2012年12月後半の出来事
*12月31日
@年末に来て、突然持ち出された「運用時間制限緩和(案)」。大変な年でした。来年も、よろしくお願いいたします。
@ジェットスター機のタイヤ変形でB滑走路約15分閉鎖
昨日午後7時半頃、ゴールドコースト発成田行きのジェットスター11便・A330型機の着陸後点検で、タイヤ1本に変形があることが分かりました。このため、成田空港会社では B滑走路を、午後8時5分から約15分間閉鎖し安全を確認しました。他の便への影響はありませんでした。
@成田発のデルタ機がロスで落雷受けるも、無事着陸
29日朝、成田発ロサンゼルス行きのデルタ航空284便が着陸体制に入ったところで、落雷を受けましたが、同機はそのまま無事に着陸しました。機首部分に落雷した、とのことです。
@レッドウイングス機のオーバーラン事故による死者が5人に
29日に起こったレッドウィングス航空機事故の負傷者の内、1人が病院で死亡し、死者が5人となりました。
@A380型機、今年の引き渡しが30機に
エアバスは27日、エミレーツ航空に同航空31機目の A380型機を引き渡しました。これで、2012年の A380型機引き渡し総数は30機となりました。
*12月30日
@モスクワでレッドウイングス機がオーバーランし大破、4人死亡
ロシアのモスクワ近郊のブヌコボ国際空港で、29日午後4時35分頃、ロシア・レッドウィングス航空・ツポレフ204型機が着陸に失敗し、滑走路を約300mオーバーランして空港のフェンスを突きやぶり、幹線道路に突っ込んで、大破・炎上しました。乗員8人の内4人が死亡、4人が負傷した模様です。同機はチェコのパルドゥビツェから戻る便で、乗客はいなかった、とのことです。なお、同社はツポレフ204型機を10機運航しており、11月5日と12月20日に相次いでオーバーラン事故を起こして、ロシア運輸省が28日に、ツポレフ社に対して、ブレーキの点検・改善命令を出したばかりでした。事故機は「2008年に受領した機体」とのことです。
*12月29日
@「共生共栄のために、理解してくれ」と夏目社長
成田国際空港株式会社の夏目社長は昨日の記者会見で、運用時間制限緩和について「真の意味の共生共栄を図るため避けて通れない。何としてもご理解いただきたい。国際競争力を高める必要があり、地域経済の発展や雇用につなげる思いで提案している。騒音地域の方には申し訳ないが、ご理解いただきたい。」と述べました。
【コメント】「共生共栄」とは一体なんでしょうか。相変わらず、健康影響への根拠は全く示さず、「我慢してくれ」の一点張りです。空港建設にやむをえず協力し、住み慣れた土地から周辺の代替え地に移転した人も含めた騒音地域住民に、「夜もまともに眠れない」環境をつくることが「共生共栄」なのでしょうか。
@厚木基地の騒音苦情件数がこの10年の最高へ
厚木基地周辺の自治体に寄せられた米軍機による騒音への苦情が、4月〜先月末までに5722件と急増していることが分かりました。特に、夜間離着陸訓練(NLP)が行われた5月が非常に多くなっています。今年度の苦情件数は、周辺自治体が集計を始めた、この10年で最多になる事が確実になりました。
*12月28日
@低騒音機が増えて、住民の生活が良くなるのか?・鈴木社長への反論
ジェットスター・ J の鈴木みゆき社長は、秋本俊二著「航空大革命」の中のインタビューで、「また成田空港に関しては、騒音などの問題はあるものの、24時間運用できる態勢にできるだけ近づけていってほしいと思っています。騒音問題も技術の進歩でどんどん抑制できるようになっていますし。」と述べています。
しかし、これは次の3点で、間違っていると思うのです。第1は、確かに騒音は低くなっていますが、18日に開かれた「成田空港騒音対策地域連絡協議会の常任理事・監事会」での国土交通省説明に、住民は「音のしない飛行機は1機もない。787でもそうだ」と発言した(19日の出来事参照)そうです。騒音が屋内で聞こえないほど低くなっているわけではありません。第2に、低騒音機が増えるに従って、飛行回数が増加するのでは騒音値も、体感騒音も変化しないことになります。すなわち、「飛行回数を増やすために、低騒音機を増やす」のでは住民の生活環境を良くすることにはなりません。第3は、深夜・早朝の騒音は飛行回数が少なくても、睡眠にあたえる影響は(特に「弱者」にとっては)非常に大きいのです。「夜間騒音については、1機毎の最高音を規制すべき」との考えが大きくなって来ています。騒音下住民としては、鈴木社長の意見は、到底、受け入れがたいですね。
