をしたところ、「12月14日〜12月20日号に掲載された」との連絡が入りました。そこで、「現物を見たいので、送って下さい」とお願いをしました。その「12月14日〜12月20日号」が今月の26日に中国から届きました。その消印を見てびっくり。昨年の12月21日付けだったのです。実に、1ヶ月以上かかったことになります。中国との郵便事情はこんなものなのでしょうか。それとも、他の理由があったのでしょうか。


*1月29日

@「理想は8時間睡眠もウソだった!」の見出しはおかしい
 1月9日の「日経ビジネス」に「理想は8時間睡眠もウソだった!」との記事が出ていました。この見出しの付け方は間違っていると思います。この記事の趣旨は「睡眠には個人差がある。中には『3時間』と言う人もいる。それを、『8時間睡眠が良い睡眠のように言われている』。あまり長く寝ると調子の悪くなる人もいる。」と言う事のようです。確かに、睡眠時間は個人差があり、同じ人でも、年齢や環境によって、その人に合う睡眠時間は変わってきます。しかし、一般的に「8時間睡眠」と言われるのは、「8時間あれば、ほとんどの人が健康でいられる」という意味ではないでしょうか。「8時間眠らないと、健康が維持できない」と言っているわけではないと思います。この点から、この記事の見出しは間違っていると思います。また、眠るにはその前に、通常は静穏な睡眠導入時間(私も若い頃は、1分で眠れましたが、今は1時間程度)が必要となります。これを考えますと、「ほとんどの人が健康を維持するための条件は、静穏な時間が10時間必要」と言う事になるのではないでしょうか。いずれにしても、今回の「運用時間制限緩和案」で「静穏な時間が5時間」というのは、常軌を逸していると思います。

@「LCC専用ターミナルは高くて使えない」とエアアジア・J 社長
 26日の出来事でも一部書いた、「Aviation Wire」のエアアジア・J 小田切社長インタビューの詳細が昨日出ました。この中で小田切氏は成田空港の LCC 対応について、「2015年春に完成予定のLCC専用ターミナルは、今の値段ではとてもではないが使用できないと表明している。」と述べ、中部空港の拠点化について「中部と成田で立場が逆転することはあるのか」の問いに対して「生産量や収益性では変わるポテンシャルはあると思う。ただ、後背地が成田は3000万人弱、中部は1200万人くらいと、倍近い差はある。中部はしっかり育てていきたい。」と述べています。さらに、「成田はカーフュー(門限)の関係で17時間しか飛べず、1日6便しか設定できない。中部であれば1日8便運航できるので、単純計算で25%生産性が上がる。」としています。
【コメント】まあ、儲けを上げなければならない航空会社の社長としては、こう考えるのでしょうね。「他人の睡眠時間が5時間だろうが、そんなことは知ったこっちゃない。」と言う事なのでしょうね。社長も「単純計算」と断っていますが、深夜早朝の需要がどのくらいあるのでしょうか? 中部空港は自動車で来る人が多い、とは聞いていますが。

@日航B787型機燃料漏れ事故で調査チームがボー社と協議
 日本航空B787型機機が成田空港で燃料漏れを起こしたトラブルで、バルブを英国製造メーカーに持ち込んで検査に立ち会った調査官は先週末に帰国し、昨日から原因と再発防止について、調査チームとボーイング社の協議を始めました。この協議は今日も続いています。
【コメント】原因が判明したかどうかは分かりません。まだ、発表はないようです。

@関東航空計器検査「重大な発見はなかった」
 運輸安全委員会と米国国家運輸安全委員会(NTSB)が27・28日に行った、関東航空計器への調査では「重大な発見はなかった」とのことです。

@B787型機導入前に国土が安全基準緩和
 昨日のロイターによりますと、国土交通省は2008年に40項目の安全基準の緩和を行いましたが、当時の「安全基準検討委員会」の議事録や7人の委員によりますと、この中の5項目はB787型機の導入に有利な内容になっていた、とのことです。しかし、この裏には「ボーイング社・部品を担当するサプライヤー・全日空・日本航空の後押しがあった」としています。国土交通省は当時、この緩和は「世界に先駆けて導入するB787型機について、その優れた性能等のメリットを早期に発揮させる」と言い、このことが緩和の一因となっていた、とのことです。しかし、今のところ、この緩和の内容が今回のトラブルに繋がった、と言う証拠はない、としています。

@全日空G12月国際線旅客が3ヶ月ぶりに前年同月超え
 全日空の12月グループ旅客輸送実績(速報値)によりますと、国際線旅客は前年同月比2.5%増と3ヶ月ぶりに前年同月を超えました。搭乗率は同0.3%ポイント減の74.2%でした。また、国内線は同2.9%増で搭乗率は前年同月とほぼ同じ58.5%となっています。

@日航機発火事故のスタートユニットとコントローラーは正常
 米国運輸安全委員会は現地時間27日、ボストンで発火した日本航空B787型機補助動力装置バッテリーのスタートユニットとコントローラーを検査した結果、正常に機能することを確認した、と発表しました。


*1月28日

@今朝の雪で14便が欠航、2便ダイバード(正午現在)
 今朝の雪で、成田空港では8cm の積雪があり、 午前6時36分から約25分間 A滑走路を閉鎖し、その後も両滑走路を交互に閉鎖して除雪を行いました。この影響で、正午までに14便が欠航し、2便が羽田空港などにダイバードしました。

