2017年8月後半の出来事


*8月31日

@成田空港7月運用状況は総発着回数が3%増、外国人旅客数が6%増
 成田国際空港株式会社(NAA)が今日発表した「7月空港運用状況」によりますと、総発着回数は前年同月比(以下同じ)3%増の2万1737回と、開港以来の過去最高になりました。国際線発着回数は3%増の1万8999回と開港以来の過去最高、国内線発着回数は5%増の4738回と、7月としての過去最高になっています。
 総旅客数は1%増の353万9578人と7月としての過去最高になり、この内、国際線旅客数は1%増の287万5677人、日本人は2%増の111万6083人、外国人は6%増の138万5912人と、7月としての過去最高になっていますが、伸び率は4ヶ月ぶりの一桁台となっています。国内線旅客数は5%増の66万3901人と、7月としての過去最高になりました。
 国際線貨物量は積込量が10%増、この内、輸出量は11%増、取卸量は7%増、この内輸入量は10%増となっています。
 給油量は3%減でした。
【コメント】国際線の発着回数が3%増なのに較べ、国際線旅客数は1%増となっているのが気になります。

@「Spring Japan」が冬季ダイヤで成田=関西線を運休し、成田=佐賀線を減便
 「Spring Japan」は10月28日の冬期ダイヤで成田=佐賀線を1日2往復から1に1往復に減便し、成田=関西線を運休する、と発表しました。成田=関西線は親会社の春秋航空が路線を見直し、関西空港や中部空港を減らしている関係で当面需要減が見込まれている事による、とのことです。

@フィンエアが冬季ダイヤで成田=ヘルシンキ線を週1便増へ
 フィンエアは来年夏季ダイヤで成田=ヘルシンキ線を1日2往復にする、と発表しました。今夏季ダイヤでは週11往復でしたので、週1便増便することになります。

@豪運輸安全局がジェットスター機のチャンギ空港引き返し原因を特定
 「flightglobal(英文)」によりますと、豪運輸安全局は現地時間5月13日にシンガポールのチャンギ空港で起こった同社のB787-8型機引き返しトラブルについて、主脚タイヤの一つが離陸時にパンクして、その破片が左主翼に突き刺さったことが原因だった、と発表しました。この破片がフラップと主翼を傷つけ、警告が出ました。パイロットは故障の原因を特定できませんでしたが、引き返し、このフラップを使わずに無事着陸しました。
【コメント】パリ・ドゴール空港でのコンコルドの墜落事故を思い出しますね。この墜落事故も、滑走路上の落下物により離陸中にタイヤがパンクして、主翼の燃料タンクが破れ、漏れた燃料に引火して爆発したものでしたね。
 写真は1993年のドゴール空港に駐機しているコンコルドです。


*8月30日

@国土が概算要求説明文書で「四者協議会で最終合意を得た上で、事業着手」
 28日、国土交通省が発表した来年度予算概算要求の中で、航空局の出した「予算概算要求概要」の4ページでは、機能強化(運用時間拡大や第3滑走路建設など)について「四者協議会で最終合意を得た上で、事業着手」と書いています。

@明日完成予定のサテライト北側駐機場工事
 第3ターミナルのサテライト北側駐機場ですが、工事の完成予定は明日になっています。これについては、3月31日の NAA プレスリリースで、全体の完成は「2020年2月29日」とされていますが、「誘導路及び南側2スポットについては2017年8月31日、北側3スポットについては2020年2月29日に完成」となっています。しかし、工事が完成してもすぐに南側2スポットが使用できるわけではないようです。(4月3日の出来事参照)航空局の検査と許可を受けなければなりません。南側の2スポットの供用開始が何時になるのかは今の所公式発表はありません。
 写真は6月上旬に撮影した工事の様子です。2月13日の出来事で書いた時の写真よりも大分工事は進んでいました。

@JR 東日本調査の「子どもと行きたい、連れて行きたい駅」部門で成田空港駅が5位に
  JR 東日本は22日に発表した、「みんなで決める!JR東日本1634駅ランキング」によりますと、「子どもと行きたい、連れて行きたい駅」部門で、「成田空港駅」が第5位に選ばれました。