@今日の出国者が43000人、出国ラッシュが本格化
成田空港で今日から、年末年始を海外で過ごす人たちの出国ラッシュが本格的に始まりました。今日1日で、約43000人が出国する予定です。
@エーデルワイスが夏に成田=チューリッヒ線を週2便運航へ
エーデルワイス航空は2013年6月16日から9月22日まで、成田=チューリッヒ線を週2便(日・金曜日)運航することを明らかにしました。この結果、この期間、成田=チューリッヒ線はスイス航空と合わせて、ディリー運航(毎日運航)となります。
@UAのCEOが「成田の将来性は、日本の経済や景気動向に左右」
今日の「週刊ダイヤモンド」によりますと、ユナイテッド航空の CEO は同誌のインタビューに答えて、「成田空港は重要だが、必ずしもユナイテッドにとってのアジアの玄関口とはいえない。」「成田の将来性は、日本の経済や景気動向に左右される。また、アジアの他の空港との競争に晒されていることを念頭に置きながら運営するべきだろう。」と述べた、とのことです。
@昨日朝の成田空港最低気温が氷点下8.4度
成田空港では昨日朝の最低気温が氷点下8.4度となり、12月としては過去最低を更新しました。
@スカイマークが来年3月に関西空港路線から撤退へ
スカイマークは今年3月に運航を開始した関西空港路線から、来年3月末に撤退する方針を固めました。ピーチ・アビエーションの進出などで、利用率が低迷していました。全体的にも、2013年3月決算が減益となる見込みで、不採算路線から撤退して業績の改善を図る、とのことです。
【コメント】「成田シャトル」もこのところ、一時の勢いがなくなっていますが、2014年の国際線就航を考えると、簡単に撤退とはいかないでしょうね。
@日航11月、国際線利用率76.8%・国内線利用率69.0%
日本航空は昨日、11月の利用実績を発表しました。それによりますと、国際線は利用率が前年同月比(以下同じ)8.3ポイント増の76.8%でした。また、国内線利用率は3.2ポイント増の69.0%となりました。成田空港路線の利用率は成田=大阪線が5.9ポイント増の74.2%、成田=札幌線が5.6ポイント増の49.3%、成田=福岡線が2.1ポイント増の42.3%、成田=中部線が12.9ポイント増の55.7%、成田=那覇線が5.3ポイント増の47.1%となっており、全路線で利用率が上昇しています。
@スターフライヤーの11月国内線が73.2%
スターフライヤーが昨日発表した、11月の利用実績によりますと、国内線の利用率は前年同月比6.2ポイント増の73.2%、国際線は59.7%となりました。
@ベルリンの新空港開港がさらに延期か
ドイツの運輸・建設相は26日、ベルリンの新空港「ブランデンブルク国際空港」の開港が「来年の10月27日からさらに延期される可能性が出てきた」と述べました。「自動排煙装置の作動テストを繰り返し行う必要がある」と述べています。
*12月27日
@日本人旅客数が3%減と3ヶ月連続のマイナスに・「11月運用状況」
成田国際空港株式会社は今日、11月の「運用状況」を発表しました。それによりますと、総発着回数は前年同月比(以下同じ)13%増となりました。この内、国際線は4%増、国内線は72%増となっています。旅客数は11%増で、国際線旅客は5%増になりましたが、この内、日本人は3ヶ月連続して前年同月比マイナスの3%減となっています。外国人は13%増でした。一方、国内線旅客数は99%増となりましたが、8月の140%増をピークに伸び幅が減少しています。一時の「 LCC ブーム」が 落ち着いてきたのでしょうか。なお、昨年の10月にはスカイマークが「成田シャトル」を就航開始していました。貨物量は3%増で、この内、輸出量は16%減でしたが、仮陸揚量は62%増となっています。また、輸入量は7%減で、仮陸揚量は55%増となりました。給油量は10%増でした。日本人旅客数の減少は尖閣諸島問題による日本人の中国回避が影響しているものと見られます。