@「GSユアサに大きな問題はなかった」と運輸安全委員会
 国土交通省は今日から、GSユアサの下請けで、バッテリー内に設置されている基盤(バッテリー・モニタリング・ユニット:BMU)を製造している関東航空計器への立ち入り検査を実施しています。一方、GSユアサに対する立ち入り検査は今日午前中で終了しました。これについて、運輸安全委員会は「品質管理上のいくつかの問題はあったが、今回のトラブルを生じさせるような大きなものはなかった」との見解を明らかにしました。

@LCCを使った人は2%、認知度は約60%・クロス調査
 昨年12月にクロス・マーケティングが実施した格安航空会社(LCC)に関するオンライン調査(有効回答600)によりますと、LCC を利用したことのある人は、複数回答でピーチが1.4%、ジェットスター・ J が1.7%、エアアジア・J が1.6%で、全体として2%でした。しかし、認知度はピーチが62.9%、ジェットスター・ J が61.3%、エアアジア・J が49.4%でした。利用した人の満足度はピーチが82%、ジェットスター・ J とエアアジア・J はそれぞれ66%でした。

@エアバスCEO「A330型機への需要が増えるだろう」
 エアバスCEO は現地時間24日、ダボス会議の開かれているスイスで、「次世代機の投入の遅れと初期に起きる問題により、A330型機の需要が高まることは明らかだ」と述べました。また、「今回のB787型機の問題が A350型機に影響するか」との質問に答え「構造が違うことから影響がある、とは思わない」と述べました。

@明日の午前1時20分から、昨日書いたWOWOWのドキュメンタリー「岡田武史 中国で闘う理由」が再放映されます。


*1月27日

@多古町で説明会「騒音が心配」の声も
 成田空港の東に位置する多古町で25日、運用時間制限緩和に対する住民説明会が開かれました。説明会には町内に7つある騒音地区(牛尾、水戸、船越、喜多、林、間倉、一鍬田)の住民組織「多古町航空機騒音等対策協議会」の関係者ら約30人が参加しました。住民からは一定の理解を示す意見も出ましたが、騒音問題に対する懸念を心配する意見も出ました。

@昨日「成田空港能力検定」行われる、99人が受検
 昨日、成田市で初めてとなる「成田空港能力検定」が行われました。参加者は99名で、小学生から77才の、北海道や岐阜県からの参加者もいました。合格ラインの7割り正答を目指して受検しました。試験後、周辺の撮影スポットや航空科学博物館の見学などが行われました。

@「大きな声を出す人、過激なことを言う人が、人気」と岡田前監督
 先日、WOWOWで放映されたドキュメンタリー「岡田武史 中国で闘う理由」を見ました。その中で、岡田前全日本監督は、昨年12月7日に行われた城西国際大学での講演で、日中関係悪化に関して「私はこの1年、中国の『杭州緑城』の監督をしていましたが、日本人として嫌な思いをしたことは、ただの一度もありませんでした。今の日本は、民主主義が崩壊しようとしています。大きな声を出す人、過激なことを言う人が、人気が出ています。ポピュリズムです。衆愚政治。日本は、今はそういうところへ、落ちてきているのかも知れない。でも、残念ながら、僕は政治家でもなんでもない、ただの、サッカーの監督です。だから、僕が出来ることは、中国人と日本人、そして、うち(『杭州緑城』)には韓国人もいます。みんなが、こころをひとつにして、必死になって闘っている姿を見せること、それが自分の役割だと思っています。」と話していました。
【衆愚政治】
 有権者の大半が知的訓練を仮に受けていても適切なリーダーシップが欠けていたり、判断力が乏しい人間に参政権が与えられている状況。その愚かさゆえに互いに譲り合い(互譲)や合意形成ができず、政策が停滞してしまったり、愚かな政策が実行される状況をさす。
 また有権者がおのおののエゴイズムを追求して意思決定する政治状況を指す。エゴイズムは自己の積極的利益の追及とは限らず、恐怖からの逃避、困難や不快さの回避や意図的な無視、他人まかせの機会主義、課題の先延ばしなどを含む。(Wikipediaより)
【コメント】石原慎太郎、橋下徹、安倍晋三などが「大きな声を出す人、過激なことを言う人」の代表ですね。これをまねて、自分の考えていることを大声で主張し、他の人のことを考えない風潮が蔓延しているように思います。「他人の睡眠時間が5時間だろうが、そんなことは知ったこっちゃない。経済効果(実は自分の利益)が第1だ」とする人が幅をきかせています。こういう風潮からヒトラーのような『独裁者』が誕生するのではないでしょうか。


*1月26日

@昨日早朝、急病人で時間外着陸
 昨日の早朝、ハノイ発成田行きの日本航空752便・B767型機機内で急病人が発生し、成田国際空港株式会社は制限時間外の着陸を認めました。同機は午前5時57分に成田空港に着陸しました。

@日航機と全日空機のバッテリーは違うパッチ、製造日に約10ヶ月の差
 国土交通省航空局の高野・航空事業安全室長は昨日、航空会社からの情報として、高松空港で発煙した全日空B787型機機のバッテリーは製造番号が270番で2011年11月製造だったこと、また、ボストンで発火した日本航空B787型機機のバッテリーは製造番号394番で、2012年9月の製造だったことを明らかにしました。これにより、両バッテリーが同じパッチ(一回の作業で製造する数量単位)でないことが判明しました。GSユアサでの立ち入り検査では「今のところ不都合なところがあったという報告を受けていない」とのことです。