@三菱航空機会社の水谷社長「秋には設計変更した試験機の製造にはいる」
 今日の毎日新聞によりますと、三菱航空機会社の水谷社長は昨日の同紙とのインタビューで、2機製造する予定の設計変更後の試験機について「(設計見直し作業は)全体として狙ったレベルで進んでいる」と述べ、新しい試験機の製造を「秋ごろに再開したい」と述べました。また、試験2号機のエンジントラブルについては「影響は出ないと思っている。今の(納入)スケジュールをきちんと守るのが重要」と述べました。
 なお、現地時間30日の「FlightGlobal(英文)」によりますと、 MRJ 試験2号機はモーゼスレイク・フライトテスト・センターに戻りましたが、トラブルを起こしたエンジンは交換した、とのことです。問題のエンジンはプラット・アンド・ホイットニー社に持ち込まれ、原因究明が行われています。ポートランド空港からモーゼスレイク・フライトテスト・センターへの飛行は航空当局の特別許可をとって行われたもので、試験飛行は再開されていません。


*8月29日

@この成田空港サーバーを立ち上げてから、今日で満20年となりました。これからもよろしくお願いいたします。

@国土が来年度予算概算要求で、成田空港関係52億円
 国土交通省は来年度予算の概算要求で、成田空港関係ではCIQ(税関; 出入国管理; 検疫関係)施設整備費や庁舎耐震化工事などとして、13億円増の52億円を盛り込みました。なお、高速離脱誘導路などの2020年に向けた機能強化は成田国際空港株式会社(NAA)が独自に実施します。

@全日空が貨物部門黒字化のために、那覇路線を縮小し成田路線拡大
 今日の「日刊航空」によりますと、全日空は貨物部門の黒字化を達成するため、貨物便の冬季ダイヤで那覇経由便を縮小する一方、成田路線を拡大する方針、とのことです。那覇路線は原則として土曜便をやめ、平日のみの運航とします。また、那覇=青島線と那覇=厦門線を運休とする一方。成田=青島線と成田=厦門線を増便し、成田=天津線を開設します。これに伴い、機材の増強を一時停止します。

@今朝のミサイル発射、航空便に影響はない
 北朝鮮が今朝6時頃発射し、日本上空を飛んで北海道の東太平洋上に落下したミサイルの影響ですが、航空便には遅れなどの影響はなかった、とのことです。

@ MRJ 試験2号機がモーゼスレイクに戻る
 エンジンのトラブルが発生した MRJ 試験2号機ですが、日本時間正午頃、修理を行っていたポートランド空港を離陸して、40分かけてモーゼスレイク・フライトテスト・センターに到着しました。エンジンの修理か、交換が分かりませんが、無事に終わったようです。これで、試験飛行再開になるのかどうかは国土交通省や三菱航空機会社からの発表がなく、不明です。写真は「Flightradar24」で見た2号機の飛行コースです。
【コメント】ともかく、モーゼスレイク・フライトテスト・センターに戻れて良かったですね。

@バニラ・エアの7月欠航率と遅延率が改善
 バニラ・エアが昨日発表した「7月輸送・運航実績」によりますと、国内線旅客数は前年同月比(以下同じ)19.0%増の13万943人、利用率は5.6ポイント減の87.0%となり、国際線旅客数は23.0%増の10万8816人、利用率は0.9ポイント増の90.6%となりました。
 欠航率は国内線が0.3ポイント改善の0.0%、国際線が1.7ポイント改善の2.1%となりました。また、定時出発遅延率は国内線が1.1ポイント改善の15.3%、国際線が1.3ポイント改善の11.5%となっています。

@エアアジア・ジャパンの就航メドは不明、9月は無理か
 今日の「日刊航空」によりますと、エアアジア・ジャパンの就航日は今もって未定とのことです。一部で報道された「9月下旬の運航開始」は無理になっている、とのことです。航空局による安全審査が続いているようです。導入した機材を使っての乗員訓練や、新千歳空港のカウンターを使った地上職員の訓練は続けられています。


*8月28日

@9月1日に成田空港で「2017年度防災訓練」、約1900人が参加
 成田国際空港株式会社(NAA)は9月1日午後2時から「2017年度防災訓練」を実施します。訓練には約1900人が参加する予定です。訓練では館内からの避難誘導、応急救護訓練などが実施されます。

@チャイナエアラインが台北=成田=ホノルル線の季節運航期間を短縮
 チャイナエアラインは冬ダイヤで12月7日〜来年1月8日(成田発)まで運航するとしていた台北=成田=ホノルル線(7月21日の出来事参照)の運航期間を、12月21日〜来年1月5日までに短縮する、と発表しました。
【コメント】理由は明らかにしていませんが、予約が集まらないのでしょうか。