@全日空が成田=シカゴ線を1日2便に増便・来年6月下旬から
全日空は25日、来年6月29日から成田=シカゴ線を増便し、1日2便にする計画を発表しました。アジアとの接続需要を取り込むため、としています。
@大韓航空が成田=ロス線を成田=ホノルル線に変更・来年3月末に
大韓航空は来年3月31日から、現在運航している仁川=成田=ロサンゼルス線を、仁川=成田=ホノルル線に変更して運航することを明らかにしました。ホノルルへの需要が多くなっている、とのことです。1日1往復で、機材は A330-300型機を使います。
@エアアジア・J が3月から中部=福岡線に就航
エアアジア・Jは今日、「来年3月から、中部=福岡線に就航する」と発表しました。同航空は中部空港を成田空港に次ぐ、第2拠点として検討していることを明らかにしていました。中部空港路線を順次拡大していく、としています。
@相模原市のキャンプ座間周辺自治会がヘリ騒音で要請
相模原市南区の新磯地区自治会連合会は4日、防衛省南関東防衛局に対し、キャンプ座間の米軍ヘリコプターによる騒音被害を解消するように求める要請を行いました。荒井会長は「窓ガラスが揺れ、テレビの音も聞こえない。これでオスプレイの不安が加わったら、たまらない」と訴えました。これに対し、南関東防衛局は「米海軍に最大限配慮するよう再度申し入れる」と答えました。
@花巻空港でジェイエア機が誘導路を逸脱、重大インシデントに認定
25日午後5時20分頃、札幌発花巻行きのジェイエアが運航する、日本航空2837便 ・CRJ200型機が着陸後、誘導路を移動中に雪でスリップし、誘導路脇の芝生に突っ込んで止まりました。乗客・乗員にケガはありませんでした。このトラブルで、花巻空港は午後5時40分頃から閉鎖され、昨日午後に再開されました。運輸安全委員会は重大インシデントとして調査官を派遣しました。
@自衛隊機が滑走路灯を破損・那覇空港
25日午後8時頃、那覇空港で航空自衛隊のF15戦闘機が着陸の際に、右にそれ、滑走路灯を破損させました。このトラブルで、滑走路清掃などの安全確認のため、滑走路が約40分にわたり閉鎖されました。この影響で滑走路を共用する民間機16便に最大42分の遅れが出ました。
@「LCC利用したい」が71.4%・日経トレンディ調査
昨日の「日経トレンディネット」によりますと、同誌が調査した「LCC」に関しての調査(11月7〜13日 ・回答数9297)によりますと、「LCC」という言葉で連想されるのはピーチ・アビエーションが48.7%とダントツ、とのことです。また、LCCの利用意向は「利用したい」が71.4%で、前回調査(2011年8月)とほぼ横ばいでした。しかし、「国内線なら利用したい」と答えた人は前回調査に比べ4.5ポイント増えています。LCCを選ぶ基準では「料金」が80.8%、「事故などに対する安全性」が42.9%、「どこの空港から出発するか」が35.5%となっています。
@カザフスタンで軍用輸送機墜落し27人が死亡
25日夜、中央アジアのカザフスタン南部のシムケント郊外で、27人の乗った軍用輸送機 ・アントノフ72型機が墜落し、全員が死亡しました。輸送機には国境警備隊員が乗っていました。同機は強い風と雪の中、空港上空を何回も旋回した後に墜落した、とのことです。
@ミャンマーの墜落事故で2人が犠牲に
25日にミャンマーで墜落したエアバガン機 ・フォッカー100型機は、濃霧の中、空港の手前約3Km の道路に墜落した、 とのことです。同機は墜落前に「エンジンに火災が発生していた」との情報もあり、道路を滑走路と誤認したか、道路に不時着を試みた可能性もあるようです。墜落後、火災が発生して機体の後部が燃えました。乗客1人と、巻き添えになった現地人1人が犠牲になり、乗客9人とパイロット2人がケガをしました。
*12月25日
@都合により、明日の更新が出来ません。
@【資料室】に「千葉県の『平成23年度成田空港周辺騒音測定報告書』を読む」を載せました
【成田空港サーバー資料室】に「千葉県の『平成23年度成田空港周辺騒音測定報告書』を読む」を載せました。報告書のデータは共生財団の