@12年の訪日外客数が10年比2.8%減まで回復
 観光局が昨日発表した「訪日外客数・2012年12月および年間推計値」によりますと、2012年年間では前年比34.6%増の約836万8100人となりました。政府目標の900万人には届きませんでしたが、2010年に次ぐ過去2番(2010年比2.8%減)になりました。しかし、中国は尖閣諸島問題で後半に入り低迷しています。一方、海外に出国した日本人数は同8.8%増の約1849万人と過去最高となりました。また、12月の訪日外客数は前年同月比20.6%増、出国日本人数は同2.2%減となりました。

@全日空が国内線12日、国際線18日までの欠航などを発表
 全日空は今日、B787型機の運航について国内線は2月12日まで、国際線は同18日まで見合わせる、と発表しました。これにより、国内線は12日までの欠航が254便、機材変更が916便になります。また、国際線は18日までの欠航が134便、機材変更が194便となります。
【コメント】全日空も運航停止の長期化を覚悟したのでしょうか。

@全日空と日航の12月期連結営業利益が1000億円超の見通し
 今日の日本経済新聞によりますと、航空大手2社の4〜12月期連結営業利益は日本航空が約1550億円、全日空が約1000億円となる模様、とのことです。B787型機トラブルによる影響は、日本航空が機数が少ないこともあり、採算管理の強化で吸収できる見込みで、全日空は機数が多く、従来計画の1100億円を下回ることになるようです。

@エアアジア・J 社長がカウンターチェックイン時間緩和を示唆
 今日の「Aviation Wire 」によりますと、 エアアジア・J の小田切社長は昨日、同紙とのインタビューで、サービスカウンターでのチェックイン締め切り時間を現在の出発45分前から、30分前に緩和する考えを明らかにしました。ジェットスター・ J は30分前、大手は15分前となっています。


*1月25日

@成田空港の2012年輸出額が16年ぶりに2位に転落
 東京税関は昨日、成田空港の2012年貿易概況(速報値)を発表しました。それによりますと、輸入超過額が1兆5838億円と過去最高となりました。また、輸出額は16年ぶりに全国の港湾で1位から2位に後退しました。1位は自動車の輸出が好調だった名古屋港になりました。また、12月の貿易概況は輸出額が前年同月比9%減、輸入額が同4%増となっています。

@不発弾処理で大阪空港の飛行コースを変更・来月3日
 国土交通省大阪空港事務所は昨日、大阪空港の南側飛行コース直下で発見された不発弾処理のため、2月3日午前9時から正午まで、飛行経路を変更する、と発表しました。到着便はパイロットが目視で着陸し、出発機はレーダー誘導を行う、とのことです。

@日航G12月利用率は国際線74.8%、国内線58.4%
 日本航空は昨日、グループの12月利用実績を発表しました。それによりますと、国際線旅客数は前年同月比(以下同じ)4.2%増、ロードファクター(座席利用率)は3.8ポイント増の74.8%でした。中国線の利用率が50%を超えました。一方、国内線は旅客数が0.6%減、ロードファクターは0.8ポイント増の58.4%となりました。成田空港路線ロードファクターでは、成田=大阪線が5.9ポイント増の71.9%、成田=札幌線が6.0ポイント増の51.1%、成田=福岡線が1.3ポイント減の36.5%、成田=中部線が8.9ポイント増の53.3%、成田=那覇線が7.6ポイント増の49.9%となっています。やはり、LCC競合路線が低いようです。

@「バッテリー調査は初期段階」米安全委員会
 米国国家運輸安全委員会 (NTSB)の委員長は現地時間24日の記者会見で、B787型機のバッテリー問題について「このような短い時間で、2回の重要な障害が発生したことは前例がない。このようなトラブルは航空機の設計では起こるべきものではない。非常に深刻な問題だ。」と述べ、深刻な懸念を表明しました。また、日本航空・B787型機後部バッテリー内部の8個の電池の内、3個の損傷が激しいことや、ショートや「熱暴走」と呼ばれる異常高熱現象が起きていたことなどを明らかにし、「調査は初期段階」として、時間がかかることを示唆しました。


*1月24日

@「下総地区空港対策委員会」役員会が提案撤回を求める方針
 今日の毎日新聞によりますと、成田市の住民団体「下総地区空港対策委員会」の役員会は20日、「運用時間制限緩和案」の即時撤回を求める方針を確認しました。

@「住民に丁寧な説明が必要」などの意見・周辺議長連絡協議会
 今日の毎日新聞によりますと、 成田空港周辺9市町の議会議長らでつくる連絡協議会は22日に、国土交通省と成田国際空港株式会社から「運用時間制限緩和案」について説明を受けました。出席者からは「住民に丁寧な説明が必要」などの意見が出されました。

@「電池の電圧は正常値だった」運輸安全委経過報告
 運輸安全委員会は昨日、発煙トラブルを起こした全日空機のリチウムイオン電池調査の経過報告を行いました。それによりますと、フライトレコーダーの解析から、「表面上、正常値で過電圧は確認出来なかった」とのことです。しかし、8個のリチウムイオン電池を直列につないでいることから、この内のどれかが過充電になっていた可能性があるそうです。8個の電池の個別データはなく、損傷が激しいことから、原因特定は非常に難しい、としています。バッテリーの電圧は、ある時期から急激に減少し、上下動を繰り返してゼロ近くになった、とのことです。この時期とコックピットで異臭が関知されて時期はほぼ一致していた、とのことです。

@米運輸長官が運航再開時期について一切触れず
 ラフード米運輸長官は現地時間23日、B787型機の運航停止について、バッテリーの不具合の原因が特定され安全性が確認されるまで解除されないとの見解を示しました。しかし、運航停止解除の時期などについては、一切言及しませんでした。