*8月27日

@第3滑走路飛行コース直下にクロネコヤマトの「成田ターミナル」が建設中
 17日に成田空港に行ったところ、東峰地区の道路沿いにかなり大規模な建物が建設中でした。車から降りて、現場を見たところ、写真のように、この工事は「(仮称)ヤマト運輸成田ターミナル(1期)新築工事」との看板が出ていました。この場所は以前、ヤマト運輸の配送センターがあったところでした。地図で調べますと、計画されている「第3滑走路」の北側飛行コース直下になります。
 ここよりもさらに北側には「旧千葉県花植木センター」があり、成田市はこの跡地を市営の「市場」とする計画のようです。もし、「第3滑走路」が建設されるとすると、風向きによっては間断なく飛行機が通過することになりますが、「市場」の競りに影響はないのでしょうか。

@ MRJ 2号機はポートランド空港で原因の調査が行われているようです
 試験飛行中にエンジンが破損した MRJ 試験2号機ですが、現在、臨時着陸したポートランド空港で破損原因の調査が行われているようです。「 MRJ 大好き」さんのページによりますと、左主翼部分が白いテントで覆われています。もちろん、エンジン製造メーカであるプラット・アンド・ホイットニー社も調査に当たっています。原因を特定して、構造上の問題がクリアーされるのであれば、エンジンを交換して試験飛行を早く再開して欲しいものです。希望的観測かも知れませんが、ボンバルディアのCS100型機の地上試験時火災よりも、エンジン構造は改良されていますから、原因究明と対策にCS100型機の時のように「3ヶ月もかかる」と言う事はないと思うのですが。


*8月26日

@昨日深夜、「カーフュー弾力的運用」63・64例目が発生
 昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」63・64例目が発生しました。 
・63例目 上海発成田行きのユナイッテド・パーセル・サービス(UPS)109便・B767-300型機が、上海空港における悪天候(雷)による管制制限のために、成田空港到着が遅れた玉突き遅延により、午後11時13分、B滑走路に着陸したものです。
・64例目 成田発上海行きの中国国際航空920便・A321型機が、前便で上海空港における悪天候(雷)による管制制限のために、成田空港到着が遅れた玉突き遅延により、午後11時46分にB滑走路から離陸したものです。

@春秋航空が中部空港から4路線撤退へ、競争激化
 春秋航空は中部空港4路線を今月末から来月初めにかけて、撤退します。運休となるのは中部=常州=銀川線を31日から、中部=合肥線と中部=ハルピン線と中部=石家荘=フフホト線を9月3日から運休とします。この運休(事実上の撤退か)により、中部空港の同航空路線は、中部=上海線と中部=寧波線のみとなります。
【コメント】同航空は競争激化と需要の低迷により、収益が低迷し、路線の絞り込みを続けているようです。成田空港に長期駐機している「Spring Japan」5号機もこのあおりを受けているのではないでしょうか。また、 LCC をはじめとする、韓国の航空会社も韓国が米国のミサイル防衛システム設置で中国との関係が冷え込み、中国からの観光客が激減しています。その分を、日本やアジアからの観光客で補おうと、路線開設や増便を展開していますが、これも過当競争になり、運賃の低下を招いています。それでも、中国観光客の減少を補うほどの需要は見込めず、これ以上続くと観光業界の倒産が激増する情勢のようです。当然航空会社への影響も大きく、韓国 LCC の淘汰があるのではないでしょうか。


*8月25日

@成田空港のお盆期間出入国者は2.9%増に
 東京税関成田空港支局のまとめによりますと、お盆期間(10日〜20日)に、成田空港国際線を利用し、出入国した人は前年同月比(以下同じ)2.9%増の102万7140人となりました。この内、日本人出国者は2.2%増の29万4570人、日本人入国者は0.6%減の29万5400人となっています。外国人出入国者数は約6%増の43万7170人でした。同支局では LCC の増便が影響して、伸びている、としています。

@アメリカン航空機が廃止誘導路に誤進入し灯火を壊す
 昨日午後6時頃、成田発ロサンゼルス行きのアメリカン航空170便・B787型機が離陸に向かう際に、6年前に廃止された誘導路に誤って進入しました。この誘導路には進入禁止の標識がありました。同機は誘導路用灯火を壊して停まり、牽引車で正規の誘導路に戻りました。同機は点検の後、約1時間半遅れでロサンゼルスに向かいました。

@今朝、羽田空港誘導路で全日空貨物機が動けなくなる
 今日午前5時頃、羽田空港に着陸した全日空の貨物便が誘導路上で動けなくなりました。この影響で滑走路1本が約30分閉鎖されましたが、早朝でもありダイヤに影響はなかった、とのことです。立ち往生の原因は分かりません。