@FAAの安全審査について疑問出る
 22日のロイターによりますと、アメリカ連邦航空局(FAA)は2007年に、B787型機がリチウムイオン電池を採用する際の審査で、「当該電池が飛行中に発火したとしても、燃え広がらないような仕組みや、煙を排出するシステムを備えている限りは安全との判断」で認可していました。今回のリチウムイオン電池事故が起こって、この判断が妥当なものであったかどうか、疑問視する見解が出ている、とのことです。また、上院商業科学運輸委員会は数週間以内に、この問題について公聴会を開く、とのことです。

@アウトソーイングのリスクを軽視・ボーイング社
 今日の日本経済新聞に掲載された「Forbes.com」の「トヨタになれなかったボーイングの過ち」が今回のB787型機トラブルの背景について、詳しく解説しています。特に、アウトソーイングの問題点が興味を引きます。


*1月23日

@「運用時間制限緩和案」に対する公開質問書を提出しました
 昨日午後、成田空港に行き、国土交通大臣と成田空港会社社長宛の「運用時間制限緩和案」についての公開質問書を、国土交通省成田空港事務所と成田国際空港株式会社本社に提出してきました。回答期限は2月5日としてあります。

@成田空港で翼を休めているB787型機の写真

  

 昨日午後、成田空港の第1ターミナル南ウイングから見たところ、駐機場に運航を停止されているB787型機が3機確認できました。左の写真はJA857J機ですが、前の出入り口にはタラップが取り付けられていました。整備中のようです。真ん中の写真は、燃料漏れを起こしたJA824J機のようです。右の写真は全日空機ですが、機体番号は読めませんでした。全日空機の後ろにあるにあるユナイテッド航空機と日本航空機も補助動力装置排気口の形状から見るとB787型機のようですが、はっきりとは確認できませんでした。

@日本航空が成田=サンディエゴ線を30日から再開
 日本航空は今日、30日の成田=ボストン線と、2月1日の成田=モスクワ線を欠航とする、と発表しました。なお、現在欠航中の成田=サンディエゴ線は、B787型機以外の機体を使う当局の許可が下り、30日から運航を再開します。機材はB777型機を使います。

@航空各社が夏季ダイヤを申請、全日空と日航は国際線を後日発表
 航空会社が3月31日からの夏季ダイヤの申請を発表しています。ただ、B787型機の運航停止の影響があり、国際線を中心に「後日発表する」ところもあります。成田空港関係路線で変更のあるところを下記に書きます。
全日空は夏季ダイヤで、成田=広島線を1日1往復で開設し、成田=仙台線を1日1往復から、1日2往復に増便することを明らかにしました。ただ、成田=広島線は IBEXエアラインズが1日2往復から1日1往復に減便し、成田=仙台線は1日1往復だったものを休止としています。これによって、全日空グループとしては同じ便数となります。
日本航空の国内線は変化ないようです。
ジェットスター・ J は昨日、国土交通省に夏季ダイヤを申請しました。それによりますと、新規路線として、3月31日から成田=大分線、5月31日から成田=鹿児島線、3月31日から中部=福岡線と中部=新千歳線、5月31日から中部=鹿児島線に就航します。また、成田=新千歳線は増便します。関西空港路線は減便となります。

@「運航の早期再開に、最大限努力」太田大臣
 太田国土交通大臣は昨日の閣議後の記者会見で、「安全の確保を第1としつつ、可能な限り早期 に787型機の運航再開ができるように、米国の関連機関と連携し、最大限の努力を行う。アメリカ連邦航空局(FAA)はボーイングとともに運航再開を、安全かつ速やかに行うための是正措置を検討している。国交省としても、今後策定される是正措置を踏まえて、運航再開を適正に判断したい」と述べました。
【コメント】あくまでも、安全の確認が飛行再開の前提ですね。運航の早期再開のための『是正措置』が目的では困ります。米国の最大輸出企業はボーイング社ですが、米国の圧力に屈しないで欲しい、と思います。調査体制が整っているためかも知れませんが、CTスキャンによる検査も米国関係者の方が多い、と言うのは情けないですね。

@バッテリーのスキャンを25日まで継続へ、フランスからも参加
 運輸安全委員会は昨日、全日空のB787型機で発煙したリチウムイオン電池を JAXAの三鷹市にある航空分室に持ち込み、運輸安全委員会の調査官2人と米国側4人で、 CT スキャンを行いました。この CTスキャンによる検査は JAXAの協力により、25日まで続けられることになり、正常だった、補助動力装置のリチウムイオン電池もスキャンし、比較を行う事になっています。また、充電装置を製作したのが、フランスのメーカーだったので、フランスの調査官も加わることになりました。

@ライアンエアが乗客を600Km離れた空港に「置き去り」
 現地時間の20日、欧州最大手の格安航空会社(LCC)「ライアンエア」機が、フランスのリール空港が大雪で着陸できないため、約600Km 離れたナント空港に着陸し、4時間後に、乗客約120人を降ろして、ポルトガルのポルトに戻ってしまう出来事がありました。乗客らは丸1日ナント空港周辺ホテルに、何とか収容され、翌日、バスでリールまで移動しました。飛行機は天候不良の場合、出発地まで戻るか、さもなくば、自社の便が乗り入れている空港に飛んで、次善の策を打つのが一般的で、自社の便も係員もいない空港に「置き去り」にする事は普通では考えられません。