@羽田空港国際線ターミナルを「第3ターミナル」に改称へ
 今日の「日刊航空」によりますと、国土交通省と「東京国際空港ターミナル(株)」は2020年の羽田空港国際線枠拡大に向けて、現在の「国際線旅客ターミナルビル」(国際線ビル、T1)を“第3 旅客ターミナルビル”(第3 ビル、T3)へ変更する作業を本格化する、とのことです。2020年に国際線発着枠が増える見込みですが、増える国際線旅客をさばくために、国内線用第2ターミナルの一部を国際線に改修する、とのことで、現在でも国際線旅客が間違えて、第1ターミナルに来てしまうことが多々ある、とのことで、名前を変更する事により、混乱を避ける目的がある、とのことです。ターミナル内の案内表示だけでなく、構内道路の標識、鉄道の駅名変更など大変な作業になるようです。

@ MRJ のエンジントラブルで試験飛行中止期間が心配
  MRJ 試験2号機のエンジントラブルですが、このプラット・アンド・ホイットニー社のPW1200Gエンジンは、その同じ系列のPW1000GエンジンがA320neo型機に使われ、 MRJ のライバルであるボンバルディアCS シリーズにもこの系列のエンジンが使用され、エンブラエルの E ジェットシリーズにも使用される予定となっています。ボンバルディアCS100型機の地上試験でもエンジン火災が発生し、エンジンテストと試験飛行が約3ヶ月停止(2014年9月8日の出来事参照)しました。また、A320neo型機に使われているPW1000Gエンジンでは、弓形のローター部分やギアの早期劣化や飛行中のエンジン停止などのトラブルに遭遇し、現在も対応に追われています。新しい機構を採取した新型エンジンですので、初期不良はつきものですが、 MRJ の試験飛行が長期期間出来ないとなると、 MRJ にとっては痛手になりまねませんね。
 写真は成田空港で牽引車に引かれて移動する全日空のA320neo型機(JA211A)です。エンジンは同系列の「PW1127G-JM」です。Flightradar24によりますと、この1週間は路線に投入されていないようです。17日には全日空格納庫の脇に駐機していました。整備が必要になったのでしょうか。

@ピーチがA320neo型機10機を発注
 18日のロイター通信(日本語語版)によりますと、ピーチ・アビエーションは18日、エアバスにA320neo型機10機を発注しました。受領は2019年からになる、とのことです。

@欧州航空安全機関がA350-9型機の油圧ポンプ加熱で緊急指令
 欧州航空安全機関(EASA)はA350-9型機について、油圧ポンプの加熱により、燃料タンク内の燃料と気体の混合体が発火する恐れがある、として、エアバスが提供するソフトウエアを直ちに更新するよう緊急指令を出しました。


*8月24日

@昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」62例目が発生
 昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」62例目が発生しました。
・62例目 成田発深セン行きの深セン航空9052便・B737-800型機が、前便で深セン空港の悪天候(台風)による管制制限のため、成田空港への到着が遅れた玉突き遅延により、午後11時23分にB滑走路から離陸したものです。

@エア・カナダが来年6月2日から成田=モントリオール線を開設
 エア・カナダは昨日、来年6月2日(成田発着)から成田=モントリオール線を新規開設する、と発表しました。夏季ダイヤでは1日1往復、冬季ダイヤでは週3便の運航となります。機材はB787型機を使います。

@全日空が冬季ダイヤで成田=成都線を減便
 全日空は昨日、2017年度下期の輸送計画変更を発表しましたが、成田空港関係では成田=ロサンゼルス線を1日1往復から1日2往復に増便(6月28日の出来事参照)、また、成田=成都線を1日1往復から週4往復に減便します。いずれも、10月29日の冬季ダイヤから実施します。

@日本航空 G の7月輸送実績は国際線で減、国内線で増
 日本航空が昨日発表した「7月JAL グループマンスリーレポート」によりますと、国際線旅客数は前年同月比(以下同じ)1.7%減の71万6697人、利用率は1.5ポイント減の79.9%となりました。
 一方、国内線旅客数は6.3%増の288万732人、利用率は4.2ポイント増の70.9%となっています。
 成田空港路線の利用率は成田=伊丹線が2.3ポイント増の77.4%、成田=札幌線が3.2ポイント減の57.9%、成田=中部線が2.8ポイント減の68.9%、成田=福岡線が4.5ポイント減の42.2%、となっています。
 日本航空単体の運航実績では、欠航率が国際線で0.1ポイント悪化の0.1%、国内線で0.3ポイント悪化の0.7%となり、定時出発遅延率で国際線が1.6ポイント悪化の12.1%、国内線で1.6ポイント悪化の6.4%となっています。