*1月22日

@国土交通省は成田空港建設当時の教訓を忘れたのか
 今回の「運用時間制限緩和」問題に対する国土交通省や成田国際空港株式会社の対応を見ていると、約45年前になる成田空港建設時の混乱が、「住民の意見を一切聞かずに、建設を強行しようとした当時の政府の方針にあった」とする、いわゆる「『ボタンの掛け違え』によって起こった」という教訓を忘れているように思います。今回の「運用時間制限緩和案」についても、周辺自治体首長や議会への説明はあっても、実際に、非人間的な騒音にさらされる騒音下住民への直接の説明が行われ、理解を得ようとした、と言う話は聞こえてきません。首長や議会が住民から選ばれたとしても、「運用時間制限緩和」を騒音下住民が認めたことにはならないはずです。このような、「無理が通れば、道理が引っ込む」やり方は、長い目で見れば、成田空港の発展に支障を来すのではないでしょうか。

@「過剰な電圧がかかった可能性を否定したとは理解していない」国土
 国土交通省は昨日、ボストンの日航機調査で米運輸安全委員会が、「飛行記録解析の結果、バッテリーの過充電を確認できなかった」と発表したことについて、米国側から事前に連絡があった事を認め、「バッテリーに過剰な電圧がかかった可能性を否定した、とは理解していない」と述べました。
【コメント】確かに、何らかの過剰な出来事がなければ、焼けただれることはないはずですね。

@ピーチ・アビエーションが夏季ダイヤ発表
 ピーチ・アビエーションは昨日、夏季ダイヤを申請しました。この中で、新たに4月12日から関西=仙台線を1日2往復、6月14日から関西=石垣線を、9月から関西=プサン線をそれぞれ1日1往復で就航させます。

@マイアミ空港でA340とB777が接触
 現地時間18日、米国マイアミ空港でアルゼンチン航空の A340型機と、エールフランスの B777-300型機が接触事故を起こしました。双方にけが人はありませんでした。A340型機の翼端に B777-300型機のスタピライザーがあたった、とのことです。


*1月21日

@エアアジア・J 社長「地元の方々は成田空港を向上させる意識がある」
 今日の「WING DAILY」よりますと、エアアジア・J の小田切社長は同紙とのインタビューの中で、運用時間制限緩和について「地元の方々は、ひとつには成田のプレゼンスを維持・向上しなければならないという意識をもって頂いている。さらに、LCCが拠点を構えたことで、地元のお客様がご利用頂けるようになったことが大きいのではないか」と述べました。
【コメント】小田切社長の「地元の方々」というのは地元経済界の人たちのことのようです。騒音被害を被る「住民の声を聞いた」と言う話はありませんね。

@多古町で東側地域戦略シンポ開催される
 昨日、多古町で「成田国際空港東側地域戦略構想シンポジュウム」が開かれました。成田空港の恩恵が成田市などに比べて少ない空港東側地域の発展を考えるシンポです。多古町は4月の新年度から約20年間にわたる地域づくりの計画を練っています。シンポには成田空港会社や日本自動車連盟職員や筑波大教授が参加しました。

@大韓航空が夏季ダイヤで成田=仁川線を増便へ
 大韓航空は3月31日の夏季スケジュールから、現在1日4往復の成田=仁川 線を、1日5往復に増便することを明らかにしました。

@「日航機の発火バッテリーに過電圧はなかった」とNTSB
 米運輸安全委員会(NTSB)は現地時間20日午前0時過ぎ(真夜中ですね)、ボストンで発火した日本航空に搭載されていた電池は「設計以上の電圧になっていなかった」と発表しました。フライトレコーダー(飛行記録装置)のデータを解析したところ判明した、と言う事です。これにより、バッテリーの充電装置や補助動力装置(APU)にまで、調査対象を広げることになります。このことは、日本航空と全日空のバッテリー事故が、異なった状況下で発生した可能性を示唆しており、原因調査をより複雑なものにする、事になります。運輸安全委員会の調査官は「全日空機のバッテリーは、電池に過剰な電流や電圧がかかり、内部の液体が過熱して噴き出した可能性がある」と述べていました。原因が別になると、調査・対策が別々になる事になり、原因究明が複雑になります。搭載されているリチウムイオン電池の充電装置は英国のメギット傘下のセキュラプレーン・テクノロジーズが製造しています。
【コメント】フライトレコーダーで個別電池の電圧まで分かるのですね。すごい。全日空機のフライトレコーダーの解析ではどんな結果が出るのでしょうか。運輸安全委員会調査官のコメントはあくまでも、外見からの推測のような気がします。

@国土とFAA調査官がGSユアサの立ち入り調査
 国土交通省の調査官1人とアメリカ連邦航空局(FAA)の調査官2人は今日、リチウムイオン電池の製造元である、京都市にあるGSユアサに立ち入り調査を行っています。

@A380型機にもリチウムイオン電池は使われているが、小規模
 エアバスは 「A380型機でリチウムイオン電池を限定的に使っているが、今のところ問題は起こっていない」とのことです。また、開発中の A350型機にもリチウムイオン電池を使う予定ですが、空調などの駆動には電気を使わず、従来の油圧を使ったシステムにしている、とのことです。この背景には「このリチウムイオン電池技術は、航空機の性能向上に恩恵をもたらすほど十分には成熟していない」という社内の技術者たちの懸念があったから、とのことです。B787型機の使用する電気量は従来の旅客機のおおよそ5倍となっています。これを軽量化したシステムで実現するためには、リチウムイオン電池が不可欠だったようです。


*1月20日

@運用時間制限緩和に住民は強い反発
 今日の東京新聞によりますと、運用時間制限緩和案について、騒音を被る地元住民からは「生活環境を脅かす」との反対意見が相次いで、意見集約の段取りに入れない状態、とのことです。
【コメント】18日の成田市議会の空港対策特別委員会が、30日に市長を呼んで態度表明を迫る、と言うのも、進まぬ現状にしびれを切らして、市長に対して、強引に「緩和容認」を表明させるためなのでしょうか。何しろ、成田市議会の空港対策特別委員会は毎回、成田国際空港株式会社の社員が"参考人"として出席しているのですから。

@大韓航空が3月末から成田=プサン線を1日2往復に増便
 大韓航空は3月31日の夏季スケジュールから、現在1日1往復の成田=プサン線を、1日2往復に増便することを明らかにしました。

@LOTポーランド航空とエアインディアが補償要求を検討
 LOTポーランド航空とエアインディアは B787型機の運航停止に関して、ボーイング社に対し、補償を求める考えを表明しています。

@米国の一部空港で全身ボディスキャナーを撤去へ
 昨日のCNNニュースによりますと、米運輸保安局(TSA)は米国の30空港から、全身をスキャンするラピスキャン社製の「後方散乱」検査装置を撤去することを明らかにしました。ラピスキャン社がプライバシー保護ソフトを開発できなかったことから、この決定にいたった、としています。他の170の空港では「ミリ波」検査機を使用しており、プライバシー侵害の度合いが少ない、としています。

@エアバスの2012年引き渡しが過去最高に
 エアバスは現地時間17日、2012年の実績を発表しました。引き渡し機数は588機で過去最高となりました。受注数は914機で、目標の650機を大きく上回りました。この内、A320neo ファミリーが478機、A350型機が40機、A380型機が9機でした。

@エアバスが旅客機価格を平均3.6%値上げ
 エアバスは17日、2013年の旅客機の価格表を発表しました。値上げは全機種に及び、平均で3.6%の値上げとなっています。円安で日本にとっては、かなりの値上げになります。


*1月19日

@30日に成田市長の出席を要請し態度表明求める・特別委員会
 今日の毎日新聞によりますと、昨日、成田市議会の空港対策特別委員会が非公開で協議会を開き、運用時間制限緩和案に対する地元民の反応や意見を報告しました。また、30日の同委員会に市長の出席を求めて、態度表明を求める、とのことです。
【コメント】何で、非公開にしなければならないのでしょうか。都合の悪いことには蓋をする気なのでしょうか。

@成田空港周辺7市町の首長が、マカオと香港を視察
 今日の東京新聞によりますと、昨日、成田空港周辺の成田・香取・芝山・多古・横芝光・神崎・栄の2市5町の首長は、新鮮な野菜を海外の裕福層に届ける「野菜の海外宅配構想」市場調査のため、マカオと香港に出発しました。この構想は昨年11月に発足させた「成田国際空港周辺農産物輸出協議会」で検討しているものです。ただ、海外では福島原発事故による野菜の放射能汚染に対する不安もあり、新鮮な野菜を届けるには、現行で2日かかる検疫期間の短縮など、課題克服が必要です。

@千葉県各地の羽田再拡張後の騒音が大幅に悪化
 千葉県は昨日、羽田空港再拡張関係の2012年度航空機騒音調査結果を発表しました。それによりますと、調査12点中10地点で、拡張前に比べて騒音評価値が悪化しました。調査は昨年8月6日から7日間でした。市川・白井・千葉・四街道の6地点では、拡張前に比べて WECPNLで10ポイント以上悪化しました。測定回数も千葉市立川戸小学校、県立千葉大宮高校、木更津の畔戸排水機場では1日当たり100回を超えました。

@バッテリーの早期調査で日米政府の圧力
 緊急着陸した全日空の B787型機の高松空港現地調査は昨日終わりました。今後は、フライトレコーダーの分析などを来ないます。昨日、運輸安全委員会の小杉調査官は当初「3ヶ月ほどかかる」と言っていた、焼け焦げたバッテリーの分析について、「日米政府の意向もあり、外部に委託して1週間ほどで終わらせる」と述べました。これは、早期の運航再開を考えている米国側と、全日空・日本航空の業績や部品メーカーへの影響を心配する日本政府の意向に配慮したものと見られています。来日した米国運輸安全委員会の職員も「私たちもプレッシャーを受けている」と、早期の原因究明を強く求められていることを日本側に示唆しました。
【コメント】またまた、メーカーや政府の圧力があるようです。運輸安全委員会は国土交通省から独立した組織にするべきですね。これで、本当に安全になるのでしょうか。バッテリーの不具合だけでなく、燃料漏れや、ブレーキの異常表示、配線ミスなど、電気系統の不具合はまだまだあります。これらを解明しないで運航を再開して、取り返しのつかない事態にならなければ良いのですが。

@米国運輸長官が「安全だ」から「1000%確認」に態度を変える
 米国運輸省のラフード長官は現地時間18日、B787型機について「飛行の安全性が1000%確認できるまでは飛ばさない」と記者団に断言しました。当初の「B787型機は安全だ」との発言に批判が出ていたことに対応したものと見られます。

@ボーイング社「運航停止解除まで引き渡しをしない」
 ボーイング社は B787型機の運航停止が解除されるまで、新規の引き渡しを行わないことを明らかにしました。ただし、生産は続ける、とのことです。