@ MRJ 試験2号機でエンジンが破損するトラブル、試験飛行は当面中止
 国土交通省が昨日明らかにしたところによりますと、現地時間21日午後4時半頃、三菱リージョナルジェット(MRJ)試験2号機がオレゴン州のポートランドの西約170Kmを試験飛行中に、左エンジンが停止するトラブルがありました。同機はエンジン1基で飛行を続け、同午後5時頃ポートランド空港に無事緊急着陸し、乗員7人にケガはありませんでした。着陸後点検したところ、エンジンの一部が破損していました。三菱航空機会社は原因を調査しており、当面、4機の試験飛行を中止します。同社では「このトラブルにより、納入スケジュールの変更はないと見ている」とのことです。「MRJ 大好き」さんのページにポートランド空港に駐機する2号機の写真が載っています。


*8月23日

@深夜・早朝の航空便は旅客にとって本当に必要なのか?
 昨日の「乗りものニュース」に、「成田空港『強み』はどこ? 拡充される羽田国際線、首都圏2大空港の意味は」が載りました。成田空港と羽田空港を比較しています。結論的には「両空港を活用することが必要」と言うことのようです。
【コメント】この中で「騒音関係で夜間の運用時間に制限のある成田空港は、その制限が無い羽田空港に対し、不利な部分は否めません。」としています。しかし、「夜間飛行制限」は、旅客に関係ない貨物便や機材を目一杯使いたい LCC にとっては利益を上げるために好都合であっても、旅客にとっては、余り関係ないのではないでしょうか。夜中に出発するにしても到着するにしても、人の生活習慣やアクセス問題で深夜便は使いづらいものです。ですから、深夜・早朝時間帯の使用が認められている、羽田空港の深夜・早朝時間帯では、現在はびっしりダイヤが組まれているわけではありませんね。首都圏空港の機能強化計画では、羽田空港については、現在、市街地上空を避けている便の一部を「午後3時〜午後7時まで内陸部を飛行させる」と言う計画ですが、これに対して、内陸にある成田空港では「午前0時半〜午前5時の4時間半を除いて、間断なく飛行機を飛ばす」というのです。これは、国による「差別」と言えるのではないのでしょうか。

@ホンダジェットが1〜6月の引き渡しで世界1位に
 昨日の日本経済新聞によりますと、ホンダジェットは1〜6月に24機を顧客に引き渡し、全米航空機製造者協会の調べでは、小型ジェット機カテゴリーで、セスナやエンブラエルなどを抑えて世界1位となりました。現在は月平均4機のペースで製造しており、2019年3月末には6〜7機に引き上げる予定、とのことです。
 写真は成田空港に飛来したホンダジェットです。

@バニラが9月1日から「バニラエアポイント」を創設
 バニラ・エアは昨日、9月1日から航空券や座席指定料金や追加の受託手荷物料金の支払時に1%のポイントを付加する「バニラエア ポイント」を始める、と発表しました。ポイントをためるには会員登録が必要で、ポイント有効期限は2年間となり、ウェブサイトでの購入でのみ付加され、旅行代理店などでの購入は対象外になります。また、貯まったポイントは次の航空券購入などに利用できます。1ポイントが1円となり、100ポイント以上から利用できます。昨日から登録が開始されました。
【コメント】大手のマイレージサービスと同じようなものなのでしょうか?

@バニラの17年3月決算は約7億円の赤字に
 バニラ・エアの「第6期決算公告」によりますと、売上高は239億8500万円、純損益が7億1100万円の赤字になりました。


*8月22日

@昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」58・59・60・61例目が発生、3日連続の複数深夜騒音
 昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」58・59・60・61例目が発生しました。
・58例目 上海発成田行きの全日空960便・B787-8型機が、航路上の悪天候(雷雨)に伴う管制制限による遅延のため、午後11時22分にB滑走路に着陸したものです。
・59例目 上海発成田行きの中国国際航空157便・B737-800型機が、前便での上海空港悪天候(雷雨)に伴う管制制限による玉突き遅延のため、午後11時35分にB滑走路に着陸したものです。
・60例目 上海発成田行きのユナイッテド・パーセル・サービス(UPS)109便・B767-300型機が、上海空港悪天候(雷雨)に伴う管制制限により、午後11時41分にB滑走路に着陸したものです。
・61例目 上海発成田行きの中国国際航空920便・A321型機が、前便での上海空港悪天候(雷雨)に伴う管制制限による玉突き遅延のため、午後11時52分にB滑走路に着陸したものです。