*1月18日

@12月の成田空港貨物取扱量は輸出が19.4%減、輸入が8.6%減
 東京税関が発表した「成田空港・羽田空港 12月分及び24年分の貨物取扱量(速報)」によりますと、成田空港の12月分積込量は前年同月比(以下同じ)5.0%減となり、輸出量は19.4%減、仮陸揚量は52.8%増となりました。また、取卸量は0.9%増、輸入量は8.6%減、仮陸揚量は52.0%増となっています。
 2012年全体では積込量が前年比(以下同じ)1.0%増、輸出量が9.0%減、仮陸揚量が39.9%増となり、取卸量は4.3%増、輸入量が2.6%減、仮陸揚量が39.3%増となりました。

@逃走した韓国人が韓国大使館に出頭
 14日夜に成田空港から逃走した韓国人男性が17日午後、韓国大使館に出頭し、連絡を受けた日本側が身柄を拘束しました。男性は韓国で兵役中の軍務放棄で逮捕歴があり、成田空港に到着した際には自ら申告し、上陸拒否になったものです。

@エアアジア・J が今日から本社を成田空港に移転
 エアアジア・J は今日、本店登記を成田市の成田空港第2ターミナル内に、正式に移転させました。北側国内線専用施設2階になります。

@オーストリア航空が成田=ウィーン線を一部欠航へ
 オーストリア航空は成田=ウィーン線の052便の一部、今月22日・28日・2月4日・5日・13日・19日を運休すると発表しました。機材の更新を進めており、機材繰りのため、としています。

@「バッテリーが過熱した可能性がある」運輸安全委員会調査官
 運輸安全委員会の調査官は昨日、全日空機のバッテリーに「過剰な電圧か電流が流れて、バッテリーが過熱した可能性がある」事を明らかにしました。また、「過剰な電気が流れるのを防ぐ『保護回路』が働かなかった可能性についても調査する」とのことです。

@米国がバッテリーの製造パッチを調査
 今日のブルームバーグジャパンによりますと、米国の関連当局とボーイング社はトラブルを起こしたバッテリーが同じパッチ(一回の作業で製造する数量単位)かどうか調査している、とのことです。これは、バッテリー固有の問題が原因であれば、そのパッチで製造されたものを使わなければ良いことになり、早期の飛行停止解除に繋がり、ボーイング社の責任の一部を 、GS ユアサに負わせることが出来ます。しかし、GS ユアサ側は「バッテリーだけの問題ではない可能性がある」との見解を示しています。
【コメント】バッテリー固有の問題でないとすると、電気系統の設計見直し、大規模改修にまで繋がり、相当長期の運航停止が見込まれます。しかし、FAA が出した耐空性改善命令(AD)では「飛行再開前には、FAAのシアトル航空機認証事務所のマネージャーが承認したバッテリーシステムの改修、もしくはその他の措置を講じる」となっていますので、「その他の措置」として、一時的には、バッテリーの点検回数を増やすなどの緊急措置を講じることで、運航を認め、長期的にバッテリーシステムの大改修を行う、などの可能性もあるようです。こうなると、A380型機の「主翼リブ問題」(2012年1月9日出来事参照)よりも、深刻なトラブルになり、ボーイング社や導入した各航空会社に大きな打撃を与える可能性もありますね。また、かすんでしまいましたが、1月9日に発生した全日空機でのブレーキシステム異常表示(2013年1月10日出来事参照)はどうなっているのでしょうか。

@成田空港での燃料漏れはバルブ駆動装置の不具合
 太田国土交通大臣は今日の閣議後の記者会見で、13日に日本航空のB787型機が成田空港で燃料漏れを起こしたトラブルについて、バルブの開閉を行う駆動装置に不具合が見つかったことを明らかにしました。今後、この装置を製造した英国のメーカーに送り検査を依頼し、職員を派遣して立ち会わせる、とのことです。また、ボストンでの燃料漏れとの関連も調査する、としています。

@全日空と日航がB787型機路線の欠航などを案内
 全日空が B787型機の運航停止に関する21日までの欠航便などを案内しています。
 また、日本航空は昨日、B787型機の運航停止の影響について、「B787型機だけで運航する許可を取得している」成田=サンディエゴ線で19日〜25日までの8便を欠航とし、成田=ボストン線などの B787型機を使っていた路線については、機材を変えて運航する事とを明らかにしました。

@日本エア機が方向舵不具合で緊急着陸、大坂空港
 昨日午前、大阪発出雲行きの日本エアコミューター2343便・サーブ340B型機が天候不良のため、大阪空港に引き返す途中に、方向舵の制御システムの異常を示す警告灯が点灯しました。、同機はそのまま飛行続けて、午後0時15分頃、無事に緊急着陸しました。


*1月17日

@B787型機が安全確認まで運航停止へ
 アメリカ連邦航空局(FAA)は現地時間16日、全日空 B787型機緊急着陸トラブルを受けて、「バッテリーによる火災のリスクがある」として、 B787型機の運航を一時停止するよう、耐空性改善命令(AD)を出しました。米国はB787型機の製造国ですので、これにより、全世界で運航が停止されることになります。
 これを受けて、国土交通省は今日午後、搭載されるリチウムイオンバッテリーの安全性を立証されるまで運航を中止する耐空性改善通報(TCD)を出しました。
 右の写真は昨日、成田空港に到着したユナイテッド航空のB787型機ですが、しばらくはその姿が見られなくなります。

@成田空港の今日のB787型機関係路線運航状況
 B787型機の運航停止で今日の成田空港関係では全日空の成田=シアトル線が機材を変更して運航されます。なお、成田=サンノゼ線は今日は運航日ではありません。
 日本航空では成田=ボストン線が欠航し、成田=シンガポール線・成田=ボストン線が機材を変更して運航されます。なお、成田=モスクワ線と成田=サンディエゴ線は今日は運航日ではありません。