@国内15社のお盆期間旅客数は国内線が5.0%増、国際線が7.4%増
 国内航空15社が昨日発表した「お盆休み(10日〜20日)の利用実績」によりますと、国際線の旅客数は前年同月比(以下同じ)7.4%増、国内線は5.0%増となりました。今年は長期の休暇が取りやすい日並びだったことが影響しているとしています。
 全日空では国内線旅客数が4.6%増、利用率が2.9ポイント増の83.8%、国際線旅客数が9.1%増、利用率は1.2ポイント増の88.6%となっています。
 日本航空では国内線旅客数が5.0%増、利用率が2.2%ポイント増の87.4%、国際線旅客数が0.3%減、利用率が1.5ポイント増の93.3%でした。

@「2018年中にも再上場できる可能性がある」と市江社長
 今日の朝日新聞によりますと、スカイマークの市江社長が、7月にB737-800型機を3機リースする契約を締結した事を明らかにしました。2019年3月に1機導入し、2020年3月に2機を受領する、とのことです。その後も、機材導入を進めますが、現在使用しているB737-800型機は生産終了が見込まれるため、新機種の選定をしている、とのことです。また、市江社長は株式の再上場について「目標は2020年だが、2018年中にも再上場できる可能性がある」と述べました。

@キャセイ航空がA321neo型機を32機発注の覚書
 キャセイ航空は現地時間21日、エアバスとA321neo型機32機を発注する覚書を締結したことを明らかにしました。この32機はキャセイドラゴン航空が使用することになる、とのことです。


*8月21日

@昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」55・56・57例目が発生
 昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」55・56・57例目が発生しました。
・55例目 成田発上海行きの中国国際航空920便・A320型機が、前便で上海空港の悪天候(雷)による管制制限のため、成田空港到着が遅れた玉突き遅延のために、午後11時3分にA滑走路から離陸したものです。
・56例目 成田発ホーチミン行きの全日空833便・B767-300型機が、前便で杭州空港と上海付近の悪天候(雷)による管制制限のため、成田空港到着が遅れた玉突き遅延のために、午後11時27分にA滑走路から離陸したものです。
・57例目 成田発上海行きの日本貨物航空615便・B747-8F型機が、前便で上海空港の悪天候(雷)による管制制限のため、成田空港到着が遅れた玉突き遅延のために、午後11時54分にA滑走路から離陸したものです。

@季節限定投入されているマレーシア航空のA380型機
 17日に成田空港第2ターミナルに行ったところ、運良く、11日より臨時に成田路線に投入されている、マレーシア航空のA380型機が離陸していきました。第2ターミナルからは遠いA滑走路からの離陸と、予想外のことで1枚だけ撮影しましたが、ピントが甘くなりました。デザインはシックな感じです。運航は9月17日までの金・土・日曜日の予定です。なお、資料室の「成田空港に飛来したA380型機」のページに追加してあります。

@昨日、ピーチの累計旅客数が2000万人を突破
 ピーチ・アビエーションは昨日、就航以来の累計乗客数が2000万人を突破した、と発表しました。現在の路線数は来月末に開設する4路線を入れて、国内線14路線、国際線15路線となります。国内の LCC で2000万人を突破したのは7月10日達成のジェットスター・J に続いて2社目となります。

@国土が来年度に小型機搭載の飛行記録装置の実証実験
 今日の毎日新聞によりますと、国土交通省は事故が多くなっている小型機に搭載出来る簡易型の飛行記録装置(フライトレコーダー)の有効性を確認するための実験を、来年度に実施する方針を固めました。小型機への飛行記録装置の搭載は義務付けられていませんが、近年増えている小型機の事故をうけて、また、装置の小型化と低価格化が進んだことから、小型機操縦免許を持っている国内の約2300人から協力者を募り、この装置を搭載してもらい「搭載の利点がどこまであるか分析したい」としています。

@英国のイージージェットが自社機のエンジン音をサウンドトラックに
 昨日の「FNMNL」によりますと、英国の LCC 「イージージェット」は今月、自社の航空機のエンジン音を収録したサウンドトラックをネット上にリリースし、 EP でも発売する、とのことです。専門家は「繰り返しのホワイトノイズは、余計な音が聞こえなくなり、脳を落ち着かせる」と話している、とのことです。なお、慢性的な不眠に悩んでいる人は英国成人で22%、日本人成人で20%の上る、とのことです。
【コメント】記事の中に、このエンジン音が聞けるYouTubeへのリンクがありますが、航空機内で聞くエンジン音のようです。私は航空機の中で、うつらうつらは出来ても「よく眠れた」という記憶はありませんね。


*8月20日

@昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」52・53・54例目が発生
 昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」52・53・54例目が発生しました。
・52例目 広島発成田行きの「Spring Japan」624便・B737-800型機が、前便以前の成田空港の悪天候(低視程、雷)、及び、A滑走路閉鎖に伴う玉突き遅延のため、午後11時1分にA滑走路に着陸したものです。
・53例目 鹿児島発成田行きのジェットスター・J 626便・A320型機が、前便以前のA滑走路の閉鎖による玉突き遅延のために、午後11時12分にA滑走路に着陸したものです。
・54例目 佐賀発成田行きの「Spring Japan」704便・B737-800型機が、前便以前の成田空港の悪天候(低視程、雷)、及び、A滑走路閉鎖に伴う玉突き遅延のため、午後11時50分にA滑走路に着陸したものです。

@機内食運搬トラックが草地に脱落し、A滑走路が約40分閉鎖
 昨日午前10時40分頃、成田空港A滑走路付近で、機内食運搬のトラックがA滑走路側の草地に入り込み、動けなくなりました。このトラックが離着陸機の障害になる恐れがあるため、滑走路が約40分間閉鎖となり、出発便10便に遅れが出ました。トラックは消防車で牽引され、草地から引き出されました。

@お盆休みの帰国ラッシュがピーク、今日だけで約5万1000人が入国
 成田空港では今日、お盆休みを海外で過ごした人の帰国ラッシュがピークを迎えています。今日1日で約5万1000人が入国する見込みです。

@全日空と日本航空が10〜11月の燃油サーチャージャー据置を発表
 全日空は10日、日本航空は18日、それぞれ、10〜11月の国際線旅客運賃にかける燃油サーチャージャーを、8〜9月と同じ額とする、と発表しました。


*8月19日

@芝山町の谷間地区住民が NAA にも機能強化計画白紙撤回を要望
 今日の毎日新聞によりますと、芝山町の住民団体「空港機能強化案から生活を守る会」は先月26日、成田国際空港株式会社(NAA)に空港の機能強化計画の白紙撤回を求める要望書を提出しました。同地域はA・B滑走路に挟まれる「谷間地域」に位置しています。同会は6月28日に、同趣旨の要望書を森田知事宛に提出していました。(2017年6月29日の出来事参照)

@成田市と山武市の男女が覚せい剤約18Kg密輸容疑で起訴
 千葉地検は昨日、ウガンダ国籍で成田市で飲食店を経営する36歳の女と、76歳の山武市の男を、覚せい剤取締法違反罪と関税法違反罪で起訴しました。2人は先月27日にシンガポール発成田行きの便で成田空港に到着した際、スーツケースにコーヒー袋などに小分けした覚せい剤約18Kg(末端価格で約11億円)を、隠して密輸しようとして税関職員に発見され、逮捕されたものです。2人は運び屋と見られ、共犯者がいるものと見られています。手荷物として一度に発見された量としては平成19年以降最大、とのことです。
【コメント】そう言えば、バニラ・エア機のトイレ壁裏に金塊を隠して密輸しようとした事件ですが、その後の捜査はどうなっているのでしょうか。隠す工作をしたところが台北の空港と思われますので、そちらの捜査権は台湾側にあるのでしょうか。しかし、受けとるのは日本ですから、日本側も捜査権はあるはずですね。心配なのは関係者の中に、バニラ・エアの社員、または、委託先の関係者がいる可能性があることです。いずれにしても、これだけの事をやれるのですから、テロなどの破壊工作もやれる事は明らかです。旅行者の安全のためにも、日本の警察がしっかりと捜査して、事件を解明して欲しいと思います。

@成田エクスプレスの夏利用者が2%増
 JR 千葉支社がまとめた夏期間(7月21日〜8月17日)の成田エクスプレス利用者は、前年同期比2%増の約41万3000人でした。


*8月18日

@ NAA の健康調査で血圧の睡眠時測定は行われていない
 今月に発行された騒音制御学会誌「騒音制御」Vol 41 No.4 に成田市職員による「解説」「地方自治体における航空機騒音対策への取り組みの紹介一成田市一」が載っていました。全体としては、成田空港の現状が環境問題や対策も含めて簡潔に、分かり易くまとめられています。「成田空港機能強化についての資料とリンク集ページ」「夜間騒音」について部分のみ掲載します。
 ただ、この中で、平成26年7〜9月にかけて NAA が実施した「騒音地城住民の健康影響調査」について、「睡眠や精神面への影響も一部うかがえるが、身体的影響や血圧の面では明確な影響は認められなかった、とのことである。」と書かれています。報告書でもこの趣旨の記述はあるのですが、この健康調査では「血圧や心拍」についての睡眠時測定調査は行われていません。あくまで、住民の回答を元にした主観的なものです。私たちはこの「健康調査」について、睡眠中の室内騒音と血圧の測定調査などを行って欲しい、と要望しましたが、一切、無視されました。