@全日空B787型機緊急着陸関係の情報です
 昨日の全日空のB787型機緊急着陸トラブル関係の情報をまとめてみました。
◎バッテリーはボストンでの日本航空機トラブルと同じもの
 昨日、全日空は、緊急着陸した B787型機(JA804A)で複数回の異常表示が出た機体前部に搭載されているリチウムイオンバッテリーは、ボストンで発火した日本航空のB787型機に搭載されていたバッテリーと同じものである事を明らかにしました。ただ、このバッテリーは前部と後部に1個ずつ搭載されています。
◎昨年10月17日に交換したばかり
 
また、昨年10月17日にこの機体で、電源が入らないトラブルがあり、このバッテリーを交換していた、とのことです。バッテリーの交換は通常は2年1回、とのことです。
◎バッテリーは変色し、液漏れがあった
 運輸安全委員会の調査官は昨日の調査後、「操縦室付近の床下にある機材室を開けると、焼け焦げた臭いがした。バッテリーの入った箱から中身が液状になって溶け出して、隙間から黒い筋状のものが付いているのを確認した。バッテリーがかなりの高温になっていた可能性があり、バッテリーが原因と考えられる」と語りました。
◎B787型機は大量の電気を使う
 B787型機では、従来はエンジンの圧縮空気で作動させていた油圧ポンプやエアコンの駆動に、電気を使うなど、電気系統の使用量が大幅に増加し、大容量のリチウムイオンバッテリーを使うことになった、とのことです。
◎米国からも調査官派遣
 米国運輸安全委員会(NTSB)は全日空 B787型機の緊急着陸トラブル調査のため、調査官1人を派遣することを明らかにしました。アメリカ連邦航空局(FAA)とボーイング社も担当者を日本に派遣する、とのことです。

@ジェットスター・ J が2日に60万人を達成
 ジェットスター・ J は、昨年7月3日の就航開始以来の搭乗者数が今月2日までの、6ヶ月間で60万人を突破した、と発表しました。2日までで600,881人となっています。定時運航率は10〜12月で85%を達成しています。

@昨年11月の主要53社の海外取扱額が2.5%減に
 観光庁が昨日発表した、「昨年11月の旅行取扱状況速報」によりますと、主要53社旅行会社の海外旅行取扱額は前年同月比2.5%減と、3ヶ月連続の前年同月割れとなりました。また、外国人旅行取扱額は同13.0%増、国内旅行取扱額が同2.7%増となっています。


*1月16日

@入国を拒否された韓国人学生がホテルから逃走
 東京入国管理局成田空港支局は昨日、14日にエアプサン機で成田空港に到着した韓国人学生が逃走した、と発表しました。学生は経歴に入国拒否事由があり、本人も入国申請を取り下げたため、翌日強制送還する予定で、成田市内のホテルに宿泊させました。警備員一人が監視していましたが、目を離した隙に逃走した、とのことです。
【コメント】この種の事件が続きますね。監視体制を見直したら、いかがでしょうか。凶悪な外国人が強制送還前に逃げる目的で、入国申請をする事も考えられます。

@キャセイ機の煙トラブルはトイレ煙探知器の誤動作
 昨日のキャセイ航空機の引き返しトラブルは、トイレの煙探知器の誤動作だった、とのことです。この探知器センサーの近くにあった、映画や音楽を再生する装置の影響で、誤動作を起こした可能性が高い、とのことです。

@全日空のB787型機が操縦室の煙で高松空港に緊急着陸
 今日午前8時45分頃、山口宇部発羽田行きの全日空692便・B787型機が高松空港に緊急着陸しました。同機は同8時10分頃、山口宇部空港を離陸し、高度約9000mを飛行中に、コックピットと客室で異臭がし、バッテリーの異常を知らせる警告灯が点灯しました。その後、コックピットに煙が出て、高松空港に緊急着陸したものです。乗客・乗員137名は脱出シューターで緊急脱出を行い、数人が軽傷を負ったものの、命に別状はありませんでした。着陸した際に、機体下方から白い煙が上がった、とのことですが、出火はなく、消火活動は行われませんでした。NHKによりますと、この機体は昨年2月29日に電気系統のコントロールトラブルがあった、とのことです。国土交通省は重大インシデントとして運輸安全委員会の調査官を派遣しました。全日空と日本航空は このトラブルを受けて、B787型機の運航を見あわせ、点検することにしています。
【コメント】昨年2月29日のトラブルは私のアンテナには引っかかりませんでした。全日空の方がB787型機の導入機数が圧倒的に多いのですが、報道されるトラブルは少ないように、常々、感じていました。

@昨年の訪日外国人数が過去2番目、出国日本人は過去最高
 法務省は昨日、2012年の「外国人入国者数及び日本人出国者数(速報値)」を発表しました。それによりますと、訪日外国人数は前年比28.6%増となり、在留資格を持つ人を除く、観光客などの新規入国者数は同38.6%増と1950年以降で過去2番目となりました。東日本大震災からの回復が鮮明となっています。また、出国日本人数は同8.8%増と過去最高となっています。

@インドネシアLCC「シティリンク」がA320neo型機・25機を発注
 エアバスは14日、ガルーダ・インドネシア航空の子会社 LCC の「シティリンク」から A320neo 型機 を25 機を受注した、と発表しました。「シティリンク」は既にガルーダ・インドネシア航空を通して A320neo 型機・10機と、A320型機・15機を発注していますが、直接発注するのは初めてになります。


2013年前半の出来事へ