@バニラの13号機が到着していました
 昨日成田空港に行ったところ、芝山千代田駅側の駐機場に、14日に成田空港に到着したバニラ・エアの13号機(JA13VA)が駐機していました。写真のように「Spring Japan」の5号機と並んでいます。この機体は同航空としては初めてのハンブルグ工場製造の機体となります。

@自家用機の安全対策はどうなっているのでしょうか
 13日午前10時30分頃、茨城県筑西市の場外離着陸場で、個人所有のセスナ機が離着陸帯(滑走路)北端で離陸準備をしていたところ、別の個人所有の自作機がセスナ機の上を通過して離着陸帯に着陸するトラブルがありました。運輸安全委員会はこのトラブルを重大インシデントとして調査を開始しました。
【コメント】この所、個人所有の小型機の事故やトラブルが相次いでいます。自分の飛行機で飛びたいという気持ちは良く分かるのですが、ニュースを読んで見ますと、基本的な確認事項の遵守や知識不足が原因ではないか、と思われるものがあります。国土交通省も何らかの手を打たないと、民間旅客機も含めた重大な事故に繋がるのではないでしょうか。心配です。

@ MRJ 試験4号機は耐熱試験中
 ブログ「 MRJ 大好き」さんによりますと、 MRJ 試験4号機は現地時間12日にアリゾナ州のフェニックスにあるフェニックス・メサ・ゲートウェイ空港に移動し、ここで耐熱テストを行っているそうです。写真を見ますと、胴体後部の上側が黒く塗装されているようです。これも、耐熱試験のためでしょうか。今年の米国は猛暑で、耐熱テストには好都合かも知れません。


*8月17日

@昨日深夜、「カーフュー弾力的運用」49・50・51例目が発生
 昨日深夜、2017年度「カーフュー弾力的運用」49・50・51例目が発生しました。
・49例目 上海発成田行きの中国国際航空157便・B737-800型機が、上海空港の管制制限のために出発が遅れ、午後11時17分にB滑走路に着陸したものです。
・50例目 成田発香港行きのエチオピア航空673便・B787-8型機が、前便で香港空港における管制制限のために成田空港到着が遅れた玉突き遅延により、午後11時19分にB滑走路から離陸したものです。
・51例目 天津発成田行きの「Spring Japan」1032便・B737-800型機が、天津空港の悪天候(雷雨)による管制制限のために成田空港到着が遅れ、午後11時48分にB滑走路に着陸したものです。

@成田空港の7月貿易額は輸出が24.5%増、輸入が13.3%増と好調
 東京税関が今日発表した「7月成田空港貿易概況」によりますと、輸出額は前年同月比(以下同じ)24.5%増と12ヶ月連続プラスとなり、金額は8983億3300万円となりました。また、輸入額は13.3%増と5ヶ月連続プラスの9589億800万円となっています。

@7月訪日外客数は16.8%増、出国日本人数は3.2%増
 観光局が昨日発表した「7月訪日外客数・出国日本人数」によりますと、訪日外客数は前年同月比(以下同じ)16.8%増の268万1500人と単月としての過去最高を記録しました。出国日本人数は3.2%増と3ヶ月連続プラスの148万2000人となりました。


*8月16日

@スカイマークの「7月運航実績」は改善
 スカイマークが今日発表した「7月運航実績」によりますと、欠航率は前年同月比(以下同じ)0.1ポイント改善の0.1%、定時出発遅延率は1.4ポイント改善の7.7%となり、経営陣が目指す「運航状況日本一」を目指す改善が進んでいるようです。

@ドイツ第2位の「エア・ベルリン」が破産申請、運航は継続
 現地時間15日、ドイツ第2位の航空会社である「エア・ベルリン」が破産を申請しました。筆頭株主であるエティハド航空が支援継続を断念したことから、破産を申請したものです。同社は LCC などとの競争で、長年にわたり、経営が悪化していました。運航はドイツ政府やルフトハンザ航空(同社はエア・ベルリンの一部事業を引き受ける方向で調整中)などが資金援助を行い、今まで通り継続する、とのことです。同航空は日本には自社機での乗り入れはしていませんが、成田空港にはエティハド航空との共同運航を行っています。


2017年8月前半の出来事に戻る